冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【コソコソ話】
(・▽・)<作中のキャラの設定は、明確に決まっている人と、

(・▽・)<ふんわりしか決まっていない人がいます。

(㈩*㈩)<ふんわり?

(・▽・)<ふんわり。身長とかが良い例です。

(#ー#)<そういや主人公(アイツ)は結構小柄だな。

(・▽・)<小さい頃の影響ですね。だから平均より低めです。

(・▽・)<なので、友達の幾人か……女性にも負けている人もいます。

(・▽・)<百合女とか、毒舌メイドとか、ヴィーとか。


CⅧ

 ◇◆◇◆

 

 

 そうして七人でハンバーガーショップに入り注文する。

 まもなく、注文の品を受け取り、席に付く。

 

「いただきます」

 

 全員席に付いたのを確認し、オウカは挨拶をしてから食べ始める。

 大きなハンバーガーに齧り付くオウカに、隣に座るヒナタが訊ねる。

 

「いつもそれ言うよね」

「感謝しないとだからな」

 

 食事を取れる事に。

 ハンバーガーの素材となってくれた物に。

 作ってくれた人に。

 その他諸々に。

 

 オウカの言葉にクインが頷く。

 

「その通り」

 

 そんな彼女にオウカはある事を悟る。

 

「そうか。お前もか……」

「ん」

 

 実はこの二人、食うに困る時があった共通点がある。

 お互いが感づいた。

 なので……

 

「いる?」

「ん。……ん?」

「貰う」

 

 オウカはポテトを、クインはナゲットを渡した。

 そして食べる。

 

 そんな二人に、何となく察した人と、察せられなかった人がいた。

 

「……ワンコちゃんどういう事?」

 

 察せられなかったレイリがイヌコに小声で訊ねる。

 それにイヌコは答える。

 

「多分だけど、二人共あまり御飯を食べられなかった時期があるのよ」

 

 レイリは察せられたので説明する。

 

「何で?」

「何でって……」

 

 流石に言いづらい。

 

(虐待とかよね? きっと……)

 

 そう思っていると、オウカとクインが口を開く。

 

「小さい頃、食事をまともに食えなかったんだ」

「ん。食事抜きがよくあった」

「ああ。おかげで背が伸びなかった」

「アタシも」

 

 苦笑する二人。因みにこの二人平均身長よりも低い。

 オウカは百六十程、クインは百四十程。

 結構小柄である。

 

 その言葉にレイリが謝る。

 

「ご、ごめんなさい」

「いや、いいよ別に」

「ん」

 

 悪気はないので許す事にする二人。

 

 そんな空気を変えようとイヌコが他の面々を見渡し、ヒナタで視線が止まる。

 

「ええと、ソラナキさん? でいいのよね?」

「ええ」

 

 昔のヒナタだったら、無視したかもしれないが、今の彼女はちゃんと会話をする。

 

「その服装は? 天ノ角(ウチ)にいた副会長みたいな感じ?」

「……ああ、あのハイカラさんとは違う」

 

 昔のヒナタだったら、答えなかっただろうが、今の彼女はちゃんと答える。

 

「これは代償。このコート、冥刀なの」

「あ、そうなの……。ごめんなさいね。嫌な事聞いちゃって」

「気にしないで」

 

 少し笑うヒナタ。

 かつてあった、ぎこちなさが取れていた。

 

「これしか着れないけど、猛暑も極寒も平気だから」

 

 おしゃれは出来ないけど、と心の中で付け足すヒナタだった。

 

 そういう風に七人は食事を楽しみながら、会話を楽しんだ。

 

 

 ■□■□

 

 

 食事が終わり、帰り道。

 レイリとイヌコは家が隣通しなので、一緒に帰っている。

 

「今日は楽しかった!」

「良かったわね……」

 

 お気楽なレイリに溜息を吐くイヌコ。

 そして考える。

 

(サクヅキ=オウカ。話してみてわかったけど、そこまで悪い人じゃなそうね)

 

 噂は所詮噂なのだろう。多分。

 偶に出て来る発言は物騒だが。

 

(これからこの子も関わっていきそうだし……)

 

 横目で幼馴染を見やる。

 

(私も関わって行かないと駄目か……)

 

 そんな事を思ってると、レイリが訊ねて来る。

 

「ねえワンコちゃん」

「ワンコ言うな」

 

 ……もう先輩を付けさせるのは諦めた。

 だが、ワンコと言う呼び方は認めない。

 

「サクヅキさんと模擬戦してみたいんだけど、どうすればいいかな?」

「え、普通に誘えば良いんじゃない?」

 

 模擬戦とかで使える部屋がプレイヤー養成高校には存在している。

 勿論天ノ角高校にもある。

 

「でも予約一杯だって聞くよ?」

「あ~」

 

 とは言え、いつも予約で一杯なうえ、何かあった時に決闘で決着を着けるため、空きがあるにはあるが、普通の在校生は使えない。

 

「だったら、サクヅキさんに相談してみたら?」

「そうだね! うんわかった」

 

 端末を出して操作し始めたレイリ。

 実は別れ際に連絡先を交換し合ったのだ。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 一方、オウカはヒナタの副業に付き合っていた。

 復讐は終わったが、続けるとの事。

 

 曰く。

 

『実戦を積めるし、お金も稼げるし』

 

 との事。

 

 オウカは何かしらの武器が手に入るので、付き合う事にしていた。

 

「……」

「どうしたの?」

 

 場所へ向かう道中、ヒナタが訊ねてきた。

 

「いや、ちょっとな」

 

 それに言葉を濁すオウカ。

 

 それにヒナタは踏み入るか、ここまでにして置くか、少しの間考えて。

 

「もしかして、│昴咲《ウチら》の後輩について?」

 

 踏み込む事にした。

 何かあったら遅いのだから。

 

 ヒナタの問いにオウカは少し逡巡してから、頷いた。

 

「ほら、シワスとか言う女の子」

「ああ、あの子? おっぱい大きかったよね」

「何の話!? 違うよ!?」

 

 ヒナタのボケにオウカはツッコミを入れた。

 それに少し笑いながら、ヒナタは続ける。

 

「冗談。何か気づいたの?」

 

 ヒナタが見て話した限りは、普通の少女に見えたが。

 それにオウカは顔を真面目にして告げる。

 

「アレ、死の匂いがかなり濃い。かなりの数殺ってる」

「!」

 

 ヒナタの顔が驚きに染まった。

 

「そうは見えなかったけど?」

「上手く隠せるタイプなんだろうな」

 

 戦闘者や殺戮者は同業者に気づかれやすい。

 だが、偶にその事を悟らせない人がいる。

 

「……よく気づいたね」

 

 ヒナタの言葉にオウカは笑みを浮かべこう言う。

 

「俺がどれだけの修羅場を潜って来たと思っている?」

 

 それにはヒナタは沈黙するしかない。

 ヒナタも色々修羅場を潜ったが、質も量もオウカには劣る。

 

「だからこそ……」

 

 オウカは棒手裏剣を出し、

 

「こういうのにも気づく!」

 

 後ろに投擲した!

 そこには誰もいないはずなのだが……

 金属音が響き、棒手裏剣が撃ち落とされた。

 

「!?(気づけなかった……。ウチ、鈍った?)」

「出て来いよ」

 

 ヒナタの表情が驚きに染まる。同時に自身の衰えにしかめっ面をする。

 オウカは姿を見せぬ相手に呼びかける。

 

 その言葉に隠れ潜んでいた者が姿を見せる。

 透明化していたのが、色が付く。

 それは――

 

「驚き。バレちゃった」

 

 クインだった。

 

「クインちゃん!?」

「……お前さん何している?」

 

 オウカの問いにクインは答える。

 

「面白そうだったから、付いて来た」

「ピクニックに行くわけじゃないんだから……」

「行っても良いけど?」

「深夜に行く奴があるか!?」

 

 ボケるヒナタにツッコミを入れるオウカ。

 

(なんだろう……。目を覚ましてから明るくなったというか……)

 

 よくボケるようになった。

 これが地だったのかもしれない。

 

(今までは無理してたのかな?)

 

 そんな事を思った。

 

(まあ今はそれは置いておこう)

 

 そして、クインに言う。

 

「今から行くのはカチコミだ。だから帰れ」

 

 死ぬ可能性もあるのだから。

 だが、クインは平然と言い放つ。

 

「大丈夫」

 

 そんな彼女にオウカは至近距離まで近づき。

 

「ほう……?」

 

 圧を浴びせる。

 熟練の戦闘者でも怯える程の圧。

 だが、クインはそれに平然としている。

 なので。

 

「ヒナ。連れてっても良いか?」

「いいけど……」

 

 チラリとクインを見てオウカに確認する。

 

「強いの?」

 

 気配遮断の腕前は凄かったが、それ以外はどうなのだろう?

 それにオウカは肩を竦める。

 

「わからん」

「はい!?」

「戦っている所、見た事ない。でも……」

 

 チラリとクインを見てオウカは続ける。

 

「強いとは思う」

 

 その言葉にクインは無表情を崩し、笑った。

 

 

 ******

 

 

 そうしてオウカ、ヒナタ、クインの三人がやって来たのは……

 

「豚共が学び舎とは場違いだ」

 

 今は使われていない学校。いわゆる廃校。

 

「まさか、廃校の体育館がアジトとは思わなかった」

 

 今回の的は≪禰御(ネオ)≫という半グレ集団。

 強盗やカツアゲを収入源としている屑共。

 なのだが、その資金で傭兵を雇ったり、武装を整えており、かなりの武闘派。

 なのだが……

 

「虫唾が走る」

「同感。腹が立つ」

「ん」

 

 この三人は平然としている。

 オウカはヒナタとクインに確認する。

 

「さて俺達の主目的は、この下衆共を圧倒的に壊滅させる事だ」

 

 頷く二人。

 ヒナタが訊ねる。

 

「一人も逃がさず?」

 

 その問いにオウカは、無言で自分の首に親指を付け、横に引き、言葉を発する。

 

「み・な・ご・ろ・し……だ」

「……おもてなしの親戚」

「そんな訳あるか!?」

 

 ボケるクインにツッコミを入れてから、最終確認する。

 

「オホン……。で? 殺せるか?」

「ん。直接は初めてだけど行ける」

「え!?」

 

 クインの言葉に驚くヒナタ。

 だが、オウカは何かを感じ取ったらしく。

 

「じゃあ頼む」

 

 こう言った。

 

 そうして武装する三人。

 

「今日は……これで行くか」

 

 オウカは左腕の黒腕から大鉈を作り出す。

 

「試し切り……、試し打ちかな?」

 

 ヒナタは外套のポケットからアクセサリーを出し、それを少し奇妙な形のグレネードランチャーに変える。

 このグレネードランチャーは【ムジョルジア】である。

 

 オウカはヒナタに譲ったのである。

 当然の如く断ろうとしたヒナタだったが……

 

『【テーセウス】が消えて武器ないんだから、受け取って置け』

 

 こう言われては返す言葉がなかった。

 

 実は、目覚める事は出来たヒナタだったが、それは身代わりに【テーセウス】がなったからだった。そのチカラは彼女に遺ったが、武器は消えてしまった。

 この間の騒動の時は、接近戦があまり出来ないので、外套を使った後衛で戦っていた。

 なので、幾つか条件付きで受け取った。

 

「んんん……。ん」

 

 クインは少し逡巡していたが、決めたのか武器を出す。

 それは大剣だった。しかも身の丈を遥かに超える上、二つ持っている。言うなれば双大剣。

 なのだが、クインは軽々と持っている。

 

「……使えるの?」

 

 素朴な疑問をぶつけたヒナタ。

 それにクインは答える。

 

「腕力じゃ無理だから、インチキする」

「インチキ?」

「お楽しみに」

 

 クインは口元に笑みを浮かべた。

 そうして突入と相成った。

 

 

 ■□■□

 

 

 体育館の入り口には門番がいる。

 

「ふあ~あ、眠い」

「おい、しゃっきりしろ!」

「でもこんな時間にカチコミなんて来ないだろう」

 

 だらけきっていたのだが……。 何かが近づいて来る気配に一人が気づく。

 

「んん?」

「どうした?」

「お、おいアレ……」

「あん?」

 

 指さす方向にいたのは三人の少年少女。……多分。

 

「ナンマンダブ、ナンマンダブ」

 

 身の丈以上の大剣を二本持ち、ヘッドホンを付けた小柄の少女。

 

「とりあえず……死んで詫びて貰う」

 

 奇妙な形のグレネードランチャーを持った、トレンチコートを着た少女。

 

「一人も逃げられません。全員死にます」

 

 大鉈を持った、長髪の少年……多分。

 

(な、なんだアイツら……。か、確実にヤベぇ……)

 

 呆然とする中、もう一人は咄嗟に反応して中に呼びかけようとする。

 

「て、敵s」

 

 最後まで言えなかった。

 

「喰らえ、グレネードラン……ちゃ~」

「何その言い方!?」

 

 コートの少女――ヒナタがグレネードランチャーを構え発射する。

 

「ギャアアア!?」

「ガバア!?」

 

 雷電の榴弾が門番と扉を粉砕する。

 丁度入れるようになったので、三人は突入。

 

「な、なんだお前ら」

「俺達が誰だかわかってるのか!?」

 

 臨戦態勢も取らず、喚く奴ら。

 真っ先に動いたのはヘッドホンの少女――クイン。

 

「……ん」

 

 まるで高所から落ちたかのような、凄まじいスピードで集団に飛び込み、双大剣を振るう。

 

「ギャアアア!?」

「ポベ!」

「ピュギャ?」

 

 一振りで三人が両断される。

 そのままクインは縦横無尽に暴れて行く。

 

「な、何だコイツ!」

「う、撃て撃て!」

 

 無事だった面々が銃を乱射する。

 

「……無駄」

 

 だが、対プレイヤー・モンスターを想定した弾丸は、クインに当たらない。

 到達する前に止まり、地面に落ちる。

 

「糞! チャカが効かねえ」

「だったらドス(コレ)だ!」

 

 接近戦を挑もうとする半グレ達。

 だが、リーチの差で到達前に倒されていく。

 

 そんな様子を見ていたヒナタが、大鉈の少年(?)――オウカに問いかける。

 

「アレって重力操作?」

「ああ、だろうな」

 

 この二人は気づいた。

 物の重さを変える事で双大剣を振るい、重力の向きを変える事で自身のスピードを上げ、重力の障壁で弾丸を防いだ。

 

「このままだと全部やられちまうな」

「そうなったら試せない……」

「「行こう」」

 

 そうしてオウカとヒナタも戦場に飛び込んだ。




【コソコソ話】
(#ー#)<そういえばさ、

(・▽・)<どうしました? トイレ?

(#ー#)<アホ! ちょっと気になった事あったんだけど。

(・▽・)<何です?

(#ー#)<今聞く事じゃないかもだけど、

(#ー#)<前に述べられた“勇者”って誰?

(・▽・)(㈩*㈩)<……。

(#ー#)<二人して無言!? 怖いよ!? 

(・▽・)<簡単に言えば、世界をどうにかしようとした人。

(㈩*㈩)<かなり昔の人だもね。一門(わたし達)全滅後に出て来た人だから。

(#ー#)<へえ。

(・▽・)<前にサクがカナタさんとの模擬戦で述べた。

(・▽・)<戦闘スタイル合一出来た人。……人?

(#ー#)<……人じゃねえの?

(・▽・)<ホモサピエンスなんですけど、スペックがおかしいので。

(㈩*㈩)<因みに冥刀二本持ち。……というか片方は天剣。

(㈩*㈩)<そして作中故人。というか何十年も前に死んだ。

(#ー#)<あん? じゃあ何でアイツと戦ってるの?

(㈩*㈩)<簡単に言えば……ジ〇ジョ一部のアレ。

(#ー#)<おいおい……。
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