外道鎮守府召喚   作:G-20

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 今回更新が遅くなり申し訳ありませんでした。

 前回横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)側でロデニウス沖海戦の直前までを見てきましたが、今回は同海戦の少し前のロウリア主力艦隊側からお送りします。そして海戦中は度々視点が変わるので遅れないように注意してついてきてください。

 因みに本作のロウリア主力艦隊は原作の4,400隻から5,800隻に増強されていましたが、どうやら質的にもかなり増強されているようです。
 果たして横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)はかくも強化されたロウリア主力艦隊に僅か6隻で勝てるのでしょうか?
 それではロデニウス沖海戦、開戦です。


第八話 ロデニウス沖の大海戦

 「素晴らしい景色だ。」シャークン海将は感想を漏らした。何しろ見渡す限りの船船船。これだけの大艦隊であればパーパルディアにも勝てるかもしれないだろうと幕僚達は思ったし航海中興奮気味にシャークン海将の前で口々に言ったが、「いや、パーパルディアにはこれ以上に大きな軍艦が居るし、何より甲板にナニカを埋め込んであって意のままに動ける。その上パーパルディアが使用する魔導砲は我等の使用する魔導砲より遠くまで届き、4倍近い距離を狙える。そんな相手に勝てると思うか?」“冷静なる”シャークン海将はそう幕僚達を諭した。

 

 ロウリア主力艦隊はレントル級重フリゲート20隻、トクサ級フリゲート180隻、ガレオン*1200隻、キャラック*2300隻、キャラベル*3700隻、ガレアス*4 1,400隻、ガレー*5 3,000隻の合計5,800隻からなる大艦隊であり、装備する魔導砲は49,600門にも及んだ*6。そのような大艦隊の行く手にクワ・トイネ公國側の邀撃部隊が姿を表したのは中央歴1639年4月25日0904時(9時4分)のことである。

 

 「前方に巨大船見ゆ。」前方偵察のため前衛に警戒幕(スクリーン)を展開していた第16キャラベル戦隊から魔信で旗艦ハーク・ロウリアXXXIII世*7に報告が届いた。「戦闘準備!」シャークン海将が麾下の艦隊に命じる。麾下の艦艇では砲員が砲の近くに集まって砲を点検して弾を砲側に運び、海兵が梯子や自身の武装を点検して斬り込みに備える。ガレーやガレアスでは帆が巻き上げられて帆走から櫂走へと移行する。そうして戦闘準備が進められる中、「敵巨大船の衝角攻撃(ラミング)により1隻が轟沈、我が戦隊は四散して潰走中!」シャークン海将の元に第16キャラベル戦隊から悲痛な報告が届いた。

 

 

 中央歴1639年4月25日0904時(9時4分)、HMSヴァンガードはその視程にロウリア主力艦隊の警戒幕(スクリーン)を捉えた。それはキャラベルであった。「敵艦隊、恐らく前衛警戒幕(スクリーン)。目視にて発見。主力は警戒幕(スクリーン)の向こう側だ。」HMSヴァンガードは摩耶に報告を入れると、「あんまし弾は無駄に出来ないし、航空機の機銃で処理しちまうか?」摩耶は葛城に振る。「確かにそれが良さげかもね。戦闘機隊発艦用意。」葛城はキャラベルを戦闘機で処理することを決めた。しかし、「今戦闘機で処理するのは余り賛成しないかな。だって距離が近過ぎる。」HMSヴァンガードが反対意見を出すと、「突っ込もう。どうやらコイツらまともに交戦する気は無さそうだ。なら士気をへし折ってクワ・トイネ公國海軍にでも拾ってもらおう。」と対案を出した。「確かに航空隊出すにはちと近いな。それに意外と小さいから機銃で十分か。」摩耶は決断すると艦隊各艦に突入を命じた。HMSヴァンガードは僅かに面舵をきってキャラベルの進行方向に艦首を向ける。

 そして20分が経過し、彼我の距離は僅か8ケーブル*8となる。

 

 ロウリア王国の二檣キャラベルであるピカイアの見張り員は顔面が蒼白となった。「このままだと激突するぞ!」見張り員が船橋に向けて叫んだ。「面舵!アフトセイルを中央に、メインセイル(メンスル)はそのまま!」ピカイアの船長は右にかわそうとする。だが、対面の巨大船は左転して再び衝突コースに乗せる。ピカイアは回避しようとアフトセイルを左舷側に開いて右転を続け、相対風向が正船尾を過ぎて右舷に移行するとメインセイルを左舷に開く。しかしその回避努力が報われることは無かった。

 

 「Prepare to ram!」HMSヴァンガードが命じると、乗員妖精は直ちに顔を艦首に向けてその場で腹這いになる。そしてHMSヴァンガードとピカイアは衝突した。

 

 排水量100トンも無いキャラベルのピカイアでは30ノットで航行する常備排水量48,500トンの軍艦との衝突に対して大したエアバッグにならなかった。ピカイアは戦闘教義(ドクトリン)?そんなの知らんとばかりに瞬間にして轟沈。見張り台の見張り員の大半はHMSヴァンガードの上部構造物或いは露天甲板に叩き付けられて即死し、その他のクルーも運の良い僅かを除いてピカイアと前進するHMSヴァンガードに挟まれて圧死し或いはHMSヴァンガードのスクリューの回転に巻き込まれてズタズタに斬殺され或いは船内に閉じ込められて溺死した。

 

 「バケモノだ・・・」HMSヴァンガードの衝角攻撃(ラミング)を見た第16キャラベル戦隊は戦意を喪失して敗走に移る。だが敗走した各キャラベルは物資の消耗から海賊に身を落とし、そして横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)の艦艇や水上機竝飛行艇により6月に入るまでに全て撃沈されることになる。また、ロウリア主力艦隊の他の警戒幕(スクリーン)は戦局に寄与出来ぬまま敗退し、やはり海賊として活動することになるのだが、その数の多さ故にその掃討は翌中央歴1640年までかかることになる。

 

 

 0925時(9時25分)横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)邀撃艦隊は第16キャラベル戦隊を一発も弾を撃たずに鎧袖一触で蹴散らすとCAP*9を上げてから進撃を続け、15分後にはロウリア主力艦隊主力を捉えることに成功する。

 「艦隊、対水上戦闘用意。」摩耶が号令をかけると「対水上戦闘用意。」麾下の各艦が各艦に号令をかける。各艦の艦内にカーンカーンカーンカーンというアラームが響き緊張が走る。

 「対水上戦闘用意良し。」各艦の各部から報告が上がり、「左対水上戦闘。CIC指示の目標。主砲装填。」の号令がかかる。摩耶は艦隊に逐次回頭による右2点正面変換を命じて左舷側の敵艦に全主砲を向けられるようにした。

 

 0940時(9時40分)「何という大きさだ。」シャークン海将は敵巨大船の大きさに目を見張った。そして思わず麾下の艦艇に命じた。「敵船はかなり大きいぞ!距離を見誤るな!」とはいえロウリア主力艦隊はその大きさに呑まれて士気が萎縮し始めていた。だが、追い風に乗って進撃していたロウリア主力艦隊は後退することが出来ない。その上その陣形はLine Abreast(単横陣)を基本としたもの*10であるため機動性が低い。とはいえ機動に拠らずして風上を占位したことから海戦の勝敗に関してシャークン海将は未だ楽観的であった。だが、同時に帆無しでかくも巨大な船が動き回れることが懸念材料となっていた。

 

 「HMSヴァンガード。主砲榴弾、攻撃始め。」摩耶はロウリア主力艦隊主力前衛との距離を30kyd(キロヤード)*11まで距離を詰めたHMSヴァンガードに射撃を下令した。「了解。主砲弾種Mark VIIIb、攻撃始め。」

 HMSヴァンガードはその主砲を初めて敵に向けて発砲した。

 

 「何だ?」シャークン海将は突然敵巨大船で起きた爆発に何事かと目を凝らす。そして信じられないことがシャークン海将の前で起こる。なんと前方に展開したトクサ級フリゲートが突如爆発を起こして瞬く間に沈没したのだ。

 

 HMSヴァンガードが放ったMark VIIIb榴弾は前衛に展開するトクサ級フリゲートの一隻を瞬く間に撃沈した。初弾にて敵艦を撃沈したHMSヴァンガードは別の船に狙いを移す。「ほう、アイツ意外とやるじゃないか。」摩耶はその射撃を見て思わず独り言を漏らした。一方ブルーアイ海尉艦長はその射撃にドン引きしていた。

 HMSヴァンガードは別のトクサ級フリゲートに狙いを定めると発砲した。流石に二連続で奇跡が起こる訳も無く初弾は夾叉であった。「アイツ、とんでもねえな。」摩耶はHMSヴァンガードの射撃を見てその技量を称賛した。一方ブルーアイ海尉艦長は一安心していた。そしてHMSヴァンガードは次弾を命中させて撃沈した。

 

 なんなのだアレは。あの巨大船が爆発を起こす度に我がフリゲートの周囲に水柱が立ち、2回に1回から3回に1回我がフリゲートが爆発して沈没する。一体何が起こっている?シャークン海将は起きた出来事を理解しようと試みた。今までの知識に拠るとアレは巨大な魔導砲だろう。それならやることはひとつだ。シャークン海将は決断した。「ワイバーン部隊に支援を要請!我、巨砲を備えた敵巨大船と交戦中とも付け加えろ!」シャークン海将は不利を見て取り逆転の目を掴むべくCAS*12を要請した。

 

 

 ギムより東方5km付近。パンドール将軍の陣所。

 「敵は巨砲を備えた巨大船か。よし、ワイバーン部隊は全力出動!これを沈めればかなり大きいぞ!」パンドール将軍はシャークン海将からのCAS要請に応えることを決め、750騎にも及ぶワイバーン*13を発進させた。出撃したワイバーンは高度3280.8399フィートを100ノットの速力で敵巨大船に向けて進撃を始めた。

 

 

 舞台は再びロデニウス沖に戻る。

 HMSヴァンガードは1隻当たり2〜3斉射で前衛に展開したフリゲート群を次々と撃沈していく。そうして10隻が轟沈した頃、「主砲三式弾、攻撃始め!」ロウリア主力艦隊主力前衛との距離を27.3kyd(キロヤード)まで詰めた摩耶は三式弾でのロウリア主力艦隊攻撃に参加した。HMSヴァンガードはロウリア主力艦隊主力前衛との距離を22.5kyd(キロヤード)まで詰めたところで弾薬節約のため一旦主砲の射撃を止めて*14 5.25"/50 (13.4 cm) Mark I速射砲*15からSAP*16により主砲の時よりも早くロウリア主力艦隊主力前衛のフリゲートを撃沈していった。

 そうしてロウリア主力艦隊主力前衛の半数が撃沈或いは戦闘不能となった時、「方位215、Type 960早期警戒レーダーにて敵大編隊発見。距離100海里。」HMSヴァンガードはその電探で飛来するロウリア軍ワイバーン部隊を捕捉した。「むっふーん。生まれ変わった摩耶様の本当の力、思い知れ!CAP、方位205、高度14,000フィートに向かえ。艦隊、右正面変換。新針路305。対空戦闘用意!」摩耶は予め葛城が上げたCAPをロウリア軍ワイバーン部隊の上空に誘導し、麾下の艦娘たちに対空戦闘を下令した。「対空戦闘用意。」各艦は復唱し、「主砲、三式弾装填。」HMSヴァンガードは主砲に三式弾を装填するように命じた。「全高射砲は…ちっ違う、回せー!直掩隊、発艦準備!」葛城は直掩機の用意を命じ、用意が出来次第発艦させた。

 

 

 葛城からCAPとして飛び立ち上空に展開していたA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)8機はロデニウス沖上空10,000フィートを巡航速度120ノットで飛行している。「CAP、方位190、高度14,000フィートに向かえ。」そこに摩耶から指令を受け、彼等は針路を南に向けつつ上昇し始める。そうして5分経った頃には摩耶に指示された高度を120ノットで巡航していた。その10分後、「こちらCAP。敵機発見。方位200。数500以上、恐らく700はいる。これより新針路180、緩降下にて加速しつつ敵機直上につける。」CAPのA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)を操縦する搭乗員妖精は摩耶に報告すると、CAPのA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)は高度を速度に変換しながら高度8,000フィートにつけるとロウリア主力艦隊主力や海岸線を飛び越してロウリア軍ワイバーン部隊の右側上空へと向かう。

 それから間も無く、CAPのA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)はロウリア軍ワイバーン部隊を眼下に見下ろす位置につき、増槽を捨てて変針しロウリア軍ワイバーン部隊のほぼ上につく。「敵味方の反応がほぼ重なりました。」HMSヴァンガードからの通信が聞こえてきた。「よーし、いっけー!」電波に乗って届いた葛城の叫びと共にCAPのA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機はその翼を翻して急降下しロウリア軍ワイバーン部隊を襲撃する。

 

 「敵騎直上!急降下!」突如聞こえてきた上からの音に見上げた竜騎士の一人が魔信で絶叫する。その叫びを聞いたワイバーン部隊は対処を試みるもその速度差*17を前に手も足も出ず立て続けに8機が撃墜される。襲ってきた敵騎はそのままワイバーン部隊の下へ抜けていった。「追え!何としても落とすんだ!」一部の小隊長が襲撃してきた敵騎を攻撃することを命じたことで編隊に乱れが生じる。

 

 その乱れを、上空に待機していた歴戦のエース達は見逃さない。「第二波、行くぞ!」麾下のA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)3機にそう指示すると先頭に立って編隊が乱れた敵編隊に急降下で突っ込んで行く。彼等は先ず水平飛行を続けていたワイバーン8騎を撃墜すると、先行した友軍を追うワイバーンの背後やや下につく。ワイバーンは味方からの通信で気付いたのか慌ててブレイクしようとするもA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)の運動性を前に彼等に捉えられたワイバーンは全て撃墜された。初撃をかけたA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機はその速度を利して悠々と上昇する。一方第二波攻撃を行ったA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機は上昇を止めて水平飛行でロウリア軍ワイバーン部隊から離れていく。

 

 「何をしている!敵騎はたった8騎だぞ!数で揉み潰せ!」一連の襲撃により一方的に20騎撃墜されたロウリア軍ワイバーン部隊の隊長は全力でたった8騎の襲撃者を撃滅するように命じた。だが、その命令はクワ・トイネ公國軍のワイバーンが相手の場合は有効であってもA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)が相手の場合混乱を生むだけとなる。ロウリア王国軍のワイバーン部隊には上昇して初撃をかけたA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機を追撃する一隊もあれば水平飛行で離脱を試みるA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機を追う一隊もあり、それぞれがそれぞれの進路を遮る事態まで発生し編隊が混乱する。その混乱を見てとった水平飛行で離脱を試みるA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機はインメルマンターンにて上昇しながら反転して緩降下に移るや九七式7.7mm機銃2挺を放って7.7mm機銃弾を撒いて牽制し、緩降下で速度を稼いでから再びインメルマンターンで上昇に転じる。追跡を試みたワイバーンはその上昇により大半が振り切られて一隊がどうにか追従するのみとなるも、無理な上昇により速度を失い動きが大いに鈍りとうとう降下へと転じる。そこにインメルマンターンで上昇したA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機が襲いかかり一隊は瞬く間に全滅、インメルマンターンで上昇した方のA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機はそのまま勢いに任せて振り切ったワイバーンに襲いかかり散々に破った。一方初撃をかけたA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機を追跡していた一隊も速度を失って降下に転じたところで格闘戦を挑まれて殆ど動けないままに撃滅される。これによりロウリア王国軍ワイバーン部隊は707騎まで数を減らした。

 

 「燃料残量が少なくなったためこれより帰投する。」格闘戦を挑んだA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機は離脱して母艦にRTB*18し始める。混雑で追跡が遅れたワイバーンの一隊は離れていくA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機を見て追跡を始め、まもなく後ろ下方から別のA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)4機に攻撃されて全滅。そこに別のワイバーンの一隊が襲撃を敢行するもこの4機を追跡して壊滅した一隊同様釣り上げられて全滅し、別の一隊も襲撃されて壊滅した。そして残りの4機も燃料残量を見て離脱しRTBした。

 「回せー!爆戦隊も邀撃に当たれ!」葛城は爆戦のA6M2b(零式艦上戦闘機二一型)及びA6M4(零式艦上戦闘機四一型)計27機を邀撃機として爆装無しで発進させる。

 

 A6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)8機を取り逃したロウリア王国軍ワイバーン部隊は残り694騎となった部隊を纏めて進撃を再開する。その20分後、ロウリア王国軍ワイバーン部隊はようやく海を眼下に収めることが出来、そして同時に両軍の艦隊を眼下に捉えた。

 

 「ようやく来たか。」シャークン海将は南の方からワイバーンが来たという報告を受けて安堵した。これなら勝てる。そう思ったのも束の間、ワイバーン部隊の上空から機龍が16騎突っ込んできていることに気付く。「通信士!ワイバーン部隊に緊急連絡!上から敵騎が16騎突っ込んで来る!」シャークン海将は急いで命じる。

 

 「何だあれは!?」フェリキシマ・ハークに乗ったアキリーズ観戦武官は南方を見て驚いた。ロウリア王国軍ワイバーン部隊に上空から突っ込んでいるのはどう見ても()()()。それも恐らくは単座機である。しかも()()()()()()()()()()()()のだ。「クワ・トイネ公國でまさか単葉引き込み脚の戦闘機が実用化されているとは。これは、もしかすると我が国よりも技術が発展しているかもしれない。でも、国籍マークがクワ・トイネ公國のとはだいぶ違うみたいだ。そうなると、あれは一体何者なんだ?」アキリーズ観戦武官は疑問を感じながら興奮すると、その疑問の答えを求めて()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 「かかれ!」A6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)16機はロウリア王国軍ワイバーン部隊に逆落としで突っ込み、ロウリア王国軍のワイバーンを次々と撃墜しそのまま下方に離脱していく。ロウリア王国軍ワイバーン部隊は残り662騎。A6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)16機はその追撃を振り切り再び上昇し始める。そうして再びワイバーン部隊の上をとると急降下でロウリア王国軍ワイバーン部隊を襲撃してそのまま離脱していく。この2回の襲撃の後、ロウリア王国軍ワイバーン部隊は629騎に数を減らしていた。

 

 何度も急降下で襲撃されたロウリア王国軍ワイバーン部隊は敵騎の急降下に追随出来ないと理解したようで、敵艦隊への攻撃に注力することにした。その数秒後、敵の最も大きな船が爆煙に包まれた。「何事だ?」隊長は訝しみながらも敵巨大船へと接近を続ける。そして30秒位が経過したその時、編隊の前方で突然”花火“が8発炸裂しワイバーン部隊の先頭を包み込んだ。

 

 「敵機32機を撃墜。」HMSヴァンガードは主砲三式弾による対空戦闘の結果を報告した。それを受けて摩耶は邀撃隊に再襲撃を命じると、「艦隊、左対空戦闘。」と艦隊に指示を出して「左対空戦闘、CIC指示の目標。」と号令を出す。摩耶の主砲塔が左を向く間、邀撃隊のA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)16機はロウリア王国軍ワイバーン部隊に急降下で襲いかかる。この襲撃で36騎が撃墜され残りは561騎となる。流石に堪りかねたのかロウリア王国軍ワイバーン部隊は緩降下で増速し始める。それを見てとった邀撃隊のA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)16機は上昇しつつロウリア王国軍ワイバーン部隊の背後下方について攻撃をかけて次々と墜としていく。「主砲三式弾、攻撃始め。」摩耶が主砲三式弾の射撃を命じると、「撃ち方始め(うちーかーたはじめ)。」砲術長が射撃号令を出す。十数秒して再びロウリア王国軍ワイバーン部隊の前方で8発の三式弾が炸裂し同部隊の先頭を包み込んだ。そのほぼ直後に同部隊の前方で10発の三式弾が炸裂し同部隊の先頭を包み込む。同部隊の隊長はこれには堪らず散開を命じる。ここまでで同部隊は合計83騎撃墜されて残りは478騎となった。

 

 「ちい、もう主砲三式弾の弱点に気付きやがった。邀撃隊は艦隊前方に向かった敵編隊を攻撃しろ!」摩耶は敵編隊の行動に悪態を吐くと邀撃隊に左転した敵ワイバーンへの攻撃を命じた。

 そしてロウリア王国軍ワイバーン部隊の右翼に新手が緩降下で襲いかかる。その新手はA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)にとてもよく似ていたが、同機より主翼が長かった。彼等が操る機体は、A6M2b(零式艦上戦闘機二一型)及びA6M4(零式艦上戦闘機四一型)である。彼等は緩降下からの襲撃でロウリア王国軍ワイバーン部隊右翼を54騎撃墜すると上昇しながら中央に襲いかかり27騎を撃墜。その後再び緩降下してロウリア王国軍ワイバーン部隊左翼を襲撃し54騎撃墜する。また、この一連の襲撃の間にもA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)16機はロウリア王国軍ワイバーン部隊左翼に一撃離脱戦法を仕掛けて42騎を撃墜する。これによりロウリア王国軍ワイバーン部隊は残り305騎に減った。

 「よし、敵左翼は放っといても全滅するだろ。ヴァンガードとあたしと葛城は敵中央を、那智と冬月は敵右翼をそれぞれ射撃。照月は反対側に回り込む奴を警戒。そろそろ高角砲の出番だ。行くぞ!」一連の空戦を見た摩耶は各艦に大まかな射撃目標を割り振ると、「全戦闘機は敵左翼が壊滅し次第敵艦隊に嫌がらせに機銃掃射。かかれ!」戦闘機に離脱と機銃による対艦攻撃を命じた。

 そうしてまもなく、「高角砲、攻撃始め。」各艦は高角砲の射撃を始める。手始めにHMSヴァンガードが5.25"/50 (13.4 cm) Mark I速射砲を斉射、飛翔する一団の砲弾は狙い過たずロウリア王国軍ワイバーン部隊中央の先頭集団を捉え内蔵された近接信管が作動し炸裂する。その弾片(スプリンター)は複数のワイバーンやそれらの騎手をズタズタに引き裂いてその肉片が海上に落ちていく。HMSヴァンガードが5.25"/50 (13.4 cm) Mark I速射砲を斉射したほぼ直後に摩耶や葛城も高角砲を斉射しHMSヴァンガードが放った砲弾が炸裂するのにやや遅れて炸裂。放たれた弾子により多数のワイバーンがズタボロになって撃墜される。それと同時に那智や冬月も高角砲を斉射しワイバーンを次々と撃墜する。ロウリア王国軍ワイバーン部隊の各編隊が高角砲の弾幕を抜ける頃には166騎にまで数を減らしていた。

 

 「なんなのだアレは。何故ワイバーンがこうも容易く墜とされる!?」シャークン海将はクワ・トイネ公國側の巨大船の船団の対空戦闘を見て驚愕した。だが、それでもワイバーンへの対処でいっぱいいっぱいのように思えた。そこで、「ガレー船団、突入せよ!ガレオンやガレアスは敵巨大船の船団に接近してガレーの突入を支援するのだ!」シャークン海将は一気に接近することを決心した。だが、彼の思惑を打ち崩す存在が上空からガレー船団に襲ってきた。「ガレーに敵機龍が攻撃を開始!我が船団のガレーがやられています!」シャークン海将は見張りの報告にガレー船団の方向を見ると、どうやらその機龍が鼻先や左右の翼の真ん中辺りをチカチカさせるとそこから光弾が放たれるようだ。それから間も無くして敵の機龍は引きあげた。この状況ならまだやれる。シャークン海将はそう判断して接近を続けさせた。

 

 「進め!目標、敵船団先頭の超巨大船!恐らくあれが旗艦だ!*19かかれ!」ロウリア王国軍ワイバーン部隊の隊長は先頭に立ってHMSヴァンガードに突撃を開始し、直後に40mm/56.3 (1.57") OQF Mark IXから放たれた榴弾の直撃により跡形も無く吹き飛んだ。そして61騎が撃墜される。加えて摩耶が援護のために60口径五式4cm連装機関砲を放ち、これによりさらに残り29騎のうち23騎が撃墜された。

 一方「我々も攻撃するぞ!目標、甲板が妙に平たい敵巨大船!かかれ!」右に分かれた編隊は葛城を目標として突撃を開始、直後に反対側にいた巨大船から放たれた三式弾(近接信管装備)によりその4分の1が撃墜される。そして巨大船から光弾が連続で放たれ、ワイバーンは2騎を残して撃墜された。

 

 「九六式25mm機銃、攻撃始め。」残り2騎のワイバーンに狙われた葛城が25mm対空機銃を撃ち始める。その弾幕に残る2騎も絡め取られてロウリア王国軍ワイバーン部隊右翼は全滅した。そして葛城は照月と冬月を随えて北へ針路をとり、ロウリア主力艦隊から距離をとった。

 一方HMSヴァンガードは40mm/56.3 (1.57") OQF Mark IXを撃ち続けていた。だが距離が詰まってきたため回避のため取舵をきる。そこに残った2騎が火炎弾を放った。彼等は直後に撃墜されたため知る由も無いが放たれた火炎弾は2発とも命中し、HMSヴァンガードの艦中央の艦載艇置き場と左舷後部速射砲群周辺で火災を発生させた。

 「消火急げ!」HMSヴァンガードは消火を命じると5.25"/50 (13.4 cm) Mark I速射砲及び40mm/56.3 (1.57") OQF Mark IXを接近するロウリア主力艦隊のガレーに向けた。

 

 

 それから間も無くして一旦北に針路をとった葛城が西に針路を転じて発進させた邀撃機が着艦し始めた。「邀撃機の収容終わり次第攻撃隊用意!爆戦隊は爆装して敵主力を爆撃、戦闘機隊はガレーに機銃掃射で攻撃せよ!」葛城は攻撃隊の用意を命じる。そして邀撃機が全機着艦すると葛城は右16点回頭を行い針路を東に取る。

 東進する葛城の後部エレベータからA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)や爆装したA6M2b(零式艦上戦闘機二一型)及びA6M4(零式艦上戦闘機四一型)が飛行甲板に上げられて並べられていく。そうして30分が経過した頃、攻撃隊の準備が整った。「攻撃隊用意よし。」報告を受けた葛城は再び右16点回頭を行う。葛城は艦首の風向標識の先端に蒸気を送り、蒸気の向きと風向標識を見ながら艦首を風上へ立てた。「発艦用意よし。」風向標識の中心線と蒸気の向きが合い、発艦準備が整ったという報告を受けた葛城は攻撃隊を発艦させた。

 

 

 一方HMSヴァンガード、摩耶、那智の3隻は接近してくるガレーを5.25"/50 (13.4 cm) Mark I速射砲や八九式十二糎七高角砲で射撃する。HMSヴァンガードは榴弾で直射して一隻一隻撃沈していき、摩耶と那智は三式弾で数隻ずつ掃射する。戦況はもはや一方的となっていた。

 

 

 「何ということだ。あれだけのワイバーンが全滅とは。」シャークン海将は独言を吐くと、「見ろ!奴は火炎弾を二発も喰らい火災が起きている!あれだけ燃えているんだ、そう長くは持たん!我々のワイバーンが為した戦果じゃ!これで我等の勝利は間違い無いぞ!」麾下の艦艇を鼓舞した。

 

 しかしながらHMSヴァンガードは怯むことなく速力を維持して戦闘を継続しガレーを40mm/56.3 (1.57") OQF Mark IXで掃射する。「ヴァンガード、一旦列外に出ろ。消火に専念するんだ。」摩耶はHMSヴァンガードの状況を見て同艦に消火を命じる。「了解。」指示を受けたHMSヴァンガードは右転して減速し、しばらく消火に専念した。その間摩耶と那智は八九式十二糎七高角砲や60口径五式4cm連装機関砲でロウリア主力艦隊のガレーを掃射した。

 HMSヴァンガードは消火に成功すると那智の後方に占位して戦列に復帰した。そして主砲をロウリア主力艦隊のガレオンに向けた。

 

 火炎弾で燃えた敵の巨大船が戦列から離れたのを見たロウリア主力艦隊は士気が上がり、斬り込みをかけるべく突入を行った。しかしながら他の巨大船から放たれる光弾や光弾を撒く砲弾に掃射されて士気が怪しくなってくる。そこへ戦列を離れた巨大船が火を消して戦列の復帰したのを見た彼等は絶望し士気が崩壊した。だが、帆を巻き上げた彼等に戦略機動力など無いに等しいし、何より機銃が届く距離で帆を張るなど自殺行為でしか無い。そもそも後ろからは味方が続々と来ているから後進も出来ない。彼等に出来るのは自棄になって突撃し続けることだけであった。

 

 HMSヴァンガードの戦列復帰に衝撃を受け絶望したのはガレー船団だけでは無かった。寧ろこちらの方が決定的だったと言えよう。「ここまでか・・・全船、針路を南へ!陸に乗り上げたら船を棄てて海兵として味方に合流する。急げ!」シャークン海将は船を座礁させて放棄し、将兵だけを陸上部隊に合流させることを命じた。

 命令が各船に届きロウリア主力艦隊は南進を始める。そして旗艦ハーク・ロウリアXXXIII世が針路を南に向け終えたところで敵巨大船が爆煙に包まれる。

 

 そしてHMSヴァンガードの第二斉射にて旗艦ハーク・ロウリアXXXIII世にMark VIIIb榴弾が直撃し同艦は轟沈した。運良く(?)爆風により海に投げ出されたシャークン海将は海を漂いながら果たしてどれだけの部下が生き残れるだろうかと思案していた。*20

 

 旗艦ハーク・ロウリアXXXIII世轟沈の3分後、葛城から発進した攻撃隊が到着しロウリア主力艦隊に攻撃をかける。20mm機銃で掃射されたガレーや爆弾が直撃したガレオンが波間に沈み、戦場に取り残されたガレアスはHMSヴァンガード、摩耶、那智の3隻に殿と誤解されて一方的に撃沈されていく。そうして横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)邀撃艦隊による追撃が始まる。とはいえ弾薬の不足からその主力は葛城の繰り出す航空隊が務めることになったのである。

 

 

 航空爆弾の至近弾を受けて沈没しつつあるフェリキシマ・ハークでは端艇を降ろす作業が進んでいた。無論、船体を放棄して脱出するためである。アキリーズ観戦武官もこの海戦で見聞きしたものを記したノートを懐中に納めて端艇降下作業を手伝っていた。そして端艇が降ろされたところで優先して乗せてもらうと端艇はゆっくりとフェリキシマ・ハークから離れていく。そうしてフェリキシマ・ハークはアキリーズ観戦武官の前で脱出し損なった水夫や海兵を乗せたまま波間に消えた。アキリーズ観戦武官は静かにフェリキシマ・ハークへ向けて敬礼した。その後アキリーズ観戦武官は横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)邀撃艦隊の駆逐艦冬月に救助され、彼の観戦レポートの厚さが倍になることはまだ知る由も無い。

 

 

 南下するフェリキシマ・ロウリアではパーパルディアのヴァルハル観戦武官が震えていた。彼の見たものはおよそ彼の想像を超えたものであった。

 何しろ蛮地には存在し得ないほどの巨砲を備えた帆の無い巨大船、ワイバーンを一方的に翻弄する()()()()、そしてワイバーンをバタバタと叩き落とす速射砲。そのどれもが我が国の常識を超えるものだ。その事実を知らずにことを進めればとんでもないことになる。

 そう確信したヴァルハル観戦武官は見たままを魔信で本国に報告した。そして間も無くフェリキシマ・ロウリアはA6M4(零式艦上戦闘機四一型)が投下した250kg爆弾が直撃し瞬間にして轟沈、ヴァルハル観戦武官を含めた全乗員が壮絶な戦死を遂げた。そのため、パーパルディア本国では彼と連絡が取れないのを良いことに彼から送られた報告を謀略による偽電と決め付けたのである。*21

 

 それから中央歴1639年4月25日1752(17時52分)まで反復して行われた航空隊による徹底的な追撃の結果ロウリア主力艦隊主力はその殆どを撃沈されてその残余はロデニウス大陸に座礁し或いは横風で転覆*22、前衛はその大半が海賊に身を落とすことを余儀無くされ壊滅したのである。

*1
欧州初の実用航洋帆船。このスタイルの船が16世紀に活躍したことと当時の装備が決定力に欠けていたことが商船と軍艦とを分離することに繋がり、そして軍艦はここから戦列艦やフリゲートといった艦種に進化していくことになる。

*2
西暦1,200年頃にリムフィヨルドが閉塞されたのをきっかけに北海で貿易船や軍艦として多用されたコグと後述のキャラベルの長所を受け継いだ全装帆船(シップ)の元祖と呼ばれる欧州初の遠洋航海用帆船。巨大な船首楼と船尾楼が特徴的。但し航洋性能は低かったそう。

*3
大航海時代を象徴する船。輸送力こそ高くないものの、小型故に浅い箇所も探検出来、少人数でも運用出来るため安く、それでいて航洋性能や運動性も高いと大航海時代という時代の趨勢に合致したことから15世紀最良の帆船の一つと云われることになる。なおロウリア王国のは魔導砲を装備しない模様。何しろ魔導砲は重いのでね。

*4
大型のガレーが発達して出来た船。但し軍艦として使用されたガレアスの運動性は最悪。浮き砲台としての運用が基本となるのだが、大した数の砲を搭載出来ない上にその鈍重さから帆走軍艦には一方的に撃たれるだけの存在であった。

*5
多数の櫂を備えた船で主に軍船として運用された。航洋性能は皆無だが機敏な動作が可能であり、それを利用した衝角攻撃(ラミング)斬り込み(アボルダージュ)が基本的な戦い方となる。

*6
この世界では砲門数が定数より少ないのは割とよくあること。何しろ魔導砲はとても高いのでね。

*7
ロウリア王国がパーパルディア皇国からの支援を受けて自力建造したガレオン。詳細は後書きにて。

*8
ケーブルは主に船舶で用いられる距離の単位。1ケーブル=1/10海里=185.2m。従って8ケーブル=1481.6m。

*9
Combat air patrol。日本語だと空中戦闘哨戒といい、各種目標を敵の航空機から守るための航空作戦及びその目的で発進した戦闘機部隊。対応までに必要な時間が短くなるが燃料を消費する。A6MやF-14などはこれを目的として設計開発された。

*10
レントル級重フリゲートやトクサ級フリゲート、ガレオンにキャラックといった舷側に砲を並べた艦艇はLine Ahead(単縦陣)を組んだが、艦隊に所属する艦艇の殆どがガレアスとガレーであるために彼等に合わせてLine Abreast(単横陣)が基本となった。

*11
1kyd(キロヤード)=914.4m

*12
Close Air Support.日本語だと近接航空支援といい、地上部隊の戦闘を支援するために敵部隊を攻撃する航空作戦をさす。

*13
なお飛行機では無い模様

*14
HMSヴァンガードの主砲弾搭載量は1門あたり100発である。

*15
第二次世界大戦期の王立海軍で使用された高角砲(Dual Purpose cannon)。しかし航空目標を捉えるには俯仰旋回が遅過ぎたり弾薬が重過ぎて速射性に難があったりと余り優秀な高角砲とはいえなかった。|なお対水上目標相手には割と優れていた模様。《そういえば三年式十二糎七平射砲もそんな感じじゃなかった?》

*16
破甲榴弾或いは半徹甲弾。軽装甲の艦艇の装甲を貫徹して内部で爆発することが期待出来る反面重装甲の艦艇が相手だと貫徹力が弱い。

*17
そもそも水平最高速度235km/hのワイバーンが急降下で襲ってきたA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)(急降下制限速度740.8km/h)に対して何が出来るのだろうか?(但し某惑星の動画でちょくちょく聞くあの方を除く)

*18
Return to Base. 要するに帰ること。

*19
なお旗艦はその後ろを占位しているやや小さめの巨大船(重巡洋艦娘の摩耶)な模様。

*20
そして涼月により無事救助された。

*21
裏取れないし仕方無いね。

*22
キャラックってけっこう有名な転覆海難が多いのですよ。




 如何だったでしょうか。
 現実では世界で最も新しい戦艦が就役の半世紀前には既に廃れつつあった戦法を使用したり敵艦が可燃物製なのを良いことに焼き払ったり航空兵力で蹂躙したりと色々やりたい放題なことになりました。ロウリア主力艦隊の乗員たちに合掌。

 本来なら艦砲射撃で初弾命中はあり得ないことなのですが、撃ったのはあのRoyal Navyが誇る最新の戦艦である上にFCレーダーを何度も照射して照準を修正していましたのでね。まさに世界で最も新しい戦艦の面目躍如。
 そして現代のヤーポン法の使用という更なる外道が投入されました。なお地の文での海戦描写は現代のヤーポン法が標準仕様となる模様。
 因みに今回の海戦描写における距離はNavWeapsというウェブサイトなどを参考にしております。

 とはいえロウリア王国軍のワイバーン部隊も数が二倍弱まで増えたことで一矢報いる結果となりました。

 そして偶然にもムーとの初接触がとても早まりました(待て)。あとなんか原作で生き残ったキャラが早速爆死しちゃったみたいです。

 では今回も長めの後書きですが、最後までお読み頂けると幸いです。(今回は後書きの最後の方にも史実ネタや他作品ネタ仕込んだからね。)

 次回予告
  ロウリア主力艦隊壊滅す。この報せはロデニウス大陸を驚嘆させた。だが横須賀鎮守府(なお横須賀には無い模様)を率いる北條提督は手を緩めることなく新たな作戦に入った。その余りにも強大な投入戦力は主力艦隊を喪ったロウリア王国に更なる打撃を与えることになる。
  果たしてロウリア王国の戦争計画は実行可能であり続けられるのか。
  次回「第九話 クワ・トイネ=ロウリア戦争 〜海上戦闘 弍〜」
  ロウリア王国籍海員の運命や如何に。

 なお次回もかなり難産となる見込みな模様。マッケンゼン級巡洋戦艦達の随伴艦どうしよう・・・

 紹介コーナー
  オリジナル艦艇紹介
   ピカイア
    ロウリア王国が建造したキャラベルの1隻で、その帆装からキャラベル・ラティーナに分類される。
    第16キャラベル戦隊に所属していたが、常備排水量48,500トンを誇るHMSヴァンガードにラムられて轟沈した。
    満載排水量は僅か85トンであるため魔導砲は装備せず。
    名前は王都の北になる港町の名前から採られた。

   ハーク・ロウリアXXXIII世
    ロウリア主力艦隊の旗艦として今回シャークン海将が将旗を掲げたガレオン。
    他のガレオンよりは(20門程度ながら)多くの魔導砲が装備されている。
    でも装甲なんて貼ってないので15インチ砲弾の直撃を喰らって轟沈した。シャークン海将よく生きてたな。

   フェリキシマ・ハーク
    ムーからの観戦武官が搭乗したガレオン。
    航空攻撃で撃沈されたものの沈没まで猶予があったことからムーの観戦武官は無事生還することが出来た。
    割と優遇されている気がする。

   フェリキシマ・ロウリア
    パーパルディア皇国からの観戦武官が搭乗したガレオン。原作ではパーパルディア皇国からの観戦武官が登場した船は生き残りましたが本作では爆撃されて瞬時に轟沈しました。当然生存者はいません。

  二つ名紹介
   “忠実なる”パンドール
    パンドール将軍は原作の記述などから真面目に部隊を指揮している人物なので本作では”忠実なる“という二つ名が付きました。

   “冷静なる”シャークン
    原作の記述から冷静な判断が出来る人物なので、本作では”冷静なる“という二つ名が付きました。

  原作非登場キャラ紹介
   アキリーズ観戦武官。
    Red October氏由来のムー将校。マイラスさんの後輩なのも同じ。
    本名はリアス・アキリーズという。人物名が苗字+官名で表記されることも多い本作ではアキリーズという苗字での表記が多い。
    Red Octoberさん、使用許可を頂きありがとうございます。

  別にオリジナルでは無い単位紹介
   ケーブル
    ケーブルは主に船舶で用いられる距離の単位。1ケーブル=1/10海里=185.2m。
    投錨時の錨地までの距離や入港時に使うことが多い。

   kyd(キロヤード)
    現代ヤーポン法の距離基本単位yd(ヤード)にSI接頭辞のk(キロ)が付いたもの。
    1kyd(キロヤード)=1,000yd(ヤード)=914.4m。
    なお本作の海戦描写はこれが基本となる模様。

   フィート
    現代ヤーポン法の距離単位で、主に航空機の高度を表す際に用いられる。
    1フィート=1/3yd(ヤード)=0.3048m。
    本作では航空クラスタに倣い飛行物体の高度は専らフィートで表記される。

  今回登場した艦娘が装備している艦これ非登場装備紹介
   15-inch Mark I/N RP 12
    艦これにも登場する「38.1cm Mk.I連装砲」の小改良型である15-inch Mark I*をHMSヴァンガード向けに改造した連装砲塔。
    最大仰角が30度となっている。

   5.25"/50 (13.4 cm) Mark I速射砲
    ロイヤルネイヴィーによって開発された両用砲で、ダイドー級防空巡洋艦の主砲として使用された。
    しかしながら本砲は第二次世界大戦中に使用されたタイプの砲架の場合俯仰速度旋回速度共に10度/秒であるため敵機への追従性に難があった。因みにHMSヴァンガードに搭載されたものは俯仰速度旋回速度共に20度/秒まで改善された。*1加えて弾丸重量が36.3kgもあったため装填速度に難があった。*2
    とはいえ王立海軍は40mm機銃を新型に変えたから問題無いと判定したそう。

   40 mm/56.3 (1.57") OQF Mark IX
    ボフォース社が開発した40mm機関砲を2ポンドポンポン砲の後継として英国がライセンス生産したもの。
    つまりボフォース40mm機関砲じゃんと言われるだろうがそこは英国。なんとMark VI砲架という六連装砲架を開発して装備したのである。
    HMSヴァンガードはそのMark VI砲架を10基、形式不明連装砲架を2基、形式不明単装砲架を9基搭載している。
    因みに改良型砲架に搭載された本砲はフォークランド紛争でA-4攻撃機を撃墜したという活躍を見せたとか。

   60口径五式4cm連装機関砲
    本作オリジナル装備で、大日本帝國海軍が開発した60口径五式4cm機関砲を連装砲架に乗せたもの。
    因みに60口径五式4cm機関砲はボフォース40mm機関砲のコピー品である。
    要するに日本で生産されたボフォース40mm機関砲である。

   A6M2b(零式艦上戦闘機二一型)(爆戦)
    マリアナ沖海戦に於いて主に小型空母に搭載された代用艦爆。つまり史実の爆戦。
    元が戦闘機なので空戦にも使える。

   A6M4(零式艦上戦闘機四一型)
    中島が生産していたA6M2b(零式艦上戦闘機二一型)の改良型として生産される予定だった機体。しかしながら予定された改良の目玉であるベルト給弾の九九式20mm航空機銃が完成する前に改良元であるA6M2b(零式艦上戦闘機二一型)が生産終了となったため実現しなかった。
    因みにA6M5(零式艦上戦闘機五二型)A6M3(零式艦上戦闘機三二型)の改良型なのだそう。
    本作ではA6M2b(零式艦上戦闘機二一型)に混じって爆戦として登場する。


  魚雷を使わなかった理由
   魚雷ってね、とっても高いんだよ。
   何しろ魚雷一本家一軒なんて言葉があるくらいだからね。
   それに帆走時代の軍艦やガレーは喫水も浅いから魚雷が当たらない可能性もあるんだよね。

   実際日清戦役の黄海海戦(Battle of the Yalu River)では魚雷が船底を潜ってしまい、結果視察に来た軍令部長*3座乗の仮装巡洋艦が無事水雷艇の襲撃を生き延びたという話もあった位だから喫水の浅い船に対して魚雷は確実ではないんだよ。
   あと磁気信管は船が鉄主体の金属で出来ているから地磁気と干渉するという原理で動くけど、そういう原理だから木造船には効かないんだ。だから掃海艇はついこないだまで木造船が主流だったんだよね。最近になってから海上自衛隊がFRPで出来た掃海艇を就役させたらしいよ。

  何故シャークン海将は撤退しなかったのか。
   出来ねえのさ。
   だってロウリア主力艦隊は()()()()()進撃しただろう?
   つまりこの時戦場には西風が吹いていたのさ。そして帆船ってえのは|特別な事情でも無い限り《機関とか風神の涙とかでも装備していない或いは縦帆を装備しかつ船員の練度がそれなり以上でない限り》風上には行けねえんだ。
   そして当時のロウリア王国には帆船に積める機関も風神の涙も無い上に人的資源の質も良くねえ。つまりロウリアの船じゃあどうやっても風上には行けねえんだ。
   だから風向きでも変わらねえ限りロウリア主力艦隊はそもそも帰れねえんだ。
   おまけに最終段階では大半の船が大ダメージを受けていたからそもそも港に入れるかすら怪しい状況だ。そうなると余計撤退出来ねえことになる。
   だから彼は船を座礁させて将兵を救おうとしたんだ。まあ、殆ど無駄になっちまったけどな。


 アンケートに関して
  伊勢型改仕様(史実計画準拠)の場合
   搭載機がD4Y2a改(彗星二二甲型)22機に、加えて伊勢型の部隊に軽空母が一隻以上随伴します。
  伊勢型改仕様(史実準拠)
   搭載機がE16A1(瑞雲一一型)22機になります。
  伊勢型改二仕様
   搭載機は中小型空母に準じてA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)A6M2b(零式艦上戦闘機二一型)(爆戦)及びA6M4(零式艦上戦闘機四一型)(爆戦)の3機種、伊勢がA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)22機のA6M2b(零式艦上戦闘機二一型)(爆戦)22機にA6M4(零式艦上戦闘機四一型)(爆戦)9機の計53機、日向がA6M5a(零式艦上戦闘機五二甲型)24機のA6M2b(零式艦上戦闘機二一型)(爆戦)12機にA6M4(零式艦上戦闘機四一型)(爆戦)11機の計47機になります。

*1
道理で八九式十二糎七高角砲が性能低いとか言われる訳だ。だってA1砲架が俯仰速度12度/秒、旋回速度6〜7度/秒だもの。

*2
合衆国海軍のMk.12両用砲の弾丸重量は重くても25kg、大日本帝國海軍の八九式十二糎七高角砲の弾薬筒重量(完全弾薬筒を使用しているため)は30.35kgといえばその重量がお分かり頂けるだろうか。

*3
めっちゃ高官だよ。何しろ軍令部長は日魯戦役の前に軍令部総長に改称されて参謀本部総長と同格になる、大日本帝國海軍で二番目に偉い官職だからね。

本作の伊勢型は改仕様と改二仕様(思い切ったif改装)のどっちが良い?

  • 伊勢型改仕様(史実計画準拠)
  • 伊勢型改仕様(史実準拠)
  • 伊勢型改二仕様(思い切ったif改装)
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