(・▽・)<様々な技術が発達してますけど、やっぱり“不死”って無理なんですね。
(#ー#)<そりゃそうだ。そういう概念系を突破するモノだってある。
(#ー#)<幾ら再生力が高かったり、転生出来ても、欠点や攻略法がある。
(㈩*㈩)<冥刀にも特攻のモノが幾つもあるからね。
(#ー#)<因みに、不死に近いモンスターは……
核を破壊されない限り無事。
回数・残機性の不死。
特定攻撃・手段以外無効。
上記の複合、それ以外。
(#ー#)<こんな感じだな。
★☆★☆★
プレイヤー然り、モンスター然り、不死に近いモノは存在する。
防御力や再生力が高いモノ、核を潰されない限り、死なないモノ、特定条件を満たさないと傷一つ付かないモノ、天敵以外には無敵などなど。
色々な種類があるが、ただ一つ共通項が存在する。
それは――完全な不死な存在はいない事。
スキルや装備で無敵・不死を誇っても、それを貫通するモノは必ず存在する。
現に叢雅はそういうモノを無効化・貫通する冥刀を作り上げている。
今回オウカ達が攻略しているダンジョンにいるモンスターの内二体――【ソウオロチ】と【スターキャンサー】はそれに該当する。
蛇は防御性能が凄まじく高いうえ、再生力が高い。そのうえ、頭部にある核を同時に潰さないとならないという条件まで持っていた。
蟹は数多の術技に防御、耐性、再生、回復が存在している。だが、一つずつしか使えないうえ、攻撃などを優先している時は、使えない。
だからこそ今回は両者共に突破されてしまった訳だが。
◇◆◇◆
三体目の中ボスを撃破し、オウカとミユは嘆息する。
「疲れた……」
「……本当に」
前の二体――獣と蛇――よりは早く終わらせたが、それでも疲労はある。
「四対目は休んでからにしよう」
「はい」
オウカの提案に素直に頷くミユ。
そして、二人は用意していた軽食を食べ、水分補給した後、仮眠を取る事にする。
「見張り頼む」
「お願いします」
「ん」
「了解」
ネラとマユに見張りは任せ、オウカとミユは仮眠を取った。
……
…………
………………
一時間位は眠っただろうか。
先に起きたのはミユ。
「……おはようございます」
「おはよう」
「未寝、平気」
「大丈夫です」
取り敢えずコーヒーの準備を始める。
「マユさんとネラさんも飲みますか?」
「お願い」
「飲料」
そして、四つのカップが準備出来た頃……
「起きます」
オウカが起き出した。
そんな彼にミユがコーヒーを渡す。
「どうぞ。砂糖とミルク一つずつで良いんですよね?」
「ああ。ありがと」
四人でコーヒーを飲む。
「沁みる……」
「インスタントでも美味しいです」
「中毒者の人もいるのがわかる」
「同意。適度、最適」
ダンジョンの中とは思えないまったりとした時間を過ごす四人だった。
……………
…………
………
休憩を終え、最後の一体を倒しに行く。
「どんな奴だっけ?」
「鳥です」
姿形が不明なダンジョンボスに対して、中ボスはある程度の情報がある。
ステータスが高い【サーベライガー】、防御と回復の【ソウオロチ】、多彩なる技巧者【スターキャンサー】。
そして最後の一体が……
「ステルスと遠距離攻撃の【コカクチョウ】です」
因みに漢字で書くと、“呉斯躯鳥”。妖怪の“姑獲鳥(うぶめ、もしくは、こかくちょうと読む)”ではない。
「姿を消して、遠くから爆撃して来るそうです」
「シンプルにウザいタイプだな」
つまりは広域を一気に殲滅できる手段か、索敵して遠距離に当てる手段がないとどうしようもない。
「まあ、幸いな事に私も先輩もありますし」
「まあな」
ミユとオウカは共に前者と後者の手段がある。なので少し安心していたが。
(こういう時に限って上手く行かないんだよな……)
そんな予感を感じたオウカだった。
そして、それは的中した。
●○
「……」
「……」
「「……」」
「……ステルス性能……凄まじかったな……」
「……はい。まさか、あそこまでとは思いませんでした」
「見えない、聞こえない、匂わない……位は予想していたけどさあ」
「熱感知が通じないとは……」
「糸を使った感知は、羽を飛ばして攪乱して来やがるし……」
「完全情報不足でしたね」
「だな。文句言ってやれ」
「……やめたんで言いづらいです」
「それもそうか」
「そうです」
「……」
「……」
「「……」」
「「はあ……」」
「しかも広範囲攻撃は上手く避けるし……」
「擦り抜けまでしてきましたし」
「……まあ、極短時間しか使えないのと……」
「……ステルスと同時には使えないのが救いでしたね」
「同時に使えたらどうなっていただろう……」
「言わないでください。考えたくもない」
「それもそうか」
「そうです」
「……」
「……」
「「……」」
「「はあ……」」
「結局、勘で俺が狙撃して、一瞬動き止めた所へ」
「私が凍らせてマーキングして」
「後は、消耗戦でしたね」
「チマチマ削ってどうにか倒したけど……」
「もうやりたくありません」
「同感だ」
「……」
「……」
「「……」」
「先輩今、何想像しました?」
「そっちこそ。何を思い浮かべた?」
「「……」」
「同時に言いましょう」
「ああ」
「「せーの! ラスボスが中ボス全部のチカラ使えたらどうしよう!?」」
◇◆◇◆
そうして四人はダンジョンを出て、昨日のキャンプ地に戻る。
「今日はもう無理……」
「……疲れました」
そんな疲れ切ったオウカとミユに、マユとネラは声を掛ける。
「わたし達がやって置くから休んでいて」
「
そうしてマユは食事の準備、ネラは見張りをし始める。
なのでオウカとミユは食事まで休む事にする。
出したビーズクッションにもたれるように座る、もしくは寝転がる。
「はあ……」
「ふう……」
十分程そうしていただろうか。
ミユが口を開く。
「……起きてます?」
うつ伏せになっていたオウカから返事が聞こえる。
「ああ。寝てないから平気」
目はつぶっていたけど、とオウカは心の中で続けた。
「何か話しませんか?」
「良いけど……。何を?」
昨日は趣味について話した。
他の話題はあるだろうか。
それに、ミユは少し微笑む。
「何でも良いじゃないですか。命だって預け合いましたし」
「まあな……」
今日の二戦は先日とは打って変わって共闘と相成った。
どちらも一対一だと、勝てないとは言わないが、少しきつかった。
「案外すんなり共闘出来ましたし。……まあ先輩合わせてくれたのもありますけど」
「共闘の経験は結構あるから」
異世界では一人だった時は案外少なく、いつも誰かしらと一緒にいた。
そのためいつしか、相手に合わせるのが上手くなっていた。
「戦闘スタイルも色々……でもないな」
「あれま」
「接近戦ばかりだったな……」
冥刀は色々な形・性質・能力を持つが、やっぱり刀剣が多い。
一応、身近にある物を武器にするため中距離・遠距離もこなすモンセラート、糸が得物のディアン、投擲武器であるチャクラムを得物としているアンジェリカのような例もいた。
だがしかし、三人共バチバチに接近戦でやり合える。
刃物の扱いは達人クラスのモンセラート、糸を近接武具に変え戦うディアン、チャクラムをメリケンサック代わりにして殴りにかかるアンジェリカ。
(アレ? もしかして皆脳筋?)
今更な事を思っていると、ミユが何かを思いついたような顔をする。そして聞いて来る。
「先輩」
「ん?」
「その友達や仲間に付いて教えてくれませんか?」
「……」
「嫌ならいいですけど……」
「別にいいよ。時間はあるから」
●○
「そう言えばさ、友達と仲間の違いってわかる?」
「……ああそう。わかるか」
「一緒にいると楽しかったり、気楽だったりするのが――友達」
「目的や目標が一緒で、共に高め合ったりするのが――仲間」
「俺が交流した奴は両方当てはまるのと、片方しか当てはまらない人がいる」
「……まあ、どっちにも当てはまらないのと、微妙な人もいるけど」
「目的に協力した奴もいるからね」
「セラなんかは正にそれだな。アイツの生業を手伝っていた」
「仕事人の残酷ver。ターゲットを苦しめて殺すのとか」
「後、復讐者の復讐を手伝ったりした。アレイナとかカスミとか」
「意見相違……どころか会う度に殺し合いした奴もいるし」
「コジュウロウなんか良い例だな。アイツは知的生命体抹殺を誓ってたうえ」
「カスミの仇だった。アイツの家族、友達、兄弟弟子、師匠を殺していたから」
「それでも戦いで交流した。結構剣技を教えて貰ったけど」
「アイツ戦いを楽しむ派だったから。……だからソルの奴とも付き合いあったんだな」
「そんで、この手でトドメを刺した奴もいる」
「さっき述べた二人。この手で殺した」
「え? それで仲間や友達と言えるのかって?」
「言える。ちょっと話を戻すけど、友達と仲間の共通点で何だと思う?」
「……。正解は――心が通じ合ったかどうかだ」
「アイツ……ユウナとは一時間もない
「彼女はそう呼んだし、俺もそう呼んだから」
「……。思えば色々な人に会ったな。人じゃないのもいたけど」
「ん? 人じゃないってどういう意味かって?」
「冥刀だよ。大なり小なり自我があるから」
「まあそれも当然だけど。そもそもアレ、人の魂が素材に使われているし」
「……口が滑った。今のは聞かなかった事にしてくれ」
「……え? 出来ない? ちゃんと説明しろ?」
「友達や仲間の事は今度聞くから?」
「……わかった。でもちょっと待て。
……
…………
………………
「良いってさ。でも他言したら殺すってさ。それでも聞く?」
「即答か。度胸あるね」
「じゃあ話す。そもそもさ、冥刀って何だと思う?」
「え? 凄い武器? まあ間違えじゃないけど、半分しか合ってない」
「正解は――」
「生物と兵器、有機物と無機物の中間だ」
☆★☆★☆
冥刀。
この世界の住人にとっては、謎が多い。そもそも異世界の産物なのだから当然。
一般には、
魔力等のエネルギーを吸収して、そこにあった武器が変異して、自然に出来たのではないかという意見が大半だったが、最近は配信によって人工である事がまあまあ知られるようになった。
ならばこの世界の技術――科学と魔法の融合――で作れるのではないか? そういう意見があるが、上手く行っていない。
昔ながらの技術を受け継ぐ鍛冶師、天才科学者、優秀な錬金術師などの手を使っても、出来たのは優秀なアーティファクト。冥刀にはならなかった。
……ただし、破壊された冥刀の断片を使った場合、冥刀に限りなく近いモノが出来る事はある。まあそれは例外中の例外。
ではなぜ出来ないのか?
『素材と製法』
この二つに尽きる。
******
まず、冥刀には、とある地域に落ちてきた隕石から採掘された地球外の物質――特殊な隕鉄が使用されている。
手に入らないのも当然である。
コレは硬く柔らかで、とても強靭。超高熱・極低温の影響すら受けず、全く錆びる事がなく、強酸や猛毒でも腐食する事がない凄まじい金属。更に、気体・液体・固体の三態を行き来する滅茶苦茶な性質を持っている。
無量大数叢雅はこれの加工・鍛冶方法をどうにか見つけ出し、更に錬金術の技術を使う事で、普通の金属をソレに錬金する術を編み出し、その技術を一門に伝えた。
ただし、その金属を精錬して、より上位の金属にする術は誰にも伝えず秘匿した。
そして、元々加工・鍛冶が恐ろしく難しいこの隕鉄に、ある行程を入れる事で、冥刀は生まれる。
それが、〈魂魄封入〉。
魂の一部を切り離し、それを埋め込む事で、使い手のサポートをおこなわせる。要はコンピューターのオペレーションシステム(OS)である。
モノによっては、ソコに成りかけの付喪神、生まれたての精霊を合わせる事で自我を強固にさせる事がある。
とは言え、この技術は魂を切り離すので危険極まるうえ、悪用されたら目も当てられない。だからこそ、無量大数は技術を秘匿し、口伝しかしなかった。更に特殊な術を一門全員に掛け、漏洩を防いだ。
冥刀はもう作れないし、作らせない。
【TIPS:隕鉄】
(㈩*㈩)<ある時、奇妙な隕石が飛来した。
(#ー#)<奇妙って何が?
(㈩*㈩)<燃えずに落ちて来た。しかも落ちるスピードが遅く、着弾しても衝撃がない。
(#ー#)<確かに奇妙だな。
(㈩*㈩)<それを偶然見つけた無量大数は、神刃の助言を受けながら、冥刀を作り出した。
(・▽・)<忘れた人への捕捉ですけど、神刃は全ての始まりの剣? です♪