ヴィラン名「ヴィランジェノサイダー」 作:宮田
オールフォーワンか…聞いた事がある。裏社会の帝王だの魔王だの言われている奴のことで「世界中の犯罪の裏に奴がいる」と言われている奴だ。しかし、アレは都市伝説だったはず。しかし、澄子さんの真剣な表情からそれが事実なのではないかと思った。たとえ、それがあのオールフォーワンでなくても誰かに狙われているというのは間違いないと思う。
ならば俺に出来ることは...「分かりました。美那子をプロヒーローの元まで保護します」俺がそう述べると泣きながら感謝を伝えてくれた。「ありがとうございます..ありがとうございます..」
準備はもうできていたこともあって俺たちはすぐに出立することができた。一時間くらい歩いた後に家の方を振り返った。「煙が…」何が起きたのかは想像に難くない。命を懸けてくれた人に報いるため俺たちは歩みを止めない。
??「ふぅ~む。やはり逃がしたようだね。」焼野原の上に高身長の男が立っていた。??「ここに居ても仕方がないね、取り敢えずまだ近くにいるだろうし。あの個性を使うかな」そうすると男は急に口を開けた。
何か嫌な悪寒がする。そう思った瞬間。地面が、小さく揺れた。
――地震? そう思った瞬間、揺れは大きく、耐えがたいものになる。とても立っていられない。尻餅をついて倒れる。
揺れは大きかったが、すぐに治まった。ぽつり、と、顔に水滴が当たった。途端に、水滴が次々と降り注ぎ、顔を、地面を、濡らす。雨が降り始めたようだ。
先ほどまで雲ひとつ無かった星空が、一瞬にして、闇よりも暗い黒雲に覆われたことに。降り注ぐ雨が、血のように深い朱色であることに。恭也は気づいた。
突然。
周囲に、獣が鳴き叫ぶような声が響き渡った。
再び、頭を引き裂かれるような痛みに襲われる恭也。
獣の鳴き叫ぶ声は、高く、大きくなる。それにつれて、恭也の頭の痛みも耐え難いものになっていく。
獣の鳴き叫ぶ声――いや、これは、サイレンの音か?
サイレン。危険を知らせるための音。さっきの地震のためか? それにしても、あまりにも大きな音だ。まるで、地の底から天に向かって危険を知らせているかのような――。
サイレンはしばらく鳴り続けていたが、徐々に小さくなっていく。
それにつれ、恭也の頭を襲う痛みも、治まっていく。
やがて、サイレンの音は聞こえなくなった。
「『個性 異界』か..まさかこれほどまでとはね。驚いたね..さてこれでもう彼らには、逃げ場なんてない。どうあがいても絶望だ。」そう言う男の笑みはこの上なく楽しそうで、嬉しそうだが。途轍もなく狂気的な笑みを浮かべていた。
どうあがいても絶望
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