(㈩*㈩)<そういえば、この新キャラの重力操作とステルスって、
(㈩*㈩)<何由来なの?
(#ー#)<クロス? 冥刀? ユニークスキル? 秘咒?
(・▽・)<ネタバレになりますけど、秘咒です。
(・▽・)<そして、サクにちょっとだけ述べてますね。
(#ー#)<強奪よりエグイとか言ってたけど……まさか!
(・▽・)<そう。この二つが手に入れた戦利品。
(・▽・)<詳しくはいずれ。
少しして訊ねる事にする。
「どれだけ死んだ?」
「……」
「実働部隊は一桁になりましたし、七大幹部に至っては……」
一拍置いて続けた。
「
「……」
予想を遥かに超える酷さに流石にミユは絶句した。
暫くして声を絞り出す。
「……人手が足りないのは本当のようだな」
「ええ。なので貴方に仕事を頼みたいのですよ」
「……もうコロシはしない。……出来るだけな」
カタギになる時に、決めた。
コロシは出来るだけしないと。
絶対と言えないのは、物騒な世の中を鑑みてである。
それに
「実は、組織が再編された結果、方針が変わりましてね」
「……」
無言で続きを促すと彼は続ける。
「離脱した者、裏切り者、任務に失敗した者は殺せ――と言う事になったのです」
「……」
その言葉にミユの圧が倍増する。
そして彼女は言い放つ。
「ふざけるなよ。こっちは命を懸けて完遂したんだ。それを全部無駄にする気か?」
更に周囲の温度が下がり、霜が降りて行く。
それに
「とは言え、メンバーも足りない今、抵抗もあるでしょう」
今のように、と足元を見る
彼の真っ黒な革靴にまで霜が降りていた。
それどころか、部屋全体に霜が降りている。
「只でさえ少ないメンバーを、更に減らす訳には行きません。そういう訳で……」
言葉を切って
「再編前の離脱者には仕事を請け負って貰い、それによって――是非を決めます」
その言葉に顔を顰めるミユ。
(随分曖昧な言い方……)
是非なので、成功しても、足抜けを認めて貰えない可能性がある。
再度仕事を振られる可能性がある。
それならまだ良い方。下手をすれば殺される。
なので、ミユは確認する。
「で? 私に何をさせる気だ?」
「おや、引き受けてくださるんですね」
「それ以外に選択肢はないだろう」
その言葉に
「助かりました。貴方の正面衝突は避けたいと思っていたので……」
「よく言う」
実はこの二人、戦闘スタイルがかなり似ている。
そして、ぶつかり合った場合、勝ち負けはケースバイケースとなる。
「ではこれを」
そう言って
受け取るミユ。
それを見てから
「これを完遂した暁には、組織からの脱退を認めるとの事です。では失礼します」
その言葉と同時、水に沈むかのように
霜が降りた部屋に一人佇むミユ。
暫くの間、そのまま立っていた。
「はあ……」
いつまでもそうしている訳には行かない。
溜息を吐いて、封筒を開ける。
その中にあった折りたたまれた紙の中身を確認する。
暫くそれを眺めていた。
まるで見続けていれば、中身が変わらないかと思うかのように。
だが、変わらない。変わる訳がない。
そして。
「はああああああ」
二度目の溜息。先程より長め。
紙を折り畳み、封筒に仕舞い、その封筒を懐に仕舞う。
そのまま、壁際に向かい、部屋の空調を付けて、霜が取れるようにする。
そして、這いずるように歩き、リビングを出た。
向かったのはベッドだけの部屋。彼女の寝室。
制服のままベッドに倒れ込む。
このまま寝たら制服に皴が付く上、シャワーも浴びておらず、歯も磨いていない。
どう考えても現実逃避。
なのだが。
「今日は寝よう。明日の事は明日の自分に任せる」
そう言った。
もう何をする気分も起きない。
少しして、寝息を立ててミユは夢の世界へ旅立った。
▼▽▼
シワス=ミユ。
今は名前を持つ彼女だが、かつては名前すら無かった。
物心ついた時にいた組織では、最初は番号で呼ばれていた。
その組織はいわゆる殺し屋。
とは言え、誰かれ構わず殺す訳ではなく、人や社会に迷惑をかけるもの――プレイヤーやモンスター含む――を殺す組織だった。
その後、訓練期間が終わり、正式に仕事をするようになって、コードネームを貰った。
それが――
そして、仕事をこなしていったが、彼女の胸にいつもあったのはとある思い。
それは――
『こんな仕事、とっとと辞めたい』
であった。
命を奪う仕事など全く楽しくない。……一部楽しんでいる者もいるが、自分には理解出来ない。
そもそも毎回毎回、命の危険に陥る仕事など、やってられない。……一部楽しんでいる者もいるが、アレはイカれているだけだろう。
仕事先の所を見て回っていると、自分と同年代の者が学生生活を楽しんでいるのを見る。
友達と遊んだり、勉学に励んだりなどの学生生活を送ってみたいと思っていた。
だからこそ、高難易度の仕事を達成した時に、何でも好きなものをやると言った上司である
それに
『わかった。ただし幾つか仕事を受けて貰う。これを達成したら認めよう』
それは三つの仕事。
勢力を伸ばしつつある麻薬カルテルの殲滅。
未踏破ダンジョンの完全破壊。
とあるネームドユニークボスモンスターの討伐。
それは誰もやらず、やりたがらず、やっても失敗ばかりの塩漬け依頼。
だが、彼女はそんな無茶・無理・無謀をやり遂げた。
そして……
『ほら、報酬だ』
戸籍を手に入れ、脱退を認めて貰えた。
『知り合いの娘って事にした。これで学生生活が出来るぞ』
受験に合格すればな、
だが、流石にすんなり行き過ぎたので怪しんでいると、
『安心しろ。罠じゃない。元々の決まりなんだ』
何でもそういう人達は他にもいるらしく、こう言う決まりが出来たとの事。
『まあ、一部の奴らは脱退したら死、とか言っているがな』
流石にそれはやり過ぎだと、彼は思っていた。
それにようやく安心した彼女は表情を崩し、一礼する。
『お世話になりました』
『じゃ、達者でな』
そうして組織を抜けた。
その後、勉強して、受験して無事に合格。
新しい生活が始まる……はずだったのだが。
こうなってしまった次第だった。
■□■□
翌朝。
ミユは目覚める。
「そう言えばこのまま寝たんだった」
起き上がり伸びをする。
(昨日の事は夢……)
ではなさそう。
懐には封筒が入っている。
「はあ」
溜息を吐いて学校の準備をし始める。
休もうかとも思ったが、流石にいきなり休むのはどうかと思ったので、行く事にする。
シャワーを浴び、替えの服を着て、朝食用に買いだめしている、ゼリー飲料を飲み、準備を終える。
「いってきます」
そして、家を出た。
通学路を歩きながら、思考する。
(依頼は前と同じ三つ)
狙ったのだろうか? それとも嫌がらせ?
どっちもだろう。多分。
(一つ目はどうにかなる。寧ろ得意分野)
ある政治家の暗殺。
やっている事は完全に外道なので、全く良心が痛まない。
(二つ目は――まあ可能)
とあるダンジョンの破壊と、ボスモンスター撃破。
これも特に問題はない。
(問題は最後。三つ目)
これも暗殺。
なのだが、まだ対象未定との事。
(どういう事だか……)
また溜息を吐きそうになるが、幸せが逃げそうなので、堪える。
そして、脳内でスケジュールを組み立て始めた。
◇◆◇◆
朝。寝るのが遅かったオウカだが、決まった時間には起きれる。
「置きます、じゃなかった、起きます」
眼を開けて、起き上がろうとするが……
「……?」
両側に何か柔らかいものがあり、起き上がりにくい。
「……またか」
掛け布団を剥がすと、そこには二人の裸の女性。
マユとネラだった。
「朝? 準備しなくちゃ……。あ、おはよう」
マユが体を起こし、眼をこすりながら言う。
真っ白な肌。胸と尻はそこまで大きくないが、どちらも形が良いうえ、くびれもあるので芸術的な美しさがある。
「手伝。
ネラはまだ寝っ転がったまま。因みに、蟻形態ではなく、人形態。
褐色の肌をしており、胸と尻が大きいが、バランスは悪くない。
そんな二人に沈黙するオウカ。
あの騒動以来、寝床に潜り込んで来るようになった二人。
流石に色々問題がある気がするので、最初に潜り込んで来た翌日……休眠状態が解除された時に聞いてみた。
『何しているの? 二人共』
『人肌が恋しいかなって思って』
『右同、温必』
『いや、だからって……その恰好は……なあ』
因みにちゃんと眼は逸らしているオウカ。
そんな彼に二人は言い切る。
『シたいならどうぞ。リリアーヌ死んでからシテないでしょう』
『
『……』
それには沈黙するしかないオウカ。
そんな彼に二人はそのまま抱き着いて来た。
『ごめんね。冗談だから。本当に嫌なら止める』
『目覚、貴方、不居、畏怖』
どうやら色々怖くなったらしい。
なので、止めろとは言えなくなってしまった。
(まあいいや、柔らかい抱き枕と思えば)
二人が一緒だと、悪夢が見ない。そして、目覚めがスッキリするので、オウカは止めなくなった。
……意外とこの男、神経が図太い。
閑話休題。
とりあえず、三人は起き上がり、服を着て、オウカは鍛錬、マユとネラは朝食の準備を始める。
そして、三人で朝食を取る。
メニューは定番の和食。
今日は御飯、野菜の味噌汁、ゆで鮭の切り身。
「今日はどうする?」
オウカが二人に訊ねる。
それに彼女ら二人は顔を見合わせて、オウカの方を向いて言う。
「今日も行かない。やる事あるから」
「右同」
半ば予想出来た答え。
「……」
それにオウカは少し沈黙後、
「わかった」
これだけ言った。
そして、朝食を食べ終え、オウカは学校へ出発する。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
「気付」
少しの寂しさを感じながら、オウカは自宅を出た。
■□■□
オウカが出発すると、マユとネラは分担して家事をする。
掃除、洗濯、食器洗いとまあまあに作業があるが、今は機械が大抵やってくれるので、そこまで時間はかからない。
家事を終えると、二人は地下にある鍛冶場に入る。
「じゃあ始めよう」
「了解」
そうして、二人はオウカには内緒の作業を始めた。
◇◆◇◆
オウカの家から学校までは十分程。のんびり歩いていると……
「俺の後ろに立つな」
突如、左拳を背後に突き出す。それは何かに受け止められた。
響く金属音。
それと同時、迷彩が解除されそこに人が現れる。
「気配殺して近付くのやめて」
オウカの言葉に、拳を五指が鉤爪になっている巨大籠手の掌で受け止めていた人――クインが答える。
「ん。見かけたからつい」
「……そうか」
答えになっていないが、納得したオウカ。
歩き出したオウカに、クインは籠手を腕輪にしてから、オウカの隣に並ぶ。
そうして二人で登校する。
「昨日は寝れた?」
「あまり。授業中に寝る」
「真面目に聞きなさい」
雑談しながら歩いていると、
「おっはよーございます!」
「おはよう二人共」
現れたのは、レイリとイヌコ。
元気そうなレイリにオウカは言う。
「……元気そうだな」
「はい!」
そんな様子にクインが少し羨ましそうに言う。
「ん、分けて」
「どうやって!?」
「エナジードレイン」
「出来るの!?」
「まだ出来ない」
「出来るようになるの!?」
ボケる(?)クインにツッコミを入れるレイリにイヌコが呟く。
「それだけが取り柄だものね」
「ワンコちゃん酷い!」
「私はイヌコよ」
いつもの会話(?)を交わした後、レイリがオウカに聞いてくる。
「そういえば先輩」
「うん?」
「昨日のメール見ましたか?」
「いや、見てない」
昨日はハンバーガーショップの食事会の後、野暮用が遅くまでかかってしまったので、そんな暇がなかった。
端末を見てみると、着信が一件。レイリから。
メールを開いて見てみると、そこには模擬戦をしましょうとの内容。
思わず、レイリの顔を見ると。
「戦いましょう!」
笑顔で彼女はのたまった。
【TIPS:組織】
(#ー#)<殺し屋の組織だ。名前はないから単に組織と言う。
(#ー#)<まあターゲットは悪人だけじゃねえけど。
(・▽・)<モンスターとか、ダンジョンも含むのですね……。
(・▽・)<でもそう言うのって、専門家に任せないんですか?
(#ー#)<世の中、色々あるんだよ。見えとか、利権とか。
(・▽・)<……納得しました。
(#ー#)<話を戻す。七人のトップと二十四人の構成員が正式メンバー。
(#ー#)<こいつらはギリシア文字のコードネームを持つ。
(#ー#)<そして、準構成員と訓練生がいる。
(#ー#)<まあまあ上手くやっていたんだが、内部抗争が勃発。
(㈩*㈩)<人間がバグってる奴の、内部抗争みたいな?
(#ー#)<その例えはどうかと思うが……。近い。
(#ー#)<幹部二人の抗争が飛び火して全員巻き込まれ、かなり死んだ。
(・▽・)<つまり、株式会社モ〇リーみたくなっているんですね!
(#ー#)<近いが凄まじく遠い。
(・▽・)<……? どういう事です?
(#ー#)<詳しくは追々だが、一つだけ。
(#ー#)<毛〇じゃなくて、銀〇が勝ったらどうなっていた?