(・▽・)<クインさんのチカラについての詳細は追々。
(㈩*㈩)<アレだけでも十分強いけど……。
(・▽・)<まだ一端しか出ていない上に、
(#ー#)<上に?
(・▽・)<まだ強化する余地がある。半分程。
(㈩*㈩)<うわあ……。
(#ー#)<……(ん? 半分ってどういう事だ?)。
手札を出し過ぎたせいで、ピンチに陥った事のあるヒナタにはちょっと痛い言葉。なので頷いておく。
「……まあ、確かにね」
ヒナタはアクセサリー状態になっている冥刀を見た。
(まだウチの事を認めてないし)
実は【ムジョルニア】、ヒナタの事を完全に認めていない。まだ畢竟どころか、半分程しかチカラを引き出せない。
(複数使っているのが気に食わないのかしら)
そんな事を思った。
そこへオウカから声が掛かる。
「相性とかもあるけど、半分は貸してくれてるから大丈夫だと思う」
「そう?」
「うん」
これは複数使ったオウカの経験則だった。 そう言った彼にヒナタは少し嬉しくなり、彼の腕に抱き着く。
「当たってる」
「何が?」
わかっていて聞くのがヒナタ。因みにスタイルは結構良い方。
「……胸」
「当ててるの」
笑うヒナタと、少し恥ずかしそうなオウカ。
因みに、こんな事他の人には絶対しないヒナタである。
そんな彼はある人物を思い浮かべる。
(そういえば、シワス=ミユの戦い方は見れなかった)
出来ることなら見たかったが、仕方ない。
「いずれ機会はあるさ」
「? 何が」
「いや、こっちの話」
■□■□
「クシュッ」
クシャミの音が響く。
模擬戦が終わってから数時間後。つまりは夜。
場所は廃ビル。その屋上に一人立つ者がいた。
「誰か噂をしていたのかしら?」
夜闇に潜む装備に身を包んでいるのは、シワス=ミユ。
彼女はターゲット達を始末するためにここにいた。
(生命反応多数)
ミユは、自身のチカラの副産物で、熱源感知を可能としている。
かなりの人数がいる。なので
「雑魚は一気に始末する」
ついでに閉じ込めておく。
右手にチカラを集中させて屋上の地面に置く。
そして、発動した。
「〈
空間を凍結させる事で、まずは逃げる事を封じ、
「
極低温の霧を散布させる。触れたら即座に凍結して死亡する。
雑魚狩にはピッタリ。
そうしてもう一度探知。
(生き残ったのは、
意外と残った。
どうやら腕利きもいるらしい。
「残りは地道にやるか」
そうして彼女は屋上からロープを使って飛び上がる。
そして、
「失礼します!」
生存者がいる所へ、窓ガラスをぶち破り飛び込んだ。
「て、敵襲!」
「お前がやりやがったのか!」
「死ね!」
警戒していたのだろう。
即座に攻撃を仕掛けて来た。
ミユに襲い掛かる衝撃波、砲弾、光弾。それの雨霰。
だが、それらは彼女の眼前に現れた氷の盾により防がれる。
一枚では無理だと判断したのか、複数枚現れる。
「〈
特殊な氷の結晶から様々な器物を作り出す技。
氷の盾は攻撃全てを防ぎ切る。
ミユのお気に入りであり、更にここから重ねる。
「〈剣〉」
氷の盾の影から飛び出し、氷のサーベルを二本作り出し、そのまま切り込む。
「飛んで火にいる夏の虫ぃ!」
槍を持った護衛がミユに襲い掛かる。
凄まじいスピードで突きを繰り出すが、ミユはそれを紙一重で避け、そのまま自分の間合いに入る。
「それはこちらのセリフ」
「ギャア!」
氷のサーベルで斬り捨てる。
残り三人。
(次に狙うのはアイツ)
ミユがターゲットにしたのは。両手持ちの大砲を持つ者。だが、この大砲、接近戦にも使えるらしく、即座に持ち方を変え、棍棒のようにする。
「死ねやあ!」
フルスイング。
それはミユを捉え粉々に砕いた。
「あん?」
感触はおかしい。そもそも人間は粉々に砕けない。
「どういうk」
その答えはすぐに分かった。
一応保っている氷の盾の裏に気配がある。
「まさか!?」
ある可能性に思い至る大砲使い。
「今のは分身だったのか!?」
〈
普段は壁役のゴーレム、足代わりの馬や鳥、対軍勢の兵士を作る事が多い。
そして、制限は幾つかあるが、自分とほぼ同じステータスの分身すら作れる。
斬りかかったのはコレ。
彼女本体は氷の盾に潜み、大技の準備をしていた。
そして発動する。
「〈
氷盾から顔を出し、眼から冷凍光線を放つ。
絶対零度の光線は、大砲使いと光使いを凍結させた。
残り一人。
(護衛は始末した。後はターゲットだけ)
絶死の白霧は部屋を充満させて、死ぬのを待っているが中々死なない。
なので、氷のレンズを作り、様子を伺うと……。
(結界か……)
結界の中央にターゲットである政治屋がうずくまり震えている。
「それならこれは?」
氷の武器の雨霰。
だが、それすら弾く。
どうやらかなり高性能らしく、自身の攻撃が通らない。
(どうしよう)
このままだと粘られる。
向こうの増援が来る可能性もある。
ならば。
「疲れるけど、仕方ないか」
彼女は最後の奥の手を発動させた。
「〈
紅の睡蓮が咲き誇り、全ての命が凍って砕けた。
◇◆◇◆
模擬戦から数日後の休日。
とある場所にオウカの姿はあった。
「最近平和だな」
「そうですね」
街外れにある教会。そこの庭でマリアとティータイムを楽しんでいた。
オウカは彼女の元を訊ね、それをお茶とお菓子で出迎えた訳だった。
この教会は一年程前の大聖女騒動の際に、血生臭い事が多々あったせいで、聖霊教からも放置されていた物を、マリアが改竄装置の騒動の報酬として譲り受けた。
それを自分でDIYして住みやすいようにして、彼女は一人で暮らしていた。
因みに柄の悪い奴らの溜まり場になっていたが……
『二択です』
そんな奴らに破戒修道女が容赦するはずもない。
『ここから今すぐ消え失せるか、この世から消え失せるか、選びなさい』
その言葉に相手との実力差も分からない面々は騒ぎ立てる。
『何だと? このアマ』
『ボコして犯してやる』
『その後、売ってやる』
マリアの地雷を見事に起爆してしまった。
その結果、彼らがどうなったかと言えば……
『黙りなさい』
『ぐべ!?』
『虫けらのように』
『ぎゃあ!』
『死になさい!』
『ぶぎゃ!』
全員マリアによって半殺しにされた末、
『臭え!』
『た、助けt』
『許してぇー』
呼びだされたオウカによって穴吊り拷問に処された。
『半年熟成の排泄物です』
『糞は糞を食うのがお似合いだ』
実は教会の地下に拷問用の施設を作ったマリア。
改竄装置の黒幕である、ワクイを苦しめるための場所を探すのに、手間取ったオウカのために特別にあつらえたのだ。
『必要な時はいつでも言ってください』
『ありがとう』
『いえいえ、どういたしまして』
因みに、初めての拷問者の三人は、流石に問答無用で殺す程の悪事はしていないと言う事で見逃された。
とは言え。
『これからは真面目に生きなさい。でないと』
『『でないと?』』
『先程までの拷問が、天国だったと思える苦しみを味合わせます』
『『これからは真面目に生きていきます!』』
脅しはしておいたが。
閑話休題。
お菓子のクッキーを食べながら、オウカはふと気になった事を訊ねる。
「そういえば収入はどうしてるの?」
燃費の良いマリアだが、流石に飲まず食わずでは衰弱する。
その疑問に彼女は微笑んで答える。
「モンスターを仕留めたり、ヒナタさんとカチコミしたりですね」
何でもヒナタやシロの伝手を頼り、裏で売れる所を教えて貰ったらしい。
「だから安心してください」
「おう」
そんな他愛もない話を続ける中、マリアがある事を切り出す。
「この前の模擬戦あったじゃないですか」
「ああ」
「それで、カヤさんからお願いをされまして……」
何でも学外実習への引率を頼まれたらしい。
しかも、五校全て。
“かきくけこ”全員から頼まれたらしい。
「何でも去年物騒な事があったそうで」
「ああ」
モロに関わったオウカが何があったのかを話す。
それに沈痛そうな顔をするマリア。
「人死が出なかったのが救いですね」
「まあな」
今の時代何があってもおかしくない。
「それで? 引き受けるの?」
「サク様が良いというなら」
その言葉にオウカは内心顔を顰める。
(そこも変わっていないか……)
心の中で、溜息を吐く。
マリアは過去の壮絶な経験から、自分の意見を持たない、もしくはあっても言わず、オウカの意見に従う。
何度か改善しようとしたが、
『ワタクシは自分の考えを貫いた結果、全てが裏目に出ました。だから、自分の意見を持ってはいけないのです』
トラウマが根深過ぎて無理だった。
「(まあ地道にやるしかないか。)報酬とかは?」
考えや思いを表には出さず訊ねたオウカ。
それに知ってか知らずかマリアは答える。
「金銭ではなく、身元を保証してくれたり、後ろ盾になってくれたりするそうです」
「それはいいな」
この世界の出身であり、(一応)戸籍を持つオウカと違い、彼女は異世界出身。そういうものが一切ない。
「なら受けたら?」
「サク様がそういうならそうさせて貰います」
そういうわけでマリアは端末を出し、ぎこちない手つきで操作し始める。
(そういや機械苦手だったな)
それを微笑まし気に見守りながら、思い出したオウカだった。
……
…………
………………
そして、教会を後にしたオウカ。
(どこ行こうかな……)
実のところ、オウカは趣味と言えるものがない。
鍛錬もするし、読書もするし、映画を見たりするし、惰眠を貪ったりもするので強いて言うなら多趣味。
なので、こういう散歩も趣味の一つと言えるかもしれない。
そんな中で街を歩いていると、声が掛けられる。
「アレ? サク君?」
「その声は……」
振り向くとそこにいたのは、一人の少女。
「ジンナ」
黄色の髪をしたボーイッシュな少女。
休日なせいか私服姿。ズボン姿なので、男子と言っても通じる。特徴的なのは両手には鈍色の腕輪を付けている事だった。
「こんなところでどうした?」
オウカの問いにジンナは少しバツの悪い顔をする。
「ん、ちょっとね」
それに言いにくい事だと察してオウカは深く訊ねない事にする。
「(隠して起きたい事はあるよな。)こっちは散歩だ」
そう言ったオウカ。
「散歩好きだよね、サク君」
「どうだろう?」
ジンナの言葉に首を捻り考えてみる。
数秒考え出した結論は……
「かもしれない。偶にフラフラしたい時あるから」
「人生もフラついているからね」
余計な事を言ったジンナに対し、オウカはそのままにしておくつもりなく。
「戯言をほざくのはこの口か? この口だな」
「
ジンナの頬を引っ張るオウカ。
流石に痕が残らないように手加減はする。
「あ、柔らかい」
「
一分程引っ張ってから、オウカは訊ねる。
「もう言わない?」
「
「ならいいか」
手を頬から離す。
「痛かった……」
「本気だったら千切ってるからな」
「怖!?」
因みにオウカ、素手で人の耳を引き千切れる。
マリア? アレはデコピンで人を河童、落ち武者、ザビエル(要するに頭無し人間)に出来る。
「次言ったら……」
「言ったら?」
「乳をもぐ」
「やめて!?」
思わず胸を隠すジンナに続ける。
「そして、腐ったホルスタインの乳を移植する」
「そこまでする!?」
因みに、この拷問、モンセラートの手伝いで何度かやった経験を持つオウカである。
「ま、冗談だ」
「そ、そうだよね。友達にそんな事……」
「今の所」
「怖いよ!?」
このままだと色々不味いと感じたジンナ。下手をすれば、自慢の胸(実は結構スタイルが良いので密かに自慢に思っている)がホルスタインになる。
何か話題はないかと思った時、ふと自分の用事と、最近のオウカの行動を思い出す。
「そ、そういえばサク君、武器探しているんだよね?」
「ん、ああ」
オウカの友人達は、彼が手に入れた冥刀の詳細を聞いている。
そのピーキーすぎる能力に、何人か(クラフターでもあるカナタ、宗教団体の幹部であるリア)が協力を申し入れたのだが、オウカは断っている。
曰く。
『下手するとお釈迦だし、頼りきりなのは何か違う』
との事。
「だったらさ、会ってみない?」
「誰に?」
「ボクが最近お世話になっている鍛冶師に」
【TIPS:ミユのチカラ】
(#ー#)<簡単に言えば、氷や冷気のチカラだな。
(・▽・)<クロスや魔法じゃないのですか?
(#ー#)<そうとも言えるし、そうじゃないとも言える。
(・▽・)<?
(#ー#)<ネタバレになるけど、言うか。本編でやるかわからんし。
(#ー#)<氷属性の魔法、レッドクロス〔氷〕、とあるモンスターから手に入れたユニークスキルが、
(#ー#)<秘咒によって混ざり合って生まれた。
(㈩*㈩)<あ。もしかして……B〇ECHの主人公みたいな感じになる?
(#ー#)<ああ。アレと同じで色々混ざり合っているから、
(#ー#)<封印や強奪が不可能。デバフ系もかなり効きづらい。