外道鎮守府召喚   作:G-20

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 前回ロウリア王国東方討伐軍が壊滅しました。
 そして再編成が行われ、陸上では攻勢準備が完了したところからです。
 エジェイ会戦では膨大な書類のために大人しくさせられていたノウ将軍でしたが、兵力削減と装甲戦力の増強によりその枷から解き放たれます。

 それでは戦場で暴れ回るノウ将軍をお楽しみください。
 今回はPCで読むことをお勧めします。(布陣表は後日手書きにて置き換える予定)

 今回アンケート有ります。
 今回のアンケートはアンケート実施回の後書きにて選択肢が採択された時の影響を記載しましたので、投票前に御一読の上考えてから投票していただけると幸いです。
 質問はこちら↓で受け付けます。
 https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=314790&uid=358199


 後次回遅くなります。

 令和6年11月6日アンケートに関する解説を更新


第十七回 クワ・トイネ=ロウリア戦争 〜暴れん坊ノウ将軍〜

 中央歴1639年7月3日、再編成により処理する書類が減ったノウ将軍は久々の余暇に羽を伸ばしていた。「ふう、書類で圧死するかと思ったわい。」そうノウ将軍が宣うと、「確かにあの書類の量は尋常ではありませんでしたからね。今回の戦訓報告で"普段から将校の数を揃えないと将軍が過労死するおそれがある"とでも送っておきましょうか?」と参謀が半ば冗談で返す。「確かにそれは大問題だ。それも戦訓報告に上げて、しっかりと政府に念を入れておくように。」とノウ将軍は命じる。

 

 そして中央歴1639年7月4日、ノウ将軍は自身の麾下に入った戦車聯隊を閲兵する。新たに麾下に加わった戦車聯隊はどれもエジェイ会戦で指揮下に置いた戦車聯隊よりも強力な戦車を揃えていた。「卿等は戦車で砲撃戦でもするつもりなのかね?」ノウ将軍は戦車将校に冗談で尋ねると、「閣下、戦車戦は砲撃戦であります。」と笑いながら答えた。*1

 その後西部方面師団に配属させた一式半装軌装甲兵車(ホハ)の調子を確認する。そして西部方面装甲集団の観閲を終えると自らも出陣準備に取り掛かった。

 

 中央歴1639年7月5日早朝、ノウ将軍は再編成を終えた西部方面軍集団を率いてエジェイから出陣する。そして翌日夕刻にはギムに進出してエジェイ会戦の折に追撃で先行した二個戦車聯隊と合流した。

 

 ノウ将軍はギムにて西部方面装甲集団の将兵を1日半休ませると、中央歴1639年7月8日に志願兵軍団へ「ギムまで進出し次第一日休憩を行い、しかる後ロウリア王国領内の占領地へ進軍して現地の占領を先行する西部方面師団より引き継ぐべし」と命じ、自身は西部方面装甲集団を直率してロウリア王国領内へ侵入した。

 

 

 中央歴1639年7月8日。「報告!ノウ将軍率いるクワ・トイネ軍がエジェイから出陣した模様!」次期ジューンフィルア辺境伯に報告が入った。「そうか、父の仇が自らやって来るか。よし、急ぎ兵を集めよ!」次期ジューンフィルア辺境伯は報告を受けると兵の招集を決めた。だが、「報告!クワ・トイネ軍がロウリア王国に乱入!国境警備の者は瞬く間に蹴散らされた模様!」「報告!東の諸侯がクワ・トイネ軍に次々降伏している模様!」「報告!我が領にクワ・トイネ軍が迫っております!」次期ジューンフィルア辺境伯が兵の招集を命じた直後次々と兇報が入ってきた。

 「閣下!急ぎ籠城の支度を!周辺の農民だけでも入城させるべきです!」家臣が籠城を勧める。だが、父からジューンフィルア辺境伯称号を受け継ぐべく様々なことを学んでいた次期ジューンフィルア辺境伯は既に理解してしまっていた、最早籠城することすら不可能であろうと。そして命じた。「いや、我々も降伏する。だが!我が領民には指一歩触れさせぬ!」

 かくして次期ジューンフィルア辺境伯はクワ・トイネ公國陸軍西部方面装甲集団に降伏した。そして次期ジューンフィルア辺境伯は領民を守るために特別に何かをする必要は無かった。何しろクワ・トイネ公國陸軍西部方面装甲集団がここまでで消費したのはほぼ軽油だけであり、その軽油はジューンフィルア伯爵領では補給出来なかったからである。そしてクワ・トイネ公國陸軍西部方面装甲集団は若干の食糧を(きん)そのもの*2で買うと若干の歩兵とハーフトラック2輌だけを残して再び前進していった。

 クワ・トイネ公國陸軍西部方面装甲集団はギムを進発したその日のうちにロウリア王国東部諸侯の大半を降伏させた。

 

 翌中央歴1639年7月9日、クワ・トイネ公國陸軍西部方面装甲集団は残るロウリア王国東部諸侯を攻略する。クワ・トイネ公國陸軍西部方面装甲集団の速度を前にしてロウリア王国東部諸侯は十分に兵を集めることも儘ならなかった。そのため残る半数のうちの約半分は降伏し、それ以外は恐慌に陥って自落したり徹底抗戦を叫んだ結果領民に叛かれて自害することとなったり鎧袖一触で吹き飛ばされたりした。そうしてノウ将軍が率いるクワ・トイネ公國陸軍西部方面装甲集団は僅か36時間のうちに東部諸侯領全てを占領する。

 

 同日昼過ぎ、更に西へ進軍しようとしたクワ・トイネ公國陸軍西部方面装甲集団の許に一機のキ76(三式指揮連絡機)が東から飛んできた。そしてノウ将軍の所に舞い降りてきたキ76(三式指揮連絡機)から山汐丸は降りるとノウ将軍に薄い紙束を手渡した。そして山汐丸はキ76(三式指揮連絡機)に乗ってギムへと飛んでいった。

 ノウ将軍は山汐丸から受け取った薄い紙束を見てほくそ笑んだ。「皆を呼べ。作戦会議じゃ。」ノウ将軍は何かを思いついたようであった。

 

 ノウ将軍は降伏した東部諸侯に従いクワ・トイネ公國陸軍西部方面装甲集団を受け入れた村の長老から借りた一室の机上に山汐丸から受け取った紙束を広げた。それは東西はロウリア王国の首都ジン・ハーク西方のギルマからギムまで、南北はクワ・トイネ=クイラ國境からロデニウス大陸北方沖までが記されている地図であった。そして海上にはアルファベットが書かれた幾つもの青い丸とそれらからピカイアまで伸びる一本の青い矢印が描かれている。ノウ将軍はこれらに関して何が描かれているかは分からなかったが、何を意味しているのかは何となく理解していた。「どうやら横須賀鎮守府の奴等、ピカイアに上陸して北からジン・ハークを衝くつもりじゃ。」ノウ将軍は地図に描かれていることに関して見解を述べると、「彼等の戦力なら、上陸阻止は無意味でしょうね。それに引き込んでの逆襲を狙ったところで制空権は横須賀鎮守府のものですから各個撃破されるのがオチでしょう。」参謀はそう答えた。「それでは我等は体よく囮にされたようなものでは無いか!」以前からノウ将軍の許に居た参謀が叫ぶ。しかし、「儂はそうは思わぬ。」ノウ将軍はその見解を否定する。そして「これを見よ。この地図を見て何か思わないか。」ノウ将軍は参謀たちに尋ねた。「言われてみれば、輪のようなものが沢山描かれていますな。そういえば、この輪、そこから見える丘に似ているような?」叫んだ参謀は地図を見て等高線に気付く。そして「閣下、もしやこの地図は地形が詳細に記されているのでは?もしそうであれば、元からある道とは別の進軍ルートを通れるやもしれませぬ。」別の参謀が閃く。しかし「だがどうやってその進軍ルートを見つけるというのだ?下手に目印の無い所を通れば迷子になりかねんぞ。」別の参謀が反論する。そうして議論する中で一人の参謀が今まで司令部に付いて来ていただけの、変わった装置を搭載した装軌車輌を思い浮かべていた。「そういえば、ホキとかいう車輌ですが、あれに積んである装置は一体何でしょうか?」その参謀が尋ねる。「じゃあちょっと見て来るか。」ノウ将軍は長老宅を出てホキの許に向かう。

 十数分してノウ将軍が興奮気味に戻って来た。「あの装置は凄いぞ!」ノウ将軍は宣う。「一体何が凄いのでしょうか?」ホキに積んであった例の装置を見ていない参謀がノウ将軍に尋ねる。「あれはな、目印無しで方角が分かるんじゃ。」ノウ将軍は答えた。「待ってください、目印無しで方角が分かるということは、ただまっすぐ走るだけなら目印が要らないということでは?」ある参謀が尋ねる。「まあそういうことになるな。」ノウ将軍は答えた。

 そしてノウ将軍は作戦を説明し始める。「よし。では我等は、」ノウ将軍は言葉を切って地図の一点、アイナ平原辺り、を指差してからジン・ハークまで指を動かして、「ここまでは道沿いに走り、主力はここから道を右に外れて真っすぐジン・ハークに進軍する。」そう説明した。続けて「無論、それだけではイェルクやビーズルから来た援軍に背を衝かれよう。そこでじゃ、西部方面師団一個はそのまま道なりに進んでイェルクとビーズルを囲め。歩兵旅団に砲兵と騎兵の半分、それに輜重兵と師団直轄を少々附けて旅団戦闘団にすれば囲む位出来るじゃろ。」ノウ将軍はそこで説明を終えた。

 「閣下、イェルクとビーズルに後詰が送られてきた場合はどうなりますか?」イェルクとビーズルの包囲を担当することになった師団長はノウ将軍に尋ねた。「心配は要らん。その二都市を囲むころには後詰など送る場合では無くなる。何しろ奴等自身が危うくなるのじゃからのう。」ノウ将軍はイェルクとビーズルの包囲を担当することになった師団長にそう答えた。「それからもう一つ、我が師団の工兵は如何致しますか?城攻めとなるため何も命が無いのであれば連れて行きたく存じますが。」イェルクとビーズルの包囲を担当することになった師団長は再びノウ将軍に尋ねる。

 「彼等にはアイナ平原辺りで飛行場を作ってもらう。さすれば飛行戦隊が進出出来る故空の心配が無用となろう。それにお主はイェルクとビーズルを攻めるのでは無い、ただ囲んでそこから後詰を出させねば良い。あ奴等が打って出るならお主にとって好都合じゃ。そうなったら存分に手柄とせい。」ノウ将軍はイェルクとビーズルの包囲を担当することになった師団長の質問に答えると彼の誤解を訂正した。その上でイェルクとビーズルの守備隊が打って出た場合の指示を出す。「承知、仕りました。」イェルクとビーズルの包囲を担当することになった師団長は包囲命令を受諾する。

 

 その後西部方面装甲集団はジン・ハーク進出までの作戦の詳細を詰めていった。そして作戦を詰め終えると、ノウ将軍はこう言って会議を終わらせた。「では各々、

 

 

 

 

 

 

今夜はここをキャンプ地とする!」

 そしてその晩西部方面装甲集団は作戦会議を行った村でキャンプした。

 

 

 中央歴1639年7月10日早朝、西部方面装甲集団は進撃を再開。抵抗する諸侯を鎧袖一触で蹴散らしながら進撃し、翌中央歴1639年7月11日にはアイナ平原を占領して飛行場の設営を始めた。

 西部方面装甲集団はそこで飛行場建設現場を守備すべく一日逗留する。逗留する間に後方に置いてきた二個中隊の機動歩兵や故障で落伍していた何輌かの九七式中戦車改(新砲塔チハ)が合流する。

 

 中央歴1639年7月13日早朝、西部方面装甲集団から分離した西部方面師団はイェルクに向けて進撃を開始する。そして同日夕刻イェルクに到達、そこでイェルク攻囲支隊を分離するとビーズル攻囲支隊はイェルクを迂回してそのままビーズルへと向かった。そして翌中央歴1639年7月14日にはビーズルの包囲を開始した。

 

 中央歴1639年7月14日、ノウ将軍は後方から合流してきた一個中隊の機動歩兵と故障で落伍していた2輌の九七式中戦車改(新砲塔チハ)にアイナ平原飛行場建設地の守備を命じると西部方面装甲集団本隊を率いてアイナ平原で逗留中に策定した進撃コースを辿り進撃を開始した。ノウ将軍は一式装甲兵車(ホキ)に搭載されたジャイロコンパスを頼りに砂漠を突っ切って行く。途中見落とした岩があればこれを回避し、石があればこれを除けて進撃を継続する。出発前夜にアイナ平原附近で汲んで煮沸して水用ジェリカンや水用ポリタンクに入れて砲塔や車体に固縛した水を頼りに3日かけて砂漠の踏破に成功し、とうとうジン・ハークを目視出来る地点まで進出した。進出後戦闘に備え半日かけて弾道計算を行って砲を展開し、塹壕を掘って築城する。そうして翌中央歴1639年7月18日、取り敢えず仮ではあるがジン・ハーク攻囲の準備が整った。とはいえ攻囲に関して万全とは言い難く、相手の出方や横須賀鎮守府の上陸軍を待つことになる。

 

 

 中央歴1639年6月21日、エジェイ攻略中の東方討伐軍が壊滅しつつあるという報告がジン・ハーク城に届いた。

 「どういうことだ!我が東方討伐軍は80万を数えたであろう!」ロウリア王は怒りながらもパタジン将軍に尋ねた。「王陛下、どうやら敵情に不備がありましたらしく、クワ・トイネは何十万もの兵をエジェイに集めたそうでございます。加えて空を埋め尽くすほどのワイバーンが居たとかという噂も流れております。」パタジン将軍は報告する。「何ということだ。」パオス宰相は嘆声をあげる。「事ここに至っては残っている兵を引き揚げさせるより他に手は無い、か。」そうしてロウリア王は東方討伐軍の各将軍に撤退命令を出す。しかし、その時パンドール将軍は敗走中であり、スマール将軍は戦死しその麾下も包囲殲滅され、ジューンフィルア将軍は戦車に蹂躙され、アデム将軍に至っては戦場から逃亡していた。そのため撤退命令は東方討伐軍に届くことは無く中央歴1639年7月1日に潰滅した。そしてその報は混乱のため届くまでに7日を要した。

 

 中央歴1639年7月8日、東方討伐軍の潰滅を知ったロウリア王は会議を招集する。

 「東方討伐軍が壊滅しただと。撤退命令を受け取りながら将軍共は何をしていた!」ロウリア王は怒号を上げる。「王陛下、どうにか分ったことなのですが、パンドール将軍は最早魔信を受信出来る状態に無かったらしく、スマール将軍は撤退命令が出された時既に討ち死にの由。ジューンフィルア将軍は敵の奇襲を受けて行方知れず、恐らく討ち死にしたのではないかと。そしてアデム将軍は援軍の要請に向かっているそうです。」パタジン将軍は報告する。「ならアデムに魔信でこう伝えろ!すぐに兵を集めて東方諸侯領に向かえとな!」ロウリア王は敢えて怒鳴ってアデム将軍に東方諸侯防衛を命じた。*3「直ちに!」パタジン将軍は命令を受領すると魔信でアデム将軍を呼び出そうとした。だが、「報告!先程敵が東部諸侯領に侵入しました!」その魔信から兵がやって来て重大な報告を齎した。「もう来たのか!」パタジン将軍は驚愕する。しかしロウリア王は落ち着いていた。「落ち着け、パタジンよ。敵が予想以上に早く動くとは思わなんだが、急いで兵を集めれば間に合おう。アデムに募兵と東部諸侯の救援を急がせよ。」ロウリア王はパタジン将軍を落ち着かせると改めて命じる。「はは!」パタジン将軍は魔信でアデム将軍にロウリア王の最新の命令を送ろうとする。しかし、アデム将軍に魔信がつながることは無かった。「ええい!何をやっている!」パタジン将軍は焦りを隠せずにいる。そんな中、「報告!東部諸侯が次々と敵に降伏しています!」「報告!ジューンフィルア辺境伯の子息が敵に降伏した由!」「報告!東部諸侯の半数が既に降伏し、残る半数も動揺している由にございます!」兇報が次々と舞い込んできた。「何だと!」パオス宰相は驚愕し、「早過ぎる!」パタジン将軍は愕然とし、「何故敵はそこまで早く動ける・・・」ロウリア王は動揺を隠せなかった。そして、「兎に角兵を集める。西部諸侯に出兵を命じよ。」ロウリア王は西部諸侯に出兵を命じた。

 

 翌中央歴1639年7月9日。「西部諸侯の応答はどうなっておる。」ロウリア王は西部諸侯の反応を確認する。「王陛下、申し上げにくいことながら、西部諸侯は出兵を渋っておる由にございます。それどころか援軍を求める者も。」パオス宰相は報告する。「何故!何故敵が攻めて来ぬ筈の西部諸侯が援軍を求める!」ロウリア王は驚き、それを隠そうと怒号をあげる。「王陛下、なんでも西部諸侯はいつ海賊が襲ってくるか全くわからず、海賊に備えたいとの由にございますれば。」パオス宰相は西部諸侯の要請事由を報告した。「むむぅ、海賊の夜討ちで兵を集めさせぬとは。」ロウリア王は嘆息すると、「いいえ、王陛下。奴等は主に日が出ている間に襲ってくるとのことにございます。」パオス宰相はとんでもないことを報告した。「何故だ!何故白昼堂々襲ってくる海賊なのにいつ襲ってくるかわからぬというのだ!」ロウリア王は頓珍漢な事態に困惑する。「なんでも、その海賊共はワイバーンで襲ってくるとのことにございますれば。」パオス宰相は西部諸侯は何を言っているんだと思いながら事情を報告する。

 

 実は、西部諸侯が言う海賊とは沿岸襲撃任務中の日向任務群のことであった。ロデニウス大陸沖海戦後に横須賀鎮守府が実施している沿岸襲撃はノウ将軍による反攻作戦の時になってボディーブローのようにロウリア王国の迎撃態勢に大きな悪影響を与えていたのである。*4

 

 そんな中、またも兇報が次々と飛び込んでくる。「報告!東部諸侯の城が次々と自落している由!」「報告!東部諸侯が農民叛乱のため自害に追い込まれたとのこと!」「報告!東部諸侯が雪崩を打って降伏したとのこと!」会議場は沈黙した。

 そこへクワ・トイネ公國軍の情報が入って来た。「報告!東部諸侯の領内に攻め入った敵将が判明致しました!その名はモッツァラ・ノウ!なんでもクワ・トイネでは猛将として知られているとか!」それを聞いたパタジン将軍は「猛将か。だとしたらあの速攻も納得だが、しかし城はそんな簡単に落ちるものでは無い。もしや別の将が既に調略していたのか?」と考えを巡らせる。しかしパオス宰相はそれを否定し、「東部諸侯が調略に応じる利があると思うか?敵がエジェイに大軍を集めた後なら兎も角、その前では調略に応じることなどあるまい。それに調略が僅か数日で出来る訳無かろう。」と正論を述べた。*5

 東部諸侯が次々と敵に下った理由を考察していたが、誰一人として正解を当てられる者は居なかった。そもそも当時のロウリア王国で誰が東部諸侯が迎撃準備を整える時間を与えずに装甲集団でどんどん突っ込んでいっただけなどということを考えつけるだろうか。

 そこへ鶴の一声がかかる。「今は理由を考えるより対応を考えるべきであろう。」その鶴の一声でロウリア王国首脳陣ははっとなった。そして彼等にとって常識的な範囲で対応策を取った。イェルクとビーズルで敵を防ぐというものである。そのためその周辺からイェルクとビーズルに兵が集まっていった。そしてイェルクとビーズルへの後詰のためジン・ハーク周辺からジン・ハークに兵を集めた。

 ところが、その僅か数日後にイェルクとビーズルが相次いで包囲されたという報告が入る。重要拠点であったビーズルはまだ幾万もの兵で籠城することが出来たが、イェルクは僅か数百しか兵を集めることが出来なかった。

 

 そして中央歴1639年7月18日、またしても予想だにしない事態がロウリア王国を襲った。

 ジン・ハークにクワ・トイネ公國陸軍が襲来したのである。

 「奴等、一体何処から現れた。」ロウリア王は驚愕していた。「王陛下、不幸中の幸いですが我等の手元には新たに徴集した兵も合わせて10万の兵が残っております。」パタジン将軍は報告する。「確かに不幸中の幸いであった。イェルクとビーズルに後詰を送ることを考えておらねば東部諸侯のように下手を打つところであったわ。」ロウリア王は幸運に嘆息する。

 「斥候の騎兵によれば、敵は鉄の地龍としか呼べぬモノを多数従えているそうです。」パタジン将軍は追加で斥候情報を報告する。「なるほど、鉄の地龍を従えているとすれば確かにあの速度も納得出来る。だが、あれを従えたのは伝説に残るという、あの太陽神の使いだけではないのか?」ミミネル将軍はパタジン将軍の報告に敢えて疑義を呈する。

 パタジン将軍はその疑義を否定も肯定もしなかった。とはいえ敵が鉄の地龍を多数従えているとなるとかなりの苦戦が予想されることになる。「夜襲することは出来ないのか?」ロウリア王は諸将に尋ねた。

 「鉄の地龍を従えているとなると、太陽神の使いとの関わりが予想されます*6。夜襲は難しいどころか寧ろ我等の方が夜襲に備えるべきかと。」そう答えたのは原作で陸上自衛隊に夜襲仕掛けてピチューンしたカルシオ聯隊長である。

 「確かに太陽神の使いはかなり夜襲が得意だったからな。なんでも魔王の側近に夜襲で重傷を負わせて下がらせたとか。」ミミネル将軍は自身が聞いた太陽神の使いの話を開陳する。「となると、野戦は下策か。」パタジン将軍は一つの結論を出す。

 しかしながらそれに反論する者がいた。ヤミレイ王宮主席魔導師であった。「我等の魔法で破れぬ敵などロデニウス大陸にあるとは思えませぬ。それにアレが鉄の地龍だと言うならば魔力反応が無いのは不自然極まりない。つまり、アレは張りぼてでしかございますまい。」ヤミレイ王宮主席魔導師が反論する。「故に我等は打って出て敵を蹴散らせばそれですみましょう。」そしてヤミレイ王宮主席魔導師は野戦を主張する。

 「いいえ、ここは籠城の方はよろしいかと。」そこにランド近衛騎士長が籠城を主張する。「根拠は?」パタジン将軍は根拠を尋ねる。

 「え~~、それではお聞きしますが、イェルクやビーズルを囲んでいる敵は今までなにか仕掛けてきたことは?」ランドは某警部みたいな話し方で聞き返す。「いや、まだそういう報告は受けていない。それに敵はどうやらかなり遠巻きに包囲しているようだ。」パタジンは答える。

 「ん~~。それは変ですね。確か敵はどちらも一万いかない程度の兵しか居ないそうじゃないですか。え~~。その程度の数で遠巻きに囲んでも兵糧攻めにはならないんですよ。その上イェルクは千人も居ない程度しか籠もってない、にも関わらず力攻めしていないんですよ。これを聞いて何かおかしいとは思いませんか?」ランド近衛騎士長は某警部みたいな話し方でイェルクとビーズルを包囲する敵の奇妙な点を指摘する。

 「それは確かに変だ。そんなことしたら補給出来ない状況で城が落ちる可能性が低くなる一方だ。」ミミネル将軍はランドの説明に納得する。「もしや、イェルクとビーズルを包囲しているのは後詰を来れなくするのが目的で、敵の真の狙いはジン・ハークを落とすことか!」パタジン将軍は敵の狙いを見抜いた。「ええ、仰る通りです。敵はイェルクもビーズルも眼中に無い。でもそこの守備兵は気になってる。だから囲んで出にくくしているんです。だからですね〜、下手に兵を減らしたら、攻めてくるんじゃないかと。」ランド近衛騎士長は某警部みたいな話し方で根拠の一つを説明する。「なるほど、なら打って出れば敵の思う壺ということか。」パタジン将軍はランドが言わんとすることを理解した。「ええ、その通り。しかしそれだけじゃないんですよ~。」ランド近衛騎士長は某警部みたいな話し方で他にも根拠があることを示唆する。「他にも、か。もしや先端が飛んで爆発する謎の棍棒と関係が?確か銃を持ってない兵がその棍棒を持たされていたと聞いたが。」ミミネル将軍は別の根拠を推測する。「それもあるでしょう。何せ銃より簡単に作れるのですから、下手すると我等は既に兵に持たせているかもしれないと思い込んでいても不思議ではありません。そして恐らく、その棍棒が狙う相手は重装歩兵よりも遥かに硬く強固な鎧で身を護っている。下手すると鉄の地龍を討ち取れる代物かもしれません。」ランド近衛騎士長はミミネル将軍の推測を補強する。「もしあんな棍棒で鉄の地龍を討ち取れるというなら何故鉄の地龍を使う。簡単に作れるのに鉄の地龍を討ち取れるなら鉄の地龍など使えないではないか。」パタジン将軍は何処ぞの財務省みたいなことを言う。「それはわからんが、もしかすると鉄の地龍にはそのリスクを上回るメリットが有るのでは?例えば騎兵のように速く動けるとか。それに相手が固くなければ効果が薄いという可能性もある。」ミミネル将軍はパタジン将軍に反論する。「確かにその棍棒を恐れているのもあるでしょう。しかしですね、最大の理由は民を巻き込みたくないということではないでしょうか。」ランド近衛騎士長は某警部のような言い方で籠城すべき最大の理由を述べる。それに対して会議に参加している全員がお前は何を言っているんだと思った。「ちょっと待て、それは矛盾と云わないか?下手に兵を減らせば攻めてくるとさっき言った。なのに民は傷つけたく無いから攻めない。だとしたら兵を減らしても攻めて来ないということにならないか?」ミミネル将軍は根拠の矛盾点を指摘する。それに対してランド近衛騎士長は某警部のような言い方でこう答えた。「仰りたいことは解ります。しかしここにはですね~、イェルクとビーズルには無い存在が()()んですよ~。下手したらここで民を巻き込んだとしても『余計な犠牲を減らせた。』という言い訳が出来る存在がです。」その答えに対して質問する人が居た。「居る?ランドよ、もしやその存在は人なのか?」ロウリア王である。「ええそうです。あなたがね。」ランド近衛騎士長は某警部のような言い方で質問に質問の中身以上の内容で答えた。「儂が居る?まさか儂に刃を突き付けて降伏を迫るか討ち取るつもりだというのか!」ロウリア王はランド近衛騎士長の解答から思わぬ負け筋に気付き、思わず叫ぶ。「ならば余計籠城するしかないでは無いか!」パオス宰相はもう負けではないのかという思いを打ち消そうと残された僅かな勝ち筋を叫ぶ。

 だが、ロウリア王国が僅かに残された勝ち筋に全力で飛び込もうとした瞬間、「お前たちは何を言っている。我等から散々支援を受け取りながら城に籠るなど許されると思っているのか?さっさと行って蹴散らして来い!」横須賀鎮守府による海上封鎖の影響で本国に帰れず已む無くジン・ハーク城に戻ったパーパルディア皇国の目付がロウリア王国を敗戦させた。そしてその言い草にキレたミミネル将軍はこう言い返した。「そう思うんだったらまずお前等が手本見せろ!」横須賀鎮守府による海上封鎖の影響で本国に帰れず已む無くジン・ハーク城に戻ったパーパルディア皇国の目付がミミネル将軍の言い方に唖然としている間に、ロウリア王国の諸将は横須賀鎮守府による海上封鎖の影響で本国に帰れず已む無くジン・ハーク城に戻ったパーパルディア皇国の目付をおだてながら横須賀鎮守府による海上封鎖の影響で本国に帰れず已む無くジン・ハーク城に戻ったパーパルディア皇国の目付を指揮官とした逆襲部隊を編成しロウリア王の決裁を済ませる。「ふむ、確かに列強パーパルディア皇国の者が率いる軍であればその威光で敵が退くやもしれぬな。」ロウリア王はそう宣うと、「そこまで仰せでなのであれば、先ずはこの城を囲む者共に列強の方々の威光を御示し戴きたい。」と宣い横須賀鎮守府による海上封鎖の影響で本国に帰れず已む無くジン・ハーク城に戻ったパーパルディア皇国の目付に逆襲部隊の指揮を執らせた。

 

 

 そうして翌中央歴1639年7月19日、両軍はジン・ハーク東方に展開を開始することになる。

 逆襲部隊の指揮を執ることになった、横須賀鎮守府による海上封鎖の影響で本国に帰れず已む無くジン・ハーク城に戻ったパーパルディア皇国の目付は「これより我は汝等と共にこの城を囲む蟲共を蹴散らす!我等の威光を前に蟲共は怯んで動けなくなるから汝等はそのまま潰せ!夫れこの国は偉大なるパーパルディアが格別の慈悲を以てこの島で最も発展した国となる筈であった。だがこの国に巣食う裏切り者の所為でその慈悲は無に帰して汝等の嘗ての営みすらも蟲共に食い尽くされようとしている!故に、本来であれば汝等をそのまま切り捨てる所、我等は格別の慈悲を以て助けようというのだ!だから汝等はここに感涙して死ぬ気で蟲共を潰すことに専念すれば良い!汝等も人なのだから蟲共を恐れぬ筈だ!恐れを見せる者は人に害を為すから駆除してやる!駆除されたく無くば恐れず淡々と蟲共を潰せ!」などと”万人に対するヘイトスピーチ”としか思えない演説でロウリア王国軍逆襲部隊を奮い立たせようとする。如何にロウリア人と云えどかかる”万人に対するヘイトスピーチ”で士気が上がろう筈も無く、寧ろロウリア人の将帥が指揮を執らないことが却って戦意を減衰させることになる。とはいえ横須賀鎮守府による海上封鎖の影響で本国に帰れず已む無くジン・ハーク城に戻ったパーパルディア皇国の目付はその従者に本国から持ち込ませたパーパルディア製ライフルドマスケットを持たせて後方から督戦することを命じていたため、逆襲部隊の将兵には遮二無二前進するしか生き残る手立ては無い。

 

                  ↑前進方向

 

       [        ロウリア王国軍逆襲部隊        ]

                    ↑

                 距離200m程度

                    ↓

                   督戦隊

                   司令部

 図1,ロウリア王国軍逆襲部隊の布陣

 

 一方、「ほう、死兵策ときたか。」ロウリア王国軍逆襲部隊の陣容を山汐丸から借りたキ76(三式指揮連絡機)で上空から直接見たノウ将軍はその作戦を見抜く。そして各部隊に布陣を伝達する。

 「西部方面師団は中央じゃ。距離を見ながらじりじりと押されるように退け。300m以内の敵はハフトラについてる機銃で薙ぎ払え。」「西部方面師団了解。」

 「両翼にチトが居らん戦車聯隊を4個ずつ置く。エジェイで戦った戦車聯隊は翼の付け根として西部方面師団を支援せい。あとの六個戦車聯隊は敵本隊を半包囲に置け。」「はい閣下。」

 「第五中隊がチトな戦車聯隊は右翼の端に就け。翼端は第五中隊じゃ。聯隊の第五中隊は敵本隊を右からかわして後ろの督戦隊や司令部を蹂躙せい。」「了解。」「卑劣な敵を踏み潰してやります。」

 「独立砲戦車中隊は反対の左翼翼端に就き、敵本隊を左からかわせ。後は右翼翼端の第五中隊と同じじゃ。」「踏む前に卑怯者を全て吹き飛ばすつもりで突っ込みます。」

 「儂は山汐丸殿から借りた飛行機(キ76(三式指揮連絡機))で空から指揮を執る。」

 「それなら司令部の守りは完璧ですね。」誰かが言った冗談にノウ将軍麾下は思わず笑った。

 

                  ↑前進方向

 

独立砲戦車中隊                       戦車聯隊(第五中隊にチト)

   戦車聯隊                           戦車聯隊

    戦車聯隊                         戦車聯隊

     戦車聯隊                       戦車聯隊

       戦車聯隊エ                 戦車聯隊エ

             機動歩兵師団化した西部方面師団

 

 図2,西部方面装甲集団本隊の布陣

 

 そしてロウリア王国軍逆襲部隊は前進を開始する。それに対して西部方面装甲集団本隊は両翼を伸ばして包囲を試みようとする形に見えた。「ふん。蟲共め、我等の威光に小細工など効く訳無かろう。蟲共の厚みは大したことないぞ!真ん中を穿ち抜け!」横須賀鎮守府による海上封鎖の影響で本国に帰れず已む無くジン・ハーク城に戻ったパーパルディア皇国の目付は陽動無しの中央突破を命じる。そして西部方面装甲集団本隊の翼端とロウリア王国軍逆襲部隊が交差した瞬間、独立砲戦車中隊のホリと何故か砲塔を左後方に向けた*7第五中隊の四式中戦車(チト)は増速して針路をロウリア王国軍逆襲部隊の後方に向けた。そして第五中隊の四式中戦車(チト)は督戦隊を機銃掃射し、独立砲戦車中隊のホリは副砲を督戦隊に乱射しつつ督戦隊を機銃掃射する。督戦隊とロウリア王国逆襲部隊司令部は瞬く間に全滅した。「ようやった。第五中隊は原隊に復帰せい。独立砲戦車中隊は元の配置に戻れ。逃げ道を開ける。あとはそこから逃げるのを吹き飛ばせば良い。」上空からそれを確認したノウ将軍は独立砲戦車中隊と第五中隊に命じる。しかし後方で何があったか知らないロウリア王国軍逆襲部隊は前進を続ける。そして機動歩兵師団化した西部方面師団の装備する一式半装軌装甲兵車(ホハ)に搭載された一式重機関銃で有効射程に入ったロウリア王国軍逆襲部隊の騎兵を機銃掃射する。「くそ!話が違うじゃないか!」騎兵が瞬く間に機銃掃射で薙ぎ倒されるのを見た重装歩兵隊は怯み始める。だが、「後ろから撃たれなくなければ歩みを止めるな!」前進を命じる重装歩兵指揮官*8の涙声に重装歩兵は前進を再開する。「何なんだよこいつ等!督戦隊は既に全滅しただろ!」一式半装軌装甲兵車(ホハ)の機銃手が一式重機関銃で機銃掃射しながら悪態をつく。*9

 「落ち着け。まだ督戦隊の全滅が伝わっておらんのじゃろう。」ノウ将軍は通信で悪態をつきながら機銃掃射する機銃手を落ち着かせるべく声を掛ける。

 だが、事態はそれだけでは無かった。「ぐおおおお!」一人の重装歩兵が妻から持って行くよう言われた楯で機銃掃射に耐えていたのである。彼の名はスワウロという。

 そうと知らないノウ将軍は紙にさらさらと督戦隊が全滅した旨を書き記し、それを通信筒に納めるとキ76(三式指揮連絡機)を低空に舞い降りさせて通信筒を重装歩兵隊の生き残りに彼等の後ろから投げつけた。*10 

 そしてスワウロは通信筒の直撃を受けて昏倒した。そのため、スワウロの後ろに居た重装歩兵の一人は機銃掃射に斃れた。残るもう一人が通信筒に気づき伏せながら封を開ける。そして中の紙に書かれているのを読んで逃げ出し、ホリの副砲で撃たれて戦死した。

 かくしてロウリア王国軍逆襲部隊は昏倒しているスワウロ一人を残して全滅した。

 

 

 

 逆襲部隊の全滅を知ったロウリア王国首脳陣は通夜の如き暗澹な雰囲気の中会議を行った。「敵は勝利で驕っている筈。今なら夜襲も効くのではないか?」そうパオス宰相は尋ねた。「おいおい爺さん、昨日の会議で言ったこともう忘れたのかよ。あそこまでやられた以上夜襲してくるのは奴等の方だって言ってたぢゃ無いか。」ミミネル将軍はこう言って夜襲に反対する。「幸いギャーギャー騒いで警戒を邪魔する奴は居なくなりましたから警戒監視は十分に可能かと。」パタジン将軍は会議が暗くなり過ぎないように改善された状況を述べるが、それが暗澹な雰囲気を払うには余りにも犠牲が多過ぎた。「いっそ真っ白なテーブルクロスでも長鑓に括り付けて塔に掲げたら全員助かるかもしれないぜ。」ミミネル将軍はブラックジョークを吐いて場を和ませようとする。尤も冗談と笑うには余りにもブラック過ぎて奏効しなかったのだが。とはいえ全滅を避け得る選択肢が出たことで若干だが暗澹さは軽減される。

 だが、その提案はロウリア王にとって受け入れることの出来ないものであった。「ミミネルよ。例えクワ・トイネの奴等に殺されなかったとしても、多くの民が飢えるのでは意味が無い。それに五月蝿かったとはいえ我等はパーパルディアの者を謀殺したのだ。それを気取られて懲罰となれば皆殺しは避けられまい。」ロウリア王はパーパルディア皇国との関わりを示唆してミミネル将軍が冗談で出した意見を退ける。しかしながら彼等に実行可能な打開策は最早存在しなかった。

 

 最早ロウリア王はクワ・トイネの逆襲によって滅ぼされるのとパーパルディアに懲罰されて滅ぼされるのとどちらがまだマシか考え始めていた。

*1
確かに砲で撃ち合ってるのだから間違ってはいない。(笑)

*2
元素記号はAu。

*3
なおアデム将軍は逃亡済みかつ命令自体が既に遅きに失している模様。

*4
尤もあの進撃速度ではどのみちジン・ハーク以外西部諸侯の援軍は間に合わなかっただろうが。

*5
実際誰も調略なんかしていません。

*6
本作では関わりがあるどころか直系の弟子一号という。

*7
大日本帝國陸軍に於いて、戦車の搭載機銃は車体銃と砲塔銃とを同時に同じ方向に向けて撃つことになっている。そして四式中戦車(チト)の砲塔銃は砲塔の右後方に装備されている。

*8
いつ言い掛かりを付けられて銃殺されるか分からないので怖い。

*9
声量的に機銃掃射を止めれば重装歩兵隊は敗走を始めたことだろう。

*10
危険:高速で移動している乗り物から物を投げないでください。




 という訳で大日本帝國陸軍のドクトリンで動くクワ・トイネ公國陸軍をお送りしようとしたら何故か電撃戦が始まってしまいました。
 とはいえ動員で数日が当たり前の状況で機動戦やったら兵士集めることすら出来ずに降伏は戦国転生チートものでありがちな展開ですし、装甲部隊でやったら電撃戦な展開にとなるのは必然かもしれません。
 ただね、現代日本人って小学生ですら封建時代人からすれば恐怖でしかないチートを持っているんですよ。因みに体育で習うものです。多分運動会でやった人も結構多いかと思います。
 余談なので答えを言ってしまいますと、「集団行動」というものです。アレはなんやかんやあって王の力が強大になったところにルネサンスで古代ギリシアや古代ローマの戦術が逆輸入されかつ小銃が発達したり銃剣が登場したりして産まれた戦列歩兵戦術が源流なのでね。

 という訳で次回予告です。
次回予告
 横須賀鎮守府は資源管理上作戦に参加させなかった主力の艦娘を招集する。
 そこで告げられた作戦はピカイアへの上陸だった。
 そして異世界転移後初の上陸作戦の結末は。
 次回、「外道鎮守府第十八回 クワ・トイネ=ロウリア戦争 〜ジン・ハーク包囲さる〜」
 クワ・トイネ=ロウリア戦争の終戦は今や目前なり。

紹介コーナー(今回は複数テーマ行きます)
 横須賀鎮守府がクワ・トイネ=ロウリア戦争で投入したAFV紹介
  九五式軽戦車(ハ号)
   通称はハ号。なので本作ではルビに「ハ号」と表示される。
   全長4.3m、全幅2.07m、全高2.28m、全備重量7.4トンと軽量級なため割と緊急展開部隊としての活躍の機会が多いかも。というのもこれ書くときにWikipediaで軽く調べた結果スペック上はC-130輸送機*1に2輌載るからである。
   最後にアンケートで今後横須賀鎮守府の軽戦車を強化するか聞いてみます。
  九七式中戦車(チハ)
   通称はチハ。なので本作ではルビに「チハ」と表示される。
   短砲身の57mm砲を主砲とした旧砲塔と長砲身の47mm砲を主砲とした新砲塔の二種類がある。但し本作では新砲塔しか登場しない。そして新砲塔チハは一式中戦車(チヘ)の下位互換となるという。とはいえ30トン級戦車相手でも側面なら撃ち抜けるため輸出先で意外な活躍をしてくれる可能性に期待。
   主機の信頼性に難があるらしく、そのために統制一〇〇式発動機が開発されたそう。但し実戦ではそこまで問題にならなかったとか。
  一式中戦車(チヘ)
   通称はチヘ。なので本作ではルビに「チヘ」と表示される。
   九七式中戦車(チハ)の後継として設計された戦車で、実質的に九七式中戦車改(新砲塔チハ)の改良型。
   九七式中戦車改(新砲塔チハ)から多くの点で改良が為されており、その中で大きいのは装甲がリベット留めから溶接に変わったことで十五榴の至近弾に耐える可能性が出来た事と主機が統制一〇〇式発動機V型12気筒という第二次世界大戦期における傑作車輛用ディーゼルエンジンを搭載したことである。因みに史実では基礎工業力の低さから信頼性を重視したにもかかわらず信頼性に難があると云われたが、本作では統制一〇〇式発動機を大量生産した経験や高度経済成長などにより強化された基礎工業力の恩恵を受けて過剰な信頼性を誇る発動機となった。お陰でノウ将軍が率いる西部方面装甲集団は僅か一箇月足らずでロデニウス大陸の東西長の三分の一を駆け抜けることが可能となった。
   但し航空機を最優先とする大東亜戦争時の陸軍軍政方針からまともに生産され始めたのが昭和18年となってしまった。尤も戦車を優先したらそもそも戦いにならないので方針そのものは間違いではないというのが本作作者(G-20)の考えである。実際強力な重戦車を揃えたヴェーアマハト(ドイツ國防軍)と武装親衛隊は対米英戦では制空権が米英側に完全掌握されてしまったことでまともに戦車部隊を動かせなかったそうだ。
   本作では今後もC-130輸送機に1輌積める(本車は全長5.7m、全幅2.3m、全高2.4m。)ことから緊急展開部隊で活躍してくれることだろう。
  三式中戦車(チヌ)
   通称はチヌ。なので本作ではルビに「チヌ」と表示される。
   米海兵隊がM4中戦車を持ち出してきたために正面からM4中戦車を撃破出来る戦車が欲しいとなって開発された。
   主砲に九〇式野砲を基にした三式七糎半戦車砲を搭載している。なお発射には拉縄と呼ばれる縄を用いる模様。そのために撃発手という珍しい役割の乗員が居るのだとか。
   また、装甲は一式中戦車(チヘ)から据え置きであるため煙幕を張ったり地形を利用したりすることが必要とされた。
   クワ・トイネ=ロウリア戦争時における横須賀鎮守府の主力戦車である。なおこのあと四式中戦車(チト)に置き換えられていく模様。
   全備重量も19トンあるので緊急展開部隊向けには使えない。
  四式中戦車(チト)
   通称はチト。なので本作ではルビに「チト」と表示される。
   元々対ソ連を意識した新構想に基づき長砲身57mm砲を搭載した新中戦車(甲)として開発された戦車だが、独ソ戦の情報に基づき長砲身75mm砲搭載に変更された。
   新機軸の導入と航空機を最優先とする大東亜戦争時の陸軍軍政方針から開発は遅れに遅れ、大東亜戦争敗戦時には試作車が数輌出来たのみであった。
   因みに主砲として採用された五式七糎半戦車砲(II)は半自動装填装置を装備した砲から半自動装填装置を撤去したものである。
   横須賀鎮守府がクワ・トイネ=ロウリア戦争で投入した戦車の中では最強を誇る。但し数が無いので再編成後の西部方面軍集団全体でも10輌しか居ない。
  二式砲戦車(ホイ)
   通称はホイ。なので本作ではルビに「ホイ」と表示される。
   短い期間の割に構想の変更が多い砲戦車の中で最も古い構想に基づいて開発された砲戦車。
   その火力で対戦車砲や57mm砲では破壊が難しい目標を攻撃して中戦車を支援する戦車という想定で開発された。
   出来上がった頃には砲戦車の構想が変わってしまったため余り活躍出来なかった。
   全長5.73m、全幅2.33m、全高2.58m、全備重量16.7トンで短砲身の75mm砲を搭載しているため緊急展開部隊での活躍が期待される。
  試製砲戦車ホリ
   割と新しい「重戦車火力戦」という構想に基づいて開発された駆逐戦車な砲戦車。
   団砲戦車という戦車団と呼ばれる聯隊以上師団未満の戦車部隊直轄の対重戦車向けの駆逐戦車として運用される予定だった。
   主砲は長砲身の105mm砲であり、M4中戦車の装甲では話にならない程高威力だったそう。
   例によって半自動装填装置を含む新機軸の導入と航空機を最優先とする大東亜戦争時の陸軍軍政方針から開発は遅れてしまい、結局模型しか完成しなかった。
   尤も完成したらしたらで対ソ戦の地上戦はCASと本車に依存することになりそうではあるが。
   因みにエレファントに似た形状のホリIとヤークトティーガーに似た形状のホリIIとが存在する。
   なお制式前に敗戦となったため制式名称は存在しない模様。なので本作では専らホリと呼ばれる。
  一式装甲兵車(ホキ)
   通称はホキ。なので本作ではルビに「ホキ」と表示される。
   第二次世界大戦時では珍しい全装軌式APCである。そのため戦車の機動に完全に随伴可能。
   一方で全装軌車の価格を考えると主力にはなり得ないのではなかろうか?
   今回は兵員室にジャイロコンパスとジャイロコンパス用発電機を積んで参戦する。
   因みに非武装なのだそう。
  一式半装軌装甲兵車(ホハ)
   通称はホハ。なので本作ではルビに「ホハ」と表示される。
   和製ハーフトラックであり、コスト的に恐らくこれが主力装甲兵車となる予定だっただろう。
   クワ・トイネ=ロウリア戦争時は一式重機関銃3挺を装備している。
   本作では割とよくハーフトラックと表記される。
  参考
    九五式軽戦車https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E4%BA%94%E5%BC%8F%E8%BB%BD%E6%88%A6%E8%BB%8A
    九七式中戦車https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E4%B8%83%E5%BC%8F%E4%B8%AD%E6%88%A6%E8%BB%8A
    一式中戦車https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%BC%8F%E4%B8%AD%E6%88%A6%E8%BB%8A
    三式中戦車https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%BC%8F%E4%B8%AD%E6%88%A6%E8%BB%8A
    四式中戦車https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E5%BC%8F%E4%B8%AD%E6%88%A6%E8%BB%8A
    二式砲戦車https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E5%BC%8F%E7%A0%B2%E6%88%A6%E8%BB%8A
    試製砲戦車ホリhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%A6%E8%A3%BD%E4%BA%94%E5%BC%8F%E7%A0%B2%E6%88%A6%E8%BB%8A
    一式装甲兵車https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%BC%8F%E8%A3%85%E7%94%B2%E5%85%B5%E8%BB%8A
    一式半装軌装甲兵車https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%BC%8F%E5%8D%8A%E8%A3%85%E8%BB%8C%E8%A3%85%E7%94%B2%E5%85%B5%E8%BB%8A
    C-130J
     https://ja.wikipedia.org/wiki/C-130J_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)

 登場部隊紹介
  西部方面装甲集団
   西部方面軍集団隷下の戦車部隊の集まり。
   エジェイ会戦時西部方面軍集団に配属された戦車聯隊×2に加えて戦車聯隊×7+独立砲戦車中隊×1が配属されたことでこれを統括する単位が必要になったため編成された。将校は解散した志願兵軍団や経験を積んだ各部隊から引っ張ってきた。
   元々戦車だけの部隊だったのだが、一式半装軌装甲兵車(ホハ)の配備により機動歩兵師団化した西部方面師団×2を配属したことで諸兵科聯合部隊となった。またこれにより独立して作戦を行うことが可能となった。そしてノウ将軍直率の下暴れまわった。

  西部方面装甲集団本隊
   西部方面装甲集団隷下として編成された軍隊区分。
   西部方面装甲集団から西部方面師団1個を分派した残余であり、任務はジン・ハークへの迂回、目的はジン・ハークの攻略である。

  イェルク攻囲支隊及びビーズル攻囲支隊
   西部方面装甲集団隷下として編成された旅団戦闘団。
   ビーズル攻囲支隊が西部方面師団隷下の歩兵旅団に同師団所属の野砲兵大隊と迫撃砲大隊に騎兵中隊と機関銃小隊及び輓馬中隊を各1個配属した旅団戦闘団で任務はビーズルの包囲、目的はビーズル守備隊の拘束である。
   イェルク攻囲支隊が西部方面師団隷下の歩兵旅団に同師団所属の迫撃砲大隊に騎兵中隊及び輓馬中隊を各1個配属した旅団戦闘団で任務はイェルクの包囲、目的はイェルク守備隊の拘束である。

 アンケート選択肢紹介
  質問文
   横須賀鎮守府の軽戦車はハ号のままで良いか。

  質問文解説
   現在横須賀鎮守府に配備されている中戦車は現主力が三式中戦車(チヌ)で次期主力が四式中戦車(チト)となっています。
   しかしながら配備されている軽戦車は九五式軽戦車(ハ号)のままとなっています。
   そのため、横須賀鎮守府に配備される軽戦車も強化するかどうかをアンケートで決めたいと思います。
   因みに、予算の都合上主力軽戦車が九五式軽戦車(ハ号)から新型軽戦車へと置き換わるのは恐らく中央歴1641年頃の見込みです。(それまでは精鋭の戦車聯隊の本部や第一中隊(軽戦車中隊)に順次配備される予定です。)

  強化して欲しい。
   史実通り(コメディ回を挟んで)強化されます。
   なおコメディ回は史実準拠です。

  ハ号のままで良い。
   軽戦車がハ号のままとなる代わりに中戦車の強化が若干早くなります。
   もしかすると、昭和18年に大日本帝國陸軍第四技術研究所が構想した、”大馬力空冷ディーゼルエンジンを主機として搭載し、快適な運転が可能な変速機と操向装置を備え、トーションバーサスペンションによって支えられる溶接構造車体に自動装填装置附き十糎加農を装備した鋳鋼製砲塔を搭載した新型戦車”か61式戦車(『外道鎮守府召喚』仕様)が対グラ・バルカス帝国戦争の早い段階で投入されるかもしれません。

  日本の軽戦車は弱過ぎるから海外のが良い。
   海外の軽戦車を開発してきます。
   但し軽戦車がハ号より強くなるとは限りません。
   あとM24(チャーフィー)とかいう九七式中戦車(チハ)一式中戦車(チヘ)よりでかいのは開発されません。
   因みに予定制限重量は10トンです。

  軽戦車は重過ぎるからもっと軽いのが良い。
   九四式軽装甲車(TK)九七式軽装甲車(テケ)がハ号の代わりに導入されます。
   なおハ号より弱いです。なにせ装甲車なので。

  そんな予算有ったら航空機強化して。
   軽戦車がハ号のままとなる代わりに航空機が強化されます。
   この選択肢が採択された場合、中央歴1642年4月に開催される先進拾壱箇國會議(フォーク海峡海戦)までにジェット機が主力戦闘機の地位に就くかもしれません。

  陳腐化した中戦車で代用出来ないの?
   次期軽戦車が使い道が無くなる三式中戦車(チヌ)や不憫枠な九七式中戦車改(チハ改)で代用されます。
   但しその重量は作戦上の足枷になるかもしれません。

  ハフトラに砲載せれば良いじゃない。
   一部の一式半装軌装甲兵車に歩兵が運用する砲を装備します。
   備砲の種類が多いため投稿まで間が空いたりミスが多くなる可能性があります。
   加えて一式半装軌装甲兵車の架空派生型のうち幾つかはこの選択肢が採択されなかった場合でも実装されます。
   この選択肢が採択された場合、最短でも対魔王戦の頃には実装されます。
   但しハーフトラックなので防禦は弱いです。

  軽駆逐戦車にすべき。
   ホルが後継となります。
   但し旋回砲塔が無いのでその分運用上の問題が多発する可能性が有ります。

  海軍としては陸軍の意見に反対である。
   軽戦車がハ号のままとなる代わりに海軍部隊が強化されます。
   現状フォーク海峡海戦後にグラ・バルカス帝国艦隊にSAM(艦対空誘導弾)が配備される予定なので、もしかすると横須賀鎮守府艦隊対グラ・バルカス艦隊の海戦がミサイルの撃ち合いで始まるかもしれません。

 それではみなさん、奮って御投票をお願い致します。

*1
貨物室のサイズとペイロードの両方が公開されているC-130Jの場合ペイロードが18,955 kg、貨物室サイズが長さ12.50×幅3.05×高さ2.74m。

横須賀鎮守府の軽戦車は今後もハ号のままで良いか。

  • 強化して欲しい。
  • ハ号のままで良い。
  • 日本の軽戦車は弱過ぎるから海外のが良い。
  • 軽戦車は重過ぎるからもっと軽いのが良い。
  • そんな予算有ったら航空機強化して。
  • 陳腐化した中戦車で代用出来ないの?
  • ハフトラに砲載せれば良いじゃない。
  • 軽駆逐戦車にすべき。
  • 海軍としては陸軍の意見に反対である。
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