冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【コラーダ】
(㈩*㈩)<形状、能力、代償は上記の通り。現在は冥肌鏤骨(オストラコン)

(㈩*㈩)<サクの事は結構気に入っていた。

(#ー#)<そうなのか?

(㈩*㈩)<ええ。廃棄同然で、使い手は皆死んだのに、彼は使ってくれたから。

(#ー#)<なるほど。

(・▽・)<因みに技はこんな感じです。簡易版ですけど。

熱線付与:常時発動。纏わせて放つ。拳に纏わせたり、ジェット代わりも可能。

電撃熱線:チャージ短。周囲に放つ。拘束を解くのに使用。

斬撃熱線:チャージ短。連射可能。喰らったら死ぬ。

斬撃放射熱線:チャージ長。範囲攻撃。喰らうと消し飛ぶ。

白色斬撃熱線;チャージ長。範囲攻撃。最強技。

(・▽・)<例えるなら、ゴ○ラ、ヴ○ルゼライド閣下。

(#ー#)<おい!?

(㈩*㈩)<もしかして、ガ○ガンレクスやメ○ロと戦った?

(・▽・)<そうです!

(#ー#)<言うな!?


ⅩⅢ

 ■□■□

 

 

 戦闘場所から離れた丘。結界が張られた<阿鼻山>を見下ろせる所。

 そこに二人の少女が現れる。マユとカナタだった。カナタは一息付くと、マユに問いかける。

 

「ここなら平気かしら?」

「……」

 

 少しの沈黙後、マユは答える。

 

「……わからない」

「わからないの!?」

 

 叫ぶカナタ。それにマユは答える。

 

「【コラーダ】は元々、最強の火力を求めて作られたモノ」

 

 マユは言わなかったが、製作者は何と『無量大数叢雅』である。

 「火」の剣を作る際、兄弟姉妹剣として二つの剣を打った。その片割れが【コラーダ】だった。

 結局、選ばれたのはもう一方の「核融合」をおこなう【ティソーナ】。

 

「最終的に失敗作認定されたけど、別に劣る訳じゃない」

 

 あくまで、最終工程が受けられなかっただけの【コラーダ】。純粋な火力と攻撃範囲では【ティソーナ】に劣るも、貫通力と破壊力では勝る。

 

「サクもそれはわかってる。だから向きを考えて撃つ……と思う」

「思う!?」

「でも、<畢竟(アリストテレス)>を使うみたいだから」

「何それ?」

「<冥刀>の必殺技」

 

 マユの説明は間違ってはいない。だが、正確に言えば、使い手と武器が、完全に同調し、深度を深めた時のみ使える深奥。

 誰でも使える訳ではない。因みにザンカは使用可能だが、ジンナは使用不可能。

 

「どうなr」

 

 最後まで言えなかった。

 轟音が響く。

 

「な、何!?」

 

 カナタが山を見ると、結界が木っ端微塵に砕ける所だった。そして、白い閃光が巨大な光の柱となり聳え立っていた。

 十秒程で光の柱は消え失せた。そしてそこには、

 

「嘘でしょ……」

「この程度で済んで御の字」

 

 何も残っていなかった。山は綺麗に消え失せた。

 

「結界なかったら、ここも危なかったかも……」

「え!?」

 

 聞き捨てならない言葉を聞いたカナタは叫ぶ。だがそんな彼女にマユは、

 

「まあその事はどうでもいい」

「良くないわよ!?」

「今はサクが優先」

「あ、そ、そうね」

 

 納得してしまったカナタ。

 そういう訳で二人は山……だった場所へ向かう。

 その中央には座り込む影があった。

 

「よ」

 

 オウカだった。特に怪我も無さそうである。そんな彼にマユは抱き着く。

 

「無事で良かった」

「ん」

 

 オウカもマユを抱きしめその頭をポンポンと撫でる。そんなマユはカナタの方を振り向いて。

 

「カナタも抱き着けば」

「……お前何w」

 

 最後まで言えなかった。

 カナタまで抱き着いて来た。

 

「暫くこうさせて……。お願い」

「ッ」

 

 そんなカナタにオウカは驚き、何か言おうとしたが、押し殺した泣き声が聞こえたので黙り込む。

 

(まあいいか)

 

 そういう訳で三人は暫く抱き合っていた。

 

 

 ******

 

 

 そして、後日談。

 あの後、三人は解散した。カナタはオウカとマユを自宅まで送り届けてくれた。

 

「呪符が残ってて良かった」

 

 とはカナタの談。

 因みに彼女は呪符をあちこちに仕込んでいる。戦闘服が使えなくなった時に備えて、体に印を刻み、口腔にも【収納】を仕込んでいる。

 

「先輩はどうするのですか?」

「私は当主様に報告に行かないと」

「あ、俺も行きますよ」

 

 山を消し飛ばした主犯がそうのたまうが、カナタは苦笑して首を横に振る。

 

「今日はいいわ。また後日ね」

「わかりました」

「……行かなくちゃダメなのは変わりない」

 

 この日、オウカとマユは帰ってすぐに寝た。

 

 次の日。昨日は寝たのは深夜を回っていたが、起きる時間は変わらない。そういう風になっている。

 

「おはよう」

「おはよ」

 

 いつもと変わらぬ時間に起きた二人は、とりあえず朝の用意をする。

 洗顔、歯磨、着替え。ここまでは二人一緒だが、ここからが違う。

 

 オウカは鍛錬をする。

 走り込み、友達お手製の金属製の木刀(?)の素振り、徒手空拳戦闘の型などをおこなう。全て終わったらシャワーを浴びる。

 

 マユは朝食作り。

 

「今日は……アレにしよう」

 

 そういう訳で彼女パンケーキを焼いていく。

 普段の朝食は御飯、味噌汁、果物は共通。おかずは色々なパターンが多いのだが、こういう日も稀にある。

 

「フッフッフワフワ~」

 

 歌を歌いながらパンケーキを次々に焼いていく。そうして大量に焼きあがる。

 

 そして、鍛錬が終わったオウカと合流して朝食を取る。

 

「「いただきます」」

 

 パンケーキには色々塗る。メイプルシロップ、はちみつ、餡子、生クリーム、カスタードetc。

 

「美味いな」

「ありがとう」

 

 雑談しながら食べていく。そして、食べ終わる。

 

「「ごちそうさまでした」」

 

 そうして後片付けをしてから、平日は用事がある日は出かける。休日祝日や休みたい日は趣味を楽しんだりする。

 学生ならバイトをする場合もあるが、オウカの場合、結構お金を持っているので、今はしていない。

 そういう訳で今日は、

 

「ゴロゴロしているか」

「賛成」

 

 そういう訳でオウカは寝っ転がって雑誌を読み始める。マユはネットサーフィンを始めた。何か最近ハマっているらしい。

 ダラダラと過ごす二人。昼頃になると昼食を取る。

 

「何食べよう?」

「今日は簡単にしよう」

 

 そういう訳でカップ麺を食べる事にした二人。オウカは味噌ラーメン、マユは狐うどん。

 

「毎日は飽きるけど偶にはいいな」

「うん」

 

 そして、食べ終わり、後片付けをして、昼寝をする。起きたら、またダラダラ過ごす。

 そして、おやつの時間になった時だった。

 誰か来た気配がした。

 

「うん?」

「来客? 敵?」

「多分前者だな」

 

 訪ねて来たのは、

 

「こんにちは」

 

 カナタだった。学校のセーラー服姿だった。

 

「先輩! どうしました?」

「お茶を淹れる」

 

 そういう訳で中に入れ、お茶を出す。因みにノンカフェイン。

 

「ありがとう」

 

 お茶を飲むカナタ。そして、湯呑が空になると本題を話し始めた。

 

「ねえ二人とも。これから時間ある?」

「ありますけど……」

「だったら」

 

 一拍置くとカナタは続けた。

 

(ウチ)に来てくれないかしら。当主様が会いたがっているの」

 

 沈黙するオウカとマユ。顔を見合わせる。

 

「……」

「……」

「「……」」

 

 言葉が無い二人にカナタは苦笑して続ける。

 

「山を消した事を攻めるつもりはないわよ。むしろ礼を言いたいんですって」

 

 被害を最小限に抑えられたうえに、他家に借りを作らずに済んだ。だからこそ直接礼を言いたいらしい。

 

「夕飯をご馳走するそうよ。どう?」

「行く」

 

 即答するオウカだった。

 

「……食いしん坊」

 

 マユがボソリと呟いた。

 そういう訳で二人は久遠家に行く事になった。

 

 

 ******

 

 

 そういう訳で久遠家に向かう事になった。

 まずオウカは部屋着から制服に着替える。

 

「着替える必要あるの?」

「一応な」

 

 そして、マユは櫛形態になり、オウカの髪に挿さる。

 外で待っていたカナタと合流し向かう事にする。

 

「待たせました」

「そんなに待っていないわ」

 

 久遠家はここから、電車、バス、徒歩、合計二時間程の場所にある。因みにカナタは学校近くにある別邸に住んでいるらしい。

 

「一人暮らしをしているんですね」

「ええ。往復四時間はキツイから」

 

 移動しながら、そんな会話をしていると、マユが聞いて来た。

 

「〈転移〉は?」

「意外とコストが高いんだよ」

 

 時間と空間に関する<スキル>のコストは高い。

 

「でも昨日、何度か使ってた」

「アレは、色々裏技使っているから」

 

 カナタが答える。

 何でも、久遠家秘伝の転移呪符専用の特殊な紙を使い、相伝の秘術を使い、魔力を多めに込め、回数制限、場所制限、人数制限などを掛けているらしい。

 

「これでやっと使い物になるのよ」

「理解した」

 

 マユは納得した。それと同時に、時間・空間の<冥刀>が少なかったのを思い出す。

 

(変わらないモノもあるのね)

 

 

 ******

 

 

 そうしてオウカ達が辿り着いたのは巨大な屋敷。中はこの間の騒動のせいで、ボロボロらしいが、見た目ではわからない。

 

「どうぞ」

 

 カナタの声に従い中に入ると、あちこちに損傷がある。

 

(まあ、そうだろうな)

 

 そう思うオウカ。

 そのままカナタの案内で一際大きな屋敷に入るオウカ(とマユ)。靴を脱ぎ奥へ奥へ。途中使用人らしき人の挨拶を受けて奥へ行く。そしてとある部屋の前で止まる。

 

「失礼します。入っても宜しいでしょうか?」

「ああ」

 

 そうして入室すると、奥に一人の男性が座っていた。斜め後ろには護衛らしき女性がいる。

 

「まずは座って欲しい」

 

 男性――当主の言葉に用意された座布団に座るオウカとカナタ。

 

「君がサクヅキ=オウカ君か。話はカナタから聞いている」

 

 そうして彼は頭を下げた。

 

「ありがとう。コナタを……いやあの鬼を止めてくれて」

 

 いきなり御礼を言われるとは思っていなかったオウカ。少し戸惑ってしまう。

 

「いえ。そんな。こちらこそやり過ぎて山と結界を消し飛ばしてしまい……」

「構わない。もっと被害が出る可能性もあったからな」

 

 最悪の場合、他家に借りを作る可能性も視野に入れていた。だが、そうなる前にどうにか出来た。

 

「本当にありがとう。何か褒美を差し上げたいのだが、何か欲しい物はあるか?」

「では」

 

 その言葉にオウカはある事を頼む。

 

「倒したのが俺である事は秘してくれませんか?」

「ああ、構わない。こっちもその方がありがたい……というかこちらから頼むつもりりだった」

 

 するとカナタが当主に訊ねる。

 

「当主様。言い訳はどうするのですか?」

「使い捨ての<アーティファクト>を使ったとでもしとくさ」

「……それで納得しますかね?」

「するさ。どうにか被害は抑え込んだからな」

 

 カナタの疑問に答えた後、オウカの方を向き直る。

 

「他に何か望みはあるか?」

「う~ん」

 

 考えるオウカ。そしてある事を思いついた。

 

「では」

 

 そうしてオウカは望みを言った。それに当主は頷き。

 

「わかった。任せるがいい」

 

 そして、当主は続けた。

 

「今日はもう泊まって行くと良い。食事と寝床は用意しよう。勿論、彼女の分も」

「え、でも……」

「温泉もあるぞ」

「わかりました」

「「切り替え早い!?」」

 

 カナタとマユがツッコミを入れた。

 実は風呂好きなオウカである。

 

 そうして人形態となったマユと共に、食事をご馳走になった。

 メニューは高級料亭で出てきそうな物ばかり。美味しく頂いた。

 そして、温泉を頂いた。曰く源泉かけ流しらしい。

 男女に別れてるので、マユと別れ、男湯の方へ行く。体を洗って、湯へ浸かる。

 

「ふぃ~」

 

 良いお湯。少し熱いがこの位が丁度良い。

 

「ババンバ、バンバン~」

 

 歌を歌っていると、扉が開いた。そこから出てきたのは、

 

「……お、お邪魔します」

「バン!?」

 

 カナタだった。場所が場所なので当然裸であるが、タオルで前を隠している。……色々隠れ切れていないが。

 

「な、何で!? ここ男湯!?」

「し、知ってるから大丈夫……」

 

 何も大丈ばない。

 カナタは体を洗って、湯に浸かる。しかもオウカの隣に。

 

「あ、あの……先輩?」

「報酬」

「……はい?」

「まだあげていないと思って」

 

 カナタはオウカに寄りかかる。

 

「解決報酬。いいわよ。好きにして」

「一応当主から貰いm」

「私からも何かあげないと気がすまないの!」

 

 咆えるカナタ。若干やけっぱちになっている。

 

「それとも何!? 同性愛者なの!?」

「違います」

 

 即否定するオウカ。

 

「ちゃんと女の子が好きです」

「じゃあ何が不満なの!? 私の体、魅力ない?」

「ありますよ」

 

 一拍置いてオウカは続けた。

 

「報酬でスるのは何か違う気がしますので」

「……でも何かあげないと」

「そう言われても……」

 

 代わりに何かあるかと考えるオウカ。そして、思いついた。

 

「じゃあ……」

 

 それにカナタは戸惑いながらも頷いた。

 

 その後、結局二人で浸かる事になる。暫く両者沈黙していたが、カナタが口を開く。

 

「ねえ、聞いていい?」

「何です?」

「マユさん、サクって呼んでいたわよね? アレって何?」

「俺の愛称です」

 

 一拍置いて続けた。

 

「親友が付けてくれたものなんです。俺の名前はオウカ。桜が付くからサクだそうです。一応名字の朔も掛かっているそうですけど」

 

 これは親友であった『モンセラート』が付けてくれたものだった。

 それにカナタは更に問いかける。

 

「……そういえば、誰にでも呼ばしてはいないわよね」

「ええまあ」

 

 サクと呼んで良いのは、命をかける事が出来て、命をかけてくれる人だけ。

 そう言うとカナタが微笑みながら聞いて来た。

 

「私は呼んでいいのかしら?」

「……いいですよ」

「そう」

 

 するとカナタが今までオウカが見た中で、一番の笑みを浮かべた。

 

「ならそう呼ばせて貰うわね、サク君」

 

 この笑みも報酬という事でいいかもしれない。

 

 

 壱ノ章 Fin. Next 弐ノ章……




【TIPS】

【ティソーナ】
(㈩*㈩)<いずれ詳しくやるので簡易的に。

(㈩*㈩)<核融合で炎を生み出す、最強の十本の一振り。

(・▽・)<簡単に言うなら、星○天奏者、天○、カ○ツチ。

(#ー#)<何で一部のゲームブランドに偏る!?


畢竟(アリストテレス)
(・▽・)<必殺技です。因みに同じモノでも使い手によって違います。

(#ー#)<主人公(アイツ)は使えるの?

(・▽・)<使えなきゃ遺しません。


【後書】
(・▽・)<また間章やろうかとも思いましたけど、ネタが少ないので巻きます。

(・▽・)<いずれ別サイトでやるかもしれません。

(#ー#)<次章の内容は学外実習。

(㈩*㈩)<六徳叢雅の作品が出るのでお楽しみに。
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