外道鎮守府召喚   作:G-20

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 前回はエジェイ城壁の前面及びエジェイ南方山地での戦いでした。
 そして今回はエジェイの北での戦いになります。

 今回も短いながらもかなりの激戦になりそうです。


 それでは暫くの間エジェイ会戦をお楽しみください。


第十三回 クワ・トイネ=ロウリア戦争 〜恩讐の応酬〜

 エジェイの北

 0544(5時44分)、クワ・トイネ公國西部方面軍集団の志願兵軍団隷下にある騎兵旅団に所属する若い女騎兵中佐*1は若干名のパンツァーファウスト騎兵を伴い望遠鏡で敵の布陣を偵察していた。

 「なあ、()()()()を見てくれ。あれをどう思う?」若い女騎兵中佐は傍らのパンツァーファウスト2本を背負い鞍に4本のパンツァーファウストを固縛しているベテランっぽい騎兵に問うた。「あれはアデムの野郎んとこの旗ですな。」問われたベテランっぽい騎兵は女騎兵中佐に望遠鏡を見せてもらってから答える。「そうか。じゃあそのアデムん野郎の今の様子を見てどう思う?」若き女騎兵中佐はベテランっぽい騎兵の答えに再びベテランっぽい騎兵に問う。「どうやらまだ布陣も支度も整っていないようですな。」ベテランっぽい騎兵は答える。

 

 「なるほど。よろしい、なら今攻め掛かればアデムん野郎に一泡吹かせられるな。聯隊に戻る。急ぐぞ。」若き女騎兵中佐は若干名のパンツァーファウスト騎兵を連れて帰陣する。そして聯隊に出撃準備を命じてから無線通信にて偵察結果を報告する。報告を受けた騎兵旅団長も好機と思ったのか無線通信で軍団長に攻撃開始を提案する。だが、若き女騎兵中佐は彼等の動きよりも速かった。彼女は麾下の聯隊が出撃準備を終えるや否や無断で出撃し道すがら陣形を整える。まもなく偵察した場所に着くと、軍団長から砲兵への命令を傍受したので一旦停止を命じた。

 0546(5時46分)彼女が所属する志願兵軍団の砲兵旅団に配備された九五式野砲や三八式野砲は初弾を発砲。初弾は全弾近のため修正を行い修正第一射にて全弾遠。そして修正第二射にて目標を捕捉(夾叉)したことから本射*2を開始する。

 0548(5時48分)に本射を開始した砲兵は未だ布陣の途上にあったアデム軍を混乱させた。そして5分間の射撃を行い観測班が効果判定を行う。そして効果十分と判定されたため砲兵は射撃を停止し新目標への射撃が可能か検討を始めた。

 

 0554(5時54分)、砲兵の打ち方止めという無線を傍受した件の騎兵聯隊は砲兵の射撃中に練り直した入念な計画に従い砲撃から未だ立ち直らぬアデム軍前線部隊へと騎兵突撃を開始した。若き女騎兵中佐が率いるクワ・トイネ公國志願兵軍団騎兵聯隊は相対するアデム軍の前線部隊を蹂躙して前進を続け、何故か後方に配置されていた弩兵*3を瞬く間に蹂躙した。その結果彼女が率いる騎兵聯隊は担当正面に突破口を開くことに成功すると後方に待機していたアデム軍の前線予備を襲撃してこれを撃破する。

 0555(5時55分)、麾下の騎兵聯隊が戦線を突破したことを知った軍団長はその騎兵聯隊が配置された混成歩兵師団に攻撃前進を命じて突破口を拡大しようと試みる。

 「Marchons!」*4各戦列歩兵大隊長の号令一下、大隊配属の軍楽隊が『La Victoire est à Nous』を演奏する中で戦列歩兵大隊が攻撃前進を始める。彼等はライフルを手に立て直しを図るアデム軍の前線部隊に向かって歩調を揃えて行進する。その揃った歩調が生み出す揃った足音や一切の乱れを見せぬ行進、そして何よりもそれらが作り出した迫りくる壁の如き歩兵の戦列は相対する立て直しを図ろうとするアデム軍前線部隊の戦意を破砕するには十分であった。

 

 そして潰走が始まる。

 本来潰走を止めるべき督戦隊は既に騎兵突撃によって蹂躙されて潰滅したため存在せず、そのため潰走を止める存在はどこにも存在しなかった。

 

 0558(5時58分)、隷下の混成歩兵師団が戦線の突破の成功したことを知った軍団長は更なる戦果拡張を目論み予備の騎兵聯隊を突破口中央に展開すると前線の混成歩兵師団を左右に開いて突破口を拡張するように命じた。歩兵大隊は中隊単位で分割されて各戦列歩兵大隊間や旅団と騎兵旅団との間に布陣して部隊の間隙や部隊の周辺をカバーする。

 しかしながらここでクワ・トイネ=ロウリア戦争中のクワ・トイネ公國軍を悩ませた重大問題が彼等に降りかかり、そして完勝するかに思われた攻勢を破砕することになる。

 

 0600(6時00分)、前線が突破されたことをようやく知ったアデム将軍は唯一の予備であるコーデル騎兵旅団に反撃を命じる。その中でアデム将軍は潰走するロウリア将兵()敵と見做してこれを蹂躙すべしとした。そしてアデム将軍自身は増援要請のために単騎パンドール将軍のもとに向かった。

 コーデル騎兵旅団は命令に従い前進を始め、2分後クワ・トイネ公國志願兵軍団の騎兵聯隊に接近する。騎兵聯隊を率いる女騎兵中佐は聯隊を二つに分けることでまともにぶつかるのを避け、コーデル旅団長も突破口への対処を優先したことから接敵すること無くクワ・トイネ公國の騎兵聯隊を抜けていった。女騎兵中佐は再集結を命じる。「敵騎兵が来た方向に敵司令部が有る。我等はこれからこれを蹂躙する。このまま進め!」彼女はアデム軍司令部へ一撃を加えるべくロウリア王国騎兵旅団が来た方向に向けて前進するように命じた。

 

 0604(6時04分)、コーデル騎兵旅団は突破口を固めるクワ・トイネ公國の騎兵聯隊と接敵した。「かかれ!」コーデル旅団長の号令一下コーデル騎兵旅団はクワ・トイネ公國の騎兵聯隊に突撃を敢行。浮足立ったクワ・トイネ公國の騎兵聯隊は慌てて携行していたパンツァーファウストを放つも禄に照準されずに放たれたパンツァーファウストが命中するはずもなく、コーデル騎兵旅団の突撃隊形をその爆発で乱しただけに終わる。そしてコーデル旅団長は第二射を許すこと無く突入させることに成功し、クワ・トイネ公國の騎兵聯隊を敗走させる。聯隊長は軍団長に報告を上げることしか出来なかった。だが、軍団長はその報告を受けるや予備隊として待機している志願兵軍団に緊急要請を出して穴を埋めにかかった。

 

 0608(6時08分)コーデル旅団長は麾下の騎兵旅団を大隊単位で分割して左右に分けさせ突破口を広げるクワ・トイネ公國の戦列歩兵大隊を背後から急襲しようとする。

 彼等はそれぞれ地形捜兵に先導された槍騎兵大隊を先頭とし、その後ろから胸甲騎兵大隊が続く陣形を採った。

 だが、彼等の前に立ちはだかる部隊がいた。同じ師団に編制として組み込まれた歩兵中隊である。だが、パンツァーファウスト2本と剣しか装備していない彼等に槍騎兵大隊の突撃を止めることは不可能であった。彼等は槍騎兵大隊こそパンツァーファウストの斉射で足を止めたが、その機に乗じ得る装備を持たぬ彼等は後が続かなかった。そして槍騎兵大隊に続いていた胸甲騎兵大隊は先行部隊の足が止まったことに気づき、左右に分かれ地形捜兵を前に出してこれを迂回し二方向から突撃した。歩兵中隊は二方向からの突撃に対処しきれず、壊滅する。歩兵中隊を壊滅させたコーデル騎兵旅団の騎兵聯隊は再集結して陣形を整えると再び前進を開始、今度は戦列歩兵大隊に背後から襲いかかる。戦列歩兵大隊は背後から襲撃を受けて挟撃される形となり、0612(6時12分)に壊滅した。

 その後コーデル騎兵旅団隷下の大隊は再集結した後に周囲のロウリア軍将兵を集めて再編成を行い前線を立て直すと0623(6時23分)に司令部に帰還する。だが、コーデル旅団長が見たのは司令部の跡地だった。

 

 0604(6時04分)、「敵騎兵が来た方向に敵司令部が有る。我等はこれからこれを蹂躙する。斥候を出してこのまま進め。」コーデル騎兵旅団をやり過ごして再集結した騎兵聯隊は女騎兵中佐の指示を受けて斥候を出してアデム軍司令部を捜索しながら前進を再開する。

 そして0606(6時06分)。「敵司令部発見。」斥候からアデム軍司令部発見の報が届いた。「速歩にて警戒しつつ進め。」女騎兵中佐は率いている騎兵聯隊の速度を速めてアデム軍司令部に迫る。

 

 0609(6時09分)、女騎兵中佐率いる騎兵聯隊は警戒網に引っかかること無くアデム軍司令部の前面、距離1,000mにある地面の膨らみの反斜面側に達した。「聯隊、突撃準備を為せ。パンツァーファウスト騎兵第一中隊は単横陣、他の騎兵中隊は横陣に開け。襲撃序列は前から左端にパンツァーファウスト騎兵第一中隊、その右後ろにサーベル騎兵第一中隊、サーベル騎兵第二中隊、パンツァーファウスト騎兵第二中隊の順とする。各中隊間は100mとする。聯隊、展開始め。」女騎兵中佐は聯隊の開進を下令した。騎兵聯隊は命令に従い展開し始める。

 「パンツァーファウスト騎兵第一中隊は斉射用意。他の中隊は総員抜刀。」次の命令を受けてパンツァーファウスト騎兵第一中隊はパンツァーファウストを構え、サーベル騎兵中隊及びパンツァーファウスト騎兵第二中隊はすらりと抜刀する。

 0610(6時10分)、「これより敵司令部を襲撃する。地形捜兵前へ。前行く者斃れなば之を踏み越えて進め。では行くぞ!聯隊、前へ!」女騎兵中佐は展開した騎兵聯隊を再び前進させ始める。騎兵聯隊は列を揃えて馬を歩ませる。

 「あれは何だ?」アデム軍司令部の見張りは地面の膨らみを越える何かを見つけて目を凝らす。それは横陣で前進するクワ・トイネ公國の騎兵であった。「敵襲!」見張りは叫んで知らせる。それを受けてアデム軍司令部やアデム幕旗団は方陣を組み始める。しかしながら鎚の機能を組み込んだ上刃の錆びている長柄斧(長さ4m程度)の重量*5は機敏な動作を阻害した。その上騎兵突撃に強い密集隊形は爆発物に弱い。

 彼我の距離600m、騎兵は足を早めながらアデム軍司令部に向かって進んで行く。アデム軍司令部の司令部要員が一箇所に集まり始める。

 距離500m、女騎兵中佐の合図を受けて騎兵は馬を馳せ始めて速度を上げていく。アデム幕旗団は一箇所に集まった軍司令部要員の周りに位置し始める。

 距離400m、馬は騎兵を乗せて駈ける。アデム幕旗団は方陣を完成させつつあった。「パンツァーファウスト騎兵第一中隊、カラコール用意!」女騎兵中佐はパンツァーファウスト騎兵第一中隊にカラコール戦術*6を下令する。

 距離300m、「パンツァーファウスト騎兵第一中隊、襲歩にて突入。かかれ!」女騎兵中佐は麾下のパンツァーファウスト騎兵第一中隊に突入を指示する。そして距離100m、「パンツァーファウスト騎兵第一中隊右に一斉旋回、単縦陣を為せ。」パンツァーファウスト騎兵第一中隊はほぼ一斉に右旋回して単縦陣に陣形を変更する。直後、「撃ち方始め(うちーかーたはじめー)!」中隊長が射撃号令をかけてパンツァーファウストが斉射される。放たれたパンツァーファウストの弾頭は方陣を形成したアデム幕旗団やその方陣の内側に収容されたアデム軍司令部に次々と着弾して炸裂して方陣を破砕した。パンツァーファウスト騎兵第一中隊はそのまま駆け抜けると聯隊の後方に回る。

 「突撃!」パンツァーファウスト騎兵第一中隊の離脱を確認した女騎兵中佐が通常よりも短い距離で突撃を下令した。サーベル騎兵第一中隊の最前列は速度を襲歩に上げてサーベルを構える。そしてアデム幕旗団の破砕された方陣に激突してこれを蹂躙した。その後後続の騎兵中隊により次々と蹂躙されたアデム幕旗団及びアデム軍司令部は壊滅した。

 「戦果は十分か。それでは前進を続ける!進め!」そしてアデム幕旗団及びアデム軍司令部を蹂躙して壊滅せしめた騎兵聯隊は聯隊長たる女騎兵中佐の号令を受けて前進を再開した。0615(6時15分)のことである。

 

 しばらく前進していた騎兵聯隊は途中で南下し始めて進んで行く。そして彼等はこのあとエジェイ会戦の戦局に大きな影響を与える一撃を与えることになる。だがそれはまだ先の話。

 

 

 0623(6時23分)、壊滅したアデム軍司令部を発見したコーデル旅団長は率いる旅団の動揺を抑えると再び前線付近に戻ると元々の指示を開示してアデム軍の掌握に努めた。そうしてアデム軍を掌握すると前線を駆け回り戦線の維持に努めつつ攻勢の機を伺った。だが、クワ・トイネ公國志願兵軍団の士気の高さに手を焼いたコーデル旅団長は攻勢の機を摑めぬまま消耗戦に引きずり込まれつつあった。クワ・トイネ公國の一個軍団を大破したとはいえ消耗戦は余り喜ばしいこととは思えなかったし、何より現在対面している志願兵軍団が敗残兵の収容に成功したことで再編成が行われて戦線に復帰してくることが確実であったことから消耗戦に引きずり込まれつつあるコーデル旅団長は盛大に顔を顰める。コーデル旅団長はどうにか敵に隙を作ろうと何度か部隊を下げたものの対面するクワ・トイネ公國志願兵軍団は手堅い手法で戦線を押し上げたため単に戦線を押し込まれるだけの結果に終わった。結局のところコーデル旅団長はどうにかして正面の敵を迂回するか突破するかしなければならなかった。しかしながらそれを実施するにはどうにかしてコーデル旅団長を軍の指揮代行から解放し騎兵の機動力を利して迂回機動に取り掛かるか衝撃力により強引に突破するかしか無かった。そして、コーデル旅団長を軍の指揮代行から解放する者はついぞ現れることは無かったのである。

 

 

 かくしてエジェイの北戦線は双方が兵力を消耗しながら戦線が膠着したことでエジェイ会戦の戦局への影響を喪失した。

*1
16歳

*2
効力射とも。何しろ指導したのが海軍部隊所属なので。

*3
逃げる味方や戦意が低い味方を撃つために配備された督戦隊

*4
戦列歩兵の指導はボナパルト中佐が担当。そのため各種号令はフランス語となっている。曰く「なんか妙に変わるので号令や歌を教えたりするのに苦労した。最終的に文章で渡して音読させて覚え込ませた。」とのことである。

*5
錆びた金属は酸素が結合している分重い。

*6
騎兵戦術の一つで16世紀から18世紀にかけて多用された一撃離脱戦法である。銃の発達やパイク密集陣という対騎兵陣形への対応の必要などから発案された。しかしながら銃の発達は歩兵の防禦力をも上げた上に小銃火力で敵歩兵に劣り続けたことや騎馬傭兵の戦意の低さなどから机上の空論に終わる。とはいえ中世の弓騎兵のように敵歩兵を超える火力と高い戦意が合わされば割と強力だったり。なおパイク密集陣は「槍衾?大砲で吹き飛ばしてしまえ。」というやり方に弱いことが判明したり騎兵が弱いなら鑓減らして火力上げようとなったりして廃れていった模様。因みにパイク密集陣の究極形はスペインのテルシオと呼ばれる代物である。




 短いながらも彼我の騎兵が大暴れした回になりました。実際騎兵は極めて強力な兵科でしたからね。機関銃登場以前ですと歩兵は、プロイセン軍が横陣の射撃で騎兵突撃を破砕したという装備と練度が優れた一部例外を除いて、方陣無しで戦える相手ではありませんでしたし、砲兵に至っては殆ど一方的に蹂躙されるのがオチだったそうで。
 そう考えるとガトリング氏(ガトリング砲を発明。同銃は第二次世界大戦後M61バルカンやGAU-8アベンジャー及びGAU-12イコライザーに発展する。)やマクシム氏(マクシム機関砲を発明。同銃は改良を経ながら各国陸軍に採用され、塹壕や有刺鉄線及び鉄条網と組み合わされたことで日魯戦役や第一次世界大戦で大活躍した。)がどれだけ軍事史において偉大な存在だったかが際立ちますね。

 エジェイ前面、エジェイ南方、エジェイの北と来ましたが、双方の主力は未だ登場していません。という訳で次回予告に行きましょう。

次回予告
 パンドール将軍直率のロウリア王国東方討伐軍主力はノウ将軍直率の西部方面軍集団主力と激突する。
 供与された九九式短小銃やパンツァーファウストに加えてクワ・トイネ製マスケットやクイラから輸入したライフルドマスケットがロウリア王国の誇る重装歩兵大隊に火を吹き、ロウリア製マスケットもまたクワ・トイネ公國志願兵軍団の戦列歩兵大隊に放たれる。
 ロデニウス大陸で今までに無いほど大量に立ち込める硝煙の中手探りで勝機を手繰り寄せるのはどちらなのか。
 次回、「エジェイ戦線異常ナシ」算多キハ勝チ算少ナキハ敗ル。

紹介コーナー
 音楽紹介
  『La Victoire est à Nous』
   フランスの行進曲。映画『ワーテルロー』でもフランス軍戦列歩兵による攻撃前進のシーンで使われたりした。
   歌詞?知らん。

  『La chanson de l'oignon』
   フランスを代表する軍歌。ここで使いたかったのだが楽曲コードが分からないという理由で使用を断念した。そしてその影響でオリキャラ(実家が玉葱農家)が一人登場しなくなった。

 騎兵種別紹介
  さて、今回は騎兵を軽く紹介していきます。とはいえ騎兵は基本的に三種類に分類されるのでそれぞれ紹介してからどういうのがいるか紹介する形となります。
  軽騎兵〜戦場を駆け回る割と何でも屋〜
   その名の通り軽装の騎兵であり、本質的に機動戦力である。
   そんな彼等の仕事は偵察、小規模部隊への襲撃、攪乱、戦線後方への挺進、騎行(敵方の領土を荒らし回る作戦行動。)など多岐にわたるがどれも機動力が重要になる。
   遊牧民の騎兵の多くや弓騎兵の大半に偵察騎兵がこれにあたる。

  重騎兵〜敵の戦列と戦意を破砕する決戦部隊〜
   重装甲で敵の攻撃を防ぎつつ敵に接近して攻撃することで勝利を決定づける騎兵。
   重装備なので当然高いし突撃するため結構ダメージを喰らう。しかしながらその一撃は時に戦争の趨勢をも決定付けるハイリスク・ハイリターンな部隊。大日本帝國陸軍ではコスパが悪いとされて配備されないまま騎兵の時代が終わった(秋山好古式対騎兵用騎兵戦術が兇悪過ぎるから要らない子になったともいう。)。
   古代マケドニアのヘタイロイや中世の騎士、戦国時代中期頃までの武士や胸甲騎兵に槍騎兵がこれに当たる。
   歩兵にとっては兇悪そのもので、これを防げるというだけで高い知名度と価値を有することになる。

  龍騎兵〜高機動銃兵〜
   元々は馬に乗ることで素早く機動する乗馬歩兵であり騎兵ではなかった。しかしながら銃の発達などから乗馬戦闘を熟すようになり騎兵の一種となった。
   国によって扱いが異なり、重騎兵が十分居るフランスでは軽騎兵として運用され、重騎兵が少ないプロイセンでは重騎兵の一翼を担った。
   大日本帝國陸軍の騎兵は例外なくこれに分類される。というのも大日本帝國陸軍の騎兵は予算節約などから歩兵銃(歩兵部隊向けの小銃。騎兵にとって馬上での取り扱いは結構難しい。)が配備されたりした上、一番の檜舞台たる黒溝台会戦(日本側騎兵指揮官が秋山好古)では塹壕に籠もって重機関銃で機銃掃射という方法を採ったため。因みに軽騎兵としての運用もされた。

 本作オリジナルキャラ紹介
  ハンナ・ヨハンナ・フリーデリーケ・レオポルディーネ・フォン・ゼークト
   16歳にして志願騎兵中佐で志願騎兵聯隊長。
   クワ・トイネ公國貴族出身ながら理知的で理論家肌な一面を有しているが、騎兵将校らしく積極果断さに秀でる。
   以降は横鎮にて搭乗員としての訓練を受け、クワ・トイネ=ロウリア戦争後は空軍に転じた。そしてその後統合参謀総長となる。
   なお今回は一貫して女騎兵中佐と表記されている。

 原作非登場キャラ紹介
  コーデル旅団長
   本名をリヴァロ・コーデルといい、Red October氏が考案したキャラ。本作ではロウリア王国の騎兵将校として登場。その後騎兵では突破力に欠けることを痛感したことからクワ・トイネ=ロウリア戦争後横鎮陸戦隊の指導を受けて機甲科に転じる。

 オリジナル部隊紹介
  アデム幕旗団
   アデム軍司令部の警備やアデム将軍の意を汲んでの殺戮が主任務となる部隊。
   因みに「旗団」というのはドイツ騎士団の戦術単位"Standarte"の中世史研究における定訳である。
   この部隊はアデム将軍の性格その他を反映してか白兵武器の刃をわざわざ錆びさせている。因みに刃は錆びると斬れ味が大変悪くなって危険なので良い子は真似しないように。
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