仮面ライダー ハーメルンジェンレーションズ HEROEZ MISSION 作:志村琴音
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、何卒宜しくお願いします。
「まさか……あの三人のユーザーの……!」
「そうだ。素晴らしいね……! イカデビルなどとは大間違いだ……!」
ライドボットによって黒い新たな身体を手に入れたゴーストデリーター。
その長い両腕を振り回し、ライダー達に襲い掛かっていた。
アクトとリベードはディスペルクラッシャーで斬り落とそうとする。
何とか成功はしたのだが、如何せん細かい粒子の集合体である。すぐにまた合体をして攻撃を仕掛けて来るのだ。
避けながら何度も攻撃をするものの、逆に大きな拳で殴り飛ばされてしまった。
「ガァッ……!」
「キャッ……!」
ブートレグは自慢の脚力を使ってジャンプをして飛び掛かる。
猛スピードで胴体に攻撃をすれば問題無いと思ったのだが、ゴーストデリーターは両脚を使って高く跳躍。両手を振り下ろして地面に叩きつけた。
「ッァ……!」
『カメンライド! ファイズ! ビルド!』
銀色のロボットが射撃をし、赤い兎が飛び跳ね、青色の戦車が次々に砲丸を撃つ。
ゴーストデリーターは戦車から来た砲弾を全て、襲い来るロボットと兎に投げつけて爆破。
更に戦車を両足で踏み潰し、その勢いを使ってディクリードに大きな左手で裏拳を喰らわせた。
「ウァァッ……!」
あまりの攻撃力に全員が倒れてしまう。
高々機械の集合体だと思っていたら、ここまで手強いとは。全く想像もつかなかった。
「強いわね……」
「だな……」
「けど、勝ちゃこっちのもんだろ……!」
「仰る通りですね……!」
全員が立ち上がり、再び攻め始めた。
アクトがディスペルクラッシャーを銃の形に変え、銃弾を放ってゴーストデリーターを惹きつける。
その隙に他の三人が一斉に飛び付く。
だがゴーストデリーターは両腕を左右に伸ばした状態で回転。
全員を再度吹き飛ばした。
「言っておくが、私を倒そうとしても無駄だよ。何せ別の肉体に寄生をすれば良いだけだからねぇ。諦めて私の身体となるが良い……!」
挑発をするゴーストデリーター。
それに応対をしながら最初に立ち上がったのは、アクトとリベードであった。
「五月蝿ぇな……。お前の肉になるなんて100パーごめんだな」
「同感。私達は貴方の所有物じゃない。だから、何とかして貴方を倒す……!」
トランスフォンを外した二人は、それぞれがオールマイティーサーバーと名の付く直方体を取り出し、そのスロットに装填した。
『『COMBINE』』
側面にあるタッチパネルをなぞってボタンを押すと、二人の鎧が解除される。
上空に黄金の鎧が出現し、様々なものが乗った大きな輪がそれを取り囲む。
その下でサーバーをドライバーに挿した。
『『Here we go!』』
輪が主を潜って地面に辿り着き、上に置かれていたものが全て身体へと吸収され、一つ一つが戦士を模った模様となる。
そして黄金の鎧が装着されたことで、4本の角を持つ最強形態へと変身を遂げた。
『All twenty in this server! This is perfect for me to fight! I’m KAMEN RIDER ULTIMATE ACT! It’s the strongest.』
『All nineteen in this server! This is perfect for me to fight! I’m KAMEN RIDER ULTIMATE REVE-ED! It’s the sharpest.』
アルティメットシェープという形態になったアクトとリベードは、最強の武器であるディスペルデストロイヤーを取り出した。
ゴーストデリーターが拳を繰り出してこようとしたので、アクトはバズーカモードから弾丸を次々と発射。敵の気を逸らせる。
その隙にリベードがチェーンソーモードで斬りつける。殆ど不死身に等しいわけであるが、多少のダメージを加えることは何か意味がある筈だ。
「だったら……僕も行くか……!」
ブートレグの元に羽のようなパーツが付いた白いガジェットがゆっくりと降って来た。
それを捕まえて羽を全て仕舞い込むと、じっと表面を見つめる。
「……花蓮さん……お借りします……!」
ドライバーのスロットに装填をした。
『
軽快な音楽が流れる中で、レバーを押した。
『変身シークエンスを開始します』
するとブートレグの焦茶色の身体が白く光り始め、そこから光と同じ色である白色に体色が変化した。
更に身体に虹色の靄がかかり、まるでオーロラのように輝いている。
そして首元には赤色のマフラーが靡いている。
『VIRUS』
ヴァイラスシェープに変身をしたブートレグ。
身体を粒子状に崩壊させると、アクトとリベードと互角に渡り合っているゴーストデリーターの目の前に近付き、再び肉体を形成して蹴りやパンチを喰らわせようとした。
ジャンプされたことで避けられてしまったのだが、リベードと共に追い掛け、攻撃を続けるのだ。
「えぇ……。アイツらめっちゃ強そうになってんじゃん……」
ディクリードは最強形態になった三人がゴーストデリーターと繰り広げる凄まじい戦いを眺めていた。
持っているカードの力を全て使えば良いだろうが、何か他の手を使ってみたいと思った。
しかし一体どうしようか……。
その時、
「?」
カードケースの中が何故か発光した。
恐る恐る中を確認してみると、光っているのは1枚のカードであった。
アクトにリベード、ブートレグが何かと戦っている様子が描かれていて、『BOOTLEG×ACT×REVE-ED』と印字されているカードである。
「何だ……これ……?」
突然のことに驚くディクリード。
しかし理屈をどうこう考えている暇は無い。今はただ与えられた力を使えば良いだけだ。
「良く分からねぇけど、使ってみるか!」
カードをディクリードライバーにかざした。
『アタックライド! スペシャルアーマー!』
するとディクリードの上半身と両脚に特殊なアーマーが装着された。
右腕と右胸には青色の、左腕と左腕には緑色に輝く鎧が着けられていて、両脚はプロテクターで覆われている。
「うぉっ! 何だこれ⁉︎ 凄ぇ!」
新たな武装に興奮するディクリードの両手に、ディスペルクラッシャー ソードモードが装備された。
早速使ってみようと、両脚に力を込めて一気にジャンプ。他の三人と戦っているゴーストデリーターの目の前に現れ、彼の胴体に斬撃を喰らわせた。
「タァッ!」
「ッ……!」
追い討ちをかけるように、アクトが背後から銃撃。更にリベードがチェーンソーで斬りつけ、ブートレグがキックを炸裂した。
その影響によって後退してしまうゴーストデリーターに、ディクリードは両手の剣を高速で振るって攻撃し、更に左足で蹴り飛ばした。
「グゥッ……!」
『"DRIVE" LOADING』
『"RYUGA" LOADING』
アクトの左手の中にドア銃が、リベードの前に右手を龍の頭を模した装具で覆った黒い戦士──仮面ライダーリュウガが現れる。
ドア銃からタイヤ型の大きな弾丸が、リュウガの装具から黒い炎が放たれ、ゴーストデリーターを攻撃。両腕を崩壊させた。
「やっぱ素手が落ち着くな」
そこにブートレグと剣を捨てたディクリードが拳をお見舞いした。
強烈な一撃であったため、ゴーストデリーターはたじろいでしまう。
これで何とかなるとは思っていたが、崩壊した腕はすぐに元通りとなってしまい、多少バテている様子は見受けられるものの、全く効いている様子は無い。
「これでも効いてねぇのかよ……」
「当然だよ。ライドボットも思うがままに操れ、不味くなったとしても逃げれば良い。私を倒すことは、絶対に出来ない」
意気揚々としているゴーストデリーター。
自分は不死身だ。幽霊だ。何があったとしても大丈夫である絶対的な自信が彼を満たしているのである。
「……それはどうなんでしょうかね……?」
そんな様子を見ていたブートレグが呟いた。
「どういう意味だ……」
「この形態には機械に新しいプログラムを埋め込む能力を持っています。もし、『絶対に貴方から離れられない』というプログラムを組んだとしたら……?」
「……! 理論上倒せる!」
「そういうことです」
「おいそれもっと早く言えよ」
「すみません、タイミングが判らなくて……」
「陰キャ野郎が……」
一気に突破口が見え始めた。
「じゃあ、それでやるか……!」
まさかのことに焦りを少し見せ始めるゴーストデリーター。
すぐに逃げようとしているところで、ブートレグはドライバーのレバーを下げると、身体を粒子状にしてゴーストデリーターの前で右足を突き出した状態で再度実体化した。
『VIRUS FINISH』
「ライダーキック!」
腹部にキックを喰らわせると、そこを起点にゴーストデリーターの身体が虹色に淡く光る。
何が起こったかも分からないが、種を仕込んだようである。
「今です!」
ブートレグがそこから離れて叫んだのを合図に、アクトとリベードはサーバーをディスペルデストロイヤーのスロットに装填する。
『『Are you ready?』』
アクトとリベードに次々と他の仮面ライダーを模したのであろう虚像が重なり、その度にバズーカの銃口とチェーンソーの刃が発光をしていく。
これが自身らが技を放つための準備だ。
「させるかぁぁっ!」
両腕を伸ばして攻撃を阻止しようとするが、それが届く前に二人は引き金を引いた。
『ULTIMATE SHOT!』
『ULTIMATE SLASH!』
「「ハァァァァッ!」」
エネルギー弾と巨大な刃。
全く違う攻撃が左右からゴーストデリーターを襲い、長く巨大な両腕が破壊された。
それらが全く蘇らないのは、ブートレグの攻撃が成功した証拠と言えるだろう。
これで一気に決めると言わんばかりに、ディクリードは黄色いカードを構え、それをディクリードライバーにかざした。
「稲妻落としてやるぜ!」
『ファイナルアタックライド! ディ・ディ・ディ・ディクリード!』
すると今のディクリードを模した虚像が大量に現れ、まるで何かの動きを誘導するかのように全く違う形のものが配置される。
両脚に力を込めて跳躍し、それらをなぞるように高速で移動をすると、その両腕を目にも止まらぬスピードで動かし、ゴーストデリーターに拳を喰らわせる。
あまりの攻撃の応酬に成す術も無くやられるしかないゴーストデリーターに、トドメとして右手で凄まじい一撃をお見舞いした。
「オラオラオラオラオラッ! オラァァッ!」
「ガァッ……! グァァァッ!」
吹き飛ばされたゴーストデリーターは屋敷の壁に激突をする。
その衝撃で身体は徐々に崩壊を始め、致命的なダメージを受けたライドボットはただの塵と化していく。
これで全てが終わる。
寧ろ終わってくれないと困る。
しかしまぁ、しっかりと自分達が望む結果となるだろう。
「……まだだ……! まだ終わりじゃない……!」
苦し紛れの言葉だろうと、そこまで大事だとは思わない。
「……まさか……
一斉に彼の言葉に飛び付いた。
くだらないことだとスルーしていたら、とんだ大間違いであった。
「どういうことだ……?」
「……知らないのか? だったら教えてあげるよ……! その名は──」
バーン。
乾いた音がしたのと同時に、ゴーストデリーターが乗り移っていた器は跡形も無く崩壊した。
一件落着したにもかかわらず、中途半端なところで朽ちてしまったがために物足りなさを感じてしまう。
音のした方を見ると、抜け殻となった優司の身体を台車で押しているレナが、前に向けて銃口を向けている。
煙の筋が真っ直ぐに上がっていることが、彼女が音源であることを示している。
四人の目線を一身に受けたレナは、何か不味いことをしたのではないかと思い、少し混乱する。
なのでディクリードがそれなりにフォローした。
「え? あ、あの、何か、すみません……」
「……いや、大丈夫だ」
盛者必衰。
しかし衰えはあまりにも早く、あまりに呆気ない最期によって、全ては幕を閉じた。