(#ー#)<捕捉説明。
(・▽・)<第二段。
(#ー#)<茶々入れんな。……まあいいや。
(#ー#)<皆伝以上になった拳士は、相性の良い霊獣一種類と契約する。
(#ー#)<そうして、オーラを増強し、霊獣のチカラを振るう。
(#ー#)<だから、どう見ても魔法にしか見えない技を使う奴もいる。
(㈩*㈩)<……。ねえ。
(㈩*㈩)<この皆伝って剣術とか武芸の階級だよね。
(#ー#)<ああ。
(㈩*㈩)<この拳法はどんな感じなの?
(#ー#)<こんな感じ。
切紙→目録→印可→免許→皆伝→秘伝
(#ー#)<切紙は初歩の初歩。多少の型と身体強化。
(#ー#)<目録はオーラの操作。そして印可で身体操作を身に着ける。
(#ー#)<その印可までが中伝に当たる。んで免許は霊獣と契約前準備段階。
(#ー#)<そこまで至れたら、身体操作は極まっているが、行けるのはほんの一握り。
(#ー#)<そして、契約が許可され、契約出来たら皆伝だな。
(#ー#)<そこから極めて秘伝になる。
(#ー#)<……まあ正式な獣拳士はかなり少ない。
(#ー#)<あの事件のせいで、厳しくなったうえ、かなり死んだからな。
「……」
沈黙していたクイン。
「ん」
そして、彼女は新たな武器を装備する。
それは巨大な鉤爪が鋭い籠手。
その姿が突如消えた。
「!」
それにクモタは鬼に周囲を警戒させる。
(そう言えば、重力操作と百獣拳以外にも使っていたな……)
それがステルス能力。
単に透明になる訳ではなく、五感そのものから捉えられなくする。
最初の時は、何かしら違和感があったので、消し飛ばす事で焙り出したが……。
(今は出来ねえな)
この鬼はデメリットのある武器を振るう事に特化している。
広範囲を攻撃する手段がない。
だが……。
「やりようはある」
鬼は六つの刀剣の内、二つの物から斬撃を放ち、もう二つの刀身を延長させる。
攻撃の雨霰でそのまま辺りを薙ぎ払っていく。
(相手は近づいてしか攻撃出来ない。だったら数打てば良いだけ)
シンプルだが、確実な手だった。
一方クインは、ステルス状態でその攻撃を避けて行く。
(一歩一歩。着実に)
そのまま少しずつ相手に近づく。
(倒せなくてもせめて……)
彼女にはとある狙いがあった。
そして、遂にクモタの近くに到達。
(チャンスは一回)
そして、
「ん!」
「おっと!」
鉤爪を振るう。その攻撃はクモタを捉えた!
だが……
「惜しかったな……」
致命ダメージを肩代わりするアイテムにより、その一撃は防がれてしまった。
更に……
「攻撃を仕掛けたら、暫くは使えないみたいだな……」
ステルスをしないクインにそう告げる。
そして、
「じゃあ死ねや」
鬼の刀剣がクインに突き刺さる。
「ッ!」
六本の刀剣が腹部を貫通。
とは言え、それで終わらず……
「内臓をスムージーにしておこう」
腹部に刺さった刀剣を動かし穴を広げ、内臓を破壊する。
内臓は回復魔法やポーションでも治しにくい。
確実に殺す為の一手だった。
そして、クインを地面に落とす。
腹部に穴が空き、起き上がらない彼女だが、まだ生きている。
(まあ時間が経てば死ぬな。だが、まだ何かあるかもしれない)
死ぬまで見守る事を選択したクモタ。
少ししてクインの目から光が消え、彼女は死んだ。
それを確認して、彼は帰還しようとする。
「じゃ、戻るk」
最後まで言えなかった。
突如、クモタは倒れた。
それと同時、鬼が消えた。
その場には生きているものはいなくなった。
………………
…………
……
暫くして起き上がったのは……
「んんん」
クインだった。
先程まで攻撃されていた腹部を擦る。
服は破けたままだったが、肌は綺麗なまま。
完全に治っていた。
そして彼女はクモタのところへ歩み寄る。
そして、動かない彼を暫く見つめ……
「……」
軽く小突いて生死を確認した。
クモタは死んでいた。一見すれば眠っているようにも見える。
それになんとも言えない表情を浮かべるクイン。
口を開く。
「だから言ったのに」
そして、彼女は戦利品をいくつか回収し、その場から立ち去った。
★☆★☆★
スキルとは、術技、呪法、能力、奥義、御業を指す。
鑑定すれば、それらは見れるのだが、わからないモノがある。
それが秘咒。
戦闘者全員が持っている訳ではなく、持っていたとしても、能力形態・発動形態も様々。
シンプルな強化だったり、身体・感覚強化の延長線上だったり、何かしらを操作・干渉したりと様々な能力が確認されている。
任意で発動するものがあれば、常時発動しているものもある。
例としては、前者はワクイの強奪、後者はマリアの省エネ。
そして、条件を満たさなければ発動しないものがある。
例としては、コジュウロウの分身が当てはまり、クインの秘咒もこれに当たる。
《九魂九生》
あることわざからクインはそう名付けた。
簡単に言えば命のストック、即死カウンター、強奪能力――三つの合体。
対象に殺害されると発動し、相手を殺害すると同時、その能力だけでなく、技術や経験すらも奪う。
だからこそ、彼女は奪った相手――今の所は、トロール三兄弟の一人、無人、■、創造召喚士――の能力を使う事が出来る。
聞いただけではかなりチートな能力。
なのだが、欠点がある。
一つが回数。
生涯で九回しか使えず、補填は不可能。
二つ目が確立。
実は百%上手くいくわけではなく、様々な要因で失敗する可能性もある。……確率を上げる方法はあるが。
三つ目が時間制限。
使用可能時間が存在して、それを過ぎるとインターバルが必要になり、暫く使用不可能になる。だからこそクインは連続使用はせず、ちょくちょく切り替えやチャージをおこなっている。
彼女はこの能力を隠し、普段は重力操作をメインに使っている。気配遮断はあくまれサブ。
本質がバレたら面倒な上に、奪ったチカラもバレると面倒なのがあるからだ。
◇◆◇◆
色々な人から事情を聞き、情報を把握するオウカ。
「そうですか」
相槌を打って、考え始める。
(被害は思ったより出ていない。……まあ去年とは目的が違うけど)
去年の場合、聖女抹殺、今年の場合、奴隷確保。
まるっきり違う。
(それに今回は雑兵が多い)
それに投入された人数も違う。
今回は少数精鋭に加え、結構な兵隊が投入された。
一方、前回は七人だけだった。
(問題は拉致された生徒。屑共は恐らく今は混乱しているよな……)
クインの話によれば、クモタの死で召喚されたモンスターは全部消えたらしい。
恐らく、本人が死んだら、消えるようにしていたのだろう。
「……まあそれぐらいの保険はかけとくか」
「?」
ボソリと呟くオウカに、傍にいたクインが首を捻る。
組織では上手くやっていたようだが、自分が消されるかもしれないと内心思っていたのだろう。
となれば問題は一つ。
「拉致られた生徒は?」
「半分近く」
「……結構やられたな」
攫われた生徒の救出である。
オウカはクインに訊ねる。
「そういや、捕虜は?」
「……」
首を横に振るクイン。
なんでも多少は確保したらしいが、全員服毒で死んだとの事。
「遅効性の猛毒を事前に飲んでいたみたい」
「そういうタイプなら仕方ない」
飲み物を振舞うなりなんなりして、飲ませたのだろう。
「すぐに動かねえとヤバイな……」
呟いたオウカ。
組織は今、幹部が死に、混乱している。
生徒達がバラバラに売られかねない。
「警察とかに連絡はしたらしいけど」
「すぐには動けない」
それに加え、鼻薬を嗅がされて動けない場合もある。
ならばこちらが動くしかない。
オウカは端末を出してとある所へ掛ける。
「もしもし、シロさん」
それは情報屋だった。
〔おや、サクヅキの旦那。どうした?〕
「早速で悪いが、≪紅露御刃亜≫のアジトってわかる?」
単刀直入の話題に、動じる事なくシロは答える。
〔分かるよ。埠頭の近くの廃倉庫を根城にしてる〕
「ありがとう。謝礼は弾む」
〔いいさ。それよりどうしてそれを知りたいのか教えてくれ。それが代わりで良い〕
「わかった。今はちょっと無理だから。後でかけ直す」
端末を切り、懐に仕舞いオウカはその場から離れようとする。
「待って」
クインが呼び止める。
「行くの?」
「今なら相手も混乱しているだろうから」
「あたしも……」
「全快じゃないだろう」
傷は治ったが、重力操作と百獣拳はまだインターバル中。
だからこその言葉。
それにクインは――
「わかった。でも……」
ある物をオウカに渡した。
……
…………
………………
話を聞き終えて五分もしない内、
オウカの姿は空の上にあった。
彼は骨の鳥型モンスターに乗り現場へ向かっていた。
クインが急ごしらえで作ったもので機動力に優れている。
それを貰い足代わりにしていた。
そして、強襲メンバーはオウカだけでなく……
「絶対に許せませんわ!」
プリプリ怒っているベニバナと……
「便利だね~」
相変わらずのキョウコがいた。
本来は一人でさっさと済ませようとしたのだが……
『待つですわ!』
ベニバナに呼び止められる。
『
何でも自分をあんな目に合わせた奴らが許せないらしい。
『服……お釈迦になったんだって?』
『そうですわ!』
実はベニバナがいつも着ている服は、特殊な装備ではなく、多少頑丈なだけの既製品である。
実は彼女、強力なチカラを持っている分、装備品に制限があるらしい。
今着ているのは予備。
『おかげで散々な目に遭いましたわ!』
『まあ元気そうでなにより』
暴走したと聞いたが、案外動けそうである。
そんな二人の所にやって来たのはキョウコだった。
『乗り込みに行くなら~、ワタシも行く~』
『え』
『それに二人だけじゃ~、生徒達が不安になるでしょう~』
それもそうである。
そういう訳で三人で目的地へ向かう。
もうじき目的地というタイミングでキョウコが訊ねる。
「それで~、どういう風にするの~」
因みに鳥の上にキョウコが結界を張っているおかげで普通に会話可能。
「やっぱり正面からですの?」
ベニバナも聞いてくる。
それにオウカは頷く。
「その前にちょっと仕込みはするけど」
「「?」」
疑問符を浮かべる二人にオウカは説明をし始めた。
■□■□
≪紅露御刃亜≫のアジトは埠頭近くの廃倉庫にある。
理由は、海外とも取引するから。
そもそも奴隷は日本では違法なので、当然である。
……まあバレないように持っている人もいるが。
閑話休題。
そして、今この組織は大混乱に陥っていた。
「おい! カードは!?」
「駄目だ。消えてる……」
「嘘だろう! 何があったんだ……」
幹部が死んだうえ、所持したり、保管していたモンスターのカードが全て消えたのだ。
混乱もするだろう。
そんな中、表向きのリーダーである、イガラシは一般構成員に化けて、その様子を伺っていた。
(まさか俺以外全員死ぬとは……)
幹部の強さは知っている。更に……
(まさかクモタまで死ぬとは……)
元々、召喚士やテイマー系は、自分が貧弱である場合が多い。
だからこそ、自身が狙われても良いよう色々対策をしている。
なのだが、殺されてしまった。
(普通の殺り方じゃねえな。何らかの搦め手でも使ったか?)
大正解。
(それにしても……)
混乱する構成員を見ながら、溜息を吐く。
(クモタが死んだのは痛いな……)
クモタは真のリーダーにして、この組織の要のチカラを持っていた。
彼がいなくなった以上、組織は弱体化するだろう。
(ま、とりあえず……)
いつまでも嘆いている訳にはいかない。
なので、手を叩き構成員の視線をこちらに向けさせる。
「おい、騒いでないで、やる事やるぞ」
実は四人の幹部以外には幹部である事を知られていないクモタとイガラシ。
クモタは雑用の下っ端と言う事になっているが、イガラシは四天王の次に偉い位置にいる。
「や、やる事って?」
「商品を売るんだよ」
実はここに戻って来た時点で、取引を速めるようにしていた。
「とりあえず取引をしたら、ここを引き上げるから準備もしておけ」
それでもまだ動かない。
構成員の一人――坊主頭が口を開く。
「で、でもモンスターカード……もが!」
最後まで言えなかった。
その口にイガラシがチャカが突っ込まれる。
ギリギリ片手で持てるサイズの大型拳銃であり、普通の人だったら両手で撃っても反動で関節が砕ける。
それをイガラシは片手で使う。
「うるせえよ」
「ふぁふぇ……ふぇ!?」
容赦なく発砲。
坊主頭が死亡した。
それに構成員が怯える中……
「速くしろ。こいつみたいになりたいか?」
「い、今すぐやります!」
「殺さないで!?」
脅しに、構成員たちが怯えながら動き始める。
その様子を監視しながら、これからどうするか考える。
(俺一人でまとめられるか? ……幹部を増やせばどうにかなるか?)
今まではクモタのチカラで規模拡大が出来ていた。
モンスターの創造とカード化は本当に便利なチカラだったからだ。
だが、それはもうなく、同一能力のプレイヤーの確保は不可能に近い。
(いっそのこと、俺一人でやり直すか)
そんな事を思った。
【コソコソ話】
(㈩*㈩)<ところでさ、事件って何?
(#ー#)<面倒事勃発のところで詳しくやるが、簡単に言えば……
(・▽・)<異常者でも出ました?
(#ー#)<……その通り。しかもなまじ才能があった分、刺客が送られても返り討ちになった。
(㈩*㈩)<それで減っちゃったのか……。その異常者はどうしたの?
(#=#)<もう居ない。あっけなく死んだ。どう死んだのかは追々。