シャドウvsウルティオ、終盤戦です。
刮目せよ!陰実二次創作で数少ない、魔法詠唱者寄りの転生者オリ主の力を!!!
少なくとも私が知る他の陰実二次創作のオリ主さん達よりは魔法詠唱者寄りだと思いたいw
side 七陰&ラムダ
ガンマ「あ、あれが……ウルティオ、様……?」
七陰と、ラムダが、今のウルティオの姿を見て大きく目を見開く。
デルタと同じだった黒い髪と紫色の瞳は、いずれも黒紫色に変色していた。
それは彼が新たに生み出した、黒紫色の魔力の影響故か。
しかし、彼女達が目を見開いたのは、別の意味も含まれていた。
ベータ「あ、あれではまるで……」
イプシロン「さ、『災厄の魔女』……!?」
そう、今のウルティオは男ではあれど、まさに七陰達が1度だけ邂逅した事がある『災厄の魔女』を彷彿とさせる姿となっていた。
元々ルックスがそこそこいい所に、さらにその魔女と同じ髪の色をしているのだ。
アルファ(あの黒い魔力は、『ディアボロスの雫』から感じたものとは別物……。
でも、今の彼の姿は男であれど『災厄の魔女』アウロラと似ている……。
なら、彼は彼女と何かゆかりが……?)
ゼータ「………まさか、アウロラと何か関わりが……?」
イータ「今のところ、似てるのは、見た目だけ…。
ウルティオの魔力は、魔女のそれとは別物……それよりも」
デルタ「ウルティオ様、凄く強そうなのです!
もしかしてあの魔力なら、ボスにも勝てる?」
ベータ「そ、それは流石にわからないんじゃないかしら?
相手はあのシャドウ様なのよ?」
アルファ「ベータの言う通りね。
とはいえ、この戦い、どちらが勝つのか……もうわからなくなったわ」
(後で、『ヴェンデッタ』家について詳しく調べないと)
ラムダ「そう言えば……ウルティオ様は初めから、真の実力のヒントを見せていたのではないでしょうか?」
アルファ「どういう事?ラムダ?」
ラムダ「ウルティオ様のスライムロングコートのラインの色です、アルファ様」
アルファ「ラインの色……?
……!?まさか……!?」
ベータ「ウルティオ様のラインの色は黒紫色だった……!
では、まさかシャドウ様は……!」
ガンマ「ウルティオ様が扱う真の魔力を知っていたという事ですね……!」
デルタ「ボスも知ってた!?ボスも凄い!」
イプシロン「何という慧眼……!」
ゼータ「じゃあ、ウルティオ様が初めて私に会った時に見せた、あの黒い魔力は……」
イータ「真の魔力を、隠すために過ぎなかった……?」
アルファ「シャドウにはそれが判っていた……でも、シャドウはウルティオ相手に、かなりの手札を使った……」
デルタ「どういうことなのです?アルファ様?」
アルファ「シャドウはこれまでに、ウルティオの真の実力を見る為に、汎ゆるアトミックを使った……。
さらに、ウルティオが黒い魔力を放出する前に、シャドウが放った技……皆は覚えてるかしら?」
イプシロン「え、ええ……あれは、ウルティオ様が、クレア様を誘拐した、教団の幹部相手に使っていた……」
アルファ「そう、おそらくウルティオは、シャドウが自分の技をコピーし、それをさらに洗練した技を使ってくる事を読んでいた……」
ベータ「!?
では、先程黒い魔力を放出し、あの姿になっていたのは……!」
アルファ「シャドウから受けたアトミックのダメージを回復しつつ、シャドウにさらなる手札を使わせる為の布石……」
ガンマ「まさか、ここまでお考えとは……!」
イプシロン「主様の事をよく知っている、ウルティオ様だからこそ出来る立ち回りですね……!」
ゼータ「そして……ウルティオ様は主の手札を多数使わせて、真の実力……黒紫の魔力を解き放った、という事は……」
デルタ「ウルティオ様、ボスに勝つ気なのです?」
イータ「……だと思う。
マスターはかなりの技を使った、その分、いくらマスターでも、まだ見せてない技は、そうはない筈」
ラムダ「相手の情報を可能な限り探り、確実に勝ちを取る戦略……これが……これがウルティオ様の真の戦い方……!」
アルファ「とはいえ、シャドウもまだ余力を残してる筈だから、この勝負の行方は私達には検討つかないけど……」
ベータ「うう……!」
(シャドウ様とウルティオ様、どちらを応援するかと言われたら、シャドウ様ですが……ウルティオ様も……!)
ゼータ「後は、見届けるしかない、かな……」
side ウルティオ
ウルティオ「・・・」
(……凄い魔力だ、これなら、頭の中でイメージトレーニングしてきた技全部使えそうな気がする。
そしてこの魔力なら使える……!『超神速』が!
まだシドと戦えそうだ)
シャドウ(魔力の質も量も、今までの比じゃないね……。
これは全力で戦わないと、多分負けるかもしれない)
「どうやら……我が全力を出す舞台が整ったようだな……!」
シャドウが複数のスライムを浮かせてスライムソードに変化させ、それに自身の魔力を籠めていく。
そしてこれまで黒色だったスライムソードが彼と同じ青紫の魔力の色に変化していく。
そして、8本の、青紫色に染まった遠隔型スライムソードが彼の周囲を囲む。
ウルティオ(……ついにシドが全力を出すか。
魔力を通して、肉体を相当強化改造したようだが……それは今の俺には関係ない。
シド、お前の肉体強化改造の努力……ひっくり返してやる。
まずは10倍くらいでやってみるか……『超神速』……魔力速度、10倍……!)
シャドウ(レベリオの魔力の流れが急激に速くなった……!)
「来るか……!」
俺は黒紫の魔力を使った『超神速』で、魔力の流れを10倍に速めていく。
凄いな、紫の魔力だと3倍が限界だったのに、本当に10倍に出来てる。
あとはこの加速した魔力を練り込み……放つ。
俺は10倍に加速した体内の魔力を、10倍の速度で練り込み、両腕に籠めていく。
左手は背後に回して、掌に8つの魔力の球体を産み出す。
シドもこちらが左手を隠す素振りを見せると僅かに動いた。
だが、今の俺相手にその速度は……遅い。
ウルティオ(『超神速』…身体速度、10倍……!)
今度は身体速度を10倍にして、魔力を籠めた右腕をシドに向ける。
「『ドゥームズ・デイ』……!」
シャドウ「――――っ!?」
すると俺から見てシドの右背後に、人間サイズのブラックホールのようなものが出現する。
そのブラックホールのようなものに、シドの遠隔型スライムソードが全て吸い込まれる。
続いて、シドの左腕までそれは飲み込もうとしていた。
そして左腕の根本まで飲み込む。
当然それをこのまま受けるシドではない。
それは勿論俺もわかっている、だからこそ、間髪入れず次の一手となる技を……左手の8つの魔力の球体を潰そうとして発動する。
シドがブラックホールから離脱と同時に、そのブラックホールが消滅し、こちらに反撃しようとした時だった。
ウルティオ(再生と反撃、両方同時にはやらせない)
「『マギア・デモニスメノス・タナトス』」
シャドウ
「―――――ガハッ……!?」
ウルティオ(……直前に心臓だけずらされたか……!
だが止まった、しかも回避と同時の反撃の為にこちらに近づいたのが……仇になったな!
しかもあの様子……どうやら、1つ1つの内蔵を自分で潰した事はあれど、複数の内蔵を1度に潰した事はなさそうだな……!
もしそうだとしたら、これはかなり効くだろ……!)
シャドウ「うっ、はっ、はっ――――!」
シャドウが動きを止め、膝をつく。
さらに動悸が激しくなり、口から吐血していく。
『マギア・デモニスメノス・タナトス』
相手の体内にある相手の、またはこちらの魔力を操作して、相手の体内の好きな部位を魔力で囲い握り潰す技だ。
流石にシドの魔力を操ろうとすると本人にすぐバレてこの技が成立しなくなる可能性があるので、今回は既にシドの体内に仕込んだ俺の魔力(魔力の霧からシャドウの魔力に変えた魔力を即座に自身の魔力に変換した)を使った。
それでもシドは勘づいたのか、かろうじて心臓だけはずらして守ったみたいだ。
8つの魔力球体の内1つが握りつぶす直前に弾けた。
だが心臓以外の五臓……つまり、肺2つ・肝臓2つ・腎臓2つ・脾臓、これら全てを1度に潰した。
ちなみに肝臓は一見すると1つに見えるが、左右に別れているらしい。
ただの内蔵破裂ではなく、完膚なきまで握り潰した。
他の内蔵だったら呼吸不全、虚脱、その他諸々くらいで済むだろうけど、肺が完全に、それも左右2つとも潰れると、元来なら即死、でも流石はシドってところか、痛み慣れしてやがる。
動悸が激しい素振りをしてるのだが、あれはモブ式奥義、あるいはその発展途上の類だと思っておこう、そういうつもりでいかないと、足元すくわれる。
普通肺が完全に破裂したらほぼ即死なんだけど、まあ、シドだからと思えばいい。
多分避けた心臓、または潰そうとしてないけど脳とか潰さない限りは死なないでしょ。
もし心臓潰して死んでなかったら、聖域編にて「心臓ずらせる」とは何だったのかってなる。
まあその時は「あ、やっぱりシドだな」と割り切ろう、割り切って身体ごと完全に消滅させる技でも産み出して鍛えよう。
※既に『ドゥームズ・デイ』を作ってます。
モブ式奥義お疲れさん、悪いけど間髪入れる気はない。
なんとか立ったようだが、左腕と8本のスライムソードが『ドゥームズ・デイ』に飲み込まれ、さらに複数の臓腑を潰されて禄に呼吸もままならない状態で俺の剣を受けきれるかな!?
俺は接近してスライムソードを下から斬り上げる。
「ぐっ……!!!?」
ウルティオ「……っ!」
臓腑を複数、1度に潰されたのがそんなに効いたのだろうか。
てっきりモブ式奥義の類だと思っていたのだが、こちらのスライムソードを、同じくスライムソードで受けたシドが圧し負け、シドの右腕が後ろに行く。
それと同時、シドの左腕が即座に再生する。
再生した直後、俺は右手に持っていたスライムソードを3つに分裂させ、その内の2つを粘着型にしてシドの左腕、左足、右足目掛けて投げるとほぼ同時、左足を前に踏み込む。
『ドゥームズ・デイ』を放った直後に、事前に左足に籠めていた、魔力を使った魔封のルーンだ、シドの左腕もこちらが投げたスライムソードを素手で弾いた直後だ、両足も粘着型スライムで止めているからすぐに反撃は来ない、さらにルーンも展開したから魔力を使っての反撃は不可能。
粘着型スライムによる反撃の速度ダウン、ルーンによる魔力封じはシド相手ではほんの一時しか効果がないが、その一時だけで充分。
(『超神速』……身体速度、20倍……!)
今度は身体速度を20倍にし、既に魔力を練り籠めていた両手を2本指にして尖らせ、その2本指以外の全身の力を抜き、シドの身体を突き始める。
あの有名な某忍者漫画の◯拳技借りるぜ。
「二式!
四式!!
八式!!!
十六式!!!!」
シャドウ「ぐっ……!?」
(速いっ…!)
ウルティオ「三十二式……!」
シドの身体を、かの有名な◯拳でドドドっと突いていく。
勿論ただの二番煎じ体術じゃない、突いた箇所に『魔封刻印』を付与する技だ。
魔封のルーンだけじゃ本当に一時的だから、魔封追撃を徹底的に、かつ『超神速』で素早くこなす。
三十二連続の◯拳をぶち込むと、さらに追加で三十二連撃の◯拳をぶち込む。
そして最後の一撃、シドの喉仏に突っ込む―――!
これで決まりだ―――――――!
シャドウ
「ガハァッッッッッッ!!!?」
ウルティオ「………『六十四式魔封刻印拳』……!」
最後の一撃を強くぶち込むと、シドはまるでモブ式奥義で吹っ飛んだかのように、そこそこ遠く吹っ飛んだ。
ハイハイ、モブ式奥義デスヨネ〜、俺如きの攻撃で苦しむわけないもん、と思っておく。
だからまだ終わりじゃない、次の追撃を――――
ズキン
「―――――――――!?」
次の追撃をしようとした直後、俺の身体が悲鳴を上げ、俺は一旦止まってしまった。
ウルティオはシャドウの『E・R・A』の状態異常は治ったものの、ダメージは回復しておらず、続いて15年分抑え溜め込んだ魔力を殆ど一気に解放した反動、さらに身体速度を『超神速』によって一時的に20倍にした事でついに彼の身体が悲鳴を上げたのだ。
これによって、彼の追撃は中断してしまう。
(くそっ……まだ身体速度の20倍は無理があったか……!
魔力の速度はどうだかわからんが、今の身体能力で加速出来るのは10倍が限界ってところか。
あと『ドゥームズ・デイ』の発動開始から終了までの時間が短すぎる……攻撃速度も全然だ、スライムソードと左腕しか持っていけなかった……『22点』だなこりゃ。
アトミックのダメージ、制限していた魔力の解放による反動も含めると、あんまり長くは戦えそうにないな……)
side シャドウ
シャドウ「かっ、はっ…はっ…!ゴフッ……!
……く、ククク……」
僕は今、最高に気分がいい。
何故かというと、レベリオの真の実力が想像以上のものだったからだ。
突如僕の後ろに現れたブラックホールっぽいやつで僕の魔力の色に染まったスライムソード全てと左腕をやられ、その直後に反撃しようとしたら身体の内側……臓腑が複数同時にやられた。
幸い心臓だけはなんとか躱したけどこれは凄く痛かった、過去最大のダメージだ。
特に肺も完全にやられてるから、普通の人だったら即死だねこれ。
そして間を開けることなくスライムソードが迫ってきて、なんとか受け止めたけど、いくつかの臓腑……多分、肺と肝臓、腎臓、脾臓かな、それらを潰された影響で呼吸とか色々一気に苦しくなって、受け止めきれず圧し負けてしまった。
左腕を再生し、今度こそ反撃しようとしたけど、投げられ分裂したスライムソードで阻止され、レベリオが左足を踏み込んだ途端に魔力が使えなくなった。
あのルーンみたいなものかな、強固に魔力を練ればなんとかなるけど、当然、その隙を与えてくれる訳が無い。
レベリオがこれまでと比にならない速さで体術を打ち込んできた。
それを受ける度に、練り籠んだ魔力がどんどん消えていった。
体術の威力も、そしてその技巧も、打ち込んでくる箇所も申し分ない、特に首の骨が折れそうだった、今までこんなに強い力を隠していたと思うと興奮する。
ああ、今から僕は、これ程強い全力の相棒と戦えるのだと。
そう思うと笑いを堪えきれない、だって未だ嘗てこんなに楽しいと思った事はない……!
僕は思いっきり、全力でかつ強固に魔力を練り込む。
早くしないと次が来る、ただでさえ肺を潰されたのが最もキツイのに、他の臓腑もいくつかやられてるから、そのままの状態が長引くと流石の僕も苦しい。
でも苦しいと思うと同時……。
「はっ……はっ……!
フフフフ……はっ……!!
クックックッ……!!!」
楽しさが、笑いが、堪えきれない。
ウルティオ「……悪いけど、時間はかけてられない。
……一気にケリをつけさせてもらう」
シャドウ「クククク……!
はぁっはぁっ……!!
クククククククク………!!!」
ちょっと、酷いじゃないか、レベリオ。
勝つ気でいるのはいいんだけど。
折角真の実力を出したんだからさ。
「フハハハハハハハハ………!
アッーハッハッハッハッハッハッ………!!!」
ウルティオ「………」
――――――――もっと、楽しもうよ。
シャドウ「はぁっ……はぁっ……。
・・・一気にケリをつける、だって……?
それは困るね、折角ここまで……
楽しくなって来たのにっッッッ!!!」
魔力を練り終えた後、潰された臓腑を再生し、スライムソードを生成した。
side ウルティオ
『六十四式魔封刻印拳』でシドに魔封を施したものの、シドはたった約1分弱程度で、魔力を扱い強引に破り、先程と同じく8本の青紫色のスライムソードを展開した。
さらにシドのスライムコートまで、本来アトミックを使う時くらいしか染まることが無いのに、シドの魔力と同じ色に染まっていく。
アトミックを使うんだったら、その目印としてシドの一定の周りに魔力の極線も展開されるからだ、だが今回はあいつのスライムコートだけしか展開されてない。
あれは多分、スライムコート含めて極限まで身体強化してるんだろう。
マジかよ、原作での聖域で、強固に魔力を練って魔力を使えるようにした、というのは知ってるけど、あの原作シドは本気じゃなかったのか。
なんでたった約1分で64の『魔封刻印』を破ってくるんだよ。
ウルティオ(これが……真なる『自分が核になればいい』か……)
「……オイオイ、マジかよ。
まだカップ麺も出来ねーぞ……」
シャドウ「その割には、あまり焦ってないよね」
ウルティオ「そりゃそうだ。
お前がこの程度で……長くダウンするわけねーからなっ!」
嗚呼、止まってしまったのは失敗だった。
あの様子だと、もう握りつぶした臓腑すら再生してるだろう。
まあ再生したからと言っても、そのダメージは軽いはずがないのだが。
シドがトンデモなのは、前世から知ってる事だ。
だから俺は躊躇わない。
どれだけ相手の性能と技巧が優れてようが、この新しい魔力と、前世で覚えた陰実知識、ありとあらゆる作品の大技のイメージ、そして旅の成果を得た以上、簡単に負けるつもりはない……!
俺は液体金属に代わる新たな兵器、水色のスライム……『オリハルコンスライム』を取り出してそれを剣に変え左手に持つ。
この世界にも『オリハルコン』という貴金属があったのは驚いたものの、世界によってはオリハルコンは魔力に関する面で役に立たない事はあったりする。
だがそれでも、旅の成果としてオリハルコンを見つけた俺は実験してみたかった、オリハルコンと自分が持っているスライムを魔力を使って溶かし混ぜ込み、俺はこの『オリハルコンスライム』を産み出した。
そして普通のスライムと比べて実験してみると、その実験結果は相当なものだった。
同じ量の魔力を通して、普通のスライムとオリハルコンスライムをそれぞれ剣に変えて斬ってみると、なんとオリハルコンスライムソードの方が威力があった。
実験を重ねてみると、魔力伝達率はざっくり計算で120%……世界によっては役に立たない事もあると思っていた俺にはかなりの成果だった。
とはいえオリハルコンは1つしか見つけられなかった為にオリハルコンスライムを多く作ることは出来なかった。
食べて『オリハルコンスライム化』も使えるようにしないといけなかったので、さらにその量は減ってる。
その為スライムドラグーンとしては使わず、ずっと温存していたのだ。
閑話休題。
そして右手のスライムも剣に変える、俺の魔力を思い切り籠め、その色が黒紫に染まる程。
スライムソード・アビスの完成である。
さらに周囲に、魔力で産み出した10個のマジックスフィアを展開した。
シャドウ「水色……そしてその物質……新たなスライムか」
(あの球体状の魔力も、今までにない魔力の密度だ)
ウルティオ「こいつはまだ量が少ないんでな。
ドラグーンには使えなかった。
だが……剣に使えれば……充分!」
充分。
その言葉を合図に、互いに突っ込む。
激突し、両者ともこれまでに無い程の剣戟。
一回一回、互いの剣が激突する度に、地面が、山が、雲が、大きく斬り裂かれていく。
2人はただ純粋に、全力で、剣を振るっていくのであった。
side 七陰&ラムダ
デルタ
「うにゃあぁぁぁぁぁあ!!?!?!?」
ゼータ「くぅっ……!もうこの山も安全とは言い切れないね……!」
シャドウとウルティオ、互いに全力の戦いの余波は七陰とラムダ達がいる山にも影響を及ぼしていた。
このまま2人が戦い続ければ、その余波で8人がいる山は崩れ去ってしまう。
アルファ「……そうね。
……全員、魔力結界を展開!
ここから先は、耐えながら見るのよっ!」
七陰とラムダが、それぞれの魔力を使って、かつてウルティオに教わった魔力結界を生成する。
シャドウとウルティオ、2人には及ばないものの、8人の強者達が張った結界は、8人と、その山を覆っていく。
2人の戦いの余波が、結界にもダメージを与え始めていく。
それは気を抜いたり、魔力制御をぬかっていると、破れてもおかしくない程のものであった。
ベータ「くぅっ……!?1回でこれ程の……!?」
ガンマ「気が抜けませんね……!」
デルタ「もっと魔力?出すのですっ!」
イプシロン「制御は…っ!任せて…っ!」
ゼータ「気を張らないとまずい……ねっ…!」
イータ「……きつい……ちょっと、楽して、いい……?」
ラムダ「イータ様っっ!?こんな時に甘えないでくださいっ!?」
アルファ「っっっ……!シャドウ……!ウルティオ……!」
8人は気を張って、魔力結界を維持し、耐え続けていた。
side ウルティオ
さて、そんな8人の状況など知る由もないが如く、2人の戦いの激しさは増していく。
シャドウの遠隔型スライムソードが突っ込むと、ウルティオのマジックスフィアが接触され、軌道が逸れる。
ウルティオのマジックスフィアがシャドウの身体に突っ込むと、シャドウの遠隔型スライムソードが防いで来る。
互いに囲ったスライムソードとマジックスフィアに関してはこんな感じであった。
その為単純に2人の剣による接近戦が展開されていた。
最初は大地や雲を激しく斬るだけが、シャドウとウルティオ、互いにそれぞれ受けた、避けたと思ったら斬撃を少しずつ、少しずつ受け始めていた。
激しい攻防は続いていく、まさに竜巻のようである。
だが接近戦の方はシャドウの方が優勢だった、シャドウも傷を受けてるが、ウルティオの方が傷の質、量、共に多い。
シャドウの剣が俺の脇腹をそこそこ深く斬る、が、それと同時、空いていたマジックスフィアをシャドウにぶつけていく。
ウルティオ「ぐっ……!せいっ……!」
シャドウ「っ……!成る程、魔力の扱いなら我に勝るか……!
だが、剣の技巧は及第といった程度……我に辿り着くにはまだ足りぬ」
ウルティオ「……ああ、今の俺では、剣の技巧はお前には勝てない、だが――――――」
俺は剣を振り下ろし、シャドウがスライムソードでそれを受け止める。
シャドウは俺の剣を受けられる、そう思っていた。
(『超神速』身体速度0.03倍……!)
シャドウ(えっ、レベリオの動きが急に……まさか!?)
ウルティオ(そのまさかだ……!
『リセット』、『超神速』身体速度10倍!!)
シャドウ「っっっ!」
(わざと遅くなってそれをフェイントにしたのか……!)
一時的に身体速度を0.03倍にした後、速度リセットし、『超神速』で身体速度を10倍にしたウルティオが、シャドウの受けに回った剣を避け左腕に深い一撃を入れる。
単純な力(身体能力と魔力関連の力の合計)は互いに互角。
接近戦での技巧はシャドウの方が上。
となれば稚拙なやり方にはなるが、速度で対抗するしかないと判断したウルティオが『超神速』を使って攻める事を決めたのだ。
相手の動きを読んで、どれだけ加速するかを決める。
ただ単にいきなり最速になって、シャドウがそのスピードに慣れてしまったらお手上げだからだ。
これにより、シャドウ優勢から、拮抗まで持ってきたウルティオ。
しかし少しした後、シャドウが音も気配もなく背後を取る。
ウルティオ(風の動きからして迎撃は間に合わない。
速度の上昇による身体のリスクを出してはならない。
……なら……!)
シャドウ(また『炎化』……それも計算の内だ。
僅かにダメージを受けていたのは知ってる)
ウルティオ(ただ同じ手だと思うなよ……!)
「……黒の魔力の使い手は……炎すらも黒く染める」
シャドウ「!」
シドの『自然の剣』が、『炎化』を使うと思っていた俺の身体を斬る。
だが、斬った部分の炎は、ただの炎ではなかった。
(えっ、黒い炎……!?
スライムソードが……!)
ウルティオ「……『黒炎化』……」
『黒炎化』によって黒く染まった炎が、シャドウの剣を防いだ。
その黒い炎は、シャドウのスライムソードを、少しだが溶かしていく。
直後、俺はスライムソード・アビスを素早く捨てて、右手の人差し指に魔力を籠め、シドに向ける。
シャドウ(――――!完全に避けるのは間に合わない、こうなったら――――――――あれ?使えない―――!?)
ウルティオ(シドの動きが止まったと言うことは……上手く機能したか……!
引っ掛かったな……!シドォ!このパクリ野郎が!)
「『バーストスフィア・ショット』!!!」
指先に込めた魔力弾『バーストスフィア・ショット』をシドの胴体のど真ん中目掛けてぶち込んだ。
普通に中心に当たれば、流石のシドもひとたまりもないだろう。
そう、普通に中心に当たれば、の話だった。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
(中心を外してしまった……?
あいつの回避能力が高いってものあるが……やはり、まだこの魔力を持て余しているか……。
だが喰らったな、それに筋力を頼らない所を見ると、新型の魔力細菌が上手く侵食したようだ。
それでもまだ戦えるんだろうが、この『黒紫』の魔力細菌は侵入したと同時に、体内の免疫力と筋力、その他諸々を大幅に低下させる。
さらに、魔力を生成してる場所に真っ先に向かい、魔力生成も妨害するものだ。
黒紫の魔力を覚醒したばっかだから、まだこいつと正面からやって勝つのは無理。
なら……こいつの長所を少しでも……削ぐ!今までと同じ精度だと思うなよ……!)ニヤリ
心臓の箇所には当たらなかったものの、シャドウの胴体の右部分を深く抉っていた。
既にウルティオも、限界に近くなっていた。
しかしウルティオが、複数の意味で悪辣な表情を浮かべる。
side シャドウ
ウルティオの技をコピーしようとしたものの、何故かそれが出来ず、モロに『バーストスフィア・ショット』を受けてしまったシャドウ。
辛うじて身体を逸らして、身体の中心は避けたが、胴体の右部分が、ガッツリ抉られていた。
もし中心で受けていたら危なかっただろう。
なんとか再生するが、再生にも時間がかかっていた。
シャドウ「……つっ……!」
(かなり抉られた……身体をずらしてなかったら、危なかったかな。
再生に時間がかかる…斬られた時に魔力細菌を感染させられた感じかな。
でもさらに気になるのは……どうして使えなかったんだろう……?
さっきから魔力を上手く練れてないからかな……?
いや、それだけで出来なくなる程弱体化されてない、となると何か他にカラクリが……。
・・・!あれか!)
数分前のウルティオ
『『領域展開』……『独創至高』……!』
シャドウ(……多分そうだ、あれで使えなかったのか。
あれ程膨大な魔力を上にずっと流し込んでいたのも、それを使う為に。
……まずいな、魔力の制御が乱れてきてる。
多分あと1回アトミックを使ったら、一気に魔力細菌が進行する。
『リカバリーアトミック』を自分に使うという手もあるけど、今のレベリオは、単純なスピードもそうだと思うけど、攻撃のほんの一瞬、魔力の流れを、急激に何倍、何十倍速く……それも、多分スピードは自由自在に決めれるから、使う前に急所を攻撃されるか、魔力細菌の進行も速く出来るってなったら、終わりだ)
ウルティオ「まだ余裕そうだな……いや、もう強がりか……?」
シャドウ「……さて、どうかな?」
ウルティオ「いくらお前でも、俺の『魔力細菌』や、普通に喰らったら即死級の技のダメージが全部回復してる筈がない。
それに、散々アトミックを使ったんだ……魔力の量も割と弱っているだろ」
シャドウ「弱っているのはウルティオも同じじゃないかな?
あれだけの魔力を使って、身体になんの負担もないことはない筈」
ウルティオ「ふっ……そうかもな……」
僕も相当弱体化、消耗させられたけど、レベリオも結構消耗した筈だ。
そう考えると、もうそろそろ決着は近い……かな。
再び感染させられた魔力細菌から、今のレベリオと同じ黒紫の魔力を感じる。
魔力そのものが強くなってる上に、かなり複雑化してる、さらに体内の魔力を作ってる場所に感染してるから、今すぐ除去するのが……ちょっと無理かなぁ、これ。
しかも長引いたら魔力の生成に著しく時間がかかってこっちが不利になるタイプだ。
それだけじゃない、治した深傷も、治るのがかなり遅い、細菌の進行が速くて、これも長引いたらもう傷の回復も出来なくなる。
まあでも、レベリオの方も、そう長くは戦えないと思う。
時間はかけてられないって言ってたしね、よくブラフを言うけど、あれは間違いない。
なら―――――――――
シャドウ「そこでなんだけど、次の一撃で幕引きにしない?」
ウルティオ「………ああ」
レベリオが決着の提案に乗ってくれた。
意外だ、てっきり『魔力細菌』や他の技でじわじわと僕を弱らせてくるものだと思ってたけど。
なら後は……次の一撃に全力を注ぐだけだね。
僕は空に上がる。
それに続くように、レベリオも空に上がっていく。
そして決着の舞台は……宇宙にまでたどり着いた。
side ウルティオ
ウルティオ(シドはもう、俺が知ってる『アトミック』をあらかた使っている。
だが、宇宙に行くってことは、俺の知らない、さらに強いアトミックがあると言う事か……?
もしそうだとしたら……。
全く、すげぇもんだ、生憎“今の”俺には、そんな強い技はねぇぞ。
まぁ、抗えるだけ、抗ってみようか。
『超神速』魔力速度、100倍。
『オリハルコン・ボディ』
『マギア・ナイトメア・ペイン』
『ブラック・チャージ』
そして……)
4種の魔力を使った技を使用後、右手に黒紫の魔力で生成した、黒い炎を出す。
さらにスライムソードにしていたオリハルコンスライムをスライムアーマーへと変えていく。
そして互いに、宇宙へと辿り着く。
その後、シドが何か語り始める。
シャドウ「……かつて、神々は地上の人間を戒める為に、天空より雷を放ったという」
ウルティオ「………」
(聞いたこと無い口上だ、やっぱ……俺の知らない未知の……)
シャドウ「……人々は天より降り注ぐその力に魅入られ、それを欲した。
あの力が必要だ。
あの力を掴まねばならない。
そして研鑽を重ね、人は遂には、それを手にするに至る。
即ち、原子核を構成する陽子と中性子の間に生まれる核エネルギーが核分裂を起こして……臨、界?とか……?」
ウルティオ「はぁ〜……お前なぁ……そこで止まるなよ。
それ『陰の実力者』としてどうかと思うぞ?」
また俺の知らないこいつの核口上が始まったかと思いきや、途中で疑問形をつけて止まってしまう。
何でこいつは圧倒的な力を持ちながら、やりたいムーブや言ってみたい言葉を、たまに、完璧に言い切り、やり切れないのか。
わざとか?こちらの緊張感を削ぐ為にわざとやってるのか?とたまに思ってしまう。
シャドウ「と、とにかく原理なんだから、色々長くなったけど、まあその辺は撃ち込むにはどうでもいいって事で」
ウルティオ「どうでもいいんだったらさっさと幕を降ろそうぜ」
シャドウ「いいじゃないか、ウルティオだって散々焦らしてきたんだから、僕の核理論に付き合ってくれても」
ウルティオ「数秒前にどうでもいいって言ったじゃねーか。
ていうか核理論なら普段から聞かせろ。
……先に撃ち込んじまうぞ?」
戦いにわざわざ相手の理論を聞く必要はない。
初めて邂逅したならともかく、普段会って、よく一緒にいる相手なら、そんなもんは別に普段から聞かせりゃいい。
もう止まってしまった口上を最後まで聞くのはめんどいので俺は右手の指先に、凝縮した魔力を集中させる。
これが、“今の”俺が放てる最強技、これまでのアトミックよりも遥かに強いんだとしたら、これだけでも多分到底届かない。
事前に使った『マギア・ナイトメア・ペイン』込みでもダメなら、俺の負けだ。
………おかしなものだ、シドに勝てると思ったことは微塵も無かったのに。
……今は、こいつに勝つ気でいる自分がいる。
シャドウ「ウルティオも大概せっかちだよね」
ウルティオ「今語る必要がないものに、せっかちも何もないだろ」
シャドウ「いやいや、これを言ってこそ……あ。
よく考えたら、全部言ってる時間もないか。
(レベリオの『魔力細菌』が徐々に進行して来ている。
折角決着の提案に乗ってくれたんだから、これでどんどん弱ってしまうのはダメだね)
……さて、ここまで随分楽しませてくれたからね、これで……決着と行こっか」
ウルティオ「ああ、決着だ……!
悪夢の力と、この黒い炎が、核の熱すら焼き尽くす……!」
その言葉と同時、宇宙空間の一部を、青紫と黒紫の魔力の極線が描かれる。
2種類の紫系統の魔力の極線は全くと言っていい程同じ。
シドも同じく、未知のアトミックの技を放つ為、指を構える。
そして――――――――――――
シャドウ
「『アイム・アトミック』」
ウルティオ
「『ブラックバーストスフィア・ショット』!!!」
刹那。
青紫の核と、黒紫の黒炎弾が激突し、太陽系に2種類の紫色の光が照らされた。
……………。
…………………………。
………………………………………。
これは現実だ。
覚醒、もとい急激なパワーアップイベントが発生したからと言って、ありとあらゆるゲームやアニメの主人公みたいに、これまで勝てなかったり苦戦していた相手を圧倒し勝利、なんてありふれた展開はそうそうない。
結局の所、俺もまだまだ至らない所があったって話だ。
そう思いながら俺は目を覚ます。
ウルティオ「ん……んん……」
目を覚ますと、そこはアレクサンドリアの一室の天井だった。
アルファ「ウルティオ……!目が覚めたのね……!」
ウルティオ「……アルファか」
そして視界にアルファが入ってくる。
何かこう……心配事が解決して、安心したような表情だった。
俺は上半身だけ起こしてアルファと向き合う。
「……あれから、どれだけ経った?」
アルファ「半日以上よ、もうそろそろ夕食の時間かしら」
ウルティオ「……そうか。
……俺は、負けたのか」
アルファ「……いいえ、違うわ、ウルティオ」
ウルティオ「……ん?」
アルファが俺の負けを否定してきた。
何だろ、何が違うって言うのか。
まあそりゃあね?シドがこれまでのアトミックとは比にならないモンぶち込んで来て、この身体が五体満足でって言うのは奇跡なんて言葉じゃ軽いレベルよ?
なんなら、実は『アイム・アトミック』?っていう名前のアトミックをあんまり相殺出来ず、身体がボロボロになって、後からシドが治したのかもしれない。
それでも俺が意識を失っていたという事は、そういう事だろ。
アルファの言葉を、俺は理解できなかった。
そのままアルファは、今度はまるで鈍器で俺を叩くような事を言い放った。
アルファ「貴方は……シャドウと、引き分けたのよ」
ウルティオ「………。
………………。
・・・・・・・・・・・・」
ホワット?
ドユコト?
オレガシャドウト……シドトヒキワケタ?
いやいやいや、アルファが冗談を言うタイプじゃないのは知ってる。
だが、あまりにあり得ない発言に俺はこう返してしまう。
「……ちょっと待てアルファ。
お前が普段冗談言うタイプじゃないのは理解してるが。
・・・なんの冗談だ?」
アルファ「本当の事よ。
貴方とシャドウが、遥か空で放った最後の技の光が消えた後、2人とも荒野にうつ伏せで倒れてたの。
それから暫くしても、2人共起きなかった……」
ウルティオ「・・・
……アルファ、それ、マジ……?」
アルファ「マジよ」
ウルティオ「……………………。
…………………………………………はぁあ〜〜〜〜」
(『マギア・ナイトメア・ペイン』のダメージリンクがしっかり効いてたってわけか……)
アルファから、あの後どうなったかを聞くと、何かが抜けたのか、俺はベッドに再び仰向けになる。
………そっか……シドと引き分けたのか……。
前世で陰実の情報を、アニメとコミックとWi◯i◯e◯ia等の解説サイトで集めて……。
この世界で、シドの教えこそ含めど、自分なりに強くなって……。
旅でスライム兵器や、スライムそのものの改良をして……。
当時は使えなかった技の、イメージトレーニングもしてきて……。
俺の新しい力が、『極限の果て』に行って目覚めるように、シドを徹底的に焦らしまくって成功して……。
強化した魔力細菌やら、独創至高領域やら、色々使ってシドの長所を可能な限り潰して……。
新技でシドに大きなダメージを与えて……。
接近戦のバワーは同じ、テクニックじゃ勝てないからスピードでなんとか拮抗しようとして……。
最後に未知のアトミックに対抗する為に汎ゆる技を重ねがけして……。
「こんだけやって、やっと引き分けかよ……」
アルファ「でも、誇るべきだわ。
シャドウを相手に、貴方は引き分けた……」
ウルティオ「…………」
(……まあ、確かに超絶Tueeee、あのシド……シャドウと引き分けただけでも御の字か……。
初めて会った時の俺の力は、多分あいつの半分の実力もないくらいだったからなぁ……。
……でもあれだ、これからもあいつは強くなる、だがそれは俺も同じだ。
この黒紫の魔力があれば――――――!)
「……俺はまだ強くなれるんだ……」
アルファ「ウルティオ……」
ウルティオ「あいつはこれからも、さらなる研鑽を重ねるだろう。
……故に、俺も止まってられねぇ……」
ぐぎゅるるるる………
ウルティオ&アルファ
「「・・・・・・」」
サラッと良さそうなセリフを言った直後、俺の腹の虫が鳴った。
あ、そう言えば、シドに全力勝負挑まれたせいか、昨日コーヒーしか口にしてねぇ。
ウルティオ「やべ、そう言えば昨日からなんも食べてねぇ」
アルファ「昨日朝食食べてないの?」
ウルティオ「久々にシドの奴がアレクサンドリアに来るって聞いて、昨日コーヒーしか飲んでない……」
アルファ「ダメよ、ちゃんと食べないと」
ウルティオ「そう言われちゃ何も言い返せないな……」
アルファ「今から作ってくるから、それまで大人しくしてて」
ウルティオ「すまないな」
アルファが夕食を作ると言うと、椅子から経って部屋の扉へと向かう。
そして開けると思いきや、こちらを振り向いた。
アルファ「それにしても、貴方も凄いものね。
私達も知らなかったシャドウの、もう1つの意図を瞬時に察するなんて」
ウルティオ「……ん?」
(あいつのもう1つの意図?)
「あー?あれ?あの後、まだなんかあったのか?」
アルファ「貴方とシャドウが倒れた後、ラウンズの1人が現れたわ」
ウルティオ(え!?ラウンズの1人!?
まさか、モードレッドとかじゃないよな!?でかい川があるとはいえ、一応オリアナ王国からもそこそこ近いし!?)
「……そのラウンズって、誰の事だ?」
アルファ「それはね―――――――」
side 七陰&ラムダ
天よりも遥か上の方で、シャドウの青紫色の光とウルティオの黒紫色の光が衝突し、上空から2つの光が点滅しながら発生する。
点滅してるが故に、七陰とラムダは目を開けられずにいた。
それから数分の時が経ち、ようやく光が収まり、七陰とラムダが目を見開いた。
ラムダ「ん、んん……終わった、のでしょうか……?」
イプシロン「どちらが勝ちましたの……!?」
七陰とラムダはまず天を見上げた後、荒野を確認する。
そして先に見つけたのは……。
イータ「あれ……ウルティオ、倒れてる……」
うつ伏せに倒れていた、ウルティオの姿だった。
その数m前には黒紫色のスライムがある。
ベータ「じゃあ、シャドウ様が勝ったの!?」
ガンマ「……いいえ……ベータ、あちらを……」
ゼータ「……まさか、こんな事が……」
ベータ「―――――!!?」
ガンマが向けた手の方向にベータも視線を移す。
するとそこには……。
「シャ、シャドウ様……!?」
デルタ「ぼ、ボスが……ボスが、倒れてるのです!?」
ウルティオと同じうつ伏せで倒れていた、シャドウの姿があった。
シャドウの青紫の光とウルティオの黒紫の光の激突の結果なのか、2人は倒れていたのだ。
姿を確認して少しの時が経っても、2人が立ち上がり、動く気配は……ない。
これの意味する事、それは……。
アルファ「ウルティオが……シャドウと引き分けた……」
アルファ以外の一同
『!?』
シャドウとウルティオ、2人の戦いは引き分け。
その結果に、アルファ以外の全員は愕然とし、アルファもそれ以上言葉が出ないくらい唖然としていた。
いくらウルティオが強いと言っても、戦いが始まった当初、ここにいるほぼ全員が、シャドウが勝つと思っていた。
何故なら2人が戦う所を見るのが今日初めてなラムダは兎も角、七陰全員は2人の実力差はそこまで大きくないと知れど、シャドウが1番強いと記憶していたからだ。
これは『シャドウガーデン』に入ってから2年前まで、まだ『シャドウガーデン』がシャドウとウルティオ、七陰しかいなかった頃、七陰達も2人の鍛錬や戦いをよく見ていたからである。
しかも、いくらウルティオが隠してる力があって、尚且つ修行の旅に出たとはいえ、シャドウもシャドウで研鑽を重ね強くなっていたにも関わらずだ。
しかし、勝負は完全に引き分け。
今も尚、どちらも起き上がる気配がない。
つまり、今日この日、8人にとって、シャドウとウルティオの実力は互角である事が証明されたのである。
ラムダ「ウルティオ様が……シャドウ様と引き分ける、とは……」
イータ「……過去類を見ない、衝撃……」
ゼータ「衝撃ってレベルじゃないよこれ……。
最初に会った時から只者じゃないとは思っていたけど……」
イプシロン「そ、そそそ、そうよ!?
まさか……主様と、ウルティオ様が引き分けるなんて……!?
でも、確かに、ウルティオ様が今まで見せなかった、あの黒紫色の魔力……主様が世界を滅ぼす程と言うのは確か、ね……」
デルタ「ウルティオ様強いのです!
今日からボスが2人になったのです!
……あれ?この場合、どっちがボスになるです?
ボスはボス1人だから……ウルティオ様は……裏ボス?」
ガンマ「主様と相打つなんて……こ、こんなに、強かったのですか……!?ウルティオ様……。
い、一体、どれだけの努力を積み重ねたのでしょう……?」
ベータ「シャ、シャドウ様が、ウルティオ様と引き分けた……。
確かにウルティオ様も凄いですが……。
これは、『シャドウ様戦記』どう書けば……?」
アルファ「……これが、シャドウの言っていた、ウルティオの、世界を滅ぼす程の力……。
あの魔力を出して、最初に使った技と2番目に使った技、そしてはるか空で、最後に使った技……シャドウじゃなかったら死んでもおかしくなかった……」
七陰とラムダが、各々シャドウと引き分けたウルティオについて語っていた。
その時だった。
???「やれやれ……こんな所で何をしてるのかと思えば、仲間割れか……?『シャドウガーデン』の……ふむ、シャドウとウルティオ、だったか」
七陰&ラムダ
『!?』
シャドウとウルティオより少し遠く離れた所に、謎の男が現れた。
???「まあいい、この2人を殺せば、『ディアボロス教団』の脅威はなくなる。
さっさと殺して『第一席』様に報告して、立場を上げさせてもらうとしよう。
シャドウ!ウルティオ!貴様ら2人はこのナイツ・オブ・ラウンズ第八席!スルトの手柄になってもら――――――!?」
スルトと名乗った、『ディアボロス教団』のラウンズの1人が剣を抜き近づくと、一本の矢が飛んできた。
それは、ベータが放ったスライムの矢だ。
ベータ「・・・誰と誰を殺す、ですって……?」
スルト「な、なにも――――グハァ!?」
続いてスルトの背中が、強烈に打たれる。
それはラムダの鞭だった。
ラムダ「シャドウ様とウルティオ様の神聖なる戦いの後に横槍を入れるとは、恥を知れっ!」
スルト「くっ!?馬鹿な!?いつの間に――――――」
デルタ「デルタもいるのです!」
ゼータ「私も」
そしていつの間にかスルトは、七陰全員とラムダに囲まれていた。
スルト「くっ、七陰に……さらにもう一人!?」
ガンマ「主様は、ウルティオ様の力を見たい為に、戦っていたと思っていましたが……」
ゼータ「主とウルティオ様が戦うことで大きく目立ち、戦いが終わった後に現れる『教団』の手の者を討とうとした、ってところかな」
イプシロン「つまり、ウルティオ様は主様の意図を瞬時に察していたというわけですね……!
その為に、敢えて主様と死闘を繰り広げた……!」
イータ「…しかも、ラウンズが現れたのは、大きい。
強そうな、実験台」
アルファ「その為に私達を連れてきた……。
万が一、自分とウルティオが相打ちになった時の保険の為に」
ラムダ「となれば、後はこちらの出番ですね。
七陰の皆様、微力ながら、このラムダも参戦させていただきます」
スルト「くっ……おのれ……!
だが、たかが女8人如きにやられるこの俺ではないっ!
纏めてかかってこいっっっ!!!」
ゼータ「8対1、か…。
主とウルティオ様を守りながらになるから、まあある程度イーブンかな」
デルタ「関係ないのですメス猫!
ボスとウルティオ様に手を出す前に、さっさとあいつを倒せばいいのです!」
アルファ「皆、行くわよ」
アルファ「と、いうことがあって。
ごめんなさい、情報を聞き出したかったけど、デルタが力加減を間違えて殺してしまったの」
ウルティオ「まあ仕方ない、相手はラウンズだからなぁ。
加減して油断すると万が一ということもあるから、皆が無事で俺は良かったと思ってる。
寧ろ、俺の方こそすまん、もう少しラウンズの情報を集めていれば、お前達にいらぬ手間をかけさせることはなかった……」
アルファ「いいえ、それも本当は私達がやるべきだった……。
それなのに私は、組織の拡大や悪魔憑きの救助を優先してばかりで……。
ラウンズの情報も、あまり多くは手に入らなかったわ」
ウルティオ「ははは、慎重なのはお互い様、か」
ぐぎゅるるるるる〜〜〜………
アルファ「そろそろ作りに行ってくるわ」
ウルティオ「ああ、頼む」
アルファはウルティオの夕食を作りに行くべく、部屋を退室した。
それから彼女の手料理を堪能し終えた後暫くして、シドが来たのだ。
シャドウ「あれ?元気そうだね、ウルティオ」
(目と髪の色が変わったまんまだ、まだあの状態……?
……いや、もしかして、維持しているのかな……?
凄いね、ごく自然にあの状態になってる、それも、魔力を全く感じない程に……)
ウルティオ「ん?おお、お陰さんでもうバッチリだ」
シャドウ「……そっか、それは何よりだね」ニヤリ
ウルティオ(あ、これヤバイやつ。
……もちつけ、元成人として冷静に……)
シドがめっちゃニヤついてこちらを見ている。
シャドウ「これで心置きなく、もう一度勝負出来るってわけだね」
ウルティオ「えっ、もっかいやんの?
………まあ、いいけど」
(まだ黒紫色の魔力でほんの少ししか肉体改造はしていないが……近接戦闘の技巧を上げるのにも丁度いい)
シャドウ「え、ちょっと何その余裕。
一回引き分けたからって調子に乗らないでよね、引き分けなんて奇跡は2度はないから!!」
ウルティオ(……あれ?もしかしてシドってかなりの負けず嫌い?
……あるいは……大人の歳になる前に転生してしまった故に、精神年齢が成熟しきってなかったのか……?)
「……そっか。
でもあの時心臓だけずらしたって事は、心臓潰したら死ぬということでいいんだよな?
うっかり心臓やられて、死ぬなよ?」
シャドウ「はーーーーー???
もう怒った、じゃあさっさと続きしようか!!」
ウルティオ「そうだなぁ……。
まだ学園入学まで2ヶ月もあるし、この際1週間に一回勝負して……。
まず魔力無しで勝負して、次は魔力ありで勝負、そこから魔力無し、ありの繰り返しということでどうだ?」
シャドウ「なっ……!冷静過ぎて余計に腹が立つ!!
よし乗った!じゃあ早速やろうか!!!」
ウルティオ「あ、勿論スライムも無しでいいよな?
あれも一応魔力使うし」
シャドウ「当たり前じゃん!今度こそ白黒ハッキリつけよう!!!」
――――――――――――
ラムダ「――――――こうして、シャドウ様とウルティオ様は、学園入学2ヶ月前から入学まで、この地で9回も熾烈な勝負をしたというわけだ」
665番「ほえ〜ここで9回も戦ったんですか〜」
664番「そ、それで、どうなったんですか……?」
ラムダ「結果は魔力無しでシャドウ様が2勝0敗2分、魔力ありだと1勝2敗2分。
合計で、シャドウ様の3勝2敗4分だったか」
665番「合計を見ると、シャドウ様が勝ってはいますが……」
664番「魔力込みで戦うとウルティオ様の方が強い……!?」
ラムダ「結果だけを見ればそうなるな。
……それも、学園入学に迫る度にウルティオ様は白星を上げ始めたのだ。
当のウルティオ様はいずれも紙一重だと仰っていたが、魔力込みだけとはいえ、シャドウ様に勝つという偉業を成し遂げたのだ。
魔力なしでも、シャドウ様と2度引き分けている」
665番「はぇ〜、ウルティオ様、お強いですねぇ〜」
664番「……不謹慎を承知の上で言いますが、いつかは、魔力なしの面でもシャドウ様を超えるのですか……?」
ラムダ「……そればかりは、今後のお二人次第になるな。
さて、昔話はここまでだ。
今日はこの地で、2人で私を相手にしてもらう。
お前たちはよくコンビを組んでいるからな、連携力を鍛えるための実戦訓練だ」
664番「了解!」
665番「了解ですぅ〜」
ラムダが、シャドウvsウルティオの昔話を終えると、664番と665番の連携力を高めるための実戦訓練を開始したのであった。
アイム・アトミック発動から数秒前のシャドウ視点
シャドウ
「『アイム・アトミック』」
ウルティオ
「『ブラックバーストスフィア・ショット』!!!」
僕の『アイム・アトミック』と、レベリオの最強技らしき技がぶつかる。
凄いな、かなり相殺された、だけど……。
シャドウ(勝った……!)
僕のアイム・アトミックの方が強かったようで、かなり相殺されたもののレベリオに直撃した。
それを見て僕は勝利を確信した、筈だった。
「ッッッッッッッッツ!?!???!?!?」
(この激痛は……!?)
レベリオにアイム・アトミックが直撃したと同時、僕にこれまでにない程の強烈な激痛が襲った。
レベリオの『魔力細菌』の痛みとは違う、臓器をやられた痛みとも違う……!
……!まさか……!
十数秒前のウルティオ『悪夢の力と、この黒い炎が、核の熱すら焼き尽くす……!』
シャドウ(悪夢の力ってこういうことだったんだね……!
っ……!レベリオの『魔力細菌』がっ……!)
僕の身体がレベリオの『魔力細菌』によって蝕まれていく。
『魔力細菌』も含めて、さっきのダメージで、それを抑止する力も、魔力を練る力ももう僕には残ってない。
基礎魔力量もっと上げとけば良かったなぁ、『魔力量よりも魔力制御力にこそ真の価値がある』がここで仇になるなんて。
まさか真の実力を出したレベリオとの戦いが、ここまで僕の常識を覆すなんて思わなかった。
今の僕に出来るのは、地面を額で打ちつけてその反動で飛び、なんとか落下死しないようにする事だけだ。
でも……。
(先に落ちるのはレベリオだ。
しかも、パッと見た感じレベリオは意識を失ってるっぽい。
僕をここまで追い詰めたのは褒めてあげるけど、紙一重差でこの勝負……僕の勝ちだ――――――!)
レベリオの様子を見て、僕は改めて勝利を確信した。
だけどその2度目の確信は、地上を見た途端、ひび割れた。
(!?あれは……!?)
僕は目に移った物に驚いた。
僕とレベリオの戦いで荒れ果てた荒野に、黒紫色の、見た感じトランポリン状の分厚いスライム……そう、レベリオが僕の右半身を抉った攻撃をする前に、レベリオが捨てたスライムソードだったスライムだ。
しかもレベリオの落下位置とドンピシャだった。
(レベリオのスライム……!?しかもトランポリンみたいな形に……!
まさか、だから敢えて決着の提案に乗った……!?)
ウルティオ「…………」
※既に意識を失ってる
僕は僕よりも先に落ちてるレベリオに視線を向ける。
するとレベリオの口が、僅かだが笑っているように見えた。
シャドウ「――――――――――!?」
あの表情……!
まだ……まだ僕の勝ちを確信するには早い……!
まさか……僕はもう限界なのに、レベリオはあれを利用して着地、あるいは僕に突っ込む気……!?
そしてレベリオが、レベリオのトランポリン状のスライムに落ちる。
その弾力でレベリオは跳ね上がる。
幸いだったのが跳ね上がった身体がこちらに突っ込んで来なかった事だ。
今体当たりでもされたら、下手をすると僕は下敷きになって負けて、しかもその負け方が酷い事になっていたかな。
僕は額を地面に打ち付けるタイミングをほんの少しミスしてしまい、あらぬ方向に身体が飛ぶ。
そしてそのまま僕の身体は、最後はうつ伏せに倒れた。
「うっ……」
そして意識が遠のいていく。
意識が無くなる前に、最後に僕が目にしたのは、少し猫背で立っていたレベリオの姿だった。
こちらに身体が飛んでこなかったのが不幸中の幸いだった、だけど……。
(……まさか……僕が、まけ――――――――)
僕はこの世界で生まれて始めて、相手に実力で負けた敗北感を味わい、意識を失った………。
ちなみに、ウルティオがその後うつ伏せで倒れたのはその約2秒後である。
シャドウ「……ん……んん……」
僕は目を覚ます。
そこはアレクサンドリアの一室の天井だった。
ベータ「シャドウ様……!」
シャドウ「……ベータ、か……」
仰向けに寝ていた僕の視界にベータが入ってくる。
僕は上半身を起こして彼女に向き合った。
シャドウ「あれから……どれだけたった?」
ベータ「15時間程ですね、シャドウ様はそれまでずっと意識が無く……」
シャドウ「……そうか。
……紙一重の差とはいえ……まさか、我が敗れるとは……」
ベータ「いいえ!シャドウ様は負けていません!
私達が見た時には、シャドウ様もウルティオ様も倒れていました!シャドウ様は負けては――――――」
シャドウ「勝ててもいない、その事実は揺るがぬ」
(七陰の皆やラムダが引き分けと言っても、仮にレベリオも倒れたとしても、百歩譲って引き分けでいいとしても、勝てていなかったのは事実だ)
ベータ「―――――――っ!?」
シャドウ「……認めざるを得ないようだ。
ウルティオの真の実力が、全力の我に匹敵するという事を……!」
レベリオ。
七陰やラムダも見た以上、今回は引き分けって事にしといてあげる。
次は……絶対に勝つ!引き分けなんて奇跡は2度はないから……!
ウルティオ
なんとまさかのシャドウと引き分けた、黒紫の髪と瞳を持つ、作者の知る限りでは陰実二次創作としては珍しい魔法詠唱者寄りの転生者オリ主
※引き分けは作者の判定の為、この決着をどう判定するかは読者次第
覚醒早々、これまでイメージトレーニングしてきた複数の技のコンボでシャドウを圧倒し、64の魔封刻印まで撃ち込んだ。
さらなる追撃をしようとしたが、シャドウの『E・R・A』のダメージ、『魔力制限解放』による身体の負担、さらには『超神速』の身体速度20倍の負担が来て追撃を停止してしまう。
そして約1分足らずで魔封刻印を破ったシャドウを相手に、修行の旅で生み出したオリハルコンスライムを剣に変化させ、さらに普通のスライムソードに自身の魔力を極限まで籠めたスライムソード・アビスの二刀流でシャドウと接近戦を展開する。
黒紫の魔力に覚醒した後の身体能力は全力のシャドウと完全に互角だったが、剣の技巧がシャドウに劣っていた為に『超神速』を使用したスピードで優位に経とうとしていた。
その後シャドウの『自然の剣』を新技『黒炎化』で受けて逆にシャドウのスライムソードを少し溶かした後、スライムソード・アビスを捨てて『バーストスフィア・ショット』をシャドウにぶち込み深手を負わせる。
ちなみに後に紹介する『ドゥームズ・デイ』でシャドウの左腕を空間事引き裂いた際『黒紫』の魔力細菌を感染させている。
最後はシャドウの決着の提案に乗り、2人で宇宙に上がった後、シャドウの核理論を聞き流して、複数の技を使った後現在のウルティオが放てる最強技『ブラックバーストスフィア・ショット』でシャドウの『アイム・アトミック』を迎え撃つも、8割しか相殺出来ずに直撃を受け意識を失う。
意識を失う直前に、捨てていた地上にあるスライムソード・アビスをトランポリン状のスライムに遠隔変換させ、(やっぱ勝てなかったか……まあ、あのシャドウをここまで追いつめただけ御の字か……)と思いながらほんの少し満足そうにして意識を失った。
その後、奇跡的にそのスライムに弾んだ勢いで身体が飛び、足から偶然着地した結果、なんとシャドウよりもほんの少し後にうつ伏せで倒れた事など知らずに……。
目を覚ました後アルファから、シャドウと引き分けたと聞き疑うもアルファの真剣な発言に引き分けたと確信を持ち、自分はまだ強くなれると言い、アルファが夕食を作ってる最中に『黒紫』の魔力を使って肉体改造を始め、夕食を食べ終えた後シャドウが来てまた勝負を挑まれた。
シャドウ
原作陰実イカれた主人公
ウルティオの即死級の威力がある技のコンボを連続で受けた後、やっと全力のウルティオと戦えると内心大歓喜し、全力を出してウルティオと近接戦闘を開始。
その際ウルティオを、魔力制御力は自分を僅かに超えたものの、剣の技巧はまだ自分にたどり着くには足りないと評価している。
※一応、自分に剣でいくつか傷を与えてる為にウルティオの剣の技巧は及第点とシャドウは評価している。
互いに剣で攻め合ってしばらくした後全力の『自然の剣』を一振りするも、ウルティオの『黒炎化』で逆にスライムソードを少し溶かされ、反撃の『バーストスフィア・ショット』をウルティオの技をコピーしようとしたものの何故かコピー出来ず、やむを得ずに身体をなんとかずらして心臓の直撃だけは避けたが、胴体の右半分がガッツリ抉られ、身体をずらさなかったら危なかったと内心述べる。
全力勝負の過程で『黒紫』の魔力細菌を感染され、今すぐに除去は困難と判断、ウルティオに次の一撃で決着をつけようと提案すると、ウルティオが承諾した為(とはいえウルティオ本人も時間はかけてられないと言っており、シャドウもウルティオは長くは戦えないと判断していた)彼と共に宇宙に上がり、核理論を語ろうとしたが聞き流された後『アイム・アトミック』を放った。
アイム・アトミックを80%程相殺されたが、それでもウルティオに直撃した為自身の勝利を確信した直後、ウルティオの『マギア・ナイトメア・ペイン』のダメージリンク、さらに黒紫の魔力細菌が一気に進行した事で身体も碌に動かせず、魔力も練れなくなる程のダメージを負う。
が、先に落ちてるウルティオの意識が一見ないのを確認すると改めて勝利を確信、自身は地上の地面に額を打ち付けてその反動で飛び、華麗に着地した後ゆっくり倒れようと考えた矢先に地上が見えると、ウルティオの落下地点に黒紫色のスライムのトランポリンが設置されており、それがウルティオが捨てた黒紫色のスライムソードだと理解、その後当の本人の顔を再度確認すると少し笑っており、この事態を読んでいたのかと動揺。
そして先にウルティオが落下してトランポリンスライムの弾みで飛び、自身も額を地面に打ち付けて、なんとかうつ伏せで倒れる。
しかし意識を失う前にトランポリンスライムで弾み飛んでいたウルティオが立っていた姿を見てしまい、この世界で初めての敗北感を味わいながら意識を失った。
※シャドウが意識を失って2秒後辺りでウルティオもうつ伏せに倒れた。
後にベータから、ウルティオと引き分けたと言われるが、自身が勝ったわけではないという事実を認めて今回の勝負は引き分けと内心で言いつつ次は絶対勝つと誓う。
原作だとどうかは不明だが、このシリーズではこの様に相当の負けず嫌いだった為に、もう一度勝負をしようとウルティオの元に来て、ウルティオの余裕そうな雰囲気(シドから見たらそう見えた)にプッツンとしたままウルティオと再度対決しに行った。
アルファ
シャドウガーデン七陰第一席にして、ウルティオのヒロイン候補No.1キャラ
シャドウとウルティオの勝負の結果に唖然とし、2人が引き分けたと強烈に記憶した後、突如現れたディアボロス教団ラウンズ第八席、スルトを他の七陰全員とラムダと一緒に捕獲するべく戦うも、デルタがスルトを殺害してしまった為にデルタを怒り、その後はシャドウとウルティオを連れて他の七陰とラムダと一緒にアレクサンドリアに帰還。
シャドウに負けたと思っていたウルティオに、シャドウと引き分けたと告げ、これだけやってやっと引き分けかと落ち込んでいた風に見えたウルティオを激励し、その後シャドウとウルティオの2人の、自分達が死闘を繰り広げて『教団』の連中を引き寄せるという計画(アルファ達の勘違い)を称賛した後、お腹を空かせたウルティオの夕食を作りに行った。
デルタ
シャドウガーデン七陰第四席のワンコちゃんポジションキャラ
シャドウとウルティオが引き分けた事実により、元々ウルティオへの好感度が高いデルタはさらにその好感度が上昇、終戦後ウルティオを「裏ボス!」と呼ぶが「裏ボスって呼ぶな」と怒られて元の呼び方に戻した。
また、シャドウとウルティオが引き分けた後、現れたラウンズ第八席スルトを誤って殺してしまい、アルファから怒られたりと、この回の陰で怒られてばかりいる。
『ドゥームズ・デイ』
掲げた手の先の空間を操作して、相手を吸い込み空間ごと捩じり裂く技。
相手を空間ごと引き裂く為に、その相手にどれだけ防御力があろうが関係なく、実際にシャドウのスライムソード8本と左腕を空間ごと引き裂いた。
しかしこの回の時点ではまだ発動から終了までの時間が非常に短い為に、ウルティオは『22点』と辛辣な自己評価をしている。
『マギア・デモニスメノス・タナトス』
相手の体内にある相手の魔力、または事前に仕込んでいた自身の魔力を操って掌に出した『魔力球体』とリンクさせ、相手の好きな身体の部位や臓器を握り潰す技。
後の学園襲撃事件でも『教団』の人間だった『紅の騎士団』の騎士3人と、ルスラン相手にも使用した技。
この回にてシャドウにも使用したが、直前にシャドウが気づいて心臓だけは握り潰せなかったものの、肺2つに腎臓2つ、肝臓2つと脾臓を1度に潰し、元来なら即死しかねない甚大なダメージをシャドウに負わせた。
ちなみにこの技、『オーバーロード』というアニメの主人公モモンガ/アインズ・ウール・ゴウンが使用している即死魔法『心臓掌握』(グラスプ・ハート)と類似しているが、あちらと違う点は以下の通り。
①相手の体内にある魔力を操る必要がある。
②相手の魔力だけを操ってもいいが、同格クラス、もしくはそれ以上の魔力制御力を持つ相手だと、前述のシャドウのように成功率が落ちる、その為成功率を少しでも上げる場合は相手の体内に魔力を仕込んでそれを操る必要がある。
※『心臓掌握』も相手のステータスや耐性次第では即死無効になる場合もあるのであまり変わらないが、こちらは自身の魔力を付与すれば成功確率が上がる。
③心臓を握り潰して即死させる『心臓掌握』と異なり、こちらは身体の好きな部位、臓器を1度に複数、あるいは全て握りつぶせるので、一方的蹂躙が好きなレベリオにはもってこいの技。
④これまでの『オーバーロード』の『心臓掌握』の描写を見る限り、あちらは相手と、推定中距離までの距離がないと使えないと思われるが、こちらは距離が関係ない。
ちなみに作者は、活動休止期間中に『オーバーロード』を見始めましたw
ちなみに『マギア』はいくつかの国の言語で『魔術』を意味しているが、レベリオは同じ意味である『呪術』という意味合いで『マギア』と名付けた。
『六十四式魔封刻印拳』
両手に籠めた魔封刻印で八卦掌の構えを取り、相手に六十四連続の八卦拳をぶち込む体術技
某忍者漫画を読んでる方ならご存知でしょうが、『八卦六十四掌』をレベリオは参考にしている。
この回では『超神速』も併用している為に攻撃速度も爆発的に速い。
また使用時には両手の人差し指と中指以外の全ての身体の力を抜いて放つ為予備動作が無く、常人では避けたり防いだりするのが困難。
『オリハルコン・ボディ』
旅の途中で見つけた貴金属『オリハルコン』をそのまま口に入れて丸呑みした後、体内の魔力と合成させた事で使えるようになった技。
その名の通りオリハルコンレベルの硬い防御力をした身体になる。
『マギア・ナイトメア・ペイン』
対象とした相手に一定時間、自身が受けたダメージと同じダメージを対象の肉体と精神と魔力に与える技。
レベリオが前世で遊◯王GXの「君の痛みは僕の痛みなんだよ」という言葉を言った人物をアイデアに生み出した。
『ブラック・チャージ』
『黒紫』の魔力の黒濃度と、魔力濃度と密度を高めて魔力を練り込む技。
後に解説する『ブラックバーストスフィア・ショット』の使用に必要。
『バーストスフィア・ショット』
指先に黒紫の魔力を強固に練りこみ、魔力の弾丸を生み出し発射する技。
その一撃はシャドウの胴体の右部分を、ガッツリ抉るほどでシャドウを持ってしても「身体をずらしてなかったら危なかった」と評価する程である。
後に『破壊』の究極奥義となる『ビッグバン・スフィア・ヴィレ』の基礎となる技でもある。
『ブラックバーストスフィア・ショット』
ブラック・チャージとバーストスフィア・ショットを組み合わせた、当時のウルティオの最強技。
しかしこの技を持ってしてもシャドウの『アイム・アトミック』を80%しか相殺出来なかった。
『領域展開・独創至高』
『魔力制限解放』で放出したレベリオ自身の、転生直後から13歳までに溜め込んだ魔力を使い、宇宙全体に届かせ、宇宙の法則、常識、ルールを自分好みの法則常識ルールを付け加えて書き換える、レベリオの『領域』の究極奥義。
レベリオが書き換えた宇宙の法則常識ルールは、自身の許可なしに使用者が使う魔力を使用した技、魔力を使用して使うアイテムの技(禁止してるアイテムの技は『スライムドラグーン』のみ)のコピー&ラーニング、及びコピー&ラーニングした発展強化技の使用禁止。
わかりやすく言うと、この領域を展開後、他の人物がレベリオの扱う技をコピー&ラーニング、及びその発展強化技を使用しようとする場合、その技に使う魔力のみが消費され、技の発動が『出来なかった』事にしてしまうものである。
ただし、レベリオよりも先に本来の使用者が使用している技、及び類似している技を使っている場合は禁止されずに使用可能。
つまりレベリオよりも遥か先に産まれたとある吸血姫さんは『霧化』等を使用出来るし、使用者のレベリオが『アイ・アム・アトミック』を使ってもシャドウは『アイ・アム・アトミック』を問題なく使用可能。
※その気になればレベリオは『アイ・アム・アトミック』を使える筈なのだが、何故使おうとしないのか不明である。
レベリオはシドが相手の技をコピー&ラーニングして、その技の発展強化技を使う事を前世で知っていた為に、『魔力制限』後は頭の中でこの技をずっとイメージトレーニングし、尚且つウルティオ派の構成員(ウルティオはシャドウガーデンに、ウルティオ派閥がある事をこの時は知らない)にこの技の縮小版を試して実験していた。
『黒紫』の魔力覚醒前は自身の魔力がシドの『青紫』の魔力程の密度と力を持っていなかった上、魔力量をより多く溜めて使わないと長くは持たない為、中途半端に使用しても破られる可能性を危惧して実戦では使おうとしなかった。
元来陰実世界の魔力は身体から離れたら消える性質を持つ為に、この技に限らず魔力を使った防御系、結界系の技の使用及び維持には超緻密という言葉では生温い、精緻な魔力制御力、かなりの魔力量が必要、その為、宇宙全体に展開するだけでも極めて至難の技で、転生直後から『魔力制限』『魔力分身』『自分から離れた魔力の維持、操作』をメインにずっと鍛錬し、基礎魔力量も増やしてきたレベリオだからこそ出来る芸当である。
また維持する為に一定の期間内に一定時間、領域の維持の為の制御と膨大な魔力が必要だが、レベリオの場合『魔力分身』がある為、定期的に領域に魔力を注げば事実上、永続で領域を維持出来る。
この技の使用により、『魔力制限』で溜め込んでいた魔力を相当使い、13歳から現在までに制限し溜め込んでいた魔力が残ったが、残った魔力量はなんとこの技に使用した魔力の4割とのこと。
と、このように大掛かりな技だが、『めだかボックス』という作品に登場するキャラ『球磨川 禊』が扱う能力『大嘘憑き』シリーズに比べれば遥かに可愛いものである。