外道鎮守府召喚   作:G-20

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 今回は第六話でやる予定だった原作におけるロデニウス大海戦を含めたクワ・トイネ=ロウリア戦争の海軍作戦パートその一です。
 クワ・トイネ=ロウリア戦争で実施された海上戦闘や海軍作戦の大半をこの一話に収める予定でしたが護国丸による通商破壊戦(開戦から3日間程度)やら横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)恒例の喧嘩やらブルーアイ海尉艦長が摩耶での艦内生活を満喫する話やらで想定以上に長引きました。なので何回かに分かれます。



 それではしばらくの間海洋戦争をお楽しみください。
 今回は前回の横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)基地航空隊がやった航空作戦に比べればまだ真っ当に戦争します。

 因みに今回は後書きの紹介コーナーが盛り沢山となっております(後書きがなんと4,849字にも及びます。)。おまけに本作オリジナル度量衡単位まで作っちまった。なおこの先オリジナル度量衡単位がどんどん増えていく模様。
 それにしても国によって1ポンドの重量や1ヤードの長さが異なるとか地獄かな?なお現実の地球では地方ごとに1ポンドの重量が異なる国が実在した模様。

 ミスを修正しました。


第七話 クワ・トイネ=ロウリア戦争 〜海上戦闘 壱〜

 中央歴1639年4月11日、パーパルディア皇国はエストシラント港に向かうロウリア船籍の航洋帆走商船を発見した護国丸は笑みを浮かべてそのロウリア商船を旗旒信号で呼び出した。「さあて、通商破壊の時間だぁ。」

 

 「頭!向こうからやってきたトーパの船、なんでも最新ニュースを持ってきたそうですぜ。それで人をこっちに送りたいということでさ。」見張りの船員が船長に報告した。「ほう、最新ニュースか。確かに海に出てから仕入れる機会が無かったからな。よしてめえら!船を止めるぞ!帆を畳め!後向こうに受け入れるつーことを伝えろ!」船長は最新のニュースを欲して船を止めた。

 数時間して*1船が止まると、トーパ船籍の巨大な商船がカッターを降ろしてやってきたのでカッターの辺りに縄梯子を降ろす。すると、なんとなくヤバそうな目つきをした美少女や綺麗な女子たちが縄梯子から船に上がってきた。船長は(これだけの若さで、しかも女の身であれだけ大きな船を差配する位だから目つきもヤバめな感じになるのだろう)などと思った。

 「で、最新ニュースというのは?」船長がなんとなくヤバそうな目つきをした美少女に尋ねる。「あーうん。アンタにとって良いニュースと悪いニュースがあるから良いニュースから教えたげる。」なんとなくヤバそうな目つきをした美少女は答える。船長は(悪いニュースから教えてくれないのか・・・何しろ悪いニュースは大抵後回しにすると碌でも無いことになるからなぁ。)とやや残念そうに思った。正解である。だがなんとなくヤバそうな目つきをした美少女はそんな船長の内心に気付きながらも故あってか無視して、「良いニュースってのはね、ロウリアがギムをその日のうちに落としたつーことだ。」と良いニュースを告げる。そのニュースを聞いた船員たちは歓声をあげた。だが船長はそれを手で制すると、「それで悪いニュースていうのは?」と尋ねた。直後、なんとなくヤバそうな目つきをした美少女がゆらりと揺れたかと思えば突如として船長に組み付き短剣を船長の首に突きつけると「アンタがクワ・トイネ=ロウリア戦争で双方合わせて初めての捕虜になったことさ。」などと告げた。突然のことに頭が回っていなかったが、なんとなくヤバそうな目つきをした美少女が告げた悪いニュースを飲み込むと、「おいおいお前は関係無いだろ。」と突っ込んだ。しかしなんとなくヤバそうな目つきをした美少女は首をしゃくって彼女が乗ってきた船を示す。何事かと思ってその船を見ると、なんとその船はトーパ船籍船などでは無かった。その船が掲げた旗はArgent, a torteau displayed with a Siemens star-shaped halo, the halo has sixteen rays Gules*2だったのだ。だが、その旗の意味を知らされていない船長は何のことか理解出来ず、「それが何だというのだ?」と問うた。「私はね、横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)所属、特設巡洋艦の護国丸。要するにアンタの船は軍艦に拿捕されたのさ。」なんとなくヤバそうな目つきをした美少女が自己紹介する。船長は完全に事態を理解した。そしてここから逆転する手段も無いということも。それを見てとった護国丸は船長に告げた。「物分かりが良いのは助かるよ。お陰で砲を使わずに済みそうだ。」

 かくして護国丸はクワ・トイネ=ロウリア戦争に於ける初の捕虜と船舶の拿捕という戦果を得た。そうして捕虜と貨物を護国丸に移送すると拿捕した船を爆破して沈没させた。

 

 翌中央歴1639年4月12日、護国丸は更に2隻のロウリア籍船を拿捕し、捕虜と貨物を護国丸に移送して拿捕した船を爆破処分した。

 そして翌中央歴1639年4月13日0953時(9時53分)、「レーダーに反応。今までのより大型。速力はかなり遅い。IFF反応無し。」レーダー手が報告した。「第一種戦闘配備。」護国丸は下令する。彼女の指示の下クルーは機敏に配置に就いた。今まで移送されてきた捕虜たちはその機敏さに目を見張る。それは一瞬の遅れが致命傷だと言わんばかりであった。そして護国丸はトーパ王國国旗を降ろして軍艦旗*3を掲げた。「両舷第一戦速(りょうげんだいいちせんそーく)。」護国丸は増速を命じる。捕虜たちは未だ嘗て感じたことの無い加速を感じると船はぐんぐんと加速する。捕虜たちは戦慄した。こんな速さで追われたら()()()()()()()()()()()()()()()。そうこうしているうちにレーダーで捉えた反応が視程に入る。どうやらパーパルディア藉船のようだ。そして行き先はどうもロデニウス大陸の方向らしい。何しろアルタラス王國はとうに過ぎているのだ。つまり中立義務違反の可能性があるということになる。「旗旒用意!L(リマ)*4、揚げ!続いて汽笛信号、長音*5二回!*6応じるまで繰り返せ!魔信でも停船を命じろ!」護国丸は停船命令を下した。だが、相手は停船するどころか帆を変な形*7にして逃走を開始した。間違い無い。密輸か或いは中立義務違反だ。「面白くなってきた。最大戦速(さいだいせんそーく)」護国丸は更に速力を上げる。そして、「こちら、横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)仮装巡洋艦。逃走中のパーパルディア船に告ぐ。停船せよ。然らざれば撃つ。繰り返す。停船せよ。然らざれば撃つ。」護国丸は魔信で警告を始める。だが、「撃てるものなら撃ってみろ!撃ったらどうなるかわかってるんだろうな?」逃走するパーパルディア船は魔信で護国丸を恫喝する。「砲術長、左砲戦。目標、パーパルディア籍の逃走船。警告射撃。弾種空包。撃ち方始め(うちーかーたはじめ)。」護国丸は躊躇無く警告射撃を命じる。「左砲戦。目標。パーパルディア籍の逃走船。警告射撃。弾種空包。砲術長了解。撃ち方始め(うちーかーたはじめ)。」砲術長は復唱し警告射撃を行う。パーパルディア籍の逃走船は拍子抜けしたのか護国丸をR-18な言葉で挑発する。「砲術長、撃ち方控え。警告射撃より威嚇射撃に移行、弾種、三式弾。撃ち方始め(うちーかーたはじめ)!」護国丸は()()()()威嚇射撃を命じた。「撃ち方控え。警告射撃より威嚇射撃に移行、弾種、三式弾。砲術長了解。上空威嚇射撃。撃ち方始め(うちーかーたはじめ)。」砲術長は淡々と復唱し、三式弾による上空威嚇射撃を行った。しかし減速する様子は無い。「撃ち方控え。下げ10。弾種其儘。海面威嚇射撃。撃ち方始め(うちーかーたはじめ)。」砲術長は海面威嚇射撃に移行。それでも逃走船は停止する気配無く、「撃ち方控え。上げ3。弾種其儘。船体威嚇射撃。」遂に砲術長は船体威嚇射撃を決心し、「警告、本艦は船体威嚇射撃を行う。」と魔信で警告し終えると「撃ち方始め(うちーかーたはじめ)。」船体威嚇射撃に移行した。護国丸の主砲から放たれた三式弾は過たず逃走船の船体の直前で炸裂し、その弾子で逃走船の外板に穴を穿ち焼き始める。「クソ!本当に撃ってきやがった!撃ち返せ!このまま一方的に撃たれるなどあってはならん!」逃走船の船長は護国丸への攻撃を命じた。逃走船は舷側から魔導砲の砲口を突き出し、護国丸に向けて発砲した。「ふぅん、撃っちゃうんだ。しょうがない。砲術長、撃ち方控え。正当防衛射撃。弾種三式弾。」護国丸は頬を紅潮させながら号令を出し、「撃ち方控え。正当防衛射撃。弾種三式弾。砲術長了解。」砲術長は何事も無かったかのように淡々とした口調で復唱して三式弾を装填させた。

 「撃ち方始め(うちーかーたはじめ)!」護国丸は発砲を命じた。「撃ち方始め(うちーかーたはじめ)!」砲術長は気合いを入れて指示を出した。

 逃走船が放った砲弾は一発も命中せずに終わり、護国丸が放った三式弾は逃走船の帆装に火を付けた。帆装が燃え始めた逃走船の船長は焦りだした。そしてダブルショットを指示する。一方護国丸は特に指示を変えなかった。否、変える必要が無かった。何せ、弾種を変えたり射撃理由を変えたりでも無い限り、撃ち方始めを令すればあとは砲術長の領分であるのだ。護国丸は第二射を放つ。護国丸から放たれた第二射は逃走船の帆装を更に燃やした。三式弾で帆装を燃やされた逃走船は急速に行動能力を喪失し、その露天甲板には燃えている帆の一部や帆装索具の一部が降り注ぐ。その上逃走のために全力稼働する風神の涙は帆装が燃えるのを助ける要因となるのみならず、見張り台のクルーの命を奪う要因*8ともなる。

 帆装を焼かれた逃走船はもはや速力を維持出来ず、速力を失っていった。逃走船は舵を切って護国丸に舷側を向け続けようとしたが、その行動は余計に速力を失わせるだけに終わる。結局逃走船は護国丸を射界に捉えることが出来ずに停止した。

 「よし、それじゃあ臨検するか。臨検隊用意。」護国丸は逃走船の臨検を決意して準備をさせた。ところがその時、逃走船から突如爆炎が上がり逃走船が炎上する。護国丸は大きな音で舌打ちを鳴らして船を停止させ、カッターや小発動艇を降ろして逃走船だったものや貨物だったものやその残骸を出来る限り回収するように命じた。そうして自爆した逃走船の生き残りや残骸を拾い上げると、護国丸は一旦クワ・トイネ新港に戻ることにした。中央歴1639年4月16日、護国丸はクワ・トイネ港に入港し捕虜や戦利品を降ろして弾薬及び糧食の補給を手早く済ませると中央歴1639年4月18日に再び出撃した。

 そうして中央歴1639年4月19日のことである。「艦長!レーダーに反応!数、600、800・・・2,000隻を超えています!」レーダー手からの焦りを感じさせる報告が入る。「面舵(おもーかーじ)!退避して鎮守府に報告!我敵艦隊と遭遇、数2,000隻以上。現在退避中。」護国丸は努めて冷静に指示を出した。そして、レーダー装備と素早い判断が功を奏してかロウリア艦隊に気付かれること無くやり過ごすことに成功した。そして護国丸が行った報告が横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)に届く。

 

 

 

 中央歴1639年4月22日、ロウリア艦隊出撃の報を受けてその邀撃艦隊は横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)を出港してマイハーク港に向かった。

 摩耶は艦隊の航行序列を整え終えると、「やれやれ、あの二人には困ったぜ。お陰で私が旗艦とはね、それも()()()()()()()()()()()()()とか、あたしゃ子守役かよ・・・」と愚痴を吐いた。すると()()()()()()()は、「でも今回の敵は全て木造の帆船でしょ?三式弾撒き続ければ全て燃え尽きるって♪」と気楽なことを言ってくる。摩耶は「あのなヴァンガード、今回の敵艦の数を解ってんのか?あれらを相手にすんのって結構面倒くさいんだよ。」と忠言する。だがヴァンガードは「大丈夫、要は二度と海に出れない位に士気をズタズタにすればいいんでしょ?それなら良い方法を本で読んだから楽勝だって♪」と反論するが、葛城は「漫画通りに出来たら苦労しないから・・・」と溜め息を吐きながら言った。そしてこの艦隊の大日本帝國海軍艦艇一同*9は思った。「全く()()()()()()()()()()はこれだから始末に困る。」

 そうして摩耶はこうなった経緯を回想する。

 

 

 中央歴1639年4月20日。

 「叛逆者め!ぶっ殺してやる!」ジャン・バールが吠えてその艤装の主砲を()()()()()()()()発砲する。

 主砲を撃たれた艦娘のリシュリューは「やってみろよ。ナチ共。」と負けじと反撃する。

 何が起きたかというと、どちらが旗艦になるかで喧嘩になり双方艤装を持ち出しての殺し合いに発展してしまったのである。

 「普通そう簡単に殺し合いになるか?」皆様はそう思われることだろう。だが、一方(リシュリュー)はトーチ作戦に伴い自由フランス海軍の旗艦としてノルウェー北部方面やインド洋で活躍したのに対し、もう一方(ジャン・バール)はトーチ作戦に際してサウスダコダ級戦艦マサチューセッツを擁する合衆國艦隊と交戦して一度これを撃退したもののCV-4 USSレンジャー*10による航空攻撃で大破着底した後ほぼ唯一の兵装だった第一主砲塔を(リシュリュー)に持って行かれてそのまま放置されて第二次世界大戦終結を迎える。このような経歴の差異が互いに殺意を抱かせて殺し合いのハードルを下げているのである。

 北條提督の代理人たる軽巡洋艦娘の大淀はこの喧嘩を仲裁し得ず(無理言うな)*11、待避壕への避難を命じるのが精一杯であった。「これどうするのよ。私達が出ても損害が拡大するだけじゃないの?」HMSプリンス・オブ・ウェールズが宣う*12と、「とはいえこのままでは地上施設が壊滅するぞ。」とHMSバーラムが危機感を露わにする。「最低でもビッグ・セブンクラスが出ないと抑え込めない・・・」身体を震わせてペタンと座り込みながらUSSオーガスタが恐怖に声を震わせながら話す。

 だが、しばらく誰が仲裁に向かうかで議論を堂々巡りさせていると、一人の少女が待避壕を飛び出した。「おい!待て!無茶するな!今居る戦艦でも厳しいのに、駆逐艦単艦じゃ一方的にやられるのがオチだ!」摩耶が少女を止めようとするが、「大丈夫!頭を冷やす時間位は稼げる。それにアイツら武蔵より弱い!」とVHF(超短波無線)で叫んで制止を振り切ると出撃ドックへと向かった。殺し合っていた二人は「あぁ?私達が弱い?冗談言わないで。」とほぼ同時にその少女に殺意を向ける。だが、少女は怯まない。それもその筈彼女の名は「晴風」であり、比叡に対し単艦で挑んでこれを座礁せしめたり、囮としてアドミラル・グラーフ・シュペーと交戦して艦載艇によるアボルダージュを支援したり、単艦で武蔵に雷撃して足止めを図り友軍到着後は強行接舷からのアボルダージュを敢行したりと単艦での“戦艦”との交戦経験が豊富であるからだ。とはいえ出撃ドックは全長が400m近く、全幅が50mある巨大施設であるためしばらく注水に時間がかかる。その間に決着をつけようとジャン・バールはリシュリューに砲撃し、リシュリューも応戦する。

 そうして殺し合いを再開して少し経った頃、リシュリューがその電探で一隻の駆逐艦級が艦尾側から急速に接近するのを捉えた。リシュリューは舌打ちすると副砲を駆逐艦級に向けて発砲した。だが、その駆逐艦級は針路を変更して砲撃を躱すと更に加速して急速に接近する。「くそ!ちょこまか動き回って!」リシュリューが悪態をつくと、「島風以上の高温高圧罐装備艦を舐めるな。」晴風が負けじと言い返す。「速過ぎる・・・*13捉えきれない!」ジャン・バールは思わず悲鳴をあげる。そうしてリシュリューとジャン・バールの間に割り込むと前後の発射管を左右に振り向ける。そして「喧嘩は止めろ。止めない場合デカくて痛いの(36インチ酸素魚雷)をぶちこんでやる。」晴風はリシュリュー級2隻の進行方向に巨大な魚雷が乗った舷側のレールを向けて宣告した。リシュリューとジャン・バールの両名はその巨大さを見て戦意を喪失し、大人しく晴風に連行されていった。

 

 翌中央歴1639年4月21日、提督代理の大淀はリシュリュー及びジャン・バールの二隻を謹慎処分とし、クレマンソーを呼び出した。

 「クレマンソーさん、ロウリア艦隊邀撃部隊の指揮をお願いします。」大淀はクレマンソーを旗艦とすることを告げた。だが、「無理です。余り航海は余り得意じゃ無いので。」クレマンソーは即答でこれを拒否した。そのためガスコーニュを旗艦にすることを考えたが運悪く主機の調子が不良となったことから大淀はリシュリュー級高速戦艦の投入を諦め、15インチ砲搭載高速戦艦娘を集めて誰を出撃させるかを考え始めると、「このヴァンガード、此度初陣仕りたく罷り越しましてござりまする。」ヴァンガードは出撃を志願した。(なるほど、流石にいつまでも王室ヨットに甘んじるつもりは無いようね。)大淀はヴァンガードの気持ちを推測すると、「わかったわ。だけど初陣で艦隊指揮はさせられないからそのつもりでね。」大淀はヴァンガードの初陣を決めた。「ありがたき幸せ。このヴァンガード、必ずや首級を挙げて見せまする。」ヴァンガードは大淀に感謝すると意気込みを述べた。

 「さて、戦艦はヴァンガードに初陣させるとして、誰を旗艦にしようかしら。」大淀は誰を旗艦とするか考え始めた。だが、初陣とはいえ戦艦を指揮するのである。そうなると生半可な艦娘では旗艦は務まらないだろう。つまり戦艦を指揮する能力を有する艦娘、コスト上から出来れば巡洋艦級で、となる。「となると、足柄には悪いけれど摩耶に代わってもらうことにしましょうか。」しばらく考えた大淀は旗艦を摩耶にすることに決めた。

 

 かくして摩耶を旗艦とするHMSヴァンガード、那智、葛城、照月、冬月の六隻の艦隊がロウリア艦隊を邀撃することになったのである。

 

 

 そうして中央歴1639年4月25日、横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)のロウリア艦隊邀撃艦隊はロウリア主力艦隊と激突することになる。

 

 

 

 中央歴1639年4月24日、横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)の護国丸からの報告を受けたクワ・トイネ公國海軍第二艦隊はマイハーク港への集結を完了させていた。しかしその船の数は100隻程度でしかない。というのもクワ・トイネ公國海軍第一艦隊*14はクワ・トイネ市が攻められたら全滅するまで1秒でも長く時間を稼ぐことが決められていたし、クワ・トイネ公國海軍第三艦隊やクワ・トイネ公國海軍第四艦隊に至ってはそもそも戦力として数えられていない。その上武装商船は残らず通商破壊戦に駆り出されるか商売に行ったまま帰ってきていないかで出払っている。とはいえトクサ級フリゲートがそこに海軍本部から横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)のロウリア艦隊邀撃艦隊へ観戦武官を派遣せよとの命令が届く。「海軍本部は何を考えている?如何に大型で強力な船が居たとしても、概数で6,000隻弱の大艦隊相手にわずか6隻で挑むなど自殺行為そのものではないのか?そんな艦隊に観戦武官を派遣するなぞ死んで来いと同義ではないか。」パンカーレ提督は海軍本部の命令に疑問を覚えて海軍本部に問い合わせるが命令が変更されることは無かった。暫くの沈黙の後ブルーアイ海尉艦長*15が志願した。「頼む。」パンカーレ提督はそれだけを言うと、「お任せを。」ブルーアイ海尉艦長は覚悟を決めた目で提督を見返して答えた。

 

 そして、ブルーアイ海尉艦長は常識を破壊されることになる。

 先ず始めに、マイハークにやってきたのは横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)のロウリア艦隊邀撃艦隊・・・・・・の旗艦摩耶に配属されたE13A Jake(零式水上偵察機)であった。同機の機長はブルーアイ海尉艦長をコクピットの中席に押し込み後席の搭乗員にブルーアイ海尉艦長の剣を、剣を構成する鉄がマグネットコンパスに与える影響が少なくなる丁度良い位置に固縛させると機を離水させた。ブルーアイ海尉艦長の常識では空を飛ぶものは陸上から飛び立つものであり、間違っても水上を滑走して飛び立ったりはしないものなのである。

 「竜騎士が見る光景はこんな感じなのだろうか。」ブルーアイ海尉艦長はコクピットの中席からの眺めを楽しんで搭乗員に尋ねてみると、「龍に乗ったことは無いからわからんな。」機長が答えた。

 

 そんなこんなでブルーアイ海尉艦長は数時間のフライトを楽しむと、機はフェンにある城のようなものが載ったかなり大きな船の航跡に降り立った。(何と大きな船だ。こんなに大きい船ならさぞかし兵員も多く乗っているに違いない。それにフェンにあるという城のようなものが載っているとなると、接舷した時には敵の攻撃から身を守りながら敵船の甲板やマストを狙い撃てる。それに横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)が供与した武器を見る限りだが、接舷したら敵船の甲板に立っている兵員はバタバタと薙ぎ倒されるだろうし狙撃兵もまともに狙えたものじゃ無いだろう、というか武器次第では見張り台ごとズタズタにされかねない。そう考えるとこれを攻撃する敵が哀れに思えてくる。何しろ海戦だと思っていたらいきなり難攻不落の城を攻める羽目になるのだ。ハッキリ言って船の上に攻城塔なんてそう簡単に建てられる訳も無いし破城槌を持ち込むのも無理だろう。そうなると魔導砲が通じるかどうかにかかっているだろうが、何故だか魔導砲が通じない気がする。その場合ヤードを伝って乗り込むか梯子をかけて攀じ登るかすることになるが、正直言ってどれだけの海兵が死ぬか考えたくも無い。こんな代物なら6隻でも十分なのも納得出来る。)ブルーアイ海尉艦長は自身の常識に従ってフェンにある城のようなものが載ったかなり大きな船を考察する。ブルーアイ海尉艦長は搭乗員の助けを借りながら迎えに来た小型船(内火艇というそうだ)にどうにか乗り移る。内火艇はその大きな船に横付けするとフェンにある城のようなものが載ったかなり大きな船から降ろされた舷梯を上がってフェンにある城のようなものが載ったかなり大きな船に乗り移った。どうもこの船は鉄で出来ているようだ。一体どうやって浮いているのだろうか?

 

 フェンにある城のようなものが載ったかなり大きな船の艦長は意外にも女性であった。しかも若くてかなり大きい。*16しかしその口調は乱暴なように感じるものだった。しかしブルーアイ海尉艦長にとって意外だったのは旗艦よりも巨大な船がいることである。ブルーアイ海尉艦長が理由を尋ねると「まあ、アイツはこれが初陣だからな。初陣の奴に艦隊の指揮を任せる訳にはいかねぇだろ?」摩耶は答えて聞き返す。(多分若くて血気盛んなのだろうな。無茶しないと良いのだが。) ブルーアイ海尉艦長は思った。そうしていると水上機の収容を終えて艦隊は12ノットというゆっくりな速力で航行を再開し、そして夕食の時間になった。「索敵機からの情報に拠れば会敵予想時刻は明日の0900時頃だしそろそろ夕メシでも食うか。」そう言って摩耶はクルーの一人に命じてブルーアイ海尉艦長を士官食堂に案内させた。ブルーアイ海尉艦長は艦内が明るいことに驚いていた。

 

 中央歴1639年4月24日の夕食はチキンカレーであった。つまり中央歴1639年4月24日は金曜日である。*17*18

 そしてブルーアイ海尉艦長はカレーを食べるのは初めてであったが、そのカレーはかなり美味しかったことから彼の報告書にその日のカレーの食レポが載ることになり、その結果クワ・トイネ公國海軍*19でも金曜日の夕食がカレーとなる。

 

 チキンカレーに舌鼓を打ったブルーアイ海尉艦長は士官食堂で士官たちと雑談に興じていると夕方の清掃となり、ブルーアイ海尉艦長も乗員に混ざって艦を清掃する。そうして巡検を受けてしばらくすると入浴の号令が下るのを聞いた。(うん?ちょっと待て。今入浴って言わなかったか?)ブルーアイ海尉艦長は耳を疑った。何しろブルーアイ海尉艦長の常識によるならば船上で真水は貴重品であるからまず入浴などそうそう出来ないものなのである。しかしながら周りの様子を見る限り疑問を持つ様子は無さそうであり、どうやらこの艦では入浴は普通のようである。そういう訳でブルーアイ海尉艦長は士官浴室でシャワーを浴びて身体を洗い、風呂*20に浸かる。そうして入浴を楽しんだ後、ブルーアイ海尉艦長は割り当ての寝台(ボンク)で就寝した。

 

 翌朝、総員起こしより早く目が覚めたブルーアイ海尉艦長はいよいよロウリア主力艦隊と戦うのかと気が少し昂るのを感じた。剣の素振りをしようにも部屋が少々狭過ぎる。なので身体を少し動かすことにした。そうして総員起こしがかかると事前の説明通り艦尾甲板に向かい、その過程でその練度の高さに感心する。そして当直を除く全乗員が集まると士官が摩耶に合図して摩耶はそれに頷き、「達すーる!本日0850より合戦準備を行う!その後0900よりロウリア主力艦隊と合戦を行う!以上!」摩耶が戦闘予定を知らせると乗員は意気を上げた。そうして、「ではいつも通り体操!かかれ!」と体操を命じた。ブルーアイ海尉艦長は海軍体操をややまごつきながらも熟すと朝の清掃を行った。そうしてブルーアイ海尉艦長は士官食堂で朝食を摂ると、剣を持って艦尾甲板に上がり日課の素振りをした。その後部屋に戻り一息つくと水兵が部屋を訪ねて来て、そろそろ第一艦橋に上がるようにと知らせがあったのでブルーアイ海尉艦長は第一艦橋に上がった。

 

 「合戦準備!」ブルーアイ海尉艦長が第一艦橋に上がると艦内に合戦準備の号令がかかる。海軍では合戦準備の号令が下ると、その艦は戦闘態勢へと移行することになる。するとブルーアイ海尉艦長は防空指揮所に移動することになった。(防空指揮所がある、ということはワイバーンとの交戦も考えられているのか。)ブルーアイ海尉艦長は驚いた。何しろ世界の大半でワイバーンに対抗し得る艦艇そのものが存在しないからである。そう考えると横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)の凄さが分かる。そう考えているうちに合戦準備が終わり艦が戦闘態勢に入る。艦隊各艦の主檣(メインマスト)には大小2旒の十六条旭日旗*21が掲げられ風にはためいている。

 「敵艦隊を対水上捜索レーダーで探知。」ヴァンガードから通信が入った。

 

 ロデニウス沖大海戦と呼ばれることになる戦いが、始まろうとしていた。

*1
車はすぐに止まれませんが、船はもっと止まれません。あとこの船帆船だから帆を畳まないと止まれません。加えてこの時期の第三文明圏に専門の船員教育機関があるとも思えません。なのでただ止まるだけで平気で数時間かかります。

*2
白地に16本の赤いシーメンススター状の光背を備えた赤い丸、要するに十六条旭日旗である。

*3
十六条旭日旗

*4
「停船せよ。」の意。これ掲げられて止まらなければ大抵の場合相手は撃ってきます。どこに弾が飛んでくるかは相手の国次第。

*5
7秒くらいの長い汽笛を鳴らす。

*6
モールス符号「ーー」でLを意味する。因みに海上では旗旒と同じ意味を持たせることが多い。

*7
船をほぼ真上若干斜め前に持って行こうとするような向きの風を受けているような帆の膨らみ方をしている。

*8
実は火災での死因で最も多いのが煙に巻かれての酸欠死である。

*9
旗艦のCA摩耶、CV葛城、CA那智、DD照月にDD冬月の5隻

*10
合衆國海軍初の始めから航空母艦として設計建造された航空母艦。防御が脆弱なため主に大西洋で活動した。

*11
そもそも大淀が殺し合いしている15インチ砲を搭載した高速戦艦の間に入っても何も為し得ずに瞬殺されるのがオチである。だって大淀魚雷積んで無いし。

*12
Prince of Walesは英國の王位継承者の称号ですからね。当然地の文では敬語が用いられます。

*13
普通の陽炎型が最大速力35ノットなのに対し晴風の最大速力は37ノット。

*14
総旗艦のレントル級重フリゲート「クワ・トイネ」やトクサ級フリゲート20隻を含めて総数110隻。

*15
近現代海軍だと多分少佐に相当する帆船時代の海軍の階級。小さい船を指揮する権限が与えられ得る。

*16
どういうことか知りたい場合は『艦隊これくしょん』の摩耶の画像を見ると良い。

*17
本作において横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)は海上自衛隊の部隊である。従って海上自衛隊に倣い金曜日の夕食はカレーなのである。

*18
因みに、曜日設定は原作通りである。嘘だと思うなら西暦2015年4月25日の曜日調べてみ?

*19
及びミズ・トイネ王國王立海軍とその後継国家の海軍

*20
流石に風呂は海水風呂だった。

*21
大きい方が戦闘旗であり、小さい方が軍艦旗である。




 さて、通商破壊戦の一部とロデニウス沖大海戦と呼ばれることになる海戦の前日譚でした。
 護国丸は仮装巡洋艦とはいえその火力は第三文明圏内でも指折りですし、そこを航行する武装商船くらいなら一捻り出来るだけの戦力という。とはいえ海軍艦艇との戦闘は想定していないためロウリア主力艦隊との交戦は回避しました。尤も敵艦見ユの一報を入れたので邀撃艦隊が出動します。そしてブルーアイ海尉艦長の報告書が早くも国を動かし始めたそうですよ。

 では次回予告です。
  横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)から出撃した邀撃艦隊はついにロウリア主力艦隊と激突する。
  ロウリア主力艦隊5,800隻を僅か6隻の艦隊で邀撃する横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)
  果たしてそれだけの大艦隊を僅か6隻で撃破出来るのか。
  次回、「第八話 ロデニウス沖の大海戦」東方世界の海軍史が変わろうとしている。


 それでは毎度お馴染み紹介コーナー。今回は解説もセットです。
  表記紹介
   酷ピット
    操縦室の表記の一つで『メーデー!』に由来する。日本では主に飛行機系の動画で用いられる。
    まあE13A Jake(零式水上偵察機)のはグラスコクピットになっていないしなかなか素人が簡単に状態を把握出来るものでは無いですからね。(なお時代)

  オリジナル艦娘紹介
   HMSヴァンガード
    ヴァンガード級高速戦艦
    世界で一番最後に建造された戦艦で、第二次世界大戦終結後に就役した。そのため主に王室ヨットとして活動した。
    また、艦娘として就役した頃には戦艦娘が余り必要では無い上に、戦艦が必要な局面となったとしても既存の高練度高速戦艦娘で事足りたことから艦艇時代〜艦娘時代を通して今回が初出撃となる。
    因みにその主砲はカレイジャス級大型軽巡洋艦のものを2隻分流用しており、それ故に大叔母の牙をつけた戦艦などと呼ばれることもある。
    艦娘としては「戦後就役の王室ヨット」と陰口を叩かれることも多い。一方で実艦は就役時からレーダーを装備していたということから渦潮に遭ったことが一度も無い。
    因みに航空機の運用が出来ない。
    どういう訳か時代劇や歴史上の人物が登場する作品が好きであり、時代劇のような言い回しをすることがある。
    実は人間と艦娘のハーフである。父は王立海軍からの連絡武官のチャーチル中佐、母は巡洋戦艦娘のHMSフッド。

   リシュリュー
    リシュリュー級高速戦艦一番艦。フランス第四共和国艦娘群旗艦。
    自由フランス海軍の旗艦を務めて活躍した経歴から相応の自負を持っている。
    その一方でヴィシー・フランス海軍に所属した経歴を有する艦娘からは裏切り者扱いされる。
    あまりにも仲が悪過ぎることから本作ではフランス艦娘は自由フランス海軍とフランス第三共和国海軍/ヴィシー・フランス海軍とで別編制となっている。

   ジャンバール
    リシュリュー級高速戦艦二番艦。フランス第三共和国艦娘群第二高速戦艦戦隊旗艦。
    未完成ながら航行可能状態出会ったことからアフリカに移動したものの、殆ど工事が進まない中でトーチ作戦を発動して侵攻する合衆国艦隊と交戦し、アフリカ方面のフランス軍が降伏した後は唯一使用可能だった第一主砲塔を撤去されてそのまま放置された経歴から降伏するのが嫌いとなっている。
    一応フランス第四共和国の手により世界で最も最後に竣工した戦艦となったのだが、だからといってその前身に所属した艦娘を好きになれるかと言われると話は別である。

   晴風
    陽炎型駆逐艦。
    『ハイスクール・フリート』登場艦であり、その設定から計画艦娘枠での登場となった。
    本作では『ハイスクール・フリート』劇中の描写が反映されてか口は悪いけれどやることはきっちりとやる古参兵スタイルな艦娘になりました。
    本艦は36インチ魚雷を装備したことなど無いはずなのだが・・・

  単位紹介
   魔導砲を紹介するのに必要なので今ここでやります。何しろメートル以前の度量衡は地方によってだいぶ違うのでね。
   実際同じポンドでもイギリスとフランスで重量が違うし、それどころか昔はフランス国内でも場所が変われば重量が違ったのだとか。

   パーパルディア・ポンド
    パーパルディア皇国の基本重量単位で、1パーパルティア・ポンド=512g。
    当然ながらパーパルディア皇国の魔導砲はパーパルディア・ポンドで表記される。

   パーパルディア・インチ
    パーパルディア皇国の長さ単位で、1パーパルディア・インチ=3.49cm。
    当然ながらパーパルディア皇国の魔導砲の口径はパーパルディア・インチで表記される。


  魔導砲紹介(第三文明圏周辺)
   原作で登場した魔導砲ですが、本作では東方世界ですら何種類もの魔導砲が登場します。
   なので今回は第三文明圏周辺にて運用される魔導砲の紹介です。

   魔導ライフルカノン/魔導ライフル加農(令和6年8月28日設定変更)
    パーパルディア皇国海軍の主力魔導加農で、()()()()が1,200mある。ライット・システムを採用しており魔導加農より弾速が速い。
    但し軍用兵器であるため武装商船には装備されない。
    弾種は鉄の塊である実体弾と榴弾、榴霰弾と霰弾の四種類のみだが、そのいずれも魔導加農が発射する砲弾の2倍の重量があるためその破壊力は魔導加農よりも大きい。但しその重量表記は球形弾の重量で表されているため長形弾(椎の実型砲弾)を使用する本砲の場合、実際に使用する砲弾の半分の重量で表記されてしまっている。
    なお前装砲なのでファイアレートが魔導加農より低いという難点がある模様。それ故にパーパルディア皇国監察軍海軍ではアウトレンジ戦法が一般的な海戦法として採用されている。
    パーパルディアの海軍では32ポンド、 24ポンド、12ポンド、8ポンドの4種類が使用される。因みに32ポンド魔導ライフル加農はリンドブルムによって牽引される。*1
    パーパルディア皇国海軍では上記の5種類に加えて42ポンドも、パーパルディア皇国要塞砲兵では更にに加えて68ポンドも使用される。パーパルティア皇国は列強なので魔導砲もキチンと規格化されているのだ。*2

   魔導重ライフルカノン/魔導重ライフル加農(令和6年2月25日設定追加)
    魔導ライフル加農のうち操法での旋回を考慮していないものを指す。
    当然魔導ライフル加農より巨大である。
    事実上回転砲塔が必須であるためかパーパルディア皇国にしか存在しない。
    ある意味第三文明圏周辺では列強なればこその装備といえるだろう。*3

   魔導カノン/魔導加農
    原作によく登場する最大射程2kmの魔導砲。但しその有効射程は僅か300m。
    本作では文明国や支援を受けた文明圏外国の水上部隊でも割と広く利用される。
    パーパルディア皇国でもライフル砲の装備が許可されない武装商船の武装として採用される他、一部の艦長は装填時間の増大を嫌ってこっちを使用している。
    弾種がかなり多彩であり、汎用性の高いソリッドショット(球形弾)、要塞でのみ使用される真っ赤になるまで炉で焼いた焼きたてホカホカのホットショット(焼玉式焼夷弾)、対艦戦闘用のグレープショット(葡萄弾)、その代用品のラングリッジ*4キャニスターショット(霰弾)チェーンショット(鎖弾)*5、バーショット*6、ファゴットショット*7がある。因みにダブルショットはソリッドショットを2発発射する射法である。
    パーパルディア皇軍では24ポンド、12ポンド、8ポンドの3種類が使用されていた。
    パーパルディア皇国海軍上記の5種類に加えて32ポンド、42ポンドの2種類も、パーパルディア皇国要塞砲兵ではではこれらに加えて68ポンドも使用されていた。パーパルディア皇国は列強なので魔導砲もキチンと規格化されているのだ。*8

   魔導カロネード
    近距離戦用の大口径短砲身前装砲。
    威力の割に軽量であることから接近戦で多用される。特に大型の魔導カロネードはその破壊力から粉砕者と呼ばれ恐れられている。*9
    なお射程は非常に短い模様。*10
    弾種は魔導加農のと同じであるが、パーパルディア皇国やトーパ王國など故あって軍事に力を入れている国では榴弾も使用される。
    パーパルディア皇国では2,000ポンド、1,600ポンド、500ポンド、200ポンド、120ポンド、100ポンド、68ポンド、48ポンド、32ポンド、24ポンド、12ポンドの11種類が使用される。パーパルディア皇国は列強なので魔導砲もキチンと規格化されているのだ。*11
    200ポンド以上の大型魔導カロネードはその破壊力から国家監察軍で多用される。

   魔導ハウツァー
    榴弾を発射することを前提とした魔導砲。
    文明国で割と多用されている。
    但しパーパルディア皇国では魔導ライフル加農に更新されたため使用されていない。

   魔導モーター(令和6年8月28日設定微修正)
    短砲身で高仰角で発射することが前提の魔導砲。
    魔導カロネードに比して低い技術力でも製造可能*12なためか本作ではかなり広く用いられている。
    馬鹿みたいにデカいカロネードを使用しているパーパルディア皇国の場合主に費用節約のため使用している。
    パーパルディア皇軍では36インチ(組立式)、16インチ、12インチ、8インチ、6インチの5種類が使用される。パーパルディア皇国は列強なので魔導砲もキチンと規格化されているのだ。*13そのうち36インチと16インチは専ら攻城砲としての運用であり、野戦でも使用されるのは12インチ、8インチ、6インチの3種類である。
    パーパルディア皇国の海軍でも対地攻撃用の艦艇であるボムケッチの主砲として用いられる。
    因みに今回パーパルディア籍の逃走船が輸送していたのは16インチ魔導モーターであり、前回ロウリア王国がエジェイ攻略に使用することにした攻城兵器はこの16インチ魔導モーターのことである。

  艦級紹介
   トクサ級フリゲート
    Red October氏が設定した「トクサ級30門級戦列艦」から風神の涙を抜いた帆走軍艦。本作ではロデニウス大陸諸国でも見かける割と一般的な艦級となっている。但し魔導砲が定数通り搭載されているのはかなり稀であり、大抵の場合魔導加農を10門しか搭載せずに運用される。*14
    一方でパーパルディア皇国でも帆装を見直して効率化を図ったり風神の涙を甲板に埋め込んだりしたトクサII級フリゲートが国家監察軍で、固体魔石を燃料とする補助的な魔導機関を搭載したトクサIII級フリゲートがパーパルディア皇軍でワークホースとしてそれぞれ運用されている。

   レントル級重フリゲート
    Red October氏が設定した「レントル級50門級戦列艦」から風神の涙を抜いた帆走軍艦。本作では文明国の主力艦として運用されることが多い。但し魔導砲が定数通り搭載されている例は意外と少ない。*15
    一方でパーパルディア皇国でも帆装を見直して効率化を図ったり風神の涙を甲板に埋め込んだりしたレントルII級重フリゲートが国家監察軍で、固体魔石を燃料とする補助的な魔導機関を搭載したレントルIII級重フリゲートがパーパルディア皇軍で偵察艦としてそれぞれ運用されている。
    因みに本級の「クワ・トイネ」はクワ・トイネ公國がパーパルディア皇国から比較的安値で購入した中古の帆走軍艦である。その為か32ポンド魔導加農が30門しか装備されていない一方で68ポンド魔導カロネードが16門装備されていたり。

  料理紹介
   チキンカレー
    読んで字の如く鶏肉のカレー。大日本帝國海軍の料理を纏めたレシピ本に偶々摩耶のチキンカレーが載っていたのでそこから採った。

*1
そもそも馬匹牽引では24ポンド魔導砲が限界である。

*2
むふー。(by パーパルディア皇帝)

*3
むふー。(by パーパルディア皇帝)

*4
帆布製の袋に鉄片や釘、鎖の切れ端などの金属を適当に詰め込んだ急造砲弾

*5
二つの球形弾を鎖で繋いだもの。主に索具破壊用。

*6
半球系の砲弾が鉄アレイのように棒で繋がれたもの。索具破壊用。

*7
鉄棒を束ねた砲弾で、索具破壊竝人員殺傷用。

*8
むふー。(by パーパルディア皇帝)

*9
横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)の駆逐艦娘や仮装巡洋艦娘の場合直撃したらただでは済まないし、浮上中の潜水艦娘に至っては直撃したら致命傷は避けられない。

*10
何しろ68ポンド魔導カロネードで最大射程360mなのである、因みに12ポンド魔導カロネードの最大射程は180m。

*11
むふー。(by パーパルディア皇帝)

*12
早い話が鋳物なのでね。

*13
むふー。(by パーパルディア皇帝)

*14
空いた砲門には大型弩弓(バリスタ)が装備されることが多いが極稀に魔導カロネードが装備されていることもある。

*15
空いた砲門には主に魔導カロネードが装備される。

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