冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS:文明レベル(異世界)】
(#ー#)<スゲエ今更なんだけどさ、

(・▽・)(㈩*㈩)<?

(#ー#)<そっちの文明レベルってどの程度?

(・▽・)<微妙な所なんですよね。

(㈩*㈩)<進んでいる所は現代より進んでいるけど、低い所は中世以下。

(#ー#)<そんなに差があるの!?

(・▽・)<終末末期で、国が幾つも滅んで、「キ〇の旅」みたいな

(・▽・)<都市国家みたくなっているので。

(㈩*㈩)<アレも国によって文明レベル色々だものね。

(#ー#)<もしかして「北〇の拳」見たくなってるところもあるのか?

(・▽・)<まだそれならマシです。

(㈩*㈩)<ヘ〇ヘイムの森になっている所もある。

(#ー#)<そりゃあ滅ぶわな……。


CⅦ

 ■□■□

 

 

 新入生オリエンテーションが終わり、一年生は解散となる。

 

 レイリとクインは話しながら歩いている。

 クインがオウカと待ち合わせをしていると言うので、付いて行っているレイリである。

 

「凄かったね~、あの戦い」

「ん」

 

 オリエンテーションは色々あったのだが、最初の戦いが凄すぎて興奮が収まらない。

 そんな時、ふと気になったので聞いてみる事にする。

 

「そういえばさ、クインちゃんってサクヅキさんと前々から知り合いなの?」

 

 その問いにクインは首をフルフルと横に振る。そして捕捉する。

 

「今日初めてあったばかり」

「へ……」

 

 それにしては親しいような気がする。

 それにクインは――

 

「悪い人じゃないから」

 

 そう言った。

 

 

 ▼▽▼

 

 

 ネコハ=クイン。

 

 小さな頃に両親が亡くなり、親戚を盥回しにされ、最終的に施設送りになる。

 その施には、鬼畜と外道しかおらず、彼女は凄まじく酷い扱いを受けた。暴力を振るわれたり、食事抜きは日常茶飯事だった、

 そんな日々で、彼女は相手の事――善か悪か、嘘を付いているか、悪意や敵意があるか、自分をどう思っているのか、などがわかるようになった。

 

 そんな地獄の日々が続いていたある日、彼女に転機が訪れる。

 

「キミがクインちゃんだね」

「……誰?」

 

 とある男性には悪意はなかった。

 

「キミの両親の友達だ」

(……嘘はついていない)

 

 両親の友人であった彼がクインを引き取り、その援助のおかげで彼女の生活は格段に向上した。

 住処も遠くへ引っ越した。その場所で会う人は良い人ばかりだった。

 

「あの二人には世話になったんだ。だからこっちが恩返しをする番なんだ」

 

 そういう彼に嘘はなく、善意しかない。

 とは言え、ずっと世話になる訳には行かない。

 

(プレイヤーになろう)

 

 クインは秘咒を持っている。

 それは強力かつ、凄まじいモノ。それのおかげで、戦闘経験を積み、天ノ角高校に入学出来た。

 

 そして、新入生の登校日。

 知り合いもいないので、一人であちらこちらを見ている時だった。

 

「……」

 

 学内にあるベンチ。

 そこに一人の少年――小柄で髪も長く顔立ちも中性的なのだが、男子制服を着ているので男の娘だとわかる――が眠っていた。

 

「!」

 

 彼をマジマジと見て驚く。

 

(何もわからない……)

 

 クインは相手の事がある程度分かる。なのだが、彼の事はほとんどわからなかった。

 

 すると、その少年が視線に気づいたのか目を覚ます。その眼がクインを捉える。

 

「おはようさん」

「はよ」

「新入生?」

「ん」

「俺はサクヅキ=オウカ」

「わたしは、ネコハ=クイン」

 

 互いに自己紹介をした。

 

 寝たままでは失礼と判断したのか、オウカは起き上がり、訊ねる。

 

「座るか?」

「ん」

 

 クインはオウカの隣に座る。

 

「……」

「……」

「「……」」

 

 両者無言。

 どちらも多弁ではないうえ、会ったばっかりなのが災いして、沈黙が続く。

 とりあえず、相手を分析し合う。

 

(身のこなしは隙がない。戦闘経験を積んでるな…)

(悪意はない。悪い人じゃなさそう。それと凄い強そう)

 

 隣に座りながら、双方何をするわけでもなく無言。

 暫くそんな時間が続く中……

 

「聞いても良いか?」

 

 オウカが訊ねた。

 

「……ん」

「どうしてこの学校に?」

「自立したかったから」

 

 自分の技能を一番活かせるのがプレイヤーだった。

 

「俺と同じか」

「そうなの?」

「ああ」

「「……」」

 

 そうしてまた無言になる二人。

 今度はクインが問いかける。

 

「……ねえ」

「うん?」

「どうしてそんなに強いの?」

「……わかるのか?」

「ん」

 

 そう言うクインにオウカは答える。

 

「師匠に鍛えられて」

 

 実践形式のスパルタだった。

 

「経験積んで」

 

 様々な相手と戦った。

 

「色々貰った」

 

 友達や冥刀から託された。

 

「だからだな」

 

 その答えにクインは、無表情を少し崩し、羨ましそうな顔をする。

 そして呟く。

 

「私はかなり特殊。セコい」

「……セコい?」

「ん。威張れない」

 

 その言葉に、オウカの脳裏に過ったのは、この間の騒動。

 他者のチカラについて聞くのはマナー違反。更にオウカは人の事情を深くは詮索しない。

 だが、結構エライ目にあったので、聞く事にする。

 

「強奪系?」

「ッ!?」

 

 オウカの問いにクインが分かりやすい程に動揺した。

 

「……」

 

 暫くの沈黙後、重い口を開く。

 

「近いけど遠い。もっと……」

「もっと?」

「エグい」

 

 それっきり黙り込んでしまう。どうやら言いたくないらしい。

 なので、オウカは謝る。

 

「悪いな。ちょっと色々あったんだ」

「……色々?」

「ああ。強奪能力持った腐れ外道に能力奪われたんだ」

「!?」

 

 驚くクイン。

 

「……」

 

 沈黙後、彼女は絞り出すように語ろうとする。

 

「わたしの秘咒h」

「言いたくないなら言わんでもいい。マナー違反だし」

「でも……」

「なら、一つ聞くけど、お前は俺からチカラを奪うつもりがあるのか?」

 

 オウカの問い。

 それに圧を出す。

 普通の戦闘者でも怯む程の圧。

 

「……ない」

 

 だが、その圧にクインは負けじと圧を返した。

 それにオウカは口元に笑みを浮かべた。

 

(この子、結構強いな)

 

 体の強さだけでない。心も強い。そう思った。

 だからこそ。

 

「なら良いよ別に言わなくて」

 

 オウカは危害を加える気の無い人が、どんなに危険でも気にしない。

 虎の檻の中でもぐっすり寝れるタイプである。

 ……逆に虎が食べられているかもしれない。

 

 その答えにクインは少しだけ笑うクイン。

 

「……ん」

 

 そうしてその後は無言のまま過ごす。

 

「……」

「……」

「「……」」

 

 会話もないが、居心地が良い時間だった。

 が、流石にずっとこうする訳には行かない。

 

「……時間」

「あ、そろそろか」

 

 クインはベンチから飛び上がる様に立ち上がる。

 

「じゃ、またな」

 

 手を振るオウカにクインは問いかける。

 

「終わったら会える?」

「いいぜ、予定はないし」

 

 その言葉に少しだけ笑うクイン。

 そして。

 

「また後で」

「おう」

 

 クインは歩いて去って行った。

 

 

 ******

 

 

 ヘッドホンを耳に掛け直し、集合場所へ向かうクイン。

 思い出すのはオウカとの会話。

 

(何か……安心した)

 

 人付き合いが苦手な自分としては珍しい。

 そう思って歩いていると、耳に自分に向けた声が入って来る。

 

「お、可愛い子じゃん」

「声掛けてみようかな?」

 

 元よりクインは五感が鋭い。だからこそ、こういう声も入って来てしまう。

 まあいつも通りなので、無視して歩いていると……

 

「大人しそうな女だな」

「ヤっちまおうぜ」

 

 ガラが一際悪そうな二人の男の言葉。

 凄まじい悪意も感じられる。

 

(無視無視……)

 

 こういう事は何度もあった。

 その度に、返り討ちにして来た。

 とは言え、そうすると後始末が面倒なので、遠くに離れようとするが……

 

「なあ、ねーちゃん遊ぼうぜぇ!」

「良い所に連れてってやるよ」

 

 先回りして来た。

 

(……どうしよう?)

 

 そんな事を思っていると。

 

「あ、いたいた。お~い」

 

 聞き覚えのある声。

 振り向くと、そこに居たのはオウカ。

 

「……ん」

 

 手を上げ挨拶するクイン。

 それにオウカも手を上げる。

 

「じゃ、行こうか」

「……ん? ……ん」

 

 オウカの意図を理解したクイン。

 自分には連れが居ると言う事で、助けようとしているのだろう。

 だが、男達は諦めない。

 

「おいおい。何勝手に連れてこうとしているんだ?」

「先輩だからって調子に乗っているとボコしちまうぞ?」

 

 ガンを付けて来る二人にオウカは問う。

 

「知り合い?」

「わたしを襲おうとしてた」

「へえ?」

 

 その答えにオウカは悍ましい笑みを二人に向ける。

 

「だったら、それ相応の目に合わせないとな」

 

 指をポキポキと鳴らした。

 

 

 ■□■□

 

 

「――な事があった」

「なるほど!」

 

 クインの説明を受けて、納得するレイリ。

 

(この子、裏表がない)

 

 レイリと話していて気付いたクイン。

 良く言えば純粋、悪く言えば馬鹿なのだろう。

 

(だからイヌコが世話を焼いていたのかな)

 

 そんな事を思ったクイン。

 

 一方のレイリはと言えば……

 

(小さくて可愛い子だけど、とても強そう!)

 

 身のこなしでわかる。明後日の方向から襲いかかられても対応可能だろう。

 

(戦ってみたいな〜)

 

 レイリは戦いが好きだ。

 ソルドアットやコジュウロウに似ているが、彼女の場合、殺し殺されの戦いではなく、スポーツとして確立された戦いが好きなのだ。

 

(あの二人も強かったな〜)

 

 改めて思い出したのは、オウカとカナタ。

 

(会ってみたいな)

 

 そんな事を思った。

 そして、噂をすれば影。

 

「……ここにいたか」

 

 オウカが現れる。

 

「ん」

「こんにちは!」

 

 クインとレイリの挨拶にオウカも挨拶を返す。

 

「どうも。それで?」

 

 疑問を投げかけた。

 

「「?」」

「どうするの?」

 

 素朴な疑問。

 また会おうとは言ったが、何をするかは決めてない。

 それにクインは……

 

「決めてなかった……」

「「おい!?」」

 

 ツッコミを入れる二人。

 なのでクインは考える。

 

(どうしよう……)

 

 そして十秒後。

 

「御飯でも食べに行く?」

 

 その言葉にレイリは真っ先に賛成する。

 

「良いですよ!」

 

 オウカは端末を出して同居人に確認してから肯定する。

 

「いいぜ。それで? どこで食べる?」

 

 それに二人はうんうん唸り始める。

 

「高過ぎる所はちょっと……」

「……ん~」

 

 なのでオウカはふと思いついた事を提案する。

 

「ハンバーガーショップは?」

「いいですね! 丁度季節限定のハンバーガー食べたかったので!」

「ん」

 

 そういう訳でハンバーガーショップに向かう事になった。

 

 

 ******

 

 

 チェーン店になっているハンバーガーショップ。

 手頃な値段でまあまあ美味しい。

 ダンジョンやモンスター発生のゴタゴタにも負けずに未だに存在する。

 

 その店内の席にはオウカ、レイリ、クインの三人だけでなく……

 

「……モグモグ」

 

 黒い外套姿の少女――ソラナキ=ヒナタ。

 

「口、言うの?」

 

 傍らに刀を立てかけている少女――シンゲツ=バイカ。

 

「これが季節限定のね」

 

 眼鏡の少女――アサギ=イヌコ。

 

「……」

 

 これと言って特徴のない少女――シワス=ミユ。

 ……因みにヒナタの後輩である。

 

 この七人が席に付いて各自頼んだ物を食べていた。

 服装は約一名を除き、全員制服なのだが、どこか異様な七人組だった。

 

 

 △▲△

 

 

 なぜこうなったかと言えば。

 

 まず正門を出るタイミングで……

 

「あ、いたいた! レイリ!」

「ワンコちゃん!」

 

 イヌコがやって来た。

 

「ワンコ言うな。ところで……」

 

 彼女の視線がオウカとクインを捉える。

 

「どういう集まりで? どこへ行くの?」

「御飯食べに行くの!」

 

 その言葉に、イヌコはこめかみを揉んで何かを考えていたが、少しして口を開く。

 

「私も行くわ」

「え?」

「だって貴方一人にしておくと心配だし」

「お母さんじゃないんだから……」

 

 イヌコはオウカとクインに確認を取る。

 

「という訳なんだけど……いいかしら?」

「……ん」

「別にいいk……ん?」

 

 オウカが言葉を切り、端末を出した。

 

「バイカ? どうした?」

 

 少しの間会話をしてから、一旦端末を離し、彼女らに聞く。

 

「なあ、もう二人追加しても良い?」

「「!」」

「……知り合い?」

 

 クインの問いかけにオウカは頷く。

 

「友達と、その後輩。昴咲の奴らなんだけど……」

 

 御飯食べに行かないかと誘われたらしい。

 とは言え、先約があると言ったところ、一緒に食べようと言われた訳である。

 

「どうする?」

「別に良いですよ!」

「……ん」

「(昴咲ならやって来るのは女子か。)ええ、構わないわ」

「感謝する」

 

 オウカは返事を伝える。

 そういう訳でハンバーガーショップで落ち合う事になった。

 

 

 ………………

 …………

 ……

 

 

 そうして四人がやって来たのはハンバーガーショップ。

 その前には三人の少女がいた。

 その内の二人をオウカは知っている。

 

「バイカ! ヒナ!」

 

ヒナタが来るとは聞いていなかった。

 

「どうしてここに?」

「バイカがサクと御飯食べに行くって聞いたから」

「そうか」

 

 納得するオウカだが、

 

((答えになっていないような……?))

 

 内心首を捻る者がいた。

 

 そして、│佩刀《バイカ》と│外套《ヒナタ》の二人と、もう一人。

 長い黒髪を三つ編みにして、眼鏡を掛けている少女。文学少女と言った風。

 

「彼女が後輩さん?」

「そう」

「はじめまして。シワス=ミユです」

 

 挨拶をしてから、ペコリと頭を下げるミユ。

 何でも、バイカの遠い遠い親戚らしい。

 

「どうもはじめまして。俺は……」

「サクヅキ=オウカさんですよね?」

 

 そう言ってオウカに一歩近づく。

 

「対校戦見ました。凄かったです」

「いやいや、まだまだだよ」

 

 誉め言葉に謙遜するオウカ。

 

「最近色々あって弱くなった。それに……」

 

 彼の脳裏に過るのは、かつて戦った強敵達。

 

「今も昔も――星は砕けないし、銀河系を消し飛ばす事すら出来ないから」

 

 その言葉に全員絶句。

 暫くしてイヌコがボソリと呟く。

 

「何を目指しているの?」

 

 最もな言葉だった。




【TIPS:文明レベル(この世界)】
(・▽・)<こっちは答えたから、答えてください、そっちはどうなんです?

(#ー#)<かなり進んでいるな。オブジェクトとかのおかげで

(#ー#)<色々なアーティファクト作られたし、魔法もあるから。

(#ー#)<ソレが使われなくても、技術転用が出来るからな。

(㈩*㈩)<移動は退化したけどね。

(#ー#)<まあな。……一応転移もあるけどお高いからな。
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