(㈩*㈩)<今、あの子が使えるチカラってさ、確か……重力、ステルス、獣拳法だっけ?
(#ー#)<ああ。そして今回手に入れた創造召喚だな。
(㈩*㈩)<この三つの元になった奴らって? 伏字もあったし。
(#ー#)<……説明しとくか。
(#ー#)<最初にストックした重力操作はトロールからだな。
(・▽・)<トロール? ……もしかして?
(#ー#)<ああ。【ガラガラドン】だ。
(#ー#)<三兄弟の三男だな。因みに武器は双大剣。
(・▽・)<昔の学外実習で現れたとか言う空間は?
(#ー#)<そいつは三兄弟の長男だ。こっちは斧が武器。
(#ー#)<そして……察する奴もいるだろうが、次男は時間。
(#ー#)<未だ存命だ。
(・▽・)<いずれ出てきそうですね。
(・▽・)<あ、ⅡとⅢはまたの機会に。
その時だった。
「ん?」
何かの術技発動の兆候を感じ取る。
そして、光が彼ら全員を通過する。
「な、なんだ!?」
「何ともねえぞ?」
「戦闘準備! 数は有利だ」
また騒ぎ立てる味方を指示を飛ばしながら、イガラシは分析していた。
(今のは索敵だな。陰陽師が使う奴だ。しかもマーカー付)
要するに全員逃がさないという事である。
(となると……)
気配を探る。
彼の得意は振動系。
索敵や感知も得意。
ソナーの要領で感知する。
(どこだ……、どこにいr)
見つけた。
それは……
「上だ!」
そして、天井を突き破り、三人の人間が降りて来た。
「どうも~。U〇erです。絶望と死をお届けに来ました」
髪の長い中性的な男。
「服代は命で払って頂きますわ!」
着物、袴、ブーツ姿の女。
「一人も逃がさないよ~。全員あの世逝き~」
狩衣を纏い、指に呪符を挟んだ女。
この三人だった。
それに構成員は色めき立つ。
「そんなU〇er Eatsがあって堪るか!」
「敵襲だ!」
「怯むな、全員かかれ!」
そうして得物を手に襲い掛かる構成員達。
そんな状況でイガラシは一歩下がり、様子を見る事にする。
(どう見てもこいつらかなり強いな。だったら手札を出せるだけ出して貰おう)
そんな事を思っていた。
◇◆◇◆
わらわらといる構成員。
三十人近くはいるだろう。
オウカはベニバナとキョウコに声を掛ける。
「さっき言った通りで」
「わかりましたですわ」
「了解~」
その言葉に三人は行動を開始する。
「結」
キョウコは呪符による術を発動させる。
先程の索敵とマーカー以外に、対象者を閉じ込める結界を発動させる。
しかも転移封じのものを張る。
だが強力なものを張った代わり、本人は何も出来なくなる。
だからこそ……
「さて守るか」
オウカが守りに入る。
その手には黒腕で作り出したシンプルなロングソードと、何かしらの仕込みはありそうな長方形の盾を持っている。
だが、守っているだけでは勝てない。
なので……
「正面突破ですわ!」
ベニバナが攻める。
オーラを足に集中させ機動力を上げ、敵陣のド真ん中に突入。
「うお!?」
「もう何も見なくていいですわ」
「ギャア!?」
手近にいた構成員の眼球を容赦なく潰した。
そのままその構成員を棍棒のように振り回す。
「サク直伝に人間武器ですわ~」
「教えてないよ!?」
オウカはツッコミを入れた。
確かに教えてはいない。
でもしょっちゅうやってはいるオウカ。
因みに、人間を武器代わりにする戦闘はモンセラート受け売りである。
ベニバナは剛力で人間を振り回し、周りの人間を吹き飛ばす。
「ボゴオ!?」
「ホゲェ!」
「怯むな! 撃て撃て撃て!」
接近戦では勝てないと銃撃や属性魔法を使い始める構成員。
それをベニバナは……。
「サク直伝! 人の盾!」
「ゲギャ! ヒギャ! グギャ!?」
棍棒替わりにしていた人間を、盾にして防ぐ。
武器にされ、息も絶え絶えだった男は、絶命する。
それにオウカはツッコミを入れる。
「……サクヅキクン~?」
「教えてないよ!? やってはいますけど」
「やってるんかい~」
因みに教えてはないが、人を盾にするのはよく使うオウカである。
これもモンセラートがよく使っていた。
……本当に人でなしである。
まあ元殺人鬼にして拷問士なので当然かもしれないが。
「ニ、ニシダー!」
「お前、よくも仲間を!」
その言葉にベニバナはきょとんとした顔になった後、平然と告げる。
「やったの貴方方ですわよ?」
「盾にしたのはお前だろ!?」
「大事なら攻撃やめるなりするですわ」
その言葉に、キョウコはオウカを目を細めて見る。
「何を教えているの~?」
「教えていないですって!」
「そう~」
今度はベニバナに視線を移す。
「仲間を殺した罰ですわー」
「ヤッタノ!?」
「オマエ!!」
別の人間を武器に……しかも今度は両手に人間を持って振り回している。
そんな様子を見てから、オウカを再び視線を戻す。
「少なくとも~、影響は与えたでしょう~?」
「……それは……」
「朱交われば赤くなる~」
「……」
その言葉には何も言えなくなるオウカ。
そんな中でふと思い出したのはかつて戦ったとある人物の言葉。
〔きみは色々な人に影響を与えるね〕
彼女の顔を思い出してボソリと呟く。
「そうかもな」
そうしてオウカは視線を敵陣に向ける。
そこではベニバナが対した消耗もなく、敵を蹴散らしていた。
(オーラ操作上手くなったな)
実は戦う際に、手札を隠すように指示したオウカ。
だからこそ、ベニバナはクロスやシャーマンのチカラを、今はほぼ使っていない。
が、問題はそこではなく……
(こっちだな)
敵陣の奥に視線を向けたオウカ。
そこには≪紅露御刃亜≫のリーダー(表向き)がこちらの様子をつぶさに観察していた。
(加勢する様子はなしか……)
こちらの手札を出させようとしていたのだろう。
だが、構成員があまりに弱すぎて、ほとんど手札を出させる事が出来ていない。
(どう出る……?)
構成員が半分以下になった時だった。
「もうやってられるか!」
「逃げるぞ!」
逃走者が出始める。
流石に武器にされ、殺されるのは誰だって嫌だろう。
だが……。
「おい」
許さない者が一人。
「何逃げようとしているんだ?」
≪紅露御刃亜≫のリーダー(表向き)。
イガラシ=ヒビキ。
「逃げるんなら殺すよ」
「ぐげ!?」
容赦なく、手に持っていた大振りナイフを胸部に突き刺し、逃走者の一人を殺す。
そして、血振りしてから言い放つ。
「選べ。俺に殺されるか、アイツらを殺すかを」
「「……」」
それに残った構成員達は顔を見合わせ……
「死にたくないー!」
「死ねやー! 女ー」
ベニバナに挑みかかった。
だが、現実は無常である。
「来世で頑張るですわ!」
「ホギャ!」
「ゲベ」
ベニバナは敵陣の真ん中に切り込み、そのまま無造作に腕や足を振るって相手を倒していく。
全滅するのに時間はかからなかった。
そして、 最後の二人を目潰しのまま地面に叩きつけ、薔薇を二輪咲かせた所で、イガラシに視線を向ける。
「待たせました……ですわ」
「待ってねえよ」
その声は平然としている。
この状況では一対三なのにだ。
それにオウカは少し嫌な予感がする。
なので。
「さあ、やりまs」
「ベニ代われ」
「わy!?」
オウカは前に出て、ベニバナの襟首を掴んで下がらせる。
「な、何するですわー!」
「交代する」
その言葉に当然の如く抗議するベニバナ。
「せっかく強そうな相手が出てきましたですのに!」
「だってお前消耗しているだろう?」
「……」
その言葉に沈黙するベニバナ。
実は、彼女かなり消耗している。
そもそも実習時に、難敵との戦いで暴走しており、本調子ではない。
更にオウカは続ける。
「それに俺はまだ手札が見られてないしな」
「……わかりましたですわ」
ベニバナは下がる。
その様子は不承不承。
なので、オウカは軽く肩を叩いて置く。
それに彼女は、
「埋め合わせ……してですわ」
「はいはい」
そして、ベニバナはオウカの代わりにキョウコの護衛に入り、オウカはイガラシに向き直る。
「待ったか?」
「いいや」
「そうかい……」
そのまま両者近づいて行く。
オウカは剣と盾の騎士スタイル。
イガラシはナイフとチャカを持って極道スタイル。
(師匠と同じスタイルだな……)
ふと思い出したオウカ。
片手にドス(もしくはナイフ、鉈)、片手にチャカ(もしくはピストル、マシンガン)というオールレンジ対応できるスタイル。
同じ武器や似た系統での二刀流より難しいが、使いこなせればどの距離でも対応可能。
そして、イガラシが口を開く。
「それじゃあ、正々堂々!」
「!」
言い切る前に発砲。
足を狙った銃撃をオウカはギリギリ避ける。
そこへイガラシは間合いを潰し、ナイフを振り下ろす。
それを盾で受け止めながら、オウカは口を開く。
「いきなり卑怯だねえ……」
「卑怯もラッキョウもねえよ。反応出来るとは思ってなかったぜ」
「師匠が良くてな」
こういう搦め手、奇襲、卑怯な手の対策は習っている。
実際、やってくる奴も結構いるのでかなり役立っている。
今度はオウカが攻めに出る。
ロングソードを突きを繰り出す。
「じゃあこっちの番」
「おっと」
それをイガラシは首を動かして避ける。
「これじゃ駄目だな。だったら……こう」
連続突き。
まるで刃の五月雨。
それにイガラシは。
「負けるかよ」
こちらもナイフの突きで対抗。
剣とナイフがぶつかり合い、金属音が連続して響き合う。
両者共に、相手を分析する。
(早いし、重いな)
(こいつ……何者だ?)
(技もある。経験も持ってる。前線に出るリーダーって奴か)
(見た所、学生だが……本当に学生か?)
(武器だけじゃないだろうしな)
(他にも何か持っているだろうな……)
ここまでは互角。
だが、装備、スキル、魔法で状況は幾らでもひっくり返る。
だが、手札は先に出せば、対策されてしまう。
だからこそ、お互い斬り合いで様子を伺う。
とは言え、イガラシは偶にチャカを使い、オウカは盾で殴りかかる。
そんな様子を見守るのは、ベニバナとキョウコ。
「結構やりますわね……」
「腕っぷしで組織をまとめるだけはあるね」
いつの間にか糸目のキョウコが開眼している。
「一体どうなるやら……」
口調も間延びがない。
(まあなるようになるさ~)
真面目過ぎるのもアレなので、口調を戻し、目付きを戻すキョウコだった。
そして状況は動く。
手札を先に切ったのは――イガラシ。
手に持つナイフが震えはじめる。
そして、硝子を引っ掻くような音を立て、高速振動を始める。
(振動剣か?)
高周波を振動させる事で、剣やナイフなどの切断武器の威力を向上可能であり、対モンスターやプレイヤーにも有効。
ただ、振動させる方法は人によって違い、高周波振動発生機を組み込んでいる場合と、スキルや魔法で振動させる場合がある。
(どっちだろう?)
思考しながら、オウカは戦法を切り替える。
振動剣では生半可な武器では受け止められず、斬られるのみ。
だからこそ、剣と盾を仕舞い、徒手空拳となる。
(感覚を研ぎ澄ませ……)
ナイフの連続突きを受け止めず、回避していく。
「よく避ける!」
相手の攻撃の密度が増す。
それをオウカは皮一枚で回避する。
「だったらこれは?」
チャカからの発砲。
それをオウカはバックステップで避ける。
「!」
その弾痕を見て、驚いたオウカ。
弾丸の威力が上昇している。
それにオウカはイガラシを見て呟く。
「振動で威力を上げたのか……」
「そうさ!」
「……なるほど。振動属性か」
魔法の属性の一つ。
別名音属性。
風属性の近縁であり、物を振動させたり、その衝撃による攻撃や防御をおこなう。
イガラシは魔法戦士という訳だった。
バレてしまったが、これ幸いとイガラシは戦法を追加する。
「こんな事も出来る!」
ナイフを振るう。
間合いの外だが、そこから斬撃波が放たれる。
「おっと」
どうにか避けるオウカ。
斬撃攻撃は終わらない。
ナイフが振るわれるごとに斬撃波が襲いかかる。
それすらもオウカに当たらない。
皮一枚で避けながら、オウカはイガラシに近づいて行く。
「だったらこれだ」
チャカから弾丸が吐き出される。
攻撃の密度が増す。
それでもオウカに当たらない。
それに呆れたような目線を向けるキョウコ。
「本当によく避けるね~」
「前言ってましたわ。何でも――」
その時の事を思い出しながらベニバナは語る。
『
メイド師匠の教えである。
「だそうですわ」
「なるほど~」
「でも達人クラスになると、それらの幾つかが無くなるそうでそうし、特殊な銃を使ったり、跳弾とか使いこなす人には有効でなくなるそうですわ」
そう言う場合は、何かしらのスキルや魔法を使え、と師匠は言ったそうである。
【コソコソ話】
(・▽・)<人間を武器にしたり、盾にするのは私がよく使う戦法です♪
(・▽・)<時間がある時は、ブラックジャックを作ってからやります。
(・▽・)<さっきまでの仲間が加工され、それで打撃されるのは精神的に来ます。
(#ー#)<お前頭おかしいよ。
(㈩*㈩)<因みに、サクもやった事ある。本編でやるかは未定。
(#ー#)<……(絶句)……。