(#ー#)<コイツってもしかして……?
(・▽・)<まあ前振りとかで気づいている人も多いと思いますけど。
(㈩*㈩)<“■■”って通り名が一番有名。
(#ー#)<やっぱしな。
(㈩*㈩)<もしくは“怪物”とか、“常勝不敗”、“最強無敵”って呼ばれた人。
(#ー#)<そんなに強いのか?
(・▽・)<ええ。桁が違います。しかも戦いで進化・適応していくので、
(・▽・)<長期戦だと手が付けられない。短期戦でも地力も高いから潰されます。
(・▽・)<しかも冥刀二本持ちでそれに拍車を掛けてた。
(#ー#)<二本?
(㈩*㈩)<実は一本はもう出てる。もう片方は解説でやったかもしれない。
(#ー#)<アイツどうやって勝ったんだ?
(㈩*㈩)<色々あって弱体化しているのを、本気を出す前に潰した。
■□■□
何か今凄い事を聞いた気がする。
なのでもう一度聞いてみる。
「あの……」
「ん?」
「今聞き間違えじゃなきゃ、殺して貰ったって言いましたよね?」
「言ったね」
聞き間違えではないらしい。
だが、どう見てもこの人は生きている。
「今……生きていますよね?」
大転換以降、大っぴらに幽霊とかも確認されるようになった。
だから、この女性も霊体かと思ったのだが、明らかに違う。
(普通に実体を持っているよね?)
レイリはオーラ使いなので、相手の気を感じ取るのは得意。
だからこそわかった。
そんな疑問に女性は肩を竦め返事をする。
「まあね。別に話しても良いけど」
そう言ってから周りをキョロキョロと見渡し、
「ちょっと込み入った事情になるから、どこかに良い場所ない?」
僕はここの地理に詳しくないから、と言うのでレイリは考える。
(喫茶店とか、チェーン店、ファーストフード店はどこに耳があるかわからない)
中にはプライバシーが守れる所もあるにはあるが、ここの近くにない。
(わたしの家は駄目だよね)
実はレイリは家族と暮らしている。
自分の部屋はあるが、親が入って来る可能性がある。
(ワンコちゃんの家も同じ理由で駄目)
イヌコの所も同じ理由で除外。
と言うか出来るならこの近くが良いから、駄目。
(オウカ先輩の家は……知らない)
実はレイリ、まだオウカの家に行った事がなく、知らない。
(クインちゃんは行った事あるって行ってたな)
学校の近くに住んでいるらしいが、それ以外知らない。
(近くで、プライバシーが守れて、人が聞き耳立てていない場所……)
暫く考えているとその時だった。
「あ」
良い場所を思いついた。
「良い所、あったの?」
「はい! 行きましょう!」
「わかった。それでどこなの?」
女性の問いかけにレイリは答えた。
「友達の家です!」
……
…………
……………
そういう訳でやって来たのは普通の一軒家。
「ここにその友達がいるの?」
「はい。親の友達と暮らしているらしいですけど……」
家を空けているらしく、ほぼ一人暮らしと言っていた。
「多分いるよね?」
そう言ってチャイムを鳴らそうとした時だった。
「ん。レイリ?」
後ろから声が聞こえた。
それに振り向くと、そこには一人の少女がいた。
ヘッドホンがトレードマークで、短めの髪をしている。
「へえ」
その少女を見た女性が感心したような声を出した。
「クインちゃん。帰ってなかったんだ……」
「ん」
レイリの言葉に、クインは手に持ったエコバッグを見せる。
中には、買ったらしい食材や弁当が入っている。
(ほぼ一人暮らしだから自炊してるよね)
納得したレイリ。
そんな彼女にクインはここに居る理由を聞く。
「ん?」
「ああ。実はかくしかじかで……」
この女性が、サクの知り合いであり、込み入った事情があるらしい、と話すとクインは女性を見た。
「確かにサクの知り合いっぽい」
「いやあ照れるね~」
(変人って意味だけど)
失礼なクイン。
因みに自分も含めている。
そして、クインはレイリを見て訊ねる。
「でも、それだったらサクの所に行った方が良かったんじゃない?」
「それも考えたんだけど……」
そう言って女性を見てから、ひそひそと話す。
「この人をオウカ先輩が殺したんだって」
「ん?」
チラリと女性を見て続ける。
「生きてる」
「そう見えるよね。」
「足付いている」
「うん。だから急に会わせるのは……」
「……ん」
そういうレイリに、クインはここに連れて来た理由に納得した。
なので。
「ん」
指紋と静脈認証で扉を開き、二人を迎え入れた。
………………
…………
……
そして二人を客間に座らせ、お茶とお菓子を用意しようとする。
「んん?」
何があったかな、と戸棚を探る中、見つけたのはポテトチップス。
海苔塩、バター、コンソメの三つ。
「ん」
全部出す事にする。
そして、飲み物をどうするかと冷蔵庫を見る。
「ん」
しょっぱい物を食べるのだから、甘い物を飲みたい。
なので、ミックスジュースを用意する。
入れていこうかと思ったが、
「んん」
とは言え、もっと飲みたい人もいるかもと、パックごと持って行く事にする。
そして。
「ん」
盆にポテトチップスの袋三つと、ミックスジュースとコップ三つを乗せて、客間に入る。
そんな彼女の視線は盆の上に釘付けだった。
そして、卓にそれが乗ると同時、女性が動く!
「「!?」」
レイリとクインが我に返った時には、ポテトチップスの袋は三つ共空っぽ、ミックスジュースも無くなっていた。コップは汚れていないので、恐らくパックのまま一気飲みしたのだろう。
そして、女性は満足したように吐息を漏らす。
「ふう……。落ち着いた」
それに二人は驚きながらも、
「ん、ん~」
「よ、余程お腹空いていたんですね」
こうコメントした。
その言葉に女性ははっとなり、謝る。
「ごめんなさい。ずぅぅううーーっと飲まず食わずだったから」
思わず我を忘れた、と女性は申し訳なさそうに謝る。
それにクインは何かある、と察して首を横に振る。
「ん~」
「……?」
その反応がどっちなのか迷う女性に、レイリは捕捉。
「気にしないでって言ってますよ!」
そしてクインは続ける。
「まだ何か食べる?」
「ハハ、流石にこれ以上がっつく訳にh」
最後まで言えなかった。
女性の腹部から、凄い音が鳴る。
それに女性は何も言えなくなる。
「……」
「ん」
そうしてクインは客間から出て行った。
その反応に女性は困り、レイリの方を見る。
「えっと……」
「何か持ってくるそうですよ」
その答えに、女性はレイリに聞く。
「あの子さ、[ん]しか言ってないけど……」
「クインちゃんあまり多弁じゃないんですよ。それに……」
「?」
「交流していると、同じ[ん]でも色々感情籠っているのわかりますよ」
「そういうものか」
その言葉に、何か遠くを見るような眼をする女性。
心なしか、その眼は悲しそうだった。
(何かあったのかな……?)
そんな事を思っていると、クインが戻って来る。
「ん」
その手には大量のお菓子と様々な種類の飲み物。
「賞味期限近いから、遠慮なk」
「!」
クインが言い終える前に女性はお菓子に飛びつく。
そして、卓を埋め尽くすお菓子と飲み物は、あっという間になくなった。
「ふう……」
そうして女性は、クインが淹れたほうじ茶を飲んで一息つく。
そして、我に返る。
「……あ。ごめんなさい。全部食べちゃって」
「ん」
気にしないでと首を振るクイン。
それに女性は続ける。
「まあこの借りは返すよ。何かして欲しい事はあるかい?」
そして続けたのは衝撃的な一言。
「例えば……誰か殺したい人とか、滅ぼしたい組織とか、消した方が良い国とかない?」
「は?」
「ん?」
何か凄い事を言った。
(聞き間違え……だよね?)
(んんん??)
だが続く言葉は
「色々やって来たからね。殺すのも、滅ぼすのも、消すのも得意だから」
間違えじゃないと物語っていた。
その言葉にレイリは唖然としていたが、クインはいち早く再起動。
そして、気づく。
(!)
そもそも彼女はオウカの事情を、カナタやヒナタ程ではないが聞いている。
だからこそ、思い至った。
「あなたはあのゴミ溜め出身だったのね」
クインの言葉に女性は思い至ったような顔をする。
「ゴミ溜めは良い表現ね。僕もこれから使う事にする」
「ん。ん?」
「……? ああ質問の答えか。そうだよ」
その答えに納得したような表情になるクイン。
一方、二人の会話の意味がわからないのが、レイリ。
「ええっと……、どういう事ですか?」
「……」
クインはどう答えるか迷う中、女性は口を開く。
「僕は別次元出身なんだ」
「!」
「信じられないかもしれないけど」
そう付け加える女性。
それにレイリが思い出したのは、イヌコとのある会話。
『サクヅキ=オウカはある時、突然強くなったの』
『突然?』
『何かしらの
一拍置いて続ける。
『経験が段違いになっているの。まるで数日を数年、いえ数十年にしたかのように』
そんな事を言っていた。
(そっか。だから先輩は強くなれたんだ……)
それに色々納得出来たレイリ。
だからこそ、こう続ける。
「いえ、信じます」
「そう?」
「そこに先輩も行ってたんですよね?」
「うん」
頷いてから、女性は大切な思い出を語る様に続ける。
「そこで
その言葉にクインは疑問を投げかける。
「ん?」
「……と。何?」
「死んだはずなのに、どうして生きてる?」
「それは僕もよくわかっていないんだよね……」
女性は話そうとしたが、何かを思い出したかのように、手をポンと叩く。
「あ、忘れていた」
「「?」」
「僕の名前はユウナ。宜しくね」
遅ればせながら自己紹介をして、女性――ユウナはここに居る経緯を始めた。
▼▽▼
ユウナはオウカに殺され、地獄にでも行くのかと思ったが、気づけば魔法陣の上に居て、周りを白衣を来た人達や、柄の悪そうな男達に囲まれていたとの事。
「白衣の人達は[実験は成功だ!]とか言っていたね」
特殊な召喚魔法を使い、この体に何かしらの魂を呼び込もうとしていたらしい。
「周りを見て、会話を話を聞く限り、研究所みたいだった」
透明な円筒状の容器が幾つもあって、その中に人が一杯居たそうだ。
「クインちゃん、それって……」
「ん」
恐らくクローンか、ホムンクルスを作っていた所なのだろう、とレイリとクインは推測する。
因みに、どちらも違法である。
前者は論外、後者は許可を取らなければならない。
「それで僕が何者か聞いて来たから、まずここはどこなのか答えて貰おうと思ったんだけど……」
白衣の中にいたリーダー各の男が言って来たそうだ。
『実験動物は口答えするな。こちらの質問に答えれば良い』
偉そうなうえ、気に食わなかった。
これだけだったら、受け流したが、ある一言を男は告げる。
『貴様の体内には爆弾が仕掛けられている。生殺与奪はこちらが握られている』
そう言ってリモコンを出したそうだ。
だが、それは悪手だった。
その言葉はユウナにとって許せない一言。
「何か人質なり、弱みを握って命令を聞かせようとする奴はさ、死んだ方が良いんだよ」
「……」
「ん」
圧が漏れ、少し険呑な雰囲気になったユウナに、少しだけ怯むレイリ、それを庇うようにするクインを見て、ユウナは圧を引っ込める。
「ごめんごめん。思い出したくない事が幾つも思い出されて」
「ん。ん?」
気にしないで、続きを、と言うクインにユウナは説明を再開する。
「だから、全滅させる事にした」
「!?」
即断即決。
幸いにもこの体はかなり優秀だったからこそ、出来た芸当だった。
******
そうしてユウナは修羅となり、戦いへと体を切り替える。
まずユウナは白衣のリーダー格に急接近。
意識の隙間を狙い、特殊な歩行を使って、間合いを潰す。
気づけばコマ落としのように前に人がいるのだから、一流の戦闘者でも反応出来ない彼女の歩行。
『!?』
『遅い』
戦いの素人はリモコンを持つ右手を、リモコンごと握りつぶされ、貫き手で心臓を潰され、断末魔も漏らせず絶命。
そして、次に柄の悪そうな奴ら……雇われた半グレを狙う。
『違う体だけど出来た』
ユウナ身体操作の一環で、両手の爪を伸ばし、頸動脈を斬っていく。
数人絶命した段階で、リーダー格の屈強な傭兵が反応する。
『! お前ら……ぼーっとするな! 殺せ! 応援も呼べ!』
その声に生き残った半グレ達がその指示に従おうとする。
だが……
『指示を受けてから動くな』
『ヘブゥ!!』
『ポ!?』
応援を呼ぼうとした奴の頸椎を圧し折り
『使い方を知らないなら貸して』
『へ……』
近い奴から大振りの鉈を奪い。
『お礼に楽に殺してあげる』
『!?』
首を刎ねた。
そのまま殺して殺して殺していく。
ほぼ全員瞬殺。
唯一リーダー格は秒持ったが、それだけ。
数分もしない内、辺りは命だった者が転がり、白衣と護衛は全滅した。
【コソコソ話】
(#ー#)<なあ。この教団って何だ?
(・▽・)<カルトです。終わり。
(#ー#)<もうちっと説明しろ。
(・▽・)<教祖を崇めるオ〇ムみたいな感じです。
(・▽・)<ドンドン信者を増やしていきました。
(#ー#)<……なんでコイツは邪魔扱いされたんだ。
(・▽・)<身も蓋もない言い方すると、嫉妬。
(#ー#)<は?
(・▽・)<教祖的に、自分より人気があるからって悔しかったみたいです。
(#ー#)<本当に終わってるな……。