(#ー#)<機械、武器、魔法、スキルでも存在する。
(㈩*㈩)<機械や武器で実現するのは冥刀でもあるけど。
(㈩*㈩)<音属性とか振動属性ってあるんだ。
(#ー#)<ああ。風の近縁だな。物体を振動させる事もできるから、一応別種扱い。
(#ー#)<光属性と聖属性と同じ感じだな。
(・▽・)<そっちは何が違うのですか?
(#ー#)<光は攻撃と防御、聖は対アンデット、浄化、回復だな。
(#ー#)<同じコストでビームを放った場合、純粋な破壊力は光が上。
(#ー#)<ただしアンデット系だったらダメージは更に上になる感じだな。
(・▽・)<そうですか。……何かズレましたね。
(#ー#)<お前が振っただろ!?
今回の相手であるイガラシが使う銃は、自身の魔法属性を付与できる特注品。
更に彼自身の銃の腕前は高く、視線を向けずとも命中率は高い。
しかも斬撃波まで襲い掛かる。
それでも、オウカは少しずつ間合いを詰めていく。
そして、ある一定距離まで近づいた時……
「ここで踏み込む」
特殊な歩法で一気に間合いを詰める。
これはコジュウロウがよく使っていたもの。
(怪我無視で来やがった!?)
今までは怪我を皮一枚で抑えていたオウカ。
だが、今は攻撃を無視して突っ切る。
斬撃と弾丸により、体のあちらこちらから出血する。
それでも、遂に拳が届く間合いに突入。
その右手にはいつの間にか武器が装着されている。
まるで竜や獣の頭部を模したような手甲とでも言うべきもの。
そして、オウカは手甲を装備した拳を振りかぶる。イガラシはナイフの刃を下に向ける。
「オラァ!」
「だったら!」
オウカの拳撃、イガラシの振動波が炸裂!
吹っ飛ぶ両者。
「どうなった!?」
「当たったのは同時ですわ!」
ベニバナは眼が良いので見えていた。
吹っ飛び倒れている二人。
先に起き上がったのは……イガラシ。
「死ぬかと思った……」
オウカの拳撃を咄嗟に振動結界を張る事で防いだのだ。
とは言え……
「ゴフ……」
血を吐くイガラシ。
完全には防げなかった。
一点集中の攻撃には弱いのである。
(あのグローブ……打撃強化のチカラがあったんだな)
そして、ベニバナとキョウコに目線を向ける。
「さあ次はお前らだ」
その言葉にキョウコは顔を歪めるが、ベニバナは平然としている。
「?」
それを疑問に思うイガラシ。
その時、キョウコの顔が驚きの顔になる。
そして、ベニバナが人差し指を向ける。
「まだ……終わっていないですわよ?」
「!?」
嫌な予感がして後ろを振り向く。
そこには――オウカがいた。
ゆらりと立ち上がる。
振動結界に幾らかリソースを振り分けたとは言え、至近距離で振動波を喰らったのに、生きているどころか、立ち上がっている事に驚いたイガラシ。
「おいおい何で生きてるんだ?」
その言葉にオウカは答える。
「鍛えてるから」
「「何その理由!?」」
それも要因としてはあるが、実は装備していた手甲は攻撃と防御の補正が大きいのも作用している。
「「何その理由!?」」
全員がツッコミを入れる中、オウカはイガラシに近づいて行く。
ゆっくりと近づきながら、相手の戦い方を思い返す。
(振動を使って攻防一体。隙がない……)
ふと右手の手甲に目線を落とす。
手甲による殴打は有効だった。
つまり……
(とは言え、一点集中なら突破出来る)
ならば手はある。
それにどうにか致命傷は免れたとはいえ、結構血を流している。
(長くはもたんな。だったら出し惜しみはなしだ)
そして、オウカは決断する。
隠している手札を切る事を。
「試し切りには丁度良いからな」
装着した
盾
鉤爪
銃
斧
棍
双剣
手甲を含めたら合計八つの武器。……正確には防具が混ざっている。
どれもどことなく奇妙な形状をしている。
七つの武器はオウカの周囲を浮遊する。
(何か違和感ありますわね……)
(玩具みたいで使いずらそう~)
(何で八つ出した?)
その場の全員が疑問に思う中、オウカは手甲まで放り投げる。
すると宙に浮いた八つの装備が合体を始める。
そして、現れたのは――大剣。
棍を柄になり、双剣と手甲が鍔となり、螺旋穿孔、鉤爪、盾、銃、斧が刀身となっている。
その大剣を手には持たず、周囲に浮遊させるオウカ。
そして、その大剣を浮遊させたまま間合いを一気に潰す!
「!」
「おらよ!」
大剣が頭上に振り上げられる。
それにイガラシは回避か防御かを迷い……
(どちらも駄目な気が……。だったら!)
まだ使っていなかった、衝撃波を推進力にした移動を使い、間合いを一気に離す。
更に、振動結界を張る。
嫌な予感がしたからこその選択。二者択一ならぬ、二者択二。
その判断……正しかった。
大剣が振り下ろされる。
その途端、地面が消えた。
同時に響く凄まじい轟音。
地面が砕け、破片が巻き上がり、弾け飛ぶ。
衝撃波で辺り一面が吹き飛ぶ。
……アジトの廃倉庫は消し飛び、ベニバナやキョウコすら巻き込んだ。
「危ないですわ~!!」
咄嗟にオーラを防壁状にして、自身とキョウコを庇う。
守らなかったら恐らく巻き込まれていた。
それにオウカは謝る。
「悪い」
「軽い!?」
「まあ戦闘中だからな。勘弁」
オウカは会話しながらもイガラシから視線は外さない。
「生きているんだろ? だったら来いよ」
そして呼びかけた。
☆★☆★☆
【グウェンゾライ・アプ・カイディオ】
須臾叢雅の“最高傑作”ならぬ、“最強欠作”とでも言うべき冥刀。
ソルドアットが偶然見つけ、そこからオウカの手に渡った。
その能力は通常の道具の冥刀化。
手数重視であったオウカにはピッタリの冥刀であったのだが、成功率がかなり低いので、戦力が中々集まらなかった。
量産品や普通の市販品などでも冥刀化は可能だが、能力がそこまで強いものが付与されず、成功確率は一%以下、
手作り品や高価な市販品の場合、能力も強力なものが付与されく、確率も上昇する。……それでも確率は一割を切ってしまうが。
だからこそ、安売りされている武器を大量買いしたり、ヒナタの副業を手伝ったりして、コツコツ武器を集めてやって行った。
更に、ジンナの紹介で鬼の鍛冶師と出会い、彼が作った失敗作を貰い受ける事になった。
そうして、オウカは手当たり次第に冥刀化していった。
その結果、製作者でも知らなかった法則を掴む事が出来た。
それは指輪や腕輪のチェスの駒により、成功する武器には法則がある事だった。
ルークであれば防具、キングであれば大型武器が成功しやすい。
そして、ポーンの場合――複数武器。
浮遊させ独立機動させたり、変形・合体させる事が可能となるようだった。
だからこそ、そういう武器を探した結果……
『これは……』
見つけた。
それは鬼の鍛冶師――イムロンが気分転換で、テレビで見た戦隊ヒーロー。
丁度、クライマックスで自らの固有武器を合体させ、強敵を撃破する所だった。
それを参考に作り上げた。
だが、そもそも複数人で運用しなければならないうえ、これと言った能力を付与出来ず、再生機能も付けられなかったので、失敗作の部屋に仕舞われていた。
これをオウカが見つけ、冥刀化した結果――成功。
元々の性能が強化されたうえ、再生機能も付いた。
更に、補正は高く、能力も合うモノが付与された。
そして何より……一部だけ展開、武装の切り替えも素早く出来、全部を展開させ手に持たずに操作する事も可能になった。
要するに、一人で運用も可能になった。
そして合体させた場合、そのチカラは更に強力になる。
これにはイムロンも喜んでいた。
自分が目指した物になったのだから。
それが今回は猛威を振るう。
◇◆◇◆
オウカの言葉に返って来たのは……弾丸と斬撃波。
それらは大剣が自動で迎撃。
更にイガラシは衝撃波を推進力として、間合いを詰める。
そして、ナイフに高周波を纏わせ、切れ味を上げ、オウカ目がけて振り下ろす。
「ハ!」
「おっと」
だが、それは大剣により受け止められる。
「!?」
それに驚いたイガラシ。
このナイフは性能が良く、生半可な金属でもバターのように切れる。
そこに高周波を纏わせているので、物理的に硬い物なら大抵の物が切断可能。
つまり……
(概念の硬さか……)
何かしらの法則を持っていると、推察するイガラシ。
「だったら!」
ナイフの連続突き。
更に弾丸も入れ混ぜる。
だが、それらも大剣が一人でに動き、撃ち落とす。
大剣では手数が足りない……はずなのだが、
(何か速くねーか?)
大剣の動きが速い。
浮遊して独立機動しているせいか、動きに制限がなく、縦横無尽に動き周り、攻撃を防いでいる。
更に……
(偶に刀身が増えてるよな?)
どう見ても防御・回避不可能なタイミングの攻撃すら弾かれる。
その際は、刀身が蜃気楼のようにブレて斬撃や弾丸を撃ち落とす。
恐らく、このままでは突破は出来ない。
「ならこれだ!」
大規模な振動波を放つ。
至近距離で放てば、幻想金属すら砕く。
先程、オウカにも大ダメージを与えた奥義。
だが……それらは残らず大剣に吸収される。
「!」
それにイガラシは流石に驚き、大技発動直後の硬直も含め、遂に攻撃の手が止まってしまった。
その隙をオウカは見逃さない。
「ならこっちの番だな」
大剣が一人でに振りかぶられ、振り下ろされる。
それにイガラシはどうにか振動結界を張るが……。
「さあ中身を出せ!」
「ぐ!?」
一瞬の拮抗後、突破。肩に斬撃が食い込む。
イガラシはこれ以上食い込まれたら真っ二つになると判断し、武器を手放し大剣を白羽取りし、掌から最大出力の振動波を放つが、大剣はびくともしない。
そして……
「外道は真っ二つ~」
「ごばあ!?」
大剣はイガラシを袈裟斬りにして、真っ二つにした。
(ああ……。こりゃ死んだな)
意識が消え行く中、彼は最後の決断をする。
「じゃあな」
自分の全てを糧に最後の振動波を放とうとする。
その気になれば、大都市すら焦土に出来る一撃。
だが……
「「
ベニバナとキョウコが動く。
両手に掌を集中させたベニバナがイガラシを掴み、そこへキョウコの呪符が張り付く。
最後の一撃は未遂で終わった。
そして。
≪紅露御刃亜≫を全滅させた彼らは次の作業に移る。
それは……
「どこだ?」
「もしかして~、消し飛んだ~?」
「縁起でもない事言わないでですわ!」
拉致された生徒達の救出だった。
……というかこちらが本命である。
……まあ若干忘れていた点もあるが。
「でもさ、廃倉庫にはいなかったよね?」
「うん~。あちこち目を飛ばしたけど、見当たらなかったよ」
実はキョウコは逃がさないよう結界を張り、マーカーを付けただけではなく、生徒達の捜索もやっていた。
「もしかして~、売られた~?」
「だから、そういう事言わないでですわ!?」
ボケるキョウコにツッコミを律儀に入れていくベニバナ。
その様子を見ながらオウカは考える。
(カチコミは迅速におこなったから、取引完了はない……よな?)
つまりはどこかにいる。
(確かこういう時は……)
オウカが思い出したのは、メイド師匠の話。
授業ではなく、雑談で聞いた彼女自身の話。
彼女の実家は極道だった。
とは言え、義理人情に厚く、堅気を守り、弱きを助け強きをくじく「昔気質」であったため、外道なシノギ――誘拐、ヤクの売買、人身・臓器売買、売春、脅迫、詐欺などはやっていなかった。
では何をやっていたかと言えば、守り代、闇金やの出資、アリバイ会社、芸能ビジネスである。
……若干アウトなのも混ざっている。
そして、自分達のシマで違法なシノギをした者達には容赦がない。
特にカタギに迷惑をかける、ヤク、人身、臓器売買をおこなう半グレやマフィアには問答無用で粛清する。
その際、攫われた人の救出もおこなうのだが、今の時代は人を入れられる匣があるので、人身の運搬が楽になり、逆に見つけにくくなったと聞いた。
『ですがやはり生物を入れるのは難しいですから。条件指定をしないと』
その言葉を思い出し、オウカはイガラシの死体に近づく。
そして、ふとカードケース状の匣を見つける。
妙に頑丈そう。
「もしや!」
それを開けると、そこにはカードに閉じ込められた生徒達がいた。
「いました!」
「「!」」
その言葉に二人がやって来た。
「……本当に厄介な能力持っているね~」
「これ戻せるんですの?」
「まあ専門家に任せましょう」
そういう訳で、拉致された生徒達は全員救助された。
後日、カード内から解放も出来た。
因みに実習は、行動評価となり、公平に点数が付けられたそうだ。
【TIPS:合体大剣】
(㈩*㈩)<冥刀化した武器。
(㈩*㈩)<テレビで見た特撮を元に作った。
(㈩*㈩)<その時点では欠陥だらけだったのが、冥刀でズレが直って完全になった。
(㈩*㈩)<因みに秘めた能力がこんな感じ。
竜顎手甲『剛烈』
小盾『吸収』
鉤爪『連刃』
銃『炸裂』
斧『不毀』
棍『伸縮』
双剣(メリケンナイフに近い)『神速』
(㈩*㈩)<更に合体すると、概念を強化し合う。