転生したら陰実の世界にいた件   作:リベリオンβ

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この回からラムダ登場でっす。

もうちょっと彼女の戦闘シーン欲しいんだよな……カゲマスでも赤属性のヒーラー枠しかないし……。

最近のバレンタインイベで黄属性のヒーラーとして実装されて、20連でゲットしたけど…。

追加で他バリエーションのラムダ求む!

そして、面白いと思った方、是非とも高評価宜しくお願いしまっす!


優雅な旅・後編 鬼教官への実戦訓練

 

 

アンネローゼとのお楽しみを一晩味い、魔力を使用する等で身体の匂いをリセットした後(デルタが嗅ぐと不機嫌になるかもしれない為)気絶させ『液体金属』で丸めた111番と122番浮かせながら、ビアヘロは瞑った左目に魔力を蓄えながら深淵の森の奥深くを歩く。

 

その先には、自分が旅をしてる最中に『七陰』によって『シャドウガーデン』の新たな拠点となった『古都アレクサンドリア』がある。

 

ビアヘロはウルティオになった時に『テンプラー』の構成員500人との交戦後、再会したデルタとイプシロンからの情報で場所は聞いていた。

 

浮かせている2人への再教育を要求する為、彼はアレクサンドリアを目指していった。

 

 

 

 

 

 

古都アレクサンドリア

 

 

 

ビアヘロ「ここが『古都アレクサンドリア』……。

原作通りシャドウの像があるな……ん?後ろにあるのは作りかけか?何となく俺の下半身に少し似てるな……俺の像も作ってくれてるのか」

 

 

 

アレクサンドリアに辿り着いたビアヘロは、シャドウの像とその後ろにある作成中の像を見る。

 

どうやらウルティオの像を作成中のようだ。

 

 

 

「まあいい、取り敢えず……確かアルファとデルタは大抵いるらしいが……。

『魔力感知』で探そうか…」

 

???「……!貴様っ!そこで何をしている!?」 

 

 

 

アルファとデルタを探そうと『魔力感知』を始めようとした矢先、褐色肌の、つまりダークエルフのシャドウガーデン構成員がこちらを見つけ声をかけてくる。

 

彼女の名前はラムダ、『シャドウガーデン』の幹部『ナンバーズ』の11番目である。

 

後ろには何人かの構成員もおり、どうやら何かの訓練の最中にこちらと遭遇してしまったのである。

 

 

 

ビアヘロ(ラムダがいるってことは、『七陰』が最高幹部になったってことだな。

『ディアボロス教団』の『ラウンズ』と対になるように。

彼女の事だから間違いなく構成員達にアルファに報告するよう言うはずだ、となれば折角だから『お遊び』しようか、アレも試したいしね)

「……その問いに答える必要があるのか?」

 

 

 

ラムダに対してそう告げたビアヘロは、液体金属で丸めている111番と122番を強引に投げ降ろした。

 

彼女達の顔が見えるように。

 

 

 

ラムダ「…っ!?き、貴様ァァァァァァア!!!」

 

 

 

それを見たラムダが激昂し、スライムソードを一斉多数展開してビアヘロを斬ろうと襲いかかる。

 

ウルティオは知らないが、実はこのラムダと111番122番、元は3人共ベガルタの人間であり、金髪のエルフの方は元ベガルタ七武剣、もう1人の黒髪ダークエルフは教導官兼ラムダの知人であった為に、2人が死んだと思ったラムダは激怒していた。

※気絶してるだけです

 

だが、見た目はしがない旅人でも中身はシャドウガーデンのNo.2ウルティオ、そんな攻撃が通るわけがない。

 

ラムダのスライムが当たり、ビアヘロは斬られる、そう思っていた。

 

 

 

「なっ!?燃えてる!?」

 

ビアヘロ「悪いな、その程度のスライムの攻撃じゃ効かんのよ」

(思ったより『炎化』凄いなぁ、ラムダがこっちに向けたスライム全部燃やしちゃってるよ。

ただ『霧化』と比べて魔力消費激しいから、あんまり使いたくないんだよね)

 

 

 

ラムダがビアヘロに向けた、全てのスライムソードが燃えてしまった。

 

ビアヘロの『炎化』の炎は魔力で出来た物、魔力伝達率99%のスライムを持ってしても、魔力密度が弱い方……つまり、ラムダのスライムが燃えて塵と消える。

 

彼よりも魔力密度の強いシャドウなら、スライムから出せる水で炎を消した後スライムソードで斬れる上、逆にビアヘロに熱を与えて燃やせるだろうが、並の者が扱うスライムソードではすぐに跡形も無くなるだろう。

 

前述の通りにラムダもそうすればいいのだが、それは相手の魔力量、密度を上回っていればどうにかなる話であり、2人のその差は圧倒的。

 

よって、今のラムダのスライムを使った攻撃は一切通用しない。

 

 

 

SG構成員A「ラムダ様!私達も!」

 

ラムダ「ダメに決まっているだろう!

お前達が行ったところで犬死にするだけだ!すぐにアルファ様に知らせろ!ここは私が抑える!」

 

SG構成員B「わ、わかりました!」

 

 

 

ラムダにアルファへ報告するよう強く言われた構成員達は踵を返して素早く去っていく。

 

当然、ビアヘロはそれを追う気は全くない、彼としてはアルファがこちらに来てくれるのなら好都合だからだ。

 

 

 

ビアヘロ「懸命な判断だ、あいつらではすぐ死ぬのがオチだからな」

 

ラムダ(身体を炎にする……普通の攻撃は効かない……!どうやってそんな力を手に入れたか知らないが……なんとしてもここを死守する!)

「貴様!ここを何処だと知っての上で来たのか!?」

 

ビアヘロ「当然だ、シャドウガーデンの本拠地、『古都アレクサンドリア』だろ?

かつて、シャドウガーデンのトップ、シャドウが霧の龍を倒し、ここを拠点にしたと風の噂で耳にした。

……それ以上は言う必要はないな?」

 

ラムダ(ここまで知ってる……!?111番と122番はそれを知らない、ということは……!)

「貴様っ!『ディアボロス教団』か!?」

 

ビアヘロ「悪いがそれ以上話す気はない。

それより……部下がやられてるんだろ?早くかかってきたらどうだ?」

(ガーデンの危機ってなったらすぐアルファ来ちゃうからなぁ、あんまりラムダの実力見てる時間ないんだよね)

 

ラムダ「っ!言われなくとも!」

 

 

 

ビアヘロの挑発とも取れる行動に、ラムダが鞭を手に取り攻撃を再開する。

 

しかしそれらの攻撃は当然、彼の『炎化』によって全て無効化される。

 

それと同時にラムダの鞭も燃え始めていく。

 

だがそれでも、彼女は連撃を止めなかった。

 

ここで喰い止めなければ、アレクサンドリアに、『シャドウガーデン』にどれだけの被害が出るかわからないからだ。

 

 

 

ラムダ(私ではこいつに傷は与えられない、だが少しでも……アルファ様とデルタ様が来る時間を稼ぐ!)

「はあぁぁぁぁぁあ!!!」

 

ビアヘロ(……なんか見たことある光景だなぁ。

まあ、『炎化』なんて使ってる自分が悪いんだけど、でも火には水って少し成長した子供でもわかるのになぁ。

そこまでこの『炎化』の魔力の質量多くしてないから、ラムダなら消せると思うんだけど)

「おいおい、火を消すなら普通水だろ、アンタは割と強そうだと思ったが……物理攻撃しか出来ないのか?」

 

ラムダ「ふん、貴様こそ、炎になるだけしか能がないんじゃ―――――!?」

(っ!?何か、何か嫌な予感が!)

 

 

 

ビアヘロの挑発に言い返すラムダだったが言い返し終わる前に嫌な予感を感じて後ろに下がる。

 

すると彼女の眼前が突然爆発した。

 

完全に避けきれず、ラムダの右頬が焼け、髪も少し焦げてしまう。

 

ラムダが改めて前を見ると、先程まで

“瞑っていたはずの左目”を開けていたビアヘロが立ったまま、こちらを笑うように見る。

 

 

 

「くっ…うっ…!」

(何だ……今のは!?)

 

ビアヘロ「まあ、殆ど躱すか。

モロに喰らうようでは話にならんからな」

 

ラムダ(ヤツの左目が開いてる……まさか、あそこに魔力を貯めて解放し、今の爆発を!?)

 

 

 

炎になれたり、左目を閉じて魔力を事前に貯め、開いて爆発させる、それは彼女にとってあまりにも初見殺し過ぎる技ばかりであった。

 

左目もちゃんと肉眼、明らかにアーティファクトによるものではない、

 

しかも『炎化』によって、スライムを水に変えればなんとかなるだろうが、それはあくまでも彼より魔力が強ければの話で、さらに仮に強くても初撃でスライムを結構使ってしまった今のラムダではどうやっても攻略しようがない。

 

彼女にとっては勝ち目のない戦をしている気分であった。

 

 

 

ビアヘロ「さてと、あんまり時間もないし、そろそろ終わらせよっか」

(昔シドからラーニングした『自然の剣』……少しは慣らしておかないと)

 

ラムダ「っ!?消え――――――」

 

 

 

 

 

ズシャッ!!!

 

 

 

 

 

「がっ…はっ……!?」

(い、いつの間に……!?)

 

 

 

アルファが来るまで時間もない為、ビアヘロはラムダの背後に瞬時に移動して彼女の背中を深く斬る。

 

骨を数本斬られ、内蔵に達する寸前の深手だった。

 

だが、ラムダの戦意はまだ失ってなかった。

 

 

 

「この程度でっ……倒れるかあぁぁぁぁあ!!!

 

 

 

倒れる前に、ビアヘロに渾身の鞭の一撃を放つ。

 

だが彼女のその一撃も虚しく、ビアヘロは空高く飛んでそれを回避してみせた。

 

ラムダの鞭が空を切り、彼女はうつ伏せに倒れる。

 

そしてそんな彼女を下敷きにするように、ビアヘロはお尻が最初につくように彼女の背中に着地する。

 

 

 

「がっ!はぁっ…!」

(炎になって、受けられるのに、飛んで避けて、私を下敷きにして、着地した、だと……。

ダメだ…私では、話にならない…アルファ様、デルタ様、早く、来てください…)

 

 

 

圧倒的な力の差を味わい、ラムダは内心でアルファとデルタが早く来ることを願う。

 

ビアヘロは下敷きにしていたラムダを液体金属で拘束し、立ち上がって彼女を見下ろす。

 

それを見たラムダは彼を強く睨みつける。

 

 

 

ビアヘロ(『炎化』任せだと思われても困るからねぇ。

といっても深く斬られた背中の上に着地はやり過ぎかなぁ?)

「……どうした?もう終わりか?」

 

ラムダ「ぐっっ……!うぅ……!」

 

ビアヘロ「……まだ眠ったままの力も引き出さずに、果てるつもりか?」

(生きてる者は『極限の果て』で、大きな力を発揮するからね)

 

ラムダ「!?」

(私の中に眠ったままの力だと……!?

こいつは何を言ってるんだ……!?)

「な…何を、言ってる…!」

 

ビアヘロ「はぁ…理解出来ないならまあいいや、そろそろ終わりにしよっか」

(……そろそろアルファとデルタが来る、ラムダも限界っぽいしいいタイミングだ。

出来ればラムダにはここで極限状態になって、眠ってる力と魔力の一端を引き出してほしかったが……)

 

 

 

ビアヘロが剣をラムダに向ける。

 

彼女は悔しそうに、唇を強く噛み、目の前の男の刃が振り下ろされるのを見ているしかなかった。

 

 

 

ラムダ「ぐっ……!」

 

アルファ「ラムダ!」

 

デルタ「わわっ!?3人とも倒れてるのですっ!?」

 

ビアヘロ「はぁ……」

(やっと来たか、魔力出してないからアルファはわからないが、デルタなら匂いで俺だとわかるからな)

 

 

 

が、構成員達の連絡を受けて駆けつけたアルファとデルタを見て、ビアヘロは剣を降ろして2人を見る。

 

アルファからすれば謎の男がラムダを含めて3人とも、無傷で倒している事から怒りと同時に警戒心を高める。

 

アルファは臨戦体勢を取るが、デルタは気になったのか、匂いを嗅いでいた。

 

 

 

デルタ「すんすん……んん……?」

 

アルファ「……貴方がやったの……!?」

 

ビアヘロ「……この状況見て、何もわからんのか?」

 

アルファ「……そう、ならさような――――」

 

デルタ「ウルティオ様ーーーー!!!

 

アルファ&ラムダ「「!?」」

 

 

 

アルファがビアヘロに襲いかかろうとする直前、匂いでビアヘロの正体に気づいたデルタが飛び掛かり、彼に抱きついた。

 

そう、ビアヘロの正体はシャドウが相棒と呼ぶ男にして、シャドウガーデンのNo.2、ウルティオだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ラムダ

 

 

 

???「うおっとと!?いきなり抱きつくなデルタ!

せめて仮面を取らせろ!」

 

アルファ「……!?ウルティオ……ウルティオなの!?」

 

ウルティオと呼ばれた男「ああそうだよアルファ、ちなみにそこの2人は気絶させてるだけだ。

軽く叩いて起こしてやれ」

 

ラムダ「な、なっ……!?」

 

 

 

ラムダは今見ている光景を理解出来なかった。

 

突然デルタがウルティオ様と叫び、111番と122番を倒した男に抱きついていたのだ。

 

デルタが抱きついた後、アルファの問いに肉眼だけ見えるタイプの仮面を取った謎の男が答え、111番と122番は気絶してるだけと答えた。

 

が、ラムダは混乱していた。

 

謎の男の正体を確立させるため、男に抱きついているデルタに聞く。

 

 

 

(デルタ様は…アルファ様は…今、あの男を何て呼んだ…!?

ウルティオ…まさか…?まさか……!?)

「デ、デルタ様……」

 

デルタ「んんー?あれ?なんでラムダがやられてるのです?」

 

ラムダ「その男は……いえ、その、お方は……」

 

デルタ「ウルティオ様です!あれ?ラムダ、会ってなかったです?」

 

ラムダ「なっ―――――――!?」

 

アルファ「良かった、ほんとに気絶してるみたい。

ラムダの早とちりだったみたいね、もしウルティオじゃなく『教団』の人間なら3人とも死んでるはずだから」

 

 

 

デルタが謎の男の正体がウルティオだと聞いてラムダは驚愕する。

 

確かにウルティオ……つまり、シャドウの相棒なら、自身の身体を炎にしたことも、閉じてる目に魔力を貯めそれを開いて解放して爆発させた事も、さらに炎にならずとも攻撃を避けて強烈なカウンターが出来た事に納得がいく。

 

しかも、その気になれば自分など簡単に瞬殺出来るはずなのに、わざわざアルファ達が来るまで時間を潰すかのように口数多く喋っているのも違和感がある。

 

そしてここに来たのは、111番と122番が失態を犯して連れてきたという。

 

その111番と122番もアルファの確認で気絶してるだけとわかった。

 

と、このように平常時なら思考するラムダだが……。

 

 

 

ラムダ「な、なんですってぇぇぇぇぇぇえ!?」

 

 

 

謎の男の正体がウルティオだということに、一番の驚きを感じたのであった。

 

ちなみに、ラムダの斬られた骨と傷はウルティオが治した。

イータが不在の為、すぐ全快治癒出来る者がいないからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレクサンドリア ウルティオの部屋

 

 

 

ラムダ「失礼いたしました!!!

失態を犯した111番と122番を運んだだけでしたのに、誤認してウルティオ様だと知らずに襲いかかってしまいました!

どうかお許しください!」

 

111番「お許しください!ウルティオ様!」

 

122番「お許しください、ウルティオ様」

(てねっ。

この男が組織のNo.2のウルティオだったとは……ふーん……歳の割にはいい男じゃないか)

 

 

 

アルファが用意してくれたアレクサンドリアのウルティオの部屋にて、ラムダと111番と122番が頭を下げてウルティオに謝罪する。

 

111番と違って、122番はあまり誠意は籠もってないが、ウルティオは気にしていない。

 

その場にはアルファもいた。

 

 

 

ウルティオ「いやぁ、いいよいいよ、ラムダだってここを守るために俺と戦っただけに過ぎないんだから。

だがそこの2人お前らはダメだ」

 

111番「うっ!?」

122番「あら……」

(あれ?もしかしてジナイーダと同じお固いタイプ?)

 

 

 

だがウルティオはラムダを許しても、彼女の左右にいた2人を許す気はなかった。

 

そしてウルティオは自分を指さして口を開く。

 

 

 

ウルティオ「いいかお前ら!

相手が!俺だったから!良かったものの!こ・れ・が!『教団』の強い奴が相手だったら!ここがバレるところだったんだぞ!

普通逃げるだろ!?一部始終を全て見てちゃんと聞いてたら彼女も死なず、逃げれただろうが!?

お前らが無謀にも挑んだせいで!ラムダがズタボロになっちまったじゃねーか!まぁ防戦訓練として扱うってことで死なない程度にやったけど!俺じゃなかったら死んでたんだぞ!」

(実際逃げてくれればアンネローゼを連れ去るだけで良かったのに)

※ガチです

 

111番「はい……仰る通りです……」

 

122番「仰る通りですね」

(……特にそんな事はなさそうだったか。

私は逃げるように言ったんだけどね、でも111番だけ行かせるわけにもいかなかったし)

 

ラムダ(本当に仰るとおりだ……耳が痛い。

私ももっと早く気づくべきだった、『教団』の人間だったら会話もせずに私を殺していた、それなのに私は、ウルティオ様だと気付けなかった…!)

※会ったこともないのに気付くわけない

 

ウルティオ「ここも折角ゼータが苦労して見つけたんだ!拠点探しってのは大変なのよ?ただでさえシャドウガーデンも構成員が……2人が111番と122番ってことは、100人はとっくに越えてるか?アルファ?」

 

アルファ「ええ、とっくに100人は越えてるわ。

そろそろ150人はいくかしら」

 

ウルティオ「その膨大な人間の隠れ蓑探しは大変なのよ!?お前らがゼータの代わりに拠点探し出来るのか!?」

 

アルファ(ウルティオが凄い怒ってるわね……まあ当然かしら。

下手をすれば構成員が多数死んでたし、ここが壊滅するかもしれなかったもの)

 

 

 

まだシャドウガーデンがシャドウとウルティオ、そして『七陰』しかいなかった頃でも、ここまで彼が怒ってる姿はアルファも中々見たことがない。

 

もう彼女が止めるのは不可能だった。

 

ラムダもラムダで、自分がもっと早くウルティオだと気づいていればと自分を責めていた。

 

『教団』の人間だったら3人とも死んでいた筈なのだから。

 

ウルティオはラムダの件に関しては防戦訓練と称しているが、彼女の左右にいる2人に関しては別問題。

 

如何にウルティオが挑発し、イライラしてるフリをしていたとはいえ、彼とアンネローゼの会話をきちんと聞いて、正確な行動をしていれば2人がやられる、なんて事にはならないからだ。

 

万が一ウルティオでなく、これが『教団』の強い相手だった場合彼女らの失態は下手をすればシャドウガーデンに大きな被害をもたらす、シャドウと他の『七陰』が駆けつけるのにタイムラグがあるし、初めからいるアルファとデルタでも『教団』の強敵に確実に勝てる保証はないからだ。

 

『教団』の人間ではなくビアヘロに変装していたウルティオだったから、等という言い訳は通用しない、ただの旅人と名乗っていてもも『教団』の人間じゃないとは限らないからだ。

 

仮に撃退してもここが完全にバレ、また新たに拠点を探さないといけなくなるリスクがある。

 

それ故にラムダから見てもウルティオが相当怒ってるのは納得がいく。

 

そうしてウルティオは111番と122番に30分説教を続けた後、2人を解放した。

 

今度こんな重大な失態をしたらイータの実験台にすると言い残し、アルファとラムダに2人を教育し直すようにキツく言ってアルファと共に2人は退出した。

 

122番だけ、アルファに気づかれないようウルティオを面白そうな男を見つけたような目をしていた。

 

ラムダだけ残したのは、彼女にまだ話があるからである。

 

ちなみに、シド=シャドウと違い、『陰の実力者』ロールプレイで接する必要が無いため、ウルティオはラムダにある程度素で接している。

 

 

 

ウルティオ「全く、まだ旅の途中だというのに」

 

ラムダ「た、旅…ですか?」

 

ウルティオ「うむ、世界の現状を確認しつつ、自らを鍛える旅にね」

 

ラムダ(な、何というお方だ……!

自らを鍛えつつ、世界を旅して『教団』や、その他の組織の情報を集めている!

これが……シャドウ様が相棒と認めた、『シャドウガーデン』のNo.2の思考の一部…!)

「自らの鍛錬をしながら、世界の現状を確認して『教団』の動きを探る……流石でございます。

『七陰』の皆様が『テンプラー』を殲滅対象にしていたと存じて、その構成員約500人をお一人で仕留めたとか」

 

ウルティオ「ん?『七陰』が討伐対象にしてるって風の噂で聞いてたからね。

旅の途中でたまたま見つけたから皆殺しにしちゃった、雑魚ばかりだったから大した情報も手に入らなかったし。」

(まあ高い所から見ててうじゃうじゃしてたから、気持ち悪くて殺したんだけど)

 

ラムダ「それでも、ウルティオ様が『テンプラー』の構成員を500人も倒したことで、『七陰』の皆様のご負担も大きく減ったと存じます」

 

ウルティオ「うむ、それでその後久しぶりにデルタとイプシロンと再会してね……ここの場所も聞いたってわけ。

……さて、話を戻そうか、ラムダ、君だけを残した訳だが……」

 

ラムダ「はっ!」

 

 

 

旅の話を少しだけして、ラムダを留めた本題に入ろうとすると、彼女はやけに気合の入った顔をしていた。

 

それもそうだ、お初にお目にかかるとはいえ、組織のNo.2との対話になるのだ、自分にも他人にも厳しいラムダが固くなるのも無理はない。

 

ウルティオは彼女のその表情を見て少し口角を上げ、口を開く。

 

 

 

ウルティオ「ラムダ、君には明日、俺の実戦訓練を受けることを命ずる」

 

ラムダ「なっ……!?私が、ウルティオ様の訓練を!?」

 

ウルティオ「言ったでしょ。

『眠ったままの力を出さずに、果てるつもりか?』って。

ラムダには、その力の一端を引き出す為に俺の実戦訓練を受けてもらう。」

 

ラムダ「し、しかし……私は……」

 

ウルティオ「大丈夫だ、アルファからは俺が言っておく。

あと安心して、その訓練で『霧化』『スライム化』そしてさっき使った『炎化』は使わないから。

それとも、俺の実戦訓練を受けるのは不服?」

(もう充分『炎化』のテストは終わってるし、ラムダが割と物理寄りなのも判った、後は……)

 

ラムダ「!そ、そのようなことはありません!

寧ろ、私のような者にそう言って頂けて、光栄です!」

 

ウルティオ「じゃ、決まりだね。

なら明日に備えてしっかり休んでおくこと。

大事な日までに体調管理出来ないんじゃあ話にならないから」

(後は彼女の内に眠る、彼女自身の力と魔力、それを引き出せるかどうか……)

 

ラムダ「サー!イェッサー!」

 

ウルティオ「………」

(わかってはいたけど、生で見て聞くと凄いなぁ)

 

 

 

ラムダの身体と声を見て聞きながら、ウルティオはそう呟くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ウルティオ

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

 

ウルティオがアルファに、アレクサンドリアの中で最も頑丈な訓練場を使わせてもらうように頼み、本日彼とラムダがそこにいた。

 

ちなみにラムダには教えていないが、自分の実戦訓練を見えない所で見ておけと111番と122番にも伝えている。

 

 

 

ウルティオ「さて、体調は……聞くまでもなく万全そうだね。

準備はいいかな?ラムダ?」

 

ラムダ「はっ!いつでも」

 

ウルティオ「……よかろう。

ならば上官の務めとして、しっかり見極めてやる。

ラムダ、君の扱える全力を、俺に見せてみろ!」

 

ラムダ「はっ!

……では、行きます!」

 

ウルティオ「あぁ、そうそう、言い忘れてたけど……」

 

ラムダ「っ!」

 

 

 

ラムダが展開したスライムソードを、ウルティオも自身のスライムソードで受け止めた後、彼女に言い忘れいた事を告げる。

 

 

 

ウルティオ「組織に入る前から持っていた力。

組織に入って鍛えた力、与えられた力。

この3つだけで、俺に一撃を与えられると思うなよ?」

 

ラムダ「っ!はあぁぁぁあ!!!」

 

 

 

こうして、ラムダへのウルティオの実戦訓練が始まった。

 

彼は気づいているが、ラムダが気づいていない、2つの視線が、2人を見ていることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 111番&122番

 

 

 

 

ウルティオのラムダへの実戦訓練が始まる中、2人の視点から見えない場所でその光景を見る者がいた。

 

昨夜ラムダへの話を終えた後、彼に呼び出された111番と122番である。

 

明日のラムダへの訓練を見るように、彼に命じられたのだ。

 

そして彼から「お前達は見ることになるだろう、極限の果てに辿り着いた者の、内に眠る力と魔力の一端を……」と言い残され、彼は2人を下がらせた。

 

以上の事の顛末で、2人はウルティオの実戦訓練を、2人の視界外から見ていたのである。

 

 

 

122番「へぇ…あのジナイーダが手も足も出ないとは……。

私達2人を一撃で気絶させたからわかってはいたけど『シャドウガーデン』のNo.2は伊達ではないってわけだね。

しかもウルティオ様は余裕そうだ、全く本気を出してない。」

 

111番「あのラムダ様を圧倒するとは……!

これが、『シャドウガーデン』のNo.2、ウルティオ様の実力の一端……!」

 

 

 

そして、ウルティオの実戦訓練をいざ見て、数分経過すると2人は驚嘆する。

 

ラムダの方は息を切らし始めて必死そうな顔をしているのに対し、ウルティオの方は全然余裕だ、息1つしていない。

 

ラムダは現在2人の上官である前に、元ベガルタの高位軍人なのだ、面識はない111番はともかく、知人である122番はその実力をある程度知っている。

 

その人物が、余裕そうな相手に対して必死に攻撃を当てようとしている、当たりそうになってもウルティオのスライムで全て防がれている。

 

ちなみに、まだガーデンに入ったばかりの122番は、ラムダの事を彼女が見てない所で旧名で呼ぶ事はよくある。

 

そもそも彼女自身、ガーデンもそうだがベガルタの軍にいた頃の忠誠心みたいなものは持ち合わせていない。

 

だが無論、組織の仕事は機械的であれこれこなしてはいる。

 

はたしてそんな彼女がこれからガーデンにいてどう変わるのか……。

 

閑話休題。

 

訓練が続く中、ついにラムダに限界が来ていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ウルティオ

 

 

 

ラムダ「はぁ、はぁ、はぁ……」

(ダメだ……やはり一撃も与えられない…。

しかも、ウルティオ様はあれだけ動いても息1つしていない……!)

 

ウルティオ「……どうしたラムダ?もう限界か?」

 

ラムダ「うっ…お恥ずかしながら……」

 

ウルティオ「そうか、じゃあまだ余裕だな」

 

ラムダ「なっ!?」

 

 

 

限界状態であるラムダに対してウルティオがまだ余裕と言うと、彼女が驚愕する。

 

その驚きに直ぐに答えるようにウルティオが言葉を続ける。

 

 

 

ウルティオ「教えてやるラムダ。

限界の先には『極限』というものがある」

 

ラムダ「きょ…『極限』、ですか?」

 

ウルティオ「そうだ。

俺達人型の生物のみならず、あらゆる生物が命の危機に陥る程、もしくは極限レベルにまで身体を動かし疲労し、極限の果てに辿り着いた時、生物の生存本能で内に眠りし力の一端が引き出されるのだ。

その力をどれだけ引き出せるかは個人差があるがな」

 

ラムダ「な、そ、そんな事が、本当に……!?」

 

ウルティオ「ああ、本当だとも。

まあでも、どうやらラムダ1人の力だけでは、内に眠る力を引き出すのは難しそうだな。

……仕方ない、これはこの訓練でいい成果を出した後に見せたかったが……」

 

 

 

ウルティオはスライムボディスーツの後ろからスライムソードを多数展開する。

 

そしてその無数のソードの先端を、筒状に変形させてラムダに向ける。

 

 

 

ラムダ「な……!?」

(ソードの先端に穴を!?ウルティオ様は何を…!?)

 

ウルティオ「ラムダ、俺が君を極限の果てに連れて行く手助けをしてやろう。

この新スライム兵器『スライムインコム』でな!」

 

 

 

そう言ってラムダに向けて変幻自在にスライムソードを伸ばしてくる。

 

無論、ラムダもスライムソードを展開して何とか受け止めようとするが………

 

 

 

ラムダ「がぁっ!?」

(な、何だ……!?今の衝撃は……!?)

 

 

 

突然、背中から何かの衝撃を受けラムダが一瞬怯む。

 

が、その一瞬の隙がウルティオの格好の的になる。

 

 

 

「うあぁぁぁぁぁあ………!!!?」

 

 

 

直後、同じ様な衝撃がラムダに多数襲いかかる。

 

そして、ラムダは地面に視線を向けて、あるものを見る。

 

それは、小石サイズの、丸いスライムの玉だった。

 

それと同時、ラムダはウルティオが展開しているスライムソードの筒状となった先端を見る

 

 

 

「なっ……!?ぐあぁぁぁぁぁあ!?」

(な、小さいスライムの玉…そしてソードの先端の穴…!?

まさか、ウルティオ様は、スライムソードからこのスライムの玉を発射し、私に当てて攻撃しているというのか!?)

 

ウルティオ「ふむ…思ったよりも制御が簡単だな。

相手の武器を受けつつ、先端の穴から発射されるスライム弾で攻撃出来るから、より遠距離に対応出来る遠近両用…つまり接近戦と遠距離戦どちらもできる。

並の者が使うスライムソードだと中距離以上遠距離未満が限界だからな。

弾の威力は使用者次第だが、これなら『七陰』や『ナンバーズ』は当然、少し魔力制御力の高い構成員でも使えるだろう。

使えなくても魔力制御力、そして相手を狙う集中力の訓練にもなる。

こんなに簡単ならもっと魔力出力に意識を向けてもよさそうだ」

 

 

ラムダの全方位にあるスライムインコムを四方八方、変幻自在に曲げたりして展開し、スライム弾を撃ち込みつつ、自身の開発したスライム兵器の感想を述べながらウルティオは彼女に攻撃し続ける。

 

スライム弾に籠める魔力を増やしながら。

 

その結果、ラムダが受ける衝撃はさらに強くなる。

 

その気になればウルティオはラムダの身体を穴だらけに出来るが、訓練の為そこまですることはない。

 

スライム弾の魔力を調整しながら、彼女を攻撃し続ける。

 

ラムダも何とか弾が当たらないよう防戦するがまさに焼け石に水であった。

 

 

 

ラムダ「うわあぁぁぁぁぁあ!?」

(如何に実力の差を理解しているとはいえ、私が…まるで実験台扱い……!

しかも、訓練に使えるかどうかを試している……!)

 

ウルティオ「もう少し出力上げるぞラムダ。

しっかり耐えろよ?」

 

ラムダ「アアアァァァァァァア!!!アッ……」

(うっ…もう……動け……)

 

 

 

もう少し出力を上げ、少しした後についにラムダが膝をついて仰向けに倒れてしまう。

 

ウルティオはスライムインコムをボディスーツに戻して彼女の下にゆっくり歩き、少し残念そうな目で見る。

 

 

 

「うっ……あぁ……」

(ウルティオ様が……失望している……

私が……私の、内に眠る力を、引き出せないばかりに……)

 

ウルティオ「うーん……」

(ラムダの性格だったら、この1日だけで内に眠る力の一端を引き出せると思ったんだが……)

「……俺の見込み違いだったか……?」

 

ラムダ「うぅっ…」

 

ウルティオ(ここまでやってもラムダの内なる力を、魔力を開放出来ないのか……こうなったら、もう賭けるか。

後がどうなるかわからんが少し挑発するしかない)

「自分にも他人にも厳しく訓練していると聞いてはいたが……意外と自分に甘いんだな、ラムダ、そんな事では、いざ命のかかった戦いで生き残れないぞ?」

 

ラムダ「――――――――!?」

(わ、私が……甘い……!?)

 

 

 

ウルティオから甘いと言われ、ラムダは衝撃を受ける。

 

これまで彼女は自分にも他人にも厳しく、ベガルタ軍人時代でも、『シャドウガーデン』のラムダとしても、厳しくしてきたつもりだった。

 

だが、そんな彼女が甘いと言われた事など1ミリもない。

 

寧ろアルファからも厳しいと言われるほどだ。

 

その言葉を聞いた時、彼女の身体の中、心に火が灯る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……そうだ……。

私は、過去も今も、ベガルタにいた時も『シャドウガーデン』にいる時も、自分に厳しくしてきたではないか。

この程度の事……シャドウ様やウルティオ様、七陰の皆様も経験しているはず……!

何とも情けない……!自分に厳しくしていたつもりだったが、まさか、『甘い』などと言われるなど……!

誰にも言われた事がなかった!シャドウ様やアルファ様、イプシロン様にも……!

そうだ、自分にだけ甘いようでは……シャドウガーデンの教官など務まるものか!)

「……うぅ……うぉお……!」

 

ウルティオ「!」

(ラムダの魔力が、昨日の時よりも急激に上がった!これは……これはまさか!?まさか!?)

 

 

 

ラムダが全身に力を籠め、立ち上がり鞭を構える。

 

ウルティオもほんの少しまでの彼女と違うと察したか、内心少し期待を膨らながら笑う。

 

それは決して、普段の敵に対する嘲笑ではない。

 

彼女が自分の内に眠る力を、魔力を引き出したかもしれないという、簡単に言うならわくわくしたような笑顔だ。

 

瞬間、彼女から昨日とは違う膨大な魔力が溢れ出る。

 

 

 

ラムダ「ヌァアァァァァァァア!!!

 

ウルティオ「……見事だ」

 

ラムダ「!?」

 

 

 

そしてラムダの内に眠る力と魔力を引き出した全力以上の鞭の一撃が、避ける“素振り”をしたウルティオの胴体に命中した。

 

受ける直前のウルティオの呟いた言葉を聞いて、ラムダは一撃を与えた最後、驚いた後倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 111番&122番

 

 

 

111番「は、入った……ウルティオ様に、ラムダ様の一撃が入った……?」

 

122番「まあ十中八九、ウルティオ様はわざと受けただろうね」

 

111番「わざと!?」

 

122番「そりゃそうだ、これまで余裕そうに避けたり防御していたのに、急に意味もなく攻撃を受けるわけがないだろう?

しかも攻撃を受ける直前、口の動きからしてウルティオ様はこう言った。

……『見事だ』と」

 

111番「い、言われてみれば、確かに……!」

 

122番「それに、訓練の目的はジナイーダの中に眠る力を引き出すのだろう?

そして、その力を籠めた一撃を敢えて受ける、威力の確認の為にもね。」

 

111番「ウルティオ様は、そこまで考えていたのか…!

……って、122番、よくわかったな……?」

 

122番「まあ、これでも元はベガルタの教導官だからね、それくらいはわかるさ」

 

 

 

ラムダがついに倒れた後、111番と122番はそれぞれ、ウルティオの訓練とラムダの健闘について話していた。

 

111番にとっては今まで余裕で避けたり防いだりしたのを最後の一撃、避けきれずに受けたものと思っていたが、122番の説明を受けて納得した。

 

今まで普通に避けて防いでいたのを最後に受ける、これはウルティオがラムダの全力以上の一撃の威力を確認する為。

 

他にもまだまだ思惑があるだろうが、2人のウルティオの思考で思いつくのはこんなところだろう。

 

一方、ラムダの一撃を受けたウルティオは顔を俯けて、静かに満足そうに笑っていた。

 

 

 

111番「ウ、ウルティオ様が笑っている……?」

 

ウルティオ「クックックックッ…ハッハッハッハッハッ!

ハーッハッハッハッハッハッハッ!!!

やりやがった……!やりやがったぞ!

やはり俺の目に狂いはなかった!!!

己が眠りし力と魔力の一端を引き出し、加減感覚とはいえ、この俺に一撃を与えやがった!ハッハッハッハッハッハッ!!!」

 

122番「やっぱり、わざと受けてたね、しかも加減して」

 

ラムダ「う……ウルティオ、様?」

 

ウルティオ「フッフッフッ……ラムダ。

お前の中に眠る力と魔力の一端、そして一撃、しかと見極めてさせてもらった、よくやった……!」

 

ラムダ「ウルティオ様……!」

 

 

 

そしてラムダを称賛したウルティオは『治癒魔法』で彼女を回復させていく。

 

そして、口角を上げ、彼女の顔を見つめる。

 

 

 

ウルティオ「これで俺の訓練は終いだ。

良い結果を残した者には、それ相応の褒美を与えなければな」

 

ラムダ「ほ、褒美……ですか?」

 

ウルティオ「そうだ……んっ!」

 

ラムダ「っ!?///」

 

111番「なっ…!?」

 

122番「おやおや、ウルティオ様は肉食系かな?」

 

 

 

ウルティオの右手が、ラムダのある所に挟まる。

 

 

 

ラムダ「ウ…ウルティオ様!?な、何を!?///」

 

ウルティオ「この方が与えやすいのだ。

さぁラムダ!褒美として、我が数多の、膨大な魔力を受け取れぃ!!!」

 

ラムダ「――――――――――!!!???」

 

 

 

この後どうなったかは、読者の想像にお任せします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ウルティオ

 

 

 

その夜、部屋で休んでいたウルティオとアルファが、彼のベッドで寝転がっていた。

 

 

 

アルファ「まさか、本当にラムダの力を引き出すなんてね」

 

ウルティオ「ラムダの性格なら、たった1日の訓練でも内に眠りし力と魔力の一端を引き出せると思っていたからな」

 

アルファ「流石ねウルティオ」

 

ウルティオ「111番と122番を連れてアレクサンドリアに行った時は、旅の時間を無駄にするものだと思っていたが……思わぬ収穫だ。

これで、ラムダもさらに強くなれる」

 

アルファ「そうね、ラムダは自分が、シャドウやウルティオの魔力がなくても、まだまだ強くなれる可能性を示した。

そして貴方がラムダに提案した訓練メニューがあれば、『シャドウガーデン』の構成員はさらに強くなれる、でも……」

 

ウルティオ「ん……?うぉ!?アルファ!?」

 

 

 

アルファが突然、ウルティオに馬乗りになり、こちらを見てくる。

 

そして顔を近づけ、彼の唇にキスをした。

 

 

 

「んんっ…!?んっ……!?」

 

アルファ「婚約者のアイリス・ミドガルに、ラムダ……これ以上増える前に、私も私を、貴方に刻まないといけないわ。

私は……貴方のものだから」

 

ウルティオ「・・・」

(これは……凄い夜になりそうだな)

 

 

 

こうしてアルファにまたキスをされたウルティオは、彼女と熱い夜を過ごすことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日の朝、ウルティオは旅の続きをするためにアレクサンドリアを発とうとした。

 

 

 

デルタ「もう行ってしまうのです……?ウルティオ様……?

デルタ、もっとウルティオ様と遊びたいのです……」

 

アルファ「我慢しなさいデルタ。

元々111番と122番を連れて、ウルティオはここに来たのだから」

 

デルタ「うぅ……」

 

ウルティオ「すまんなデルタ。

旅から帰ってきたら、何でもしてあげるから」

 

デルタ「本当!?じゃあ、デルタ、ちゃんと待つのです!」

 

ラムダ「ウ、ウルティオ様……///」

 

ウルティオ「ん?どしたのラムダ?」

 

ラムダ「その……余計な事かもしれませんが、お気をつけて………///」

 

ウルティオ「うん、ラムダもしっかり自分の務めを果たすんだぞ。

『シャドウガーデン』の構成員がどれだけ強くなるかは君にかかってるんだから」

 

ラムダ「!?

……サー!イェッサー!///」

 

アルファ「ラムダ、貴方さっきから顔が赤いわよ?」

 

ラムダ「そっ、それはその……き、聞かないで貰えると……///」

 

アルファ「ダメね、後で話があるわ」

 

ラムダ「うぅ…///」

 

 

 

旅立とうとして3人を見ると、ラムダだけ何故か顔を赤くし、モジモジしながらこちらを見てくる。

 

ウルティオは何があったかはアルファが聞くものかと思い、あまり気にしてはいなかった。

 

 

 

ウルティオ「さてと、そろそろ行く。

アルファ、デルタ、ラムダ、俺が帰ってくるまで『シャドウガーデン』は頼んだよ」

 

アルファ「ええ」

デルタ「はいなのです!」

ラムダ「……いってらっしゃいませ、ウルティオ様…///」

 

 

 

結局、終始ラムダの顔は赤くなったまま、ウルティオは旅を続けるのであった。

 

この時、彼は気づいていなかった。

 

彼の右手に籠められた紫と黒の魔力が完全に混ざり、一瞬だけ黒紫色の魔力になっていたことに………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、レベリオの旅が終わって1ヶ月。

 

魔剣士学園入学まで、あと、2ヶ月………

 

広大なる荒野にて、シャドウとウルティオ、2人がその場にいた。

 

その遥かに離れた少し高台の所に、『七陰』全員、そしてラムダが同席していた。

 

 

 

ベータ「シャドウ様と、ウルティオ様の戦い……!」

 

ガンマ「これは、過去最大の勝負になりますわね」

 

デルタ「ボス〜!ウルティオ様〜!どっちも頑張るのです〜!」

 

イプシロン「一体どの様な戦いになるのでしょうか……!」

 

ゼータ「うーん、流石に、ウルティオ様では主に勝てないと思うけど……」

 

イータ「ガーデンの、最強戦力同士の、勝負。

どうなるか、わからない。」

 

ラムダ「あの……アルファ様……」

 

アルファ「何?ラムダ?」

 

ラムダ「休日の日にこの場に同席させてもらえるのは光栄なのですが、何故、私まで?」

 

アルファ「貴方の休日は、最早休日じゃないわ。

休日でも他の構成員を別の意味で訓練してしまうことがあるし。

それなら、『シャドウガーデン』のツートップ、あの2人の戦いを見る方がより有意義に休日を過ごせるわ」

 

ラムダ「うっ……それは、確かにそうですが……」

 

アルファ「しっかり見ておきなさい、ラムダ。

この戦い、滅多に見れるものじゃないから」

 

ラムダ「……サー!イェッサー!」

 

 

 

アルファのその言葉に、意を決してシャドウとウルティオの戦いを観戦することにしたラムダ。

 

そして、シャドウとウルティオの方も、準備は万端だ。

 

 

 

シャドウ「ゆくぞ、我が相棒よ。

……修行の成果、見せてもらおう」

 

ウルティオ「……ああ、行くぞ!」

 

 

 

そして、シャドウvsウルティオ

 

『シャドウガーデン』最強戦力同士の2人の剣がぶつかり、ここに開戦した。

 

※魔剣士学園入学2ヶ月前の、シャドウvsウルティオの戦いは、このシリーズ過去最大のものとなります。

 

いつの日か、ラムダの口から解説されるので、それでもいい方は気を長くしてお待ち下さい。

 

 

 

ラムダ「えっ!?私ですか!?」

 

 

 

 

 

 







ビアヘロ・ヴァンデルング
ウルティオ


最強に興味がないくせに次々と新スライム兵器、魔力を使った技や魔法を産み出している紫の瞳の転生者オリ主

気絶した111番と122番を連れてアレクサンドリアに来た所を、その場に居合わせたラムダと交戦し、彼女の性格を考慮すると、もしかしたら1日でも自分が鍛えたら彼女の中に眠る力の一端を引き出せるのではないかと思い、彼女に自分の実戦訓練を受けるように命じた。

彼のこの訓練に関しては『七陰』の人間全てが受けており、今まで彼がアレクサンドリアに来なかった事から七陰以外で彼の訓練を受けるのはラムダが初である。

いざ訓練を始めると中々ラムダの眠る力、魔力の一端を引き出せれず、限界の先には極限があり、その果てに辿り着いた時、眠る力の一端が手に入ると教えて、彼女を新スライム兵器『スライムインコム』でじわじわと追い込み極限状態に陥らせ、さらに『甘い』と言って挑発することで、結果ラムダ自身の眠る力と魔力の一端を引き出させることに成功。

その結果を出し、『お遊び』感覚とはいえ(ラムダには加減感覚と言っている)自分に一撃を与えた褒美としてラムダに自身の赤の魔力を極限まで授け、その魔力を扱えるかはラムダ次第と告げ彼女を大きくパワーアップさせる。

後に夜アルファと過ごしてその翌日、アルファ、デルタ、ラムダの3人に見送られ再び旅立った。

ちなみにこれまで一部の相手に対してわざわざ辛辣、悪辣、残虐非道になり尚且つ挑発等をしていたのも相手の中に眠る力を見たく、その力を引き出した状態で戦いたいというのが本音の1つであり、それが出来ず自分に敗れる、もしくは負けが確定している者には時には嘲笑い、見下し、憐れむような目で見る。



アルファ


思わぬ形でウルティオと再会して内心喜んでいる彼のヒロイン候補No.1キャラ。

ウルティオが111番と122番に説教していたことで、自身の甘さを改めて痛感させられるがその翌日にアルファはアルファのままでいいとウルティオに言われている。

ラムダを訓練で鍛えた後のウルティオと一夜を過ごしたが、彼女に青の魔力を極限まで与えた後、どう過ごしたかは読者の判断に任せますw



デルタ


シャドウガーデン『七陰』第四席の獣人の娘。

何気に旅の前編、後編に出てどちらもウルティオに会って抱きつくという、『七陰』の中でウルティオとの出会いに優遇された圧倒的可愛いワンコちゃんポジション。

ウルティオが旅を再開した後、旅を終えて帰ってくる彼に何をしてもらおうか検討中………。



ラムダ


『シャドウガーデン』の幹部『ナンバーズ』の1人であり、構成員達を鍛える教官でもある。

気絶した111番と122番を連れていたビアヘロが、液体金属で丸めて空中に浮かしている彼女達を地面に落としたのを見て激昂し(この時ラムダは2人がビアヘロに殺されたものだと思っていた)彼と交戦するもビアヘロの『炎化』と少しだけ見せた卓越されし戦闘技術の前に手も足も出ずに重症を負う。

その後アルファとデルタが駆けつけるが、死んだと思っていた111番と122番は気絶、アルファとデルタがビアヘロを『ウルティオ』と呼んでいた為、驚愕しつつ、自分の早とちりで襲いかかったと認識しウルティオに謝罪した。
※まあ突然の侵入者で、尚且つ部下の2人が殺されたと思っていたから無理もない

その後傷と骨を治された彼女はウルティオの実戦訓練を受けるよう本人に言われ、翌日彼に全力で挑んで交戦するも攻撃は全て普通に回避され、彼のスライムで迎撃防御され一撃も与えられない。

その後にウルティオから訓練の目的を聞かされた後、彼の『スライムインコム』でダメージを受け続け極限に追い込まれるも、彼の訓練内容を思い出したのと、意外と甘いと言われた事で彼女の心に火がついて極限の果てに辿り着き、眠っていた自身の力と魔力の一端を覚醒させてウルティオに一撃を与えられた。

その結果に満足したウルティオによって、彼の右手が彼女の◯の◯◯に挟まり、そこから褒美として彼の右手から赤の魔力を彼の極限まで注がれ大幅にパワーアップする。

とはいえ魔力量だけならアルファを越えるものの、シャドウとウルティオ両方の魔力を持つ『七陰』と違い、あくまでウルティオの、しかも『赤』の魔力だけしかラムダは与えられていない為、『七陰』クラスに少しだけ近づいた程度である。

尚、その後からウルティオの顔を見たり想像したりすると顔を赤くしてしまうようになってしまった。

何をしたんだウルティオ……。



『スライムインコム』


展開した多数のスライムソードの剣先を筒状に変化させ、そこからパチンコ玉サイズの自身の魔力を込めたスライム弾を発射する新スライム兵器。

ウルティオのスライムボディスーツの後ろから伸びて展開し、弾を発射している為そこまで魔力制御力が必要なく『七陰』や『ナンバーズ』、それ以下の魔力制御力が少し高い構成員でも慣れれば使える割と便利な武器。

本人は前世の某ロボットアニメの兵器から想像してこの兵器を産み出したが、どうやらまだ初期段階でしかない為に自身の実戦訓練を受けたラムダ相手に試した。

相手の武器を受けつつスライム弾を発射する故に元がスライムソードの為、より遠距離に対応出来る遠近両用に出来る便利さを実証した。

スライム弾の威力は使用者次第だが魔力制御力、かつ相手を狙って攻撃する為の集中力を鍛える訓練には丁度いいかとウルティオ本人は言っており、ラムダに訓練メニューの1つとして加えるように言った。

某ロボットアニメには特定の人間、空間認識能力を持つ者にしか使えないインコムの上位武器があるが、知ってる人は察しがつくだろう。



『イグニッション・バースト』
※『小手先の技』認定


事前に瞑った片目に魔力を蓄積させ、対象に向けて目を開けた後瞬間的に魔力を奔流させて爆発させる技。

技名はあるのだが、初見殺し兼不意打ち、陽動に使用するため本人は技名を言わずに使う。

本人はこの程度なら『七陰』はおろか上位の『ナンバーズ』でも使えると言っており『小手先の技』認定している。

いや、なら教えてやれやウルティオ……



『炎化』


『霧化』の炎版。

炎になるため、霧化同様に物理は効かず、相手が格闘の場合は下手をすると相手が火傷する。

『霧化』より質量は多いがその分魔力消費がかなり激しいらしく、ラムダ相手に1回目の交戦で試すだけに終わってる。


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