冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS:ユウナ】
(#ー#)<コイツってもしかして……?

(・▽・)<まあ前振りとかで気づいている人も多いと思いますけど。

(㈩*㈩)<“■■”って通り名が一番有名。

(#ー#)<やっぱしな。

(㈩*㈩)<もしくは“怪物”とか、“常勝不敗”、“最強無敵”って呼ばれた人。

(#ー#)<そんなに強いのか?

(・▽・)<ええ。桁が違います。しかも戦いで進化・適応していくので、

(・▽・)<長期戦だと手が付けられない。短期戦でも地力も高いから潰されます。

(・▽・)<しかも冥刀二本持ちでそれに拍車を掛けてた。

(#ー#)<二本?

(㈩*㈩)<実は一本はもう出てる。もう片方は解説でやったかもしれない。

(#ー#)<アイツどうやって勝ったんだ?

(㈩*㈩)<色々あって弱体化しているのを、本気を出す前に潰した。


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 ■□■□

 

 

 何か今凄い事を聞いた気がする。

 なのでもう一度聞いてみる。

 

「あの……」

「ん?」

「今聞き間違えじゃなきゃ、殺して貰ったって言いましたよね?」

「言ったね」

 

 聞き間違えではないらしい。

 だが、どう見てもこの人は生きている。

 

「今……生きていますよね?」

 

 大転換以降、大っぴらに幽霊とかも確認されるようになった。

 だから、この女性も霊体かと思ったのだが、明らかに違う。

 

(普通に実体を持っているよね?)

 

 レイリはオーラ使いなので、相手の気を感じ取るのは得意。

 だからこそわかった。

 

 そんな疑問に女性は肩を竦め返事をする。

 

「まあね。別に話しても良いけど」

 

 そう言ってから周りをキョロキョロと見渡し、

 

「ちょっと込み入った事情になるから、どこかに良い場所ない?」

 

 僕はここの地理に詳しくないから、と言うのでレイリは考える。

 

(喫茶店とか、チェーン店、ファーストフード店はどこに耳があるかわからない)

 

 中にはプライバシーが守れる所もあるにはあるが、ここの近くにない。

 

(わたしの家は駄目だよね)

 

 実はレイリは家族と暮らしている。

 自分の部屋はあるが、親が入って来る可能性がある。

 

(ワンコちゃんの家も同じ理由で駄目)

 

 イヌコの所も同じ理由で除外。

 と言うか出来るならこの近くが良いから、駄目。

 

(オウカ先輩の家は……知らない)

 

 実はレイリ、まだオウカの家に行った事がなく、知らない。

 

(クインちゃんは行った事あるって行ってたな)

 

 学校の近くに住んでいるらしいが、それ以外知らない。

 

(近くで、プライバシーが守れて、人が聞き耳立てていない場所……)

 

 暫く考えているとその時だった。

 

「あ」

 

 良い場所を思いついた。

 

「良い所、あったの?」

「はい! 行きましょう!」

「わかった。それでどこなの?」

 

 女性の問いかけにレイリは答えた。

 

「友達の家です!」

 

 

 ……

 …………

 ……………

 

 

 そういう訳でやって来たのは普通の一軒家。

 

「ここにその友達がいるの?」

「はい。親の友達と暮らしているらしいですけど……」

 

 家を空けているらしく、ほぼ一人暮らしと言っていた。

 

「多分いるよね?」

 

 そう言ってチャイムを鳴らそうとした時だった。

 

「ん。レイリ?」

 

 後ろから声が聞こえた。

 それに振り向くと、そこには一人の少女がいた。

 ヘッドホンがトレードマークで、短めの髪をしている。

 

「へえ」

 

 その少女を見た女性が感心したような声を出した。

 

「クインちゃん。帰ってなかったんだ……」

「ん」

 

 レイリの言葉に、クインは手に持ったエコバッグを見せる。

 中には、買ったらしい食材や弁当が入っている。

 

(ほぼ一人暮らしだから自炊してるよね)

 

 納得したレイリ。

 そんな彼女にクインはここに居る理由を聞く。

 

「ん?」

「ああ。実はかくしかじかで……」

 

 この女性が、サクの知り合いであり、込み入った事情があるらしい、と話すとクインは女性を見た。

 

「確かにサクの知り合いっぽい」

「いやあ照れるね~」

(変人って意味だけど)

 

 失礼なクイン。

 因みに自分も含めている。

 

 そして、クインはレイリを見て訊ねる。

 

「でも、それだったらサクの所に行った方が良かったんじゃない?」

「それも考えたんだけど……」

 

 そう言って女性を見てから、ひそひそと話す。

 

「この人をオウカ先輩が殺したんだって」

「ん?」

 

 チラリと女性を見て続ける。

 

「生きてる」

「そう見えるよね。」

「足付いている」

「うん。だから急に会わせるのは……」

「……ん」

 

 そういうレイリに、クインはここに連れて来た理由に納得した。

 なので。

 

「ん」

 

 指紋と静脈認証で扉を開き、二人を迎え入れた。

 

 

 ………………

 …………

 ……

 

 

 そして二人を客間に座らせ、お茶とお菓子を用意しようとする。

 

「んん?」

 

 何があったかな、と戸棚を探る中、見つけたのはポテトチップス。

 海苔塩、バター、コンソメの三つ。

 

「ん」

 

 全部出す事にする。

 そして、飲み物をどうするかと冷蔵庫を見る。

 

「ん」

 

 しょっぱい物を食べるのだから、甘い物を飲みたい。

 なので、ミックスジュースを用意する。

 入れていこうかと思ったが、

 

「んん」

 

 とは言え、もっと飲みたい人もいるかもと、パックごと持って行く事にする。

 

 そして。

 

「ん」

 

 盆にポテトチップスの袋三つと、ミックスジュースとコップ三つを乗せて、客間に入る。

 

 そんな彼女の視線は盆の上に釘付けだった。

 そして、卓にそれが乗ると同時、女性が動く!

 

「「!?」」

 

 レイリとクインが我に返った時には、ポテトチップスの袋は三つ共空っぽ、ミックスジュースも無くなっていた。コップは汚れていないので、恐らくパックのまま一気飲みしたのだろう。

 そして、女性は満足したように吐息を漏らす。

 

「ふう……。落ち着いた」

 

 それに二人は驚きながらも、

 

「ん、ん~」

「よ、余程お腹空いていたんですね」

 

 こうコメントした。

 

 その言葉に女性ははっとなり、謝る。

 

「ごめんなさい。ずぅぅううーーっと飲まず食わずだったから」

 

 思わず我を忘れた、と女性は申し訳なさそうに謝る。

 それにクインは何かある、と察して首を横に振る。

 

「ん~」

「……?」

 

 その反応がどっちなのか迷う女性に、レイリは捕捉。

 

「気にしないでって言ってますよ!」

 

 そしてクインは続ける。

 

「まだ何か食べる?」

「ハハ、流石にこれ以上がっつく訳にh」

 

 最後まで言えなかった。

 女性の腹部から、凄い音が鳴る。

 それに女性は何も言えなくなる。

 

「……」

「ん」

 

 そうしてクインは客間から出て行った。

 その反応に女性は困り、レイリの方を見る。

 

「えっと……」

「何か持ってくるそうですよ」

 

 その答えに、女性はレイリに聞く。

 

「あの子さ、[ん]しか言ってないけど……」

「クインちゃんあまり多弁じゃないんですよ。それに……」

「?」

「交流していると、同じ[ん]でも色々感情籠っているのわかりますよ」

「そういうものか」

 

 その言葉に、何か遠くを見るような眼をする女性。

 心なしか、その眼は悲しそうだった。

 

(何かあったのかな……?)

 

 そんな事を思っていると、クインが戻って来る。

 

「ん」

 

 その手には大量のお菓子と様々な種類の飲み物。

 

「賞味期限近いから、遠慮なk」

「!」

 

 クインが言い終える前に女性はお菓子に飛びつく。

 そして、卓を埋め尽くすお菓子と飲み物は、あっという間になくなった。

 

「ふう……」

 

 そうして女性は、クインが淹れたほうじ茶を飲んで一息つく。

 そして、我に返る。

 

「……あ。ごめんなさい。全部食べちゃって」

「ん」

 

 気にしないでと首を振るクイン。

 それに女性は続ける。

 

「まあこの借りは返すよ。何かして欲しい事はあるかい?」

 

 そして続けたのは衝撃的な一言。

 

「例えば……誰か殺したい人とか、滅ぼしたい組織とか、消した方が良い国とかない?」

「は?」

「ん?」

 

 何か凄い事を言った。

 

(聞き間違え……だよね?)

(んんん??)

 

 だが続く言葉は

 

「色々やって来たからね。殺すのも、滅ぼすのも、消すのも得意だから」

 

 間違えじゃないと物語っていた。

 

 その言葉にレイリは唖然としていたが、クインはいち早く再起動。

 そして、気づく。

 

(!)

 

 そもそも彼女はオウカの事情を、カナタやヒナタ程ではないが聞いている。

 だからこそ、思い至った。

 

「あなたはあのゴミ溜め出身だったのね」

 

 クインの言葉に女性は思い至ったような顔をする。

 

「ゴミ溜めは良い表現ね。僕もこれから使う事にする」

「ん。ん?」

「……? ああ質問の答えか。そうだよ」

 

 その答えに納得したような表情になるクイン。

 一方、二人の会話の意味がわからないのが、レイリ。

 

「ええっと……、どういう事ですか?」

「……」

 

 クインはどう答えるか迷う中、女性は口を開く。

 

「僕は別次元出身なんだ」

「!」

「信じられないかもしれないけど」

 

 そう付け加える女性。

 それにレイリが思い出したのは、イヌコとのある会話。

 

『サクヅキ=オウカはある時、突然強くなったの』

『突然?』

『何かしらの能力・術技・武器(チカラ)を手に入れたのもそうだけど』

 

 一拍置いて続ける。

 

『経験が段違いになっているの。まるで数日を数年、いえ数十年にしたかのように』

 

 そんな事を言っていた。

 

(そっか。だから先輩は強くなれたんだ……)

 

 それに色々納得出来たレイリ。

 だからこそ、こう続ける。

 

「いえ、信じます」

「そう?」

「そこに先輩も行ってたんですよね?」

「うん」

 

 頷いてから、女性は大切な思い出を語る様に続ける。

 

「そこで(サク)……いや、僕の親友は、僕を救済()してくれたんだ」

 

 その言葉にクインは疑問を投げかける。

 

「ん?」

「……と。何?」

「死んだはずなのに、どうして生きてる?」

「それは僕もよくわかっていないんだよね……」

 

 女性は話そうとしたが、何かを思い出したかのように、手をポンと叩く。

 

「あ、忘れていた」

「「?」」

「僕の名前はユウナ。宜しくね」

 

 遅ればせながら自己紹介をして、女性――ユウナはここに居る経緯を始めた。

 

 

 ▼▽▼

 

 

 ユウナはオウカに殺され、地獄にでも行くのかと思ったが、気づけば魔法陣の上に居て、周りを白衣を来た人達や、柄の悪そうな男達に囲まれていたとの事。

 

「白衣の人達は[実験は成功だ!]とか言っていたね」

 

 特殊な召喚魔法を使い、この体に何かしらの魂を呼び込もうとしていたらしい。

 

「周りを見て、会話を話を聞く限り、研究所みたいだった」

 

 透明な円筒状の容器が幾つもあって、その中に人が一杯居たそうだ。

 

「クインちゃん、それって……」

「ん」

 

 恐らくクローンか、ホムンクルスを作っていた所なのだろう、とレイリとクインは推測する。

 因みに、どちらも違法である。

 前者は論外、後者は許可を取らなければならない。

 

「それで僕が何者か聞いて来たから、まずここはどこなのか答えて貰おうと思ったんだけど……」

 

 白衣の中にいたリーダー各の男が言って来たそうだ。

 

『実験動物は口答えするな。こちらの質問に答えれば良い』

 

 偉そうなうえ、気に食わなかった。

 これだけだったら、受け流したが、ある一言を男は告げる。

 

『貴様の体内には爆弾が仕掛けられている。生殺与奪はこちらが握られている』

 

 そう言ってリモコンを出したそうだ。

 

 だが、それは悪手だった。

 その言葉はユウナにとって許せない一言。

 

「何か人質なり、弱みを握って命令を聞かせようとする奴はさ、死んだ方が良いんだよ」

「……」

「ん」

 

 圧が漏れ、少し険呑な雰囲気になったユウナに、少しだけ怯むレイリ、それを庇うようにするクインを見て、ユウナは圧を引っ込める。

 

「ごめんごめん。思い出したくない事が幾つも思い出されて」

「ん。ん?」

 

 気にしないで、続きを、と言うクインにユウナは説明を再開する。

 

「だから、全滅させる事にした」

「!?」

 

 即断即決。

 幸いにもこの体はかなり優秀だったからこそ、出来た芸当だった。

 

 

 ******

 

 

 そうしてユウナは修羅となり、戦いへと体を切り替える。

 

 まずユウナは白衣のリーダー格に急接近。

 意識の隙間を狙い、特殊な歩行を使って、間合いを潰す。

 気づけばコマ落としのように前に人がいるのだから、一流の戦闘者でも反応出来ない彼女の歩行。

 

『!?』

『遅い』

 

 戦いの素人はリモコンを持つ右手を、リモコンごと握りつぶされ、貫き手で心臓を潰され、断末魔も漏らせず絶命。

 そして、次に柄の悪そうな奴ら……雇われた半グレを狙う。

 

『違う体だけど出来た』

 

 ユウナ身体操作の一環で、両手の爪を伸ばし、頸動脈を斬っていく。

 数人絶命した段階で、リーダー格の屈強な傭兵が反応する。

 

『! お前ら……ぼーっとするな! 殺せ! 応援も呼べ!』

 

 その声に生き残った半グレ達がその指示に従おうとする。

 だが……

 

『指示を受けてから動くな』

『ヘブゥ!!』

『ポ!?』

 

 応援を呼ぼうとした奴の頸椎を圧し折り

 

『使い方を知らないなら貸して』

『へ……』

 

 近い奴から大振りの鉈を奪い。

 

『お礼に楽に殺してあげる』

『!?』

 

 首を刎ねた。

 そのまま殺して殺して殺していく。

 ほぼ全員瞬殺。

 唯一リーダー格は秒持ったが、それだけ。

 

 数分もしない内、辺りは命だった者が転がり、白衣と護衛は全滅した。




【コソコソ話】
(#ー#)<なあ。この教団って何だ?

(・▽・)<カルトです。終わり。

(#ー#)<もうちっと説明しろ。

(・▽・)<教祖を崇めるオ〇ムみたいな感じです。

(・▽・)<ドンドン信者を増やしていきました。

(#ー#)<……なんでコイツは邪魔扱いされたんだ。

(・▽・)<身も蓋もない言い方すると、嫉妬。

(#ー#)<は?

(・▽・)<教祖的に、自分より人気があるからって悔しかったみたいです。

(#ー#)<本当に終わってるな……。
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