冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【コソコソ話】
(・▽・)<因みに蹴り対決には元ネタがあります。

(・▽・)<何かわかりますか?

(㈩*㈩)<仮○ライダークウガの閣下との最終決戦?

(・▽・)<はい。それとB〇ACKの蹴りの強化回も含めました。

(#ー#)<わかるかんなもん!?


佰伍拾捌

 ******

 

 

 そうして戻って来たオウカとアズミ。

 

「「結果は?」」

 

 食いつくように聞いて来たので、こう答える。

 

「引き分け……」

「ええ」

 

 オウカは腹部を捲り痣を見せ、アズミは斬れた道着を見せる。

 それにジンナが聞く。

 

「どんな風に戦ったの?」

「同時に蹴りの打ち合い」

「一撃で終わらせたのね……」

 

 カナタが納得した。

 

 そうしてお菓子としてスナック菓子を食べ、飲み物のスポーツ飲料を飲む。

 人数が人数なのであっという間に無くなる。

 

 そのタイミングでオウカは全員を見渡し告げる。

 

「じゃあ今日は解散で」

「「えー!?」」

 

 不満そうな一部の面々。

 それにオウカは続ける。

 

「えーも何もない。そもそも俺は仮眠取ろうと思っていたんだ」

「そうなのか?」

「……アズミさんはその場にいなかったですものね」

 

 なのに戦う事になってしまって完全迷惑。

 

「ほら帰った帰った」

 

 そう言って客人を追い返す。

 そして、最後にユウナを見てオウカは言う。

 

「この件が終わったら、ゆっくり話そう」

「楽しみにしてる」

 

 ユウナの微笑みに軽く笑いオウカは扉を閉める。

 そして。

 

「ふわぁ」

 

 欠伸をしてから、自室へ入った。

 

 

 ■□■□

 

 

 そうして追い返された面々。

 初めにマリアとユウナがその場を後にする。

 

「ではワタクシはこの辺で」

「早速動かないとね」

 

 そう言ってマリアは背中から黒い鳥の翼を出し空へ消え、ユウナは走り去った。

 その二人を見送る中、アズミが口を開く。

 

「聞いても良いだろうか?」

「え、何でしょう?」

 

 カナタが代表して口を開いた。

 それに彼女は訊ねる。

 

「あの二人は何者だ? 一目見ただけでもわかる。アレらは……」

 

 修羅場を潜り抜けた、歴戦の猛者だ。

 そう続けるアズミ。

 更に続ける。

 

「それに……きみ達も学生にしては結構戦い慣れている……いや慣れ過ぎてないか?」

 

 その言葉に学生面々は顔を見合わせる。

 そして、小声で相談する。

 

「(どうする?)」

「(正直には言えないですよね?)」

「(そもそも信じてくれるかという問題があります)」

「(ん)」

 

 なので、幾らか相談した結果……

 

「あの二人はサク君……サクヅキ=オウカの仲間と友達だそうです」

「ほう。そういう事か」

 

 マリアとユウナの事は、オウカの友達という事で納得して貰い……

 

「私達の場合、色々あったので」

 

 自分達についてはお茶を濁した。

 それにアズミは色々察したのか。

 

「……まあ納得しておこう」

 

 彼女らについて問いただして来る事はなかった。

 

 話を聞き終えると、アズミは考える。

 

(さてあーしはどうしよう)

 

 これからの予定を決めていなかったアズミ。

 

(仮眠は……しなくて良い)

 

 彼女ら霊獣拳士は、その気になれば飲まず食わずでも数日はパフォーマンスを落とさず戦い続ける事が可能。

 更に寝だめ食いだめが出来るので、この件に関わるとなった際、沢山食べ沢山寝て来たので、活動に支障は出ない。

 

(どうしようかしら……)

 

 そんな事を思っていると……

 

「あの……宜しいですか?」

「うん?」

 

 一人の少女……巨斧を担いだ人が訊ねて来た。

 

「暇なんですか?」

「……ええまあ」

「だったら模擬戦しませんか!」

「「レイリ!」」

「ん~」

 

 久しぶりに戦闘狂(バトルジャンキー)が顔を出した。

 それに注意するカナタとジンナ。

 クインは少し呆れ気味。……ただ彼女を知る者がいれば、恐らくいつもの様子に戻った事に安心しているとわかっただろう。

 

 そんな三人を後目にレイリは続ける。

 

「三奇拳はオーラ使いのプロと聞きました! だから戦ってみたいです!」

 

 その言葉にアズミは少し微笑み。

 

「いいわよ」

 

 快く了承。

 

「あーしもさっきの一撃だけじゃ不完全燃焼だったから」

 

 それに、本格的に活動するにはまだ早い。

 

「でも……どこでやるの?」

「あ……」

 

 肝心な場所がない。

 学校は先程問題起こしたばかりなので、行きづらい。

 マユの異空間はさっき使ったばっかりなので、使えない。

 

「……しょうがないので、その辺の川辺でも」

「それはやめといた方が良いよ」

 

 レイリの出した意見を却下したジンナ。

 それにカナタが口を開く。

 

「場所ならあるわよ」

「「え」」

「でもその代わり、私とも戦って貰えないかしら?」

「あ、先輩ズルい。だったらボクも」

 

 戦闘力を上げるには日々の鍛錬も大事だが、強敵との戦いも、戦闘力を飛躍的に高める事が出来る。

 そのチャンスを逃す二人ではなかった。

 

 そんな二人にアズミは微笑む。

 

「いいわよ。一人も十人も百人も同じことだもの」

「……大分違う」

 

 クインが珍しくツッコミを入れる。

 

 そうしてカナタの案内でその場所に向かう事になったのだが……

 

「アタシは帰る」

「あ、帰っちゃうの?」

「ん」

 

 頷くクイン。

 それにカナタが訊ねる。

 

「いいの? 折角の機会なのに?」

「ん」

 

 短く返事をしたクイン。

 そのまま彼女はくるりと後ろを向き、自身の秘咒を発動。

 選んだのは、暗殺者スタイル。

 そうしてその場から彼女は消えた。

 

 

 ******

 

 

 そうしてクインは迷彩状態で自身の自宅まで戻る。

 

「ん」

 

 鍵を開けて入り、そのまま厳重に鍵を掛けて置く。

 そしてそのままの恰好で自室に向かいベッドに倒れ込む。

 

(ちょっともったいなかったかも)

 

 クインとしては霊獣拳士と戦り合ってみたかった。

 だが、その場合、自身のイデア百獣拳(秘する手札)がバレる可能性が高い。

 

(しかも相手はオーラ使い。生命感知とかは得意分野だろうし)

 

 重力、召喚、迷彩などを使えば問題ないとは思ったのだが、先程迷彩を使った際、アズミの表情が少しだけ変わったのに、クインは気づいていた。

 

(バレたかな? いやそれはない)

 

 そう思ったが、その可能性をすぐに否定する。

 

(バレていたら……多分襲われていたから)

 

 そう思いながら、クインは自分のチカラを手に入れた時の事を思い出していた。

 

 

 ▼▽▼

 

 

 それはクインが小学校を卒業し、中学に入学する前の、春休みの話。

 この頃のクインは十二歳くらいだったが、金を稼ぐために郊外や小さいダンジョンで金稼ぎをしていた。

 プロのプレイヤーでなくても、オブジェクトを協会に持って行けば、結構な金になる。

 

 クインはそれを物心つく頃からやっていた。

 自分を赤ん坊の頃に殺そうとしたトロールから手に入れた《重力操作》と、数年前に殺しの現場を見た事から、自分を口封じしようとした暗殺者から手に入れた《迷彩能力》の二つを使えば、余程の相手でなければ勝てる。

 

「……ん」

 

 この日のクインの姿は、自然豊かな湖の傍にあった。

 モンスター化した害鳥の始末をしていた。

 重力操作を使えば、空中の敵にも余裕で勝てる。

 そうしてあっという間に片付け、証明部位を切り取りその場を後にしようとした時だった。

 

「へえ~、強そうだね~」

「!」

 

 後ろから聞こえた声に振り向くクイン。

 

 そこに居たのは大柄の男。

 金髪にコートを着ている。……よく見るとそのコートは戦闘に邪魔にならないようになっている。

 その雰囲気は――まるで捕食者。人間らしさを感じられない。

 

 そんな彼にクインは無言で警戒する。

 

「……」

 

 双大剣を構える。

 そんな彼女の態度に男は嬉しそうに笑う。

 

「いいね~。近頃は小生を見ると逃げる奴ばかりでね~、つまらなかったんだ」

 

 そのまま彼は身を低くする。

 まるで襲い掛かる前の肉食獣。

 

「とても魅力的だな~」

 

 そのまま間合いぬるりとつめクインに襲い掛かった。

 その動きは速い。

 

「ヒュオオオ!」

 

 男が放ったのは右の貫き手。

 しかもクインがカウンターとして繰り出した右大剣の一撃すら潜り抜け、クインに届く……はずだった。

 

「ううん?」

 

 寸前で止まった。まるで見えない壁があるように。

 その隙に左大剣を叩き込むクイン。

 だが、その一撃は左腕一本により防がれる。

 響くのは金属音。

 

(腕に籠手でも付けてる?)

 

 そこへ男は右手を貫き手から握り込み拳に変える。

 そしてジャブを連続で繰り出す。

 大剣で防ぐのは無理と判断したクイン。

 数発を重力障壁で防ぎながら、どうにか間合いを取る。

 

「……」

 

 そのまま双大剣を構え警戒するクインに男は笑みを濃くする。

 

「凄いな。君は強いな。この年でこれほどとは……」

 

 すると男の体からオーラが迸る。

 その色は赤、青、黄、白、黒の五色が混ざり合っている。

 そして、そのオーラが背後霊のように形を取る。

 それは獣。――猿、虎、狸、鶫、蛇の五種類。

 

「久しぶりに小生も本気が出せる」

 

 更に男は拳鍔(メリケンサック)を装着する。

 

 ここから戦闘の本番だった。

 

 

 ★☆★☆★

 

 

 百獣寺の始まりは、武僧が幾人も所属する寺の敷地に隕石が落ちて来た事。

 そこには精霊に近い、霊体の獣がいた。

 彼ら(便宜上)は肉体を持たず、外で活動出来ない。

 だからこそ、人と共生する。

 とは言え、ただ宿しても、肉体が持たない。

 だからこそ、心身を鍛え抜いた果て、霊獣と契約し、肉体に宿す事で、霊獣拳士は完成する。

 

 契約する霊獣は一人一体。

 だが、師弟や兄弟姉妹弟子などに譲り渡し二体宿す場合がある。

 その場合、戦闘力は当たり前だが、向上する。

 だが、それには強靭な肉体と精神がいる。

 だからこそ、長い歴史でも上手く行った事例は少ない。

 だが……それで上手く行ってしまった結果、道を踏み外した者がいた。

 それが、この男――ゴジョウ=メグルだった。

 

 

 ******

 

 

 彼は猿(正確にはヒヒ)の霊獣と契約していた。

 そんなある日、兄弟子から蛇の霊獣を受け継いだ。

 元々才能はあり、肉体も強靭なゴジョウは耐え、戦闘力は向上した。

 ……それがいけなかったのかもしれない。

 

 そこから彼は更なる強さを求めた。

 その結果、他の霊獣を宿す事を思いついた。

 そして、同門の拳士――鶫、虎、狸の霊獣を宿す者を殺害し、霊獣を奪い出奔。

 しかもそうした結果、殺人衝動と女犯衝動にも目覚め、それ以降は自らの衝動の趣くまま、殺人と女犯を重ねた。

 

 そんな人物を百獣寺は許す訳がない。

 討伐するため刺客を送り、更に断腸の思いで外部からも人を雇い、討伐に向かわせた。

 だが、それらは全員返り討ちにあった。

 

 元々強かったゴジョウだったが、彼は自身の霊獣を特殊な術法(呪法に近い秘咒)で隷属・融合させ、鵺として完成させ、戦闘力を更に上げた。

 その結果、何人も霊獣拳士、殺し屋、傭兵等が返り討ちにあった。

 そうして、彼は何年もの間、殺戮と強姦を楽しんだ。

 

 とは言え、そんな事を続けていれば恐れられ、相手が居なくなる。

 

『暇だな~』

 

 そんな事を思ったある日、気晴らしに出かけた散歩で見つけたのは十代の少女。

 生粋の変態である彼は衝動が沸き上がり、襲おうと思ったが、暫く様子を見てみる事にした。

 すると、その少女はモンスターをあっという間に討伐してしまった。

 

『久しぶりに楽しめそうだな~』

 

 殺戮と女犯に目覚めたとは言え、彼は戦闘もかなり好き。

 だからこそ、少女――クインに襲い掛かった訳だった。

 

 

 ▼▽▼

 

 

 この頃のクインは弱くない。

 むしろ強い。

 生半可なプロプレイヤーなら束になっても勝てない。

 だが、その相手はもっと強かった。

 

「ん!」

 

 クインは重圧を相手に掛ける。

 重力使いにとっては一般の技で、相手の動きを止める事が出来る……はずだったが。

 

「もっと抵抗を見せてくれー」

 

 ゴジョウは一瞬止まるも、平然と進む。

 百獣寺の修行内容に、超重力下での鍛錬がある。続けると重力を受け流せるようになるのだ。

 それにクインは普段は防御に回すリソースすらも重圧に回し、超重力を掛ける。

 だが、それすらも……

 

「君はどんな風に死ぬのかなー?」

「!」

 

 ゴジョウには効かない。

 腕の関節を外した貫き手が迫る。

 それをクインは辛うじて避ける。

 

(接近戦じゃ勝てない。なら……)

 

 重力球を数多に作り出し相手にぶつける戦法を取る。

 だが、それらはオーラ、硬化、受け流しの合わせ技で防がれる。

 

「凄い抵抗だ! 今日はイケそうだ!」

 

 向かってくるゴジョウ。

 今度はクインは斥力の刃を連続して放つ。

 だが、それを彼は腕で捌いていく。

 そうして、距離は近接戦闘の間合いになる。

 

「……!」

「もう打つ手はないね? だったら良い死にっぷりをみせてくれ」

 

 殴蹴の嵐。

 クインは重力障壁を展開し、ダメージを抑えるも、ドンドン削られていく。

 そして、

 

「!!」

「やっと無くなった……」

 

 遂に重力操作が使用不可能になり、拳をモロに喰らう。

 そのままクインは袋叩きになった。




【コソコソ話】
(㈩*㈩)<実はあのシスター、記憶を取り戻してからも研鑽を積んでいる。

(㈩*㈩)<前に出した冥刀の変形もそうだし、今回出た畢竟の一部展開もそれ。

(㈩*㈩)<後、わかりにくかったから、ちょっと捕捉だけど、

(㈩*㈩)<【レギンナグラル】の〈冥肌鏤骨(オストラコン)〉の使い方も拡張済み。

(・▽・)<そういえば……掠っただけで打撃を喰らってましたね。

(㈩*㈩)<うん。アレは新技。衝撃を付着させ、任意のタイミングで炸裂させる。

(㈩*㈩)<掠っただけでも、爆弾を貼り付けられるようなものだから厄介。
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