冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【前書】
(・▽・)<今回の話の最後の方。

(・▽・)<アレはメッセージアプリで会話していると思ってください。

(㈩*㈩)<L〇NE?

(・▽・)<正にそれ。便利ですよね。


百二十六

 ******

 

 

 そんな会話を聞いていた人物がいる。

 それは……

 

(何か……凄い会話聞いちゃったっス)

 

 ザンカだった。

 外見的に目立つうえ、あの二人とは一応顔見知りではあるので、少し離れた所から聞いていたのだが……。

 

(……それにしても)

 

 ふと思う。

 彼女はオウカと交流があるので、異世界での話は聞いている。

 あんまりにも酷い世界だったと聞いている。

 

「……」

 

 沈黙したまま、ザンカは亜空間から巨人のナイフのような冥刀――【ウルナッハ】を出す。 

 そして……

 

「ねえ」

 

 彼女に問いかける。

 

「アタシはその世界でやっていけるっスかね」

 

 生まれ故郷なのでわかるのではないかと思ったのだ。

 それに対し、【ウルナッハ】は少しだけ震えた。

 

「……そうっスか」

 

 

 ▼▽▼

 

 

 そうして実習が幕を開けた。

 今回の方式も同じ。

 班ごとに違うチェックポイントを通過する。

 因みに、レイリとクインは違う班である。

 

「宜しくお願いします。頑張りましょう!」

 

 レイリの方はメンバーとすぐに仲良くなった。

 元々誰とでも仲良くなれる性格で性質なのだから当然だった。

 

「ん」

 

 クインの方は仲間外れにはされなかったが、微妙になっていしまった。

 あまり喋らないうえ、人とあまり交友しないので当然と言えば当然だった。

 

 因みに別高校のミユは、普通にメンバーと馴染めた。

 外面を良くするのは得意中の得意だからだ。

 

 

 ******

 

 

 そして実習開始となった。

 どの班も滑り出しは快調で、道中も順調にいった。

 

 モンスターは出てくるが、一定以上の強さのは予め間引いてあるので、鎧袖一触。

 

「ハア!」

『GYA!?』

『WAON!?』

 

 レイリが振るう巨大斧で、複数体まとめて消し飛び……

 

「……」

『GABE!?』

 

 クインが気配を殺し、背後から鉤爪で切り裂かれた。

 

 そういった感じで、他の班もモンスターを倒していった。

 

 とはいえ、問題が全く無かったわけではなく……

 

「な、何でこんなモンスターが!?」

「ギャア!」

 

 間引きから逃れていたらしい、モンスターが数件確認され、怪我人がでてしまった。

 

 だが。

 

「手応えないッスね」

 

 駆けつけたザンカに掛かれば、この程度一蹴だった。

 更に、パーティーの連携で倒したと所もあれば、強い生徒が倒したところもある。

 少し強いくらいのモンスターでは強者には勝てなかった。

 

 

 ●○

 

 

(実習は順調にいっているな。脱落者はほぼいない。トラブルも特にない)

 

(……強いて言うなら、多少間引き漏れしたモンスターが出た程度)

 

(それらはあっという間に倒されたうえ、怪我人も治せる範囲で済んだか……)

 

(良い事ではあるんだが……、こっちの都合だと困るな)

 

(トラブルがあった方が色々やりやすいんだが……)

 

(……まあ、どうせ大混乱を起こすから関係ないか)

 

(こっちもこれと言って問題はない)

 

(こっちの事もバレていない)

 

(……とは思うんだがなあ)

 

(何か時偶視線を向けて来る奴がいるんだよな……)

 

(マリアとか言う女。何でも他の学外実習にも参加していたらしい)

 

(アシヤ=キョウコがねじ込んで来た奴。シスター服着ているから修道女なんだろうが……)

 

(お前のようなシスターがいるか! 聖女と言うより性女と言った方が良い)

 

(色気とか漂っているし。そんな感じの女だけど、オレには分かる)

 

(アレはかなり強い。恐らくプレイヤーのクロガネ=ザンカよりも)

 

(修羅場潜っているだろうし、血の匂いが濃過ぎるだろう……。アレ)

 

(あんな人材どっから見つけて、こっちに持って来たんだが……)

 

(アイツが一番の難関だな)

 

(後は、ハナヤマ=ベニバナ。学生時代から目立ってた上、実力もあったが……)

 

(更に覇気が増している。一体何をしたんだか、どんな経験したんだかな)

 

(かなりヤバイモンスターを倒したらしいからな。要警戒っと)

 

(それと、クロガネ=ザンカは言わずもがな)

 

(ここ最近、戦闘時に鎧を身に着けるようになったうえ)

 

(かなりの性能の鎧らしい。一体誰が作ったんだか一向にわからねえらしいが)

 

(……とりあえず、この三人は要注意だな)

 

(それ以外の教師やプレイヤーは……まあ注意はしておこう)

 

(あの高校のツートップが来ていないのは大きいからな)

 

(それと、生徒は……)

 

(まあまあなのが複数いるが、どうにかなるだろう)

 

(ま、今回は魔境だった去年みたく強い生徒はいなさそうだな)

 

(まあアレは襲撃があると踏んで、あちらこちらから戦力かき集めたせいでもあったが)

 

(とは言え、意外な伏兵や能力を持っているかもしれないし)

 

(警戒はしておこう)

 

(行動を起こすのは最終日。それまではバレないようにっと)

 

 

 ▼▽▼

 

 

 そして、実習最終日。事件は勃発する。

 クリアする班がチラホラ出たタイミングでそれは起こった。

 

 実習場所にはカメラ、ドローン、式神、使い魔などが生徒達を見守って(変な事をしないように監視も兼ねる)いる。

 因みに去年はアシヤが一人でヤク――実は非合法の薬品が使われており、グレーゾーンに片足突っ込んでいる――をキメてまでオーバーワークしてどうにかしたが、今回はいないので三、四人が交代交代で見守っていたのだが……。

 

「うん?」

 

 映像が乱れ始めた。

 

「? 映像障害でしょうか?」

「いやいや、両方同時って可笑しいわよ!?」

 

 因みに去年はアシヤの折紙式神が見張っていたが、今年は前述した四種類全部を使っていた。

 

「……まさか」

 

 その場にいたもう一人が、嫌な予感を感じてあちらこちらに連絡をし始めたが……

 

「駄目だ。全部繋がらない……」

「「嘘よね!?」」

 

 これは絶対何かヤバイ。

 一人がテントから出て行こうとする。

 

「早く連絡w」

 

 最後まで言えず、それは叶わなかった。

 先程から何も喋っていなかった最後の一人が、静かに動き、ナイフで首を搔き斬った。

 

「何w」

「一t」

「遅い」

 

 反応しようとした残り二人もあっという間に片付けた。

 この程度なら、彼にとっているもいないも同じ事。

 

「さてと」

 

 そして、彼は本格的に行動を開始する。

 彼の役目は、通信攪乱と教諭とプレイヤーの抹殺。

 丁度、警戒対象である二人が居なかったので、チャンスと踏んで行動を開始した。

 

「次はどうするか……」

 

 とりあえず順々に殺して行くか、とテントを出ようとした時だった。

 

「……」

 

 気づいた。

 ここが包囲されている。

 

(バレたか……)

 

 こちらはバレないように万全を期して殺ったのだが。

 

「仕方ないか……」

 

 そして、外に出るとそこには幾人もの教員とプレイヤーがこちらを取り囲んでいる。

 その先頭に立つのは――マリアだった。

 

「やはりアナタでしたか……」

「……いつから気づいたんだ?」

「血の匂いで気づきましたけど、怪しんでいたのは最初からです」

「「は!?」」

 

 その場の全員の視線がマリアに集まった。

 更に続ける。

 

「だって、人の生皮被ってるんですよ。気づかない訳ないでしょう」

「「!?」」

 

 全員が絶句する中、プレイヤーの一人が問いかける。

 

「あの……、何でそれを言わなかったんですか?」

「てっきり流行りのファッションだとばかり」

「「そんな訳ないでしょう!?」」

 

 全員のツッコミが響き渡った。

 

 そもそもマリアはこの世界に来て間もない。

 記憶を失っていた頃はほぼ人と関わらず、それを取り戻した後の交友関係もオウカと、その知り合い(の知り合い)だけ、とかなり狭い。

 その上、過去が原因で、人とあまり交友をしなくなっている。

 それが災いしてしまった。

 

「オホン」

 

 マリアが気を取り直すように咳払い。 

 

「まあ、ともかく」

 

 そして、視線を相手に向け、

 

「取り敢えず……」

 

 足を地面が砕けるかのような勢いで踏みしめ、

 

「死んでください」

 

 間合いを潰し、相手に掌底を打ち込む。

 

「チッ(、問答無用かよ!?)」

 

 それを男は寸で避ける。

 とは言え、完全に避けられた訳ではない、

 生皮がめくれてしまう。

 

「チ……」

 

 こうなっては仕方ない。

 男はスキルを解除。

 間合いを離す事にする。

 

「フッ」

「おっと」

 

 手裏剣を複数投擲。

 狙うは急所。だが、マリアは事もなげに掴み取ってしまう。

 

「危ないですね」

 

 そのまま片手で握りつぶした。

 

「……ゴリラかよ」

 

 女性の握力に、戦慄しながら下がる。

 すると、生皮がベロリと捲れ、そこから別の男が現れる。

 

「「ヒッ!」」

「うわ……」

 

 凄惨な光景に絶句する声が上がる中、マリアは平然としたまま問いかける。

 

「なるほど。皮を引き剥がして被る事で、その人に成り代われるのですね」

 

 冷静に分析していく。

 

「しかも、知り合いにも違和感を持たれていない。つまり、皮の持ち主の容姿だけでなく、記憶や技能まで擬態可能なのですね」

「……ああ。そうだよ」

 

 これはこの人物が持つスキルだった。

 とあるモンスターから作り出されたスキルストーンから手に入れたスキル。彼は潜入などをおこなう事が多いので重宝している。

 

「念のために聞きますが……、ここへは何をしに?」

「……答えたら見逃してくれるのかい?」

 

 この潜入者は結構強い。

 ここにいる面々には勝てるし、バイカやザンカや若干不利だが、どうにかなると言ったところだろう。

 だが、マリアには勝てるビジョンが浮かばない。

 だからこそ、どうなっても良い様に会話で時間稼ぎをおこなおうという魂胆だった。

 

 その問いかけにマリアはきょとんとした顔になる。

 そして、続ける。

 

「そんな訳ないじゃないですか」

 

 指を二本出し

 

「普通に死ぬか、壮絶死するかを選べますよ」

 

 笑って言った。

 

 

 ●○

 

 

 ●○

 

 

[今暇かい~?]                                    

 

                             [まあ暇ですけど]

 

                         [どうしたんです? 先生]

 

[だったら教えて欲しい事があるんだけど~]

 

                               [何をです?]

 

[マリアさんの事~]

 

                               [マリアの?]

 

[うん~。サクヅキくんの仲間って事は知ってるけど~]

 

[具体的にはどんな人かって知らないから~]

 

[教えて欲しいな~って]

 

                              [良いですけど]

 

                         [あまり楽しくないですよ]

 

[うん。覚悟する]

 

                              [わかりました]

 

                         [見ての通りシスターです]

 

[……見ての通り?]

 

[あの恰好はちょっと無理あるよ]

 

                         [気にせんといてください]

 

                      [それと、とっても優しい奴です]

 

[うん~]

 

                  [ただその優しさが報われなかったんです]

 

[報われない~?]

 

                    [孤児院助けるために身売りしたのに]

 

                     [そのお金は孤児院に届かなかった]

 

                 [それどころか、アイツがいなくなった途端]

 

                 [邪魔者は消えたって事で、燃やされました]

 

[まさか?]

 

                          [はい。推察の通りです]

 

                   [友達曰く、凄惨な殺戮をしたそうです]

 

[でも敵討ちならまだ……]

 

                  [これは一回目です。二回目があるんです]

 

[二回目?]

 

              [はい。お世話になった人達を助けようとしたけど]

 

                        [その手から零れる人がいて]

 

                        [ついに狂っちゃったんです]

 

                            [そして始めました]

 

[何を?]

 

                         [コジュウロウと同じ事を]

 

[えぇ……]

 

              [あの大馬鹿と違って、どうにか止まりましたけど]

 

[止めたの?]

 

                                  [はい]

 

                        [そこからは一緒にいました]

 

           [ある時に、敵引き留めて腕を残して行方不明になるまで]

 

[……サクヅキくん]

 

                                  [はい]

 

[ワタシは、教師だから]

 

[責任を持って生徒を預かっている]

 

[だから聞かなきゃならない]

 

                                  [……]

 

[マリアさんは同じ事をしないかい?]

 

                                 [しない]

 

                                 [絶対に]

 

                            [命を懸けても良い]

 

[そこまで言うのかい]

 

                                [言います]

 

                [自分のために命を懸けてくれる奴のためなら]

 

                        [俺は命を懸けられますから]

 

[そっか~]

 

[良い友達を持ったね~]

 

                          [はい。自慢の友達です]

 

[……]

 

                                   [?]

 

[興味本位で聞くんだけど~]

 

                                  [はい]

 

[恋人じゃないんだよね~?]

 

                                  [はい]

 

[肉体関係とかないの~]

 

                                  [……]

 

                                [ないです]

 

「今の間は何~?」

 

                          [気にしないでください]

 

[もしかして~]

 

[肉体関係持っていた友達いるの~]

 

                                  [……]

 

                             [ノーコメントで]

 

[一応教師として言って置くけど~]

 

[避妊はしてね~]

 

                                  [……]




【後書】
(#ー#)<そう言えば、アイツの友達や仲間ってこの世界に適応できるのか?

(・▽・)<人によりますね。私みたく条件満たせばどうにかなる人もいれば、

(㈩*㈩)<わたしみたく、普通にやって行ける人もいる。

(・▽・)<ヴィーがそうですね。それと短期間ならどうにかって言う人も。

(#ー#)<短期間?

(・▽・)<衝動を抑え込めるか、他の事で解消できるかで変わるんです。

(・▽・)<ソルドアットさんは短期間が限界。実は本編でかなりギリギリでした。

(・▽・)<……私もこちらかもしれません。そして、絶対に無理な人も……

(#ー#)<あの馬鹿野郎だろう?

(㈩*㈩)<それしかいない。
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