冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS:クインのストックⅠ】
(㈩*㈩)<今、あの子が使えるチカラってさ、確か……重力、ステルス、獣拳法だっけ?

(#ー#)<ああ。そして今回手に入れた創造召喚だな。

(㈩*㈩)<この三つの元になった奴らって? 伏字もあったし。

(#ー#)<……説明しとくか。

(#ー#)<最初にストックした重力操作はトロールからだな。

(・▽・)<トロール? ……もしかして?

(#ー#)<ああ。【ガラガラドン】だ。

(#ー#)<三兄弟の三男だな。因みに武器は双大剣。

(・▽・)<昔の学外実習で現れたとか言う空間は?

(#ー#)<そいつは三兄弟の長男だ。こっちは斧が武器。

(#ー#)<そして……察する奴もいるだろうが、次男は時間。

(#ー#)<未だ存命だ。

(・▽・)<いずれ出てきそうですね。

(・▽・)<あ、ⅡとⅢはまたの機会に。


cⅹⅹⅹⅲ

 その時だった。

 

「ん?」

 

 何かの術技発動の兆候を感じ取る。

 そして、光が彼ら全員を通過する。

 

「な、なんだ!?」

「何ともねえぞ?」

「戦闘準備! 数は有利だ」

 

 また騒ぎ立てる味方を指示を飛ばしながら、イガラシは分析していた。

 

(今のは索敵だな。陰陽師が使う奴だ。しかもマーカー付)

 

 要するに全員逃がさないという事である。

 

(となると……)

 

 気配を探る。

 彼の得意は振動系。

 索敵や感知も得意。

 ソナーの要領で感知する。

 

(どこだ……、どこにいr)

 

 見つけた。

 それは……

 

「上だ!」

 

 そして、天井を突き破り、三人の人間が降りて来た。

 

「どうも~。U〇erです。絶望と死をお届けに来ました」

 

 髪の長い中性的な男。

 

「服代は命で払って頂きますわ!」

 

 着物、袴、ブーツ姿の女。

 

「一人も逃がさないよ~。全員あの世逝き~」

 

 狩衣を纏い、指に呪符を挟んだ女。

 

 この三人だった。

 それに構成員は色めき立つ。

 

「そんなU〇er Eatsがあって堪るか!」

「敵襲だ!」

「怯むな、全員かかれ!」

 

 そうして得物を手に襲い掛かる構成員達。

 そんな状況でイガラシは一歩下がり、様子を見る事にする。

 

(どう見てもこいつらかなり強いな。だったら手札を出せるだけ出して貰おう)

 

 そんな事を思っていた。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 わらわらといる構成員。

 三十人近くはいるだろう。

 

 オウカはベニバナとキョウコに声を掛ける。

 

「さっき言った通りで」

「わかりましたですわ」

「了解~」

 

 その言葉に三人は行動を開始する。

 

「結」

 

 キョウコは呪符による術を発動させる。

 先程の索敵とマーカー以外に、対象者を閉じ込める結界を発動させる。

 しかも転移封じのものを張る。

 だが強力なものを張った代わり、本人は何も出来なくなる。

 

 だからこそ……

 

「さて守るか」

 

 オウカが守りに入る。

 その手には黒腕で作り出したシンプルなロングソードと、何かしらの仕込みはありそうな長方形の盾を持っている。

 

 だが、守っているだけでは勝てない。

 なので……

 

「正面突破ですわ!」

 

 ベニバナが攻める。

 オーラを足に集中させ機動力を上げ、敵陣のド真ん中に突入。

 

「うお!?」

「もう何も見なくていいですわ」

「ギャア!?」

 

 手近にいた構成員の眼球を容赦なく潰した。

 そのままその構成員を棍棒のように振り回す。

 

「サク直伝に人間武器ですわ~」

「教えてないよ!?」

 

 オウカはツッコミを入れた。

 

 確かに教えてはいない。

 でもしょっちゅうやってはいるオウカ。

 因みに、人間を武器代わりにする戦闘はモンセラート受け売りである。

 

 ベニバナは剛力で人間を振り回し、周りの人間を吹き飛ばす。

 

「ボゴオ!?」

「ホゲェ!」

「怯むな! 撃て撃て撃て!」

 

 接近戦では勝てないと銃撃や属性魔法を使い始める構成員。

 それをベニバナは……。

 

「サク直伝! 人の盾!」

「ゲギャ! ヒギャ! グギャ!?」

 

 棍棒替わりにしていた人間を、盾にして防ぐ。

 武器にされ、息も絶え絶えだった男は、絶命する。

 それにオウカはツッコミを入れる。

 

「……サクヅキクン~?」

「教えてないよ!? やってはいますけど」

「やってるんかい~」

 

 因みに教えてはないが、人を盾にするのはよく使うオウカである。

 これもモンセラートがよく使っていた。

 ……本当に人でなしである。

 まあ元殺人鬼にして拷問士なので当然かもしれないが。

 

「ニ、ニシダー!」

「お前、よくも仲間を!」

 

 その言葉にベニバナはきょとんとした顔になった後、平然と告げる。

 

「やったの貴方方ですわよ?」

「盾にしたのはお前だろ!?」

「大事なら攻撃やめるなりするですわ」

 

 その言葉に、キョウコはオウカを目を細めて見る。

 

「何を教えているの~?」

「教えていないですって!」

「そう~」

 

 今度はベニバナに視線を移す。

 

「仲間を殺した罰ですわー」

「ヤッタノ!?」

「オマエ!!」

 

 別の人間を武器に……しかも今度は両手に人間を持って振り回している。

 そんな様子を見てから、オウカを再び視線を戻す。

 

「少なくとも~、影響は与えたでしょう~?」

「……それは……」

「朱交われば赤くなる~」

「……」

 

 その言葉には何も言えなくなるオウカ。

 そんな中でふと思い出したのはかつて戦ったとある人物の言葉。

 

〔きみは色々な人に影響を与えるね〕

 

 彼女の顔を思い出してボソリと呟く。

 

「そうかもな」

 

 そうしてオウカは視線を敵陣に向ける。

 そこではベニバナが対した消耗もなく、敵を蹴散らしていた。

 

(オーラ操作上手くなったな)

 

 実は戦う際に、手札を隠すように指示したオウカ。

 だからこそ、ベニバナはクロスやシャーマンのチカラを、今はほぼ使っていない。

 が、問題はそこではなく……

 

(こっちだな)

 

 敵陣の奥に視線を向けたオウカ。

 そこには≪紅露御刃亜≫のリーダー(表向き)がこちらの様子をつぶさに観察していた。

 

(加勢する様子はなしか……)

 

 こちらの手札を出させようとしていたのだろう。

 だが、構成員があまりに弱すぎて、ほとんど手札を出させる事が出来ていない。

 

(どう出る……?)

 

 構成員が半分以下になった時だった。

 

「もうやってられるか!」

「逃げるぞ!」

 

 逃走者が出始める。

 流石に武器にされ、殺されるのは誰だって嫌だろう。

 だが……。

 

「おい」

 

 許さない者が一人。

 

「何逃げようとしているんだ?」

 

 ≪紅露御刃亜≫のリーダー(表向き)。

 イガラシ=ヒビキ。

 

「逃げるんなら殺すよ」

「ぐげ!?」

 

 容赦なく、手に持っていた大振りナイフを胸部に突き刺し、逃走者の一人を殺す。

 そして、血振りしてから言い放つ。

 

「選べ。俺に殺されるか、アイツらを殺すかを」

「「……」」

 

 それに残った構成員達は顔を見合わせ……

 

「死にたくないー!」

「死ねやー! 女ー」

 

 ベニバナに挑みかかった。

 だが、現実は無常である。

 

「来世で頑張るですわ!」

「ホギャ!」

「ゲベ」

 

 ベニバナは敵陣の真ん中に切り込み、そのまま無造作に腕や足を振るって相手を倒していく。

 全滅するのに時間はかからなかった。

 

 そして、 最後の二人を目潰しのまま地面に叩きつけ、薔薇を二輪咲かせた所で、イガラシに視線を向ける。

 

「待たせました……ですわ」

「待ってねえよ」

 

 その声は平然としている。

 この状況では一対三なのにだ。

 それにオウカは少し嫌な予感がする。

 なので。

 

「さあ、やりまs」

「ベニ代われ」

「わy!?」

 

 オウカは前に出て、ベニバナの襟首を掴んで下がらせる。

 

「な、何するですわー!」

「交代する」

 

 その言葉に当然の如く抗議するベニバナ。

 

「せっかく強そうな相手が出てきましたですのに!」

「だってお前消耗しているだろう?」

「……」

 

 その言葉に沈黙するベニバナ。

 実は、彼女かなり消耗している。

 そもそも実習時に、難敵との戦いで暴走しており、本調子ではない。

 

 更にオウカは続ける。

 

「それに俺はまだ手札が見られてないしな」

「……わかりましたですわ」

 

 ベニバナは下がる。

 その様子は不承不承。

 なので、オウカは軽く肩を叩いて置く。

 それに彼女は、

 

「埋め合わせ……してですわ」

「はいはい」

 

 そして、ベニバナはオウカの代わりにキョウコの護衛に入り、オウカはイガラシに向き直る。

 

「待ったか?」

「いいや」

「そうかい……」

 

 そのまま両者近づいて行く。

 オウカは剣と盾の騎士スタイル。

 イガラシはナイフとチャカを持って極道スタイル。

 

(師匠と同じスタイルだな……)

 

 ふと思い出したオウカ。

 

 片手にドス(もしくはナイフ、鉈)、片手にチャカ(もしくはピストル、マシンガン)というオールレンジ対応できるスタイル。

 同じ武器や似た系統での二刀流より難しいが、使いこなせればどの距離でも対応可能。

 

 そして、イガラシが口を開く。

 

「それじゃあ、正々堂々!」

「!」

 

 言い切る前に発砲。

 足を狙った銃撃をオウカはギリギリ避ける。

 そこへイガラシは間合いを潰し、ナイフを振り下ろす。

 それを盾で受け止めながら、オウカは口を開く。

 

「いきなり卑怯だねえ……」

「卑怯もラッキョウもねえよ。反応出来るとは思ってなかったぜ」

「師匠が良くてな」

 

 こういう搦め手、奇襲、卑怯な手の対策は習っている。

 実際、やってくる奴も結構いるのでかなり役立っている。

 

 今度はオウカが攻めに出る。

 ロングソードを突きを繰り出す。

 

「じゃあこっちの番」

「おっと」

 

 それをイガラシは首を動かして避ける。

 

「これじゃ駄目だな。だったら……こう」

 

 連続突き。

 まるで刃の五月雨。

 

 それにイガラシは。

 

「負けるかよ」

 

 こちらもナイフの突きで対抗。

 

 剣とナイフがぶつかり合い、金属音が連続して響き合う。

 両者共に、相手を分析する。

 

(早いし、重いな)

(こいつ……何者だ?)

(技もある。経験も持ってる。前線に出るリーダーって奴か)

(見た所、学生だが……本当に学生か?)

(武器だけじゃないだろうしな)

(他にも何か持っているだろうな……)

 

 ここまでは互角。

 だが、装備、スキル、魔法で状況は幾らでもひっくり返る。

 だが、手札は先に出せば、対策されてしまう。

 だからこそ、お互い斬り合いで様子を伺う。

 とは言え、イガラシは偶にチャカを使い、オウカは盾で殴りかかる。

 

 そんな様子を見守るのは、ベニバナとキョウコ。

 

「結構やりますわね……」

「腕っぷしで組織をまとめるだけはあるね」

 

 いつの間にか糸目のキョウコが開眼している。

 

「一体どうなるやら……」

 

 口調も間延びがない。

 

(まあなるようになるさ~)

 

 真面目過ぎるのもアレなので、口調を戻し、目付きを戻すキョウコだった。

 

 そして状況は動く。

 手札を先に切ったのは――イガラシ。

 手に持つナイフが震えはじめる。

 そして、硝子を引っ掻くような音を立て、高速振動を始める。

 

(振動剣か?)

 

 高周波を振動させる事で、剣やナイフなどの切断武器の威力を向上可能であり、対モンスターやプレイヤーにも有効。

 ただ、振動させる方法は人によって違い、高周波振動発生機を組み込んでいる場合と、スキルや魔法で振動させる場合がある。

 

(どっちだろう?)

 

 思考しながら、オウカは戦法を切り替える。

 振動剣では生半可な武器では受け止められず、斬られるのみ。

 だからこそ、剣と盾を仕舞い、徒手空拳となる。

 

(感覚を研ぎ澄ませ……)

 

 ナイフの連続突きを受け止めず、回避していく。

 

「よく避ける!」

 

 相手の攻撃の密度が増す。

 それをオウカは皮一枚で回避する。

 

「だったらこれは?」

 

 チャカからの発砲。

 それをオウカはバックステップで避ける。

 

「!」

 

 その弾痕を見て、驚いたオウカ。

 弾丸の威力が上昇している。

 それにオウカはイガラシを見て呟く。

 

「振動で威力を上げたのか……」

「そうさ!」

「……なるほど。振動属性か」

 

 魔法の属性の一つ。

 別名音属性。

 風属性の近縁であり、物を振動させたり、その衝撃による攻撃や防御をおこなう。

 イガラシは魔法戦士という訳だった。

 

 バレてしまったが、これ幸いとイガラシは戦法を追加する。

 

「こんな事も出来る!」

 

 ナイフを振るう。

 間合いの外だが、そこから斬撃波が放たれる。

 

「おっと」

 

 どうにか避けるオウカ。

 斬撃攻撃は終わらない。

 ナイフが振るわれるごとに斬撃波が襲いかかる。

 

 それすらもオウカに当たらない。

 皮一枚で避けながら、オウカはイガラシに近づいて行く。

 

「だったらこれだ」

 

 チャカから弾丸が吐き出される。

 攻撃の密度が増す。

 それでもオウカに当たらない。

 

 それに呆れたような目線を向けるキョウコ。

 

「本当によく避けるね~」

「前言ってましたわ。何でも――」

 

 その時の事を思い出しながらベニバナは語る。

 

(チャカ)はな、撃つ相手の視線や目線、殺気、引鉄にかかった指の動き、筋肉の動き、銃口の向きで避けられる』

 

 メイド師匠の教えである。

 

「だそうですわ」

「なるほど~」

「でも達人クラスになると、それらの幾つかが無くなるそうでそうし、特殊な銃を使ったり、跳弾とか使いこなす人には有効でなくなるそうですわ」

 

 そう言う場合は、何かしらのスキルや魔法を使え、と師匠は言ったそうである。




【コソコソ話】
(・▽・)<人間を武器にしたり、盾にするのは私がよく使う戦法です♪

(・▽・)<時間がある時は、ブラックジャックを作ってからやります。

(・▽・)<さっきまでの仲間が加工され、それで打撃されるのは精神的に来ます。

(#ー#)<お前頭おかしいよ。

(㈩*㈩)<因みに、サクもやった事ある。本編でやるかは未定。

(#ー#)<……(絶句)……。
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