転生したら陰実の世界にいた件   作:リベリオンβ

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※『出た!シド流モブ式告白!』まで既読を推奨

この回では、原作『陰の実力者になりたくて!』に登場していない国の名前が登場します。

その為、原作が進んで陰実世界地図全てが判明するまで作者が決めたオリジナルの国の名前とさせて頂きます。
※オリジナルの国は、『カゲマス』七陰列伝の第2部第3章で出た一部の陰実世界地図の現時点で判明している情報を元に作者が
オリジナルの名前をつけました。
判明次第、名前のみ修正します、設定などは変更しません。

それらを踏まえた上でお読みください。

後これは作者の個人的な想像&独り言ですが、ミドガル王国、リンドブルム、アレクサンドリア、オリアナ王国、ベガルタ帝国……。

これらの国や古都がある場所って、世界の南東辺りにあるに過ぎないのかねぇ……?

もしそうだとしたら陰実世界の舞台ってまだまだ狭いな……。



ゼータと最強の小人

 

 

 

 

これは、ミドガル王国にてアレクシアの誘拐事件発生の3日前の物語……。

 

ここは、リンドブルムや、霧と森に包まれた古都アレクサンドリアから、山岳を超えた遥か北の森。

 

その森に囲まれた、小さな古城を1人の薄い金髪の猫系の獣人が見ていた。

 

彼女の名前はゼータ、《シャドウガーデン》の最高幹部『七陰』の第六席。

 

隠密担当故に彼女は1人、主に『教団』の情報や拠点を探る為世界各地を飛び回っている。

 

そして、アレクサンドリアの遥か北の森に囲まれた小さな古城にて、『教団』の人間が入り浸っている情報を得た。

 

一見すると小規模拠点と対して変わらないが、ゼータはその場所が気になっていた。

 

 

 

ゼータ「何かな、あの古城、なんか気になるんだよね……。

一見すると古びた小さな古城、でも、何かある……」

 

???「うむ、『教団』の者が多く入り浸っているということは、そこに『教団』の秘密が1つか2つ、あるかもしれないな」

 

ゼータ「だとしたら、ここはしっかりと調べておかないと」

 

???「そしてその秘密が『教団』にとって重要なら最優先で精密調査し、報告すべきだ……」

 

ゼータ「そうだね……で、そろそろ出てきてくれないかな、ウルティオ様?」

 

ウルティオ「うーん、このまま出てきてもいいが……それでは面白味がないだろう。

俺を探してみろ、ゼータなら見つけられるだろ」

 

ゼータ「面白い挑戦だね。

ワンちゃん程じゃないとはいえ私も結構鼻は効くんだけど。

………って、あれ?匂いですぐ近くにいるのはわかるはずなのに……?」

 

 

 

何処からともなく声が聞こえるウルティオを探すベく、嗅覚を活かしつつ周囲を見渡すゼータ。

 

しかし、周辺を見渡してもウルティオの姿は何処にもいない。

 

ゼータとてデルタに引けを取らない嗅覚を持つ獣人だ、ウルティオが近くにいるなら何処に隠れていてもすぐに見つけられる。

 

彼女の嗅覚は彼がすぐ近くにいると示している、まさか、こちらに気づかれないように後ろにいるのか、と思ってゼータはその場を素早く回るが、彼の姿らしきものは微塵も見えない。

 

如何にウルティオが速く動いても、その身体のごく一部は見える筈、が、それすら彼女の視界に入らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼータ(匂いはすぐ近くの筈、一体……)

 

ウルティオ「何処を見ている。

……仕方ないな、ゼータ、首をもっと左に向けてみろ」

 

ゼータ「首を左に……?って!?えっ!?ウルティオ様!?」

 

ウルティオ「よう」

 

 

 

彼女が首を左下に傾けてみると、そこには彼女の背中の中央から左肩甲骨付近をほふく前進するかのように上がってきた、何故か身長が10cm程しかない小さい身体となっていたウルティオが、ゼータの背中にくっついていた。

 

その小さい腕を上げてウルティオが返事をする。

 

どういう経緯でそんな姿になったのか不明だが、これには普段クールなゼータも驚きを隠せない。

 

幸いなのは彼女の周辺に『教団』の人間がいないことだ。

 

というか、こんなもん、他のシド以外の彼を知っている人が見たら驚くわ。

 

 

 

ゼータ「な、何で?何でそんなに小さくなってるの!?」

(……ちょっと可愛い、かも?)

 

ウルティオ「これか?これは『ミニ魔力分身』!

自分の身体の五分〜一割くらいにしたサイズの分身を作る技だ!

通常の分身と違って使う魔力も五分〜一割で済むし、隠密にも使えていいぞ〜?魔力量は身体の大きさに合わせて減るが、力は変わんないしな!

こんな小さい生物がデカい魔力持ってる何て誰も思わないだろう!」

 

ゼータ「……主もそうだけど、ウルティオ様の想像力は凄いよね、ビックリさせられる」

 

ウルティオ「はっはっは、まあ『陰の叡智』ならシャドウの方が優れているけどな。

……さて、それよりもあの城か……」

 

ゼータ「やっぱり、ウルティオ様も気になるの?」

 

ウルティオ「うむ、『教団』の奴ら……恐らく、魔人や魔王にゆかりのある『鍵』を隠していると見た」

 

ゼータ「『鍵』……?

確かに、あの古城に『教団』の奴らが沢山出入りしてはいるけど……。

でも『鍵』か、確かにそれ程大事な物なら、あれだけ数が多いのも当然だね」

 

ウルティオ「流石に『ラウンズ』はいないだろうが、幹部クラスもいるだろうし『1st』クラスの奴らも多い筈だ」

 

ゼータ「1度アルファ様に報告するべきか……」

 

ウルティオ「いや、その必要はない」

 

ゼータ「え?」

 

 

 

ゼータの1度報告をするべきかの思考を否定して、彼女の左肩甲骨付近から離れ、飛行して前に出るウルティオ。

 

その表情は、もう既に攻め込もうとしているものだった。

 

 

 

ウルティオ「俺とゼータで攻め込み、あの拠点を落とし、『鍵』を奪う」

 

ゼータ「それはいいけど……ウルティオ様、その身体で戦えるの?」

 

ウルティオ「舐めてもらっちゃ困るな。

確かに今の俺の身体は小鳥よりも小さいくらいだ。

だがこんなナリでも魔力量はアルファ以上だし、元の力も健在だぞ?」

 

ゼータ「……ならいっか。

気になる物は1つでもさっさと手に入るに越したことはないし、報告も、ウルティオ様がするなら不要になって手間が省ける」

 

ウルティオ「決まりだな。

んじゃ、攻めに行くとしようか、先陣はどっちが切る?」

 

ゼータ「ウルティオ様に任せるよ」

 

ウルティオ「よっしゃ、なら行くか」

 

 

 

小さなウルティオが、魔力を制御して身体を5cm程大きくして先駆けし、後からゼータも続くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ???

 

 

 

一方、古城の最上階……。

 

 

 

???「クックックッ……あの方からの設計図を元に完成したこの鍵さえあれば、魔界の魔人や魔王をこの世界に顕現させられる……!

『魔人ディアボロス』?たった1体の魔人に満足している奴らに目にものを見せてやれるぞ……!」

 

 

 

最上階にて、『教団』の幹部『マージン・コーノミ』が、1本の、1m(メートル)はある大きな鍵に抱きつきながらにんまりとした顔で語る。

 

彼は最近『ラウンズ』第十席となったラウンズの中でも若手の『マーオウ・スーキ』の部下、つまりマーオウ派の幹部である。

※原作でのラウンズ第十席はペトスですがこのシリーズにて過去にウルティオに殺されてます。

 

ていうか、このシリーズの作者まで敵キャラの名前を遊んでつけちゃってるよ………毒されたな、おい。

 

おっと、話を戻そう、彼とマーオウはディアボロスの力を手に入れるよりも、魔界と呼ばれるこの世界とは別の世界にいる魔人や各魔界の魔王をこの世界に顕現させようとしている。

 

そしてその魔人や魔王に仕える事でマーオウは上手いことこの世界の覇権を取ろうとしていたのである。

 

マージンはその理想に惹かれ、『教団』に入ってからマーオウの部下として活動することに決めたのである。

 

 

 

マージン「あとはこの鍵を北西にいるマーオウ様に見せて、魔界の扉を召喚してもらえば……!」

 

教団員A「マージン様!」

 

マージン「ん〜?どうした?」

 

教団員A「侵入者です!」

 

マージン「……何?例の《シャドウガーデン》とかいう奴らか?相手は?」

 

教団員A「そ、それが、あの見た目と特徴からして恐らくは『七陰』のゼータなのですが、もう1人いまして……」

 

マージン「ん?もう1人いてもたったの2人だろう、さっさと倒さんか」

 

教団員A「そ、それが、そのもう1人が虫の様に小さいヤツでして……全く攻撃が当たりません!」

 

マージン「……はぁ?

『1st』クラスの奴は30人はいただろう!何をしておるのだ?」

 

教団員A「その30人の殆どが、そのゼータと小さいヤツに全滅させられました!」

 

マージン「何だと!?」

(『七陰』とかいう奴が1人だけなら何とかなるが、その小さいヤツとやらは何者なのだ……!?そいつも《シャドウガーデン》か……!?)

「ええい!私も出る!貴様も戻って応戦せんかっ!」

 

教団員A「はっ、はいっ!!!」

 

 

 

報告に来た教団員が即座に持ち場へと戻っていく。

 

そしてマージンも1m近くあるその大きな『鍵』を大型金庫にしまって戦闘の支度をする。

 

『七陰』のゼータと、もう1人虫の様に小さいヤツだと?

 

そいつに『1st』クラスの大半がやられた?

 

一体何処の何者を加入させたのだ!?《シャドウガーデン》は!?

 

 

 

マージン「くっ……!何としても、『鍵』は死守しなければ……!」

 

 

 

そしてマージンも直ぐ様前線へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

ウルティオ「そらよっと!」

 

教団員B「ぐえっ!?」

 

 

 

古城内にて、小さなウルティオが左腕を『スライムドリル』に変形させて身体ごと突撃し、教団員の首を貫いて仕留めていた。

 

そして右手には大剣型スライムソード『スライムザンバー』を持ち、その大剣を動かし敵を斬り貫いていた。

 

『スライムザンバー』は彼の身長の7割の長さがある、現在の彼の身長は15cm、武器の長さは切先から柄尻まで10.5cm

 

それでも刃渡り8cm以上はある為、剣先から鍔までを最大限活かし、人の首を斬って殺すには充分だった。

 

教団員の首を貫いた後、ウルティオは他の教団員からの攻撃を飛び回って避けながら、大剣とドリルで斬ったり貫いたりする。

 

飛行速度が速い故に攻撃の後に教団員達は首などを簡単にやられてしまうのだ

 

一方、ゼータの方も隙はない。

 

上から駆けつけた教団員も含め……。

 

 

 

教団員A「あんな小さい奴も《シャドウガーデン》なのkぐえっ!?」

 

ゼータ「余所見禁物、まあ、あんなに小さくて強いから注目するのも無理はないけど」

 

 

 

ゼータの扱うチャクラムによって、小さなウルティオに意識を向けた教団員達は次々と彼女に殲滅されていった。

 

2人が殲滅した中には『1st』クラスの教団員もいたが、ゼータの、ましてや小さくなっているとはいえウルティオの敵ではなかった。

 

 

 

ウルティオ「やれやれ、割と『1st』が多かったが……」

 

ゼータ「相手にならないね、小さくなってるとはいえウルティオ様もそう思うでしょ?」

 

ウルティオ「まあな。

……こうなると、罠の可能性も考えられるが……」

 

ゼータ「魔力を使った罠はなし、後はアーティファクトか、それとも普通に作られた罠か……。

どちらにしても…」

 

ウルティオ「上に行けば行くほど、気になる、か」

 

ゼータ「そうそれ。

なんだか惹きつけられてる、みたいな。

『教団』が持っている物に惹きつけられるのは嫌気が差すけど」

 

ウルティオ「……何にしても、何があるのか確かめないとな。

もし『教団』にとって重要で、尚且つ戦力の上がる『鍵』だとしたら厄介だ、こちらで回収しなければ」

 

ゼータ「だね。

さっさと終わらせて……小さいウルティオ様を……」

 

ウルティオ「ん?何か言ったか?ゼータ?」

 

ゼータ「…いやなんでも」

 

???「きしゃまらぁぁぁぁあ!!!」

 

 

 

『教団』の『1st』を含めた構成員を全滅させた後、階段からまた『教団』の構成員らしき人物が降りてくる。

 

この隙にウルティオは魔力を制御して身体を8cmまで小さくし、魔力と気配を消して気づかれないように姿を消す。

 

ゼータと降りてきた『教団』の人間はウルティオに気づくことはなかった。

 

 

 

ゼータ「あ、やっと降りてきたね。

……って、あれ?」

(ウルティオ様がいない……魔力は感じるから近くにはいる。

小さい身体を活かした奇襲狙い、かな)

 

???「む?報告では虫の様に小さい奴もいたと聞いたが、逃げたか?フハハハハ!」

 

ゼータ「何のことだか。

最初からここに来たのは私1人だけだよ」

(ウルティオ様が逃げたと思われるのはムカつくけど、ウルティオ様の作戦だから合わせないとね)

 

???「まあいい、『七陰』の1人を倒せるだけでも収穫か」

 

ゼータ「一応、その『七陰』の名を私は背負ってるんだから、あんまり舐めないで欲しいかな」

 

マージン「フハハハハ!イキがるなよぉ!お前はこの『マージン・コーノミ』様がたっ〜〜〜ぷりと可愛がってyん?何だこの黒い物体は?」

 

 

 

マージンが武器をとって、ニヤニヤとゼータを見ながら、彼女に先制攻撃を仕掛けようとした途端、彼の視界に多数の、2cm程の黒い物体が入った。

 

それはしっかりと見ると、黒くて小さいナイフにも見えなくもないような物だった。

 

マージンがそれをまじまじと見た途端、その黒い物体から玉が、マージンの目に目掛けて多数発射される。

 

 

 

「ぐわあぁぁぁぁあ!?!?目がァァァァア!?」

 

ゼータ(あれは……数ヶ月前、主とウルティオ様が戦った時、ウルティオ様が使った……確か、『スライムドラグーン』だっけ?)

 

ウルティオ「引っかかったな!ゼータを見過ぎだこのエロガッパ頓痴気ィィィィ!!!」

 

マージン「グオォォォォォォ!?おのれよくもぉぉぉぉお!!!」

 

ゼータ(って、見てる場合じゃなかった)

「隙あり、人生前向かなきゃダメでしょ」

 

マージン「ギャアァァァァァア!!!」

 

 

 

マージンがウルティオの『スライムドラグーン』で目をやられてる隙に、ゼータがマージンの両腕を両断する。

 

もう一生何も見えないし何も持てねぇなぁ、ざまぁ!

 

ゼータの胸元をいやらしい目で見てるのが悪いんだよぉ!

 

ていうかゼータもゼータよ、獣人は下着を履かないと言うが、それは流石にどうかと思う。

 

ウルティオはマージンへの尋問をゼータに任せ、ササッと『超加速』を使って飛行し上へと向かう。

 

 

 

ゼータ「さてと、話してもらおっか。

『鍵』は何処にあるのかな?」

 

マージン「ッッッッッ!?」

(バカな!?何故ここに『鍵』があるとわかったのだ!?)

 

ゼータ「ダンマリ決め込むのはいいけど、今度は一生歩けなくなるようにするよ」

 

マージン「なっ、舐めるなっっっ!

私とて『教団』の人間の1人だっ!死んでも言わぬっ!」

 

ウルティオ「んっしょ……成る程……これが『鍵』か」

 

マージン「えぇぇぇええぇぇえぇえ!?いつの間に!?ってか、何じゃその身体に合わない大きい手は!?」

 

 

 

ゼータがマージンを尋問している途中で、ウルティオが魔力で生み出した30cm程の魔力の両手で『鍵』らしき物を運んでいた。

 

先程自分の目を攻撃してから1分くらいしか経ってないのに、持ち運ぶのが早すぎる故に目を失ったマージンが絶叫した。

 

 

 

ゼータ「凄い……本当にあったんだ、『鍵』

ていうかデカくない?」

 

ウルティオ「その上、見た目通りの重さだ。

敵の拠点で普通にダンベル……いや、この場合はバーベルか、それを持つ趣味はないんだよね」

(当てずっぽうで言ったけど本当にそれっぽいのあってビックリしたわ。

いつから俺はシド並の強運持ちになったのかねぇ!?

ていうかゼータの言う通りデカ過ぎるだろ!?こんなん何処の扉を開けるんだよ!?)

 

マージン「や、やめろっ!その鍵に触るなっ!

そいつは『魔界』の扉を開くための鍵なのだっ!あのお方に献上せねばならぬのだっ!」

 

ウルティオ「ん?」

 

ゼータ「魔界の扉…ねぇ…。

いや、それよりあのお方って誰の事?」

(あのお方が『ラウンズ』の人間だとしたら、結構大きい情報だね)

 

マージン「私がそれを喋ると思うかぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 

 

マージンは自分の口を封じようと、舌を噛み切ろうとする。

 

ただでさえ目もやられ、両腕も斬られているのだ、最早自分の命は長くないと悟った上での行動だろう。

 

だが、そんな事を俺がさせる訳が無い。

 

一旦鍵を落として、魔力で3cm程の魔力玉を作る。

 

 

 

ウルティオ「そらよっと」

 

マージン「むごっ!?」

 

 

 

俺は魔力で生み出した玉をマージンの口目掛けて放り込む。

 

マージンは最早、ギャグボールを口につけられた変態そのものだ。

 

 

 

ゼータ「舌まで噛み切られたら情報手に入らないからね」

 

ウルティオ「だな、さてと、他の『七陰』の誰かに『念話』で話して、何人か構成員を寄こさせるか。

こいつの尋問兼拷問と、この『鍵』をイータに渡して……そうだな……マドリー辺りに持っていって調べるように言うか」

(丁度イータに頼んで作ってもらったアーティファクトも受け取らないと)

 

ゼータ「そうだね、この鍵のせいで拠点がバレても困るから。

それに……こんな口に玉を加えてる変態の顔をいつまでも視界に入れたくないし」

 

 

 

今後の方針が決まった俺とゼータはさっさと古城を去った。

 

ちなみにこの古城は、後に俺が『ホワイトノヴァ』で塵にしてやったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古城での一件から3時間余り、マドリーに最も近い『無法都市』付近に来た俺とゼータはマージンの身柄と『鍵』を、かつて111番と122番だった現『ナンバーズ』の2人『カイ』と『オメガ』を筆頭とした構成員数名に渡した。

 

その後カイとオメガからまだ試作段階ではあるものの、イータの開発した通信用のアーティファクトを手渡された。

 

どうやらイータは別の研究をしていたようで彼女本人は直接は来れなかったようだ。

 

その後、俺とゼータは『ベガルタ帝国』よりもさらに北の方角にある国『アルスター王国』の王都の宿で休んでいた。

 

今の俺の身体は宿に入った後魔力を制御して先程より大きくはしたが、それでも20cmしかない為、少ない食料や飲み物でもお腹が満たされる上にここで休めるのはほぼタダに等しいものである。

 

食費の方はゼータにお金は出してもらってはいるが、極めて微々たる物だ、後で簡単に返せる。

 

 

 

ゼータ「今日は久しぶりにウルティオ様に会えてよかった。

しかも、こんな可愛らしい姿になっちゃって」

 

ウルティオ「この姿の方が、諜報活動に向くんだ。

俺は空を飛べるし、そもそもこんな小さい存在が大きい魔力を持ってるなんて誰も思わないだろうし、何なら魔力も気配も消して、他の生物や物に擬態しながら行けば問題ないからな」

 

ゼータ「うーん、それは便利そうだけど、流石に私が今のウルティオ様と同じ大きさになったらとても戦えないから、今のままでいいかな」

 

ウルティオ「うん、俺もゼータはそのままの方がいいと思う。

小さくなくても、可愛くて綺麗なゼータは見れるし」

 

ゼータ「…真顔でそういう事言われると照れるんだけど///」

 

 

 

ん?俺何か照れる事言っただろうか?

 

ゼータの顔が少し赤くなる。

 

旅の途中でも何回か会って、たまに赤くなるんだよ、よくわからん。

 

 

 

ウルティオ「にしても少ないとはいえ、ゼータにお金を使わせてしまったな……すぐに返しておかないと」

 

ゼータ「…お金はいい、それよりもお願いがあるんだけど…」

 

ウルティオ「…ん?何?」

 

ゼータ「ウルティオ様、もうちょっと間近で見ていいかな?」

 

ウルティオ「ん?そんな事でいいのか?」

 

ゼータ「うん」

 

 

 

ゼータからのお願いを聞いた俺は飛行して、自身の視界の殆どを彼女の顔いっぱいにする。

 

間近と言うとこのくらいだろうか?凄い近い気がするんだが。

 

彼女がまじまじと、こちらの身体全体を見てくる。

 

 

 

(やっぱり可愛い……主も小さくなったらこんな感じなのかな?

今度会議で主とウルティオ様の人形作ってもらうの提案しよう)

 

ウルティオ「・・・?」

 

ゼータ「ウルティオ様、高度を下げてもらってもいいかな?」

 

ウルティオ「ん?別にいいが……これくらい?」

 

 

 

ゼータに高度を下げてもらうよう頼まれると、俺は彼女の首付近まで高度を下げる。

 

 

 

ゼータ「もうちょっとだけ」

 

ウルティオ「え?もうちょっと?」

(もうちょっとって…ちょ、この位置は、ヤバイだろ!?)

 

ゼータ「うん、そのくらい」

 

ウルティオ「こんだけ下げさせて、一体何を……」

 

 

 

まだまだ彼女から高度を下げてもらうよう頼まれ、ウルティオが下がっていき、途中で彼女が指定すると、その位置は彼女の胸元だった。

 

幸いなのが現在彼女は私服姿だ、ボディースーツ姿だったらさらけ出してる胸元を目の当たりにしているだろう。

 

俺は彼女の胸元をなるべく見ないように視線を背けたが………

 

 

 

ゼータ「……こういうこと」

 

ウルティオ「えっ?ファッ!?」

 

 

 

俺はそのままの位置にいると、ゼータに抱きつかれた。

 

何故こうなったのか、俺も全く判らん。

 

今この空間には2人だけだが、これをアルファとかアイリス辺りが見たらどんな反応するだろうか。

 

 

 

「ちょ、まっ!?ゼータ!?いきなり何を!?」

 

ゼータ「…ウルティオ様のせいだから」

 

ウルティオ「はっ!?俺何かした!?」

 

ゼータ「したよ

…私は普段、1人で活動してるのに、旅の途中とかでもそうだったけど、こうして何度も会っては私の手助けしたり一緒になって………。

今日だって…そんな小さくて可愛い姿になって……そんな事したら、ウルティオ様の事が頭から離れなくなる」

 

ウルティオ「え、ちょ、は???」

(何で?どうしてこうなる?

……いや、これはあれか、長い事一人暮らししてる寂しい女性の前に、急にお隣の男が引っ越してきて、その男が親密に接してきて、いつの間にか夢中になるとかいう……アレか!?

そんなご都合ラブコメ展開アリかよ!?

…いや、ゼータの性格も癖がある、案外ただからかってるだけかもしれない、うん、そうだ!そうに決まってる!)

 

ゼータ「だから、お金の代わりに…。

今日一日だけこうさせて、そうじゃないと……割り切れないから」

 

ウルティオ「あ、ああ……」

(からかって……なさそうだな。

…ならラブコメ展開?いやいやそれはない、絶対にない!シドじゃあるまいしそんなご都合主義な事あってたまるかぁぁぁあ!!!

………でも、ゼータ、いい匂いするし、胸柔らかいな…彼女の夫となる奴マジで羨ましいだろうな)

 

 

 

こうして俺は、その小さな身体をゼータに抱かれながら一夜過ごすことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ???

 

 

 

 

???「…古城が消えただと?」

 

教団員「はい、かなり強力な魔力か何かを使った物で消されていました。

現場は、殆ど塵となりましたが、マージン様は……。

恐らく例の《シャドウガーデン》の者かと……」

 

???(『ディアボロスの雫』の失敗作がなくてもマージンはそこそこ腕の立つ、しかも魔界への信仰もかなりのものだった。

…惜しい奴をなくしたものよ、しかし古城まで塵と消えたとなると、それ程腕の立つ奴が襲撃してきたということか……。)

「…わかった、下がれ」

 

教団員「し、しかし……」

 

???「下がれと言ったのだ、今は1人にしてくれ」

 

教団員「は、はいっ!」

 

 

 

教団員もその男の心中を察したのか、直ぐ様下がって部屋を退室した。

 

彼の名前は『マーオウ・スーキ』

 

『ディアボロス教団』の最高幹部『ナイト・オブ・ラウンズ』の第十席に最近なった人物である。

 

彼がラウンズになった経緯は、1体だけではあるものの『魔人ディアボロス』以外の他の魔人を、彼のみが召喚出来る『魔界の扉』を召喚して別の世界から呼び出した功績である。

 

その魔人は流石別の世界の魔人だけあって、人工的に魔人となったディアボロスに近い力を持っていると言われている。

 

とはいえ1000年以上前から生きていると言われる『ラウンズ』の第一席と第二席の2人によって、その魔人は倒され『教団』の本拠地に封印されることになった。

 

その魔人が降臨したのはまだ2年程しか経ってない故に、現在『ラウンズ』の第一席と第二席を筆頭とした者達が研究している。

 

研究に関しては第十一席の『ジャック・ネルソン』に押し付ける、という手もあったが、ただでさえ聖域にディアボロスの左腕を封印している為に、その魔人まで聖域に封印させ、万が一聖域が破壊される等のアクシデントが発生して魔人が表に出てくるのを防ぐ為であろう。

 

ただでさえ例の《シャドウガーデン》が小規模拠点を多数破壊しているのだ、保険はかけるに越したことはない。

 

その為、マーオウを含む第三席以下の『ラウンズ』にはまだその研究は詳しく知らされていない。

 

だがディアボロスに近い力を持つ異形の存在をこの世界に顕現させた事で、『ラウンズ』の第十席となっただけでなく『ディアボロスの雫』も4滴程支給された。

 

『ディアボロスの雫』は1年に12滴しか生産出来ないが、第十席が過去にシャドウに殺され、マーオウ以外の第十席候補もウルティオに殺された事で約1年空席だったのと、長らく第十二席目が空席だった為に、他の魔人を顕現させたマーオウに教団のトップである第一席の者が与えたのである。

 

さて、彼がラウンズになった経緯の説明を終えたところで話を戻そう、マーオウは自分と共に異界の魔人や魔王を崇拝する部下を失った事でその表情は暗くなっていた。

 

彼にとってマージンは部下と同時に弟分のような存在だった、2人は十年前程に教団に入って異界への干渉の研究を行いつつも教団の為に働き共に実績を出し、共に血と汗を流した仲である。

 

その為先にラウンズになったマーオウは、マージンを空席になっている第十二席目にするために、魔界の扉の鍵のオリジナルを研究してレプリカのアーティファクトの設計図を作り、それをマージンに届けさせた。

 

その試作品の『鍵』が完成すれば、理論上膨大な魔力を与えれば新たな魔界の扉を出現させられるからだ。

 

そして完成の報告を聞いた翌日…マージンは殺されたのだ。

 

 

 

マーオウ「……マージン……すまん。

一緒に研究していれば、こんな事には……。

…いつか必ず、私がこの世界に魔人と魔王を顕現させ、この世を支配する……!

…『鍵』のオリジナルはまだここにある、せめてあの世で見守ってくれ……」

 

 

 

マーオウは『鍵』のオリジナル……即ちアーティファクトに触れ、異

界の魔人と魔王をこの世界に引き入れ支配する悲願を達成する為の決意を改めてするのであった。

 

 

 

 







ウルティオ


ミドガル魔剣士学園で学園生活を送りつつ、ミドガル王都内や世界各地に分身を展開させている、今回は『ミニ魔力分身』によって小さくなった分身体として登場した転生者オリ主

ゼータを見つけて彼女に気づかれないように匂いを最小限にして背中にくっついて、古城を見つけた彼女に話しかけ、彼女と共に当てずっぽうで言った教団が持っている『鍵』を奪うべくカチコミをかける。

その小さな身体を活かして軽々と飛び回って攻撃を避け、後述する『スライムドリル』と『スライムザンバー』でゼータと共に教団員をバッタバッタと倒しまくった。

マージンが現れると魔力で身体を8cmまで小さくして気配を遮断して魔力を最小限に抑え、隙を見て『スライムドラグーン』を多数展開してマージンの目を潰した。

その後尋問をゼータに任せ、30cm程の魔力で生み出した両手で、まさかあると思わなかった『鍵』を運び、『魔力念話』で七陰と連絡をとってカイとオメガを筆頭とした数名のSG構成員にマージンの身柄と『鍵』を渡し、イータに頼んで作ってもらった通信用のアーティファクトを受け取った。

その後はアルスター王国の王都の宿にてその小さな身体をゼータに抱きしめられながら一夜を過ごすこととなる。



ゼータ


活動の都合上で原作、アニメにあまり登場していない、かつて『教団』によって絶滅させられた金豹族の獣人の生き残りにして《シャドウガーデン》『七陰』の第六席

諜報活動をしている最中に小規模拠点の古城を見つけ、『教団』の人間の出入りの多さが気になっていたところにミニ分身体のウルティオと再会、彼と共に攻め込むこととなった。

そして『教団』幹部のマージンをウルティオと連携して戦闘不能に追い込んだ。

普段の活動で1人でいることが多い彼女に、分身体とはいえ何度かウルティオが会いに行くせいで人肌恋しくなったり寂しさが来たのか、宿にてお金を出した代わりに1日小さい彼を抱きしめる事にした。



マーオウ・スーキ


膨大な魔力を魔界の扉を開くための『鍵』に魔力を注ぎ終え、魔界の扉を召喚してその『鍵』から魔力を射出して魔力の扉を開き、『魔人ディアボロス』に近い力を持つ魔人を顕現させた事で『ラウンズ』の第十席となったオリジナルキャラ。

『ラウンズ』の中で唯一、魔界の扉を召喚し、開く事が出来る人物。

『教団』に入ってからは仕事を実行しながら魔界を筆頭とした異世界の研究をしており、長年の研究と魔力を扱う鍛錬でついに魔界の扉の召喚に成功、その後は魔界の鍵となるアーティファクトの開発をして完成し、長らくそのアーティファクトに魔力を注いだ後、2年程前に魔界の扉を開いた。

魔界の扉の召喚、その鍵のアーティファクト、どちらにも膨大な魔力を使うが、魔力量だけならシャドウ並に多く、『魔力貯蔵』という技を使える人物。

とはいえ次の魔界の扉の『鍵』のアーティファクトの魔力の再装填にかなり時間がかかるのと、最近ラウンズに入ったが故にラウンズとしての地位はそこまで高くはない。
※扉を開いてから2年、まだ扉を開けるのに必要な魔力が足りていない。

剣の腕はラウンズ第五席の『フェンリル』に劣るが、アーティファクト装備ばっかりのラウンズ第九席『モードレッド』には勝てる程の実力はある。



魔界の扉の『鍵』


長さ1m程ある、マーオウが魔界の扉を開く為の、アーティファクト。

使い方は鍵の先を、召喚した魔界の扉の鍵穴に向けて、魔力を射出する、所謂キングダムハーツのキーブレードと同じだと思ってもらえるといい。

これを扱うには膨大な魔力をこのアーティファクトに注ぐ必要があり、生半可な量では扉を開く事が出来ない。

その為かなりの魔力の装填が必要で、学園編開始から約2年前にマーオウは3年近くかけてこの『鍵』に魔力を注ぎ、魔界の扉を召喚して扉を開き魔人1体を顕現させたと言われている。



『ミニ魔力分身』


身長8〜20cmまでの自身のミニ分身体を作る技。

ミニ分身体の状態でも8〜20cmまでなら魔力消費なしで魔力を制御するだけで自由に大きさをかえられる。

分身体を小さくする分、分身を生み出すための魔力消費もかなり少なくなるが、その分ミニ分身体が使用出来る魔力も少なくなる、魔力量よりも魔力制御力があればいい技である。

基本的に盗聴、偵察、もしくはゼータがやっている仕事と同じ事をするのが目的、そもそもウルティオが飛べるので寧ろこちらの方がこれらの活動がしやすい。

通常の分身体よりも魔力量は少ないが、それでもアルファ以上の魔力量は使えるので『教団』の幹部程度なら余裕で倒せる。

身体が小さい分、接近戦しか出来ない相手はミニ分身体に攻撃しにくいかもしれない。



『スライムザンバー』


スライムソードの大剣Version

剣先から柄尻まではウルティオのその時の身長の7割の長さがある。

見た目的には『魔法少女リリカルなのは』に登場するフェイト・テスタロッサが扱うバルディッシュ・アサルトのザンバーフォームと同じだと思ってもらえればおK
※あちらと比べると短いが

ミニ分身体のウルティオが、片手で扱い相手の首を斬って殺す為に使うことが多い。



『スライムドリル』


まあ説明するまでもなくスライムをドリル状に形成したスライム武器。

こちらもミニ分身体の時のみ使い、普通に突いて攻撃したり、相手の近接武器を受け流したり、飛行中にドリルを構えて相手の首や急所目掛けて突撃して風穴を開けるために使う。

螺旋の溝が非常に浅く、相手の近接武器を受け流しやすく形作られており、当然、魔力を制御して回転させる事で相手を貫き攻撃することも可能

見た目的にはグレンラガンのギガドリルと同じだと思ってもらえればおK


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