聖域編はこの回を入れてあと2話ですw
side シド
僕はレベリオと共に薄暗い扉の中に入った。
するとそこは深い暗闇、歩いても歩いても何も見えない程の、だ。
一緒に入った筈のレベリオがいない、扉は同じでも先は人によってそれぞれ違うものだろうか。
なんて斬新な扉なんだろう。
なんて考えながら歩いていたら、扉を見つけた。
開けて入って見ると、そこは真っ白なだけの、殺風景な部屋だった。
部屋の中には扉が1つと、拘束されている女性が1人。
そう、さっきまでレベリオと戦っていたはずのヴァイオレットさんだった。
レベリオの予想通り、僕が先に会ってしまった、どうやら勝負は僕の負けみたいだ。
シド「やあ」
アウロラ「……やあ。
彼のお友達かしら」
シド「うーん、レベリオが聞いたら、多分腐れ縁って言いそう。
ところで……レベリオはまだ来てないのかな?」
アウロラ「残念だけど、彼はまだ来てないわ」
シド「おっかしいな〜、一緒の扉から入った筈なんだけど……」
アウロラ「……もしかして……」
シド「どうかしたの?」
アウロラ「何でもないわ。
それよりも……」
シド「ん?」
アウロラ「ここに拘束されている美女がいます」
シド「うん、そうだね」
アウロラ「とりあえず、助けてみませんか?」
シド「修行じゃなかったんだ。
僕も昔そういうのやってたけど」
アウロラ「……斬新ね」
とりあえず僕は剣を抜いて、ヴァイオレットさんの拘束を解く事にした。
ところが、剣を抜いた途端だった。
聞き覚えのある声
「―――――――――ぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
シド「ん?この声は……」
アウロラ「……来たわね。
……この中で魔力を使えるのもそうだけど、まさかこんなにも早くアレを倒すなんて……」
聞き覚えのある声「あべしっ!?」
どういうわけか、レベリオが上から落っこちてきた。
side レベリオ
レベリオ「―――――――――ぁぁぁぁぁぁぁあ!!!
あべしっ!?」
記憶の世界にいたであろう『魔神ディアボロス』?をぶっ倒した俺は、真っ暗闇の空間へと落っこちていた。
すると黒い空間が徐々に白く染まっていき、俺は地面に激突した。
元来なら受け身を取るべきなのだろうが、記憶の世界とは言え、あまりにもディアボロスが弱すぎて拍子抜けだった故である。
「いっつつ……たくっ……いくら記憶の中の世界っつってもな……もっと強く設定しとけっつの……。
お陰でひどい目にあった……ん?」
俺は上半身を起こして視点を真っ直ぐ向けると、そこには剣を抜いているシドと、拘束されているアウロラがいた。
……うん、まあ、この後何が起きるかはわかるんだけど。
俺は言ってみたかった。
「……お邪魔だったか?ハードプレイの」
アウロラ「ハードプレイ……?」
シド「いや、レベリオの想像してるものとは違うから」
レベリオ「なんだ、違うのか」
シド「レベリオは僕をなんだと思ってるの」
レベリオ「助けると見せかけて目の前の美女をぶった斬るきょーじん」
※半分冗談半分本音
アウロラ「あらそうなの?もしそうだったらなんて酷い人かしら」
※レベリオの冗談に乗ってるだけ
シド「いや、ヴァイオレットさん、レベリオの冗談だから」
レベリオ「でも悪の女幹部を斬った事はあるだろ?」
シド「それは相手が悪人だからね、悪人には人権ないから殺してもいいんだよ」
レベリオ「その理論で言ったら、悪人とはいえ人殺しをしている悪人のお前も人権ないって事になるぞ」
シド「あーそっか……となるとやっぱり……」
レベリオ「そう、最終的に……」
シド&レベリオ「「強いヤツしか人権ない!」」
アウロラ「……助けてくれるのなら、そろそろ助けてもらえないかしら」
いつの間にか人権の話を始めていた2人を見て、アウロラは呆れながら、そう呟くのであった。
結局原作通り、シドが持ってる学園から支給された剣でアウロラの拘束は解かれた。
「んー……ざっと千年ぶりの自由ね」
シド「そうなんだ」
アウロラ「適当よ。
覚えてないから、最低それくらい」
レベリオ「まあ、普通に何十年生きてる人類も何年何ヶ月何日何時間何分何秒と正確に覚えられるわけ無いからな」
アウロラ「そういう事。
……さて、早速だけど……」|д゚)チラッ
レベリオ「?」
アウロラがまじまじと、こちらを見てくる。
何だろう、なんか訝しげな表情でこちらを見てる。
アウロラ「色々と気になる事はあるけど、まず真っ先に聞きたいのは……貴方、どうしてこの中で魔力が使えるの?」
シド「えっ!?そうなの!?僕は使えないのに!?」
レベリオ「んなもん、こういう魔力阻害や魔力吸収に対しての対策修行は徹底してたからな……って、なんでシドは使えねんだよ」
シド「いやいやいや、僕でもここじゃ“今すぐ”に魔力を扱うのは無理だよ」
アウロラ「今すぐにって……貴方達一体何をどうしたらそんなに力をつけられるのかしら。
一体何者なの?私と戦ってた時とは、違う魔力……それも、随分懐かしいものを感じるけど……」
レベリオ「……!」
(気づかれた……!?魔力阻害と吸収の対策の為に、対魔力感知が手薄になってたか……。
……ん?待てよ?懐かしいってどういう事だ?
アウロラは……『黒』の魔力を知っている……?)
「ただの人間……って言いたい所だけど、この魔力の持ち主と他に会った事無いから人間なのかどうか自分でも怪しいと思うかな」
アウロラに『黒』の魔力を隠していた事がバレた為、俺は一定量それを放出する事にした。
まあとっくにシドにはバレてるから、アウロラ辺りにバレた所で特に支障はない。
寧ろ、彼女の発言で俺も聞きたい事が出来てしまった。
シド「そう言えば、僕もその魔力について詳しく聞いてなかったね、どうやってその魔力を生み出したの?レベリオ?」
アウロラ「その魔力は、人為的に生み出せるわけじゃないわ。
この世界とは、全く別の世界の存在が持つ魔力だもの」
レベリオ「別の世界の、魔力……?」
シド「異世界の魔力かぁ……。
今からでもレベリオがその魔力、僕にくれたらどうなるかな?」
アウロラ「無理ね。
その魔力は、単純に制御出来ればいいってわけじゃないから」
シド「ヴァイオレットさんは、レベリオの黒い魔力について他に何か知ってるの?」
レベリオ「それはまた後で聞きゃいいだろ。
取り敢えず、ここから出るのが先だ。
というわけで、アウロラさん……」
アウロラ「?」
レベリオがアウロラの手を取る。
レベリオ「今すぐ、俺に誘拐されてくれませんか?」
アウロラ「あら、私は誘拐されちゃうのかしら」
シド「ちょっと待ってよレベリオ、それじゃあまるっきり悪人………」
レベリオ「いやいや、公の場所に不法侵入してる時点でもう悪人でしょ。
彼女が招いたとはいっても、ここは結局かの者の奴らの場所だし。
なら、ここでアウロラさんを誘拐しても変わらんってわけだ」
アウロラ「うふふっ、お姫様を誘拐するナイト様なんて聞いたこと無いけど……それはそれで面白そうね」
レベリオ(まあ、前世でもそういう話を書いた人はそうはいないからなぁ……。)
アウロラ「まあ、本当に私を誘拐……というより、ここから出せれたらの話にはなるのだけど……」
レベリオ「あるさ。
が、その為にはまずここの魔力の核までいかなきゃならん」
シド「レベリオは、ここに来たことあるの?」
レベリオ「1度だけ。
……まあ、これを使ってすぐに出たけどな」
(まっ、来たことがあるってのは嘘なんだけどね)
俺は魔力を扱い、手刀で横一文字を描く。
すると空間が引き裂かれ、その先の景色の森が見えた。
数秒経つと、引き裂かれた別空間の入口が消える。
か、これだけでもアウロラを驚かすのには充分だった。
アウロラ「……嘘でしょ……?
魔力が使えるだけでも驚きなのに、別の空間の入口を作った………?」
シド「昔からレベリオは魔力の扱いは凄いからね。
まあ、魔力無しだと、まだ僕に1度も勝ってないんだけど」
レベリオ「……お喋りは歩きながらでも出来る。
さっさと行こうぜ」
side アレクシア
アレクシア「……ここは?」
まばゆい光が収まり、アレクシアは気がつくと白い廊下に立っていた。
現実のようで、何処か夢の中のようなふわふわとした空間だった。
アルファ「聖域に閉じ込められた、英雄オリヴィエの記憶よ。
かつてここは、教団によって身寄りのない子供たちが集められ、ある実験の被験者になった。
殆どの子供が、『それ』に適合出来ずに死んだ。
残ったのは、ほんの僅かな女の子だけ」
血塗れの女の子がいた、しかしその傷は自傷によるものだけではなかった。
肉体の異様な変異によって裂けた肌から血が滴り落ちていた。
その黒く腐り落ちる様は、アレクシアも見たことがあった。
アレクシア「これは……《悪魔憑き》!?」
ローズ「むごい……」
アルファが歩き出す。
子供達の死に方は1つの共通点があった。
女の子は《悪魔憑き》のような姿で死に。
男の子は《悪魔憑き》になる事なく死んだ。
アルファの足が1つの牢屋らしき場所で止まる。
ガラスで隔てられた牢屋の中に、先程見た時よりも幼い、オリヴィエの姿があった。
彼女には怪我もなく、苦しんだ様子もない。
ただじっと向かいの牢を見ていた。
向かいの牢は血塗れだった。
次の瞬間、そこは場面が切り替わるかのように掃除され、中には女の子が現れた。
そして、苦しみ、死んでいく。
すぐまた別の女の子が入る。
小さなオリヴィエはずっとその様子を眺めていた。
その時の彼女の心中は、この場にいる誰も知る由もない。
アルファ「オリヴィエは『それ』に適合した、僅かな子供の1人だった」
アレクシア「『それ』って言うのは何なの?」
アルファ「『ディアボロス細胞』……私達はそう呼んでいる。
教団は、魔人の細胞を子供達に移植する実験をしていたのよ」
ネルソン「仕方がなかった。
魔人に対抗するには力が必要だったのだ」
アルファ「それが教団の言い分ね。
実際はどうであれ、オリヴィエが魔人の左腕を切り落としたのは事実よ」
アレクシア「お伽話じゃなかったっていうの?」
アルファ「どう思おうと、あなたの自由よ。
ここで見ている光景も、結局何処まで真実かはわからない。
記憶は時間と共に色褪せる。
本人の望んだ形に作り変えられる」
オリヴィエは成長し、美しい少女となった。
その顔はやはりアルファと似ている。
「ともあれ、ディアボロスの力を手に入れたオリヴィエは1つの任務が与えられた」
アレクシア「魔人の討伐よね……」
アルファ「お伽話ではそうなっているけれど。
本当の任務は新たなディアボロス細胞の搾取」
ネルソン「出鱈目を言う……!
ぐぁあ……!」
アルファ「彼女は力を得た後も従順だった。
きっとその先に人々が平和に暮らせる世界があると信じて……。
しかし教団の目的は違った」
アルファがそう言うと、世界が鏡が割れたかのように粉々に砕け散り、その後新たな世界が広がった。
そこは、幾多の死体が積み重なった戦場だった。
アレクシア達はアルファの後をついていく。
そして暫く歩くと、異形の塊があった。
ローズ「なんですかこれは……」
その異形の塊は、まるで巨大な腕だった。
黒く、太く、醜く肥大した化け物の腕だ。
鋭い爪が伸び、生々しい肉片がこびりついていた。
アルファ「ディアボロスの左腕よ」
ディアボロスの左腕は斬り落とされて尚、1つの生物のように生きていた。
そしてそれは不用意に近づいた者達を、左腕にあった骨で絶命させる。
「教団は古代の高度なアーティファクトによって、ディアボロスの左腕を封じ込んだ。
しかし封印は完全ではなく、やがて歪みが生じ聖域となる。
ま、それはまた別の話ね。
教団の目的はディアボロス細胞の驚異的な生命力だった。
その肉を切り刻み、血を抜き取って研究し、ディアボロス細胞の驚異的な生命力を得る為に……。
その過程で生まれたのがこれよ、ウルティオは『あるもの』の失敗作と言って、『ディアボロスの錠剤』と呼んでるけど」
アレクシア「それ……!」
アルファが懐から取り出した物。
それはゼノンも持っていた赤い錠剤だった。
アルファ「ウルティオの言う通り失敗作だったのか、これは副作用が強く、教団が真に求めるものではなかった」
アルファが瓶を落とすと、世界が割れ、またその光景も変わる。
その光景はまさしく研究室だった。
アレクシア「魔人の腕……!」
ローズ「これは遺跡!?なんて大きい……」
ネルソン「バッバカな!?
貴様!よりにもよってここを暴くつもりか!!
よせ、見るな!実験体の末裔如きが知っていいものではない!!」
アルファ「赤く輝くそれは、まるでディアボロスの血のようだったという。
それを口にすれば、莫大な力と老いることのない肉体を得る」
ローズ「不老不死……とでも言うのですか?」
アルファ「それが教団の真の目的……。
そこにいるネルソン司祭と、あそこにいる男、よく似ていると思わない?」
アレクシア「まさかっ!?」
アルファ「当事者の貴方なら、素敵な情報が得られそうね。
この薬の名は?」
ネルソン「うぅ……し、雫だぁ!『ディアボロスの雫』ぅ!」
アルファ「でもこの薬は2つの大きな欠点を抱えていた」
ローズ「欠点、ですか?」
アレクシア「それくらいなら見てて判ったわ。
過去のこいつには、髪がある、でも今のこいつには―――――」
ネルソン[chapter:「違うわ―――!!!]
違う!髪が抜けたのは、ストレスのせいだ!!
どうせ死なんからと、あのお方以外どいつもこいつも厄介事ばかり!
普段はいがみ合ってるくせにどうしてわしに後始末を押し付ける時だけは協力し合うのだ!あいつ等は!」
ローズ「・・・」
アレクシア「えっと……ごめんなさい」
アルファ「欠点のうちの一つは、ディアボロスの雫は定期的に摂取しないと効果を失うという事。
一年に一度といったところかしら?」
ネルソン「そ、その通りだ…」
アルファ「2つ目は、ごく少数しか生産出来ない、一年で?」
ネルソン「12適だ」
アルファ「そういえば、教団の最高幹部『ナイツ・オブ・ラウンズ』も12人だったわね、偶然かしら」
アレクシア(『ナイツ・オブ・ラウンズ』……!
確かゼノンが言ってた……)
アルファ「あなた達はディアボロスの雫を、未だ完全なすものにできていない。
完成のカギとみているのは、封印された魔人の体と英雄の子孫。
そう、私のような英雄の子孫の血を濃く受け継いでいる者。
そうよね?第11席殿?」
ネルソン「……クク……クックック……。
は、ははっ。
私の正体にたどり着くとは……それだけは褒めてやろう!
私が『強欲』のネr――――――――」
アレクシア「あ」
ネルソンが名乗り終える前に、彼はデルタによって背中から刺され、下に落とされた。
イプシロン「・・・デルタ、殺すのは情報全て引き出した後と言われていたでしょう?」
デルタ「( ゚д゚)ハッ!
す、すみませんアルファ様。
でもデルタはあいつは狩った方が良いと思ったのです!この前、山で岩イノシシを…」
アルファ「黙りなさい」
ワタワタとしていたデルタが、アルファの一言で丸くなる。
「それと、いつも言っているでしょう。」
デルタ「?」
アルファ「獲物を仕留めたかはちゃんと確認しなさい。
来るわよ」
アルファがそう言うと同時、世界が割れ始める。
ネルソン「ククク……クハハハハ!」
そして世界が割れ、辺りは白い光景となる。
「うはははは、聖域は我らの領域。教団に牙を向けた事を、その身で悔いるが良い!」
[newpage]
side アルファ
ネルソンが吠えながら、数多く増え続ける。
しかし、そのネルソン達はデルタに呆気なく倒されていく。
デルタ「弱っちいのです。
ウルティオ様の分身はもっと強いのです。
………?」
アレクシア(?分身……?)
アルファ(……そう言えば、デルタだけは魔力制御の訓練をまともにしてなかったわね)
デルタが違和感を感じて、それを確かめる。
その隙にネルソンの1人がデルタの背後を狙い斬りかかる。
デルタはそれを難なく爪で受け止めるが、やはり手で覆うスライムに違和感を覚える。
そして大剣を弾くと、後方に飛ぶ。
デルタ「……何かおかしいです」
アルファ「ウルティオに言われたでしょ。
聖域の中心に近づけば近づく程、魔力を奪われていくから、魔力制御の訓練は徹底しろって」
デルタ「……あ!そう言えばウルティオ様言ってたのです!」
アルファ「魔力制御の訓練はしていたけど、これ程聖域の魔力の吸収力が強いなんてね。
彼の情報を聞いて、魔力制御の訓練をしていなかったら、どうなっていたか」
ネルソン「くっ……やはり大して魔力を奪えないか。
やむを得ん、アレを使うしかあるまい、来いっ!」
アルファ「!?」
白い光景の一部がひび割れると、アルファ達の前に、4m程の甲殻類か蜘蛛型の、あるいはどちらかをベースにもう片方を移植したかのような、立ち方がカマキリのような黒い怪物が現れる。
十数本ある手足全てが、鎌のような形状をしている。
???『ォォォォオオオオオオ!!!』
アレクシア「なっ……何よこいつ……!?」
ローズ「ま、まるで大きい……昆虫……!?」
デルタ「おおー!!でっかい獲物なのです!」
アルファ「この魔力……まさかあなた!?」
ネルソン「教団が密かに開発した新たな実験体だ。
わしから聞こうとしても無駄な事よ、わしもこいつについては詳しくは知らんのでな。
まあ、仮にわしが知っていたとして、それを聞く前に……貴様らはここでおしまいだっっっ!」
デルタ「関係ないのです、でっかい獲物が1匹増えただけなのですっ!」
デルタがネルソンの分身から黒い怪物に的を変えると、あらかじめ魔力を込めていたスライムソードを持って黒い怪物に襲いかかる。
ところが、そのスライムソードは怪物の鎌状の手足に簡単に受け止められた。
アルファ「!?デルタのスライムソードを受け止めた……!?」
デルタ「こいつっ、こないだのヤツより堅いのです……!」
ネルソン「わしもいることを忘れたかな?」
デルタ「ツェェェェアァァァァァァア!!!」
ネルソン「!?」
ネルソンと黒い怪物が、デルタに波状攻撃を仕掛ける。
が、デルタのスライムソードが急激に大きくなり、彼女はそれを振り回してその波状攻撃を弾いた。
デルタ「まずはお前達から倒すのですっ!」
デルタがさらに魔力を放ち、『鉄塊』と化したスライムソードを軽々と振り回し続ける。
聖域によって生み出されたネルソンの分身が次々とやられていく。
黒い怪物も攻めに転じるが、デルタの『鉄塊』の振り回し連続攻撃に中々その鎌の刃は届かなかった。
しかしネルソンの分身は次々増えていく、このままでは埒が明かない。
???『グゴゴゴゴゴゴゴゴ………』
アルファ「!?
デルタ!避けてっ!」
デルタ「へ?」
黒い怪物の、鎌状の手足が青い光を放ち、そのうち3本の右側の鎌状の手足がデルタを襲う。
ネルソンの大群を鉄塊で薙ぎ倒し、振り回した直後のデルタを狙っての攻撃。
「っ………!」
デルタは避けるも、1番先にある鎌の一撃をカスった。
というのも、鉄塊の振り回し直後に襲ってきた為に、回避が間に合わなかった故である。
ただ、鉄塊をもう一度振り回さずに回避を選んだのは正解だった、何故なら鎌の振るわれる速度が先程より速い。
それはデルタの鉄塊を振るう速度よりもだ。
もし、鉄塊を振るっていたら、怪物は倒せるものの、スライムスーツがかなり崩れてきてるデルタも深傷を追っていた可能性があるかもしれないからだ。
「こいつ、少しはやるのです。
お前達、弱っちい癖に邪魔なのです!」
アルファ(イプシロン達が聖域にある情報を集めるにはまだ時間がかかる……。
ネルソンは人海戦術でデルタの動きの阻害に特化してきてる。
あの怪物、学園を襲撃してきた怪物とは別物……どういうわけかウルティオと同じ魔力を持ってるから、その実力は未知数……。
このまま行くとデルタが相手のペースに飲まれて、少し厄介かしら、なら……)
「デルタ、貴方はあの怪物に集中して、こっちは私がやるわ」
デルタ「わかったのですアルファ様!」
ネルソン「くっ……!?」
(あのエルフまで参戦するか……!?)
デルタが相手のペースに乗せられ、万が一の事態になる事を避けるべく、アルファはネルソンの大群の相手を引き受けた。
アルファも参戦した事で、ネルソンに焦りが生じる。
デルタのスライムスーツはほぼほぼ崩れてる、しかしアルファのスライムスーツは全く崩れていない。
それは即ち、アルファに対しては聖域の魔力阻害、吸収機能が殆ど効いていないと言う事。
そんな彼女が参戦してしまったら、如何に聖域があれど、こちらがやられるリスクが出てくる。
アルファ「安心しなさい、デルタとあの怪物の一対一の邪魔をさせないだけよ」
そう言ってアルファは素早く動いて、スライムソードでネルソンの大群を一瞬で片付ける。
ネルソン「くっ……!これだけの分身がこうも簡単に……!?」
アルファ「デルタも言ってたでしょ?
分身なら、ウルティオの方が強いと。
ラウンズと言っても、貴方は所詮ただの科学者、はっきり言って聖域が無ければ『ナンバーズ』1人で充分」
アレクシア「……アルファの方は流石、シャドウの仲間といったところなんだけど……。
あっちのデルタって奴はシャドウの仲間かどうか怪しいところね…」
ローズ「確かに……あちらの方の剣は綺麗なのに対し、向こうの獣人の方は……」
アレクシア「もうただの暴力ね」
アレクシアとローズは、アルファとデルタの2人の戦いを見ながら、語るのであった。
そして少しすると、またも世界が割れた。
side デルタ
アルファがネルソンの大群の相手を引き受けた事で、デルタは黒い怪物と一対一の戦いに入る。
崩れたスライムで、最低限の部分だけを覆って、戦闘を再開するデルタ。
デルタが真っ向から攻めるも、昆虫型の怪物は鎌を剥き出して横に二回、回転する。
それによってデルタは弾き、吹っ飛ばされる。
直後、昆虫型の怪物が勢いよく身体をその場で縦回転し、その勢いでデルタに飛びかかるが、デルタは軽々と回避。
直後、デルタは爪で攻撃を入れる。
しかし、怪物にダメージはなかった。
???『グガガガガ………』
デルタ「硬いのですこいつっ!
しかもすばしっこい!久しぶりに強い獲物なのですっ!」
全くダメージを与えられない中でも、デルタは興奮していた。
シャドウガーデンという身内以外で、数少ない強敵と戦える高揚感からだろう。
実際、これまで会った教団を筆頭とした敵は弱いか、シャドウかウルティオ、アルファ等が先に倒してしまうかで、デルタがガーデンに入ってから、シャドウガーデン以外の強敵と戦えた経験はそこまでなかった。
彼女の攻撃がなかなか通じず、ネルソンの妨害こそあれど自分に傷を与える程の相手。
しかも、ゼータやイータのように、目の前の獲物はそこまで回りくどい絡め手を使うわけでもない。
そう、デルタにとってはここ暫く出てこなかった、彼女にとって相性良き強そうな獲物なのである。
強そうな獲物の狩りを楽しんでいたデルタだったが、戦いの途中、怪物の中心にある赤黒く、光る球体の玉を見つけた。
「んーー?あれはなんなのです?」
???『グゴゴゴゴゴ…………』
デルタ「もしかして、あっちだけ弱っちいです?
でも小さくて狙いづらい……そうだっ!」
デルタは怪物の中心にある、赤黒い玉を狙う事にした。
そしてデルタは、目の前の怪物の動きを少し思い出していた。
怪物が一旦身体を縦回転し、その勢いで飛びかかった時、身体の中心にある赤黒い玉が剥き出しだった。
つまり……。
「またぐるぐるってまわって飛んできた時がチャンスなのですっ!」
飛びかかった時こそ、攻めるチャンスだとデルタは思った。
どう攻めるかを決めた直後、昆虫型の怪物が身体をその場で縦回転し、またデルタに飛びかかる。
そして待ってましたと言わんばかりに、デルタも飛ぶ。
そして――――――――
「グルルルルァァアアアアア!!!」
デルタの爪が、赤黒い玉にぶつかる。
赤黒い玉に傷こそ付かなかったが、その直後、昆虫型の怪物はふっ飛ばされたかのように後ろに飛んで、仰向けになった。
昆虫型の怪物は隙だらけ、千載一遇のチャンス。
「デルタの勝ちなのですっ!」
デルタが仰向けになった怪物に飛びかかる。
だが馬乗りしようとする前に、怪物はまた身体をその場で縦回転。
それに巻き込まれてデルタは傷を負いながらもその場から離脱する。
そして怪物はその場でしばらく縦回転し続ける。
デルタが態勢を立て直した直後だった。
「ぐるぐる回ってこっち来たのですっ!?」
なんと昆虫型の怪物が縦回転したままデルタに向かって来たのであった。
鎌状の手足と、丸めの甲殻を上手く使って転がってきている。
それは某忍者漫画のキャラの1人の技である肉◯戦車の如くである。
流石に怪物の身体の硬さと、縦回転した時に吹き飛ばされたた為、彼女には似合わない学習をしたのか、その身体の硬さ故にデルタも距離を取り続ける。
「あんな硬い身体で回り続けるなんてひきょーなのですっ!
どうやってあいつを狩れば…………………。
!ひらめいたのです!」
デルタはとある日の事を思い出していた。
―――――――――――――
それはシャドウとウルティオが魔剣士学園にシドとレベリオとして入学する少し前の事。
シャドウがウルティオと七陰を招集していた日……。
シャドウ「野球がしたい」
ウルティオ「ブフッ!?」
アルファ「野球……?」
ベータ「それはなんなのですか!?シャドウ様っ!?」
ウルティオ「ちょっ、ちょっと……待てっ!?
シャドウ、なんで野球!?」
シャドウ「いやー、もうすぐ僕とウルティオは魔剣士学園に入学になるから、その分皆との時間も限られちゃうなと思って。
それで、僕とウルティオと七陰の皆で丁度9人だから、ここは1つ、皆でやれる競技として野球ってなったんだけど」
ウルティオ「………それはいいんだがなシャドウ。
相手チーム9人分はどう用意するんだ?」
シャドウ「あー……それがあったか。
まあそこはウルティオが分身でなんとか……」
ウルティオ「いやいやいやいや、流石に10人に分身するのは無理だわっ!?
大体相手チーム俺9人の何処が面白いんだよっ!?」
シャドウ「んー、それもそっか」
ガンマ「その……野球というのがなんなのかはわかりませんが……。
主様、人数ならばシャドウガーデンで手隙の者を何人か用意出来ます」
イプシロン「本日休暇の構成員もそこそこいますから、人数は大丈夫ですね」
シャドウ「え、そうなの?」
ゼータ「あとは、その野球という競技がどんなものか、かな」
イータ「……ルールを知らなければ、なんとやら……」
デルタ「勝負なのです?デルタが勝つのですっ!」
そして野球の説明やら参加者やらチーム編成やらなんやかんやする事数時間。
9回裏、ツーアウト、ツーストライク満塁、2-1、ウルティオチームバッター、4番、ライト、デルタ。
「デルタの番なのですっ!」
シャドウ「フッ、何度やっても同じだ。
デルタよ、我が魔球の塵となるがいい」
ウルティオ(3塁にいる)
(これは負けか……?アルファとガンマが何とかヒットしてくれたけど、デルタはまだ1度もヒットがなく、しかも殆ど三振だ……大番狂わせを期待したい所だが、ツーストライク……もう後がねぇ)
アルファ(2塁にいる)
(シャドウのあの魔球は凄いけど……もうデルタに託すしかないわね)
ガンマ(1塁にいる)
(私が主様の魔球を打てたなんて正直奇跡……。
デルタもこれまでヒット……が1度もない、これまででしょうか……?)
559番(シャドウチームのファースト担当だったが、8回裏の途中からシャドウチームのキャッチャー担当になった)
「嗚呼、シャドウ様のボールが、私のグローブに何度も……♡」
ベータ&イプシロン
「・・・」
※二人共1回裏〜8回裏の途中まで、交代交代でシャドウチームのキャッチャーをしていたが、力尽きてベンチで気絶
ゼータ(ウルティオチームのショート担当、ちなみに9回裏で打席の出番なし)
「なんにしても、もうワンちゃんしかいないね」
それぞれの思惑が入り、シャドウがボールを投げる構えに入る。
そして………。
シャドウ「『アイ……アム……アトミック・チェンジアップ』」
シャドウのアトミック魔球シリーズの1つ、『アイ・アム・アトミック・チェンジアップ』がデルタを襲う。
「でやぁァァァァァァあ!!!」
シャドウ「!?」
カキィィィィィイ!!!
なんと、これまでシャドウの魔球をファール以外で打てなかったデルタが、鉄塊スライムバットで打った。
それもかなり大きい。
アルファ「やったわ!デルタ!」
ガンマ「ファールじゃありません!」
ウルティオ「マジか!?
このまま大番狂わせが来るか――――――」
イータ(シャドウチームのライト担当)
「えい」
ウルティオ&アルファ&ガンマ
「「「あ」」」
これで逆転勝ちと思ったのもつかの間。
イータがスライムグローブを伸ばして、デルタが打ったフライを取ってしまった。
イータ「vv」
ラムダ(審判)
「あ……アウトっ!!!ゲームセット!!!
シャドウチームの勝ちですっっっっ!!!」
―――――――――――――――――
デルタ「アイツが来た時に、これでかっ飛ばすのですっ!」
デルタが再び『鉄塊』を持ち、それを野球のバットのような形状に変形、魔力を思いっきり籠める。
昆虫型の怪物がぐるぐると縦回転してデルタに接近する。
そしてデルタは、『鉄塊』を、まるでバットを振るうように、タイミングを見計らって振り回した。
昆虫型の怪物の赤黒い玉にクリーンヒット、昆虫型の怪物はふっ飛ばされる。
「今度こそちゃんと仕留めるのですっ!」
そしてトドメを刺すようにデルタは『鉄塊』をバット形状から剣に戻して縦に振り回し、怪物を一刀両断したのだった。
「はぁ…はぁ…なかなか強かったのです。
でもデルタの勝ちなのですっ!」
多少の傷は負ったが、怪物との勝負はデルタが勝利した。
side アルファ
ネルソン「くっ……!?」
アルファ「頼みの綱の怪物も、デルタがやったようね」
(とはいえ、あのデルタが所々傷だらけ……傷は深くは無さそうだけど、魔力も結構使って吸われたと考えると、もう一度あの怪物と戦ったら深傷を負うリスクはあるかしら)
ネルソン「くっ!まだだっ!来いっ!オリヴィエっ!」
昆虫型の怪物がデルタに一刀両断されたのを見たネルソンは、オリヴィエを呼び出した。
現れた彼女は、ネルソンを護るように、彼の前に立つ。
その目は何も映さず、生気を感じさせない。
アルファ「英雄オリヴィエ……やはり、貴方は」
アルファが呟いたと同時だった。
ネルソン「…!?
馬鹿なっ……!?こ、これはっ……!?」
真っ白で広大な空間が、赤黒く染まる。
激しい警告音が鳴り響き、赤黒く染まった空間の色が、徐々に黒に染まりつつあった。
この状況に、ネルソンのみ驚いていた。
アルファ(この魔力……ウルティオね)
ネルソン「あり得ぬっ………!?
この魔力は、あのお方だけが持つ魔力の筈!
何故聖域がかの魔力を吸収しているっ!?」
アルファ(あのお方……?)
ネルソン「しかも聖域の中心からではないかっ!?ではこやつらは――――――」
イプシロン「アルファ様!調査が終わりました!」
警報が鳴り響く中、調査をしていたイプシロンが現れる。
彼女の隣に出口が出現し、彼女と一緒に調査していたであろうSG構成員達が退出していった。
アルファ「そう。
……後は彼がやってくれるわね。もう聖域の、それも中心に入ったみたい」
アレクシア「か、彼って……まさかウルティオ?」
アルファ「そうよ。
私達は、言わば陽動みたいなものね。
彼の目的は私達、そして教団の連中には考えられない事をする為」
ローズ(これだけ強い彼女達ですら、陽動に過ぎないだなんて……)
アルファ「そろそろ撤収するわよ」
踵を返すアルファに、ネルソンが声を荒げる。
ネルソン「ま、待て!まさかこのまま逃げるつもりか!?」
アルファ「逆に聞くけれど、まだ私達の相手をしてくれるの?『強欲』のネルソン」
ネルソン「うぐっ……」
ネルソンは一方的にやられ、しかも自身が差し向けた昆虫型の怪物もやられた事を思い出して、言葉に詰まる。
昆虫型の怪物をヤッたデルタに聖域の機能を集中させて、致死量の魔力を吸収しようにも、出口がすぐ近くにある為にすぐに脱出されてしまう。
聖域の魔力阻害、吸収機能が殆ど効かないアルファ達相手に、自身とオリヴィエではとても勝ち目がない。
そしてネルソンの強みは所詮、聖域あってこそ。
聖域を出たアルファ達を追った所で、無様に死ぬのがオチである。
なんならウルティオが待ち構えてるので、追うのは絶対あり得ない。
アルファ「それに、私達に構ってる場合ではないんじゃないかしら。
このままだと、貴方も含めてこの聖域は終わりよ」
ネルソン「何っ……!?」
アルファはその言葉を最後に、聖域から全員を連れて脱出―――――
しようとした直後だった。
イプシロン「!アルファ様っ!」
アルファ「!」
デルタが倒した筈の昆虫型の怪物が、2体同時に襲いかかってきた。
イプシロンの声掛けでアルファは反応し、彼女はイプシロンと一緒になって魔力の斬撃を飛ばし、なんとか落とす。
その昆虫型の怪物は、先程デルタが相手をしたものより大きさは半分程度しかない。
しかも、カマキリのような立ち方だった先程の姿勢と違い、鎌状の手足が全て地面についている。
もはや完全に蜘蛛だ。
デルタ「あっ!こいつっ!?さっきデルタが真っ二つにして倒した筈なのですっ!?」
アルファ「だから言ったでしょデルタ。
獲物はちゃんと仕留めたかどうか確認しなさいって」
デルタ「でもアルファ様っ!普通真っ二つになったら死ぬ筈なのですっ!」
アルファ「それはあくまでも人型ならの話よ。
相手は人じゃないんだから。
デルタ、貴方は先に脱出しなさい」
デルタ「どうしてなのですっ!?デルタ、まだ戦えるのですっ!
今度こそあいつをやっつけるのですっ!」
アルファ「デルタ、あなた相当魔力を使ったでしょう?
戦ってる隙に、ここで死ぬくらい魔力を吸われたら終わりよ。
だから引きなさい。
今すぐ」
デルタ「はいなのです……」(´・ω・`)
アレクシア「ローズ先輩、先に脱出してください」
ローズ「何故ですか?アレクシアさんも早く……」
アレクシア「ちょっと気になる事があるので。
彼女達の戦いを見たら……今まで疑問に思っていた事の1つが、わかるかもしれません」
ナツメ「何を言ってるんですか〜?早くこんな物騒な所からお逃げ――――――」
ローズ「ナツメ先生!申し訳ありませんが、サインして欲しい先生の本がまだまだあって―――――」
ナツメ「えっ、ちょっ……!?ひゃあぁっ!?」
アレクシア(ローズ先輩、ありがとう)
ローズ(アレクシアさん、お気をつけて)
『今すぐ』の部分を強めに、かつ睨まれて言われたデルタは(´・ω・`)として、聖域から脱出した。
ローズも、残ろうとするアレクシアを止めようとするナツメを無理やり連れて脱出し、アレクシアはある疑問を晴らすべく、アルファとイプシロンの戦いを見届けるべく、その場に残った。
そして残ったアルファとイプシロンが、2体の怪物と対峙する。
ちなみに、いつの間にか離脱していたネルソンに視点を変更すると………。
ネルソン「やられたと思った怪物がまだ生きて、しかも2体になったならまだ捕まえるチャンスはある……。
仮に完全にやられたとしても、アルファとやらの顔は覚えた。
奴の血があれば雫も完成に近づくだろう。
奴等への言い訳は、そうだな、聖域に誘い出し、罠にはめ、正体を暴いたとでもすれば良いだろう。
それよりも、一刻も早く中心にいかねば!
ええい……!」
(あり得ぬ……!あのお方と同じ魔力を持つなど……!一体何者なのだ……!?)
オリヴィエを連れて、早急に聖域の中心に向かっていた。
そしてアルファ側の視点に戻る。
大きさだけを見れば先程デルタが相手にしていた時の半分くらいだが、そのスペックは健在だろう。
アルファ「この2体を退けないと脱出は無理ね。
イプシロン、ここは2人で―――――」
イプシロン「いえ、アルファ様。
ここは私にお任せください」
アルファ「でも……」
イプシロン「私も、『七陰』の1人なんです。
それに、ウルティオ様に助けられたままというわけにはいきません」
アルファ「……判ったわ」
嘆願するイプシロンに2体の怪物の相手を任せたアルファは、出口の直ぐ側に行く。
イプシロン1人で、怪物と向き合う。
イプシロン(聖域の中とはいえ、デルタでも仕留めきれない怪物……。
ここは、私も壁を乗り越えるチャンス……!
所謂付け焼き刃ですが……これが今の私が出せる最高の技……!
シャドウ様、ウルティオ様、お二人の技を、使わせて頂きます……!)
「『魔力……分身』っ!」
アルファ&アレクシア
「「!?」」
イプシロンが魔力を籠めて、右手の3本指を左手で握る。
すると、イプシロンが3人に分身し、分身した2人で怪物と交戦を開始した。
その様子を見てアルファとアレクシアは驚愕する。
アレクシア「さ、3人に……増えた……!?」
アルファ「あれは……ウルティオの……」
アレクシア「!?」
分身のイプシロンが怪物と交戦してる最中、本体のイプシロンがその間に入る。
そして彼女はスライムソードを持ち、魔力を凝縮する。
自らが主と慕う者と比べれば、まだ不完全、魔力の極線は短く、魔力の凝縮も不足している。
だが……彼女は彼女なりに、それを扱おうとしていた。
「あの構えは……!」
アルファ「イプシロン、まさか――――」
イプシロン「『アイ……アム……――――――
アトミックッ!!!』」
瞬間。
イプシロンが剣を振り下ろしたと同時、彼女を中心に彼女と同じ魔力の色の爆発が発生。
これによって、彼女は自身の分身もろとも2体の怪物を蒸発させた。
自身の主、あるいはウルティオであれば一撃で『聖域』を破壊出来たであろう。
だが、魔力阻害と吸収の対策も同時にしていた故か、彼女のアトミックはシャドウの『アイ・アム・アトミックもどき』より少し強い程度の威力しか発揮しなかった。
それでも、2体の怪物を消すには充分だった。
「ふぅ………や、やった……」
アルファ(まさか……シャドウとウルティオの技、両方を使えるようになるなんてね………。
聖域の対策と同時とはいえ、デルタが相手にしていた怪物を蒸発出来るなんて……強くなったわね、イプシロン。
でもおかしいわね?シャドウのアトミックは兎も角として、なんでウルティオの『魔力分身』を使えるのかしら??
私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに
私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに私は教わってないのに―――――――――――――)
「ふふふふふふ…………」(ハイライトオフ)
アレクシア(なんか急に怖くなったわね。
………それよりも、あの女が使った、『魔力分身』……そしてアルファが言っていた言葉からして……。
・・・状況証拠だけしかないけど、これは決まりね、間違いないわ、ウルティオの正体は……)
アルファ「ねぇイプシロン?」ニッコリ
イプシロン「っ!?な、なんでしょうか?アルファさm―――――イタタタタタタッ!?」
アルファがガシッと、イプシロンの肩を強く握る。
それはもう凄い音凄い音。
アルファ「よくやったわ、と言いたい所だけど……シャドウのアトミックは兎も角、なんであなたがウルティオの『魔力分身』を使えるの?」
イプシロン「そ、それはっ……魔力制御の訓練の過程でウルティオ様に教わって………アタタタタタッ!?痛いですっ!?アルファ様っ!?」
アルファ「そう………。
私には教えてくれなかったのに……。
ウルティオとは後でOHANASHIするとして……イプシロン、後で詳しくOHANASHIしましょう」
イプシロン「あわわわわわ………」
(ななな、なんでアルファ様は怒っていらっしゃるの!?
というか、ウルティオ様って、私にしか『魔力分身』を教えてない……!?)
side レベリオ
一方、アルファが聖域の記憶を暴いている頃、レベリオ達は暗闇の中を彷徨っていた。
そして……。
アウロラ「・・・貴方は幼女が好きだったの?」
レベリオ「何故そうなる」
シド「いやいやいや、いくら次に行く為だからって、幼い子に口づけしたらそれはもうロリコン認定されちゃうって」
レベリオ「違うから」
アウロラ「その割には、凄く熱い口づけだったわね?」
レベリオ「……武力以外でどうにか出来ればって思ったらこれしかなかっただけの話だ」
アウロラ「ふ〜ん……?」ジー
レベリオ(なんでめっちゃ見るんだよ)
レベリオはアウロラから幼女好きかどうかと言われていた。
というのも、アウロラが拘束されていた空間から出た次の記憶の世界にて、何処か彼女に面影のある少女を発見、アウロラが少女を引っ叩こうとしたところをレベリオが止め、彼が少女に口づけしたからである。
結果、その世界が割れたのだが、アウロラからロリコン疑惑をかけられてしまったのだ。
否定はしたものの、彼女からじっくりと見られる事に成ってしまったのである。
いや、それよりも、アニメで見て判っていたことだが、ツッコみたい事がある。
「ていうかさ………お前らの方こそ何やってんだよ」
俺の目の前には、何故か真っ逆さまになっているシドが、アウロラの影の如く歩いている光景が見えていた。
………なんか俺だけハブられた感が凄い気がする。
アウロラ「私は何もしてないわ。
彼が遊んでるだけよ」
シド「いやここ、上下の感覚がないなって」
レベリオ「(´Д`)ハァ…。
一応聞くが、横の感覚はあるのか?」
シド「それはある」
アウロラ「………どちらにしても、覗かないでね」
シド「覗かないよ」
そして暫くすると光が包まれ、何処ぞの戦場らしき記憶の世界に来た。
するとシドが落っこちてアウロラの下敷きになる。
「うわぁっ!
ぐへぇっ!
………重い」
アウロラ「気の所為でしょう」
レベリオ&アウロラ
「「遊んでいるから(だ)(よ)、全く……」」
レベリオ&アウロラ「「…………」」|_゚)チラッ
言葉がハモった俺とアウロラはその場で見つめ合う。
いや、実際シドが遊んでいた結果なのだから、俺は正論を言っただけなのだが。
………ん?あれ?もしかして俺原作のアウロラと同じセリフ言ったか?
流石にそこまで細かいところは覚えてないんだが……?
アウロラ「もしかして、貴方は私の思っていた事がわかるのかしら?」
レベリオ「いやいや、思った事を口にしたら偶然被った、それだけの話だろ」
アウロラ「だとしたら凄い偶然ね。
それとも……運命って言ったほうが貴方は喜ぶのかしら」
レベリオ「……そう言われると逆に返答に困るんだが……」
シド「あのー……僕を蚊帳の外にしてるところ悪いんだけど。
見つけたよ、また」
レベリオ「ん?ああ……」
アウロラ「またするの?」
レベリオ「その前に……やる事がある。
邪魔をする奴等の殲滅だ」
俺がそう告げた直後、まるで奇襲を読まれてやむを得ず動くしかないと言わんばかりに、兵士の死体が多数動き出す。
それらはあっという間に、レベリオ、シド、アウロラの3人を囲んだ。
アウロラ「厄介ね………」
レベリオ「聖域に拒まれている、か……」
アウロラ「聖域に拒まれている」
レベリオ&アウロラ「「・・・」」
シド(見事にまたハモったね、レベリオとヴァイオレットさん。
やっぱり、ちょっと似てるからかな……?)
「僕らはウイルスで、アンチウイルスソフトに引っかかった感じか」
アウロラ「よくわからない例えね」
レベリオ「なら俺達は病気の元で、奴等はそれを滅する為の存在……という例えならわかるか?」
アウロラ「わかりやすい例えね」
シド「ちなみに、君はここで死ぬとどうなるの?」
アウロラ「始めの部屋に戻されるでしょうね」
レベリオ「さっきの拘束された状態で、か。
手間がかかるから、さっさとやる事済ませよう」
アウロラ「……やっぱり幼女好きなのね」
レベリオ「違うっつの」
シド「あ、ちなみにヴァイオレットさんは剣は使えるの?」
アウロラ「使えない事もないわ。
……ところで、あれは何?」
レベリオ「そらよっと」
シドがアウロラに剣を使えるかの会話をしていた頃、俺は鞭状にした『液体金属』で兵士の死体、もといゾンビを纏めて引っ叩いていた。
ただでさえ元が金属な上に、強烈な力で引っ叩かれたゾンビ達は身体がバラバラになる。
シド「あ、懐かしいね、『液体金属』」
アウロラ「『液体金属』?」
シド「うん、レベリオはね、昔から魔力の修行をメインに、対魔力阻害、吸収、封印等……対魔力対策寄りに、汎ゆる修行やああいう武器を作ってたからね。
その内の1つが今レベリオが使っている『液体金属』だね。
魔力使わなくても、ああやって鞭のように使えるんだ」
アウロラ「便利な武器ね」
レベリオ「ならアウロラさんが使ってみるか?
俺はこれで充分だしな」
俺はアウロラに『液体金属』を投げ渡し、右手に魔力を扱った黒い炎を出す。
アウロラは受け取った『液体金属』を汎ゆる形にして弄る。
そして最終的に彼女に合った武器なのか、大鎌に変化し、ゾンビ達を纏めて両断していった。
アウロラ「これは使いやすそうね。
しかも軽い……」
レベリオ「ならあげるよ。
別に作り方は知ってるからまた作ればいいし」
アウロラ「貰っても意味ないわ、だって私は……」
レベリオ「『記憶』だから、ここの魔力の核を消したら自分も消えるから、か?」
アウロラ「……!」
その言葉に、アウロラは驚きを隠せなかった。
彼女は自分がざっくり覚えてる限りでは千年以上は生きている。
しかし、目の前の20にも満たない人間が何故、そこまで自身の事を知っているか、ということで彼女は驚いている。
「……ねぇ、貴方は彼らの仲間じゃないのよね?」
レベリオ「寧ろその逆だな。
俺はあのあくどい奴等から、可愛いお姫様を誘拐する為にここに来た」
アウロラ「貴方の言うお姫様が、実は既に醜い姿になっていたとしても?」
レベリオ「それすらどうとでもなる。
まぁ……口で言っても信用は出来ないだろうが、今はその目でしっかり見てくれ、としか言えない」
アウロラ「そうね、貴方が私をここから、どうやって連れ出すのか、興味があるもの」
レベリオ「フッ……きっと驚くぞ……?」
シド(ヒョロとジャガが見たら、「リア充爆発しろ」って言いそうな光景だな〜。
そう言えば、ここの魔力の核を破壊したら、ヴァイオレットさんが消えるとか言ってたけど……そんな状況でレベリオはどうやって彼女を連れ出すのかな。
気になるなぁ、もし連れ出せれたら……僕もヴァイオレットさんと戦えるかな?
うん、そうなったら僕も嬉しいな)
レベリオ「よし、大体片付いたな、今だ――――――」
そして大半のゾンビを片付け、俺は記憶の世界にいるロリアウロラの唇にに口づけをしたのであった。
後ろから「やっぱり幼女好きなのかしら……?」と声が聞こえた気がしたが、違うので気にしない気にしない。
それとも、あくまでも自分だとは言わないのだろうか。
そして世界が割れると、聖域の中心にたどり着く。
うーん、しっかりとアニメでも見た、多数の鎖に阻まれた扉の前に、聖剣らしき物がある。
聖剣はどーでもいいとして、あの扉の奥に『ディアボロスの左腕』があるわけだな。
シド「あれって……」
アウロラ「そう、中心よ」
レベリオ「鎖で封印した扉の前に剣……もしかして、あれを使わないと扉をどうこう出来ない感じか」
アウロラ「その通りね、台座の方にこの剣なら鎖は斬れるって書いてあるわ」
シド「!
………でも、多分その剣は僕には抜けないと思う」
アウロラ「えっ?」
そうしてシドが台座に刺さっている剣を抜こうとする。
が、シドのゴリラマツイパワーを持ってしても剣はびくともしなかった。
おかしいなぁ、原作よりスペックは上がってる筈だから、抜けると思ったのになぁw
※確信犯
まぁ、テンプレ通りにやるのが楽しいんだろうなぁw
でもぶっちゃけた話、仮に抜けても本当に、何かこう特殊な力はあるんだろうか?あの聖剣?
シド「やっぱり。
これは、選ばれし者にしか抜けない剣だ」
アウロラ「なんですって……!?」
レベリオ「別に驚く事じゃないだろ。
何処ぞの英雄の子孫が使った剣………それ以外の者は使えなくても不思議じゃない」
アウロラ「貴方も……これが読めるの?」
レベリオ(まあ、シドは何処ぞのテンプレで言ってみただけで、俺は原作アニメで見て知ってるだけなんだけど)
「……まあな」
シド(絶対テンプレ通りだと思って、まあなって言ったでしょ)
レベリオ「……聖剣が抜けない以上、やはり魔力を使うしかないな……。
………『ドゥームズ・デイ』」
俺は扉目掛けて『ドゥームズ・デイ』を放ち、扉も、そしてその鎖をも吸い込んでいった。
最初にシドと戦った時よりも速度は大きく上昇してる。
そして消えた扉の先には、巨大な左腕があった。
『ディアボロスの左腕』だ。
アウロラ「・・・」ポカーン
シド(うん、まあそうなるよね。
それよりも……)
レベリオ(扉と鎖如きなら、普通の『ドゥームズ・デイ』で充分だ)
シド(前よりも吸引速度が上がってるね。
しかも、こっちが全く吸い込まれる感じはしなかった。
………って、あれ?)
「何これ……腕?」
アウロラ「……これが聖域の魔力の核なのよ」
シド「これが?随分変わった形の核だね」
レベリオ「…………」
アウロラ「後はこれを破壊すればこの聖域は消えてなくなるけど、そうすれば私も消える……」
レベリオ「そうならないようにする為にここに来た。
後は俺の腕の見せどころ、と言いたいが……その前に招かねざる客が来てしまったようだ」
シド「客は寧ろ僕達のh」
???「何をしておるのだぁぁぁぁぁぁあ!!?」
俺達の前に、うるっさいハゲソンと、聖域によって生み出されたオリヴィエが現れた。
――――――――――――――――――――――――――――――
オマケ
もしイプシロンの調査完了が遅かったら……?
それでは怪物が2体に分裂したところから。
ネルソン「おお…!2体に分裂して復活したか…!」
デルタ「あっ!こいつっ!?さっきデルタが真っ二つにして倒した筈なのですっ!?」
アルファ「だから言ったでしょデルタ。
獲物はちゃんと仕留めたかどうか確認しなさいって」
デルタ「でもアルファ様っ!普通真っ二つになったら死ぬ筈なのですっ!」
アルファ「それはあくまでも人型ならの話よ。
相手は人じゃないんだから。
(イプシロンはまだ調査中かしら。
となると、デルタにはもう少し頑張ってもらうしかないわね)
デルタ、まだ戦える?」
デルタ「勿論なのです!」
アルファ「そう、なら今度こそ仕留めなさい。
こっちは私が相手するから」
デルタ「ハイなのです!」
デルタは再び戦闘態勢に入る。
直後、2体の蜘蛛怪物の口から素早く糸が吐き出された。
先程まではこういった攻撃をしてこなかった為に、予想外の攻撃が来たデルタは動いた直後、その糸に絡め取られてしまう。
爪で引き裂こうにも、糸を完全には引き裂けない。
まさに転◯ラの『粘鋼糸』の如きである。
「ぐっ!?コイツ!?さっきはやってこなかったのに…!?」
アルファ「デルタッ…!?」
ネルソン「むはははっ!余所見をしている場合かな?」
アルファ「くっ!」
デルタに気を取られたアルファに、オリヴィエが襲いかかる。
辛うじてオリヴィエの剣を受け止めるアルファだが、ネルソン軍団もいる、これではデルタの援護に行けない。
一方、怪物の糸に身体を絡め取られたデルタは必死に爪で糸を引き裂いていく。
しかし、2体の怪物蜘蛛が大人しく待つわけがない。
2体の怪物蜘蛛が、鎌状の手足を黒く纏わせ、デルタに襲いかかる。
デルタ「グガァッ……!!」
怪物蜘蛛の鎌がデルタの身体を深く斬り、突き刺す。
普段ならこんな攻撃、デルタなら避けたり攻撃で逆に潰したりだ。
ところが中々引き裂けない糸によって身体を絡め取られ、そこからさらに、聖域による魔力吸収。
デルタ以外に聖域の機能が全く通じないネルソンが、デルタに集中して魔力を吸収した結果、もうデルタには『鉄塊』を出せる程の魔力は残ってない。
ようやく糸を完全に引き裂けると思いきや……。
2体の蜘蛛怪物がまた糸を吐き出し、デルタの身体を絡め取る。
そして鎌状の手足で突き刺すの繰り返し。
デルタはまさに袋叩きにされている、流血もそこそこだ、このまま長引くと命に関わる。
「アゥ……ウゥ……」
アレクシア「さ、流石にマズイんじゃ……?」
ローズ「ええ、このままでは……」
ネルソン「むははははっ!
お仲間の獣人がそろそろあの世に行きそうだが、どうするかね?」
アルファ「………しに……」
ネルソン「む?」
アルファ「……調子に乗らないで……!」
ネルソン「むぉっ!?」
アルファから放たれた静かな怒気、そして魔力。
彼女のスライムソードから、高濃度の魔力が籠められていた。
その様子を見たネルソンが怯む。
そしてアルファが低い声でローズとアレクシアに話しかける。
アルファ「王女様達。
死にたく無かったら、しゃがんでいなさい」
アレクシア「!?」
ローズ「……っ!?」
ネルソン「なんという魔力……!?」
アルファの言葉に命の危険を感じたアレクシアとローズは何も言い返す事無く、彼女の指示に従った。
ちなみにナツメに扮しているベータは当然しゃがんでいる。
そしてアルファが、思い切り魔力を籠めたスライムソードを振るう。
アルファ「『アイ・アム……
アトミック・ソード』……!」
刹那。
アルファが振るったスライムソードが、オリヴィエも、2体の怪物蜘蛛を一閃。
ネルソン軍団も、オリヴィエも、怪物蜘蛛も核の一閃を喰らい消滅した。
そしてアルファはデルタの元へ駆けつけ、彼女の身体を絡め取っていた糸を斬っていく。
そして彼女を抱き締めた。
「デルタッ!」
デルタ「ウゥ……ア、アルファ……様……」
アルファ「もう大丈夫よ。
……よく頑張ったわ……」
デルタ「うっ……ごめんなさい、なのです……。
デルタがちゃんと……アイツを仕留めて、無かったから……」
アルファ「……良いのよ……。
今度から、気を付けてくれれば……」
イプシロン「アルファ様!調査が終わ……で、デルタっ!?」
そして聖域の調査を終えたイプシロンが駆けつけてきた。
彼女は目の前の光景に驚いていた。
それもそうだろう、七陰中でも身体能力に優れているあのデルタがズタボロになっているのだから。
イプシロンの記憶の中でも、敵陣への攻め込みで、デルタがこんなに重症を負うなんて始めて見る。
アルファ「イプシロン!急いでデルタを連れて脱出して!」
イプシロン「畏まりましたっ!
調査は既に完了しております!」
イプシロンはデルタを背負い、他のSG構成員を連れて聖域から脱出した。
ちなみにボロボロのデルタを見て、驚かないSG構成員等いるはずも無かった。
最後にアルファも脱出しようとする。
すると彼女は呟いた。
アルファ「ネルソンは……逃げたようね。
……あとはシャドウとウルティオがやってくれるけど……。
あの怪物……やはり侮れないわね、今後、同じような怪物を教団が産み出したとなれば……ガーデンの戦力を強化しないと……」
???『成る程、もしイプシロンの到着が遅かったらこうなったと……。
ちなみに、あのまままたデルタが怪物を真っ二つにしたら?』
???『また分裂します。
そして口からかなり硬めの粘着糸を吐くので……突っ込みまくるデルタでは勝ち目がありません』
???『となると、本来のこのシリーズの物語にて、イプシロンが開幕で『魔力分身』からの『アイ・アム・アトミック』したのはいい判断でしたね』
レベリオ・ヴェンデッタ
アウロラにロリコン疑惑をかけられたこのシリーズのオリ主
というのも、普通に話しても記憶の世界の幼少期アウロラがアウロラ本人だと、当の彼女が素直に認めない故の行動である。
が、記憶の世界の幼少期アウロラにキスをしたのは別の意味もあったらしい。
表向きはアウロラ誘拐作戦と言ってはいるが、はたして彼はどうやって『ディアボロスの左腕』ひいては聖域の記憶の存在でしかないアウロラを、消滅させずに聖域から連れ出すのか……?
シド・カゲノー
聖域をアトラクション扱いにして自分の中で思いついているテンプレ通りに動いてるイカれた陰実原作主人公
レベリオがどうやってアウロラを誘拐、もとい聖域から連れ出そうとしてるのか興味を持っている。
ちなみに、『ハードプレイ』とレベリオに言われて、一応、どういった理由での『ハードプレイ』かは2種類程わかるらしい。
シド「もしもう一方のハードプレイだと思われてたら、レベリオは僕の性癖どんなのを想像しているのかな?
……そもそも性欲とか捨てているんだけど……」
アウロラ
レベリオがどうやって自分を消滅させずに自身を誘拐、もとい聖域から連れ出そうとしているのか、興味を持っている、もしや、またヒロインフラグ立つ?キャラ。
現状、興味本位ではあるものの、今現在彼女が判明しているであろうレベリオの強さはある程度認めている。
記憶の世界の、幼少期の自分が2度もレベリオにキスされる所を見て、幼女好きかと口では言っているが……。
はたして彼女の心中は如何に……?
アレクシア・ミドガル
ミドガル王国第二王女
アルファ、デルタ、イプシロンの会話、戦闘によって、状況証拠しかないもののウルティオの正体に感づき始めたキャラ。
聖域の真実はある程度はウルティオから聞いている話と似ているため、自身に足りない真実を頭に入れつつ、どうやらウルティオの正体を暴くキッカケを探す事を優先しているようです。
※ウルティオから詳しい話を聞けば、『ディアボロス教団』についてもっと詳しく知れるかもしれない為。
状況証拠しかないが、どうやって彼女はウルティオの正体を暴くのか……?
アルファ
この回ではオリジナルの怪物が登場した為に、デルタに変わってネルソン軍団の相手を引き受けた、現状オリ主のヒロイン候補No.1キャラ
数ヶ月前からのウルティオの命により、魔力制御力を徹底的に鍛え上げ、聖域内でも魔力をある程度練り込めば、それなりの威力の『アイ・アム・アトミック・ソード』を放てるくらいには魔力を扱っての実力も上昇している。
彼女の活躍はオマケページにて、『アイ・アム・アトミック・ソード』でネルソン軍団、オリヴィエ、2体に分裂した黒い怪物蜘蛛を、纏めて一閃して消滅させた所だろう。
ちなみに、イプシロンが『魔力分身』を使った所を見て嫉妬心が爆発、内心のセリフを読んで頂けた方なら察しが突くと思いますが、ヤンデレに徐々に突き進んでそうで怖くなっている。
???「いやそういう風にしたの作者やん」
デルタ
この回でこのシリーズやっとまともな活躍をもらえたキャラ……とでも思ったか、結局仕留めたかどうかの確認不足で、相手にしていた怪物を2体に分裂させてしまったワンコちゃんポジションキャラ。
怪物との戦闘の過程で、怪物相手に多量の魔力を扱った挙げ句、数ヶ月前にウルティオから魔力制御の訓練をしておくように言われたにも関わらず、結局それを怠ってしまった事で致死量レベルにデルタの魔力を吸われる事を危惧したアルファから先に脱出するよう強く言われてしまった。
※実はこの時、デルタ、アレクシア、ローズ以外に聖域の魔力吸収機能が効かないと判断したネルソンが、デルタに集中して魔力を吸収していた為、アルファのこの判断は間違っていなかった。
オマケのページでは、怪物を仕留め損なった結果、アルファの『アイ・アム・アトミック・ソード』が放たれるまで怪物の粘着糸によって身体を絡め取られた挙げ句、怪物の鎌状の手足に斬られ突き刺されと、まさに袋叩きにされた。
また、オマケじゃないこのシリーズ正規のお話でも獲物をちゃんと仕留める重要性を理解しただろう。
やはり、頭脳が5歳児から6歳児になってもあまり変わらない……デルタスキーの読者には悪いが、彼女がこのシリーズで真っ当な活躍をする日は来るのか………?
イプシロン
このシリーズのクレア誘拐事件回で最弱の危機などと言われていたが、所詮は過去の話、まだまだシャドウとウルティオには及ばないものの2人の技を使いこなしてハゲソンが用意した怪物を撃破したシャドウガーデン『七陰』第五席。
聖域内で無ければ恐らく『ライジング・アトミック』以上……シャドウが見ていたら『77点』と評価するであろうアトミックを撃てたキャラ。
ちなみに、聖域内で無くても彼女の場合、『魔力分身』は3人に分身するのが限界である。
最後まで『こんなところで……ヴァァれてとぅぁまるかぁぁ!』は出なかったが、彼女にとっては良かっただろう。
問題のシーンと殺意を込めた「何か言ったかしら?」を見たかった、読みたかったイプシロンファンの読者には申し訳ない。
ウルティオ「え?『領域展開・独創至高』展開してるのになんでイプシロンが『魔力分身』使えるのかって?
俺が教えたから使えるに決まってるだろう」
※レベリオ/ウルティオが許可してる場合は使用可能である