(・▽・)<そういえばあの格闘家、手を伸ばしたりしてましたけど……
(・▽・)<アレって誰でも出来るんですか?
(#ー#)<んな訳ないだろうがよ。実はアイツとある流派で中伝まで取っている。
(#ー#)<その産物の身体操作だ。
(㈩*㈩)<何の流派なの?
(#ー#)<それについては追々。
******
ザンカとミナミダの戦闘が始まった頃。
別の場所でも戦闘があった。
……………
…………
………
とある場所。
そこでは爆発音が響いていた。
そこではベニバナが戦っていた。
「あああ!」
彼女の叫び声が響いていた。
戦い……というより狩りに近い。
ベニバナは一方的に攻撃されていた。
そのいつもの大正浪漫の服装は襤褸切れ状態で。
クロスを発動しているため、鱗が生えた肌がかなり露わになっている
それに傷はついていない……もしくは治ったのだろう。
だが。
「うっとおしいですわあ!」
煩わしそうに彼女は叫んでいた。
そんな彼女に向けて飛来したのはダイナマイト。
小規模な爆発を推進力に使って迫る。
それをベニバナは口からのブレスで爆発させる。
その足元にコロコロと何かが転がって来た。
それは――手榴弾。
「!」
爆発を起こすそれ。
どうにかベニバナは体をオーラで包んで防ぐ。
「どうしてこうなr」
最後まで言えなかった。
足元が大爆発を起こし、ベニバナは爆炎に飲まれた。
******
ベニバナから少し離れた場所。そこの木の上に男がいた。
「これで少しはダメージになっていると良いってハナシ」
今回の天ノ角高校の実習を狙うに辺り、特記戦力となっていたのが、ハナヤマ=ベニバナだった。
情報によれば――持っているスキルはグリーンクロス、そして特殊な手術で融合したモンスターのダブルドラゴン。
オーラ、複数のブレス、鎌鼬、雷撃と言った特殊能力も脅威だが、シンプルにフィジカルも高い。勿論再生力もかなりある。
「こういうのはミナミダが担当するってハナシだろ」
そんな事を彼――│B《ボマー》・Kは思っていた。
幹部四人の内、直接的な戦闘をおこなうのが二人、潜入、斥候、偵察などの支援をおこなうのが二人。彼は後者だった。
勿論、イツカワとKも戦闘は出来るが、あの二人には劣る。
ただし、勝てない訳ではない。
イツカワは多才な手札があり、Kには爆弾がある。
罠を大量に仕掛け、ベニバナを誘い込み、そこに追撃を掛けた。
「ここまでやれば……」
爆炎が晴れる。
そこには……。
「……」
ベニバナがいた。
相も変わらず健在。傷もない。
ただその顔は能面のように無表情。
見る人が見ればわかる。
これは完全にキレている。
「■■■■■■!!」
言葉で言い表せない咆哮をベニバナは上げた。
「な、なんだあ!?」
Kが見る中、ベニバナの姿が変貌していく。
人によっては角や翼が生える程度の変化の場合もあれば、人間の成分どこ行った? と言いたくなる人外変化となる場合もある。
因みに、練度を上げるとある程度配分自在となる場合もある。
ベニバナの場合、尻尾と角が生え、多少鱗が浮き出るいわゆるドラゴン娘のような姿となる。
なのだが、今回はそこから更に変貌する。
角が長くなり、巻き角となる。
髪の毛が足元まで伸び長髪となる。
手足が鱗に覆われ、爪が伸びる。
背中からは翼が生える。
歯が鋭くなり犬歯は口元から少し出る。
尻尾が1.5倍程長くなる。
「■■■……」
変貌したベニバナは唸りながら、辺りをキョロキョロと見渡し、自身をこうした相手を探し始める。
(見つからねえってハナシ)
Kはスキルとアイテムの双方で姿を隠している。
見つかるはずはない……はず。
少ししてベニバナは行動を開始する。
息を吸いこみ、
「■■!!」
上空に目がけブレスを放つ。
それは上空に上がると花火のように飛び散る。
そして、光弾が隕石のように降り注ぐ。
「いっ!?」
すぐさまその場から離れるK。
一秒後、光弾がそこに着弾。
どうにか走りながら回避していく。
そこへ……
「■!」
「見つk」
ベニバナがKを見つける。
今のKは視えず、聞こえず、匂いもない。
だが、動けば気流が動く。それをベニバナは感じ取った。
「■■!!」
ベニバナは爪を振るう。
そこから五つの鎌鼬が飛び出す。
それに対しステルス状態を解除し、ダイナマイトを爆発させ鎌鼬を掻き消す。
その粉塵からベニバナは飛び出し、拳を振るう。
それはKに直撃……したかに見えたが……
「■!?」
拳の着弾場所が大爆発を起こし、ベニバナは吹っ飛ぶ。
それにKがニヤリと笑みを浮かべる。
「まさか使わされるとはな……」
Kの着ている服は、
そのはずだったのだが……
「コフ……」
血を吐くK。
彼はダメージを負っていた。
ベニバナの拳の一撃のダメージが大きすぎたのだ。
(骨が二、三本皹がいった。内臓も傷付いた……)
口腔に仕込んだ丸薬で傷を治すK。
一方、吹っ飛んだベニバナだったが、平然と起き上がる。
「■■■……」
その右腕は肘から先が無かった。
だが、それに動じた様子はない。
(……どう出る?)
その様子を伺うK。
右手に炸裂弾。爆発力は通常の物と比にならない。
左手に短機関銃。意志で爆発する特殊な弾丸が撃てる特注品。
仲間が見たなら、彼が本気だと気づくだろう。
それに対しベニバナはオーラを纏う事で答える。
そして……
「■■■■■■!!!!!!」
咆哮を上げながら突進する。
その速さは今まで以上。
「蜂の巣ってハナシ!」
それにKは下がりながらの弾幕で対抗。
しかも……
「BOM!」
弾丸は爆発を起こす。
貫通と爆破の二段構え。
「これで少しはダメージg」
「■■!!」
最後まで言えなかった。
飛び込んで来たベニバナ。
その体には先程とは比べ物にならない密度のオーラを纏っている。
(オーラで減衰したってハナシ! だが……)
襲い掛かるベニバナの攻撃をリアクティブアーマーと回避で防ぎながら分析する。
(そんなにオーラ使って魔力が持つ訳がない!)
オーラは体力、気力、魔力などを変換して作り出す。
勿論それらは有限。
出力を上げれば、消耗はその分が早い。
そのはず……だった。
……
…………
………………
戦いが始まり、結構な時間が経過した。
(おかしいだろう!?)
Kは焦っていた。
「何で平然と動き続けてる!?」
「■■ーー!!」
ベニバナは暴走機関車のように動き続けていた。
しかもその動きとオーラに陰りはなく、消耗する気配すらない。
(それに……ダメージが減ってねえか?)
ダイナマイト、地雷、炸裂弾などなど。
多彩な爆弾でダメージを与え続けているのだが、ドンドン効きが悪くなっているような気がしていた。
実はその考察は正解している。
ベニバナのオーラの技術は深奥に到達している。
だからこそ、絶対理論である〈心牙〉すら使用可能。
彼女の〈心牙〉はステータスの強化。攻撃、防御、速度、再生などを強化させる。
今は防御に対して使っており、爆発に対して耐性が高くなっていた。
(時間を掛ければ不利になるってハナシか……)
Kの手持ちの爆弾も一割を切った。
なのに、ベニバナは一向に消耗しない。
「覚悟を決めるしかないってハナシか」
こうなればこちらも傷つく覚悟をしなければならない。
二枚目の手札を切るK。
それは粒砂爆弾。一粒一粒が高い爆発力を誇り、連鎖爆破で威力は増大する。
それをポケット型匣から一掴み取り出しベニバナ目がけ投げる。それと同時に短機関銃を発砲。残り僅かな弾丸を吐き出させる。
「■■■ーーー!!!」
それをオーラを使う事で無理矢理突っ切るベニバナ。
だが、Kはそれは織り込み済み。
爆破を煙幕代わりにして一時的に身を隠す。
そして、準備を始める。
「使いたくねえが……、仕方ねえってハナシ」
短機関銃を仕舞い、空となったで印を組む。
それと同時、最後の罠を仕掛ける。
魔法を発動させる方法の一つであり、印を覚えなければならないデメリットはあるが、それ以外の準備は必要ないため、使う人は結構いる。……カンペを使う人もまあまあいる。
Kはそれを奥の手の使用に使う。
そして、準備を終えると同時、ベニバナの前に躍り出る。
「■■!」
今のベニバナに理性は残っていない。
ただ敵を完全に殺すまで止まらない
策も思考も何もない。
「ただの獣ならやりやすいってハナシ」
そして、ナイフを抜き、ベニバナを迎撃。
爪と刃が激突。一瞬の拮抗後、Kは吹っ飛ぶ。
そこへ追撃をしかけるベニバナだったが……
「!」
その動きが止まる。
身体中に光の鎖が巻き付いていた。
最後のKの罠。先程の隙にそれを更に強化していた。
だが、鎖は軋み始めてる。恐らく五秒と持たない。
だが、それで十分。
「さあ決着ってハナシ!」
「■」
迫るK。動けないベニバナ。だが彼女の胸部が膨らむ。そして口を開く。
竜で御馴染みブレス攻撃を仕掛けようとしたが。
「ドラゴンならそうするよな!」
「!?」
右手をその口に突っ込む。そして、左手のナイフで腕を切断すると同時、最後の奥の手が発動する。
「爆!」
ベニバナの口に残した腕が大爆発を起こす。
あまりの威力に胸部から上が消し飛ぶ。
普通ならこれで終わりだろう。
だが……
「まだってハナシ!」
残された部分にありったけの爆発物を叩き込む。
そして、起爆した。
………………
…………
……
一面焼け野原となった空間。
そこに一人の男がいた。
その装備はズタボロで、腕は片方なく、足は辛うじて動く程。
手持ちの爆弾は後一つ。コレは実質使えないのでもう無いに等しい。
「……勝ったってハナシ」
ベニバナはいない。
跡形も無く消し飛んだのだろう。
「どうにか回収して貰うか……」
他の三人なり、下っ端なりに頼めば良い。
そう思った時だった。
「……一回死にましたわ」
「!!」
自分以外の声が聞こえた。
恐る恐る振り向く。
そこにいたのは……
「服もないですわ……」
ベニバナだった。
その体は何も着ておらず、髪の毛を止めていたリボンすらない、生まれたままの姿。流石に恥ずかしいのか手で局部は隠している。
クロスが解除されており、普通の人間形態になっており、女性の体を晒していた。
それに絶句するK。
「……な、何で」
そんな彼にベニバナは説明する。
「オーラの深奥である〈心牙〉。
そのまま一歩一歩近づいて行く。
「そもそもステータスとは何だと思います?」
その言葉にKは答える。
「攻撃力とか防御力とかじゃねえの?」
「ええ。その通りですわ」
「(だから爆発が効かなくなっていたのか……)」
疑問が解消された。
更に続けるベニバナ。
「そこを
だからこそ、複数の〈心牙〉をベニバナは持つ。
「攻撃、防御、移動、回復、特殊。この五つですわ」
「回復……まさか!?」
Kはベニバナ復活の要因に思い至る。
それは……
「〈牙龍天征・命境止彗〉。蘇生技ですわ」
回復魔法に、死んでほやほやなら蘇生可能な術が存在する。
恐らくそれに近いのだろう。
「……まあ欠点もあるですわ」
そもそも死ななければ発動しないうえ、連続使用は不可能。インターバルが一番長い。
「なので
(嘘こけってハナシ)
Kが内心で悪態をつく。
身体に傷はなく、肩で息をしている様子もない。
対して自分はもうズタボロ。
そんな彼にベニバナは追い打ちをかける。
「ここはサクに習いましょう。俳句を詠むですわ」
辞世の句という奴だろう。
だが、それにKは――
「生憎と、出来る事は、まだあるってハナシ!」
最後の奥の手――体内の爆弾を起動。
「!」
「道連れってハナシ!」
そして、再び大爆発が起こった。
【TIPS:ベニバナ暴走形態】
(#ー#)<生物系のチカラが使えるクロスの使い手に稀にある。
(#ー#)<完全暴走状態になるんだ。
(・▽・)<ベルセルクって奴ですか?
(#ー#)<ああ。しかもこの女の場合、手に負えない。
(・▽・)<何でです?
(#ー#)<攻撃と速度増大、受けるダメージ軽減、スキルコスト消費零になるからな。
(・▽・)<永久機関じゃないですか……。どうしようもないのでは?
(#ー#)<いや、案外どうにかなる。
(#ー#)<飢えと渇きはあるから、時間が経てば衰弱死する。
(#ー#)<それにターゲットを倒せば止まる。
(#ー#)<だから転移するなりして逃げれば良かったが……。
(㈩*㈩)<出来なかった。
(#ー#)<ああ、そうだな。