転生したら陰実の世界にいた件   作:リベリオンβ

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注意その1!


この回では、現時点で判明しているラウンズの名前のみ登場しているキャラの第何席かを勝手に決めてます!

さらにまたオリジナルのラウンズのキャラが名前のみ登場します!

原作で名前のみ登場しているラウンズのキャラは実際に第何席か判明した際、変更は致しますがオリジナルのラウンズの敵キャラに関しては判明しても変更しません。

また、オリ主のこれまでの行動が原因で一部のキャラがややキャラ崩壊してるかもしれません。

幕間や過去編、特別編等は敵オリキャラ等登場していますが、基本的にある程度おまけ程度に書いております。

以上の点を踏まえた上でお読み頂けるようお願いします。



注意その2!

優雅な旅・後編 鬼教官への実戦訓練まで既読を推奨


ウルティオの帰還

 

 

 

これは、学園入学3ヶ月前のお話………。

 

ここは、リンドブルムよりもさらに東の方に位置する霧と森に囲まれた、《シャドウガーデン》の本拠地『古都アレクサンドリア』

 

そこにシャドウガーデンの最高幹部『七陰』全員が揃っていた。

 

 

 

イプシロン「ついに帰ってこられるのですね!あのお方が……!」

 

ベータ「これで、シャドウガーデンの主力全員が揃いますね、ウルティオ様は帰ってきて早々シャドウ様に先に会っていたとか……」

 

ガンマ「この日をどれだけ待ち望んでいたか……」

 

イータ「ウルティオがいないと、甘える相手があんまりいなくて、困る」

(研究費もそうだけど、割と助かる、ちゃんとした寝床で、寝れるのは)

 

ゼータ「まっ、私は仕事の時、稀にウルティオ様に会っていたけど」

 

デルタ「あっ!ズルいのですメス猫!」

 

ゼータ「バカ犬だって途中でウルティオ様と会っていたんでしょ?」

 

デルタ「メス猫みたいに沢山会っていないのです!」

 

ゼータ「私だってそんなに会ってない。

……まあ、バカ犬風に言うなら一緒に狩りをした事はあったけど」

(『教団』の奴らをね)

 

デルタ「ほーらー!!やっぱりデルタよりメス猫の方がウルティオ様と会っているのです!!!」

 

アルファ「2人共やめなさい。

……そろそろウルティオが帰ってくるわ」

 

 

 

口喧嘩をしているデルタとゼータをアルファが止める。

 

直後、霧を纏いし森から、1人の黒髪で、黒紫色のラインの黒いロングコートを纏った男が出てきた。

 

彼こそが、『七陰』全員が待ち望んていた《シャドウガーデン》のNo.2にしてシャドウの相棒、ウルティオである。

 

その姿を見た途端、待ってたのです!と言わんばかりにデルタが全速力で彼に向かって走る。

 

 

 

ウルティオ「いや〜久しぶりだな……アレクサンドリアも……お?」

 

デルタ「ウルティオ様〜!!!おかえりなのです〜!!!」

 

ウルティオ「うぉっと…!ただいまデルタ、随分おっきくなりやがって〜」

 

 

 

こちらに駆けつけ飛びついてきたデルタを抱き抱えてその頭を撫でるウルティオ。

 

彼女は嬉しそうな顔をして尻尾をブンブンブンブン振るう。

 

 

 

デルタ「えへへ〜またおっきくなったのです!髪も沢山伸ばしたのです!」

 

ウルティオ「そうかそうか〜すっかり可愛くなりやがってこいつ〜!」

 

デルタ「デルタ、ちゃんとウルティオ様が帰ってくるのを待っていたのです!何でもしてあげるってウルティオ様言ってたのです!」

 

ウルティオ「そうだったな。

……だが、折角『七陰』の皆も揃ってるんだ、ちょいと話したいことがある。

デルタの何でもしてほしいことはその後からでも遅くはない、今は皆と話をさせてくれるか?」

 

デルタ「うう〜……」

 

ウルティオ「デルタ、今すぐとは言ってないから約束破った事にはなってないぞ?

それにそう長くは待たせないから、な?」

 

デルタ「わ、わかったのです……話が終わったら、すぐに何でもしてくれるです?」

 

ウルティオ「ああ、本当だとも」

 

デルタ「やったのです!わーい!」

 

 

 

抱きついていたデルタは俺から降りて、一緒に他の七陰の元へと行く。

 

 

 

ベータ&ガンマ&イプシロン

「「「おかえりなさいませ、ウルティオ様」」」

 

アルファ&イータ「「おかえり、ウルティオ」」

 

ゼータ「おかえり、ウルティオ様」

 

ウルティオ「ただいま。

皆すっかり大きくなっちゃって……」

 

アルファ「貴方も、随分と逞しくなったわね」

 

ウルティオ「はっはっは、逞しくなかったら何しに旅に出たんだってなるぞ?」

 

イータ「…『陰の叡智』を、蓄える?」

 

ウルティオ「いや一応それもあるっちゃあるが……。

とにかく、今から全員会議室に行くぞ、ついで程度だが土産話があってな……」

 

ゼータ「土産話?」

 

デルタ「みやげ?はなし?」

 

イプシロン「どのような土産話なのでしょうか?」

 

ウルティオ「……『教団』の最高幹部『ラウンズ』の情報だよ」

 

ガンマ「そうでしたか、『教団』の最高幹部『ラウンズ』の情報とは、また貴重な情報を……って、えっ!?」

 

ベータ「えっっ!?」

 

デルタとイータ以外の七陰全員

「「「「「ええぇぇぇええええぇぇぇえ!!?!?!!??!?」」」」」

 

 

 

デルタとイータを除く『七陰』の全員が驚愕する。

 

デルタは頭の上から『?』が出ている。

 

イータはイータで、声こそ出してはいないもののその表情は驚嘆としていた。

 

 

 

デルタ「え?そんなに驚くことなのです?」

 

イータ「『教団』の最高幹部……デルタにわかりやすく言うなら、敵でかなり、強い奴」

 

デルタ「えっ!?その強いやつがいるところをウルティオ様は知ってるの!?」

 

ウルティオ「まあ詳しくは中で話そう」

 

アルファ「そうね、いつまでもここで立ってはいられないし」

 

 

 

こうしてウルティオと『七陰』全員はアレクサンドリア内の会議室へ向けて歩くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレクサンドリアの会議室にて、ウルティオと七陰全員がそれぞれ席に座る。

 

そしてウルティオの言っていたラウンズの情報について、開口1番先に口を開いたのはアルファだった。

 

 

 

アルファ「それでウルティオ、ラウンズの情報を得たって聞いたけど……」

 

ウルティオ「ああ、修行ついでだから、集めたラウンズの情報はたったの5人だけだけどな。

しかもその内の2人は多分皆も名前くらいは知ってる」

(もう一人、強力な魔力の持ち主を感知したが……ラウンズかどうかまでは知らんから黙っておこう)

 

ベータ「それでも半分近く……!流石です!」

 

ゼータ「もしかして居場所まで知ってる?」

 

ウルティオ「まあ慌てるな、取り敢えず皆が知ってそうな名前の奴だけ言おうか……。

まずはラウンズ第五席のフェンリル」

 

ガンマ「フェンリルという名前だけは聞いたことはありますが、その席まで……!」

 

ウルティオ「こいつはミドガル王国の支配を担当している。

遥か昔……恐らく1000年程前か『ミドガルの悪鬼』と名が知れた剣士らしい。

恐らくは『教団』の中でも最古参、剣の腕も相当なものだろう。

クラウス国王が密かに結成させた秘密結社『十三の夜剣』が『教団』とパイプを持ってるという情報が入ったが……こいつと繋がってるかどうかまでは不明だ」

 

イプシロン「そのフェンリルに関しては、やはりウルティオ様がアイリス王女と表向き婚約関係になった事がきっかけで……!?」

 

ウルティオ「まあな。

居場所の特定には到らなかったが……まあミドガル王国を陰で支配してるんだ、特定にそう時間はかからないだろう」

 

ゼータ「2年前に『ブシン祭』に参加したのもこれが狙いだったってわけだね」

 

ウルティオ(…フェンリルに関しては完全に偶然情報が入っただけなんだよなぁ……。

ブシン祭でアイリスが自分を倒した人を婚約者とする、みたいな宣言するとは思わなかったし、アイリスが1ヶ月に1回旅から帰って来るように言わなかったらここまで情報手に入らなかったもん。

転生前で、小説だったらもしかしたら出ていたかもしれないが、俺はアニメとコミックしか読んでなかったからなぁ)

「とにかくフェンリルに関しては、ゼノンを筆頭としたフェンリル派の幹部の企みを潰して、本人が出てくるのを待つしか無い」

 

イータ「…敵の部下の、企みを潰すの、大事」

 

ウルティオ「フェンリルに関してはこんなもんだな。

じゃあ次は……ラウンズ第六席のヨルムンガンド。

多分俺が集めた5人の中じゃあ1番情報が少なかったな、旅の途中、ベガルタ帝国よりも遥か北の国でヨルムンガンド派の奴らと交戦した」

 

ベータ「ヨルムンガンドが北の国に……!」

 

アルファ「じゃあ、ヨルムンガンドはその国を支配しているの?」

 

ウルティオ「まあ、ヨルムンガンド派の幹部もいたから、可能性としてはあり得るな。

幹部から抜き取った情報では、何でも本気の戦いの際に大きな蛇の姿になるとか……」

 

デルタ「おっきな蛇ですか!?デルタ狩ってみたいのです!」

 

ウルティオ「残念だがヨルムンガンドについて知ってるのはこれだけなんだよな。

次は、ラウンズ第十一席のジャック・ハゲソンだ」

 

イプシロン「…随分個性的な名前ですわね」

 

 

 

俺から次のラウンズの名前を聞いた全員が目を丸くし、イプシロンがほんの少し笑いを堪えながら言う。

 

ベータも笑いを堪えるような顔をしている、今にも吹き出しそうだ。

 

が、次の俺の言葉で彼女は吹き出すことになる。

 

 

 

ウルティオ「…ん?ハゲソンじゃなかった、ネルソンだ。

すまん、わざとだ」

 

ベータ「ぶっっ!?」

 

イプシロン「わざとで笑わせないで下さい!?」

 

 

 

イプシロンに怒られてしまった。

 

なんだよ、イプシロンだって堪えてたとはいえ笑ってたからいいじゃないか。

 

なんて、普段なら言うが俺の裁量で開いた会議なので少し真面目に話そう。

 

ベータが吹き出した所を見れただけでもヨシ!

 

作者(ヨシ!じゃねーよ………)

 

ウルティオ「いや…だって、ヤツのあの頭を見たらハゲソンって名前として頭に残ってしまうからな……」

 

アルファ「頭を見た、ということは会ったことがあるのかしら?ウルティオ?」

 

ウルティオ「…まあな、奴はリンドブルムにいる。

そしてそこの聖域という場所で…皆も名前は知ってるとは思うが、『ディアボロスの雫』の研究をしている奴だ」

 

アルファ「その『雫』については、以前カイから聞いているわ。」

 

ガンマ「ウルティオ様が倒したセルゲイも『雫』と言っていましたからね…」

 

イータ「薄々、察していたけど、やっぱり、ラウンズの1人が、研究していた……」

 

ゼータ「リンドブルムに教団の人間が結構いたけど、まさかラウンズもいたなんてね」

 

ウルティオ「ちなみに、リンドブルムの『聖域』にディアボロスの左腕を保管して、その左腕から雫を開発したらしい」

 

ベータ「聖域に、ディアボロスの左腕……!?」

 

アルファ「そう言えば、フェンリルの話を聞いて思ったんだけど……その『ディアボロスの雫』には不老不死の効果が……?」

 

ウルティオ「ああ、ただもしそんなモンが大量に生産していたら俺達《シャドウガーデン》は今こうしてここにはいなかっただろう。

何せ『教団』は1000年以上前から存在する組織だ、大量生産出来ていたら不死の軍団を作れて、実力のある奴らは皆全て殺られてるか、奴らの傀儡になっているはずだからな。

左腕から『雫』を作るのも無論限りはあるだろうが、その不老不死にも何か制限があるものだと思っている。

例えば………『雫』を一定期間摂取しないと不老不死とは言えないとか、ね?」

 

イータ「……結局、『教団』の幹部が、飲んでた錠剤と同じ、科学への、冒涜……。

私なら、上手く作れる……」

 

ウルティオ「……まあ、ハゲソンの説明はこれでいいだろう。

さて、次は第九席のモードレッドだ。

二つ名は『人超の魔剣』

こいつはオリアナ王国の支配を担当している」

 

イプシロン「オリアナ王国……!」

 

ゼータ「確か、イプシロンが『シロン』というピアニストとして最初に活動した国だったよね?」

 

イプシロン「ええ、まさかオリアナにまでラウンズがいたなんて……!」

 

ウルティオ「まあ、表向き牛耳ってるのは確か…ドレイ・ケツハット…いや『ドエム・ケツハット』だったな」

 

ベータ&イプシロン

((またわざと間違えましたね❨わね❩))

 

ウルティオ「モードレッドについてわかっているのは、使っている武装がほぼ全てアーティファクトなのと、そうだな……皆は『黒キ薔薇』を知っているか?」

 

デルタ「黒きばら?何なのです?それ?」

 

ベータ「聞いたことがあります。

かつて10万のベガルタ兵の侵攻によって一時滅亡の危機にあったオリアナ王国が使用し、ベガルタ兵を一夜で全滅させたとか……」

 

ウルティオ「恐らくその時に『教団』の手によってその『黒キ薔薇』は収まり、それが原因でオリアナ王国は弱みを握られて教団の手によって落ちたのだろう。

……あるいは、教団が先にベガルタ帝国を支配して、ベガルタ兵を使ってオリアナ王国を攻め込ませ、追い詰められたオリアナ王国が『黒キ薔薇』を使いざるを得ない状況を作り、わざと弱みを握らせた、かもしれない」

 

ガンマ「な、何ですって……!?」

 

イプシロン「では、その後オリアナ王国を支配したのが…?」

 

ウルティオ「……当時から所属していたかまではわからんが、どちらにしても今モードレッドが支配しているのは間違いないな。

が、奴でも完全に『黒キ薔薇』は制御出来ていないだろう。

もし完全に制御出来ていたらとっくにこの世界は『教団』の物になって、数多くの死者を出しているだろう、流石に俺もシャドウも、産まれる前じゃどうしようもないからな。」

 

アルファ「出来ていたらそれこそ《シャドウガーデン》も結成出来ていないものね」

 

ウルティオ「ただ恐らく奴はこのままでは終わらない、そんな気がする……。

さて、最後は第七席のユーウェインなんだが……」

 

ベータ「また私達『七陰』の知らない名前ですね!」

 

ウルティオ「……まずベータ、君等が知っているラウンズの名前を聞こうか」

 

ベータ「私達の知ってるラウンズの名前ですか?

まずはウルティオ様が言ってくれた『フェンリル』と『ヨルムンガンド』

あとは私達で調べて名前のみ判明した『ロキ』と『ヘル』ですね」

 

ウルティオ「そうか、ありがとう。

…さて、ユーウェインについての話に戻るんだが、奴は従えてる部下の数なら他のラウンズ中一番かもしれない」

 

ガンマ「従えてる部下の数なら、ですか…」

 

ウルティオ「ああ。

世界から見て、北西付近……つまり、アレクサンドリアやミドガル王国から最も遠い所に旅をしてた時に『教団』の奴らと殺りあって、記憶を調べたが、フェンリルは勿論、ロキでもヘルでもヨルムンガンドでもモードレッドの派閥でもなかった。

そしてさらに調べたら、ユーウェインらしき人物と、その多数の部下がいたのが判明したってわけだ」

 

ゼータ「でも数が多いだけなら私達の敵じゃないと思うけど」

 

ウルティオ「数が多いだけなら、な。

…相手したその部下の魔力量もこれまでの幹部以上の物だった、俺からすれば大したことはないが、他がどれだけ扱えるかが未知数である以上、奴の部下相手でも油断は出来ない。

居場所はまた詳しく調査するが……場合によっては、俺1人でやる」

 

ベータ「ウ、ウルティオ様が1人で!?」

 

イプシロン「わ、私達も戦えるのですよ!?行くなら私達も一緒に……!」

 

ウルティオ「今のお前達の実力がどれ程かは判らんが……ユーウェインの部下の中に『七陰』クラスがいないとは限らん。

充分な調査をして、もしそれくらいの強さを持つ相手が多数いたら、という話だ」

 

ガンマ「確かに、相手の実力が明確になっていない以上、迂闊にこちらも大軍で攻めるのは危険ですからね……」

 

 

 

こうして、皆も知っている情報も一部あったが、俺が集めたラウンズ全ての情報の説明は終えた。

 

 

 

ウルティオ「さて、以上が俺の集めたラウンズの情報だが……何か質問はあるか?」

 

アルファ「ならウルティオ、質問いいかしら?」

 

 

 

俺が調べてきたラウンズの説明全てを終え、『七陰』の皆に質問があるかどうか聞くと、アルファが質問する。

 

 

 

ウルティオ「ん?何だ?」

 

アルファ「リンドブルムの『聖域』を根城としている……ハ…ネルソンについてもっと詳しく聞けるかしら?

聖域にディアボロスの左腕を保管し、それを研究しているとか言っていたけど」

 

ウルティオ「ふむ、敵の最高幹部の1人の居場所がアレクサンドリアから近い、もしくはディアボロスの左腕という重要なアイテムがあると、普通なら考えるが……気になるか?英雄オリヴィエとゆかりのある地は」

 

アルファ「ええ、それは勿論。

あの地で教団が研究をしているというのも偶然じゃない気がするから」

 

ウルティオ「昔について知りたい情報があればハゲソンから直接聞くほうがいいだろう。

俺が言えるのは、『聖域』内部にいると魔力を吸収される事、そして教団が隠蔽した資料が多数あるくらいだな」

 

アルファ「…それでも、攻めるというのなら私達は何時でもいけるわよ、ウルティオ」

 

ウルティオ「まあ落ち着け、こちら側の被害は少ない方がいい。

狙うんだったら『女神の試練』が攻め時だ」

 

ガンマ「年に1度リンドブルムで行われる催しですね」

 

ウルティオ「そうだ、次の女神の試練までまだ数ヶ月ある。

それまでに皆、魔力制御力のトレーニングは優先してやっておくことだ、もしくはより魔力を深く練れるようにな、そうすれば聖域内でも魔力は長期間使える」

 

イプシロン「では、ラムダに訓練方針を魔力の制御中心にするよう言わなければなりませんね」

 

ウルティオ「ああ、そっちは任せたぞイプシロン。

それとゼータ、1つ仕事を頼めるか?」

 

ゼータ「いいよ、何なりと」

 

ウルティオ「シャドウガーデンの支部となりそうな拠点を探してほしい。

今後次第にはなるが……今のところ、これは気長にやって構わない。

ただでさえベガルタ帝国内部の調査も頼んでるからな」

 

デルタ「また引っ越しするのです?」

 

ウルティオ「全員ってわけじゃない。

既にガーデンの構成員も600人超えてるだろ?このまま仲間が増えていくのなら、アレクサンドリアだけでは構成員の居住を確保出来ない筈だ」

 

ゼータ「確かにね。

それに、教団との戦いが長引くならアレクサンドリアだけじゃ安全とは言い難い…。

わかった、いい場所見つけたら報告するよ、急ぎじゃないならじっくり探せるし」

 

ウルティオ「頼んだぞ。

……さて、他に質問は?」

 

ベータ「モードレッドが支配しているオリアナ王国の方も様子見で宜しいのでしょうか?」

 

ウルティオ「そこはそう遠くない日にモードレッドの奴が刺客を送り込んでくるだろう、ミドガル王国にな。

特に『ブシン祭』で『ドエム・ケツハット』が顔を出していたら攻める時は近いと思っておいてくれ」

 

ベータ「畏まりました、ウルティオ様」

 

ウルティオ「……もう質問はなさそうだな。

よし会議はこんなところか」

 

デルタ「もう終わりです?じゃあウルティオ様!」

 

 

 

会議が終わりそうになると、デルタがこちらの席にすぐに近づいてきて尻尾をブンブン振らしている。

 

 

 

ウルティオ「ああ、約束通りデルタのやって欲しい事何でもな」

 

デルタ「えへへ〜それじゃあ〜!今日一日ずっと一緒にいて欲しいのです!」

 

ウルティオ「はっはっは、それでいいなら喜んで。

さてと……」

 

七陰『!?』

 

 

 

俺が席を立つと、予備動作無しで分身体を1体出す。

 

これもまた修行の成果だ、『魔力分身』はさらに進化して『完全体・魔力分身』となり、分身体の魔力量は本体の俺と全く同じになり、『第三段階』までやっていた右手の指3本を左手で握るという予備動作も必要なくなった。

 

やはり予備動作は無くしていったほうがいい、特に……またシドと戦う事になるのであれば、な。

 

 

 

ガンマ「今、一瞬でウルティオ様の分身が!?」

 

イプシロン「そんなっ!?今まで構えて分身していたのに!?」

 

イータ「それだけじゃない、ウルティオの分身、本体と全く同じ魔力の量、ある……」

 

デルタとイータ以外の七陰全員

『!?』

 

ウルティオ「さて、俺はデルタとこれから出かける、何か用があればこっちの分身に頼むよ、暫くアレクサンドリアに置いておくから」

 

デルタ「ウルティオ様!久しぶりに狩り行こー!」

 

ウルティオ「ああ、行くか」

 

 

 

そうして俺は分身体と、目を丸く大きくした残りの七陰を置いてデルタと会議室を出ていった。

 

後から分身体も、構成員の訓練の様子を見に行くべく会議室を出る。

 

 

 

アルファ「……シャドウもそうだけど、ウルティオもどんどん強くなっていくわね。

私達ものんびりしていられないわ」

 

ガンマ「そうですわね」

 

アルファ「ガンマ、訓練の相手を頼めるかしら」

 

ガンマ「私でよければ」

 

 

 

続いてアルファとガンマも退室していく。

 

 

 

イータ「研究の、続き……」

 

 

 

2人が退室した後、イータも研究の続きをする為に同じく退室する。

 

会議室に残ったのはベータとイプシロン、ゼータだけとなった。

 

 

 

ゼータ「やれやれ……ウルティオ様はバカ犬に甘いんだから」

 

ベータ「」ゾッ

 

イプシロン「」ビクッ

 

ゼータ「えっ、2人共どうしたの?」

 

ベータ「ゼータ、ウルティオ様が本当に甘いと言うんですか?」

 

ゼータ「え、違うの?」

 

イプシロン「とんでもないわよ、ウルティオ様は厳しくする時はアルファ様以上の厳しさを発揮するのよ。

あれはまだクレア様が誘拐される数ヶ月前………」

 

 

 

ベータとイプシロンが説明を始めると、ベータが片腕を少し掲げて曲げ、その手を握りしめる。

 

かつて自分が見た、ウルティオの仕草を再現するように。

 

 

 

ベータ「いつもの駄々を捏ねて、私とイプシロンにあたっているデルタの耳をこう掴んで……『このっ、ドバカ犬がっ!!!』って物凄く怒っていた事があって」

 

イプシロン「『弱い者にあたるな、誰かの為に強くなれ』と、ウルティオ様はデルタに散々言い聞かせていたわ」

 

ゼータ「あ〜……バカ犬が最初の頃と比べてやけに大人しくなったと思ったら、そんな事が……」

 

イプシロン「『誰かの為に強くなれ』

それは私達の心にも響いたわ」

 

ベータ「ウルティオ様の『陰の叡智』ですね、当のウルティオ様はシャドウ様の『陰の叡智』程ではないと謙遜しているけど……」

 

ゼータ「それでも私達にとってはありがたいものだよね」

 

 

 

3人はウルティオについて、そのまま話を続けていた。

 

 

 

 

アレクサンドリアの訓練場の1つ……。

 

分身体のウルティオは、ある人物に会いに行くため、その場所を訪れていた。

 

 

 

ウルティオ(分身)「そう言えば、彼女に会いに来るのも久しぶりだな〜。

111番と122番を連れて初めてアレクサンドリアに来た時以来か」

 

ラムダ「よし、説明は以上だ、各自それぞれ指定した訓練をするように!」

 

SG構成員達『はっ!』

 

 

 

俺が会いに行こうとしたのは、《シャドウガーデン》の1人、組織の構成員を鍛えている教官、『ナンバーズ』の中では最強と言っても過言ではない『ラムダ』だった。

 

うんうん、今日も精が出るな、というか、よく考えたら彼女が構成員達に訓練指導してる所を見るのは初だな。

 

あの日はラムダの底に眠る力を見たくて、俺の訓練に参加するよう命じた。

 

そして彼女の底に眠る力を引き出すのに成功し、俺はその力を持った彼女の全力の一撃を敢えて受けた。

 

俺ならあれは小石を投げ当てられた程度だが、あれ程の威力なら……今は判らんが七陰の中でベータかゼータ辺りなら割と大きいダメージにはなる。

 

最も七陰の皆だってあれから強くはなってるからあの時の一撃を常に、尚且つ更に強いものを出せないとあんまり通用しないかも。

 

さてさて、普通に顔を合わせても面白くないので、俺は気配と魔力を遮断して、静かにラムダの背後に近づく。

 

そして………

 

 

 

ウルティオ「だーれだ?」

 

ラムダ「うひゃあぁぁぁぁぁあ!?

 

 

 

俺は後ろから両手で素早く、ラムダの視界を平手で塞技覆い隠す。

 

皆もご存知、後ろから接近して両手で相手の目を塞いで覆い隠してからの「だーれだ?」遊びである。

 

こちらの声に即気づいたのか、ラムダが顔を赤らめすっとんきょーな声を発する。

 

 

 

「この声……ま、まさかっ!?ウ、ウルティオ様っ!?///」

 

 

 

ラムダが俺だと気づくと、俺は素早く彼女の目を覆い隠した手をどけ、彼女の前に立つ。

 

俺を見た彼女は、何故か顔を赤らめていた、何故だ?

 

 

 

ウルティオ「うん、久しぶりラムダ」

 

ラムダ「お、おかえりなさいませっ!!!///」

 

ウルティオ「んー?なんで顔を赤くしてるんだ?」

 

ラムダ「そ、それは……///」

(ウルティオ様の顔を見たら赤くなるんですっ!って言えない……)

 

ウルティオ(なんで顔を赤くしてるのかな……?)

「もしかして、久しぶりに俺に会えて嬉しかった、とか?」

 

ラムダ「……その通りです……///」

 

ウルティオ(え?マジ?おかしいな、俺とラムダって、あの日以来全く面識なかったんだけど。

取り敢えず話す機会もっと欲しいな……よし)

「じゃあさ、構成員達の今日の訓練方針も決まってるみたいだし、何処か出かけない?」

 

ラムダ「えっ!?わ、私なんかで、宜しいのですか……?」

 

ウルティオ「えっ、もしかして俺と出かけるのはイヤ?」

 

ラムダ「い、いえ!そのような事は…///」

(な、何故私なのだ……?私なんかよりも、七陰の皆様が……。

そ、そうだ!確かウルティオ様は分身が使えるとデルタ様が言っていた!

…はっ!?でも、それでも私とだなんて……///)

 

ウルティオ「じゃあ決まりだね、行こっか」

 

ラムダ「っっ!?///」

 

 

 

俺の手にラムダはその手を取られ、彼女の手を握ったまま俺は訓練場を出ようとする。

 

行き先はリンドブルムだ、ミドガル王国でもいいけどアイリスに見られたらいけないからね。

 

そしてリンドブルムに着いて、『レベリオ・ヴェンデッタ』の姿となったは着いたんだけど……。

 

ラムダがさっきから俺の後ろを歩いてばっかだ。

 

 

 

レベリオ「ねえラムダ」

 

ラムダ「な、何でしょうか!?///」

 

レベリオ「流石に引っ張ってる感じになっちゃうから、隣、歩かない?」

 

ラムダ「い、いえ…さすがにそれは畏れ多いです///」

 

レベリオ「…………」

(うーん、ダメだ、ラムダの思考が読めない。

顔を赤くしてなかったら、多分上官の俺の隣を歩くのに遠慮してるだけだとは思うけど……。

……よし作戦プランBで行こうか、ズルい事を言ってしまうことになるが仕方ない)

 

 

 

畏れ多いと聞いたレベリオは再び前を向いてどうするか決まると、再び彼女の前に顔を向ける。

 

そして彼女に急接近し、上目遣いで見つめたのだ。

 

 

 

「ラムダ…もしかして俺って魅力ないかな?」

 

ラムダ「なっ!そ、そんな事はありませんっ!?

ウ…レベリオ様は立派な殿方ですっ!///」

 

レベリオ(めっちゃ驚いてる……もう少し弄ってみようか……?)

「ふーん、じゃあさ、俺とシド、両方に誘われたら、シドを選ぶの?俺を選ぶの?」

 

ラムダ「そ、それは……」

 

???「む?あれは……」

 

???「おやおや、これは久しぶりに見る組み合わせだね」

 

 

 

レベリオとラムダが話していると、金髪で片目が隠れたエルフとラムダと同じく褐色肌だが黒髪のエルフの2人が現れる。

 

 

 

レベリオ「ん?君達は……」

 

金髪で片目が隠れたエルフ「お久しぶりです、ウルティオ様。」

 

褐色肌の黒髪エルフ「1年ぶりですね。

アレクサンドリアに帰還したと七陰の皆様からお聞きしました」

 

ラムダ「なっ、カイにオメガ!?何故お前達が……!?」

 

カイ「オメガと一緒にリンドブルムの視察の最中でな。

その途中で……」

 

オメガ「ラムダと、1年ぶりにウ…レベリオ様に会ったってわけさ。

…それにしても、随分ラムダの面白い所が見れたねぇ」

 

ラムダ「こ、ここここれはっ!面白いとかそういうものではないっ!///」

 

レベリオ「……名前を与えられたという事は……2人共、『ナンバーズ』となったわけか」

 

カイ「はい、レベリオ様。

今の私は『カイ』と名乗っております」

 

オメガ「同じく、今の私は『オメガ』と名乗っております」

 

 

 

2人が揃って俺にお辞儀する。

 

カイの方は兎も角、1年前のオメガがこれ程畏まった所なんて見た事あったっけか?

 

……ん?オメガ?そうだっ!いい事考えた♪

 

 

 

レベリオ「そうかそうか、2人共強くなったようだね。

……あ、そうだラムダ、それよりさっきの続きなんだけど……」

 

ラムダ「はっ!?な、なんの続きで御座いましょう!?///」

 

オメガ「おやおや、ラムダはレベリオ様となんの話をしていたのかな?」

 

カイ「ラムダの顔が赤くなっているようですが……」

 

レベリオ「何、単純だよ。

俺とシド、同時に誘われたら、ラムダはどっちの誘いに乗るのかなって。

でもあれだよなー、普通なら俺なんかよりシドの誘いに乗るのが筋だから、十中八九シドって言うんだよな〜」

 

オメガ「まあ、普通なら我らが盟主の誘いに乗りますよね。

……なら、レベリオ様は私と………」

 

 

 

わかりきっているような答えを理解したオメガは俺の腕に抱きつこうとしている。

 

面識はあんまりないが、オメガって割とくだけてるよな、ホント。

 

まあこの方が接しやすいんだけど。

 

 

 

カイ「お、おいオメガ……」

 

ラムダ「や、やめろっ!オメガっ!レベリオ様は私を誘ってくれたのだっ!!!」

 

 

 

その様子を見たラムダは感情を顕にしてオメガを強引に退かして俺を思いっ切り抱きしめてきた。

 

………あれ?おかしいな?普通ここまでする?

 

 

 

オメガ「おっと……その様子だと、シド様よりもレベリオ様の誘いに乗ると、そういう事でいいのかな?」

 

ラムダ「もっ……も、ももも勿論だっ!///

例え仮の話じゃなくとも、私はレベリオ様の誘いに乗るっ!」

 

カイ(な、何て迫力……)

 

オメガ「ふ〜ん、これは面白い話が聞けたねぇ……。

いいネタになりそうだ」

 

ラムダ(…い、勢い余って、私はなんて事を言ってしまったんだ……!?///

こ、こんな事が七陰の皆様やシャドウ様の耳に入ったら……!?)

 

オメガ「それじゃあ私は視察の続きに行くから、後はごゆっくり〜。

レベリオ様もお気をつけて、ラムダはそういうの疎いですから」

 

カイ「お、おいオメガ……。

すまぬ、ラムダ……そしてレベリオ様……」

 

 

 

まるでお邪魔虫は退散しますかね、の如くオメガはその場を去り、カイもそれに続いた。

 

そしてその場には、ラムダと、彼女に抱き着かれたままの俺が残った。

 

 

 

ラムダ「あ、あ、あ………///」

(あ、後で私はどうなるんだ……)

 

レベリオ(……俺はいつまでラムダに抱き着かれているのだろうか。

……まあ、彼女の胸の感触やいい匂いを堪能出来て、これはこれで得なんだけど)

 

 

 

10分後にようやくラムダは我に帰って俺を開放した。

 

その後リンドブルムの店を彼女と回りまくっていたが、終始ラムダは顔を真っ赤にしていた。

 

だがその途中……。

 

 

 

レベリオ(……ん?)

 

ラムダ「どうなさいましたか?レベリオ様?」

 

 

 

胸の奥から、『黒』の魔力が勝手に出そうになった。

 

俺はそれを抑えるために少し身体の動きを止めていた。

 

こんな事は初めてだ、『黒』の魔力を単体で完全には未だ使いこなせないが、勝手に俺の身体から出ようとしたことは未だかつて無い。

 

胸を少し抑えた後、すぐに平静を装い俺は口を開く。

 

 

 

レベリオ「いや、何でもない…それより、次あの店に行こう」

 

ラムダ「えっ!?あ、あれは……服…!?わ、私には……」

 

レベリオ「いいからいいから」

 

 

 

俺はラムダの手を取り、次なる店へと向かった。

 

この後彼女の服をいくつか見繕ったのは言うまでも無い。

 

 

 

 

一方、分身の俺とラムダがリンドブルムでデートをしていた頃……。

 

俺とデルタはアレクサンドリアの北の山岳を越えた場所で狩りを終え、狩った動物を俺が簡易的に調理して、その料理を彼女と食していた。

 

野外での調理用の道具は幼少期にいくらでも開発したからな、まだイータがガーデンに入る前の話だ。

 

事前に調理した食べ物持ってきても良かったがデルタが割と急かしてくるので野外での調理道具のみ持ってきたのである。

 

もうそろそろ暗くなりそうな森にて、焚火の前で俺はデルタと会話をしていて。

 

 

 

デルタ「ウルティオ様が調理した獲物を食べるのは美味しいのです!」

 

ウルティオ「はっはっは、そうかそうか」

 

デルタ「今度デルタも料理するのです!そしたらウルティオ様食べてくれるです?」

 

ウルティオ「ああ、楽しみにしてるよ」

 

デルタ「やったのです!」

 

 

 

デルタははしゃぎながらも、俺が調理した料理にがぶりと喰らい食べる。

 

彼女とこうして狩りをして、その野生の動物を調理して食事をするのはザラだ。

 

ちなみに、事前に俺が調理したサンドイッチやまぐろなるどと同じバーガーを作り持ってきて、狩りの休憩に食べる事もある。

 

尻尾を振りながら、料理を食べているデルタに俺は話しかける。

 

 

 

ウルティオ「なあデルタ、覚えてるか?初めて会った時の事」

 

デルタ「はむはむ、覚えてるのです!えっと……最初にアルファ様と会って、その後ウルティオ様に会って、デルタのぐあい悪いとこ治してもらって、力を貰ったのです!」

 

ウルティオ(吹雪の日ってのは忘れてるのな……まあこんだけ覚えてりゃいいか)

 

デルタ「それからシャドーガーデンに入って……ボスとウルティオ様と沢山狩りが出来て楽しいのです!」

 

ウルティオ「他の皆とは仲良くやれてるか?特に……ゼータとか」

 

デルタ「メス猫とは仲良く出来そうにないのです……!

……まあ、ちょっと強いのは認めるですけど、デルタ程じゃないのです」

 

ウルティオ「まあ、確かに普通に戦うとデルタの方が強いだろうが……。

それでもゼータだけじゃない、ベータにガンマ、イプシロンにイータ、いずれもデルタ程の力はないが、その分デルタに出来ない事をやってのける。

……まあ、大抵何でもこなせる上にデルタよりも強いアルファも凄えけどな」

 

デルタ「アルファ様は凄いのです!デルタよりも強いだけじゃなく、何でも出来るのです!」

 

ウルティオ「……その何でもが、やがて必要になるからなぁ。

………ん?」

 

デルタ「!敵なのです!この匂いは……きょーだんの奴等なのです!」

 

 

 

俺が気配で、デルタは嗅覚で、それぞれ敵の……教団の存在を感じ取った。

 

俺は少し様子を見ようとするが、俺と2人きりの時間を邪魔されたデルタは顔を俯けて不機嫌そうにする。

 

 

 

ウルティオ(少し様子を見るか……奴等の拠点を見つけられるかもしれない)

 

デルタ「………です……!」

 

ウルティオ「ん?デルタ……?」

 

デルタ「ウルティオ様との時間を、邪魔するなですー!!!」

 

 

 

デルタが勢いよく、教団の連中に向かって飛びかかってきた。

 

その表情はいつもの狩りを楽しむものではなく、楽しい一時を邪魔されて怒っているものだった。

 

 

 

教団員A「なっ!?あのスーツ……《シャドウガーデン》!?」

 

デルタ「でやあぁぁぁぁぁあ!!!」

 

ウルティオ「……やっぱこうなるか、仕方ない……!」

 

 

 

デルタが教団員の集団を襲った後、遅れて俺も参戦する。

 

まあ俺が参戦するまでもないが、デルタにやられて死んでないかの確認だ。

 

尋問するまでもない、生きていればそいつ等から記憶を抜き取るのだ。

 

俺は『黒』と『紫』2色の魔力を同時に使い、デルタが倒した教団員の1人の頭を掴む。

 

 

 

「『メモリアル・ドレイン』……」

 

 

 

そして相手の記憶を吸い取る技を使い、次々と俺の頭に教団員の記憶が出てくる。

 

その景色には今記憶を吸い取っている奴と似たような奴等ばかり、こいつの過去の、教団に入る前の記憶も出てくるがそんなもんどうでもいい。

 

こいつが教団に入ったキッカケもどうやら幹部らしき人物からの勧誘のようだ、ラウンズじゃない以上ハズレだな。

 

そうしてもうそろそろ目の前の教団員の記憶を吸い取り終えようとしていると……

 

 

 

デルタ「――――様!ウルティオ様!」

 

ウルティオ「ん?どうした?デルタ?」

 

 

 

デルタが俺に声を掛けてきた。

 

その表情は先程教団員に向けられた怒りは無く、俺を見て少し目を輝かせていた。

 

 

 

デルタ「すっごいのです!そいつの頭を掴んだら、ウルティオ様の黒と紫の魔力が途中で混ざって……黒?…紫?みたいな色にちょっとだけなったのです!」

 

ウルティオ「…は?黒紫?」

 

 

 

デルタの言葉を聞いて、俺は自分の手を見て黒と紫の魔力を籠め、かつて赤と青の魔力を混ぜて紫の魔力を作りあげたように混ぜようとする。

 

……しかし、2色の魔力は完全には混ざらず、ただ俺の掌でぐるぐる回るだけだった。

 

 

 

「……何言ってるんだデルタ。

その…黒紫色の魔力に出来ないぞ?俺?」

 

デルタ「デルタはちゃんと見たのです!ウルティオ様の2つの魔力が混ざった所!

あれ何なのです?すっごい魔力なのです!ボスの魔力くらい強く感じたのです!」

 

ウルティオ(黒と紫が混ざった新しい魔力?

……どういう事だ……?)

 

 

 

結局その日、再び2色の魔力を完全に混ぜようとするも、ただ2色の魔力は俺の掌で混ざること無く回り続けたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺が帰還してから1ヶ月の月日が経った頃………。

 

珍しくアレクサンドリアにシド……シャドウが現れ、1つの部屋でゆっくりしていた。

 

その部屋には俺は勿論、アルファとガンマ、イプシロンがおり、俺はガンマの開発した新しい珈琲を飲んでいた。

 

 

 

ウルティオ「う〜ん、ガンマの作った新しい珈琲、中々美味しいね」

 

ガンマ「ありがとうございます」

 

イプシロン「中々の味ね」

 

アルファ「ええ、新しい珈琲豆、これもミツゴシの商品としてかなり繁盛しそうね」

 

シャドウ(全部僕とレベリオの前世の知識を大雑把に言った結果だけどね。

でもこの珈琲結構美味しい)

「ふむ………」

 

ガンマ「主様?新しい珈琲はお気に召しませんでしたか?」

 

シャドウ「いいや、中々の味だ」

 

アルファ「じゃあ、何か悩みがあるのかしら」

 

シャドウ「いや……本人がこの場にいるなら丁度いい」

 

アルファ&ガンマ&イプシロン

『?』

 

 

 

シャドウが珈琲のカップを机に置いて、俺の方を見てくる。

 

……まさか。

 

 

 

シャドウ「そろそろ、ウルティオと全力で戦いたいと思ってな」

 

アルファ&ガンマ&イプシロン

『なっ!?』

 

ウルティオ「…………」

(いつか、こういう日が来るとは思っていたが……)

 

 

 

俺への全力勝負を求めてきた。

 

そしてこれが、俺にとって命懸けの賭けにして、新たな力の目覚めのきっかけとなる。

 

 

 

 

 

 

 







学園入学2ヶ月前のシャドウvsウルティオは血の女王編前の幕間でやると言ったな?
















 

あれは……嘘だっ!!!

聖域編前の幕間でやる事に決定ィィィイ!!!



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