面白いと思った方、是非とも高評価宜しくお願いしまっす!
side シャドウ
シャドウ「邪魔だ、どけ」
教団員達「「「カッ……!?」」」
大講堂の扉を、教団員3人ごと纏めて斬るシャドウ。
するとその先には他に逃げていた生徒と騎士団の人間が来ていた。
その騎士団の中にはアイリスとアレクシアの2人もいる。
アレクシア「あいつは……シャドウ!?」
アイリス「……!
まさか…奴らが火を……!?」
ローズ「違います!アイリス様…!」
アイリス「ローズ王女!?」
ローズ「シャドウガーデンが現れ、ディアボロス教団と名乗る賊を一掃しました……。
私達は、彼らに助けられたのです」
アイリス「じゃあ……この放火も……」
ローズ「おそらくディアボロス教団の仕業かと」
ニュー「必要なものは全て回収しました」
シャドウ「よし、我らは撤収する」
(と言って、僕はこっそり高いところからレベリオの『陰の実力者』ムーヴを見させてもらうけどね)
アイリス「ま、待ちなさいっ!あなた達の目的は何!?」
シャドウ「目的は達した、あとは奴の仕事だ」
撤収しようとするシャドウ達を見てアイリスが呼び止める。
するとシャドウは見向きもせず、ほんの少しの言葉を発しその場を去った。
アイリス「……!?」
(レベリオ君の事?まさか……まだ学園内に……!?)
騎士A「アイリス様!火の手が強くなっていきます!」
アイリス「消火作業を急いで!それと負傷者を運びなさい!」
アレクシア「姉様、私も行きます」
アイリス「怪我をしないようにね、アレクシア」
アレクシア「はい」
アレクシアを筆頭とした騎士団員たちが消火作業、及び負傷したもの達の下へと向かって行った。
side レベリオ
レベリオ「………………。
ヤツの昔話を、直に聞けば……決まるかもしれない。
俺のやりたい事、なりたいものが……。」
俺がやる全ての下準備が整い、残るはこの副学園長室の扉を開けるのみとなった。
あとはこの扉を開き、痩騎士……ルスランとの決戦を迎えるだけ。
そしてこの戦いが……俺の今後を、行く末を決めることになる。
意を決して、左手にポケットを入れた後、右手でゆっくりと副学園長室の扉を開け、ポケットに入れてた左手を出す。
そして入って右を見ると、多数の本を燃やしている痩騎士ことルスランがいた。
顔を覆う兜で顔を隠してはいるが、生憎初めて会った時に、既にコイツの魔力の性質は覚えている。
なんならコイツの欲望や負の感情でもうバレバレだ、前世の陰実知識が無くてもわかる。
……が、敢えてここは原作通りのやり取りをしようじゃないか。
原作でシドがここでルスランに話しかける前に読んでいた本……おそらく、ルスランがこれまでシェリーと彼女の母親を利用していた頃の記録みたいなもの今手に持って無くて、近くの机にあるが、読む必要はない。
レベリオ「大事な娘を置いて、この副学園長室に来たと思えば……まさか、あなたが犯人とは思いませんでしたよ、ルスラン副学園長」
(机のあの本……多分あれがそうか、だが読む必要はない、我が目は全てを見通している)
俺にそう言われると、ルスランはゆっくり顔を覆う兜を外す。
意外そうな顔をして、俺にその目を向けた。
ルスラン「よく私だって気づけたね」
レベリオ「いいえ、選抜大会の後で会わなければ……気づかなかったかもしれません」
ルスラン「ふむ…歩き方か、それとも視線か……いい目を持っているね」
レベリオ「相手の過去を見る目は持ってませんけどね」
(まっ、全部知ってるけど)
「それよりも、何故こんな事をしたか、何故ディアボロス教団にいたのか、お聞かせ願えますかな?」
俺のその言葉に、ルスランは鎧の下に来ていた黒い装束も、火の中に捨てた本と同様に、火の中に放り込む。
炎に照らされた室内で、2人の影がただ揺れる。
ルスランは眼鏡をかけ直し、話し始める。
ルスラン「……何故…か、かつて私は剣の道で頂点に立った。
君が生まれる前の話だ」
レベリオ「ブシン祭優勝、でしたか」
ルスラン「ブシン祭など……私にとってはお遊びに過ぎなかった、本当の頂点はもっと先にあったのだよ」
レベリオ「まさかそれが……ディアボロス教団だとでも?」
ルスラン「ああ。
私はかつてその組織の最高戦力、ナイト・オブ・ラウンズの称号を得たが、そう時間も経たずに病にかかってね。
苦労して昇りつめた栄光は、一瞬にして終わった……」
レベリオ「………」
(落ち着け……これに対して物を言うのは、ウルティオとしての俺のセリフだ……今の俺が言うべき言葉じゃない)
ルスラン「それから私は、病を治す術を探す為、あるアーティファクトに可能性を見出した」
レベリオ「それが…『強欲の瞳』だと?」
ルスラン「ああ、研究していたのは、シェリーの母だった。
私は彼女に支援し、彼女は研究に没頭する。
いい関係だったよ」
レベリオ(そうかな?俺はイータを支援し、彼女は研究に没頭しているが……それほどいい関係ってわけではないと思うけどなぁ?)
ルスラン「そして、ついに私は探し求めていたアーティファクト……『強欲の瞳』に出会った。
だがね、あの愚かな女は『強欲の瞳』を危険だと言って、こともあろうに国に管理してもらおうなどと言い出した……だから殺してやった」
レベリオ「――――っ!」
(……やっぱ生で話を聞くと違うな……だが、まだコイツの話は終わってない……)
まだ途中であるにも関わらず、ルスランの話を聞いていた俺は心の中に黒いものが湧き出る。
こんなに怒りを感じたのは、ゼータの一族が彼女以外全員殺されたのを目の当たりにして以来か。
だが落ち着け、もうあの時とは違う。
自分にそう冷静に言い聞かせ、ルスランの話を聞き続ける。
ルスラン「身体の先から中心へと突いていき、最後は心臓を突き刺し、捻った。
クク……クックック……シェリーは何も知らず、何も疑わず、母親の研究を引き継いでくれた。
私が仇だと知らずにね……可愛い可愛い、愚かな娘だ……。」
ルスランはこちらの耳に触る程に嘲笑った。
彼の話を聞き終えると、俺には様々な感情が渦巻く。
……ああ、その嘲笑、俺が数多くの盗賊や教団の奴らを蹂躙し、罰を与えた時と似ている。
でもな、その嘲笑は、何も悪い事をしてない、純粋なやつに向けるべきものではない。
本当に嘲笑われるのは、お前なんだよ、『強欲の瞳』の危険性をちゃんと聞かずに、昇りつめた栄光に返り咲く為に、コイツは自分の可能性を狭くした事に全く気づかず、シェリーの母親を殺してしまった。
こんなやつにこれ以上シェリーを好きにはさせない。
こんなやつに好きにされるくらいなら、シェリーは俺がもらう。
そしてコイツには、極上の罰をくれてやる。
既にその下準備は整った、後は………?
……ああ、そっか。
レベリオ(俺の……俺の、やりたい事、なりたいものは――――――)
ルスラン「どうだい、参考になったかな?」
話を聞き終え、自身の中に渦巻く感情を整理し、ルスランに極上の罰を与えると決めた直後、ついに自分のやりたい事、なりたいものが決まったレベリオに、ルスランが言う。
レベリオ「……ええ。
……話を聞く限り、どうやらシェリー先輩まで利用したようで」
ルスラン「ああそうだ、怒ったかい?」
レベリオ「怒ったかどうか、……それは剣を交えればわかることですよ。
のんびりしてる時間はなさそうですし」
俺がミスリルの剣を抜くと同時に、ルスランも剣を抜く。
俺がどんな感情を抱いているか、言葉にする必要はない。
いくら外道でも、こいつとて魔剣士の端くれだ、剣を交えればわかるだろう。
ルスラン「剣を交える、か……それもそうだね。
残念だが、別れの時だ」
レベリオ「ええ、別れの時です。
でも言っておきますが……いくら貴方でも、私を殺すのは簡単じゃないですよ?」
ルスラン「そのようだね、2年前のブシン祭、そして数日前の選抜大会を見たが、まだ君の底は見えない。
特に魔力を使って戦っているところは見たことがないからね」
レベリオ「……貴方はここで私が……いえ、俺が止める。
……そしてシェリー先輩は……」
ルスラン「?」
レベリオ「シェリーは……!俺が貰うっ!」
瞬間、俺からスタートを切った。
魔力なしの、そこそこのスピードでルスランに斬りかかる。
当然、ルスランは剣で受けてくる、まあこのくらいはね?やってくれないとね?
元とはいえラウンズの名が泣くぜ?
ルスラン「っっっ!」
(速いだけではない、何という腕力よ……!)
レベリオ「そらっ……!」
(なるべく……時間をかける……!)
反撃の隙を与えずに剣を横薙ぎに振る。
ルスランが後ろに下がるもその一撃は彼の腹を浅く斬る。
後ろに下がったルスランに、俺は追撃の一振りを振るう。
ルスランはそれを剣で受け止めようとするが……。
ルスラン「ぐうっ!?」
剣ごと吹き飛び壁に激突する。
レベリオ「歳を取ったとはいえ……病で弱ったとはいえ……その程度、という事はないでしょう?」
俺はゆっくりと近づいていく。
使うんだったらさっさと使えよ。
どうせお前は終わるんだから、と思いながら。
「本当にその程度なら……レックスと同じ所にさっさと送ってあげましょう。
あんまり甚振る趣味はありませんので」
※甚振る気満々
ルスラン「レックスを殺したのは君だったか。
強いものだね、私が全盛期だったらどんな勝負になっていたか」
レベリオ「殺すのは簡単じゃないと言った筈ですよ?」
ルスラン「確かに、君を殺すのは簡単じゃない。
私の目も耄碌したものよ、今のままでは簡単に決着はつかない。
だから……全力でいかせてもらうよ」
そう言ってルスランはポケットから『強欲の瞳』とその制御装置を取り出した。
「強欲の瞳の真価は、その制御装置と組み合わせて発揮されるのだ。
このようになっ!」
強欲の瞳とその制御装置が、ルスランの身体に埋め込まれる。
すると強欲の瞳が今まで吸収してきた魔力が全て、ルスランに蓄積され、俺がつけた傷もすぐに治り、ルスランの身体から膨大な魔力が溢れ出る。
……あぁあぁ、ルスラァン〜、アンタぁやっちまったなぁ〜、って言いたい、凄く言いたい。
だが、それを言うのは『ウルティオ』としての俺であって、今の俺ではない。
もう少し、こいつにぶちまけたい感情を抑えて、余興を続けよう。
「今こそ私は生まれ変わるっ!うおぉぉぉぉぉぉお!!!
素晴らしい!素晴らしいぞぉ!
力が戻る…!病が癒える…!
分かるかっ!この荒れ狂う魔力がっ!
人間を遥かに超えた力が!」
レベリオ「その魔力……果たして貴方に使いこなせますかね……?」
ルスラン「私を心配している余裕があるかな……?
この力…試させて貰うぞぉ……!」
ルスランが先程の俺よりも速いスピードでこちらに急接近してくる。
そして軽々と、まるで絵を描くかのように剣を振るって見せる。
レベリオ「くっ……!?」
(敢えて苦戦するフリをする……!少しこいつのペースに乗ってやるか)
ルスラン「ははは!良くぞ受けた!これはどうだっ!」
レベリオ「ちぃっ……!」
(その顔が、絶望の表情に変わるのが、本当に楽しみだ……!
おっと、この感情は隠しておかないと……っな!)
強欲の瞳をその身に取り込み、膨大な魔力を得たルスランの白く、速い斬撃を、俺は受けに回り、受け続ける。
まだ、まだその時ではない、と自分に言い聞かせたり、こいつがどんな絶望を味わうのかを想像しながら、防戦一方の如く、余裕を持ちながら戦う。
時が来るまで、遊びに興じるだけ。
精々優位に立っているつもりでいろ、蹂躙のクライマックスはもうすぐだっ!
なんて考えながら防戦している内に、ルスランが語る。
ルスラン「私の計画も随分狂わされたが……まだ手はある。
午後の授業に出なかった君を殺し、この事件の首謀者として扱えれば、私はそれを討った英雄として扱われるのだ…!
『ディアボロス教団』についても、全て君の作り話だと言えばどうとでもなるっ!」
レベリオ「教団お得意の情報操作ですか。
結末さえ決まれば、筋書きはどうとでもなる、と」
ルスラン「そういう事だ……!これまで随分この国に潜んでいた教団の刺客を潰したようだが……ここまでだよレベリオ君!
君の努力は、ここで終わるっ!」
レベリオ「まさか、もう勝ったつもりでいるんですか?」
ルスラン「ああ、これだけの魔力があれば、如何に君でも敵ではない!
君がどれ程の魔力を持っていたとしてもだ……!」
レベリオ「やれやれ、どうやら魔力量で勝負が決まると思っているようだ。
随分と、視野の狭い生き方をしてきたようですね……」
ルスラン「何……!」
レベリオ「まあいいでしょう、どうやら、私も魔力を少し、使いざるを得ませんからね……!」
ここで俺は、自分が持っている『赤』の魔力を少しだけ放出する。
少しだけって言っても、多分アニメ1期19話でジミナ=シドと戦うことになったアイリスが放出した時と同じくらいの魔力だけどね。
そりゃ、表向き俺はアイリスより強い魔剣士として扱われているもの、これくらいは当然当然、何も不自然じゃない。
ルスラン「ほう……それが君の魔力か……!
確かに、レックスよりは多いが……その程度の量では私には勝てんよ!」
レベリオ「そういうセリフは、今の私の剣を受けてから言って下さい……ねっと!」
俺は『赤』の魔力を纏った剣の一撃をルスランに放つ。
自分のペースに乗っていたルスランはこちらの剣を受ける事は出来たが、先程までの余裕は少しなくなっていた。
距離を潰して、俺は剣の乱舞をお見舞いする。
ルスランの顔から笑みが消えている、とはいえ、別段焦っている様子はない。
まだ自分の方が力が上だと思っているのだろう。
ルスラン「くっ……!アーティファクトなしでそこまでの剣を振るえるとは素晴らしいものだよ……!
実に惜しい、君が教団の人間じゃないのが……!」
レベリオ「よく喋りますね、まだ本気じゃないですよ……?」
ルスラン「いいや、もう君の剣は届かん。
何故なら、今より強い一撃を振るう前に私に斬られるからだ…!」
レベリオ「それは私の全力の一太刀よりも強く、速い剣を振るえたらの話ですよ、ルスラン」
ルスラン「なら……これで終わりにしよう……!
…!?」
レベリオ「!?」
ルスランが再び剣を振るおうとした時だった。
突然、副学園長室の扉が開かれた。
開かれた扉から……シェリーが出てきたのであった。
ルスランはそれを見た直後…剣を下ろして彼女に少し近づき語る。
俺もシェリーを見るが、その表情は極めて青く、暗いものだった。
ルスラン「おお、シェリー、すぐに騎士団を呼んでくれ。
このレベリオ君が、今回の事件の―――」
シェリー「…………………なんですか……?」
ルスラン「シェリー……?」
シェリー「本当なんですか……?お義父様……?
お義父様が……お母様を、殺したって……?」
ルスラン「な、何を…?何を言ってるんだ?シェリー?
私は……?」
レベリオ「…フッフッフッフ……ハハハッ!
アッーハッハッハッハッハッ!!!」
ルスラン「!何がおかしい!」
シェリーの言葉を聞いて、ルスランが取乱した。
まさか、今まで自分を信じた娘から、そんな事を言われるなんて思ってなかっただろう。
シェリーがいる状況で不謹慎だが、本当に傑作だ!
俺はポケットから、イータに頼んで作ってもらった通信用のアーティファクトを取り出して笑みを浮かべる。
レベリオ「シェリーには悪いが……ルスランっ!アンタの今までの会話全部!このアーティファクトを通して学園中に伝わったんだよっっ!!!」
ルスラン「なっ…!!?」
シェリーの先程の言葉を聞いて、俺が取り出したアーティファクトを見て、ルスランは絶句した。
さあ!蹂躙クライマックスだ!
side シェリー
これはレベリオが副学園長室の扉を開け、入った頃。
シェリー「やっぱり、私もお義父様を……!」
ルスランが心配になったのか、シェリーは校舎のあちこちを回って自分の義父を探していた。
レベリオにお願いはしたが、彼女にとってルスランは、母を亡くしてから沢山お世話になった人だ、部屋で待ち切れず、自分も探す事にした。
幸いな事に校舎内にいた教団員は、全てシャドウガーデンによって殺され、息絶えていた。
それにより、シェリーはルスランを探すのに専念できる。
しかしその途中、放送の音声が流れる。
レベリオ『大事な娘を置いて、この副学園長室に来たと思えば……まさか、あなたが犯人とは思いませんでしたよ、ルスラン副学園長』
ルスラン『よく私だって気づけたね』
シェリー「この声は……レベリオ君と……お義父様……?
副学園長室にいる…?でも、犯人って……?」
シェリーは放送を聞いて、その場で立ち止まる。
レベリオとルスラン、2人が現在副学園長室にいて、どうやって放送室の方に声が届いているかを考えるより、シェリーは何故レベリオがルスランを犯人と言ったか疑問を持っていた。
が、彼女の疑問などお構いなしに、2人の会話は時が止まっていないかの如く続いていた。
ルスラン『……何故…か、かつて私は剣の道で頂点に立った。
君が生まれる前の話だ』
レベリオ『ブシン祭優勝、でしたか』
ルスラン『ブシン祭など……私にとってはお遊びに過ぎなかった、本当の頂点はもっと先にあったのだよ』
レベリオ『まさかそれが……ディアボロス教団だとでも?』
ルスラン『ああ。
私はかつてその組織の最高戦力、ナイト・オブ・ラウンズの称号を得たが、そう時間も経たずに病にかかってね。
苦労して昇りつめた栄光は、一瞬にして終わった……』
シェリー「え……?お義父様が……ディアボロス教団……?」
私は、お義父様が何を言っているのか判りませんでした。
お母様の研究を支援し、そのお母様がいなくなってから私を、娘のように育ててくれたお義父様が、ディアボロス教団…?
自分の義父について知らない事が判明していく中で、まだお義父様の話は続いていきました…。
ルスラン『それから私は、病を治す術を探す為、あるアーティファクトに可能性を見出した』
レベリオ『それが…『強欲の瞳』だと?』
ルスラン『ああ、研究していたのは、シェリーの母だった。
私は彼女に支援し、彼女は研究に没頭する。
いい関係だったよ。
そして、ついに私は探し求めていたアーティファクト……『強欲の瞳』に出会った。
だがね、あの愚かな女は『強欲の瞳』を危険だと言って、こともあろうに国に管理してもらおうなどと言い出した……だから殺してやった』
レベリオ『――――っ!』
シェリー「―――――!?」
そしてシェリーが聞いてしまう、最悪の事実。
彼女の母親を殺したのがルスランだと、ついにシェリーは知ってしまったのだ。
ルスラン『身体の先から中心へと突いていき、最後は心臓を突き刺し、捻った。
クク……クックック……シェリーは何も知らず、何も疑わず、母親の研究を引き継いでくれた。
私が仇だと知らずにね……可愛い可愛い、愚かな娘だ……。』
シェリー「そん、な……お義父様が……」
私はその場で膝をついて言葉を失いました。
お義父様は、教団の人間だった。
しかも、お母様に近づいた経緯までしっかり話していた。
私を育ててくれたのも……全部、全部、アーティファクトの為……?
全部、自分の為……?
その為に、その為にお母様は……!
「……っ!!」
私の頭の中は、もうぐちゃぐちゃでした。
とにかく今はお義父様に会って、直接確かめたい。
私は副学園長室に急ぎました。
でも確かめた後、それが事実だったら?
私はこれから、どうしたら……?
走っている最中も、まだ放送のスピーカーから2人の声が聞こえました。
そこで、レベリオ君の、必死な声が聞こえました。
レベリオ『……貴方はここで私が……いえ、俺が止める。
……そしてシェリー先輩は……。
シェリーは……!俺が貰うっ!』
シェリー「………!?」
レベリオ君は、その場にいない私に告白するかのようにお義父様に言いました。
……レベリオ、君……。
side レベリオ
ルスラン「が、学園中ということは、まさか……」
レベリオ「そうだ、この学園の生徒も、駆けつけたアイリス王女を筆頭とした、ミドガル王国の騎士団も皆知ってる!
俺を殺してももう無意味だ!」
(フフハハハハ……!それだよ!ルスラァン!!その悔しそうな表情が見たかったんだよぉ〜〜〜!!!)
ルスラン「くっ……!貴様……っ!!」
レベリオ「どうやら万策尽きたみたいだな、これでアンタはおしまいだ」
ルスランは極めて悔しそうな表情を浮かべながら、こちらを睨みつけてくる。
これこれ!これだよ!この愉悦感!
そうだ…!俺のやりたい事!なりたいものは初めからあったんじゃないか……!
嗚呼、随分遠回りしてしまったなぁ……。
シェリー「レベリオ君!危ない!」
ルスラン「ウォぉぉぉおおおお!!!死ねぇ!!!」
レベリオ「がっ……!?はぁっ……!」
愉悦感に浸っていると、ルスランの魔力を込めた剣が、イータが作ってくれた通信用のアーティファクトごと俺の身体を深く斬り裂いてしまった。
マジか、完全に油断した、俺としたことが……。
深く斬られたレベリオの身体が、燃えたぎる火の中に落ちていく。
シェリー「レベ、リオ……君……?」
ルスラン「フハハハハハハ……!最後の最後で油断したね、レベリオ君……!
ここまでやった事は素直に褒めてあげるよ」
シェリー「嫌……嘘……!レベリオ君っーーー!!!
どうしてっ……なんで……っ!」
ルスラン「安心しなさいシェリー。
君も今すぐ、彼と同じところに行ける」
シェリー「レベリオ君っ……!」
シェリーが火の中に落ちた俺の近くに、火に当たらない距離まで近づいて、必死に泣き叫んでいる。
そんな泣くことはないってば、シェリー。
たった一太刀斬られて、火の中に落ちただけだぜ?
俺がこの程度で、死ぬわけ無いだろ……?
ってオイ、ルスランの野郎、シェリーも殺すつもりか。
……させるかよ。
お前が誰を敵に回したか、お前がこれからどんな痛みを味わうか―――――
シェリー「……!?」
ルスラン「なんだ?火が…黒く…っ!?」
―――――――しかと、その身をもって知れ。
突如、レベリオが落ちた火が黒く染まり、その直後に副学園長室の窓全てが割れる。
そして割れた窓から多数の炎が上がり、黒い火に集約して黒炎となる。
その黒炎は徐々に、徐々に大きくなっていき、やがてその上部に顔らしきものが現れる。
現れた黒炎の塊にルスランは後ずさる。
???『フフフフ………フフハハハハハハ………!!!』
ルスラン「馬鹿な……!?あれだけの深手を受けて生きて……!?」
ルスランは慌てて窓の外を見てみると、自分が学園に放った筈の火が全て無くなっていた。
そう、彼が放った火は全て、自分とシェリーの近くにある黒炎が吸収してしまったのだから。
「私が放った筈の火が…!消えてる……!?
こんなことが、あり得るのか……!?」
???『ありえるさ、これは貴様が見てこなかった、魔力の無限の可能性の1つなのだから……』
シェリー「レベリオ君……?」
???『否、それは表の名。
今、我の真の姿を見せてやろう……』
シェリーの疑問に答えた俺は、直ぐ様黒炎を人の形に形成していく。
人の形の黒炎はやがて、黒紫のラインがある漆黒を纏いし者に変化した。
そして完全な人の姿となった俺はペル◯ナ5の主人公が、力を初めて覚醒した時と同じ立ち方、ポーズをしていた。
だってあのポーズと表情、かっこいいもん。
ペル◯ナとかないのは残念だけど、あっ、分身使ってそれっぽいの出せばよかったな。
まあ茶番はこれくらいにしよう、ここからが本番なんだから。
新生ウルティオの新しい決めセリフからだ。
ウルティオ「我が名はウルティオ……。
陰より出で、陰が抱きし罪を罰する―――『陰の断罪者』」
シェリー「ウル、ティオ……?」
ルスラン「その名前……シャドウガーデンかっ!?」
ウルティオ「蹂躙の時は終わった……さあ、断罪の時間だ」
俺は黒いコートを靡かせ、そう告げるのであった。
ルスランが後ずさる。
下がっても意味ねえよ、既にお前の命は俺の手の中だから。
ていうか、そんな風にしたのはお前自身だからな?自業自得だ。
ルスラン「まさかアイリス王女の婚約者が、シャドウガーデンの1人とは……」
ウルティオ「余興は終わりだ。
まずは……胃袋」
俺は『黒』の魔力を小さい球体状にし、右手の上に浮かせる。
そしてそれを…握りつぶした。
ルスラン「――――――!?がはっ!?」
次の瞬間、ルスランに強烈な痛みが襲い掛かり、その場に膝をついて嘔吐する。
ほんの少し苦しい表情になるが、その表情はすぐにひっくり返って笑みを浮かべる。
「…ク、ククク、何をしたかは知らないが、この強欲の瞳があるかぎ――?何故だ!?何故傷が癒えない!?」
ウルティオ「左の肺」
(どうやら、強欲の瞳が吸収した『黒』の魔力は、お前を持ち主と認めず、お前の他の魔力を喰らい始めたようだな。
『黒』の魔力が他の魔力を喰らって、ルスランの傷の癒しを阻害している)
ルスラン「ぐぉぉぉおおお!?」
俺は再び、魔力を球体状にして潰すと、ルスランが吐血しだす。
ああ、うるさいマジで、お前らが数多くの人を殺した時に散々聞いていただろうが。
シェリーの方も、先程までの、自分の母親殺しの真実、そして俺がやられた時の泣き顔は何処へいったのやら、何が起きているのかさっぱりわからないような顔をしている。
何故なら『強欲の瞳』が身体に埋め込まれている筈なのに、何故かルスランがさらに苦しそうにしているからだ。
ウルティオ「喚くな、まだ胃袋と左の肺しか潰してないぞ」
シェリー「い…一体、何が……?」
ルスラン「うっ…ぐほぉっ!
(なっ、何だこれは……!?傷が癒えない……!?
突然身体の臓腑を潰されたというのもあるが、何だっ!?この内から来る怨讐のような声は……!?)
きっ、貴様っ!何をしたっ!」
ウルティオ「貴様が作ってくれた弱点を突いているだけだが?」
ルスラン「じゃ、弱点……!?ゴホッ!わ、私が作った、だとっ……?」
ウルティオ「作っただろう、『強欲の瞳』で」
シェリー「あ、あの…レベリオ君、どういう事、ですか……?」
ウルティオ「どういう事も何も、強欲の瞳には長期的な魔力の保持が不可能という他に、もう一つ致命的な欠点があってな。
それは、範囲内の誰の魔力を吸収するか、選ぶ事が出来ない。
波長を覚えている者の魔力すら、ほんの微かに吸収してしまう。
そしてその後、その『強欲の瞳』を自分の身体に取り込んだらいけないんだ。
そんな事をしたら、強欲の瞳に吸収された魔力の持ち主が、強欲の瞳を埋め込んだ者の中に入った持ち主の魔力を遠隔操作して殺すことが出来てしまう」
ルスラン「ば…ばか、なっ……?そんな、事……そんな事っ!出来るわけがっ!!!ごほっ!ゲホッゲホッ…!」
ウルティオ「お前が今苦しんでるのが、その証拠だ。
そんなに信じられないならもっとやってやるよ……右足の骨とアキレス腱」
ルスラン「グアァァァアアアアア!!!」
俺は呆れ気味に、今度は両手でそれぞれ魔力球体を作り、握り潰す。
するとルスランは右足を抑えて悲鳴をあげる。
俺の視点じゃ解りにくいけど、ルスランの右足の骨は今頃粉々になってる、もう歩けないな。
ルスラン「あっ…ガハッッ!うぐぅ……!」
ウルティオ「そう考えると『強欲の瞳』は危険だな。
溜め込んだ魔力がいずれ勝手に放たれるだけでなく、吸収した魔力の持ち主に簡単に生殺与奪権を握られてしまうのだから。
研究者……この場合はシェリーとシェリーのお母さんか、研究者の警告を無視するものではないな。
さて、もっといたぶってやるか、今度は……」
シェリー「レベリオ君!待ってください!」
ウルティオ「シェリー……まさかとは思うが、我欲の為に君の母親を殺し、君を利用し、挙げ句の果てに殺そうとしたコイツを庇うつもりか?」
シェリー「違います、その……最後にお義父様に確認したい事があるんです。
お義父様……本当に、強欲の瞳の為だけに、お母様を殺したんですか?」
ルスラン「…とっくに……ゴホっ!壊して、しまったが……彼の、アーティ…ファクトから…グフッ…流れた、音声は…聞いたのだろう?はぁっ…はぁっ…それが、私の…本音だ」
シェリー「……っ……!」
確認を終えたシェリーは、目に涙を浮かべながら目の前で動けない状態のルスランを見る。
これまで世話になった人が、実は亡き母親の仇。
普通の人間なら、すぐに殺したいとなるだろう。
だがそれでも、彼女にとってルスランは自分を育ててくれた義父だ。
義父への最後の情けと言わんばかりに……俺に話しかける。
「レベリオ君……」
ウルティオ「何だ?」
シェリー「副学園長は、お母様を利用し、殺しました。
その上私にも同じ事をしようとしました。
ですが…それでも育ててくれた恩はあります。
なので……それ以上苦しめる必要はありません、人思いに殺してください」
ウルティオ「……わかった。
丁度俺も、この男に褒美を与えようと思ってね」
シェリー&ルスラン
「「ほ、褒美…?」」
ウルティオ「経緯はどうあれ……アンタのお陰で、俺は自分のやりたい事、なりたいものが決まった。
だから……手向けとして見せてやる、魔力の無限の可能性の一端を。
そして知るがいい、もっと視野を広げていれば、こんな事にはならなかった事を……!
『
俺が黒紫の魔力を練り、右手をかざすと、ルスランの周囲に多数の魔力の鉄格子が囲われる。
そして最後の鉄格子に結界らしきものが張られた。
「この技はシャドウの全力の一撃を完全に抑え込む為に作り出したもの」
(『球体拘束』の上位互換だ)
「まさか自分の技に試すことになるとは……まあ、これに耐えきれずにこれが壊れるようなら、俺はまだまだってことだけどな」
(さて……やるか、『超神速』……1万倍……!)
俺は自分が持つ黒紫の魔力を、1万倍の速さで加速させつつ練る。
魔力を物質として扱って加速させ、その速度で魔力に熱を生成させる。
そして熱を持った魔力を右手に、徹底的に凝縮させていく。
やがて右手の人差し指の先に、野球ボールサイズの、高密度の高熱を持った魔力の球体が出来上がる。
これは普通にやろうとすると物凄く時間がかかるという、発動速度は壊滅的だが、『超神速』で魔力の流れと摩擦、そして練る速度を1万倍にすれば1秒の時間も必要ない。
事前にどれだけの出力を出すために魔力を使う量と、どれだけ魔力を制御するかを決め、あとはその魔力を加速させて熱を生み凝縮させ、指先からこの魔力の球体を生み出すだけだ。
さあ出来た、後はこれを放つだけ。
技名はそうだな……ガンマ線バーストの名前を捻って頂くにはまだ弱いし……。
理論上では、加速によって生まれた、この高密度の高熱の魔力を放ち、それを途中で任意に拡散させて波動の如き衝撃を与えるやつだから……。
波動として膨張し、爆発………。
ん?んんん???
ピコーン!!!
おぉ!それだぁ!
……よし!名前は決まった、俺はシェリーの方を向く。
「今からルスランを処刑する。
シェリー……何か言い残してやる事はあるか?」
シェリー「………」フルフル
ルスランを処刑する前にシェリーに言い残す事があるか聞くと、シェリーはもう語る事はないかの如く首を横に振る。
その様子を見た俺はルスランに向き直る。
ウルティオ「そうか。
なら…真の圧倒的な力を、その目に刻め……!
これが、今の俺の最高地点!
そして!『陰の断罪者』になると決めた、俺の決意の一撃!
ビッグバン・スフィア―――――――」
俺は右手の人差し指の先にある、魔力の球体を放つ。
その球体が同じ俺の魔力で出来た『無限監獄』をすり抜け、やがてルスランの胸部に近づいていく。
そしてその球体がルスランの胸部に触れた直後――――――
「―――――ヴィレ!!」
高密度の高熱を持った魔力の球体は拡散し、宇宙災害のビッグバンの如き超爆発が起こる。
ルスランはそれを喰らった直後、何か理想みたいなものを見たのか、満足そうにしてその爆発をモロに受け、強欲の瞳ごとその身体は爆発に消えた。
俺は左手で『無限監獄』を維持し、その衝撃を抑え殺していく。
これにより、この技を受けるのは『無限監獄』に閉じ込められたルスランだけになる。
こんなもん普通に放ったら、ミドガル王国なんてひとたまりもないだろうなぁ。
まあ、攻撃範囲に関してはまた別の機会に検証すればいい、今回はこの新技を、シドの全力の一撃を完全に抑え込む為に生み出した技で、完全に抑え込めるかの検証だ。
そして、俺の新たな技……いや、これは、『破壊』の『究極奥義』!の予定である『ビッグバン・スフィア・ヴィレ』の爆発はようやく収まった。
出力は20%でやったが……うん、なんとか完全に抑え込めた。
だが裏を返せば、この技の出力はもうちょい上げてもいい、もしくは磨いてもいいということになる。
そうなると『無限監獄』の方も鍛えないとな。
(……次の鍛錬からは『超神速』を含めた魔力制御の鍛錬、そしてこの技のバリエーションを増やし、実験をしていこう。
剣の方も忘れないようにな)
シェリー「これが……私の目指す道……」
ん?シェリーさんや?まだこの技、検証全然してないから、事実上未完成だからね?
何を目指すか知らないけど、この程度を目指す道にしてもらっちゃ困るよ?
ウルティオ「ようやく、決着か……」
シェリー「あ、あの……レベリオ、君……///」
ウルティオ「何だ?シェリー?」
シェリー「そ、その……ほ、本当、ですか?
私の事を……その……///」
ウルティオ「?」
ルスランとの決着がやっとついた矢先、シェリーが何故か顔を赤らめて話しかけてくる。
ねえちょっと待って、最近俺が会う女性なんか変なんだけど!?
俺何かした!?
シェリー「その……わ、私の事を……も、貰うってっ……!///」
ウルティオ「!」
(ん?あ〜そう言えば、あのアーティファクト通してそんな事言ったっけか。
まぁ、貰っておかないと教団に狙われかねないからね、よし、なるようになれだ!)
「シェリー」
シェリー「えっ?ひゃあ!?///」
俺はシェリーを抱き寄せて真顔を近づける。
彼女の顔がさらに赤くなって、こちらの視線を逸らした。
ウルティオ「目を逸らすな、俺の目を見ろ」
シェリー「ひゃ、ひゃい……///」
シェリーは恥ずかしそうにしながら、こちらの目を見つめてくる。
悪いけど、ここで離したら、教団に捕まる可能性があって、もし捕まったら何されるかわからないからね。
それなら……こっち側にいた方が安全だ。
ウルティオ「お前が嫌って言っても、もう逃さない。
お前は俺が貰う、その人生、俺に捧げるんだ」
シェリー「は……はい……///
レベリオ君のものに、なりまひゅ……///」
何だかシェリーの呂律まで変になってしまったが、こうして学園襲撃事件は幕を閉じ……。
シェリーがシャドウガーデンに、くわわった!
ルスラン一派が学園を襲撃したことにより、学園は半壊してしまった。
多くの生徒が負傷し、魔剣士学園が大打撃を受けた事件も無事に終了。
ちなみに、レベリオとしての俺はどうしたかと言うと、ルスラン一派の強者であるレックスの魔の手からグレンとマルコ、そしてシェリーの3人を救い、ルスランと戦っていた所ウルティオが乱入したということになった。
レベリオとしての俺が主犯こそ倒していないものの、敵の強者1人を瞬殺し、3人を助けた事で俺の評価は爆上がりしたのである。
とはいえこの事件以降、何故かアレクシアのこちらに向ける視線が鋭くなった、うーん、少しやり過ぎただろうか?
まあそこはブシン祭のシャドウ登場の所で何とかするから大丈夫でしょ!
それ以外に影響があるとすれば、まあ授業を行える状況じゃなくなったので夏休みが前倒しになったことぐらいだ。
これを機会に、久しぶりにお父様とお母様に会いに行こうか、シェリーの紹介は分身に任せればいい。
取り敢えず、今後の予定を決めていると、隣にいたシドが話しかけてくる。
シド「いや〜、派手に校舎が壊れたね」
レベリオ「まあ俺は副学園長室の一部しか壊してないが」
シド「凄かったねあの一撃、魔力の質がこれまでとケタ違いだった、もしかして対アトミック用に作った?」
レベリオ「………まあ、理由の1つとしてはな」
シド「そっか、となるとまたレベリオと戦えるのが楽しみだ」
レベリオ「一応暴発はしないが……扱うにはまだ検証結果が足りない。
それに…あの技は、俺がなりたいものの道を行くための決意の一撃だからな」
シド「『陰の断罪者』かぁ……。
でも、結局今までとやる事変わらないよね?」
レベリオ「何を言ってるんだ、なりたいものを決めた時と、そうでない時にやるのは違うんだぞ?」
シド「そんなものかなぁ?」
レベリオ「そんなものだ」
シド「そんなものかぁ……。
ところで話は変わるんだけど、シェリーだっけ?シャドウガーデンに入る新しい子」
レベリオ「ああ、そうだな、今頃は……」
俺は半壊した屋上から、アレクサンドリアの方向へと視線を向けた……。
一方、アレクサンドリア、イータの部屋兼研究室。
ウルティオ「入るぞイータ。
……相変わらずだなぁ……」
シェリー「お、お邪魔します……」
イータ「Zzz……Zzz………」
分身の俺はシェリーを連れてアレクサンドリアに向かうと、真っ先にイータの部屋もとい研究室へと向かった。
途中数人から『その女は誰ですか?』と言われたが、後で紹介すると言った。
さて、部屋の散らかりようは相変わらずなのでスルーして、案の定寝ているなぁイータ、根を詰め過ぎなんだよホントに。
取り敢えずまずは普通に起こそう。
ウルティオ「イータ〜、起きれ〜〜〜〜」
イータ「Zzz……Zzz……」
ウルティオ「よし、普通に起きない。
風呂を用意するか、物凄く熱く―――――――」
イータ「………はっ……!」
俺が風呂を用意、物凄く熱くと言った途端にイータがゆっくり飛び起きる。
というのも、実は昔中々起きないイータの身体をおぶって、ムチとして熱々のお風呂を、服を脱がした後に湯船の中にポイっとぶち込んだのだ。
あまりに熱すぎたのか、それ以降、こういった単語を言う度に、彼女は普段のだらけてる時とは反転して飛び出して起きるようになった。
旅をする前は、普段イータの世話ばっかりしたり、ミツゴシで払ったお代をイータの研究費にしてアメばかり与えてるからなぁ。
アメの与えすぎ、ダメ絶対!
と言うことで熱々のお風呂にぶち込んだのだが、超がつくほど効果的で、寝ていても先程の言葉を耳元で囁やけば起きるようになった。
ウルティオ「おっ、起きたな」
イータ「……起きないとまた、熱々の湯船に、投げられる……。
あんな熱いのは、もう懲り懲り」
ウルティオ「普段からしっかり起きてりゃ俺もあんな事はしなくて済んだんだ」
イータ「ウルティオは、酷い…。
普段は甘々なのに、稀に物凄く厳しくしてくる」
ウルティオ「あんまり甘やかさないでってアルファに言われちまっちゃ、しゃーないだろ?」
イータ「甘々のままで、よかったのに……」
(今度、アルファ様にこっそり仕返ししてみよう……)
「……ところで、その子は……?」
ウルティオ「ああ、今日からシャドウガーデンに入って、お前と一緒に研究する事になったシェリーだ。
ちょっと人見知りだが、仲良くやってくれ」
シェリー「シェ、シェリー・バーネットです……。
あの…レベリオ君がイータと呼んでいましたが、もしかして……『稀代の建築家』と呼ばれたイータ・ロイド・ライトさんですか!?」
イータ「……そう。
私…あなたに会った事がある、確か、何ヶ月か前の講演会で……」
シェリー「本当ですか!?」
レベリオ「……」
(ここからは俺は邪魔者みたいだな、まあ、この2人なら仲良くやっていくだろう)
イータとシェリーの会話が弾み始めているのを見た俺は、そそくさと退室していった。
そして俺はアレクサンドリアの内部をただ歩き、歩き、やがて1つの開いている窓から黒霧に変化して飛び、アレクサンドリアの一番高い建物の屋根の上に立つ。
そして俺は小さく口を開いた。
「……ここから始まるんだ。
『陰の実力者になりたくて!』じゃない。
『陰の断罪者になりたくて!』が……!」
レベリオ・ヴェンデッタ
ウルティオ
学園襲撃事件でようやくやりたい事、なりたいものを決め、『陰の断罪者』になるという目的を抱き『陰実』の世界を改めて生き進む事を決めた転生者オリ主
シェリーを安全な部屋に移した後は放送室に向かってイータが作った通信用のアーティファクトを設置した後、ルスランとの決戦に向かうべく副学園長室へ向かう。
※この時校舎内にいた教団員はシド=シャドウとベータによって全滅させられていた。
怒りを抑えながらルスランの話を全て聞き終えた後、やっと自分が何をしたいのか、何になりたいのか決心し、汎ゆる感情が渦巻く状況で、シェリーは自分が貰うと言ってルスランと交戦を開始、シェリーが副学園長室に来るまで時間稼ぎする『レベリオ・ヴェンデッタ』を演じていた。
シェリーが現れた後にルスランに彼の話が全て、自身が持っていたアーティファクトによってシェリーとミドガル魔剣士学園にいた全員に暴露されたと言うとルスランの顔を見て愉悦感を抱くが、抱いてる最中にルスランにアーティファクトごと深く斬られた上に火の中に落ちてしまう。
直後『炎化』で火傷を防ぎ、斬られたダメージもルスランがつけた火を吸収して治し、その後その火と一緒に『黒炎化』し、ルスランが学園につけた火を全て吸収して『ウルティオ』の姿として顕現し、『強欲の瞳』で吸収された自分の魔力を操ってルスランを圧倒、そのままもっと苦しめようとしたが、シェリーの嘆願を聞いて、最期は『陰の断罪者』になる為の決意の一撃を放つべく『超神速』と併用して生み出した新たな技『ビッグバン・スフィア・ヴィレ』でルスランを消滅させた。
ちなみにルスランに言った「シェリーは俺が貰う」この言葉もアーティファクトを通してシェリーに伝わってしまっているため、これがとんでもない勘違いを生み出していることをレベリオは知らない。
※本人はシャドウガーデンに貰うつもりでいた。
また、ルスランとの決戦前までシェリーに敬語だったのがタメ口になっている。
シェリー・バーネット
ミドガル学術学院の2年生にして、オリ主のヒロイン候補濃厚キャラ
レベリオにルスラン探しをお願いしたものの、やはり心配になって自分も探そうと部屋を飛び出して少しした後、レベリオの仕掛けたアーティファクトによって、ルスランから母の死の真相、そしてルスランの素性も知ることになってしまう。
真偽を確かめるべく副学園長室に来た後、レベリオとルスランの会話によりそれが真実と判明した直後に友達兼気になる異性のレベリオがルスランに斬られて火の中に落ちてしまい、原作でシャドウがルスランを殺した時の慟哭がレベリオに向けられた。
その後ルスランに殺されそうになるも、黒炎化したレベリオがウルティオの姿となり、ルスランいたぶり苦しませた所を、母親の仇、騙されていたと知っても彼女にとってルスランは育ててくれた事に変わらない為、ルスランをこれ以上苦しませずに人思いに殺してと嘆願、この後レベリオ=ウルティオがルスランを殺すのを見届けた。
後にレベリオによってシャドウガーデンに引き取られイータと同じシャドウガーデンの研究者となる。
ちなみに、レベリオが仕掛けたアーティファクトによって彼が「シェリーは俺が貰う」と言ったのも当然聞いており、ルスランの死後にレベリオ=ウルティオに確かめた直後の彼の行動で告白だと勘違いしてしまい、レベリオの知らない間に彼に人生の全てを捧げると誓った。
シェリー(レベリオ君になら……///)
レベリオ(なんか顔赤くしまくってるなぁ……訓練後に魔力を与えた後のラムダかな?
でもシェリーに魔力上げてないし……)
ルスラン・バーネット
席次不明の元ラウンズ、現ディアボロス教団幹部。
自らの病を治すという我欲の為にシェリーの母ルクレイアに近づき、『強欲の瞳』の危険性を正確に理解しようとせずにルクレイアを殺害したり、研究を受け継いだシェリーを利用して『強欲の瞳』を完全させようとしていた。
が、いざ完全した強欲の瞳を使用しても副学園長室に入ってきたレベリオを倒すには至らず、彼に聞かせた自身の過去が、レベリオが放送室に仕掛けた通信用のアーティファクトによってシェリーやミドガル魔剣士学園にいる全員に広まってしまい、当初は人斬りや襲撃の罪をシャドウガーデンに擦り付けるどころか、逆に《ディアボロス教団》の存在をミドガル王国に公表させることとなってしまう。
この事実に、後が無くなったルスランは激昂してレベリオを通信用のアーティファクトの片割れごと深く斬り裂き、自身が本を燃やした火の中に落とすもその火の色が黒く染まり、学園に放った火が全てその黒い火に吸収され、その中に現れたシャドウガーデンのNo.2ウルティオによって胃袋、左の肺、右足の骨とアキレス腱を、強欲の瞳が吸収したレベリオ=ウルティオの魔力を本人によって操作されて潰されてしまう。
が、彼の過去の語らいによって、レベリオ=ウルティオは自分のなりたいものが決まった事で、最期は彼から褒美として魔力の無限の可能性の一端を見せると言われ、彼の究極奥義『ビッグバン・スフィア・ヴィレ』を喰らい、その直後にもう少し視野を広げていればよかったと内心思って消滅した。
黒炎化
『炎化』の上位互換
『炎化』の時よりも温度がかなり大きく、質量を大きく操れる。
作中ではウルティオとしての姿を表す演出として使用する為に、ルスランがつけた火を全て吸収して使用した。
レベリオが単純に黒色を好んだだけで生み出した技だが、この技を生み出す過程で霧や炎等の自然系を吸収して傷を回復出来るようになった。
※ちなみに魔力を使って傷を治すよりも効率がいいらしい。
超神速
僅かな黒紫の魔力を制御して自分に関わる全ての事情を加速させる技。
前回のレックスとの戦闘で放った『神速・麻酔剣』もこの技で加速してから放ったもの。
ちなみに黒紫以外の魔力だと3倍まで加速するのが限界とのことであり「これじゃただの加速だ」とのこと。
現状で最大1万倍まで加速出来るが、それはあくまでも魔力の制御、摩擦、流れのみで、実際に自分の身体能力、つまり運動量を1万倍どころか1千倍加速させようとするとすぐに身体を壊してしまう為、自分の運動量を加速させる場合はこれよりも限界値が低い。
※それでも並大抵の者なら瞬殺出来る。
レベリオの剣技である『神速の剣』と、後に紹介する『ビッグバン・スフィア・ヴィレ』の使用には必須。
無限監獄(インフィニティ・プリズン)
ゼノン戦で初使用された『球体拘束』(スフィア・ロック)の上位互換に値する技。
結界を張った魔力の鉄格子を多数展開し、最後に大型の魔力の鉄格子で相手を完全に閉じ込める。
レベリオ曰く、シャドウの100%アトミックを完全に抑え込む為に生み出したらしい。
ビッグバン・スフィア・ヴィレ
レベリオ=ウルティオが、『陰の断罪者』になる為の決意をした証として生み出した、彼の『破壊』の究極奥義。
発動には『超神速』によって魔力の流れと練る速度を急激に早めて魔力に高密度の高熱を持たせ、使用した魔力としての戦力を、右手の人差し指の先から野球ボール並のサイズの魔力の球体に凝縮させ放つ。
放たれた魔力の球体を任意に拡散させることが出来、これにより相手がこれを避けた直後でも拡散させ宇宙災害のビッグバンの如き超爆発を引き起こす。
『無限監獄』で抑え込んだ故に現状この技の攻撃範囲は不明だが、レベリオ曰く、出力20%でも下手をするとミドガル王国丸ごと消し飛ばせる程の攻撃範囲があるらしい。
発動速度が圧倒的に速いが、あくまでも『超神速』を併用した場合の話であり、基本発動速度は極めて壊滅的で、『超神速』と併用しないと実質全く使えない上、加速させた高密度の高熱の魔力の制御をちょっとでもミスると暴発して、ミドガル王国どころか、良くてオリアナ王国からアレクサンドリア、最悪ベガルタ帝国まで消し飛ばしかねない危険な技である為、超人的なんて言葉では軽いくらいの魔力制御力が必要であり、まさにレベリオ=ウルティオ専用の技である。
※とはいえ『無限監獄』も併用してもこの技の魔力制御を特に難しそうにしておらず、余程気を抜かない限り暴発しない。
が、それに見合う程の威力はあり、さらなる高出力で出すとアニメ2期最終回でシャドウが放った『アイム・アトミック』と同じくらいの威力があると思われる。
この技を生み出した理由の1つとして、シドが対アトミック用に作ったかどうかレベリオに聞いたが、彼は肯定しており、元々迎撃技として生み出された『アイ・アム・アトミック』と違い、こちらは完全に攻撃特化型だとシドに話している。
作中ではルスランを『無限監獄』に閉じ込めた後、その中に放った為に、攻撃範囲の検証等が不十分だった為、本人にとっては事実上未完成と認識している。
ちなみに実際の技名は『ビッグバン・スフィア』らしく、最初に使用した際は球体を放って拡散する波動の如き衝撃を与えるやつと想像した為に、波動の海外語を後の名前につけようと考えさらに技名を思考後、『陰実』世界ではディアボロスという単語がギリシャ語で『悪魔』シドやレベリオが七陰達につけた名前もギリシャ(ギリシア)語から来ていた為に、自分も自分の技にギリシャ語のものをつけようとしたが、波動はギリシャ語の発音及び意味で『キューマ』やら『キーマ』『キマ』だった為に本人がそれをつけるのが少しダサいとなった結果別の海外語、即ちドイツ語で『波動』を意味する『ヴィレ』と後に名付けた。