(#ー#)<猿……というかゴリラ……というか……キ〇グコングのモンスター。
(㈩*㈩)<そんなに大きいの?
(#ー#)<いや、五メートル程だな。キ〇グコングよりはるかに小さい。
(#ー#)<元々は猿のモンスターの群れから追い出された特殊個体が、
(#ー#)<同じ境遇の個体と義兄弟になって、なんやかんやで強化。
(#ー#)<そして、復讐を果たしてから気ままにやってたんだが……
(㈩*㈩)<迷惑かけて討伐対象……か。
(#ー#)<大正解。そう言う事がままある世界だからな。
■□■□
二人が一人になった事に大魔神は警戒する。
一瞬の逡巡後、選んだ行動は……
『■■■■■■■!!』
盾を構えての突撃。
矢の腕は、再生にもう少しかかるための判断。
それに女性――Ζは手を翳す。
すると周囲に四色――赤・青・緑・黄――が混ざり合った光弾が数えきれない程出現。
それが一斉に発射される。
『!!??』
それらは直線に迫るだけでなく、曲線を描き横・背後・頭上からも当たる。
だからこそ盾だけでは防ぎきれない。
光弾は着実に大魔神の体を削る。
火・雷・風・氷を混ぜ合わせているため、属性耐性すら突破出来るからこその芸当。
更に盾にも当たるのだが、盾がひび割れていく。
『!!』
それでも突進をやめない大魔神。
近づかなければ、敵に勝てないという判断からだった。
そして、遂に槍が届く範囲に到達。
「ッ!」
繰り出すのは連続突き。
それをΖは手に持った双剣で全てを弾く。
『誰がいつ近接は出来ないと言った?』
そして、器用に懐に潜り込み、武器を変更。
選んだのは
襲い掛かる他の武器を避け、振りかぶり、胴体目がけ思いっきり振り下ろす。
『!?』
その体に罅が入る。
凄まじいダメージが入る。
『もう一発』
二撃目を叩き込もうとしたが、それを大魔神は武器を手放し、空となった手で受け止める。
『!!』
そして、ようやく再生して、八本揃った腕で、拳によるラッシュを仕掛ける。
それをΖは盾を出して防ぐ。
とは言え、あっという間に軋んでいく。
『素手でも強いのか。ならば』
軋んでいた盾に罅が入り、遂に砕ける。
その破片を目くらましとして、Ζは双剣を使い、近接戦を仕掛ける。
そうして始まったのはバチバチのインファイト。
『ほらほら』
『!?』
Ζは八つの腕を器用に避け、カウンターで腕にダメージを着実に与える。
大魔神はダメージを自己修復で治しながら、拳を叩き込む。
そして暫くして、勝敗の天秤が傾く。
『……』
大魔神の腕が崩れ落ちた。
これが彼女の狙いだった。
『僅差だったな』
Ζの体も痣と打撲まみれ。
そもそも数が不利。
『ではトドメを刺させて貰う』
そして、ゼータが上空に手を翳す。
そこに先程の属性光弾ならぬ光球が浮かぶ。
大きさは大魔神の背丈以上。
『お前は強かった』
言葉と同時、放たれる。
それを大魔神は……
『……』
粛々と受け止め、欠片からも残らず消滅した。
◇◆◇◆
オウカと
「フン!」
「あら」
「想定内だよ」
だが百戦錬磨である彼にとって、これはよくある事。
器用に空中で態勢を立て直し、着地。
再度、地面を蹴り、間合いを潰しにかかる。
「同じとは芸がない」
それをオウカはメリケンナイフで受け止める。
今度は吹き飛ばされない。
「おや」
「な? 同じじゃないだろう」
そのままギリギリと鍔迫り合い。
「そのようですね。ではこうしましょう」
「そ」
そして、壮絶な斬り合いへと雪崩れ込む。
刃同士がぶつかり合う。
そのまま分析をしていく。
(パワーは向こうが上)
(スピードはあちらが上ですね)
(受け流しが出来る範囲の攻撃なのが幸いだな)
(なるほど。円運動を利用した受け流しですか)
(でも、まだ増強出来るかも)
(筋肉を上手く使ってる。随分と技巧派だ)
お互い傷を負うが、全く気にしない。
どちらもその程度ならすぐに回復する。
そのまま切り合いは続く。
その天秤は――オウカに傾きつきあった。
(スピードが上なのか、こちらの方が喰らいますね)
服と肌を斬られるが、全く攻撃が鈍らない
それにオウカは悟る。
(薬物とかで痛覚切ってるのか? 筋力増強もしているかも)
そして、もう一点可笑しい所がある。
それは切る際の感触。
オウカは今まで数えきれない程の人間を斬って来た。
だから、普通の肌でないのに気づいていた。
(もしかしてコイツ、サイボーグか何か?)
今の時代、何らかの理由で、義手義足に機械を使った人はいる。そして、かなり少ないが、体を機械改造した人もいる。
とは言え、積極的にやる人はいない。
そもそも執刀出来る人が少ない上、それをした後も、定期的なメンテナンスが必要だからである。
とは言え。
(……まあいいや。殺せば死ぬだろ)
関係ない。
死ぬまで斬り続ければ良いだけの事。
そうして暫く斬り合う中、
「埒があきませんね」
「……」
「このまま斬り合っていても」
「……」
オウカは何も言わない。
沈黙の肯定だった。
「私はまだ余裕ですし、貴方も余裕でしょう?」
「フン」
両者共にスタミナには余裕がある。
地力もあるし、アイテムのチカラで回復している。
「なので――攻め方を変えます」
その言葉と同時、
結膜が黒くなり、瞳に十字架が浮かび光る。
その色は――
(白か……)
《ホワイトクロス》
つまり、何かしらの物質の生成、操作か、その物質自体になる、という事。
具体例を挙げれば――
〔ダイアモンド〕のとある人は、自らの体をダイアモンドにする事が出来る。
〔ニトログリセリン〕のとある人は、ニトロを生成して、操作する。
〔鋼鉄〕のとある人は、自らの体を鋼鉄に出来る上、手足を刃物にする事まで可能。
〔銀〕のとある人は、銀だけでなく、銀色の金属を自在に操作可能。
〔液体金属〕のとある人は、特殊な金属を生成し、その形態を自在に操る。
つまりは、色々ある上に、同じ物でも個人差が出る。
眼球移植の成功例すらそうなった、という事例がある。
(さあ何が来る?)
身構える中、悪寒を感じ飛び退く。
「おや、勘が鋭い」
称賛した│γ《ガンマ》。
オウカがいた所の地面が剣山のようになっていた。
「ですが、下がるのは悪手でしたね」
その言葉と同時、地面がオウカ目がけ襲い掛かる。
剣山のように、竜顎のように、津波にように。
地面が形を変えてオウカへ襲い掛かる。
「だったら近づけば良いだけ」
メリケンナイフを違う武器に変える。
それは鉤爪とドリル。
それぞれ腕に装着する武器で、鉤爪は三つの刃を持ち、ドリルはジャマダハルのようになっている。
襲い掛かる剣山に対し、オウカは右腕の鉤爪を振るう。
「オラア!」
三爪一閃。
否、追撃の刃が幾重にも襲い掛かる。
そうして、剣山が蜘蛛の巣状に寸断される。
そのまま迫るオウカに、
それにオウカは左腕のドリルを拳と共に突き出す。
轟音。打ち勝ったのは――オウカ。
「おや」
ドリルが
(受けは……無理ですね)
恐らく『貫通』という概念を持っている。
受けや防御は不可能。
(ならば)
即断即決。
「逃がすかよ」
それにオウカは鉤爪を銃に変えて発砲。
その弾丸を
そうして仕切り直し。
一定範囲を開けたまま、両者出方を伺う。
(空中では地面操作をしなかった)
(追撃の鉤爪、貫通のドリル、威力の高い弾丸)
(何かしらの操作条件があるな……)
(厄介ですね。しかも恐らく条件を見破られている)
(それと、微細な操作は出来ないな……。大雑把が限界みたい)
(まだ他にも手札を持っていそうですね)
そして、
現れたのは――金属球。
「何だぁ? アレ?」
疑問に思ったオウカだったが、
「とりあえずっと」
早撃ち。
手に持つ銃から、弾丸が吐き出される。
狙いは│γ《ガンマ》へ。
勿論ただの弾丸ではなく、『炸裂』の概念を秘めており、命中して体内に入ったら、ダメージを与え続ける。
なのだが、その金属球は壁のようになり弾丸を防ぐ。
それどころか、弾丸を呑み込んでしまった。
「だったらコレ」
武器変更。
手に弓矢を持ち、引き絞り放つ。
先程よりも威力の高い攻撃。
だがそれすら結果は同じ。
「ふむ」
思考するオウカ。
(跳ねるでも、落ちるでもない。喰われた?)
そこへ、地面が先程と同じように襲いかかる。
それを器用に避けながら、思考を続ける。
(硬いだけじゃないのか? 柔軟性もある)
柔らかい物は硬い物より砕きにくい。
(というか……)
金属球に視線を向ける。
(アレ……なんだ?)
武器か、能力か、生物か。
(とりあえず確かめるか)
オウカが出したのは――鎧。腕と胸部に装着される。
「ふぅ……」
呼吸を切り替え、オーラを纏う。
そして、五感を強化する事で、気を感じる。
金属球から生命特有の気を感じる。
「エレメンタル? いやスライムか」
呟くオウカに、│γ《ガンマ》から答えが返ってくる。
「はい、金属スライムの特殊個体です」
「特殊?」
疑問を呈したオウカへ、│γ《ガンマ》は答える。
「様々な金属スライムを合体させて作ったのですよ」
言うなれば合金スライムでしょうか、と続ける
それにオウカは少しだけ顔を顰める。
(厄介だな……)
スライムは物理攻撃がほぼ効かない。
正確には、液状の体が物理攻撃を受け流してしまう。核を狙うか、何かしらで液状の体にダメージを与えるしかない。
そして、一部のスライムは物理攻撃以外に耐性を持っている事がある。
それは火、雷、風などの属性だったり、魔法や熱だったり。
更に、金属スライムは通常スライムよりも厄介。
普通は
それはミスリル、オリハルコン、アダマンティン、ヒヒイロカネなどなど。
どれもその金属の硬さや性質を持っており、普通のスライムよりも倒すのには手こずる。
つまり――
(どうしよう……)
思考するオウカ。
因みに
地面が形を変えて襲い掛かるだけでなく、合金スライムも体を変化させ襲い掛かる。
地面攻撃は大雑把で隙が大きく、どうにか避けられたのだが。それを合金スライムが補っている。
そのせいで避けにくくなっており、掠り傷であるが傷ついている。
(厄介な……)
そんな状況で――
「行きますよ」
「ッ!?」
手斧を構えてオウカ目がけ突撃。
パワーを活かし、地面を踏み砕き、間合いを一気に潰し。
「フン」
手斧を振り下ろす。
それをオウカは武器をメリケンナイフに戻して、受け止める。
そうして、始まるのは剣戟乱舞。
金属音が連続して響き合う。
だが、先程と違う点が存在する。
それは
手斧、剣山、津波、竜顎、合金。
それらが襲い掛かる。
しかも嫌らしい事に、ペースを掴ませないように、同時だったり、連続したり、順番を変えたり。
生半可な相手だったら潰されるだろう。
だが、ここにいるのは生半可な相手ではなかった。
(よく持ちこたえますね……)
オウカはそれら総てを捌いていた。
メリケンナイフだけでなく、他の刃系の武器を動員し、手に持って振るうだけでなく、足の指、膝や肘など武器を挟める場所で持ち、相手の攻撃を凌ぐ。
それどころか……
「オラア!」
「おっと」
接近戦だと、偶に危ない時がある。
それどころか、何度か掠っている。
今の所そこまでの怪我ではないが……
(少しずつ傷が深くなってる)
こちらの動きを見切り始めている。
遠からずこちらに手が届く。
(遠距離で戦うか?)
そう考えた
合金スライムで隙を作り、射程範囲ギリギリまで離れ、最大出力の地面攻撃で圧殺。
(それで行きましょう)
その時だった。
近接でやり合っている│γ《ガンマ》とオウカの目があった。
「!」
その顔は――笑っている。
そして、唇が動く。
『ワ・カ・ッ・テ・ル・ゾ』
読み取れた│γ《ガンマ》は、それに悪寒を感じる。
(だが!)
だからどうした?
│γ《ガンマ》は、先程の考えを実行に移そうとする。
まずは、一旦距離を取るために、下がろうとした時だった。
「怯んだな?」
今までで一番速い動きで、オウカが間合いを詰める。
【TIPS:ζ】
(#ー#)<双子の元殺し屋。
(#ー#)<見た目はあの女より幼そうだが、年上。
(#ー#)<双子の連携で戦う。そして、奥の手で融合する。
(・▽・)<プ〇ズマとマ〇ナズマ、もしくはボ〇ボボみたいですね。
(#ー#)<……もちっと良い例えないのか?
(#ー#)<因みに、今は喫茶店を経営している。
(㈩*㈩)<三連休だから三回連続更新またやるよ。
(#ー#)<最近多いな。何かあったか?
(・▽・)<……。
(㈩*㈩)<……。
(・▽・)(㈩*㈩)<…………。
(#ー#)<何があったの!?