(㈩*㈩)<【カズィクル・ベイ】の畢竟はどの使い手も同じになる珍しいタイプ。
(㈩*㈩)<多少の差異は出るけど。
(#ー#)<差異?
(㈩*㈩)<それについては追々。
(・▽・)<残り数話。その間には出る。
■□■□
一方その頃。
オウカを先に行かせた四人は、四人組と壮絶な戦いを繰り広げていた。
最初は四天王みたいな感じで、すぐに片付くと一部は思っていた。だが、そうは問屋が卸さなかった。
「誰だ!? こいつら雑魚とか言った奴!?」
「「コイツで
「……見た目は弱そうだったでしょ?」
ジョージが喚き、ノワールとマックスが答え、マリアはバツが悪そうにコメント。
彼らはローブを脱ぎ、真の姿を現していた。その姿は蒼、白、朱、黒の鎧を纏った騎士。
だが、クロスが解放された事により、少し異形となっている。
「フン! フン! フン! フン!」
ジョージに襲い掛かるのは蒼騎士。
背から蟷螂の鎌を伸ばし、素早い連続攻撃を仕掛けて来る。
(素早く隙がねえ。しかもこれだけじゃねえ……)
それをどうにか避けていくジョージだが、
「痛!!」
右足の痛みに動きが止まってしまう。確認すると……
「!?」
そこにあったのはトラバサミ。
ガッチリとジョージの足を咥え込んでいる。
「ハァー!」
そこへ仕掛けた張本人――白騎士が仕掛けて来る。
兜からは長く伸びた剣のような二つの牙がある。それでジョージを突き刺そうとするが。
「ゴメンなすって」
マックスの喧嘩煙管が白騎士に振り下ろされる。それを白騎士は両手を交差させて防ぐ。
(硬!)
だが、碌なダメージが与えられない。
それでも、ジョージはトラバサミからどうにか脱出。それと同時に、口腔に仕込んでいた丸薬を噛み砕き、足を治癒。
「今度はこっちの番だ!」
そして、拳銃を二人の騎士に目がけ連射。
勿論フレンドリーファイアなんてしない。
だが……白騎士が前に出て壁となる。弾丸は弾かれる。
そこへ……
「ハハハハハハ!」
「「!?」」
何かが高速で突っ込んで来た。それをどうにか避ける二人。
突っ込んで来たのは朱騎士。背には翼が生えている。
そのまま上空へ飛び上がろうとするが……
「させぬのである!」
「ハ!?」
ノワールが朱騎士に突撃。それを朱騎士は避けるが、重ねるようにマリアがパイルバンカーを放つ。
「串刺しだ」
だが、それは……。
「ハァァー……」
「んな!?」
黒騎士の構える盾に防がれ、否、受け流されて、槍による連撃がマリアに襲い掛かった。
それをマリアは、どうにかバックステップとパイルバンカーを盾にして防ぎ切った。
(今の一撃、直撃していれば盾ごと粉砕出来たのに……)
内心しかめっ面をするマリア。
【カズィクル・ベイ】は生半可な防御どころか、大抵の防御を貫通出来る。幾ら数値が高くとも、零をかければ、零になってしまうのと同じ道理。
なのだが、黒騎士は盾で上手く受け流した。
溜息を吐いて呟くマリア。
「本当に誰? こいつら雑魚とか言った奴?」
「「お前だよ!!」」
その場の全員のツッコミを貰ってしまう。
実際この四騎士はかなり強かった。
単体でもかなり強いうえ、連携までしてくる。
しかも、持っている能力のせいで、こちらの利点まで削いでくる。
蒼騎士の竜巻によって、マックスの【エル・フマドール】の煙が散らされる。
白騎士が設置するトラバサミのせいで、スピードを活かす面々の機動力が生かせない。
朱騎士は飛行して攻撃を仕掛けて来るので、空に気を配らなければならない。
そして、黒騎士は要所要所でサポートを挟んでくる。
そんな中、気になる事をマックスは呟く。
「ところで気になったんでござんすが……」
隙を見て煙草を吹かしながら続きを言う。
「こいつら……なんでござんすか?」
「わからん。知らん」
マリアの答えはけんもほろろだった。
だが、残り二人は分析している。
「匂いは人に近い。多分クルセイダーである」
「しかも……どう見ても二つ……いや三つか四つ持っている」
「「は!?」」
ノワールは匂いで分析し、ジョージは鋭い感覚で見極める。
だが、聞き捨てならない言葉に聞き返す同僚二人。
「そんな馬鹿な!?」
「キャパシティが弾けるでござんす……」
クロスはガチャではあるが、お手軽な特殊能力。とは言え、容量は存在する。
二つが限界であり、三つ以上は無理。実際、三回目以降のナノマシン投与は生存率ゼロである。
それを聞いたマリアがふと呟く。
「抜け道があるんじゃないのか?」
「「……う~ん?」」
考える一同だったが、相手はそんな隙を与えない。
「カァーッ!」
「ハアァーッ!」
「ハハハハハハ!」
「ハァ……」
一気に間合いを潰してくる四騎士。
「チッ、考えるのは後だ!」
ジョージが拳銃を四丁に切り替え、弾幕を張る。
スピードが鈍ったところを、残り三人が突撃。
そうして入り乱れながら激突した。
(このままだと長引く。どうにかしねえと……)
考える時間が欲しい。
なので、こう告げる。
「一旦後方支援に集中する。頼む」
「「了解で
「なんかわからんが……早くしろよ」
同僚二人は頷き、マリアも察して反対はしない。
なので、甘える事にする。
「感謝する!」
そのまま弾幕を張りながら思考する。
(まずそんなチカラを持っている? そこからだ)
まず蒼騎士を見る。
蒼の鎧を纏い、武器は背からの二つの鎌、手には巨大な青龍偃月刀。竜巻を操って来る。パワーも中々。
(
蒼騎士のチカラ――蟷螂、青龍偃月刀、竜巻なのは確定。ブラウンの動物種が分からないが、一旦脇に置く。
次に白騎士を見る。
白の鎧を纏い、兜からはサーベルのような牙が伸び、トラバサミを自在に出してくる。更に体を鋼鉄化させる。こちらはパワーとスピードもある。
(
白騎士のチカラ、サーベルタイガー、トラバサミ、鋼鉄なのは確定。後一つ、生物系を持っているだろうが、まだ不明。
そして、朱騎士を見る。
朱の鎧を纏い、背から翼を生やしている。それ以外にも何か持っていそうだがわからない。凄まじいスピードファイター。
(あの翼から察するに……
鳥の幻獣と、何かしらの生物は確定。だが残り二つがわからない。
なので、切り替える。
最後の一体、黒騎士を見る。
黒の鎧を纏い、体には蛇が巻き付き、これが伸縮して攻撃を仕掛けて来る。しかも牙からは毒が滴っているので毒蛇なのは確定。手には槍と盾――琉球武術で使われるティンベーとロンチー。更に、ウォーターカッターを飛ばしてくる。パワーとスピードだけでなく、テクニックが凄まじい。
(
毒蛇、ティンベーロンチー、水なのは確定。だが、もう一つの生物がわからない。
(未確定が多い。これが後で命取りになる可能性があるな……)
ならば、どうにか見極める。
(今は眼以外要らない……)
自身の加護ノ翅のチカラを視力に振り分ける。
そして、今まで隙間から覗く所を見た。
(こいつら……目が四つある!? バイオノイドか?)
絶句するも、その驚愕を捻じ伏せ、見続ける。
(蒼は
ある可能性が思い至る。
(白は
実は以外とそういう方面の知識が詳しいジョージ。
(朱は
どんな乗り物を使うかはまだ不明なのが、少し不安。
(黒は
亀の幻獣は少ない。が、それでも種類によっては対策が変わる。
分析を終え、ジョージは四丁拳銃をジャグリングしながら、前に出る。
「(よし。)皆聞いてくれ」
そして、情報を共有。
未確定の情報も伝えて置く。
「で? どうするんだ?」
マリアの疑問。それに三人はこう答える。
「とりあえず一体ずつ倒すか、引き離して分担するか……」
「そう簡単に行かなそうである」
「あっしのチカラは半減されてるでござんすし……」
なので。
「だったら、邪魔な蒼か朱から倒す。残りは袋にする」
「それが妥当である」
反対する理由がないので、そうする事になる。
「まずは……〈
ジョージは鬼札を切る。
ジャグリングで宙を舞う四つの銃の中に、もう一丁現れる。
それは四丁の拳銃より大きい、
それを手に持ち、引鉄を引く。今までとは比にならぬ、数、速度、威力で弾丸が吐き出される。
咄嗟に壁役である、白と黒の騎士が前に出るも、誘導と追尾がかかった弾丸を防げず、防御力が低い、朱と蒼に襲い掛かる。嫌らしい事に、朱の翼と蒼の足に弾丸は当たる。
「ハハハ!?」
「カァ!?」
(今である!)
その隙を狙いノワールも鬼札を切る。
全身をオーラが包み、砲台がセット。そのまま射出。
だが、相手も鬼札を切る。
「ハハハハハハ!」
「フン!」
「!?」
朱騎士の背中の翼にバイクが付く。蒼騎士は竜巻を纏う。更に機動力と攻撃力を引き上げ突撃を仕掛ける。
三者激突! 結果は……
「ハハハハハハハ!」
朱騎士は散る。
だが。
「……く」
「カァー!」
ノワールも怪我を負い、墜落。そこへ、防御力のおかげで生きていた蒼騎士が再び竜巻を纏っての突撃をする。
彼に防ぐ術はないが、
「私がいる」
マリアは左手を引き、繰り出す。
「カ……」
パイルバンカーの直撃で、蒼騎士は砕け散った。
蒼騎士が散った事により、遂にマックスの手札が解禁。
「煙に巻くでござんす」
喧嘩煙管から煙が噴き出されていき、残りの白と黒の騎士を包む。
「ハ!?」
「……」
両者冷静に背中合わせになる。
だが、それは命取りになる。
「当てやすい的だな」
「遠距離は得意でござんす」
弾丸と属性の雨が襲い掛かる。
それをどうにか耐える白と黒の騎士。
そこへ遂に本命が行く。
「これっきりである!」
「はあ!」
ノワールとマリア――最大攻撃力を持つ二人が動く。
逃がさぬように挟み込み攻撃!
人間大砲ならぬ、犬大砲とパイルバンカーが突き刺さる。
「ハアー!」
「ァ……」
そうして白と黒の騎士も砕け散る。
どうにか撃破に成功する四人。だったが四人とも無傷ではない。
全員がダメージを喰らい、数回~十数回はトラバサミに嵌っていた。更に、蒼騎士の攻撃には特殊な毒が付与されており、敗血症を引き起こしていた。どうにか術技や薬で回復したものの、まだ全快とは行かない。
更に……
「済まぬ。吾輩はもう……」
「いや、しょうがないでござんす。あっしも……。ごめんなすって……」
〈心牙〉を二度使用したせいで、ノワールはもう戦えず、マックスも限界寸前で倒れそう。
「無事? なのはオレと……」
「私だけか……」
戦えそうなのはジョージとマリアのみ。
とは言え、二人完全とは言いずらい。
「このままじゃ足手纏いになりかねえな……」
ジョージはそう呟く中、マリアは……
(アレを使うか? だが……)
実は彼女にはある切り札がある。
それを使えば、完全どころか、今より強化可能。
だが、そう簡単に使えない。
(う~ん……)
考えていると、ジョージが声を掛けて来た。
「何か手があるのか?」
「……ん、まあ」
その態度から察する面々。
同僚同士顔を見合わせ、
(これって……)
(多分……)
(であるな……)
決断する。
「やれ」
「このまま足手纏いは嫌なのである」
「そうでござんす」
そういう三人にマリアは少し迷い……
「わかった。そこまで言うなら――」
そして、彼女は語る。
【カズィクル・ベイ】の最後の奥の手を。
それを聞いて躊躇っていた理由を察する。
だが、
「やれ」
「このまま足手纏いは嫌なのである」
「そうでござんす」
決断は変わらなかった。
なので、マリアはそれに甘える事にした。
【TIPS;四騎士】
(・▽・)<コレ何なんです?
(#ー#)<言ってしまえば……ワクイが今まで手に入れたクロスを合わせて作った分身。
(㈩*㈩)<分身?
(#ー#)<フラスコのクロスで、自身の細胞から奇形ホムンクルスを作り出して、
(#ー#)<複数のクロスを植え付けたモノ。
(#ー#)<急成長とクロス四つ使用の反動で寿命は短いんだが……
(#ー#)<使わない時は、ストップウォッチのクロスで時間を止めてる。
(#ー#)<因みに失敗作もかなりある。組み合わせは無限だからな。
(㈩*㈩)<思ったより非人道的な事はしてないのに安心した。
(・▽・)<アレ? 各自の説明は?
(#ー#)<それはまた今度。