(・▽・)<今回話の切り方が中途半端ですがご了承ください。
【TIPS:再現系の冥刀】
(・▽・)<対象の能力や術技、チカラを学習し、再現するモノがチラホラあります。
(#ー#)<お前が解説すんの? まあいいけど。確か
(・▽・)<後者は厳密に言えば畢竟なので違いますけど、まあそうですね。
(・▽・)<前に解説した応報系と同じく、同じようでも違いがあります。
(㈩*㈩)<保持限界とか、学習方法とかが。でもとあるルールは共通している。
(#ー#)<何だ?
(㈩*㈩)<チカラが原典以上になる事はない。同等が限界。
「マリア!」
「何だ!」
「こっち来い!」
「?」
疑問符を浮かべるマリアだったが……
「いいから!」
強い口調だったので、とりあえず彼の傍に行く。
「どうした?」
聞いて来た彼女にオウカは語り掛ける。
「借りていた物を返そうと思ってな」
「? 何を?」
「これさ」
オウカは何の躊躇いもなく、左腕を斬り落とした。
因みに、左腕の指輪と腕輪は右腕に移し、左腕の武器は地面に刺してある。
「「!?」」
敵……ワクイは絶句。
勿論マリアも……。
「お、お前何をしている!?」
凄く驚いている。
それにオウカは平然と言う。
「ディアンの処置が剥がれてて良かったよ。元はお前の腕だからな」
「何も今じゃなくても……」
「今だからだ。バランス悪いだろう?」
「そ、それは……」
否定できないマリア。
そこに更に畳みかける。
「今必要なのは逆転の一手だ」
「お前は大丈夫なのか?」
「隻腕には慣れてる」
「……」
何とも言いづらい顔をするマリア。
オウカは笑って左腕を差し出す。
「まあ大丈夫。いいから受け取れ。すぐ治るだろ?」
そんなオウカにマリアは……
「わかった」
左腕を受け取り、切断面にくっつけた。
その瞬間だった。
「ぐ……」
頭に激痛が走る。
頭を押さえるマリア。
「おい、大丈夫k、ぐ!?」
その様子に心配するオウカだったが、彼にも異変が発生する。
左腕に激痛が走る。
二人共痛みには慣れている。
そんな二人でも……戦闘中ですら無視できず、耐え切れない痛み。
そのまま二人は、意識を失った。
■□■□
どことも言えない空間。
そこに一人の人間が、刀を膝に乗せ、眼を閉じて座禅を組んでいた。
着流しの性別不詳。右眼には深い傷、右腕はフック状の義手、右足は棒義足となっている。
「……出番のようでござるな」
そう言うと、眼を開け、立ち上がり、腰に刀を佩く。
そして、とある方向を向く。
そこには繭があった、赤い糸で編まれた巨大な繭。
それに声を掛ける。
「では拙者は行くでござる。其方は行かないのでござるか?」
それに答える声はないのだが……。
着流しは返事が聞こえたのかこう言う。
「そうでござるか。まだ時期じゃないでござるか」
そして、繭に背を向けて、歩き出す。
「では御免」
そして、着流しは消えた。
その場には赤い繭が残された。
彼女の出番はまだまだ先。
◇◆◇◆
オウカが目を開ける。
そこは先程まで戦っていた場所ではなく、星を数多に散りばめた夜空のような空間。
「ここは?」
周りを見渡すオウカ。
後ろから声が掛かる。
「お主の心象世界……という奴でござるよ」
「!?」
その声に驚く。
振り向くとそこには、着流しの人物が立っていた。
その人物をオウカは知っている!
「コジュウロウ!? な、何でお前が!」
“堕天剣聖”
最強を目指し、全ての知的生命体の抹殺という過程で、それを実現しようとした大馬鹿。
家族、友人、剣の師、兄弟姉妹弟子を殺し、戦えない非戦闘員どころか、女子供、赤ん坊すら、相互認識すれば殺してきた者。
だが、その戦闘力は凄まじいの一言。
殺戮行脚の行程で、右目を失い、右腕の肘から先を失い、右足の膝から先を失うも、戦闘力は衰えるどころか、強化……否、凶化していった怪物。
「お前は俺がトドメを刺したはずだ。なのにどうして?」
最後の戦い。
コジュウロウは妹弟子であるカスミとの戦いで、遂に死んだ。
はずだったのだが、一回殺したくらいでは死なず、怪物となって復活し暴れまわった。それを止めたのがオウカだった。
オウカの疑問に、コジュウロウが答える。
「然り。ここにいる自分はあくまで残滓みたいなものでござる」
「残滓?」
「あの時、オウカは拙者の一撃を喰らったでござろう?」
「ああ」
未だにあの傷は残っている。
「アレに遺して置いたんでござるよ。【レッソワニー】を。種子として」
「は!?」
思い返せば、あの傷治りづらく、痕も濃く残っている。何より、彼が死んだ後、冥刀が残っていなかった。殉死したのかと思ったが、どうやら違ったらしい。
「強いて言うなら、ネラ殿と須臾殿に近いでござる」
死ぬはずだったが、冥刀に魂を移植して生き延びたネラ。
魂の欠片を冥刀に仕込んで憑りつかせていた須臾。
「……つまり魂魄の欠片を種子状態で憑りつかせていた?」
「然り。拙者の愛刀を知っているでござろう?」
その言葉に思い至る。
【レッソワニー】は他の冥刀の能力を再現できる冥刀の一つ。
条件は対象を吸収する事。
一見、厳しいように思えるが、僅かな欠片、破壊・廃棄されたモノ、更には鍔迫り合いや打ち合いで、エネルギーを吸収しただけでも条件を満たす。
だからこそ、それを利用して、数多の冥刀をストックしていた。
☆★☆★☆
【ミストルティン】
コジュウロウがストックしていたモノの一つ。
ハイリスク・ハイリターンの不可思議の作品で、あらゆる防御を突破する事が出来る。特殊な防御や条件防御、再生力が高い者や不死身まで突破可能。
強力なように思えるが、勿論代償は存在する。
それが防御力が零になる。ゲーム風に言うなら、どんな装備をしようが、防御力が零になる。
下手をしなくても、相手の軽い牽制で死にかねない。
つまりは回避するか、剣で防御するか、受け流すしかない。
なのだが、【レッソワニー】の場合、再現されるのは、能力だけで、代償はない。……なのでコジュウロウはノーリスクで【ミストルティン】を使っているようなもの。
そして、この【ミストルティン】は使い手を完全に認めると、使い手の体にヤドリギのように取り付き憑依するようになる。
これを利用して、普段のコジュウロウは刀身の存在しない刀を佩刀し、戦闘時に毎回刀身を形成するようにしていた。
本来はそんな必要ないのだが、見せかけの刀をブラフとして利用しているのだ。
相手が武器を取り上げたと油断した所をバッサリやる事がある。
◇◆◇◆
「あの一撃に残っていたのか……」
「そういう事でござる。そして」
一拍置いて答える。
「コレは
「つまり……奪えない?」
「然り。何かのために取っておいたんでござるよ」
友ならば、何かを友に遺すべき。
そう思ったのだ。
「今がその時なれば」
コジュウロウが両手を翳す。するとその手に刀が二本現れる。
柄、鍔、鞘、そして外見からは見えないが刀身――全てが漆黒の太刀。
フック状の義手でも物を掴む位はできるので、器用に左右で持っている。
そして、義手で持っていた方をオウカに投げる。
「おっと」
受け取ったオウカに告げる。
「とは言えただ渡すのでは芸がない。戦り合うでござる」
その言葉にオウカは苦笑する。
「お前らしいな」
そうしてオウカは受け取った刀を構える。
「とは言え、時間もないので、一撃にて」
「ん」
両者奇しくも抜刀の構えを取る。
お互い睨み合う。そして――
「フッ」
「ハッ」
次の瞬間、お互いの位置が入れ替わっていた。
そして――オウカが膝を付くと同時、コジュウロウの体が消え始めた。
「ここまででござるか……」
そして、振り向いてコジュウロウは告げる。
「オウカ。其方には拙者の願いを継げとは言わんでござる」
「当たり前だ、お馬鹿」
そんな面倒な事やりたくない。
その言い方に苦笑しながらコジュウロウは続ける。
「だから、その代わりと言ってはなんでござるが……」
「?」
「勝つでござるよ」
「言われるまでもない」
オウカの言葉に、ジュウロウは微笑み消えた。
■□■□
マリアの意識が覚醒する。
「……ここは?」
周りを見渡すと、そこは教会の礼拝堂のよう。
「そう言えば、私はシスターだったらしいな……」
苦笑したマリア。記憶喪失のため、実感が湧かないのだ。
「戦っていたはずなのに、一体……」
取りあえず辺りを散策する。そして見つけたのは分厚い本。ただし鍵が掛けられている。
「これじゃどうしようもn」
言葉が途中で途切れる。ある事に気づく。自分は左手に何か握り込んでいる。
拳を開いてみるとそこには鍵があった。
「コレか?」
本の鍵穴に挿し込むと、スルリと入る。回すとカチャリと外れた。
「ああなるほど」
この時点でマリアは理解した。
ここは自分の心の中、この本は自分の記憶だと。
(読めば、もう戻れない)
逡巡は一瞬。
マリアは本を開いて、読み進めていった。
………………
…………
……
本を読み終わり、マリアは本を閉じる。
そして目を瞑る。まるで読んだ事を思い返し忘れないように。
そして開眼する。
「私……いえ、ワタクシは」
彼女は全てを思い出した。
「サク様を幸せにするために生まれた」
彼の説得を受け、殺戮行脚を辞めた時の誓い。
「あの人を助けなければならない」
今の彼は大ピンチ。ここで動かなければ、女じゃない。
「今、参ります」
マリアの背から翼が広がる。それは蝙蝠ではなく、漆黒の鴉の翼。
そのまま彼女は飛び上がり、天井を突き破った。
●○
(一人は去りて、一人は戻った)
(良かった。出番あるかと思ったけど、今回はなさそう……)
(それにしても……今回はちょっとヤバすぎたね)
(まさかあんな事してくる相手がいるとは……)
(似たような事があったから、あの程度で済んだけど……)
(下手すると、精神崩壊していたか、敵味方問わずに全滅させてたかも)
(意外と脆い所あるから)
(さあ、ワタシはもうしばらく微睡ましょう)
(おやすみなさい)
◇◆◇◆
二人の意識が途切れたのは僅かな間。
とは言え、ワクイは警戒して、様子見をしていたが、流石に何もしないのではせっかくのチャンスを逃す事になる。
だからこそ、遠距離攻撃を選択して放った。
属性攻撃、弾丸、矢が数多と降り注ぎ、着弾、爆発、煙が上がる。
大抵の戦闘者ならなすすべもなく倒れる。
だが、ここにいる二人はそこに入らない。
煙が晴れると、そこには……盾のみがあった。
「「!」」
六人のワクイは辺りを見渡す。
右、左、横、縦、下……
「「いた!」」
上。
そこに二人はいた。
黒い翼を生やしたマリアが、オウカを抱え空を飛んでいる。
オウカが呟く。
「間一髪……」
「はい。そうですね」
マリアの言葉に違和感を覚えるオウカ。
「何か変わった?」
「いいえ。戻っただけです。サク様」
「!?」
その返事にオウカは察する。
飛び上がって喜びたいところだが、今はそんな状況ではない。
「再会を喜び合うのは後にしましょう」
「ああ。もう時間も僅かだしな」
実のところ、この二人が今の状態を保っていられるのは僅か。
「決着を付ける。因果を未来へは持って行かせない」
「はい」
オウカが出したのは弓。
だが、すぐに使えない事を思い出す。
(あ、片手失くし……あん?)
返して無くなったはずの左腕が生えてきていた。それは艶のない漆黒の腕。
一瞬驚くも、理由に思い至る。
「ありがとう。友よ」
チカラを遺していた友に礼を言う。
そして、オウカは弓の弦を引く。すると矢が現れる。
ワクイはそれに不味いと直感。
先程と同じように遠距離攻撃を仕掛けた。
だが、それらは全て避けられる。
マリアがオウカを抱えたまま、凄まじいスピードで飛んでいた。
「攻撃に集中してください。移動はワタクシが」
「わかった」
移動しながら弓矢を射るのは難しい。しかも流鏑馬を遥かに超えるスピードな上、上下軌道もあり、不安定な態勢なら猶更。
だが、オウカはそんな事を物ともせず、射撃をおこなう。しかも連射されるうえ、矢は分裂し、威力が上昇する。
それらをワクイ達はどうにか防ごうとするが、無傷で防げるはずがない。
防御力が低い個体――属性攻撃を使う翼竜が穴だらけになり、倒れる。
残り五体。
【コソコソ話】
(・▽・)<あの馬鹿も色々ストックしているんですけど、
(・▽・)<【ミストルティン】以外のもヤバイのがチラホラあるんですよね……。
(#ー#)<どこぞの戦闘狂みたくにか?
(・▽・)<アレの場合、弱点潰しが多いですから、まだマシなんです。
(㈩*㈩)<具体的には?
(・▽・)<【ジークシュベルト】、【パラシュ】、【ナーゲルリング】などなど。
(㈩*㈩)<……(唖然)……。
(#ー#)<そんなにヤベエのか?
(㈩*㈩)<……取り乱した。全部曰く付きで、完全破壊・廃棄済みだから。
(#ー#)<は!? それってヤバイんじゃ……
(㈩*㈩)<ま、まあ同じ完全破壊・廃棄済みの【スラエオータナ】よりマシ。
(#ー#)<バイオハザード起こして国滅ぼしたのと比べんな。
(㈩*㈩)<簡単に言えば……。まあネタバレ込みだけど――
【ジークシュベルト】黄金剣。敵に対して、バフ、特攻特防、ステータス向上などが時間経過に応じてかかる。使い手は全員嵌め殺しに合って死んでいる。
【パラシュ】斧。殺戮による強化。殺せば殺すだけ補正強化。所持していて十全に使えている場合、危険人物と見なされて即刻討伐対象となる。
【ナーゲルリング】準天剣。『重力剣』の対。力の剣。簡単に言えば……ワ○・フォー・オール。ただし流石にアレらは不可能。それが出来るのはまた別の剣。
(#ー#)<何かサラリと凄い事書かれてる!?
(・▽・)<……まああの馬鹿だから上手く使ってた部分もありますね。