(#ー#)<金髪の男。組織の一員だったが、難易度の高い依頼を達成して脱退。
(#ー#)<実は……かなり珍しいタイプ。強いて言うならお前らに近い。
(・▽・)<? どういう事です?
(#ー#)<コイツ後付けでスキル習得とか、クロスのナノマシン投与もしていない。
(#ー#)<今は冥刀の補正があるが、
(#ー#)<現役時代は、自力習得した強化魔法と装備品のチカラで戦ってた。
(#ー#)<だから、お前らの世界の強者に近い。ぶっちゃけあの世界でもやっていける。
(・▽・)<なるほど。そういう事ですか。
(#ー#)<まあメインのナイフや短剣以外にも、暗器+αは使うがな。
(・▽・)<それは私含め、結構皆やってますよ?
******
裂け目の先に通じていたのは建物の中。
双子が呟く。
「「まるで迷宮だな」」
「そうらしい」
「「?」」
「どういう事ですか?」
オウカの言葉に疑問を浮かべる三人にオウカは答える。
「この空間……冥刀が作ったものなんだよ」
「「は?」」
「嘘でしょう……」
驚く三人にオウカは説明する。
「【ラビリス】。斧の冥刀なんだが……」
「「能力はまさか……あの牛と迷宮か!」」
双子の言葉にオウカは頷く。
「ご察しの通り」
由来である、ミノタウロスとラビリンスのチカラが使える。
「普段はオーラで出来た牛頭の怪物を使うんだが……」
コレの応用性は凄まじい。
膂力強化、鎧のようにして防御、大きなミノタウロスを出して戦わせる事まで出来る。
「奥の手として迷宮を展開できる」
まあ、色々制限はあるけど、と続ける。
「制限?」
「当たり前だが無からは作り出せない。素材がいる」
「「つまり一から作った訳か?」」
「多分ね」
曖昧な言い方をしたのには理由がある。
使い手によって能力は同じでも、ある程度差異が出来る。
すると、おぶられたミユが聞いてきた。
「要するに罠やモンスターもある訳ですね」
「そのはず。つーか」
ミユを見て、双子を見て告げる。
「俺より、そっちの方が詳しいだろう? その
「「決まってる。罠も、モンスターも配置する」」
「嫌らしいのを配置しますよ。きっと」
そんな三人の物言いに苦笑するオウカだった。
………………
…………
……
そして、ダンジョン攻略と相成った。
多種多様な罠が立ち塞がって来たが、幸いオウカと双子の片割れが、そういうのに対する技能を持っていたのでどうにかなった。
「先輩器用ですね」
「師匠の教えの賜物だよ」
床に仕掛けられた罠を解除しながら答える。
因みにこれは床を踏むと、矢が飛んで来たり、巨大な球体が襲って来たりする。
「でも専門じゃないから、もう一人いるのはありがたい」
そう言ってオウカが双子に視線を移す。
彼女らは肩車で天井の罠を解除していた。
オウカのセリフに答える双子。
「「それはこちらのセリフだ」」
そして、一拍置いて続ける。
「「そう言えば自己紹介がまだだったな」」
「そういえば……」
「「あたし達はζ」」
一拍置いて、
「あたしはゼータ」
「あたしはツェータ」
「「宜しく」」
こう自己紹介した。
「別々に喋れるんだ!?」
「驚きました」
そんなコメントを漏らすオウカとミユに、マユとネラがツッコミを入れる。
[それはそうでしょう]
[同感]
更に│ζ《双子》もこう言う。
「「これはあくまで練習、もしくは鍛錬みたいなものだ」」
「「?」」
[[?]]
それに疑問符を浮かべた二人(+二人)。
それに│ζ《双子》はこれだけ言う。
「「あたし達の奥の手は、息を合わせなくちゃならないからな」」
これだけ言って会話を打ち切った。
………………
…………
……
それから罠を突破したり、モンスターを倒したりした。
モンスターは手応えがあった。
オウカとミユはいつものように戦い、勿論双子も戦った。
彼女らはバランスが良く、状況に応じて切り替えていた。
前衛と後衛、パワーとスピード、タンクとヒーラー、炎雷と風氷で戦う。
時にはゼータが前に出で、ツェータが後方に下がり、場合によっては逆となる。
(万能型なんだな)
そう思うオウカ。
そして、同時に……
「う~ん……」
ある事を思う。
「どうしたんですか?」
ミユが訊ねた。
流石に、おんぶはもうされておらず、自分の足で歩いている。
「気になる事があってさ」
「「? どうした?」」
「温くない?」
「温度ですか? 確かに極端に熱くもないですし、寒くもないですけど……」
「いや、まあそうなんだけど、そうじゃなくてな……」
「「このダンジョンの難易度が、だろう?」」
「もっとえげつないダンジョンだってあるしな」
メイド師匠は様々な経験をしてきた。
彼女はその話をオウカに聞かせている。
その話で出て来たダンジョンに比べれば温すぎる。
「確かにモンスターも罠もあるけど、どうにかなるレベルだし……」
「「例えば?」」
「俺が師匠から聞いたものだと……」
オウカは上げていく。
敵ラッシュ。しかも犠牲者までその一部となるため、ドンドン強化される。
入った途端、状態異常にかかる。奥に行けば行く程重度の物がかかる。
モンスターや罠は普通なのだが、武装解除状態――要するに全裸で放り出される。
そんな感じで上げると全員の顔が嫌そうな顔になる。
「嫌すぎます。特に全裸になる奴」
「「装備なしはきつくないか?」」
「曰く、素手でも戦えるならどうにかなるって」
踏破した本人はそう語った。
……まあ嫌そうだったが。
そんな会話をしている時だった。
『流石にそこまでは出来ません』
どこからか声が響く。
それは
それに驚くミユと
「「!?」」
一方、オウカは冷静に訊ねる。
「……迷宮の増築は大変なのか?」
『ええ』
曰く、時間経過、もしくは何かしらのアイテムをコストとして捧げる事でポイントを獲得し、そのポイントで増築出来るとの事。
更に目一杯やっても、流石に上記のようにエゲつない物には出来ないそうだ。
『全く、面倒なものですよ』
やれやれと言った彼。
それにオウカは更に訊ねる。
「ところでさ」
『はい。なんでしょう?』
「ずっと見てたの?」
「「!?」」
その問いに対して少しの沈黙後、答えが返って来る。
『ええ。こちらからは筒抜けです』
「なるほど」
納得したオウカへ、
『このままでは奥まで行かれてしまうので、趣向を変えます』
その言葉と同時、迷宮内部が地震が起きたかのように揺れる。
「「地震?」」
「まさか……崩して生き埋め!?」
「流石にそれはないと思う」
ミユの言葉をオウカは否定した。
「それをやるならやってるし、それやったら排出されるだろうから」
『……ええ。彼の言う通りです』
オウカの説明に
『しかも、また一から作り直しですので避けたいのです』
そして、揺れが収まると、目の前には一本道があった。
『だからこそ、こうします』
その言葉と同時、何かが落ちて来た。
それはモンスター。
二面八腕四足の大魔神。
大きさは五メートル程。
腕にはそれぞれ違う武器を持っている。
右側には――大剣、十文字槍、両刃斧、弓
左側には――槌、盾、ナックルダスター。
その怪物を見て、オウカはふと思う。
(なんで一つだけ無手なんだ?)
左側の一番下だけ何も持っていない。
だが、その理由はすぐにわかる。
その手が弓の弦に伸びる。
弦が引き絞られると、そこに矢が現れる。
そして、上空目がけ放たれる。
その矢が分裂してオウカ達に襲い掛かる。
「そうなるか!?」
「このパターン多くないですか!?」
「「知らん!」」
各々矢の雨を防ぐ。
オウカは盾を二枚出し防ぐ。
ミユも氷の盾で防ぐ。
だが、矢の雨は終わらない。
ドンドン連射されていく。
『ここを突破出来れば私達の所に付けますよ?』
その言葉にやる気よりも腹立たしさを感じる四人。
ミユがオウカと│ζ《双子》を見て聞く。
「あのモンスターかなり強いです。どうします?」
「この面子で突破するか」
そう言ったオウカに、│ζ《双子》が首を横に振る。
……首振りまで息ぴったり。
「「いや、ここはあたし達が受け持つ。先に行け」」
それにミユが心配そうに聞く。
「……大丈夫ですか?」
「「大丈夫。問題ない」」
「それは問題ある人のセリフ!?」
そんな漫才(?)を見て、オウカは決める。
「わかった」
「先輩!?」
「何か手があるんだろ?」
「「ああ」」
「なら任せる。終わらせたら加勢する」
オウカの言葉に不敵に笑う│ζ《双子》。
それを見たオウカは、
[マユ。頼む]
[わかった]
マユに準備をさせながら、
「失礼」
「わ」
ミユを抱え、
「任せた!」
その場から一瞬で消える。
『!?』
大魔神が気づいた時には、後ろの入り口にいる。
空間歪曲による転移。
そのまま、オウカはミユを連れて入り口に入る。
『!』
逃がすまいと、大魔神は槍で突きを繰り出そうとするが……
「「隙を見せたな」」
│ζ《ゼータ》が攻撃を仕掛ける。
幾ら腕が八本あり、同時に武器を使えようとも、やはり多少の隙は出来る。
そこへ、間合いを潰し、
勿論
その一撃は左腕の一番下……矢を生み出す腕を破壊した。
『!?』
だが、大魔神は怯まない。
そのまま他の腕で攻撃を仕掛ける。
それを│ζ《ゼータ》は一気に下がる事でどうにか射程から逃れる。
そのまま
「「これで遠距離攻撃は潰せた」」
そのまま
風により火力を増した炎は大魔神に迫る。
だが、それを大魔神は盾で防ぐ。
盾使いが上手く、結構器用に防いでいく。
しかも……
「「近づいて来るか……」」
少しずつ近づいて来る。
遠距離攻撃だけでは削り切れない。
ならば。
「「仕方ない」」
攻め方を変える
火と風から雷と氷に分けて攻めながらこちらから近づく。
そして、
『……!』
大魔神は七つの腕に武器を持ち振るう。
だが、それを
◇◆◇◆
オウカは走る。
……ミユを抱えたまま。
(いつまでこうするのだろう?)
(降ろして貰うタイミング逃した。まあいっか)
そんな事を二人は思っていた。
その時だった。
何かが凄まじいスピードで飛んできた!
しかも二つ。
「おっと」
オウカはミユを抱えたまま器用に屈む。
そうして何が飛んできたかを確認する。
「斧……」
片手で扱えるサイズの小さな斧。俗に言う
斧はUを描いて使い手の手元に戻る。
そこにいるのは黒ずくめの男。
この人物をミユは知っている!
「│γ《ガンマ》!」
「へぇ……」
オウカは話には聞いていたが、見た事はなかった。
なので改めて観察する。
背丈は百七十程。
服装は帽子、手袋、コート、ブーツ。
全てが真っ黒で、目深に被った帽子のせいで顔もわからない。
両手には先程投擲した手斧を持っている。
そして、口を開く。
「ここは通行止めです。とは言え」
ミユを見て、オウカを見て、続ける。
「流石に二対一はキツイ。ですので一人だけなら通っても構いません」
それを聞いてオウカは即決する。
「ミユ、先に行け」
「え、でも……」
「いいから」
そして、一度返して貰った櫛をミユの髪に挿し、機械アリも渡す。
「持ってけ」
[え……]
[
念話で抗議する二人にオウカは言葉で告げる。
「コイツかなり強い。多分二対一もどうにかなるんだろう」
その言葉に驚く一同。
[!]
[本当?]
「は?」
ミユの顔にも驚きの気配があった。
「ま、待ってください! アイツ……そんなに強いんですか?」
実はミユを含め、組織のメンバーのほぼ全員が
その佇まいから、一部の面々は非戦闘員だと思っている。
ミユは一応何かしら戦う手段を持っているが、自分は戦わず、使い魔やロボットなどに戦わせるタイプだと思っていた。
「ああ。俺と同じ強さが見えないタイプ。俺以外に久しぶりに見た」
強い人物というのは、見ただけで何かしら感じ取れる。
例えるなら――炎。
火の勢いは増せば増す程分かり、近づけば熱を感じ取れる。
なのだが、偶にそれが全くない人がいる。
例えるなら――水。
水は深さがあったとしても、間近に近づいてもわからない場合があるように。
オウカの言葉に
そして、口を開く。
「なぜそう思ったのか、聞いても?」
【後書】
(・▽・)<中途半端な所で切りました。すいません。
(・▽・)<切り時が他が微妙だったんで。
(・▽・)<それと、ここ最近解説がないですが、それは追々。
(㈩*㈩)<鬼札切ったらやる……つもり。