冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS:B・K】
(#ー#)<四天王の一人。こちらも斥候系。潜入とか偵察が得意。

(#ー#)<罠とか設置して、自分のペースに相手を引き込む。

(#ー#)<多彩な爆弾も武器。だったんだが……。

(・▽・)<爆破耐性取られたらお終いですね。

(#ー#)<言ってやるな。因みに体内にも特性爆弾を仕込んでいる。

(#ー#)<自爆が奥の手。しかも爆炎と衝撃だけでなく、呪詛、毒、骨刃付き。


百三十

 ******

 

 

 集合場所。

 そこにはどうにか生徒辿り付けた生徒や、怪我をした教師とプレイヤー達がいた。

 リーダー格の教師が状況を整理していく。

 

(襲撃者は≪紅露御刃亜≫。幹部と戦闘員が目撃されている)

 

 一部が幹部と激突したりするだけではなく、戦闘員と生徒が交戦している。

 

(動機は生徒達の拉致。犠牲者が出てる)

 

 怪我人や死者も出てしまった。何より行方不明者が出ている。

 恐らく、攫われてしまったのだろう。

 

「まだ望みはある」

 

 報告によれば四人の幹部の内、三人が撃破されている。

 他の戦闘員達も倒されている。

 ならば取り返せる可能性がある。

 

 問題は……

 

「一旦引き上げるか、留まるか……」

 

 まだここに居ない人達がいる。

 どうするか迷っていると、マリアがやって来た。

 

「ベニバナさんが幹部の一人を倒したそうです」

「本当ですか!」

 

 自爆に巻き込まれたが、奥の手で防ぎ切ったそうだ。

 これで四人の幹部は全員撃破!

 

「ただ……」

 

 言いにくそうな顔をするマリア。

 

「な、何かあったのですか!?」

 

 撃破をした二人のプレイヤーは重傷。ザンカに至っては命に関わる怪我を負っていた。

 

「まさか死んで……」

「いえ……。その……服が駄目になったそうで」

 

 ズッコケる教師。

 どうにか起き上がる。

 

「ややこしい事言わないでください!」

「女性には一大事だと思いますよ。全裸でここまでやって来たらしいです」

「……それには同情します」

 

 顔が真っ赤だったそうだ。さもありなん。

 教師は考える。

 

(ここまで来たら転移でまとめて引き上げますか……。でも)

 

 幹部は撃破出来た。

 だが、まだリーダーがいる。

 

(どこかに潜んでいる可能性がある。それに攫われた生徒がどこにいるか……)

 

 そんな時だった。

 教師が一人飛び込んで来た。

 

「大変です!」

「今度は何ですか?」

 

 嫌な予感がした。

 

「点呼の時はいた生徒の一人が居ません」

「だ、誰が!? 何で!?」

 

 叫ぶ彼女に報告は続く。

 

「ネコハ=クインさんです! 気づいたらいなくなっていて……」

 

 紙を一枚出して見せる。

 

「この紙が班のリーダーの背中に張り付いていたそうです」

 

 その紙にはこう書かれていた。

 

〔黒幕探す〕

 

 それを無言で見つめる教師。

 暫くして。

 

「何しているんですか! あの子!」

 

 思いっきり叫ぶ。

 それに事情を察したらしいマリアがその紙を見て呟く。

 

「なるほど。これならどうにかなるかもしれませんね」

 

 

 ******

 

 

 実習場所であるダンジョン。

 とある場所に二人の人物がいた。

 片方が報告、片方がそれを聞いていた。

 

「まさかあの四人が死ぬとはね……」

 

 悲しそうに言うのは、一人の男。

 顔立ち、服装、靴。全てが普通で、これと言った特徴のない男。個性がなく、街で見かけてもすぐに忘れてしまうような人。

 この人物が報告を受け取っていた。

 

「相手が悪かったですね」

 

 平然と言ったのは、一人の男。

 顔立ちはイケメン、緑のジャケットを着て、ブーツを履いた男。髪にも緑色のメッシュを入れていた。

 こちらが報告をしていた。

 

 見るからに、普通の男の方が上役らしい。

 

「去年色々あったそうですから、警戒していたのでしょうね」

「猛者はどこにでもいる。我々も油断はしてられない」

「ええ」

 

 そして、普通の男が指示をする。

 

「私はここをもう少し攪乱する。ヒビキはその間に撤収を」

「宜しいのですか? まだ奴隷をあまり確保できていませんが……」

「ああ。今回は失敗に近い。早めに引き上げるのは吉。それに……」

 

 一拍置いて少し笑う。

 

「リーダーがいないと、示しがつかない」

「本当のリーダーであるあなたが言いますか……」

 

 呆れるメッシュの男だった。

 

 

 ★☆★☆★

 

 

 ≪紅露御刃亜≫

 

 半グレの集まりや愚連隊と言うより、もはやマフィアに近いクラン。

 違法なシノギ――密輸、強盗、人間狩、麻薬販売、暗殺依頼など――で生計を立てている。

 組織構成はリーダーの下に四人の幹部、そして戦闘員が多数。下部組織に幾つかの半グレや愚連隊も従えている。

 

 そんな彼らは急速に組織を拡大している。

 理由としては幹部の戦闘力もそうだが、もう一つ要員があった。

 それがリーダーの存在。

 

 とは言え、幹部以外には姿を見せないため、実は居ないんじゃないか? 幹部達が居るように見せかけているんじゃないかとも一部で言われている。

 なのだが、その一部以外はわかっている。存在すると。

 

 なぜならその能力の恩恵を彼らは受けているからだった。

 それが――モンスターの創造とカード化。

 多種多様なモンスターを作り出し、それをカードにして保存できる。

 しかもそのカードは他の人物が使い、モンスターを使役できるという優れもの。

 

 この組織の構成員にはこれが与えられるのだ。

 手軽に戦力増強出来るからこそ、規模を拡大出来ていた。

 

 

 ******

 

 

 そんな幹部四人にしか現れないリーダーは緑色のジャケットの男――イガラシ=ヒビキ。

 戦い方はナイフとチャカを使ったオーソドックス(?)なスタイル。そこに振動属性の魔法を混ぜて戦うため、攻防、近中遠、360度隙がない。

 実は一番の新参であるミナミダに無傷で勝利した程。

 これに加えてモンスターを作り出す事まで可能なのだから、もう手に負えない。

 幹部四人は全員がイガラシをリーダーと認めていた。

 

 なのだが、実はイガラシは表向きのリーダーに過ぎない。

 本当のリーダーが存在する。

 それが――クモタ=サワアキという普通の男。

 実は程々の地位にいて、クランを見ているのだが、その見た目状誰も気にも留めていない。

 それを利用し、裏で彼がイガラシに指示を出し、クランを運営をして、モンスターを作り、カード化している。

 

 今回の人間狩は人数が多いからこそ、ほぼ全員が出張っており、この二人も出張っていた。

 この会話も見つからないようにおこなわれた。

 なのだが……

 

 

 ▼▽▼

 

 

 イガラシがその場から消えたと同時、クモタは動く。

 匣から出したのは多彩なオブジェクト。

 多種多様なモンスターの遺骸もあれば、一部分も存在する。

 金属や木材もあり、幻想金属もあれば、樹齢が三桁四桁の霊木まである。

 

 それらを辺り一面に広がる様に設置する。

 そして、中央に立ち、両手を合掌。集中し始める。

 詠唱や手印をしなくても、集中すれば術技は発動可能なのである。

 

 暫くすると、オブジェクトが変化していく。

 

『GAAAAAA……』

『GYAGYAGYA』

『GIIIIII』

『KARORORORORORO』

『KYUUUUUU』

『KIRIRIRIRIRIRI』

 

 そして数多のモンスターが生まれる。

 それにクモタはカードを出す。その数はモンスターと同数。

 投げるとモンスターがカードに取り込まれ、彼の元に戻る。

 それを確認して、彼はカードを右手に集めると、左手を空にする。

 すると、全く同じモノが生み出される。

 暫くその作業を続けていたが……

 

「……」

 

 突如、その動きが止まる。

 そして、斜め後ろを見る。

 そこには何も居ないのだが……

 

「出てこい」

 

 カードを仕舞い、代わりに違うカードを出す。

 そこから出て来たのは、天使模したような大砲。

 ソレがエネルギーの砲撃を放った。

 

 クモタが持つ手札でもトップクラスの破壊力を持つモノ。

 生半可な防御は打ち砕くのだが……

 

「驚いた。まさか無事だとは……」

 

 辺り一帯消し飛んでいる中、中央に黒い球体があった。

 それが消えると――そこには人がいた。

 

 見た目はヘッドホンを掛けた小柄な少女。セーラー服を着ている事から天ノ角高校の生徒だという事は分かる。

 いきなり待機場所から消えたネコハ=クインだった。

 ステルス状態であちらこちら探っている最中、あの二人を見つけ観察していたのだが、バレて重力操作で砲撃を防ぎ切ったという訳だった。

 

 その手には不釣り合いな巨大な剣を二本――双大剣を持っている。

 体には多少汚れはあるものの、傷はない。

 

「無傷で防がれるとは少しショックだ」

 

 クモタの言葉に少女は首を横に振る。

 

「ん。ギリギリ」

 

 そう言った。

 重力操作で防ぎ切ったのだが、実質かなりの出力でチカラを使ったので、もう奥の手のブラックホールは使えない。

 そのまま大剣を軽々と持ち上げ、構える。

 そして、続ける。

 

「アナタを倒せば、この騒ぎは収まる」

「ほう。わたしを倒す気か……」

 

 それに凄まじい圧を出す。

 

「やれるものならやってみろ」

「ネコハ=クイン」

「?」

「相手には名乗るもの」

 

 それにクモタは眼をパチパチとさせた後、

 

「クモタ=サワアキ。≪紅露御刃亜≫のリーダーだ」

 

 名乗った。

 更に。

 

「まあ自分がリーダーである事はトップシークレットだからな、知った貴方には死んで貰う」

 

 重要情報まで明かす。

 一見すれば何を言っていると言う感じだが、自分を不利な状況に置く事で、自身をパワーアップさせている。

 

 そうして……

 

「ん……」

「!」

 

 このダンジョンにて、最後にして最大の戦いが勃発した。

 

 

 ******

 

 

 クモタが一枚のカードから大量のモンスターを召喚する。

 

『GURRRRR』

『GURU』

『GUAAAAAA』

 

 それは二足走行の肉食恐竜――ラプトルに近いモンスター。大きさは馬程なのだが、その数は数十近く。

 それらがクインに迫る。

 

 それに対抗すべくクインは双大剣を上空に翳す。

 その周囲に漆黒の球体が幾つも浮かぶ。

 重力球であり、凄まじい質量攻撃となる。

 それらを一気に放つ。

 

『GU!?』

『RUA?』

『!』

 

 重力球でラプトルが吹っ飛んだ。

 それを見ていたクモタは分析していく。

 

(重力操作……。シンプルだが厄介だ)

 

 更にモンスターをけしかける。

 今度は小鳥モンスターを召喚。それがラプトルと同じ数出現。

 

『『KIIIIII!』』

 

 口から放たれたのは空気弾。しかも普通の空気弾ではなく、貫通力が高い。

 生半可な防御手段では防げない。

 

 それに対しクインは重力を利用した、高速移動で全弾回避。

 クモタに迫る。

 

(攻撃や防御だけでなく、移動まで可能とは……)

 

 猛禽モンスターを召喚し。その上に乗って高く飛び上がる。

 

「降りてこい」

 

 クインは重力波を掛ける。

 この技は広範囲と狭範囲の二タイプがあり、今回は後者を選択。前者は周り一面に掛けるので、振りほどかれる可能性があるうえ、消耗が大きい。

 

 その重力波に対し、嫌な予感を感じたクモタは、モンスターを高速機動させる事で避ける。

 間髪入れず重力波が迫る。まるで見えない巨人が歩いているかのように、地面が陥没していく。

 

(動きを止めたら殺られる)

 

 重力波を避けさせながら、更なるモンスターを召喚。

 それは小型の妖精。出現してクモタの肩に捕まると術を発動。

 

 その効果はすぐに表れた。

 猛禽のスピードが増し、小鳥のブレスの空気弾が増す。

 重力波のスピードと威力が減る。

 

 クインはうっとおしそうな顔をする。

 

「ん……」

 

 体に重みを感じる。スピードが遅くなりそうなのでどうにか出力を上げてスピードを維持する。

 高速移動する相手を見て分析する。

 

(あのフェアリー、味方にバフ、敵にデバフを掛けるのか……)

 

 シンプルだが、それは厄介。

 更に問題がある。

 それは

 

(味方強化ってどこまで?)

 

 相手は今はラプトルを引っ込め、小鳥、猛禽、妖精を出している。

 だが、恐らくまだ出せる可能性がある。

 一体どこまでそのバフはかかるのか……。

 

 問題はそれだけではない……。

 

(時間が僅か……)

 

 実はクインのチカラには制限時間があった。

 言ってしまえば、容器に入った水。自然に補充されるのだが、それ以上に使えば無くなる。

無くなったとしても補充されるが、完全になくなった場合、暫く使用不可能になる。

 

 今回は大技を序盤に使ってしまったので、もう残り時間が残っていない。

 となると、残りは気配遮断と隠蔽しているモノなのだが、気配遮断はあまり戦闘向けではく、斥候や偵察向けであるので、今回は使えない。

 そして、もう一つが大問題だった。




【後書】
(・▽・)<アレ? 幹部一人足りませんね。どういう事ですか?

(㈩*㈩)<後でやる。とある生徒が四天王のリーダーと戦って勝利。

(㈩*㈩)<したんだけど……

(・▽・)<何かスキルのデメリットも喰らいましたか?

(㈩*㈩)<ううん。肉体的な怪我はザンカさんよりはマシ。

(㈩*㈩)<班員も無事だったけど……。

(#ー#)<あ、わかった。そういう事か。

(・▽・)<何ですか?

(#ー#)<お前には多分わからない。
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