冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS:回復薬】
(#ー#)<薬草から作る。高級品は+αだな。

(㈩*㈩)<αって?

(#ー#)<特殊な茸とか、モンスターの素材とか混ぜる。

(#ー#)<薬草も精製したり、熟成させたりして、性能を向上させる時がある。

(・▽・)<なるほど。ところでどれくらい回復するんですか?

(#ー#)<ピンキリだな。掠り傷から完全回復まで可能。

(#ー#)<部位欠損はまだ無理。……正式にはな。

(㈩*㈩)(・▽・)<言い方に含み!?


ⅭⅬⅩⅠ

 両者まずは小手調べの近接での殴り合いとなる。

 

 アズミは武器も使わない徒手空拳であるが、カナタは違う。

 様々なな刀と、呪符を使い万能に戦う。

 前――実家のゴタゴタの時――までは佩刀していたが、今は違う。

 相手にどんな武器を使うか掴ませないため、爪に印を仕込み、自在に出し入れ可能になっている。

 

 両者が縮まった時、カナタは爪に仕込んだ刀の一つを展開。

 オウカ風に言うならドス二本。

 

「フン!」

「ハ!」

 

 アズミの掌とカナタの刃が激突。

 響く金属音。

 

(パワーもスピードもある)

(蹴りでなく掌……)

(でも強化したあの双剣の子には劣るし、あの斧の子には劣る)

(様子見かな?)

(オーラ配分しなくても対応は可能ね)

(とりあえずいつも通りで)

 

 一撃で分析と思考を終え、二人は攻撃を開始。

 

 アズミは貫き手の連続攻撃に、足技を織り交ぜる。

 最初から足を使っているので、手だけでは駄目だと判断しているからだった。

 

 カナタはドス二刀に蹴り。

 元々近接戦闘では剣術主体のカナタだが、徒手空拳でも結構戦え、蹴りや投げ技をよく使う。

 

 奇しくも似たようなスタイルになる。

 金属音と衝突音が響き渡る。

 傍目には手足が幾つも分裂しているように見える。

 

 それを見ていたレイリ感心する

 

「凄い。互角だ」

「確かに」

 

 どうにか動けるようになったジンナが、レイリの傍に来て答える。

 

「大丈夫なんですか?」

「動ける位には回復した。それに」

「それに?」

「多分、この戦いは激しくなるから」

 

 注意した方が良いよと続けようとしたが、その前に状況が動く。

 

「アズミさん」

「何」

 

 カナタが声を掛け、それにアズミが答える。

 その間も二人は攻撃の手を緩めない。

 お互いまで一撃も貰っていないが、手と刃、足と足が激しくぶつかり合っている。

 

「そろそろ武器のぶつかり合いだけだと埒が明かないので」

「術を使う気?」

「はい。色々使おうと思いますっと」

 

 カナタが繰り出す突き。

 それをアズミは何もない場所を蹴って間合いを離して防ぐ。

 お互い離れて仕切り直し。

 

「別にいいわよ。こっちもまだオーラの技使うから」

 

 前の二人でもオーラの技を使ってはいたアズミ。

 だが、あくまで配分による攻撃や防御の特化、自己回復などの見た感じ分かりにくい……はっきり言えば地味なのばっかり。

 だからこそ……

 

「少し派手なのも使おうと思ってるから」

 

 それにカナタはニッコリ笑って告げる。

 

「そうですか。では私も」

 

 武器を入れ替える。

 ドス二刀から、右手に長ドス、左手に呪符。

 

「この場所の強度は高いので、色々使っても大丈夫です」

「そう。なら遠慮なく」

 

 その言葉と同時、アズミが纏っていたオーラの密度が増す。

 そしてオーラが蛇のようになり、カナタへ襲い掛かる。

 その数は十を優に超え、不規則な機動を描き迫る。

 

 それをカナタは左手の呪符を投げる。

 飛んだ呪符が数多に分裂し、地面に展開。

 そこから放たれたのは熱線。

 拡散して糸のようになり、オーラの蛇を根こそぎ消し飛ばす。

 

 それにアズミはオーラを九つの球体にする。

 傍から見るとそれは太陽のよう。

 それを手の動きで飛ばしていく。

 これもまた不規則な動きでカナタへ迫る。

 先程の熱線が迎撃するも、その攻撃を呑み込んでしまう。

 

(これじゃ駄目か)

 

 それにカナタは指パッチン。

 すると糸のような熱線が束ねられ、太い物になる。

 それが球体と競り合う。

 今度は押しとどめる事の成功。

 

「なら……」

 

 アズミは両掌を合わせる事で球体を爆裂させる。

 その爆熱と爆発により、地面に張らていた呪符を根こそぎ消し飛ばす。

 そして、アズミはオーラを防御に振り、煙の中を直進。

 

(やっぱり拳士は殴ってこそ)

 

 そのままカナタに繰り出したのは蹴り。

 それをカナタは喰らった……が、手ごたえがない。

 

(幻影!? 本体はどこn)

 

 最後まで言えなかった。

 悪寒がしたアズミはその場から飛びのく。

 すると、そこにカナタが色が付くかのように現れる。

 長ドスを振った態勢。

 避けなかったら、喰らっていた。

 

「……気配を消したのね」

「はい。色々混ぜ合わせて。こんなふうに」

 

 カナタの姿が再び消える。

 それにアズミは感知をしようするも……

 

(駄目ね……)

 

 姿どころか、音、匂い、熱すら感じ取れない。

 ならば気配を探ろうにも、それまで隠している。

 

「シュッ!」

「わっと」

 

 カナタがアズミの真後ろに現れ、突きを繰り出した。

 それをアズミは、勘で皮一枚で防ぐ。

 

「やりますね」

 

 三度消えるカナタ。

 だが、アズミもやられっぱなしではない。

 

「ならこうしよう」

 

 逆さま立ちになっての回転蹴り。

 それにより暴風が巻き起こる。

 風にオーラを乗せての範囲攻撃。

 

「こんな事出来るのですね……」

 

 カナタが少し離れた場所に現れる。

 破壊の風を防ぐため、自身の前面に半円結界を張る事で風を防いでいた。

 

 それにアズミが告げる。

 

「そのステルス、移動中しか使えないんでしょう?」

「ええ。攻撃したり防御する時は解除しないとなりません」

 

 バレているからこそ話したカナタ。

 

「なので戦法を変えます」

 

 カナタの周囲に呪符を展開。

 先程使った、攻撃や防御用ではなく式神の呪符。

 小鳥の姿を取る。

 

「あ、アレって……」

 

 それに見覚えのあるレイリ。

 入学式のオリエンテーションでおこなわれた、オウカとの模擬戦。

 それで使われた式神爆弾。

 

「行け!」

 

 掛け声と同時、一気にアズミに迫る。

 それをアズミは後ろに下がりながら拳を繰り出す。

 空気を叩く事で繰り出す空気砲。

 それが式神爆弾を撃ち落とす。

 爆発炎上。前が見えなくなる。

 だが、二人共止まらない。

 

「ハア!」

「フッ!」

 

 煙を二人は突っ切る。

 そして激突。

 アズミは貫き手ではなく、五指を曲げ爪を伸ばす。

 カナタは右手に小太刀、左手に匕首を手に持ち対抗。

 爪と刃、足技と蹴りがぶつかり合う。

 

(軌道が読みづらい……)

(爪攻撃……貫き手より鋭い)

(しかも腕だけの分身が厄介)

(蹴りもやっぱり強い)

 

 奇しくも先程と同じ状況になる。

 だが、今度は先程とは状況が違っていた。

 カナタが押し始めていた。

 その理由は使っている武器。

 

 小太刀には軌道隠蔽の効果があり、間近で打ち合っても挙動が読まれずらい。

 匕首は腕限定の分身効果を持っており、同時攻撃が可能。

 この二つの組み合わせはアズミを……近接戦闘の鬼を追い詰めていた。

 

 だが、まだ彼女には引き出しがある。

 

「なら手数を増やそう」

 

 その言葉を合図にアズミの束ねられていた髪の毛が解かれる。

 

「……? !」

 

 その行動を疑問に思うカナタだったが、直ぐにその意図を理解する。

 髪の毛がまるで孔雀が尾羽を広げたかのように広がる。

 そして、拳の形を作り、一気にカナタに襲い掛かる。

 

「そんなのありですか!?」

「ありよ」

 

 一転して追い詰められていくカナタ。

 それはそうだ。

 こちらは腕二本なのに、相手は髪で作った腕含め数が十倍以上。

 それでも、使っている刀のチカラでどうにか耐える。

 

「なら増やしましょう」

「!?」

 

 その言葉と同時、更に攻撃の密度が増す。

 遂に耐え切れなくなったカナタは髪の毛に捕まり縛り上げられる。

 

(抜け出せない!?)

 

 実はオーラを使って強化済み。

 しかも髪というのは意外に頑丈。

 そう易々と解けない。

 

「これでトドメ!」

「クフ!?」

 

 そこへアズミは前蹴りを繰り出した。

 それがカナタへ直撃。体がくの字に曲がり吹っ飛んだ。

 

「「カナタ先輩(さん)!?」」

 

 ジンナとレイリが叫んだ。

 

 こうして戦いは決着したかのように思われたが……

 

「やられた……」

 

 アズミの顔はしかめっ面だった。

 繰り出した右足がバキバキに圧し折れていた。

 蹴るどころか、立つ事すら難しそうな損傷。

 

「……これ狙っていたの?」

 

 吹っ飛び壁に叩きつけられたカナタに訊ねた。

 

「ええまあ。カウンターを仕込んではいました」

 

 腹部を擦りまがら、カナタは答える。

 これもオウカとの模擬戦で使った技術。

 

「でも完全に上手くカウンターできる訳じゃないので」

 

 そもそも反射系の術は結構難しい。

 攻撃手段、タイミング、反射角度を見極めなければならない。

 だからこそ、実戦で使う人は少ない。

 

「(肋骨折れたかな? 内臓は無事か。)コフ」

 

 少しだけ血を吐くカナタ。

 

 彼女はこのカウンターを滅多な事では使わない。

 どうしようもない状況でしか使わない。

 前回しかり今回しかり、相手は近接戦の猛者。

 だからこそ完璧なカウンターなど不可能なので、ダメージを負ってしまった。

 

(まあ向こうもダメージは負ったみたいだから……)

 

 あの足では戦闘どころか、二本足で立つ事すら難しいだろう。

 直そうにも時間はかかる。

 

 ならば。

 

(ここで決める!)

 

 出したのは大太刀……の見た目だが、実際はウルミのようになる刀。

 その刀身が鞭のようになり、アズミへ襲い掛かる。

 それをアズミは片足立ちで状態で、両手で捌いていく。

 痛みに寄りパフォーマンスの低下はまるでない。

 だが……

 

(治すのはこの戦いでは無理ね)

 

 そう判断。

 筋肉をコントロールし、オーラを使い、蹴りは出来なくても、立つのに支障がない位にはする。

 

 だが、その隙をカナタは見逃さない。

 鳥爆弾を多数展開させ襲い掛からせる。

 更に呪符を全面に出し、レーザーを放つ。

 正に中距離攻撃の嵐。

 だが。

 

(これだけじゃ足りない。それに今がチャンス!)

 

 これでは倒すには足りないと判断。

 右手で大太刀を伸縮自在に操りながら、左手に刀を出す。

 出したのは先程と同じ分身の匕首。

 

(遠近どちらも叩き込んで一気に決める!)

 

 そのまま間合いを詰めにかかる。

 

 それにアズミは……

 

(不味いわね。このままだと負ける)

 

 そう判断。

 

(でも負けるのは嫌ね。だったら)

 

 奥の手を切った。

 その瞬間、アズミの体から今までと比べ物にならない程のオーラが立ち昇った。

 

 

 ★☆★☆★

 

 

 三奇拳は肉体操作を極めている。

 関節を外しリーチを伸ばし、本来は動かせない毛髪や内臓すらも自在に動かす。

 そして、脳や体のリミッターすら外し、火事場の馬鹿力を自在に発揮可能。

 

 アズミが使ったのはリミッター解放の一種。

 自身の体力、気力、魔力を一気に解放する事でパワーやスピードだけでなく、オーラの出力すら引き上げる事も可能。

 だが、これは全てを使い切るようなもので、制限時間が存在し、それを過ぎれば戦闘不能になる。

 

 だがそれでも彼女は使う事を決意した。

 理由?

 それは……

 

『負けたくない』

 

 ただそれだけだった。

 

 

 ■□■□

 

 

 そうして両者ぶつかり合う。

 

 数多の攻撃を、アズミはオーラで凌ぎ切る。

 そのまま爪攻撃を繰り出す。

 足はどうにか立つのに支障はなくなった

 

 カナタは大太刀から小太刀に装備を変更。

 そのまま速度重視、軌道隠蔽で攻めたてる。

 刀だけでなく、呪符で術も使う。

 

 状況は互角……否。

 凄まじい強化率のアズミが押している。

 だがそれでも、どちらもパフォーマンスが落ちている。

 そして。

 

(不味いわね)

(このまま続ければ……)

 

 思考を加速している二人。

 考えている事は同じ。

 

(あーしが負ける)

(私が勝つ)

 

 アズミの強化は時間制限がある。

 もう時間が僅か。

 制限時間が過ぎればもう戦えない。

 

 カナタも実の所、継戦能力が高いわけでない。

 大技を放ちまくっていたため、もう長くは戦えない。

 それでも、アズミよりは持つうえ、魔力切れでも刀を振るくらいなら可能。

 だが……

 

(時間切れで勝つのは雑魚の思考。強化が続いている内に決める)

 

 カナタはこう考える。

 その結果……

 

((次で決める!))

 

 互いの思惑が一致。

 バチバチぶつかり合いながら、アズミはなんと全身に立ち昇らせていたオーラを足両掌に集中。

 カナタは小太刀と匕首を仕舞い、鞘に引鉄が付いた居合刀を出し抜刀の構え。

 

「乗ってくれるのね」

「ええ。もう終わりにしましょう」

 

 そして……同時に動いた。

 

(一回ならどうにか)

 

 アズミが震脚。

 

(お披露目と行こう)

 

 カナタが引鉄を引く。

 

 そうして互いの一撃が激突!

 アズミのオーラを集中させた双掌、カナタの加速の付いた抜刀がぶつかり合った。

 その結果は……

 

「あらま」

 

 アズミは制限時間が過ぎ、戦えなくなり、両腕が使い物にならなくなっていた。

 

「ゴフ、ゴフ」

 

 カナタは凄まじい衝撃を全身に喰らい大ダメージを喰らい倒れ伏す寸前。

 

 アズミが口を開きカナタは答える。

 

「あなたの勝ち?」

「私……は、もう戦え……ま……せん」

「こっちもよ。じゃあ引き分け?」

「それ……で、いいです」

 

 こうして、三戦目は終わりを告げた。




【コソコソ話】
(㈩*㈩)<カナタの戦い方についてまとめ。

(㈩*㈩)<様々な能力を持った刀――名刀、妖刀、霊刀を使い

(㈩*㈩)<呪符で色々な術を発動させる。

(㈩*㈩)<式神、炎、雷、障壁、カウンター、ステルスなどなど。

(㈩*㈩)<今回は使ってないけど、掌印と詠唱も可能。

(㈩*㈩)<色々な方向で伸ばしてオールマイティに対抗可能。

(・▽・)<実際どのくらい強いんです?

(㈩*㈩)<サクも色々手札切らないと負けちゃう。


(#ー#)<月初めなんだが、週二更新はお休みだ。

(・▽・)<追いつきそうなので、ちょっと小休止です。
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