ここより、魔力溢れる場所
何も無い綺麗な自然の1つとして見れる筈の場所が
理不尽にも荒らされた。
幾年月も、何も無かったただの荒野が2人の強者に
よって激戦の跡地と化した。
前者は後者の全力を確かめるために、
後者はそこそこ戦おうとするために。
2人の戦いが、幕を開ける。
レベリオ「茶番書かないと死んでしまう奴を粉々に爆破してやるぜ!!!」
チュドォォォオオオォォォォオオン!!!
作者「うぁぁぁぁあぁぁぁああっっっっ!!!」
アシスタント「賛否両論は承知の上で、シャドウvsウルティオ回は書いたと作者は言いました。
何故なら、二次創作は第一に、書きたいから書くものだと!
その為、このシリーズのシドもオリ主も、「「レベリオ(シド)なら簡単には死なないでしょ」」的なノリで戦います。
そんなノリで戦うので、レベリオはともかく、シドはスタイリッシュもクソもありません(多分?)、それは何故か、読めばわかる、との事です。
……以上です、ちなみに、アシスタントと名乗っていますが、作者にアシスタントはいません」
シド「えっ!?いないの!?」
これはラムダと664番と665番が、ウルティオから手作りチョコを貰った後のお話……。
665番「ふぁあ〜……ラムダ教官〜まだですかぁ〜?」
ラムダ「もう少しだからシャキっとしろっ!665番!」
665番「ふぁ〜い……」
664番「あの…ラムダ教官、一体何処を目指しているんですか?
ベガルタ帝国の国境から南に向かってますが……」
欠伸をする665番を咎めるラムダに、664番が尋ねる。
実はかれこれ数時間、ずっと3人はアレクサンドリアから西側へと向かっている最中なのであった。
ラムダ「もう間もなく到着する、その時になったら話してやる」
664番「は…はい」
665番「もうすぐ山を抜けるね〜」
664番「この山の向こうに一体何が……」
ラムダと664番と665番が、ベガルタ帝国から南にある山を抜けていく。
すると先には、複数、その中でも1つ底が見えないクレーター、焼け跡、さらにはまるで巨人が振るった剣によって斬れた跡等によって荒れ果てた荒野があった。
665番「わ〜、すっごく荒れ果ててます〜」
664番「ラ、ラムダ教官…?ここは一体…?」
ラムダ「ここは今から半年以上前、シャドウ様とウルティオ様が戦った場所だ」
664番「なっ…!?シャドウ様とウルティオ様が……!?」
665番「ほえぇ……とんでもない戦いだったみたいですね〜」
ラムダ「事の始まりは、ウルティオ様が旅から帰ってきて一ヶ月後の事だった。
丁度その日、私は休暇で、どう過ごそうか迷っていた時だった……」
半年以上前
アレクサンドリア ラムダの部屋
ラムダ「さて……今日はどう過ごしたものか……。
ベータ様から頂いた小説も、以前の休暇で読み終えてしまった……。
ううむ……」
コンコン
アルファ「ラムダ、いるかしら?」
ラムダ「アルファ様…!?はい!」
扉からノックが聞こえた直後、アルファ様の声が聞こえた私は急いでその扉を開ける。
するとアルファ様はスライムスーツ姿、今にも教団の拠点に攻めていきそうな格好で私の部屋にいらしたのだ。
アルファ「ラムダ、今日はもう予定を決めてしまったかしら?」
ラムダ「い、いえ……どう過ごそうか、迷っていた所です」
アルファ「そう、ならついてきなさい。
滅多に見れないものを見せてあげる」
ラムダ「え……?滅多に見れないもの……?」
アルファ「どうかしら?ラムダ?」
ラムダ「……サー!イェッサー!」
(アルファ様程の方が滅多に見れないもの……!?はたしてどんなものなのでしょうか)
アルファ様が私に滅多に見れないものを見せると、私の下に尋ねた。
七陰最強とも言えるアルファ様程の方が中々お目にかかれないものとはなんなのか、私も気になってお供した。
そうして暫くの時が経ち、夜中、山を登ると、アルファ様だけでなく他の七陰の皆様も、一緒に山の頂上にいた。
山の下には、当時は辺り一帯めぼしいものが無い、綺麗な荒野だった。
だがそこには、シャドウガーデンの最強戦力の2人であるシャドウ様とウルティオ様が向かい合っていたのだ。
アルファ「ごめんなさい、待たせたかしら?」
ベータ「いえ、まだシャドウ様とウルティオ様は向かい合ったままです」
アルファ「そう、なら間に合ったわね」
ラムダ「あの……?アルファ様?」
アルファ「何?ラムダ?」
ラムダ「シャドウ様とウルティオ様は、あちらで何を……?」
デルタ「今からボスとウルティオ様が戦うのです!」
ラムダ「なっ……!?えぇっ!?何故そのような事態に!?」
アルファに質問したラムダの代わりにデルタが答えると、その事実に驚愕する。
シャドウとウルティオ、互いにシャドウガーデンの最強戦力である2人が戦うと言うのだから。
アルファ「事の発端は珍しくアレクサンドリアに来たシャドウが、ウルティオと全力で戦いたいと言ったからよ」
ラムダ「……成る程、それでこれ程広い荒野に……」
(確かにシャドウ様とウルティオ様が戦うとなると、アレクサンドリアの訓練所では手狭……。
その点、この場所ならあまり人気もなく、周囲に被害が出ることはない……)
ガンマ「主様も、ウルティオ様の修行の旅の成果が見たいのでしょう」
アルファ「そうかもしれないわね、でもシャドウはこう言っていたの」
イプシロン「なんて言っていましたの?アルファ様?」
アルファ「『奴はまだ、強大な力を隠している、恐らくは、世界を滅ぼしかねない程の……』とね」
イプシロン「世界を滅ぼす!?
……いくら主様のお言葉でも、流石に大袈裟では……?」
ゼータ「いや、そうとも言い切れないよ……」
イータ「……ゼータ…?」
イプシロン「ゼータは知っているの?」
ゼータ「知ってるも何も……主に悪魔憑きを治して貰った後、ウルティオ様のその力の一端を見たから……」
アルファ「私とゼータ、そしてシャドウは、彼のその力を見ていたわ。
シャドウは、ウルティオのその力を見たいのよ」
(最も、ウルティオがあの時と違って、制御出来ているかどうか……)
と、山頂で七陰とラムダはシャドウとウルティオが戦うきっかけとなった出来事、そしてウルティオのまだ知らぬ力について話しあっていた。
一方、シャドウとウルティオは……。
ウルティオ「おいおい……七陰の皆にラムダまで……」
シャドウ「フッ、偶にはこう言うのもよかろう。
それとも、ギャラリーが見てる中では戦えないか?」
ウルティオ(こいつもなーにカッコつけてんだか。
この状況『陰の実力者』関係ないだろ……)
「……いいや、別に」
シャドウ「ならば良し、さて、今日こそ全力を見させて貰うぞ」
(散々焦らされて来たからね、今日は逃さないよ)
ウルティオ(こいつと戦うには、まだまだ俺は役不足……まあ、なんの策も無い訳じゃない、極めて危険な賭けにはなるが)
「……その辺あんまり期待してほしくないんだけど、特に美学」
2人は互いにスライムソードを手に取る。
ウルティオのスライムソードはシャドウのより少し刀身の幅が大きく片刃である。
互いにスライムソードを片手に持つ、まあそこは安定だ。
ベータ「シャドウ様と、ウルティオ様の戦い……!」
ガンマ「これは、過去最大の勝負になりますわね」
デルタ「ボス〜!ウルティオ様〜!どっちも頑張るのです〜!」
イプシロン「一体どの様な戦いになるのでしょうか……!」
ゼータ「うーん、流石に、ウルティオ様では主に勝てないと思うけど……」
(主に悪魔憑きを治して貰った後の、私の一族を滅ぼした教団の一派を全滅させた、ウルティオ様のあの『黒』い魔力、気になるんだよね……。
あの日から、たった1度……主の姉であるクレア様が攫われた時、教団の幹部を相手に使って見せただけ……。
流石に世界を滅ぼす程、というのは大袈裟だと思うけど……)
イータ「ガーデンの、最強戦力同士の、勝負。
どうなるか、わからない。」
ラムダ「あの……アルファ様……」
アルファ「何?ラムダ?」
ラムダ「休日の日にこの場に同席させてもらえるのは光栄なのですが、何故、私まで?」
アルファ「貴方の休日は、最早休日じゃないわ。
休日でも他の構成員を別の意味で訓練してしまうことがあるし。
それなら、『シャドウガーデン』のツートップ、あの2人の戦いを見る方がより有意義に休日を過ごせるわ」
ラムダ「うっ……それは、確かにそうですが……」
アルファ「しっかり見ておきなさい、ラムダ。
この戦い、滅多に見れるものじゃないから」
ラムダ「……サー!イェッサー!」
アルファのその言葉に、意を決してシャドウとウルティオの戦いを観戦することにしたラムダ。
そして、2人の方も、準備は万端だ。
シャドウ「ゆくぞ、我が相棒よ。
……修行の成果、見せてもらおう」
ウルティオ「……ああ、行くぞ!」
そして、シャドウvsウルティオ
『シャドウガーデン』最強戦力同士の2人の剣がぶつかり、ここに開戦した。
それと同時、まだ誰にも見えない程だが、ほんの少しだけ、荒野に霧が出始めた。
side ウルティオ
2人のスライムソードが激突。
直後、いきなりウルティオが吹っ飛ばされて後ろに転がっていく。
ウルティオ「うおおおっ!?いきなりエグいねぇおぃい!?」
シャドウ(あからさま過ぎるなぁ……この程度であんなに転がるわけがない、絶対何かあるね。
何を仕掛けてくるのかな?)
「そんなに転がってどうするつもりだ?」
転がっていくウルティオ。
シャドウが距離を詰めてくる。
直後、荒野の地面から多数の、推定50cmのスライムの針が出現し、接近するシャドウに襲い掛かる。
そう、ウルティオは転がっている最中、スライムロングコートからスライムを分離して地面に仕込み、シャドウが通った直後にそれを出現させ遠隔操作していたのだ。
(やっぱりそういうパターンか、まあ、こういうのも悪くないかな)
ウルティオ(さぁて、どっちに避けるかな?)
シャドウは右にサイドステップしてそのスライムの針の山を回避していく。
避けた直後、ウルティオが持っていたスライムソードがシャドウ目掛けて飛んでくる。
シャドウ(投擲速度は速いけど、直線的だね、掴んでこっちの武器に出来る)
ウルティオ「――――ボカン」
シャドウ「!」
シャドウが飛んできたスライムソードを左手で掴もうとした直後、そのスライムソードがなんと爆発した。
爆発をモロに喰らうシャドウの背後にウルティオが迫り、その身体を本命のスライムソードで一閃。
……が。
「残像だ」
(あからさま過ぎるから剣に何かあると疑うべきだったかな。
カッコよく残像だって言ったけど髪がほんのちょっと焦げちゃった)
ウルティオ「あらぁ、もう残像拳?」
(避けてもいいけど……あれで行こうか)
一閃された筈のシャドウが、残像を残して今度はこちらの背後を取る。
避けられない剣速ではないが、まだ準備運動、前座、茶番の段階だ、俺はスライムコートの後ろに魔力を込め―――――――
シャドウ「……針の鼠か」
(かなり細い上、パッと見でも千本以上あるのに凄い硬度だ、いくらスライムって言っても1本1本、しかも瞬時に出したスライムの針を、これ程の硬度にするための魔力を一瞬で通すのにかなりの魔力制御が必要の筈。
魔力制御力は相当上がってるようだね)
ウルティオ「同じネタじゃ芸がないだろ?」
スライムコートの背部を、一瞬にしてハリネズミのように多数のスライムの針を展開してその剣を受け止める。
直後、俺はほんの少し膝を曲げて大きくバック宙返り。
宙返りと同時に針に挟まったスライムソードが折れ、折れた先のスライムを吸収していく。
シャドウは折れたスライムソードを落として2本指を突き出した手を、回転してる俺に突き出してくる。
あれは……螳螂拳か、八卦拳の類か。
こいつは陰の実力者になる為に汎ゆる努力を費やした奴だ。
故に前世で使える拳法やら剣術やら、それらを使えても何ら不思議じゃない。
俺はスライムコートの袖からスライムを展開し、そのスライムで、突き出された手の手首を掴もうもする。
が、シドのそれはフェイクだった、彼は2本指を突き出した手を開いてこちらが伸ばしたスライムを掴む。
このままだと投げ飛ばされると踏んだ俺はすぐにそのスライムを分離し着地。
直後、分離されて手に持っていた俺のスライムをソードに変換し、それを持ったシドが着地してしゃがんだような状態のこちらの背後に向けて剣を振るう。
シャドウ「これで振り出しだな」
(今度こそ避けるかな?それとも変わった受けに来るかな?)
ウルティオ(回避はまだまだ後のお楽しみ、風の動きから来る剣の軌道からして……ここはこうだな)
「なら馬の如く……蹴る」
足腰に力を入れ、俺は腰を左足から少し前に飛ぶ。
その直後にシドが振り降ろしたスライムソードを右足で後ろから蹴り飛ばす。
蹴り飛ばした勢いを利用して腰を回転させ、同時に右手の人差し指の先に魔力を込める。
そして視線がシドの方に向いた直後、俺はその人差し指を向ける。
「魔力の弾丸だ」
向けたと同時、言い放った途端に俺はその魔力を放つ。
が、『魔力感知』で既に感知していたのか、シドは身体を少し左にずらして避けようとする。
ほんの少し左腕を上げて。
が、こちらの魔力の弾丸が放つのが速かったのか、あるいはこれくらいなら簡単に避けられると思っていたのか。
シャドウ(避ける直前に魔力弾を散乱させたのか、コートの袖が少し削れちゃった)
ウルティオ「…………」
(俺が魔力の弾丸を撃ったと同時、スライム弾を飛ばしてきたか。
被弾箇所に魔力を集中したから無傷で済んだが)
魔力の弾丸が、シャドウの右腕を少し掠める。
彼が避ける直前、放たれた魔力の弾丸が、まるで近距離からショットガンを撃ったかのように散乱した。
その内の1発が掠ったのだ。
とはいえ散乱させた分威力は減っている、掠めたといってもスライムコートの右袖が削られただけで、外傷はなし。
先のこちらが投げたスライムソード爆弾の爆発もシャドウの髪をほんの少し焦がした程度、実質無傷である。
ウルティオの方も、シャドウのカウンターのスライム弾を受けていた。
まともには喰らったが、何処に被弾するか判明した直後、被弾箇所のみに魔力を強く込めていた。
結果、あたったスライム弾はまるで小石をぶつけられたのと何ら変わらない程度の威力まで抑えられたのである。
シャドウ(まだ……レベリオの剣を見ていない。
スライムソードの爆弾、スライムのハリネズミ、これだけの発想があるなら、さぞオリジナルの剣術の1つくらいはある筈なんだよね。
魔力の扱いが相当上達してるのはわかった、後はやっぱり剣かなぁ)
「スライムや魔力で遊ぶだけか?剣舞も見たいところだが」
ウルティオ「まだ始まったばっかだろ?急かすなよ、いくらでも時間はあるんだから」
(剣で戦うのが飽きている、寧ろちょっと嫌いになってる、なんて言えないんだよなぁこの雰囲気。
まあ、一応独自で開発したオリジナルの剣術あるっちゃあるんだけど)
互いに異なる思惑を抱き、戦いの前座は続いていく。
2人の剣がぶつかる中で、荒野に出た霧が、少し濃くなった。
side 七陰&ラムダ
一方、荒野からかなり離れた山の山頂から、シャドウとウルティオの戦いを観戦している七陰とラムダ。
2人と8人の距離は相当なものだが、この距離からでも2人の戦闘がどうなっているかが見える。
スライムソードを持って近距離戦に持ち込むシャドウに対し、ウルティオはスライムソード、スライムもしくは魔力を駆使して近距離から中距離、中距離から近距離と、戦闘距離をバラバラにし、シャドウを翻弄していく。
そして現在は互いにスライムソードでの斬り合い、武術やらスライムを混ぜ込んでの接近戦中である。
が、どういうわけが、徐々に霧が出始め濃くなっていき、荒野内に広がっていく。
ラムダ「これがお2人の戦い……」
アルファ「まだ序の口よラムダ、2人は遊んでいるだけに過ぎない」
ラムダ「ええ、それは存じています。
とはいえ、ウルティオ様のスライムの扱いには驚かされますね」
アルファ「昔から彼は剣よりもスライムや魔力を多様しているから。
と言っても、剣の方もしっかりと鍛えている、そうでなかったら、遊びの段階でシャドウと剣で戦えていないわ」
デルタ「うー!ちゃんと見たいのに、見づらいのです!」
イータ「こういう時の為に、専用のゴーグル、作ってある」
ゼータ「ありがたいね、1個もらうよイータ」
ベータ「この霧……魔力で出来た霧ですね」
ガンマ「この魔力は……ウルティオ様?」
イプシロン「主様と戦いながら、魔力の霧を出している……?」
アルファ「ただの目眩ましじゃない事は確かね。
シャドウに対する有効な何か……さて、彼はどうするのかしら」
side ウルティオ
霧が少しずつ、徐々に濃くなってゆく中、2人の剣はぶつかり合っていく。
ウルティオとしてはもう少しスライム等を使いたかったが、シャドウが急かすので軽く剣を振るう事にした。
いざ剣を交えると、こいつとの戦いは別格だ、と思いながら。
旅先で数多くの手練れと戦ったが、どいつもこいつも剣に味がない。
ベアトリクス及び彼女に近い強さを持った相手も見つかんなかったし、はっきり言って剣の腕はそこまで上がってないと自分でも思う。
やっぱり剣に関しては同格か、格上と戦わないとダメだな。
と、旅していた頃を思い出している内に視界からシドが消え、背後に微かな気配を感じた。
……『自然の剣』か、剣同士の準備運動はもういいだろう、そろそろもう一つ試してみるか。
俺はその剣を―――――――――
ウルティオ「――――――――――っ」
シャドウ「?」
(え?まともに受けた?)
背後を振り向くこと無く、反撃する事なく、まともに喰らった。
当然、身体は真っ二つだ。
だが真っ二つになった直後、2つに分かれた俺の身体が黒い物体に変化する。
そして、地面に激突し……弾んだ。
「スライムになったか」
ウルティオ「御名答……!」
そう、俺はスライムになった。
それも、多少の魔力を使った攻撃や通常の物理攻撃によって発生する痛覚が効かない程の。
やっぱあれだよね、
2体の黒いスライムになった俺はスライムの刃をシド目掛けて飛ばしていく。
シドはその場から飛んで、スライムの刃を避けていく。
本体の俺は人型となり、スライムソードを持って上空にいるシドに向かう。
片割れの方は霧に紛れてシドの視界から出て死角に入る、スライム分身でも魔力や気配の遮断は出来るからね。
ハイそこ、スライムの刃を飛ばすって、転◯ラの主人公が初期に使ってた技と類似してるじゃんなんて言わない!
シャドウ(自分の身体をスライムにして、敢えてこちらの剣を受けた直後に分離したのか……あれ?痛みとかどうなんだろ?まあ、片割れが何処に行ったかを含めて後で考えるとして……)
「ふむ、そう来るか、ならば我も相応のものを出そう」
ウルティオ「……!?」
空中にいるシドは持っているスライムソードの形を瞬時に変え、形の変えたソレで俺の剣を受け止めた。
新たに変わったその武器を見て俺は、敢えて驚愕してものを言う。
「ま、まさかそれは!?伝説の……!?」
シャドウ(え?バールって伝説って言われてるの?
それはまぁ……確かにバールのポテンシャルは凄いっちゃ凄いけど……ま、いっか、勢いで言っちゃおう)
「ほう、中々お目が高いな。
そう、これは伝説の……
スタイリッシュ・エクスカリバール……っ!」
※伝説と言われたので名前を盛っただけ
ウルティオ「なん、だと……!?」
(え、マジ!?
いや……確かにシドがバールにかなり思い入れはある、というのは知ってはいたが……聖剣の名前をつける程だったのか……!?)
シャドウ「この伝説の武器を知っているなら……そのポテンシャルも知っていよう……!」
シドはスライムバール……もとい、エクスカリバールを扱い攻勢に出る。
空中での交戦。
俺はバールと言う名の変則的武器を相手に防戦を強いられた。
というのも、アニメにてこいつがバールを使ったのは、1期の1話と最終話のみ。
・・・
そんだけでバール対策どうやってやるんだよ!?
バール使用時の戦闘描写少なすぎて、正攻法にどう対策すべきかの方法がまるで見つからなかった。
だが俺はある結論を出した。
バールといえば元々は工具用の道具だ。
ならば、工具用の道具には工具用の道具、と。
俺は空いていた左手にスライムを集めて凝縮させる。
その隙を勿論シドが見逃すわけがない。
バールの長い部分に持ち替えたシドは、俺の左手首目掛けて振り下ろす。
ウルティオ「反応速えなぁ。
逆にそんなに勢いよくして大丈夫かぁ?」
シャドウ「!」
ギュイィィィィィイ……!!!
俺の左手首目掛けて振り下ろされたエクスカリバールは、俺の左腕に纏われたスライムによって大きく弾かれた。
そして俺はそのスライムを螺旋状に回しながら、シド目掛けて伸ばしていく。
「ほう……ドリルか」
(おぉ……スライムを変形して回転させた……スライムドリルかぁ。
そう言えば、ドリルを武器に使ってる相手と戦った事無いかなぁ、新鮮新鮮、それ故に……)
「面白い……!」
ウルティオ「さあ……これをどう対処する……!?」
バールを弾かれた直後のシドは迎撃も回避も間に合わない。
いや、間に合うのだろうが、ドリルを武器に使う相手と戦うのが始めて故に少し興奮してるのだろう。
スライムドリルの速い突きがシドの右肩を貫いていく。
それと同時、シドの左手に持っていたエクスカリバールがこちらの伸びた左腕に迫る。
俺は即座に伸ばしたスライムドリルを戻してその攻撃を防御、直後に距離を取って地上に降りる。
距離を取った直後に貫いたシドの右肩が本人の魔力によって再生を始め、あっという間に元通りになってあちらも地上に降りた。
あの程度じゃ蚊に刺された程度か、ファーストヒットも、多分シドはドリル持ちの相手と戦った事がなかった故に、隙を突けただけだしな。
シャドウ(ただのドリルだと大きい分、振り回したり突いた後の隙が大きいけど、使っているのはスライムだからサイズもドリルの回転速度も自由に決められるしすぐに元に戻せる。
ドリルの欠点も織り込み済みの上で攻撃にも防御にも使う、か……)
「中々楽しませてくれる」
ウルティオ「そりゃ光栄なこって」
(随分余裕そうだけど、ドリルをどう対処してくるかな……)
シャドウ(ハリネズミになったり、スライムになったり、その次はドリルと来た。
まだ何かあると思うと楽しみだ、今のところ特に何も無いけど、濃くなってる霧も気になる)
「まだネタはあるのだろうな?」
ウルティオ「そりゃね、3ケタ」
シャドウ「ならば良し、では、続きだ」
ウルティオ(『振り落とされてくれるなよ?』は言わせない)
「簡単には落ちないからな」
バールとドリルという、本来工具に使う道具を武器にそれぞれ再度激突。
・・・霧が、さらに濃くなった。
バールとドリル、それぞれ変則的武器を扱った攻防が続いていく。
シャドウはエクスカリバール二刀流、ウルティオは右手にスライムソード、左手にスライムドリルだ。
勿論下段の攻撃の注意も欠かせない、相手が相手だからだ。
ウルティオ(ある程度戦っているが……あれ?スライムドリル、良くね?
頭の中でイメトレしかしてないけど、高速で回すことで相手が振るってきた武器を弾き返せるし、自在に伸縮出来るから攻撃直後すぐに防御に回せる、俺好みのヒット&アウェイ武器だ)
「ふむ……これのポテンシャルも悪くない……!」
シャドウ(意外と厄介だねあのドリル。
スライムで変幻自在に、ドリルの先っちょの大きさとかも変えられるからバールの釘抜き部分で挟むことも出来ない。
下段を攻めようにもドリルを伸ばして防ぎ、直後に戻して反撃してくる)
「そのようだな……こいつのポテンシャルについてくるとは……!」
ウルティオ(とはいえ……あんまり打ち合ってると対策案すぐに思いつかれる。
……あ、そうだ、いい事思いついた)
シャドウ「っ!」
俺はスライムソードをシドのエクスカリバールの釘抜き部分に敢えて挟み込ませる。
直後ヤツの鳩尾に蹴りを入れようとする。
が、考えている事が同じだったのか、シドの蹴りも俺の鳩尾に入ってきた。
俺も後退させられたが、これは好都合だった。
俺は頭部にスライムを集めてドリル状にする。
ウルティオ「よっと」
シャドウ「え」
そしてそのまま荒野の地面に、海やらプールやらに飛び込むように頭から突っ込む。
突然の奇行に、シドは思わず素の声が出てしまう。
俺はそのまま地中へ突き進んでいった。
そして荒野にはシド1人だけ残された。
side シャドウ
シャドウ(ちょっとびっくりした……いきなり頭をドリルにして地面に突っ込むかと思えば……。
あ、でも考えてみたらドリルだから、地中を掘って進むとか出来るのか)
「……今度は土の竜か。
だが音でバレバレだぞ?どうするつもりだ?」
霧も濃くなってるけど、『魔力感知』でどうとでもなるし、どう攻めるつもりなんだろうか?レベリオ?
流石に地中まで行く気は無いので僕は敢えてここで待つことにした。
荒野のあちこちに掘り進む音が聞こえてくる、でも撹乱するにはやっぱり音でわかるし、何より出て来る時の隙が大きい。
いくらまだ遊びの段階って言っても、土竜はちょっと期待外れ―――――――
ウルティオ(スライム分身)
「………」
シャドウ(あ、そう言えばスライム化で分裂してたんだっけ)
「あの時の片割れか」
土竜は期待外れと、内心ガッカリしていると、あの時斬ったスライム化したレベリオの片割れが正面から現れた。
まさかとは思うけど、この片割れに僕と攻防させて、地中から奇襲するつもりじゃないよね?
いやいや、これは流石に……。
「もしそうなら児戯にも劣るぞ…?」
ウルティオ(ス)
「そうだと思うなら、やってみるか?」
持っていたエクスカリバールでスライム分身のレベリオと交戦する事にした。
僕の想像通りなのか、それとも何か別の攻撃手段があるのか。
取り敢えず、目の前の分身と戦いながら、『魔力感知』でレベリオ本体の魔力を逃さないようにしないと。
シャドウ(と思ったらほら、後ろにレベリオの魔力……あれ?)
ウルティオ?
「……貰った」
僕は背後から来たレベリオの剣をもう一つのエクスカリバールで受け止めた。
2人目のレベリオが現れた、だけどまだ地中を掘る音は続いている。
さらに言わせればこのレベリオもスライムの分身だ、魔力量が少ない。
シャドウ「まだ地中に隠れているつもりか?」
2体のスライム分身
「「だから急かすなっつ――――――」」
ウルティオ?「のっとっ…!」
シャドウ「っ!またスライムか……!」
2体のスライム分身を相手にしていると、3体目のスライム分身であろうレベリオが現れる。
いつまで地中を掘り進めてるか知らないけど、流石にワンパターンになってきてつまらなくなってきたかな?
………あれ?
地中を掘り進む音が、何かちょっと変わってきてるような……?
3人目のスライム分身体
「本日の天気はぁ〜」
シャドウ(これは……やっと本命来たかな……?)
1人目のスライム分身体「うぉあ!?」
僕はレベリオのスライム分身体の1人の首にバールを引っ掛けて、襲い来る3人目に投げつける。
やっぱりスライムだと通常より軽い、囮として使ったんだろうけど、囮にするには足りなかったね。
3人目のスライム分身「黒雨からの〜灰色雨〜!」
シャドウ「ん?」
2人のスライム分身が一斉にスライムの雨となってきて襲い来る。
直後、僕の下半身部分がスライムに拘束されていた。
感知してみると僕を拘束しているスライムは2人目のスライム分身と同じ魔力だ。
だけど、僕を襲ってるのは、レベリオのスライムの雨だけじゃなかった。
霧でよく見えないが、上空から――――灰色の隕石が落下してきたのだ。
「隕石か……」
(なんか掘り進む音が少しずつ変わったと思ったら、隕石が落ちる音だったのか。
つまり、掘り進む音は……ブラフ、ということは地中に本体は……いない!
でもレベリオ……その隕石、僕としてはありがたいんだよね。
だって試し撃ちには…最高じゃないか……!)
「ついでに霧も晴らそうか」
シャドウは2本のエクスカリバールを1本のスライムソードに変え、体から光を放つ。
解き放たれた魔力が荒野全体を覆い、無数の極細の線となりシャドウを取り巻く。
彼は落ちてきた隕石という丁度いい実験台に、かの奥義を撃とうとしていた。
そして剣を掲げた途端、無数の魔力の線が集まり光を放つ。
「アイ・アム……アトミック」
素早く剣を振るうと広がっていた光が1箇所に集まり、青紫色の光の柱が隕石目掛けて伸びて行く。
その光は、ただウルティオの魔力の操作だけで落とされた隕石すらも、これまでと違ってすぐにはいかなかったものの、塵すら残る事なく消えた。
ついでに3人のスライム分身も蒸発。
隕石が消えた後シャドウは宙を浮く。
辺りを見渡すと、霧が晴れ、彼のアトミックの傷跡の証である底のないクレーターが1つ出来上がっていた。
「ふむ……」
(うんうん、霧も晴れたし、隕石すらも消し飛ばせた。
これはもう120点って言ってもいいんじゃないかな、アトミック。
……あれ?そう言えばレベリオは……あっちか)
ウルティオ「成る程な。
やっぱただ宇宙にある隕石を操って落としただけじゃ無理か」
(発動速度も思った通り……か)
シャドウが少し頭を斜め上に上げ、遠いところを見ると、そこにはこちらに接近し、一定の距離で空中に止まったウルティオがいた。
見た所、アトミックを喰らった様子はない。
空中に飛んだ後、アトミックの射程外に行っていたのだろう。
シャドウ「とっくに地中から出て高みの見物してたね」
ウルティオ「あら、バレてた?」
(急に素の声出すなよ……)
シャドウ(やっぱりか、どうやって出していたかわからないけど、事前に霧を出していたのは、地中を掘り進んだ後すぐに空へ行く為の目眩まし。
ドリルで掘っていた音は、スライムドリルを遠隔操作していたってところかな)
「ううん、途中までは気づかなかったけど、掘り進む音が徐々に変わって察しちゃった」
ウルティオ「あらら、音を大きくすべきだったか…」
(これは失敗だな……まあ、どの道アトミック来られちゃ、ただの隕石だと分が悪いとは思ってたが……)
シャドウ(隕石という最高の素材でアトミックの試し撃ちも出来たし……)
「準備運動はこれくらいでいいんじゃないかな?
そろそろちょっと本気でやろうよ」
ウルティオ「随分急かすなぁ………まあいいか。
なかなか決着がつかない方の泥試合はあんまり好きじゃないからな」
2人の戦いの前座が終わりを迎える。
そして本当の戦いの幕を開けるように、シャドウの瞳が赤く染まり、ウルティオは紫色の魔力を全身に纏う。
だが……シャドウがアトミックで晴らした筈の霧が、また出始めた……。
ウルティオ
皆さんご存知このシリーズの、当時紫の瞳と黒髪の転生者主人公
ついに始まってしまったシャドウとの戦いのお遊びとして、まずはスライムを汎ゆる兵器や武器にして攻防する。
その過程で、身体を動かすと同時に、体外に魔力の霧を自然に放出していたが、その真意とは……?
そして“お遊び”兼現在のシャドウの実力と動きをほんの少しでも図るために、スライム分身と『キング・メテオリィト』で落した巨大隕石を差し向けるも、シャドウの『アイ・アム・アトミック』で分身と隕石が全て蒸発、次なる一手を思考しながら、身体に『紫』の魔力を纏う。
シャドウ
陰実原作イカれた主人公
ついにレベリオ=ウルティオとの真剣勝負を行い、まずは“お遊び”の段階として普通の『凡人の剣』『スタイリッシュな剣』1度だけだが『自然の剣』と言った剣術とエクスカリバール等を駆使して戦う。
汎ゆるスライム兵器を扱うウルティオを見て(特にスライムドリルのポテンシャルは認めている)魔力の扱いはかなり上昇していると踏んではいるが、現状の遊びの段階であまり剣の方を見れてないと、ほんの少し不満気味の所でさらにウルティオがスライム土竜になって地中に潜り、スライム分身を差し向けられて少し落胆気味(とはいえこれがレベリオなりのお遊びだと思っている為そこまで辛辣な言動にはなっていない)になっていた所で巨大隕石が来たことで一気に歓喜、試し撃ちには最高と『アイ・アム・アトミック』を放ってウルティオのスライム分身もろとも巨大隕石を蒸発させた。
この回の最後に、そろそろほんの少し本気を出そうと、『オーバードライブ』を発動している。
ラムダ
シャドウガーデン幹部『ナンバーズ』の11番目
学園襲撃事件編にて、664番と665番を連れて、過去にシャドウとウルティオが戦った地へと向かい、2人の戦いの昔話を664番と665番にしている。
当時非番で、どう過ごそうかと悩んでいたラムダだったが、部屋に来たアルファから滅多に見れないものを見せてあげると言われて同行、そしていざ現場に向かうとシャドウとウルティオが対峙しており、理由を尋ねてその返答を聞くと驚愕する。
クレア誘拐事件までのシャドウとウルティオを知らない為、流石にウルティオ様ではシャドウ様には勝てないと思っていたラムダだが、アルファから何故シャドウがウルティオと戦う事になったのか、そしてゼータの反応を見て聞いて、観戦することとなる。
『スライム化』
自身の身体をスライムに変化させて分裂やら分身やら土竜やらになったりする、『優雅な旅・後編 鬼教官への実戦訓練』でも名前のみ登場した技。
レベリオが旅の途中で自身が生成したスライムをほんの少し食べ、そのスライムの成分を魔力で体内から増殖したり、レベリオ自身の必要ない内臓脂肪や身体の老廃物等全てをスライムに変えて身体から分離したり、身体の別の部位に移動したり、スライムの刃を飛ばしたり出来る。
ちなみに知ってる人はご存知だろうが、レベリオがこれを参考にしたのは勿論転◯ラ主人公である。
また、大して威力の高くない攻撃ならスライムになってノーダメージに出来る為、実際に“お遊び”段階のシャドウの『自然の剣』をまともに受けたように見せてスライム化、斬れたように見せて2体に分裂している。
この技で一瞬でダイエット出来たり、内臓脂肪が多い身体の部位を別の身体の部位に移動させて、その部位を構築している細胞等に変換出来るので、もしイプシロンがこの技の利便性を知ったら、彼女は相当な衝撃を受ける事になるだろう。
ウルティオ「お陰で身体が軽くなったZe」