冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

14 / 182
【前書】
(㈩*㈩)<今回の章、想像以上に伸びた。

(㈩*㈩)<まあ楽しんで。

(㈩*㈩)<それと、このコーナー短い時もあるのでご了承ください。


【コソコソ話】
(・▽・)<前にも言いましたけど、サクは嫌われやすく好かれやすいです。

(#ー#)<……好かれるのか?

(・▽・)<少なくとも私は好きですし。貴方もそうでしょう?

(㈩*㈩)<嫌いだったら一緒にいない。

(・▽・)<ええ。少なくとも、ディアンやヴィーも好いてましたし。

(・▽・)<レズで、百合で、男嫌いのアイツも彼だけは例外でした。

(#ー#)<……個性が濃いのしかいないのか。ところで、ヴィーって誰だ?

(・▽・)<鍛冶師。

(#ー#)<……あ、もしかして。

(・▽・)<私やサクの武器や装備を作ってくれていた人です♪

(㈩*㈩)<本当に凄腕。あの性格さえなければ……。


ⅩⅣ~みんなで実習キターッ!~

 ◇◆◇◆

 

 

 久遠家のゴタゴタ(?)が片付いて数日経った。そんなある日。

 

「そういえば」

「?」

「学外実習が近いわね」

 

 昼休憩。今日はカナタと昼食を食べるオウカ。

 

 カナタにオウカが頼んだのは、弁当を作って来て欲しいだった。実際、カナタの弁当は美味しかったので頼み、カナタも快く了承。

 

 そういう訳で、屋上で彼女が作って来た弁当を食べていた。

 今日のメニューは俵型お握り、唐揚げ、卵焼き、金平ごぼう、サラダ。色合いが良い。

 オウカは美味しく頂いている中で、カナタが出した話題を聞いて思い出す。

 

「あったな、そんなの」

「……忘れていたの?」

「覚えてはいた」

 

 頭の片隅で、と心の中では付け足す。実際、それどころではなかったのだから、しょうがない。

 スキルの盗難、異世界での奇妙な冒険、退学を懸けた決闘、プロの<プレイヤー>との模擬戦、刀鬼との激闘など行事(?)が目白押し(笑)。まだ入学してから一ヶ月も経っていないのに。

 

「確か……<ダンジョン>ツアーやるんだよな?」

「ツアーって……間違ってはいないけど。迷宮というか特殊な領域の探索をするの」

 

 <ダンジョン>と一口に言っても種類は色々。魔力により変貌した場所、異次元空間の歪み、滅んだ異世界。ちなみに実習で使うのは主に一番目である。

 

「まあ、毎年場所は違うけど、課題は同じだから」

「課題?」

 

 五日間サバイバルをおこなって、途中のチェックポイントを通過しながら、ゴールを目指すそうだ。

 

「……危険性は?」

「場所は危険性低い所を選ぶし、引率には外部からプロのプレイヤーを呼ぶそうよ」

 

 カナタ曰く、当初は危険性低い場所で、引率は教師だけだったらしい。

 ところが、

 

「大事件が起こったの」

 

 突如、危険地帯に生息する<モンスター>が転移してきたそうだ。

 

「転移事故か」

「ええ」

「……稀にあるからな」

 

 大気中の魔力が多いと、予期せぬ転移が発動する時がある。防ぐ道具もあるが、そんな物を<モンスター>が持っている訳がない。更に、

 

「悪い事に」

「うん」

 

 相槌を打つオウカ。

 

「肉食の凶暴<モンスター>で」

「うわ」

「更にお腹を減らしてて」

「……まだ何かあるの?」

「<ユニークネームドボス>」

「最っ悪だ」

 

 頭を抱えるオウカ。

 

 <ユニークモンスター>は唯一無二の存在。他の同種類がいないオンリーワン。極稀にワーストワン。特殊なチカラを持っている。

 

 <ネームドモンスター>は固有の名称を持っている。他の同種類と強さが格段に違う。

 

 <ボスモンスター>は親玉や主。通常種の強化版。行動パターンは同じだが、ステータスが高い。

 

 この三つが重複する事はあり、ダブルは偶にあるが、トリプルは稀。

 だが、悪い事が重なった結果、大惨事となった。

 生徒達はなすすべもなく食べられていった。無論抵抗はしたが、鎧袖一触。とはいえ強い生徒と、引率の教師達の必死の抵抗の末、全滅は免れた。

 最終的にその<モンスター>は通報を受け、駆け付けた<プレイヤー>により討伐された。

 

「それでも数十人しか生き残れなかったみたい」

 

 生き残った人も心身共に傷を負い、転学した人もいるそうだ。

 参加者の遺族からは非難もあり、最終的に高校側は、遺族に和解金を支払い、再発防止策を提示し、どうにか納得してくれたらしい。

 

「まあ、全員無事に卒業出来る訳はないから……」

 

 カナタの言葉は正しい。<プレイヤー>は命懸け。毎年、死傷者や再起不能者は出る。無事に卒業出来るのは七割〜九割程である。

 オウカの正当防衛(?)が、多少怒られるだけで済んでいるのはこれが大きい。

 

「でもさ」

「?」

「入学出来たからにはさ」

「……」

「卒業したいな」

「ええ」

 

 オウカの言葉にカナタは頷いた。

 

「ところでさ」

「?」

「これって……班でやるパターン?」

「……それはそうでしょう」

 

 オウカの素朴な疑問に、カナタは答える。

 というか普通の学生には一人サバイバルはキツい。

 

「どうしよう……。一人でやるしか……」

[わたしがいるけど?]

[わかってる]

 

 頭を抱えるオウカに、マユがフォローする。そんな彼(ら)にカナタが苦笑しながら言う。

 

「班は教師が決めるわよ。だから安心して」

「そっか」

 

 そう言うので少し安心するオウカ。

 

[二人でやらずに済みそう]

[だな]

 

 雑談をしていると、予鈴が鳴る。

 

「じゃあまた」

「ええ」

 

 カナタと別れ、オウカが向かったのは、多目的室だった。一学年で集まり話をするらしい。

 どうにか時間内に滑り込んだ数分後、

 

「こんにちは~」

 

 キョウコが入室。そして話が始まる。

 

「今日は〜、学外実習の班を〜、発表します〜」

 

 どんぴしゃり。

 開口一番そう言う彼女に、

 

「私達で決められないんですか?」

「どういう基準で選びましたか?」

「場所と課題は何ですか?」

 

 という質問が飛ぶ。それにキョウコは答える。

 

「そうだよ〜。仲良しグループとかで固まると〜、戦力差出るし〜、独りになる人もいるだろうし〜」

 

 一瞬キョウコの目がオウカを見た。

 

「基準は〜、成績や〜、経験により〜」

 

 またオウカを見るキョウコ。そして幾人かも見た。

 

「場所と課題は〜、当日発表〜」

 

 との事。今度は見なかった。

 そして、班が発表される。

 

「班ごとに集まって〜、話し合いしてね〜」

 

 そういう訳で、班ごとに集まる。この班はクラスバラバラであるからこそ、一学年全員集められたわけだ。

 

「サクヅキ=オウカ。宜しくお願いします」

[マユ]

 

 開口一番オウカは挨拶する。こういうのは最初が肝心。オウカ以外聞こえないが、マユも挨拶する。

 

「カミヨ=リアです。こちらこそ宜しくお願いしますね、サクヅキさん」

 

 真っ先にそう返したのは、制服であるセーラー服とシスター服をミックスさせて着ている少女。フワリとオウカに微笑む。

 

 その行動を咎めたのは、赤毛をポニーテールとツインテールが合体しているトリプルテールとでも言うべきものにしている少女。

 

「リア様、こんな危険人物に挨拶なd」

「ランコ!」

 

 リアが遮るように言うと、

 

「サクライ=ランコだ。宜しくしたくないが」

「ランコ!!」

「宜しく」

 

 不承不承挨拶を返す。

 

「じゃ、次はワイの番やな―」

 

 そう言ったのは金髪チャラ男。似非関西弁を喋っている。確かこの間の模擬戦で戦った相手。

 

「タナカ=ハナオ。宜しく頼むで」

 

 四人一班で今回は行動する。なのでこの四人(+α)がオウカの班員である。

 

「自己紹介も終わりましたし、次は何を話しましょう?」

「戦闘方法とか?」

「サバイバル経験の有無も重要やない?」

 

 リアの言葉に、男二人が意見を述べる。そういう訳で、この二つを言う事になった。

 

「わたくしは回復や結界が主です。サバイバル経験はありません」

「槍と術を使った近・中距離戦。サバイバル経験は生憎とない」

「ワイは、《クロス》を使った中・遠距離戦やな。サバイバル経験は生憎ないで」

「俺は<冥刀>を使った……接近戦。サバイバル経験はある」

 

 近・中・遠距離戦をカバー出来ているが、サバイバル経験者がオウカ一人である。

 

[これ大丈夫?]

[知らん]

 

 少し不安になるオウカとマユだった。

 

 そんな彼らに話しかけたのはタナカ。

 

「サバイバルってどんなん?」

「うん?」

 

 問われたので思い出していく。

 

「最初は確か七、八歳位の頃だったかな?」

「「!?」」

「フン」

[そうなんだ]

 

 三者三様の反応。

 それに構わずオウカは続ける。

 

「ほぼ着の身着のままだっからね~。知識もうろ覚え(笑)だったから」

 

 でもああしなければ死んでいたけど、と心の中で付け足す。

 

「どうにか食べられそうな草や木の実で腹を満たしてた」

「水は?」

「煮沸もできないから川の水をそのまま」

 

 川が見つかるまでは泥水、と心の中で付け足す。

 

「蛋白質は?」

「虫」

「「ひ!?」」

 

 女性陣の反応に苦笑しながら、説明する。

 

「魚とか、兎とか素人が穫れるものじゃない」

 

 だからこそ、飢えと渇きに苦しんだ。最終的に偶然迷い込んだ場所で、メイドの師匠に出会わなければ野垂れ死んでいた。

 

「次は十歳位。師匠の課題でね」

 

 結構スパルタなメイドさんである。

 

「今度は知識も詰め込んで、装備もある程度あったからどうにかなった」

「何日位ですか?」

 

 リアの疑問にオウカはこめかみを揉みながら思い出して行く。

 

「最初は一週間。次のは一ヶ月位」

「な、長いな〜」

「そうか?」

 

 年単位で漂流した人よりマシだと思う。

 

「それで、何に注意すべきだと思う?」

「……」

「ランコ」

「水と食料」

 

 ランコの言葉にオウカは首肯する。

 

「それが一番。一応携帯出来る食べ物は仕込んだほうが良いかも」

 

 因みに、オウカは普段着る服に食料を仕込んでいる。着の身着のまま放り出されても平気である。

 

「後、虫刺されだな。アレも厄介」

「……そうですね」

「確かに」

「嫌やなぁ」

 

 オウカの言葉に三者三様に反応。

 リアの疑問にオウカは答える。

 

「では、どうすれば良いでしょう?」

「虫除けの道具なり、スプレーなり使うしかない。後……」

「後?」

 

 タナカの疑問にオウカは答える。

 

「帯電したり、雷属性を使った強化なら虫除けになる」

 

 師匠の教えである。今のオウカのストックにはある。

 だが、

 

「使えません」

「リア様と同じく」

「ワイも」

「あらまぁ」

 

 ならば致し方ない。

 

「虫除けの何かを持ってくしかないな……」

 

 それには全員頷いた。

 そして、その後色々話し合いとなった。

 

 

 ******

 

 

 次の日。昼休憩時。

 今日も屋上でカナタと昼食を取る。

 メニューはおにぎり詰め合わせ。中の具は、鮭、おかか、ツナ、梅干し、焼肉、味卵、タラコ、昆布、高菜。そして、混ぜご飯。沢山あるように思えるが、サイズが小さいので幾つでも食べれられそう。

 

〔本当にこれの数倍食べかねない……〕

 

 by相棒

 

 雑談をしながら話をする二人。偶にマユも混ざる。因みに彼女は学校ではあまり喋らない。バレたら面倒になるからだ。

 そうして実習の話題となる。

 

「どう? 班員とは仲良くやれそう?」

「約一名以外は」

 

 溜息を吐くオウカ。

 

「そうなの?」

「どうにかしたいんですけど……」

 

 ランコから、どうにも危険人物と思われている。主であるリアの方は、普通に仲良くしようとしてくれているのも、態度が頑なな原因だろう。因みにタナカも普通に接してくれる、というかあの模擬戦以来、普通に挨拶と雑談位はする仲である。

 

「どうしたものか」

 

 また溜息を吐く。そんな彼にマユがコメント。

 

[幸せが逃げる]

[そう言われてもな]

 

 念話をしてると、カナタが提案してくる。

 

「担任に相談してみたら?」

「キョウコ先生に?」

「あら、あの人が担任なのね」

 

 知らなかったカナタ。

 

「だったら余計に相談するべきよ。優秀な人だし、良い人でもあるから」

 

 何でも久遠家と蘆屋家には交友があるらしい。だからこその意見。

 なのでオウカも頷いた。

 

「放課後でも話してみます」

「そう。わかったわ」

 

 そして、放課後。

 職員室に向かうオウカの横にはカナタとジンナがいた。双方共にオウカと腕を組んでいる。両手に花、もしくは、人間二人に捕まった宇宙人状態である。

 

[……どうしてこうなった?]

 

 マユがツッコミを入れるのも無理はない状態だった。

 

 オウカはホームルーム終了したタイミングで、キョウコを呼び止めた所、

 

「先約があるから〜、三十分後位に来て〜」

「わかりました」

 

 そういう訳でジンナと話して時間を潰していたのだが、

 

「ボクも行く。もしもの時はコッチの班に入れば良い」

 

 と言う訳でジンナと一緒に行く事になった。 

 

「それありなの?」

「どうしても無理とか」

「うん」

「生理的に受け付けないとか」

 

 何かドンドンおかしくなっている。

 

「虫唾が走るとか」

「……うん」

「殺したくなる場合はOKらしいよ」

「理由が凄まじい!?」

 

 とのこと。実際、無理矢理一緒にしたせいで殺人未遂が起こった事例もあるとの事。

 こうして二人で向かっていると、

 

「サク君!」

 

 カナタがやって来た。何でも言い出しっぺはこちらなので、付き添いに来たそうなのだが。

 

「こんにちは」

「……どうも」

 

 女の争いが勃発した。

 

「私が付き添うから帰っていいわよ?」

「それはコチラのセリフです。オウカはボクの班に入るのだから」

[何か勝手に決まってる!?]

[これが修羅場?]

 

 オウカとマユが念話でコメントする。

 そうして、二人と一緒に行く事になったオウカである。




【TIPS】

<ダンジョン>
(#ー#)<読者がイメージしているようなのもあるが、

(#ー#)<森、山。草原などの自然環境が、

(#ー#)<魔力の影響で変質したモノもあれば、

(#ー#)<異世界に繋がった穴みたいなモノもある。

(㈩*㈩)<特殊な領域や空間という事でいいの?

(#ー#)<まあ、そうだな。

(・▽・)<ク○ックとか、ミ○ーワールドとか?

(#ー#)<例えは悪いが近いな。


<モンスター>
(・▽・)<全部が全部、人間に害を加えるわけじゃありません。

(・▽・)<上記以外にも、ある女王蜂は超々美味しい蜂蜜と引き換えに、

(・▽・)<とある都市と友好関係を築いています。

(・▽・)<こういうのは一部の<モンスター>に見られます。

(#ー#)<因みに、召喚士と契約を結んでいる奴らもいる。

(#ー#)<そして、ある名門は面白い契約方法でチカラを増強している。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。