(㈩*㈩)<今回の章、想像以上に伸びた。
(㈩*㈩)<まあ楽しんで。
(㈩*㈩)<それと、このコーナー短い時もあるのでご了承ください。
【コソコソ話】
(・▽・)<前にも言いましたけど、サクは嫌われやすく好かれやすいです。
(#ー#)<……好かれるのか?
(・▽・)<少なくとも私は好きですし。貴方もそうでしょう?
(㈩*㈩)<嫌いだったら一緒にいない。
(・▽・)<ええ。少なくとも、ディアンやヴィーも好いてましたし。
(・▽・)<レズで、百合で、男嫌いのアイツも彼だけは例外でした。
(#ー#)<……個性が濃いのしかいないのか。ところで、ヴィーって誰だ?
(・▽・)<鍛冶師。
(#ー#)<……あ、もしかして。
(・▽・)<私やサクの武器や装備を作ってくれていた人です♪
(㈩*㈩)<本当に凄腕。あの性格さえなければ……。
◇◆◇◆
久遠家のゴタゴタ(?)が片付いて数日経った。そんなある日。
「そういえば」
「?」
「学外実習が近いわね」
昼休憩。今日はカナタと昼食を食べるオウカ。
カナタにオウカが頼んだのは、弁当を作って来て欲しいだった。実際、カナタの弁当は美味しかったので頼み、カナタも快く了承。
そういう訳で、屋上で彼女が作って来た弁当を食べていた。
今日のメニューは俵型お握り、唐揚げ、卵焼き、金平ごぼう、サラダ。色合いが良い。
オウカは美味しく頂いている中で、カナタが出した話題を聞いて思い出す。
「あったな、そんなの」
「……忘れていたの?」
「覚えてはいた」
頭の片隅で、と心の中では付け足す。実際、それどころではなかったのだから、しょうがない。
スキルの盗難、異世界での奇妙な冒険、退学を懸けた決闘、プロの<プレイヤー>との模擬戦、刀鬼との激闘など行事(?)が目白押し(笑)。まだ入学してから一ヶ月も経っていないのに。
「確か……<ダンジョン>ツアーやるんだよな?」
「ツアーって……間違ってはいないけど。迷宮というか特殊な領域の探索をするの」
<ダンジョン>と一口に言っても種類は色々。魔力により変貌した場所、異次元空間の歪み、滅んだ異世界。ちなみに実習で使うのは主に一番目である。
「まあ、毎年場所は違うけど、課題は同じだから」
「課題?」
五日間サバイバルをおこなって、途中のチェックポイントを通過しながら、ゴールを目指すそうだ。
「……危険性は?」
「場所は危険性低い所を選ぶし、引率には外部からプロのプレイヤーを呼ぶそうよ」
カナタ曰く、当初は危険性低い場所で、引率は教師だけだったらしい。
ところが、
「大事件が起こったの」
突如、危険地帯に生息する<モンスター>が転移してきたそうだ。
「転移事故か」
「ええ」
「……稀にあるからな」
大気中の魔力が多いと、予期せぬ転移が発動する時がある。防ぐ道具もあるが、そんな物を<モンスター>が持っている訳がない。更に、
「悪い事に」
「うん」
相槌を打つオウカ。
「肉食の凶暴<モンスター>で」
「うわ」
「更にお腹を減らしてて」
「……まだ何かあるの?」
「<ユニークネームドボス>」
「最っ悪だ」
頭を抱えるオウカ。
<ユニークモンスター>は唯一無二の存在。他の同種類がいないオンリーワン。極稀にワーストワン。特殊なチカラを持っている。
<ネームドモンスター>は固有の名称を持っている。他の同種類と強さが格段に違う。
<ボスモンスター>は親玉や主。通常種の強化版。行動パターンは同じだが、ステータスが高い。
この三つが重複する事はあり、ダブルは偶にあるが、トリプルは稀。
だが、悪い事が重なった結果、大惨事となった。
生徒達はなすすべもなく食べられていった。無論抵抗はしたが、鎧袖一触。とはいえ強い生徒と、引率の教師達の必死の抵抗の末、全滅は免れた。
最終的にその<モンスター>は通報を受け、駆け付けた<プレイヤー>により討伐された。
「それでも数十人しか生き残れなかったみたい」
生き残った人も心身共に傷を負い、転学した人もいるそうだ。
参加者の遺族からは非難もあり、最終的に高校側は、遺族に和解金を支払い、再発防止策を提示し、どうにか納得してくれたらしい。
「まあ、全員無事に卒業出来る訳はないから……」
カナタの言葉は正しい。<プレイヤー>は命懸け。毎年、死傷者や再起不能者は出る。無事に卒業出来るのは七割〜九割程である。
オウカの正当防衛(?)が、多少怒られるだけで済んでいるのはこれが大きい。
「でもさ」
「?」
「入学出来たからにはさ」
「……」
「卒業したいな」
「ええ」
オウカの言葉にカナタは頷いた。
「ところでさ」
「?」
「これって……班でやるパターン?」
「……それはそうでしょう」
オウカの素朴な疑問に、カナタは答える。
というか普通の学生には一人サバイバルはキツい。
「どうしよう……。一人でやるしか……」
[わたしがいるけど?]
[わかってる]
頭を抱えるオウカに、マユがフォローする。そんな彼(ら)にカナタが苦笑しながら言う。
「班は教師が決めるわよ。だから安心して」
「そっか」
そう言うので少し安心するオウカ。
[二人でやらずに済みそう]
[だな]
雑談をしていると、予鈴が鳴る。
「じゃあまた」
「ええ」
カナタと別れ、オウカが向かったのは、多目的室だった。一学年で集まり話をするらしい。
どうにか時間内に滑り込んだ数分後、
「こんにちは~」
キョウコが入室。そして話が始まる。
「今日は〜、学外実習の班を〜、発表します〜」
どんぴしゃり。
開口一番そう言う彼女に、
「私達で決められないんですか?」
「どういう基準で選びましたか?」
「場所と課題は何ですか?」
という質問が飛ぶ。それにキョウコは答える。
「そうだよ〜。仲良しグループとかで固まると〜、戦力差出るし〜、独りになる人もいるだろうし〜」
一瞬キョウコの目がオウカを見た。
「基準は〜、成績や〜、経験により〜」
またオウカを見るキョウコ。そして幾人かも見た。
「場所と課題は〜、当日発表〜」
との事。今度は見なかった。
そして、班が発表される。
「班ごとに集まって〜、話し合いしてね〜」
そういう訳で、班ごとに集まる。この班はクラスバラバラであるからこそ、一学年全員集められたわけだ。
「サクヅキ=オウカ。宜しくお願いします」
[マユ]
開口一番オウカは挨拶する。こういうのは最初が肝心。オウカ以外聞こえないが、マユも挨拶する。
「カミヨ=リアです。こちらこそ宜しくお願いしますね、サクヅキさん」
真っ先にそう返したのは、制服であるセーラー服とシスター服をミックスさせて着ている少女。フワリとオウカに微笑む。
その行動を咎めたのは、赤毛をポニーテールとツインテールが合体しているトリプルテールとでも言うべきものにしている少女。
「リア様、こんな危険人物に挨拶なd」
「ランコ!」
リアが遮るように言うと、
「サクライ=ランコだ。宜しくしたくないが」
「ランコ!!」
「宜しく」
不承不承挨拶を返す。
「じゃ、次はワイの番やな―」
そう言ったのは金髪チャラ男。似非関西弁を喋っている。確かこの間の模擬戦で戦った相手。
「タナカ=ハナオ。宜しく頼むで」
四人一班で今回は行動する。なのでこの四人(+α)がオウカの班員である。
「自己紹介も終わりましたし、次は何を話しましょう?」
「戦闘方法とか?」
「サバイバル経験の有無も重要やない?」
リアの言葉に、男二人が意見を述べる。そういう訳で、この二つを言う事になった。
「わたくしは回復や結界が主です。サバイバル経験はありません」
「槍と術を使った近・中距離戦。サバイバル経験は生憎とない」
「ワイは、《クロス》を使った中・遠距離戦やな。サバイバル経験は生憎ないで」
「俺は<冥刀>を使った……接近戦。サバイバル経験はある」
近・中・遠距離戦をカバー出来ているが、サバイバル経験者がオウカ一人である。
[これ大丈夫?]
[知らん]
少し不安になるオウカとマユだった。
そんな彼らに話しかけたのはタナカ。
「サバイバルってどんなん?」
「うん?」
問われたので思い出していく。
「最初は確か七、八歳位の頃だったかな?」
「「!?」」
「フン」
[そうなんだ]
三者三様の反応。
それに構わずオウカは続ける。
「ほぼ着の身着のままだっからね~。知識もうろ覚え(笑)だったから」
でもああしなければ死んでいたけど、と心の中で付け足す。
「どうにか食べられそうな草や木の実で腹を満たしてた」
「水は?」
「煮沸もできないから川の水をそのまま」
川が見つかるまでは泥水、と心の中で付け足す。
「蛋白質は?」
「虫」
「「ひ!?」」
女性陣の反応に苦笑しながら、説明する。
「魚とか、兎とか素人が穫れるものじゃない」
だからこそ、飢えと渇きに苦しんだ。最終的に偶然迷い込んだ場所で、メイドの師匠に出会わなければ野垂れ死んでいた。
「次は十歳位。師匠の課題でね」
結構スパルタなメイドさんである。
「今度は知識も詰め込んで、装備もある程度あったからどうにかなった」
「何日位ですか?」
リアの疑問にオウカはこめかみを揉みながら思い出して行く。
「最初は一週間。次のは一ヶ月位」
「な、長いな〜」
「そうか?」
年単位で漂流した人よりマシだと思う。
「それで、何に注意すべきだと思う?」
「……」
「ランコ」
「水と食料」
ランコの言葉にオウカは首肯する。
「それが一番。一応携帯出来る食べ物は仕込んだほうが良いかも」
因みに、オウカは普段着る服に食料を仕込んでいる。着の身着のまま放り出されても平気である。
「後、虫刺されだな。アレも厄介」
「……そうですね」
「確かに」
「嫌やなぁ」
オウカの言葉に三者三様に反応。
リアの疑問にオウカは答える。
「では、どうすれば良いでしょう?」
「虫除けの道具なり、スプレーなり使うしかない。後……」
「後?」
タナカの疑問にオウカは答える。
「帯電したり、雷属性を使った強化なら虫除けになる」
師匠の教えである。今のオウカのストックにはある。
だが、
「使えません」
「リア様と同じく」
「ワイも」
「あらまぁ」
ならば致し方ない。
「虫除けの何かを持ってくしかないな……」
それには全員頷いた。
そして、その後色々話し合いとなった。
******
次の日。昼休憩時。
今日も屋上でカナタと昼食を取る。
メニューはおにぎり詰め合わせ。中の具は、鮭、おかか、ツナ、梅干し、焼肉、味卵、タラコ、昆布、高菜。そして、混ぜご飯。沢山あるように思えるが、サイズが小さいので幾つでも食べれられそう。
〔本当にこれの数倍食べかねない……〕
by相棒
雑談をしながら話をする二人。偶にマユも混ざる。因みに彼女は学校ではあまり喋らない。バレたら面倒になるからだ。
そうして実習の話題となる。
「どう? 班員とは仲良くやれそう?」
「約一名以外は」
溜息を吐くオウカ。
「そうなの?」
「どうにかしたいんですけど……」
ランコから、どうにも危険人物と思われている。主であるリアの方は、普通に仲良くしようとしてくれているのも、態度が頑なな原因だろう。因みにタナカも普通に接してくれる、というかあの模擬戦以来、普通に挨拶と雑談位はする仲である。
「どうしたものか」
また溜息を吐く。そんな彼にマユがコメント。
[幸せが逃げる]
[そう言われてもな]
念話をしてると、カナタが提案してくる。
「担任に相談してみたら?」
「キョウコ先生に?」
「あら、あの人が担任なのね」
知らなかったカナタ。
「だったら余計に相談するべきよ。優秀な人だし、良い人でもあるから」
何でも久遠家と蘆屋家には交友があるらしい。だからこその意見。
なのでオウカも頷いた。
「放課後でも話してみます」
「そう。わかったわ」
そして、放課後。
職員室に向かうオウカの横にはカナタとジンナがいた。双方共にオウカと腕を組んでいる。両手に花、もしくは、人間二人に捕まった宇宙人状態である。
[……どうしてこうなった?]
マユがツッコミを入れるのも無理はない状態だった。
オウカはホームルーム終了したタイミングで、キョウコを呼び止めた所、
「先約があるから〜、三十分後位に来て〜」
「わかりました」
そういう訳でジンナと話して時間を潰していたのだが、
「ボクも行く。もしもの時はコッチの班に入れば良い」
と言う訳でジンナと一緒に行く事になった。
「それありなの?」
「どうしても無理とか」
「うん」
「生理的に受け付けないとか」
何かドンドンおかしくなっている。
「虫唾が走るとか」
「……うん」
「殺したくなる場合はOKらしいよ」
「理由が凄まじい!?」
とのこと。実際、無理矢理一緒にしたせいで殺人未遂が起こった事例もあるとの事。
こうして二人で向かっていると、
「サク君!」
カナタがやって来た。何でも言い出しっぺはこちらなので、付き添いに来たそうなのだが。
「こんにちは」
「……どうも」
女の争いが勃発した。
「私が付き添うから帰っていいわよ?」
「それはコチラのセリフです。オウカはボクの班に入るのだから」
[何か勝手に決まってる!?]
[これが修羅場?]
オウカとマユが念話でコメントする。
そうして、二人と一緒に行く事になったオウカである。
【TIPS】
<ダンジョン>
(#ー#)<読者がイメージしているようなのもあるが、
(#ー#)<森、山。草原などの自然環境が、
(#ー#)<魔力の影響で変質したモノもあれば、
(#ー#)<異世界に繋がった穴みたいなモノもある。
(㈩*㈩)<特殊な領域や空間という事でいいの?
(#ー#)<まあ、そうだな。
(・▽・)<ク○ックとか、ミ○ーワールドとか?
(#ー#)<例えは悪いが近いな。
<モンスター>
(・▽・)<全部が全部、人間に害を加えるわけじゃありません。
(・▽・)<上記以外にも、ある女王蜂は超々美味しい蜂蜜と引き換えに、
(・▽・)<とある都市と友好関係を築いています。
(・▽・)<こういうのは一部の<モンスター>に見られます。
(#ー#)<因みに、召喚士と契約を結んでいる奴らもいる。
(#ー#)<そして、ある名門は面白い契約方法でチカラを増強している。