外道鎮守府召喚   作:G-20

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 第三話が予想以上に長くなったので今回やっとロデニウス大陸開発計画が始動しました。とはいえ延々と工事風景を見せられるのもつまらないでしょうから、開業までダイジェストでお送りします。
 そしてサブタイトルが歌詞の一節となっております。

 因みに、これで第一章の本篇が終わりです。

 それではJASRAC楽曲コード029-6403-1を聴きながらお読みください。







 今回は短めです。


第四話 汽笛一声新橋を はや我が汽車は離れたり♪

 時は半月遡る。クワ・トイネ市とマイハーク新港にはクワ・トイネ公國政府を通して現地で募集した工夫(こうふ)横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)から派遣した艦娘達、そしてが何故か横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)に居た陸戦妖精(鐵道第一聯隊)や同じく何故か横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)に居た陸戦妖精(鐵道第二聯隊 )が集っていた。彼等は横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)から揚陸艦娘で輸送されてきた重機の到着を待って陸戦妖精(鐵道第一聯隊)や陸戦妖精(鐵道第二聯隊 )の指揮の下に鐵道路線の基礎工事を開始した。そして半年かけて線路の基礎を固めていく。また同時に各地の駅の建設も始めていた。

 そうして転移から約一ヶ月経った頃、鐵道用の資材を満載した貨物船の船団二つがクワ・トイネ市とマイハーク新港に向けて横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)を出港した。そして、三日後には一方がクワ・トイネ市沖に投錨、船尾から大発動艇を発進させて鐵道用の資材を揚陸し、もう一方は建設したマイハーク新港に着岸して鐵道用の資材を降ろした。クワ・トイネ市に揚陸された資材はクワ・トイネ港の近くで建設が進むクワ・トイネ駅に、マイハーク新港に輸送された資材はマイハーク新港内に建設されているマイハーク駅にそれぞれ運ばれていった。そして基礎工事で既に基礎が固められて予めバラストが敷かれた線路敷設地に枕木が並べられ、その上に重量級のレール*1が敷かれ、そしてレールの中央付近が犬釘で固定された。

 遂にロデニウス大陸開発計画が本格的に始動したのである。

 

 そこから本来交換用として設計された軽便機関車*2に押される貨車で鐵道用の資材を輸送したりレール同士を溶接したり*3しながら線路が敷設されていき、途中で艦娘の一部がクイラ王國の鐵道敷設に向かうなどの事態はあったものの半月後、遂にクワ・トイネ市〜マイハーク市の鐵道が完成した。

 鐵道完成の一週間前には横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)から幹線特別急行用蒸気機関車*4や幹線用汎用蒸気機関車*5がマイハーク市の機関区に運び込まれて、そして何故か横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)に居た陸戦妖精(鐵道第一聯隊)や同じく何故か横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)に居た陸戦妖精(鐵道第二聯隊)によって開業列車を牽く機関車が入念に点検される。*6そして本来交換用として設計された軽便機関車を横付けしてそこからパイプで蒸気を送り、古新聞に火をつけて火口に投入される。その後石炭を投入したりメカニカルストーカーを起動したりして5時間かけて蒸気機関車を暖機する。そうして鐵道開業の準備が進められていき、開業前日には機関車の回送を兼ねた試運転が行われた。機関車客車共に調子は上々であり、翌日の開業に支障無しとの連絡が入った横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)クワ・トイネ市出張所はクワ・トイネ公國政府に鐵道は予定通りに開業する旨を連絡した。

 

 翌日未明、数日前からクワ・トイネ市入りしていた北條提督は秘書艦大和やクワ・トイネ公國との交渉に尽力した松永先任参謀と共にクワ・トイネ駅の臨時控室に入った。そして大和は軍楽隊妖精を展開させた。

 その日の早朝、

クワ・トイネ公は御所を出立して新しく築かれたクワ・トイネ駅を御訪問あそばされ、そして御休室にお入りなされた。

 0800、鐵道開業式典が始まる。本来ならここで国歌を演奏するのだが、クワ・トイネ公國国歌はまだ無いので省略される。

 カナタ首相は鐵道建設に従事したすべての者に感謝の意を示しつつこの出来事がクワ・トイネ公國の将来を明るくするだろうと演説し、

クワ・トイネ公は鐵道の開通がクワ・トイネ公國民の生活水準を大きく引き上げることだろうと述べられあそばした。

 そして、大和の軍楽隊妖精は『鉄道唱歌』を演奏した。

 大和は自身の軍楽隊妖精による演奏に合わせて歌を口ずさむ。

 

 〽︎

  汽笛一聲(いっせい)新橋を はや(わが)汽車は離れたり 愛宕(あたご)の山に入りのこる 月を旅路(たびぢ)の友として

  右は高輪泉岳寺(たかなわせんがくじ)四十七士(しじふしちし)の墓どころ 雪は消えても消えのこる 名は千載(せんざい)の後までも

  (まど)より近く品川の臺場(だいば)も見えて波白く 海のあなたにうすがすむ 山は上總(かづさ)房州(ばうしう)

  梅に名をえし大森(おほもり)を すぐれば早も川崎(かはさき)大師河原(だいしがはら)は程ちかし 急げや電氣(でんき)の道すぐに

  鶴見(つるみ)神奈川(かながは)あとにして ゆけば橫濱(よこはま)ステーシヨン(みなと)を見れば百舟(もゝふね)の 煙は空をこがすまで

  橫須賀(よこすか)ゆきは乘替(のりか)へと 呼ばれておるゝ大船(おほふな)の つぎは鎌倉鶴岡(つるがをか)源氏の古跡(こせき)(たづ)ね見ん

  八幡宮(はちまんぐう)石段(いしだん)に 立てる一木(ひとき)大鴨脚樹(おほいてふ) 別當公曉(べつたうくげう)*7のかくれしと 歴史にあるは此蔭(このかげ)*8

  こゝに開きし頼朝が 幕府のあとは(いづ)かたぞ 松風さむく日は暮れて こたへぬ石碑(せきひ)(こけ)あをし

  (きた)圓覺建長寺(ゑんがくけんちやうじ)南は大佛星月夜(だいぶつほしづきよ)片瀬(かたせ)腰越(こしごえ)江の島も たゞ半日の道ぞかし

  汽車(きしや)より逗子(づし)をながめつゝ はや橫須賀(よこすか)に着きにけり 見よやドツクに集まりし わが軍艦(ぐんくわん)壯大(さうだい)

  支線(しせん)をあとに立ちかへり わたる相模(さがみ)馬入川(ばにふがは)海水浴(かいすゐよく)に名を得たる大磯(おほいそ)みえて波すゞし

 (歌詞部が長過ぎて問題になるのを避けるために中略。何しろこの歌66番までありますからね。)

  七度(なゝたび)うまれて君が代(きみがよ)を まもる*9といひし楠公(なんこう)*10の いしぶみ高き湊川(みなとがは)ながれて世々(よゝ)の人ぞ知る

  おもへば夢か時のまに五十三次(ごじふさんつぎ)はしりきて神戸(かうべ)のやどに身をおくも 人に翼の汽車(きしや)の恩

  明けなば更に()りかへて山陽道(さんやうだう)(すゝ)まゝし天氣(きんき〔ママ〕)は明日も(のぞみ)あり 柳にかすむ月の影

 

 そうして客車のドアが閉まり、開業記念特別急行を牽く幹線特別急行用蒸気機関車が汽笛を一声鳴らした。

 そしてロデニウス大陸初の営業列車は幾多もの乗客を乗せてゆっくりと動き出した。

*1
重いレールの方が頑丈な傾向にある上に整備も楽なのだそう。

*2
本来は港湾内や工場内その他にて貨車をゆっくり牽いたり列車の車輌を入れ替えたりするのに使用されるために設計開発された蒸気機関車。

ゆっくりとしか走らない前提のため先輪従輪共に無しという設計となっている。

詳しくは後書きにて。

*3
本来鐵道のレールは20〜25mらしいのだが、それを溶接することで線路がずれにくくなったり継ぎ目が減って騒音や振動が少なくなる。いわゆるロングレールという技術である。

*4
知名航海参謀の意見を基にC62を巨大化させつつシャプロン流機関車設計術で設計製造された蒸気機関車。

因みに発案者(知名航海参謀)は出来上がった機関車の諸元にドン引きしたそう。

なお幹線用汎用蒸気機関車と同型の罐を使用している模様。

詳しくは後書きにて。

*5
石田補給参謀の意見を基にD52を巨大化させつつシャプロン流機関車設計術で設計製造された蒸気機関車。

その性能から貨物列車のみならず急行列車をも牽引することになった。

発案者(石田補給参謀)は出来上がった機関車の諸元に驚いていたが、その後暫くは危険を感じる笑顔だったという。多分予想以上の高性能振りにコレは凄いことが出来そうだと思っていたのだろう。

なお幹線特別急行用蒸気機関車と同型の罐を使用している模様。

詳しくは後書きにて。

*6
何しろ蒸気圧が蒸気圧なので出庫するときだけでなく長めの停車中にもこまめに点検することが必要とされている。

*7
因みに歌詞では“くげう”となっているが、彼の名は正確には“こうぎょう”なのだそう。

*8
因みにその大鴨脚樹(おほいてふ)は平成の頃に台風で折れたそうである。

*9
“七生報國”の語源となったエピソード。

*10
楠木正成のこと。




 という訳でロデニウス大陸に鐵道が開通致しました。
 幾つか不自然な改行があるかと思いますが、これは改行することによりその人物に敬意を表すという表敬技法なのです。実際大日本帝國憲法の告文だと七文字目と八文字目で改行されているのも同じ理由なのです。

 次の本篇回まで一箇月前後時間が飛びます。そしていよいよ戦闘*1が始まります。

 次回予告
  前話で意見だけ登場したけど今回登場しなかった機関車がその後どうなったかを紹介します。
  次回「閑話1 失敗作たち」
  どうしてこうなった・・・な代物や何故そうした・・・な機関車も出てくるのでお楽しみに。

 それではサクサクと紹介コーナーに行きましょう。
  オリジナル人物紹介
   クワ・トイネ公
    本名はミズホ・クワ・トイネ。
    クワ・トイネ公國の国家元首であり、敬称は閣下。
    魔王ノグスーラに滅ぼされたミズ・トイネ王國の家臣の末裔であり、魔王ノグスーラ侵攻による際してミズ・トイネ王室の子供を安全な場所に避難させ、その後ミズ・トイネ王國を再興する役目を仰せつかってロデニウス大陸に移住したという経歴を有する公爵家の当主である。
    カナタ首相*2に統治を委ねてその上に君臨する、「君臨すれども統治せず」を基本方針としている。

  登場鉄道車輌紹介
   本来交換用として設計された軽便機関車
    そもそも本線用ではないため結構小さい。日本の機関車と混ぜても小型機関車に分類される。
    最高速度は僅か20km/hであり航続距離もかなり短い。そのため鉄道工事の際は罐水入りのタンク車や石炭を積んだバラ積み車を連結して必要に応じてそこから補給して行動した。
    モデルはB20蒸気機関車。

   幹線特別急行用蒸気機関車
    知名航海参謀の意見を基にC62を巨大化させつつシャプロン流機関車設計術で設計製造された蒸気機関車。
    ただでさえベースが大型なのに車輌限界に合わせて軌間1,435mm、幅4,100mm、高さ5,600mmとしたことから益々巨大化した。その上燃焼室を装備した改良型ウーテン式火室を採用しており、その為従台車に支えられたかなり巨大な火室を備えることになる。因みに給炭時に砕かれた石炭をしっかり燃やせるように配置や構造が工夫されたメカニカルストーカーや重油併燃装置が標準装備されている。
    パッと見の見た目は“煙突が2本に増えたでかいC62”なのだが、巨大化した上に使用蒸気が高圧化(16.0 kg/cm2→30.0 kg/cm2)し*3なおかつシャプロン式の設計となったため出力がC62の3倍以上となっている。なお旅客列車しか牽引しない模様。
    因みにこれでも某鉄道好き少女と某列車砲メーカーが産み出し某史上最優の蒸気機関車技師が完成させた怪物より低出力な可能性があるのだとか。

   幹線用汎用蒸気機関車
    石田補給参謀の意見を基にD52を巨大化させつつシャプロン流機関車設計術で設計製造された蒸気機関車。
    ただでさえベースが大型なのに車輌限界に合わせて軌間1,435mm、幅4,100mm、高さ5,600mmとしたことから益々巨大化した。その上燃焼室を装備した改良型ウーテン式火室を採用しており、その為従台車に支えられたかなり巨大な火室を備えることになる。因みに給炭時に砕かれた石炭をしっかり燃やせるように配置や構造が工夫されたメカニカルストーカーや重油併燃装置が標準装備されている。
    パッと見の見た目は“煙突が2本に増えたでかいD52”なのだが、巨大化した上に使用蒸気が高圧化(16.0 kg/cm2→30.0 kg/cm2)し*4なおかつシャプロン式の設計となったため出力がD52の3倍以上となっている。
    因みにこれでも某鉄道好き少女と某列車砲メーカーが産み出し某史上最優の蒸気機関車技師が完成させた怪物より低出力な可能性があるのだとか。

*1
なお本当に戦闘と呼べるかは諸説ありな模様

*2
二次創作で割とよく国家元首をやらされる首相。今作では最◯まで政府首班に留まる予定。原作に登場しているので紹介は略す。

*3
因みに陽炎型駆逐艦(除天津風)の主罐が発生させる蒸気の圧力と同じだったり。

*4
因みに陽炎型駆逐艦(除天津風)の主罐が発生させる蒸気の圧力と同じだったり。

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