「……成る程、アンタも見えてる側の人間か?」
「あれ、意外と驚かないね?」
「まあ、アンタの言ってた呪術師なら大体見えるもんだろうと思ったからな。ところでその呪術師ってなんだ?」
「そっかそっか……全くの無知とくるかー……」
男は何故か頭を抱えて『なんで分かんないかなー』と呟いていたが俺は特に気にする事なく取り敢えずこの男をうちに招き入れる。ようやくあの幽霊の正体とかもわかりそうだしな。
「取り敢えず上がってくれ、詳しい話は中でしよう」
「ああ、うん。お邪魔します」
取り敢えずこの男を俺の部屋に招き入れる。一対一で話した方が良さそうだしな。
「どうぞ…冷たいお茶で大丈夫でしたか?」
「いえ、お構いなく」
母さんが五条悟と呼ばれる男にお茶を出してくる。部屋から退室し俺と2人きりとなる。
「んで、アンタは俺が見てきた幽霊の正体を知ってるってことでいいのか?」
「ああ、そうさ。君が見てきたものは呪霊と呼ばれる呪いの存在。君が飼ってるその白蛇も呪霊だよ」
「そうか。ハク、幽霊じゃなくて呪いから生まれた蛇だったんだな」
「気づいてなかったの!?しかも名前まで付けてるし⁉︎」
「全然、ハクは小さい時から一緒に過ごしてる。ただ他の人にも見えてなかったから神様の類と思ってたからな。白蛇は縁起のいい動物って言うだろ?」
俺がハクに話しかけながら撫でると『シュ〜』と返事をする。どうやら本当に呪いから生まれた存在らしいな。ならなんで今まで見た幽霊…否、呪霊はあんなグロい姿になってたんだ?
「まあいいや。それで、その呪霊?を祓うのがアンタの、呪術師の仕事?」
「そうさ。一般人でも見える呪物……呪いの籠った危険な物を回収するのが僕らの仕事。後は呪術を悪用する人間、呪詛師と呼ばれる術師の捕縛、或いは抹殺をする事もある」
「成る程な……でもどうして俺に会いに来たんだ?」
「言ったでしょ。君は呪力が全く無いのに呪霊を視認できる……けど呪霊祓う力も持っていないのに君はこの辺りの呪霊を多く祓ってる。その中には一級、特級クラスもいた。多分だけど君の飼ってるその呪霊、武器庫になってるでしょ?」
「ああ、今まで呪霊はハクから出してきた武器で倒してた」
「……言っとくけどそのレベルを一人で祓うのは僕と一部を除いては異常だからね?で、早速本題だけど、今日は君に呪術師にならないか誘いに来たんだよ」
「……何故?」
俺が疑問を口にすると男はサングラス越しでもわかるように真剣な眼差しで答える。
「君は生まれつき持った縛りによる呪いがある。心当たりあるんじゃない?例えば…身体が頑丈…身体能力や五感が異常に高いとか?」
「⁈」
それは、俺が不思議に思っていた事だ。人間離れした身体能力や五感は生まれながらのものだとしか思っていなかった。これも呪いによるものなのか?
「君のその体質……天与呪縛による生まれ持った縛りだよ」
「天与呪縛?」
「そっ、生まれながらにして強大な力を得る代わりに何かを強制的に犠牲にしなければならない縛り……それが天与呪縛さ。君の場合、その天与呪縛は究極系にあたるものだよ」
成る程……俺の異常な身体能力や五感は生まれた頃からのものだったってのか……まあ、今となってはどうだっていいことだ。俺はもう普通の人間には戻れないんだからな。元より普通なんて望んでいなかったしな……今更気にすることでもないか。それにこんな頑丈に産んでくれた母さんには感謝もしてる。
「成る程…話を察するに…俺は呪力を無くす代わりにこの力を得たわけか?」
「正解!話が早くて助かるよ」
「それで、その呪いの対抗手段は?」
「そうだね、呪いは呪いでしか祓うことはできない、君の場合呪力は0だから呪霊を祓うことは絶対に不可能。君が今まで呪霊を祓えたのはその白蛇が持ってる呪いが籠った呪具と呼ばれる物のおかげってこと」
「呪具…成る程、どおりで武器から異様な気配は感じてたが…ようやく納得した」
「その様子だと未登録の呪具も持ってそうだね君。まあ、そういうわけだから君には来年、呪術師になってもらいたいんだ。実はさ、呪術師は万年人手不足で呪い自体見える人って稀なな訳で、だから見つけたら積極的に勧誘してるの。どう?お給料も出るし、君ならすぐに上に登れるだろうから悪くない話だと思うけど?」
成る程……給料は出るのか……。まあ、バイトをせずに生活できるのなら別に構わんか。それに公的に認められている機関らしいし、ある程度自由が効くだろうしな。
だが……
「……一つ聞いてもいいか?」
「ん?」
「呪術師になったら…この身体能力を存分に発揮出来るのか?」
「そうだね。それは君次第といいたい所だけど
100%活かせる。これは断言できる」
目の前の男はハッキリと断言した。コイツの言葉に嘘はなさそうだな…
「そうか……よし、いいだろう。俺もその呪術師とやらになってやる」
俺がそういうと男は意外そうな顔を見せる。
「随分と即決だね?もうちょっと悩んだりするかと思ったけど」
「呪術師は呪いを祓うものなんだろ?俺はこの身体能力を呪霊退治にしか発揮できなかったからな。それを活かせるなら受ける価値はあるだろ?」
「クククッ!いいねぇ…いい意味でイカれてるよ君」
「褒め言葉として受け取ってやる」
「勿論褒めてるんだよ?」
そう言って俺と男は笑い合った。そして今後の為お互い連絡先を交換する。
「んじゃ、そろそろ行こうかな。こう見えて僕って忙しいし」
「そうかい、因みにアンタは呪術師の中じゃどのくらい強いんだ?」
興味本位で俺が質問すると、五条悟は不的な笑みを浮かべ答える。
「最強」
と、ハッキリと答えた。
「そうか……(ハッタリ…じゃなさそうだな。今の俺でも勝てそうにないな…)」
呪術や呪いの知識がない今の俺が本気でやっても勝てるイメージが出来ない。目の前の男にはそれ程の何かを感じるのだ。
「それじゃあまたね。あ!そうそう、忘れてた!」
「ん?」
家を出ようとすると五条悟は振り返る。
「君の学校の事情も知ってるし…今まで他の術師が担当していたんだけど、今後君にはバイトと言う形で依頼することがあるから…その時はよろしくね♪」
「ちょっと待て…アンタまさか」
「アハッ!それじゃあね」
そう言って男は家から出ると目の前から消えていった。気配がもうない、あれは呪術の一部なのか?
しかもあの発言だと殺せんせーの事も知ってそうだな。どうやら俺は、厄介な男に捕まったようだ……けど
「せめて依頼内容くらいは説明して帰れよ」
『フシュ〜』
そう言って俺はため息をつきながらハクを撫でた。ハクの鳴き声に俺は勉強に戻りその日は早めに風呂に入り早く寝た。余りの情報量に疲れていたのだろう。布団に入るなりすぐに深い眠りに着けた……。
天逆鉾と同じ能力を持つ呪具はいる(或いは今作はもう一振りあった設定で)?
-
必要
-
必要ない