転生したら陰実の世界にいた件   作:リベリオンβ

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この回で聖域編は完結です!

次回は聖域編After(日常回含む)です。

はたして、アウロラの運命は如何に……?




ハゲは放置で、左腕の封印を解きます

 

 

 

ネルソン

「何をしておるのだぁぁぁぁぁぁあ!!?」

 

 

 

鎖付き扉を『ドゥームズ・デイ』で壊したレベリオ、そしてシドとアウロラの3人の前に、ネルソンとオリヴィエが現れる。

 

余っ程デルタに蹂躙されたのか、ハゲソンはかなり疲弊している様子。

 

 

 

シド「ねえレベリオ、まさかとは思うけど、あれが……?」

 

レベリオ「ああ。

『ディアボロス教団』ラウンズ第十一席『強欲』のジャック・ハゲソンだ」

 

シド「えぇ……」

(悪役がハゲって……ロマンの欠片もないなぁ。

あ、でも確か第十二席が空席って言ってたから。

『あれは最高幹部の中で最も小物、最弱よ!』

ってやつか。

最初に最高幹部の最弱が出てくる、これもよくあるテンプレだね。

隣のアルファに似た女の子も気になるし)

 

ネルソン

ネルソンだっっっ!!!

 

 

 

俺がわざと名前を間違えると、ハゲソンが憤慨する。

 

まただよ……と思った、仕方ないなぁ。

 

まあでもアレか、余程名前をハゲに加工されたのが効いているようだ。

 

へっへっへっへっへ……なら次は……。

 

 

 

レベリオ「あぁ、ごめんごめん、ボーンチャイナ・ネルソンだったな」(笑)

 

ネルソンジャックだっっっっ!!!

貴様わざと間違えておろうっ!!!

 

アウロラ「もしそうだったら、性格悪いわね」

 

レベリオ「ああいう悪者相手だけだから、そこは気にしなくて結構です」

 

アウロラ「ならいいけど……」

 

シド「ねぇ、もうこの際あのハゲ、ボーンチャイナ・ハゲソンでいいんじゃない?」 

 

レベリオ「あぁ!それいいなぁ!

陶磁器とハゲのダブルパンチ」

 

アウロラ「陶磁器はよくわからないけど……アリかもしれないわね」

※なんとなく乗っかってるだけ

 

ネルソン

よくないわっっっっっ!!!

 

レベリオ「あぁもう我儘なオッサンだなぁ。

仕方ない、劣化ラワガスで許してやるよぉ!!!」

 

ネルソン「貴様に許されるいわれは―――

……!?待て!?まさか……まさか貴様っ!?」

 

 

 

『劣化ラワガス』と聞いてハゲソンがどうやら俺がウルティオだと言う事に気づいたようだ。

 

まあハゲソン以外に、聖域に『教団』の人間はいないからここで正体バレしてもなんの問題もない。

 

だってどうせハゲソンはここで死ぬんだから。

 

 

 

「まさか……レベリオ……貴様が、ウルティオだと……!?と言う事は、先程の衝撃は……!」

 

レベリオ「なんだ、もう気づいたのか。

まあ後ろのを見れば察するわなぁ」

 

ネルソン「おのれぇぇぇぇえ!!!そこの魔女だけでは飽き足らず、『ディアボロスの左腕』までっ!何をする気だっ!?」

 

レベリオ「決まってるじゃん、まあ全部教える気は無いけど……取り敢えずは……」

 

 

 

そうして俺は『ディアボロスの左腕』を拘束してるであろう鎖型のアーティファクトに触れ、それを軽く引っ張る。

 

それを見たネルソンとアウロラはレベリオのやろうとしてる事を察して互いに驚く。

 

アウロラは単純に驚いてるだけだが、ネルソンの方は焦りを含む驚きだ。

 

 

 

アウロラ「えっ……!?ちょっと……!?」

 

ネルソン「まさかっ!?やめろっ!!左腕の封印を解いてはならぬッッッ!!!」

 

レベリオ「へぇ〜?お前が俺の心配してくれんのか?

案外優しいんじゃん、ジャック・ネルソン」

 

ネルソン「誰が貴様の心配等するかッッッ!!!

ええい!オリヴィエッ!!さっさとそこの狂人を始末しろっ!!!」

 

アウロラ「まっ、待って……!」

 

レベリオ「………」ニィ

 

シド「あ」

 

 

 

ネルソンの命によってオリヴィエがレベリオに襲いかかる。

 

しかしレベリオはオリヴィエの剣を指2本で受け止め、サラッとシドからパクった『鉄の剣』でオリヴィエを真っ二つにした。

 

これによってオリヴィエがパリンと割れて光の粒子となり消える。

 

ところがレベリオの左手から血が出ていた。

 

オリヴィエの剣を無傷で完全に受け止めきれなかった様子。

 

 

 

レベリオ「っ……」

 

ネルソン「なっ……!?い、一撃……じゃと!?」

 

アウロラ「いつの間に……!?」

 

レベリオ「学習能力がないのかお前は。

ヴェノムとの戦いで何も学ばなかったようだな」

 

ネルソン「あっ……かっ……くっ……!」

 

レベリオ「とはいえ、流石に英雄のコピーってだけはある。

左手をほんのちょっと切っちまった、まだまだこっちの鍛錬が足りなかったか……」

 

シド「レベリオ、さらっと僕の剣奪らないでほしいんだけど」

 

レベリオ「いやぁ、俺の剣を抜くより、シドの剣をさらっと抜いて見せたほうが実力見せれるでしょ?」

(剣を投げて返す)

 

シド「あぁ〜それもそっか。

抜いてない人の剣をさらっと奪い抜くのも腕の見せどころだもんね。

僕もよくやってたよ、まだスライムソードを作る前、剣がなかった時に軽くね」

 

アウロラ「普通奪う前に反撃されないかしら……?」

 

シド&レベリオ

「「大丈夫、反撃される前に奪って斬ればいい」」

 

ネルソン「何を喋ってるのかは知らんが、今のは紛れに決まっておる!

所詮、質の悪いコピーを相手しただけに過ぎんよ!」

 

レベリオ「へぇ〜。

コピーって事はいくらでもあるんだ」

 

ネルソン「当たり前よ、貴様は今度こそ斬り刻まれるのだ!このオリヴィエによってなぁ!」

 

アウロラ「そんなっ……!?」

 

 

 

そうしてネルソンが聖域内から複数のオリヴィエを呼び出し、一斉に俺に襲わせた。

 

やれやれ、所詮は科学者くずれか、兵力の扱いがなってないし、何より単なる数のゴリ押ししか出来ないのか。

 

折角のオリヴィエコピーの強さが台無しじゃねーか。

 

そもそも複数人の同時奇襲は静かに行うものなのになぁ、数遊びがしたいと事前に宣言してるようなものじゃないか。

 

やっぱ蹂躙する価値なし、もうハゲソン相手にはこれでいいや、これ以上コイツに構っている暇はないんでね。

 

 

 

レベリオ「やれやれ………そんなに数遊びがしたいのなら、遊んでやるよ」

 

アウロラ「う、嘘……でしょ……?」

 

ネルソン「な、な、なっ……!?」

 

シド「ほほーう……」

 

 

 

レベリオが瞬時に、複数の分身体を出していく。

 

20…50…80…。

 

あっという間にレベリオが100人に増え、その内の数人がオリヴィエの剣を防いでいく。

 

 

 

レベリオ「この……

『完全体・魔力分身・極』でな……!」

 

 

 

そして99人の分身体が一斉に、ネルソンが出した複数人のオリヴィエを迎え撃つ。

 

ネルソンが出したオリヴィエのコピーも100は超えている。

 

しかし、それが99人のレベリオによって一方的にやられ、光の粒子と化していく。

 

レベリオ軍団vsオリヴィエ軍団という、大乱闘になっているが、戦況はレベリオの圧倒的優勢だった。

 

 

 

ネルソン「そ、そんな……こ、こんな事が、あり得るのか……!?

魔力を扱うだけでなく、これ程の……!?」

 

アウロラ「聖域の中で、こんなに沢山の魔力の分身を……!?」

 

シド(それも100人……。

僕と戦ってる時は7人にしか分身しなかったけど、こんなに沢山分身出来たんだね。

まあ、レベリオの魔力量を考えるなら、有り得そうだけど)

 

レベリオ「もっと増やせるんだが……まあこれで充分。

(100人分身するだけでも基礎魔力量の1割使うからね)

ジャック・ネルソン、お前はここで死ぬ。

お前には蹂躙する程の価値もない。

介入したかったら、まずは俺の分身を全て倒す事だな。

さてと……」

 

 

 

改めて、俺は『ディアボロスの左腕』を拘束してるであろう、アーティファクトの鎖を引っ張り始める。

 

邪魔者の相手は用意したから、あとはコイツだ。

 

それを見たネルソンは咆哮に近い勢いで叫んだ。

 

 

 

アウロラ「まさか、それを解く気……!?」

 

レベリオ「いやぁ、アウロラさんを誘拐するのには、これも必要だからね」

 

ネルソン「や、やめろっっっっ!!!その封印を解くな!絶対に解くなッッッ!!!」

 

レベリオ「あのさ、そんなに喚いてるのって、いざ俺達を始末出来ても、自分では止められないから、か?」

 

ネルソン「……くっ!?」

 

レベリオ「安心しなよ。

お前が俺達の心配をするにせよ……。

お前ではこれを止められないと不安になるにせよ……。

それはどっちもお前の杞憂だ。

……まあ、それ以前にこうやって縛り付けて、ただただ力を啜るだけの堅実な人生なんてつまらないと思わないか?」

 

シド「…………」(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)

 

ネルソン「な、何を……!?」

 

アウロラ「……?」

 

 

 

俺はネルソンを見た視点を一旦アウロラに変え、そこから『ディアボロスの左腕』に視点を変え、アーティファクトの鎖を強く、また引っ張り物を言う。

 

ただ堅実に生きていくだけの人生……。

 

ハゲソンは恐らくそういう人生しか生きていかなかったんだろう。

 

だがな、そんな人生生きて楽しいか?

 

なんて勿体ない、魔力あふれる世界で生きてるってのに。

 

俺は苦痛だったな、前世じゃ魔力を筆頭とした不思議な力みたいなもんはなかったから、ただただ色んなものの中で『好き』か『嫌い』かを決めて、『好き』を可能な限り楽しんで、なるべく気楽に生きるだけの、堅めの部分が入った人生……。

 

仮に前世で鍛えても、警察だのなんだのに対抗出来ないから、ムカつく奴をぶっ殺す、なんて事も出来なかった。

 

だからムカつく奴がいても、ただスルーするしかなかった。

 

そして前世で生きていた俺は思った。

 

この世で生きるには、俺の『嫌い』が多すぎると。

 

そいつ等が一斉に来たら、俺は呆気なく鎮圧される、だからこそ『嫌い』を多少我慢して、可能な限りの『好き』を楽しむしかなかった。

 

やがて、前世で生きる事に嫌気が指していく様になった。

 

だがこの世界に転生したことで、一気に俺の中の価値観は変わっていった。

 

最初は『魔力』みたいな力を手に入れて、前世と違って何者にも縛られずに、気楽に生きる人生を望んでいたが……どうせなら、でかい事をしたいじゃないか。

 

今の世は前世と違って魔力もある、別の世界の存在とかもある。

 

それらを使って、面白おかしくデカい事、やらない選択肢はない……!

 

 

 

レベリオ「どれだけ生きるにしても、人生ってのは普通は1度っきりしかないんだ……。

だったら、派手に行こうぜ……!

そして誰もが想像しない事を思いっきりやってのけようぜ!

今から……この場にいる誰も、思いつかないことをしてやるよ……!」

 

アウロラ「本気なの……!?」

 

ネルソン

や、ヤメロぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?!?!?

 

 

 

そして俺は『ディアボロスの左腕』を拘束してるであろう、鎖型のアーティファクトを引き千切る。

 

次の瞬間、左腕にあったであろう無数の骨が、レベリオに襲いかかる。

 

レベリオは素手でそれを受け流していった。

 

そして、アーティファクトの封印から解放された『ディアボロスの左腕』が、まるで遊◯王に出てくるモンスター、溶岩掌・ジャイ◯ント・ハ◯ド・レ◯ドのように宙を浮く。

 

あっちの腕とこの目の前の左腕、どちらも赤黒いから、丁度いい例えだな。

 

『万◯紅掌』みたいな技名ないかな、いや、それはないか。

 

 

 

レベリオ「さてと……じゃあ、始めるとするか……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side シド

 

 

 

一方、レベリオ軍団vsオリヴィエ軍団の大乱闘を見ていたシドは……。

 

 

 

シド(さてと、レベリオについて行ってみて、色んなテンプレをやってみて、最高幹部の中でも最弱おじさんに出会ったのはいいけど……。

ものすっごい大乱闘だなぁ、ただの魔力分身だけって事は、レベリオから見てあのおじさんは甚振るまでも無いってことかな。

どちらにしても、僕もあの中に入らない手はないよね、あのアルファに似た剣士の子の実力も気になる)

 

アウロラ「あ、貴方、あの中に入るつもり……?」

 

シド「いや〜あの子の実力、直接は確かめてないからさ。

いくらレベリオに一撃でやられたと言っても、気になるじゃない?」

 

アウロラ「で、でも、彼は兎も角貴方は魔力が―――――」

 

シド「え?魔力?」

 

アウロラ「!?」

 

 

 

僕はちょっとだけ、強固に練り込んだ魔力を身体から放出した。

 

まあ魔力使ってもいいんだけど、折角だからこのまま使わずやってみたいじゃない。

 

レベリオが聖域の魔力の核……というか、あれはもう化け物の左腕だね、それを相手してるんだったら、僕が壊すまでもない。

 

僕も詳しくは判らないけど、どうやらヴァイオレットさんが消える事無く、彼女をここから出すにはアレも必要らしい。

 

だったら……僕は僕でこの状況を楽しもうか。

 

あの子の相手に飽きたなら、丁度いい相手もいるしね。

 

 

 

「嘘でしょ……貴方まで……」

 

シド「レベリオが落ちた後に言ったじゃん。

僕でも“今すぐ”魔力を扱うのは無理だって。

ちょっと時間かかったかな、魔力を吸われないように強固に練り込むのは。

魔力を吸われるんだったら、吸われないくらい強固に魔力を練り込めばいい。

簡単な話だよ、まあレベリオのように今すぐにというわけにはいかなかったけど」

 

アウロラ「簡単……?」

 

シド「じゃあ行ってくるよ、ヴァイオレットさんはじっくり見て楽しんでね」

 

 

 

シドはレベリオに返してもらった自分の剣を持って、大乱闘のドサクサに紛れて、現れたばかりのオリヴィエに向かって走っていく。

 

そして、何度か剣を交えた。

 

 

 

オリヴィエ「………」

 

シド(剣戟は悪くない。

でも……アレだね、このオリヴィエって子、感情がない。

だからか、レベリオがああもすぐに決めちゃったの)

「ほいっと」

 

 

 

僕はそのままオリヴィエの剣を自分の剣と絡め、彼女の剣を巻き上げていく。

 

そして彼女の身体を斬り裂いた。

 

オリヴィエは光の粒子となって消える。

 

 

 

ネルソン「!?馬鹿なっ!?

こんな馬鹿な事があってっ……あってたまるものかっ!!

オリヴィエを簡単に倒すヤツが……2人もぉ……!?」

 

 

 

僕が乱戦の中に入ってきてたのを見てたのか、ハゲソンが慌てふためいてる。

 

 

 

シド「いや〜……もうちょっと楽しみたかったんだけど、レベリオがすぐに倒した理由がよくわかった。

彼女達には……そう、心がない。

心がないから、僕の問いに答えない。

だからレベリオは一撃で決めて、人海戦術なんていう短絡的な戦い方で、ハゲと彼女達の相手をするって決めたんだね。

あれで充分だからって」

 

ネルソン「な、なっ……何を言ってるっ!?」

 

シド「対話の無い戦いほど、単調で退屈なものは無い。

うーん、となると……あの子の相手もつまらないし……おじさんも全然強くなさそうだし……」

 

 

 

そして僕は辺りを見回してみる。

 

見る限りは一方的に、レベリオの分身体が、オリヴィエを蹂躙してる。

 

オリヴィエの動きが単調になった分、楽に倒せるんだろう。

 

……あ、丁度手の空いてる分身体見っけ。

 

あのハゲやあの子の相手をするより、分身体とはいえレベリオと戦う方が面白い。

 

僕は颯爽と、手の空いているレベリオの分身体へと向かう。

 

こちらに気づいたのか、分身体のレベリオがスライムソードを出し構える。

 

うん、僕もスライムソードで行こうか。

 

僕のスライムソードを、レベリオもスライムソードで受け止める。

 

 

 

分身レベリオ「……!?

おいおい……アレの相手はもういいのか?」

 

シド「うん、対話に応えないからもういいやって感じだね。

剣の技術とかも、レベリオの分身体との戦いであらかた見れたし」

 

分身レベリオ「フッ……そう言うとは思ったが……。

だからといって普通今ここでおっ始めるか……?」

 

シド「いいじゃん、僕だって楽しみたいし。

折角だから、スライムソード限定で抜き打ち勝負しようよ」

 

分身レベリオ「全て終わるまでに決着つかないかもしれないが……?」

 

シド「その時はその時でしょ」

 

ネルソン「な、なんだ……?仲間割れか……?

とは言え……1体止めても変わらぬか……もっと魔力を……!」

 

シド「さっ、始めよっか」

 

分身レベリオ「仕方ないな……まあいい、付き合ってやるよっ!」

 

 

 

僕はレベリオが全てを終えるまで、分身体のレベリオと『遊ぶ』事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side レベリオ

 

 

 

『ディアボロスの左腕』を解放した直後、その左腕から出てきた無数の骨に襲われるレベリオ。

 

それらを素手で受け流し、受け流し、殴って骨を砕くの繰り返し。

 

『超神速』を使わないと、流石に剣を抜く暇もないか。

 

ちなみに、ハゲソンにはしばらくこの光景を見せな〜い!

 

俺の魔力分身の軍団と、オリヴィエの軍団がカーテンになるようにして、極力ハゲソンの目にこの光景を移さないようにします。

 

さて、それよりどうしよ?『超神速』も『黒炎化』もマンネリ気味だしなぁ。

 

あ、でも待てよ?確か『ディアボロスの左腕』は………。

 

 

 

レベリオ「い〜いこっと〜考えた♪」

 

 

 

俺は両手で左腕から出てくる骨の迎撃に、右手を外して左手で迎撃を開始する。

 

骨の出る癖とペースは単調だ、故にそれを掴むのは容易だった、後は片手で充分。

 

じゃあ、迎撃から外した右手は何をするのかって?

 

『魔力暴走』を抑えるんだよ。

 

『悪魔憑き』を遠隔解呪した事はないが、やってみるしかない。

 

前世の陰実から得た知識で、魔人ディアボロスの正体が、魔力暴走を起こしたアウロラだとしたら………。

 

『魔力暴走』を抑え込める筈。

 

とはいえ完全に抑える必要はない、左腕からの攻撃が止む程度で充分。

 

俺は右手に魔力を集中して『ディアボロスの左腕』の魔力に干渉する。

 

そしてそこから左腕の魔力を鎮めていく。

 

すると左腕の攻撃の手が、少しずつ減っていった。

 

そして鎮めて3分時間が経過すると、先程よりも攻撃の手が6割型減った。

 

 

 

「よし、これだけやればもう充分かな」

 

アウロラ「何をする気……?」

 

レベリオ「さっ、レベリオ・マジック・アルケミックの時間だよ〜〜〜〜っ☆

まずはある程度魔力暴走を鎮めた左腕を魔力で拘束しま〜す。

上位球体拘束(グレーター・スフィア・ロック)』」

 

 

 

そして俺は『ディアボロスの左腕』に『上位球体拘束』を展開して拘束する。

 

『球体拘束』と『無限監獄』の中間に位置する技で、拘束力は『無限監獄』より落ちるが、こちらの方が拘束したモノの加工がしやすい。

 

さぁ行くぜ!

 

 

 

「続いて『上位球体拘束』を縮小していきま〜す」

 

 

 

俺は展開した『上位球体拘束』を縮小し『ディアボロスの左腕』を球体状になるまで潰していく。

 

他のパーツがあったら、それらを全てくっつけて魔力暴走治す、その為左腕だけ魔力暴走を完全に鎮めても意味ない。

 

寧ろそれをやるのはアウトだ、そんな事したら記憶だけの存在である、今近くにいるアウロラが消える可能性が極めて高い。

 

というわけで俺が思いついたのは、ある程度魔力暴走を抑えてから加工する事により、『ディアボロスの左腕』をアウロラの依代の材料とするのだ。

 

俺にはクレアやアルファ達と違って『ディアボロス細胞』がないから、もしかしたら魔力分身体だけでは、アウロラの依代としては役不足という可能性もある。

 

だから『ディアボロスの左腕』も加工して頂いていく、より確実に彼女をここから連れ出す為にだ。

 

俺は次々と『上位球体拘束』を縮小して、左腕を球体状に加工していく。

 

まだ腕の形をなんとか保っている左腕から、骨らしき物がまだまだ出て、縮小に必死に抵抗している。

 

うーん、ある程度魔力暴走は抑えたのに流石にしぶとい、ただの『球体拘束』だったら確実には加工しきれなかったかもしれない。

 

 

 

アウロラ「っ……」

 

 

 

なんて呑気な事を言っていたら、近くにいたアウロラが苦しみ出した。

 

あ、そっか、彼女は『ディアボロスの左腕』の記憶として存在しているから、痛みも記憶としてリンクしているのか。

 

彼女の為にもさっさと終わらせよう。

 

 

 

レベリオ「おっと、左腕を加工する事でアウロラさんに影響が出てしまったか。

速いところ終わらせよう」

 

アウロラ「大丈…夫、私の事はいいから……」

 

レベリオ「……さっき俺が言った事を覚えているか?」

 

アウロラ「えっ…?」

 

レベリオ「どれだけ生きるにしても、人生ってのは普通は1度っきりしかない。

だったら、派手に、かつ楽しく生きていく。

はっきり言っておこうアウロラさん、貴女はちゃんと死ぬことを望んでるみたいだが……俺は貴女を殺してやらない」

 

 

 

その言葉にアウロラは目を丸くして驚いていた。

 

いやだってそうじゃん、折角自由が約束されてるのに、まともな肉体もなく、消滅して……。

 

原作だとクレアの身体に住み着いてから、その後どうなるかまでは判らんが、世界の表舞台に全然出る事なく、普段ひっそりとしてたまーに表舞台に出るだけって楽しいのか?

 

 

 

否!

 

 

 

これは俺の勝手な思い込みだが、それは断じてありえない。

 

だからここでガツンと、言ってやらねばならんのだ。

 

 

 

「折角手に入れられる予定の自由だ、まだこの世界にゃ余計なモンが沢山あるが……楽しめられないモノなんて何一つありゃしない。

自分が楽しめるモンを沢山味わって……楽しんで……そんでもって真っ当に生きて死ぬってのもいいんじゃないのか?」

(まあ、俺が言っても説得力無いんだけどな)

 

アウロラ「でも……私が、その化け物にまたなったら……」

 

レベリオ「止めてやるよ」

 

アウロラ「仮に私を止めれても、物凄く迷惑かけてしまうわ」

 

レベリオ「いいんだよ、んな迷惑なんて考えなくてよ。

ていうか、そんなもんは好きなだけかけりゃいいんだ。

ダメだったらここまで来てねぇよ。」

 

 

 

話をしている間に、『上位球体拘束』の縮小がもうすぐ完了しようとしている。

 

もう左腕の原型なんてない、『ディアボロスの左腕』だった物がバレーボールサイズの球体にまで小さくなっていた。

 

そしてこのままスパートをかけるべく、一気に縮小を進行させる。

 

そして、最後は野球ボールサイズの球体に変化した。

 

俺はその球体の魔力暴走をさらに鎮めて、球体に完全な攻撃行動がなくなった事を確認すると『上位球体拘束』を解く。

 

そして、その球体を手に取った。

 

さらに、『黒』の魔力を使って、この球体から『あるもの』を取り出して……。

 

 

 

「よし、完成だ。

えっと……うん、『ヴァイオレット・コア』でいいか、これの名前は。

後は、俺の1ヶ月分の魔力を使うぞ……これくらいないと、依代に相応しくない。

『強化魔力分身』!」

 

 

 

さて、アウロラ誘拐計画もそろそろメインディッシュです。

 

『魔力制限』で溜め込んだであろう、13歳から1ヶ月目までの魔力を使って『強化魔力分身』を使い、強化魔力分身体を出します。

 

『魔力分身』のアップデートの過程で生み出したこの不完全な強化魔力分身だが、スペックが通常の魔力分身体より向上してる分、魔力のコスパが非常に悪いので、使う機会はないと思っていたが、この時の為に使うとは思わなかった。

 

この時が来なかったら、さらなる研鑽を重ねていくから一生使う事はなかっただろう。

 

ちなみにこの方法、転◯ラの主人公が友達の竜種の為に、依代を用意した方法とほぼ同じである。

 

いやぁ、前世のアニメの知識マジで助かるぅ!

 

転◯したらス◯イム◯った件ありがとう!!!

 

この勢いで目指せ!『カオスクリエイター』!

 

………なんてなw

 

 

 

「準備は整った。

さて、ここからはアウロラさんにも協力してもらいます」

 

アウロラ「……もしかして、その加工された魔力の核に、私が入る、という事かしら?」

 

レベリオ「ご明答。

そしてアウロラさんが入ったこのコアを、こっちの強化魔力分身体に取り込ませる。

後は内部からアウロラさんが魔力を使って操作して、依代の容姿を好みに変えれば……誘拐計画はクライマックスを迎えます。

聖域内でも、俺の魔力分身体なら、魔力は問題なく使える筈です」

 

アウロラ「……本当にいいの?もしかしたら、私が貴方の身体を使って、早速悪い事をするかもしれないわよ?」

 

レベリオ「やれるものなら」

 

アウロラ「……言ったわね?」

 

 

 

やれるものなら、なんて軽く返したら、アウロラが妖しく笑みを浮かべた。

 

え、ちょっと待って?本当に何か企んでる?

 

まぁ……企んでたら企んでたらで、止めりゃいいだけの話か。

 

 

 

レベリオ「それで、どうしますか?

このまま聖域と共に消えるか、俺の依代を得て、俺に誘拐されるか……?」

 

アウロラ「ふふっ、答えはもうとっくに決まっているわ。

……今すぐ、私を誘拐してくれるかしら?」

 

レベリオ「俺に誘拐されたら、もう離しませんよ?

束縛されるのが嫌なら、オススメしません」

 

アウロラ「貴方に束縛されるなら、いいかしら」

 

レベリオ「……っ!?///

……冗談でもそんな事は言わない方がいいです」

 

アウロラ「あら、私は本気よ?」

 

レベリオ「……え?///」

 

 

 

アウロラがほんの少し顔を赤らめて、本気と言う。

 

ってオイ、俺が照れてどぅーすんだよ!?

 

そりゃ下心ないって言ったら嘘になるけど!?

 

おかしいな、初めはこっち側に加わったら楽しい日々が更に楽しくなるくらいの気持ちでアウロラに「ここから出たい?」とジェスチャーしたつもりだったのだが。

 

もちつけ、もちつけ俺。

※落ち着けてない

 

 

 

アウロラ「誘拐という言葉だけならまだ判らなかったけど、離さない、束縛なんて言われたら、そういうのに疎くても判っちゃうわ。

貴方が私をこんなにも、心から求めてるのが」

 

レベリオ「最初は一緒にいたら、楽しい日々がもっと楽しくなるってだけだったんだけどなぁ」

 

アウロラ「いいじゃない。

楽しい日々を共有出来る、とても素敵な事だわ」

 

レベリオ「……あのさ、アウロラさんや。

普通、何か下心あるって警戒しない?」

 

アウロラ「そんなの、貴方の用意した依代、つまり貴方の魔力分身の中に入ったらすぐ判っちゃうわ。

でも貴方なら……アリかしら」

 

レベリオ「あちゃあ、1本取られたよ。

……さて、長々と話してしまったな、それじゃあ………」

 

アウロラ「ええ、そのコアに入るわ。

貴方が用意してくれた依代、喜んで頂くわね」

 

 

 

そうしてアウロラは加工された『ディアボロスの左腕』……『ヴァイオレット・コア』に入っていく。

 

準備は整った、あとは強化魔力分身体に『ヴァイオレット・コア』を入れるだけ……!

 

 

 

レベリオ「行くぜ……!」

 

 

 

そしてアウロラが入った『ヴァイオレット・コア』を俺の強化魔力分身体に、某忍者漫画の主人公の必殺技『螺◯丸』を放つように取り込ませた。

 

そして俺の強化魔力分身体が、『ヴァイオレット・コア』を中心に一旦魔力の塊となり、その容姿を変え始めていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ネルソン

 

 

 

聖域で、これまでに吸収し、溜め込んだ魔力を使い、オリヴィエを送り出したりそのオリヴィエを強化しているネルソン。

 

しかし一向に、レベリオの分身体の勢いが止まることはなかった。

 

途中、シドが分身体と戦闘したことで、仲間割れかと放置したネルソンだったが、レベリオの分身体とシドの戦いの余波で、オリヴィエがさらに何体かやられてしまった。

 

 

 

ネルソン「糞ッ!まだ倒せんのかっ!?

現れたオリヴィエには、聖域に溜め込んだ魔力を可能な限り最大限注いでいるのだぞっ!?」

 

 

 

ネルソンは苛立ち、焦っていた。

 

というのもネルソンの見立てでは、オリヴィエを一撃で倒せる程の魔力と剣の扱いこそあるものの、シドとレベリオには、聖域そのものをどうにか出来る力はないと踏んでいた。

 

となれば、急いで2人を始末して、左腕を何とかするしかない。

 

それがどれだけ儚い希望か、ネルソンは気づかないまま。

 

気がつけば、レベリオとオリヴィエ、それぞれの軍団が、封印されていた左腕へのカーテンのようになっていた。

 

だが、その軍団カーテンのほんの隙間が、ネルソンの視界に入った。

 

 

 

「!?ひ、左腕が……ないっ!?」

 

 

 

そしてネルソンは、見て、気づいてしまった。

 

ほんの僅かな隙間だが、そこにあった筈の物が、なくなっていた事に。

 

如何にレベリオとオリヴィエの軍団カーテンの隙間が狭くても、『ディアボロスの左腕』は非常に大きい。

 

そして、たかが左腕といえど、解放されたらその攻撃の勢いは相当なものだ。

 

だが、その左腕らしきものは、僅かな隙間を、視界に捉えたネルソンの目の前からなくなっていた。

 

 

 

「だが、これはどういう……事だ……!?」

 

 

 

が、聖域はまだ健在。

 

左腕が破壊されたのなら、聖域も消える筈。

 

破壊された所までハッキリと見てはいないが、ネルソンから見て左腕はなくなっていたのだ。

 

一体、『ディアボロスの左腕』に何が起こったのか?

 

 

 

「!?馬鹿な……!?これはアウロラの……ディアボロスの魔力……!?

これはまさか……左腕か……!?

あ、あり得るのか……!?これ程魔力が安定するなど……!?」

 

 

 

その答えは、聖域の機能ですぐに判った。

 

ネルソンが聖域の機能で感知したであろう魔力は、嘗て、まだ自分がラウンズになる前に至るほどの大昔、魔力暴走し、『魔人ディアボロス』と化したアウロラの魔力と同じものだった。

 

嘗て程の魔力量がないのは、左腕しかないからだろう。

 

だが、まだラウンズになる前のネルソンでも、かの魔人と化していた魔女の、これ程安定した魔力を感じただろうか?

 

否、それはあり得ない。

 

となれば、その原因とは……。

 

 

 

おのれぇぇぇえ!!!

一体左腕に!何をしたぁぁぁぁぁあ!!!

 

レベリオ「そんなに大声で叫ばなくても、すぐに見せてやるよ」

 

ネルソン「!?」

 

 

 

ネルソンの叫びに、レベリオが答える。

 

直後、レベリオの分身体が、カーテンを開けるように隅へ移動していく。

 

そして分身体と戦っている、シドとオリヴィエ達も分身体を追う。

 

最もシドは分身体との戦闘を止めて、ネルソンの視界に入っている光景と同じ光景を、ほんの少し笑みを浮かべながら見ている。

 

そしてネルソンの視界に入ったのは、レベリオと、みるみる変容していく人型の塊だった。

 

 

 

「……!?き、貴様っ!?あの魔女は……左腕はどうしたっ!?」

 

レベリオ「フッ……すぐに判るさ」

 

 

 

レベリオはネルソンから、変容していく人型の塊に視線を変える。

 

そしてネルソンはとんでもないものを見てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side レベリオ

 

 

 

『ヴァイオレット・コア』を取り込んだ強化魔力分身体の姿が徐々に変えられていく。

 

それと同時、俺の身体に、ほんの僅かな違和感が起きる。

 

 

 

レベリオ(?何だこの感じ……?)

 

 

 

違和感は感じたが、身体にも魔力にも特に変化はない。

 

僅かな違和感は後回しにして、俺は変容していく自分の魔力分身を見届ける。

 

……アレ?何だろう?何だか強化魔力分身体が小さくなっているような……?

 

そしてその姿は、徐々に、見たことがある姿へと変わる。

 

……ん?ちょっと待て。

 

ちょっと待て!?

 

 

 

ちょっと待てぇ!!!!!

何でロリ化したぁ!?」

 

 

 

何で、聖域の記憶の世界で見た幼少期のアウロラの姿になってんだよ!?

 

しかも顔がびみょーにコード◯アスのナ◯リーにちょっと似てんじゃねえかよ!?

 

紫色の瞳を明るくして、前髪まで似せやがって!?

 

アレか?中の人が同じ名◯佳織さんだからか!?

 

そんなサービスは求めてねぇ!

 

 

 

ロリアウロラ「だって、貴方幼女が好きなんでしょ?」

 

レベリオ「まだ俺ロリコン疑惑かけられてたの!?」

 

ロリアウロラ「冗談よ、貴方が用意してくれた依代をちょっと弄りたかっただけ。

前の私の姿に変えるわ」

 

シド「どうやら、上手くいったみたいだね。

感じるよ……ヴァイオレットさんの、物凄い魔力が……!」

 

ネルソン「よ、依代……?

(レベリオの分身体を一瞥する)

ま、まさかっ……!?貴様っ……!?」

 

 

 

もうハゲソンの事など無視して、再び身体を変えていくアウロラを見ていく俺。

 

そして数秒経つと、ついにアウロラが、依代を提供する前の姿と全く同じになった。

 

あれ?服のデザインも変えた?

 

なにかこう、余計な色を取り除いて、黒紫、或いは深紫色と言えるのか、それをメインとした、何処となくシックな感じのローブだ。

 

まあこれはこれでアリかもしれない。

 

何故なら、前のドレスとは違って、現在の彼女の服装には、刺さる人には刺さるであろう『絶対領域』があるからだっっっっ!!!

※おい変態

 

……コホンッ、私情を挟んでしまったが、目的は果たした、もう聖域に用はない。

 

俺は『黒』と『黒紫』の魔力を『超神速』を使って瞬時に、かつ強固に練り込む。

 

 

 

レベリオ「さあ!そろそろアウロラ誘拐作戦の仕上げと行こう!

黒よ、闇と暗黒の混沌を混ぜ(いだ)いて、全ては黒に飲まれゆく―――――――――――」

 

ネルソン「くっ!?オリヴィエッ!!

今すぐそいつを殺せぇぇぇぇぇぇえ!!!

 

シド「無駄だって。

やっちゃえ、レベリオ」

 

 

 

俺は右手を掲げ、『黒』と『黒紫』の魔力を混ぜた、混沌の孔を作り出す。

 

それが、聖域崩壊の起動スイッチとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ブラックホール――――――――もどき…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那。

 

 

 

ネルソン

うっ!?うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!?

 

 

 

 

多数のオリヴィエ達と、聖域、そしてついでと言わんばかりにハゲソンの残った髪まで、その混沌の孔は吸い込み飲み込んだ――――――――――

 

そしてオリヴィエ軍団、聖域の全て、ついでにハゲソンの残った髪が飲み込まれた後、残ったのはただ、上を見れば地上が見えるだけの地下遺跡だった場所だけであった。

 

聖域も、オリヴィエも、そして僅かな自身の髪すら失ったツルッパゲソンには、もう抵抗する力は残ってなかった。

 

俺は魔力分身体を全て本体である俺に『還元』させて魔力を回復していく。

 

 

 

ツルッパゲソン「あ…あ…あ…馬鹿な…馬鹿な…聖域が……オリヴィエが……わしの、髪が………何も、かも、消えて………」

 

シド「地上が見えるね、ここ地下遺跡だったんだ」

 

アウロラ「そうね。

その地下遺跡にあの『魔力の核』が置かれ、聖域が産まれた……というところかしら。

最も、その『核』も今は私の中だけど」

 

シド「それにしても、左腕の形をした『魔力の核』と魔力分身を使って、ヴァイオレットさんに身体を与えて連れ出すだなんて、レベリオの想像力は凄いな。

まあそれがレベリオの強みなんだけどね」

 

アウロラ「本当にね……」

 

レベリオ「まともな髪型をしていれば、今ので殺そうと思ったが……。

まあ、聖域も、そして自分が扱っていた英雄のコピーも、残った髪の毛も、全て失い死ぬ、というのもさぞ屈辱的だろうな」

 

シド(蹂躙する程の価値もないって言っておきながら、しっかりやる事やってちゃってるよ。

あのおじさんの髪の毛だけを全部吸い込んで、見事にツルッパゲにしちゃってるし。

でもどうせなら服もって言うところなんだけど、ああ……そこはやっぱり蹂躙する程の価値なしって事か)

 

レベリオ「さて……後始末と行こうか……」

 

ツルッパゲソン「ひっ…。

……!?」

 

 

 

俺は『黒』の魔力を放出していく。

 

ツルッパゲソンには、精々恐怖と絶望感と無力感を持って、地獄に行って貰おう。

 

しかし不老不死を求めていたとはいえ、ラウンズは勿体ない、俺がもし教団の人間だったら、アウロラの魔力暴走鎮めて、惚れさせて、彼女と沢山子作りして、無茶苦茶強い軍団作るんだけどなぁ。

 

1000年もの時間があればそれくらい出来ただろうに。

 

ツルッパゲソンは俺を見て、その表情から、何か別のものを浮かびだしたような顔をしていた。

 

 

 

「な、何故だ……?」

 

レベリオ「?」

 

ツルッパゲソン「何故……貴様が……その魔力を使える……!?」

 

レベリオ「ほう、お前もこの魔力について知っているのか。

……予定が変わった、お前を殺してアンデットにして、情報を洗いざらい吐かせてやる」

 

ツルッパゲソン「ひっ……!?」

 

レベリオ「……ん?」

 

 

 

そして俺は再び右手を掲げる。

 

すると、俺の右手首をアウロラが優しく掴んできた。

 

 

 

「なんのつもりかな?アウロラさん?」

 

アウロラ「ねえ、それ、私に変わってくれない?」

 

レベリオ「やり方見てないのにか?」

 

アウロラ「それは大丈夫よ。

今なら……何でも出来る気がするから。

それに……私から『悪意』を奪っても、囚われた時の鬱憤は記憶として残ったままなのよ?」

 

レベリオ「………そうだったな」

(鬱憤ばかりは……うん、ハゲソン達の自業自得だな)

「……わかった、じゃあハゲソンは任せた」

 

アウロラ「ええ、思いっきり鬱憤を晴らすわ」

 

ツルッパゲソン「や、ややや、やめろぉぉぉぉぉぉぉおお!!!」

 

 

 

ハゲソンをアウロラに任せて、俺はシドの元へと向かう。

 

シドは落ちていた聖剣に目を輝かせていた。

 

あー、そう言えば聖剣の方は適当にしていたけど、なんとか残っていたのか。

 

見た目に変化がちっともない。

 

 

 

シド「いや〜凄いねレベリオ。

聖剣に刺さっていた台座まで綺麗に吸い込んじゃうなんて」

 

レベリオ「聖剣の方にまで気は回していなかったんだがな……」

 

シド「それでも聖剣を綺麗に残して、台座だけ吸い込んだのは凄いよ。

これはアルファ達へのいい手土産になりそうだ」

 

レベリオ「持ってくならシドが持ってって渡してやれ。

その方がアルファ達も喜ぶだろ」

 

シド「レベリオが渡してもいい気がするけどね。

持って帰えるとし……え?」

 

レベリオ「……あら?」

 

 

 

シドが聖剣を拾おうとし、手にした途端、聖剣の柄部分がシドの手で握り潰された。

 

それとほぼ同時、柄を失った聖剣が、まるで剣の形をした屑物のようになり、ボロボロになってしまった……。

 

その場で2人は固まった。

 

 

 

シド「・・・・・・」

 

レベリオ「・・・・・・」

 

 

 

俺は聖剣なんてどうでもいいが、シドの顔から冷や汗がものすっごい事になっていた。

 

俺はため息をつきながら、シドに声をかける。

 

 

 

「………なあシド?」

 

シド「……う、うん」(汗汗)

 

レベリオ「手土産を握り潰してどうするんだよ……」

 

シド「お、オカシイナー?

僕そんなに強く握りしめてないんだけど……」

 

レベリオ「瞬時にしまったフル筋肉も使ってない?」

 

シド「いや使ってないよ!?」

 

レベリオ「じゃあ何故聖剣がぶっ壊れる!?」

 

シド「知らないって!?

嗚呼……折角のアルファ達への手土産が………」

 

レベリオ「……手土産、か……」

 

アウロラ「確かこうね……『クリエイト・アンデット』」

 

 

 

俺は『クリエイト・アンデット』でネルソンをアンデットにしたアウロラを見る。

 

もしかしたら、彼女の存在が、アルファ達にとって手土………ん?

 

あれ?

 

何で!?

 

何でアウロラが『クリエイト・アンデット』使えるの!?

 

俺見せた覚えないよ!?

 

………ちょっと待て。

 

冷静に、現在のアウロラの状況を整理する。

 

①アウロラは『ヴァイオレット・コア』と俺の強化魔力分身体を依代に、現世に蘇った。

②強化魔力分身体は、産み出される前の俺の記憶全てを持ってる。

③まさかとは思うが、アウロラは俺の、強化魔力分身体を産み出す前の記憶全てを見れる。

 

 

 

・・・

 

 

・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

!?

 

と……と、と、と。

 

とんでもねーことしちゃったよ!?俺!?

 

え?てことはつまり目の前にいるアウロラは、今までの俺が使う全ての技、俺が見てきたシドの技全て使える!?

 

しかも俺の記憶も見れるから前世の、アニメやゲームの技丸パクリした技もわかる!?

 

……え?これ、戦う事になったらアウロラに勝てるの?俺?

 

スペックも最低限、強化魔力分身体と同じだし!?

 

……唯一の弱点といえば、アウロラに近接戦闘の経験があまりないくらいか……?

 

………こりゃ、俺もしっかりと鍛えないとな……。

 

と、心に決めながら、アンデットになったハゲソンを尋問するアウロラ、崩れた聖剣を見てガックリしているシドの間で、地上の空を見上

げるレベリオだった。

 

 

 

 

 

 

 







レベリオ・ヴェンデッタ


このシリーズの転生者オリ主

ネルソンと遭遇した事で、わざと『ジャック・ハゲソン』『ボーンチャイナ・ネルソン』と呼び、正体バレや『ディアボロスの左腕』を拘束しているアーティファクトの鎖を引っ張って、徹底的にネルソンを煽り、シドの剣をさっと借り奪ってオリヴィエの剣を左手指2本で受け止め、オリヴィエを剣で瞬殺した。

その後ネルソンがオリヴィエ軍団を出すものの、やはりネルソンの芸の無さに呆れて蹂躙する価値もないと判断し『完全体・魔力分身・極』で生み出した99人の分身体に後を任せて『ディアボロスの左腕』の封印を解き、それと交戦。

少し交戦した後、『ディアボロスの左腕』の魔力暴走をある程度鎮めて攻撃の手を止める作戦を決めたレベリオは、魔力を遠隔操作して『ディアボロスの左腕』の魔力に干渉、『ディアボロスの左腕』から出る無数の骨を避けたりいなしたり拳で砕きつつ、右手で魔力遠隔操作して左腕の魔力暴走を鎮め始め、『上位球体拘束』で捉えて加工を開始する、魔力暴走を鎮めつつ、加工して『ヴァイオレット・コア』を完全させ、アウロラのさらなる依代として強化魔力分身体を産み出した。

アウロラとの会話後、彼女が『ヴァイオレット・コア』に入り、それを強化魔力分身体に埋め込み、彼女が自身の用意した依代を完全にモノにしたのを確認した後、『ブラックホール・もどき』で聖域、オリヴィエ軍団、ネルソンの髪を飲み込み消滅させた。

最後に自身が、とんでもねー事をした事を自覚して……。



シド・カゲノー


レベリオが失敗する事なんて1ミリも考えず、分身体レベリオとスライムソードで遊んでいたイカれた陰実原作主人公

オリヴィエと1度交戦したが、既にレベリオの分身体とオリヴィエの複製体の戦闘をある程度見て、オリヴィエの剣の技術を見ていたシドは、オリヴィエに心がない事を知り、交戦前に強固に魔力を練り込んで使えるようになっていた彼はオリヴィエを瞬殺。

オリヴィエともネルソンとも戦っても面白くないと思ったシドは、手が空いているレベリオの分身体を見つけ、本体のレベリオがアウロラの依代を完成させ、アウロラが依代に宿って肉体を得るまで分身体のレベリオとスライムソードで『遊んで』いた。
※結局決着はつかなかった。

聖域消滅後、落ちていた聖剣を見てアルファ達の手土産に出来ると小躍りしていたが、彼が聖剣を握った途端まずは柄が握り潰され、聖剣の他の部位も同時にボロボロになってしまいガックリしてしまう。
※ちなみに聖剣が脆くなったのは、ひとえにレベリオの高濃度の魔力の干渉を受けた事だった、つまり聖剣が壊れたのはレベリオのせいである。



アウロラ


レベリオによって依代を得て復活した、味方側になるのは間違いないが、これからどんなポジションになるか予想がつくキャラ

彼が依代を完成させた後、加工された『ディアボロスの左腕』である『ヴァイオレット・コア』の中に入り、コアがレベリオの用意した強化魔力分身体の中に入った後、よかれと思って姿を1度記憶の世界に出ていた幼少期の自分の姿にした。

ちなみに、コアの中に入った途端、『ディアボロスの左腕』にあった自身の悪意が消えていた事が判明した。

記憶の世界の幼少期アウロラにキスしたレベリオに、幼女好きと散々口では言ったが、それは彼女の冗談兼自分が求められていた事への照れ隠しである。

聖域崩壊後、『ディアボロスの左腕』にあった彼女の悪意は消えたものの、今まで囚われていた鬱憤は記憶として残っており、それをネルソンで晴らした。

ちなみに本編の最後のページを読んでいただいた方ならおわかりいただけただろうが、現在の彼女のスペックは強化魔力分身体のレベリオ超え。
なおかつレベリオの記憶も見れる為、彼女の魔力制御力であれば彼の全ての技と、彼が見てきたシドの技を全て使えるという超チートヒロインになっただけでなく……。

レベリオ/ウルティオの素の部分、彼の秘密、前世の記憶等全てをアウロラの任意で見ることが出来るという、その気になればレベリオ/ウルティオの、聖域編までの全てを知る事が出来るようになってしまいました。

しかもそれだけでなく、彼女が依代を得て復活した事により、後の血の女王編にてクレアにアウロラが宿る事がなくなってしまいました。


作者「『月夜に揺蕩う』アウロラが、あらわれた!」

依代を手に入れたアウロラの姿は、カゲマスのシャドウフェスで出るアウロラと同じ格好ですw



ジャック・ネルソン


聖域編の章ボスにして、ディアボロス教団ラウンズ第十一席

……なのだが、聖域やオリヴィエ任せのせいで本人のスペックが低く、単体で見るとボス感が無い。

聖域やオリヴィエ任せという、原作と変わり映えがなさ過ぎる戦闘や戦い方にレベリオですら「『蹂躙』する価値がない」と酷評される程、シドからも相手にされなかった。

挙げ句の果てに、レベリオに『ディアボロスの左腕』を加工されて実質奪われ、『ブラックホール・もどき』で聖域、オリヴィエ、残った髪をやられてツルッパゲソンにされる有り様である。

トドメにアウロラの、レベリオの記憶から扱い方を知って使用した『クリエイト・アンデット』によってアンデット化され、レベリオの知りたい情報を吐かされ、最期は彼女に殺され死亡。

どうやらレベリオの『黒』の魔力を知っていたようだが、真相はアウロラの中、果たしてネルソンが知っている『黒』の魔力の知識とは……?



『ヴァイオレット・コア』


レベリオが自身の魔力分身だけでは、もしかしたらアウロラの依代になり得ないと思い、彼によって加工された『ディアボロスの左腕』“だった”物にして、アウロラの依代の1つ。

彼女がこのコアの内部に入って魔力制御、操作をする事で、レベリオが用意した依代の強化魔力分身体を、彼女の好きな姿に変えることが出来る。

加工されたとはいえ、これが『魔人ディアボロス』の身体のパーツである事にかわりなく、彼女を中心に第二の聖域が出現するかも、とお思いの方がいるかもしれませんが、アウロラが魔力制御すればいいので問題ありません。



ニュー「好きな姿に変える事が出来る……?
変装じゃないとはいえ私の専売特許が……」



『完全体・魔力分身・極』


『魔力分身』の第五段階アップデート版

今更『魔力分身』は解説するまでもないので『完全体・魔力分身』から付け加えられた点は以下の通り。

①100人まで分身できる。
※それ以上の分身は可能だが、レベリオ自身の基礎魔力量の1割以上をオーバーして消費してしまう。

②分身体も魔力を練り込んで、魔力を増やす事が出来る。

③分身体の分身を任意に解くと、その時点の、分身体の残りの魔力と本体の基礎魔力量の半分を加算した魔力を本体の魔力として還元する。



『強化魔力分身』※未完成


『魔力分身』の性能強化版

従来の『魔力分身』よりも魔力の濃度や身体等のスペックを強化したモノ。

なのだがまだ未完成で、『魔力制限』で溜め込んだレベリオが13歳から13歳1ヶ月目までに溜め込んだ魔力を使うという、現状魔力のコスパが最悪となっており、今回はアウロラの依代を産み出すために使われた。



『ブラックホール・もどき』


『ドゥームズ・デイ』の上位技

掌にある魔力を螺旋状に素早く混ぜ込ませて、その名の通りブラックホールを発生させ、魔力制御を活かして好きなものを吸い込み飲み込み潰す技。

ちなみに『ドゥームズ・デイ』の上位技には『メガ・ドゥームズ・デイ』と『ギガ・ドゥームズ・デイ』があり、『ブラックホール・もどき』は4つの中で現状最上位の技である。

ちなみにもどきと名がついている通り、レベリオにとってはまだ未完成技である。

ちなみに自己評価点数は『83点』


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