(・▽・)<こんな感じです。
(㈩*㈩)<設定が変わったり、加筆があるかも。
その説明を聞き、マユとネラはコメントする。
[それさ、ヤバくない?]
[不味]
(そんな事はわかってます!)
心の中でそう言ったミユ。
恐らくこの場に集められた全員がそう思っている。
そんな中、金髪が口を開く。
「おそらくさ、他にも似たような~面々もっといたんだろうな」
「「……」」
その言葉に沈黙。
「んで、生き残ったのは~この十人。つぎに~何をさせる気だ?」
その言葉に答えるように、宙に映像が浮かぶ。
そこにいるのは――
『皆さん、お集り頂きありがとうございます』
その言葉に抗議が上がる。
「「どの口が!」」
「お前が集めたんだろう!」
「出てこいやあ!」
因みにミユは無言だが、内心は罵詈雑言をはきまくっている。
そんな様子を気にする様子もなく、
『では、生き残り集まった皆さんには』
一拍置く。
そして、続ける。
『殺し合いをして貰います』
その言葉に対する反応は――
「言うと思った」
「そりゃあ、消去法で~それしかないよな」
「「そのネタ古い」」
全員薄々わかっていたのか、反応が薄かった。
『おや……。思ってた反応と違いますね。まあいいでしょう』
特に気にする事もなく、
『言って置きますが、皆さんには戦って貰う以外の選択肢はありませんよ?』
その言葉と同時、魔法陣が幾つも浮かび上がる。
そして、そこからモンスターが出て来る。
『GAAAAAA……』
『KYURARARARARARA!』
『LILILILILILI』
『KITIKITIKITI……』
一体だけでなく、合計十体。
普通の生物が変異・進化したタイプのようなのだが……
「ライオン、ゾウ、クジラ、ワシ、コウモリ、イカ、ハリネズミ、シュモクザメ、スズメバチ、チーター。多彩だな……」
金髪が、そうコメントするのも頷ける程に多彩。
脊椎・無脊椎問わず様々なモンスターがいる。
しかも水中が住処であろうものが、三体程いるが、普通に陸上に適応している。
『では、皆さん。殺し合ってください』
そして映像を切ろうとした
『あ、そうそう。言い忘れてました』
彼が言うのは重要な事。
『ここ、酸素が少ないので、速い所片付けないと死にますよ?』
「「!?」」
『それと……生き残った存在一つは出してあげますので』
そして、映像は消えた。
******
船内の二番目に広い場所。
……因みに一番目は、現在進行系で、元殺し屋達とモンスターの殺し合いがおこなわれてる場所である。
そこの広間には、性別年齢問わず――とは言え流石に、赤ん坊や子供はいない。全員成人以上――、様々な男女が居て、全員仮面を付けていた。
彼らの内ほとんどが富裕層で、残りは護衛と給仕。富裕層にはまあまあ著名な人も紛れていた。
とはいえ、こんな催しに参加してるとバレると不味い。
だからこその仮面だった。この仮面には認識阻害が付いている。
彼らは――暇と金を持て余し、デスゲームを見て楽しむ悪趣味な下衆だった。
この客船の持ち主が発起人で、クチコミでドンドン観戦者が増えて行った。
最初は高額バイトと言う触れ込みで、呼び寄せた若者達を殺し合いさせていたのだが、それではつまらなくなったので、モンスターを調達したり、腕利きを呼び寄せるようになっていた。
そんな時に、接触して来たのはとある殺し屋組織に所属する人物。
『丁度良い人達がいるのですが』
それは
聞けば、生き残った脱走者達を殺し合わせるので、丁度良い場所を探しているとの事。
これは渡りに船と喜んで、場所を提供した。
そして現在。
広間にある巨大映像には、十人の戦闘者と十体のモンスターが戦っている光景が映っていた。
十人の元殺し屋達は、己のチカラを振るっていた。
身体強化して戦う者がいれば、属性を操る者がいた。
十体の処刑獣は、本能のまま暴れていた。
高いステータスを活かし、固有能力を振るう。
中々に見ごたえはある。
「いやあ、無理して来たかいがありました」
「またやってくださいね」
「こういうのが、毎回だったら幾らでも金を出しますよ」
客達はそんな要望を伝える。
それに客船の持ち主は曖昧に笑う。
(流石にこの規模はもう無理だよ……)
そう思った。
若干やり過ぎたかも、と後悔していた。
そんな中で、ふと考える。
それはこの企画の考案者の一人。
(そう言えば、彼は誰か連れて来ると言ってましたね……)
実はこの場に
曰く、人混みが苦手なので、別の場所で見させてもらうと言っていた。
そして、上役の人を連れて来ると言っていた。
「ここで見れば良かったのに……」
ボソリと呟いた。
それは幸い
******
ほぼ同時刻。
船内のとある個室。
そこには二人の人間がいた。
一人は黒ずくめ。
今回の発起人である
そして、もう一人。
着物を着ている男。
組織の幹部からボスへとなった
彼らも備え付けのモニターで殺し合いを見ていた。
富豪達には好評なのだが、彼らの顔は芳しくない。
「全員酸素不足については対策していたか……」
「そうですね」
今回のバトルステージには酸素が一定量しかないため、あの人数ならあっという間に酸欠になる。
ところが、あの十人ちゃんと対策をしていたらしい。
マスクやアクセサリーを付けるなり、服を変えるなりして対応している。
未だに酸欠で死ぬ者どころか、苦しむ者が出ていない。
因みに、モンスターは酸素不足にならないようにしている。
「毒ガス散布とかの方が良かったかもしれませんね」
「それはそうだな。……まあそれも対策されているかもな」
「確かに」
経験を積んで、生き残った戦闘者はそういう対策を講じている。
そして、ボスがこう言う。
「まあ、そんなギミックはつけられなかったが」
「蠱毒には不自然ですからね」
直属の部下がこう言った。
│蠱毒《コレ》が今回の目的だった。
★☆★☆★
蠱毒(こどく)。
別名、蠱道(こどう)、蠱術(こじゅつ)、巫蠱(ふこ)。
古代中国で横行した呪術の一つ。
元々は、密閉空間に大量の生き物を閉じ込め、殺し合わせ、最後の一体を呪詛に使うというエグいもの。
例えば古文書「隋書」にはこうある。
[五月五日に百種の虫を集め、大きなものは蛇、小さなものは虱と、併せて器の中に置き、互いに喰らわせ、最後の一種に残ったものを留める。蛇であれば蛇蠱、虱であれば虱蠱である。これを行って人を殺す]
因みに蛇蟲や虱蟲以外にも、瑪蝗蠱、泥鰍蠱、蝦蟇蠱、石蠱、癲蠱、 三屍蠱があり、更に派生して金蚕蟲がある。
なのだが、ここ最近では呪詛に使う訳ではなく、最強の存在を作るためにおこなう事がある。
殺し合わせるのは同じなので、蟲毒を比喩表現として使うのである。
例えば、強いモンスターを生み出すために、モンスター同士を殺し合わせる位ならまだ可愛い方。……全然可愛くないが。
……中にはソレを繰り返し、とんでもない化物を作り出してしまった事例は幾つか確認されているるのだが、コレを人でやろうとする、もしくはやってしまった外道もいる。
例えば、ある武術の師範は、弟子を取ろうとした際、候補があまりに多過ぎたので、ソレをおこなって数人だけにした挙句、最終試験に再びおこないたった一人にした。
因みに、その師範は最後の生き残りに惨殺された。
……残当であり、当然の結果である。
そして、とある殺し屋のトップは、自らの組織が併合される事になったため、人員整理としてそれをおこなった。
……こちらは生き残りに殺されはしなかったが、別件で死んでしまった。
天網恢恢疎にして漏らさずである。
今回、彼らが参考にしたのはコレだった。
難しい依頼を達成した殺し屋達と、品種改良と生体改造により強化(狂化や凶化でもある)されたモンスター達を殺し合わせ、最強の一体を作り出す。
ソレを使役出来れば、弱体化してしまった組織の│鬼札《ジョーカー》となる。
■□■□
なのだが……
「随分粘るな」
そう言うのも無理はない。
戦況は膠着していた。
最初の方は、術技が飛び交い、モンスターが倒されていったのだが、モンスターが半分を切ってから誰も脱落しない。
人間に至っては全員無事。怪我は多少負っているが、戦闘に支障をきたさないもの。
そして何より……誰一人目が死んでない。
それに│γ《ガンマ》は考える。
(まるで戦況を引き延ばそうとしているかのよう)
十人の内の幾人かは、必殺必中や広範囲殲滅の術技を持っているのに、使う気配がない。
(何か狙いがあるのか?)
それはほぼ間違えないだろう。
(だが一体何を?)
それがわからない。
ここは外部から隔離され、ほぼ全域通信も遮断されている。
転移封鎖で一部を除いて逃げる事も不可能。
助けを呼ぶ事は出来ないうえ、来る事もない。
(うん?)
考えていると、ふとある男の顔が浮かぶ。
ミユと一緒にダンジョンをクリアした少年――サクヅキ=オウカ。……少女にも見えるが。
(彼の助けを待っているのか?)
納得したと同時、それを否定する。
(いや、それはない。ここには来れないはず)
通信も転移も不可能。
(だが、待てよ……? 前もって潜入していたら?)
その場合は不味い。
「まさか!?」
「どうした?」
様子がおかしくなった部下に訊ねる上司。
「至急逃げましょう!」
「わかった」
だが……全て遅かった。
******
ミユは待っていた。
ずっとずっと待っていた。
短い時間だったが、長く感じた。
そして……。
[空間、座標、把握]
ネラからの念話。
それにミユは全員に向けて叫ぶ。
「準備完了!」
それに他の面々の顔に喜色が宿る。
「やっとか!」
「「遅い……」」
「まあ、仕方ありません」
元殺し屋達がそう反応する中、マユの方はある準備をしていた。
そして。
[ミユ。準備万端]
[わかりました!]
その言葉に即座に奥の手を解放。
ミユの背後に紅の蓮が浮かび、目の結膜が黒く、角膜が真紅に染まる。そして、体に赤い線が通る。
〈
時間制限がある中、ミユが作り出したのは樹氷。
それは世界樹のように太くなり、枝を伸ばす。
そして、その枝は空間を突き破った!
突き破った先は船内のあちこちに通じている。
「今です!」
その言葉に殺し屋達は瞬時に動く。
「ありがとよ」
「「また後で!」」
「助けに行きますからお待ちを」
枝が突き破り割れた空間に飛び込み、その場を脱出した。
『KITIKITIKITI……』
『WOOOOOOーー』
『GAAAAAAA!!』
『KYRARARARARARA』
……生き残ったモンスター達もそこに飛び込む。
そして、ミユは一人になる。
そのまま術技を解除し、床に座り込む。
「……ふう」
一息付く彼女。
そこへマユとネラが労いの言葉を掛ける。
[お疲れ様]
[後事、他任]
「そうですね……」
それにミユはここまでの経緯を思い出した。
▼▽▼
殺し合いが始まる寸前、ミユは全員に声を掛けた。
『皆、殺さないで、殺されないで、耐えてください』
結構な無理難題。
『『なぜ?』』
『何か考えがあるのか?』
『この場から脱出する手があるのでお願いします』
不満そうな顔もあったが、それしか出来ないので、全員乗ってくれた。
モンスターは、面々の中にどうにかモンスターと意志疎通が出来る者が居たので、頼んだ。
……まあモンスターの方は全員乗ってくれず、四体だけだった。内訳はライオン、イカ、ワシ、ハチ。
そうして殺し合いの振りをしている間、マユとネラが反撃のための行動をしていた。
ネラがあちらこちらに機械アリを放ち、それを導にしてマユが空間を繋げる。
封鎖や遮断を喰らっている中でも出来るのがこの二人だった。
そして、ミユの大技にマユが空間破壊を乗せて放ったのだ。
【コソコソ話】
(㈩*㈩)<ねえ。
(#ー#)<何だ?
(㈩*㈩)<確か蟲毒って禁じられていなかったっけ?
(#ー#)<ああ。昔は重い刑罰を喰らったんだが……
(#ー#)<今は規制されていない。蟲毒自体はな。
(㈩*㈩)<は? 何で?
(#ー#)<一つ目が、禁じられていると、あえてやる奴がいる事。
(㈩*㈩)<ああ。ダ○ョウ俱楽部……。
(#ー#)<あんな生易しい(?)ものじゃないけどな。
(#ー#)<二つ目が、やった後の事。
(㈩*㈩)<後?
(#ー#)<そもそも、人を呪ったら厳罰を喰らう。下手すりゃ死刑。
(㈩*㈩)<そりゃあそうでしょう。
(#ー#)<更に、とんでもないモノを作ったとしても、
(#ー#)<それを取り締まる奴らがいるからな。
(#ー#)<警察やプレイヤーにとっ捕まるなら優しい方。
(#ー#)<相手が極道や教団だったら……。
(#ー#)<目も当てられない悲惨な事になる。
(㈩*㈩)<抑止が働いているのね。
(・▽・)<ストックが貯まっているので明日更新します。
(・▽・)<久しぶりの三日連続更新です♪