(#ー#)<一時期は暴対法のせいで極道はピンチになったんだが……
(#ー#)<大転換(ダンジョン、モンスターの一般化現象)以降のゴタゴタで
(#ー#)<警察とかが一時的に機能しなくなっちまったから、息を吹き返した。
(・▽・)<ヒ〇ーマンバグ大学みたくなったんですか?
(#ー#)<……まあな。まあ仁義外れもいるにはいるけどな。
(㈩*㈩)<忍者と戦っているみたいな?
(#ー#)<アレは極道ですらねえよ。
◇◆◇◆
夜七時頃。
「ふわ……」
仮眠からオウカは起き出す。
服装はそのままだったので、顔だけでも洗おうと洗面所へ行こうとすると、話し声がリビングから聞こえる。
「んん?(もう来たんだ)」
なので一旦洗面所に行ってから、リビングの扉を開ける。
そこには昼間の面々。
「こんばんわ」
「「こんばんわ」」
「おはようでも大丈夫な気がする」
挨拶とツッコミが返って来た。
ツッコミをしたのはカナタだった。
因みに、彼女の言葉は間違っていない。
仕事場によってはそういう所がある。
「遅かった?」
「早めに来ただけだから気にしないで」
オウカの問いにジンナが答える。
「そっか……」
そう言ったオウカは違和感を感じる。
(……? あ)
鼻がある匂いを感じ取る。
「お前ら……戦った?」
それは血の匂い。
「「……」」
それにバツの悪い顔をしたのはレイリ、ジンナ、カナタ、アズミ。
四人は顔を見合わせ……
「「はい……」」
気まずそうに頷いた。
そんな四人へオウカは続ける。
「俺もあまり人の事言えないけど、│本気《ガチ》でやったろ?」
「「うぐっ」」
約二名が図星。
「しかも今日に悪影響出そうなモノまで」
「……」
約一名が目を逸らした。
「一応言っておくけど、今日……まあ明日に縺れ込むけど……」
薬の売り手買い手が動くのは恐らく夜。なので日付が変わるまでは活動すると決めている。
「戦いが起こる可能性あるからな?」
「「……」」
事態がどう動くはわからない。
流石に初日で手がかりが見つかるとは思えないが、無くもない事が起こる可能性がある。
沈黙した四人。
とは言え反省はしたようなので。
「まあ戦うな……とは言わないけど、控えめに、影響残さないように」
「「はい」」
四人は頷くしかなかった。
▼▽▼
引き分けと決めた直後……
『はぁ疲れた』
『きゅ〜』
アズミとカナタはぶっ倒れた。
当然である。
『『わ―!?』』
それをどうにかレイリとジンナが介抱し……
『とりあえず回復しましょう』
ポーションを飲んだり
『コレ、│百獣寺《ウチ》秘伝の薬』
『『不味!?』』
秘伝の薬を飲み、どうにか回復した。
因みにこれ、滅茶苦茶不味いかわり、効能は恐ろしく高い。
『よし! 回復! 皆さんは?』
『大丈夫』
『私も』
『あーしは微妙……』
骨折は治ったが、全ての力を出し切ったため、まだ完全ではないアズミ。
『やり過ぎた……』
『『後悔するならやるな!?』』
三人からツッコミを貰った彼女だった。
とりあえず回復を終えた四人は外へ出る。
集合時間までは時間があるので、何か食べる事にする。
「アズミさん、好き嫌いありますか?」
「ないわ。食事制限もしていないから安心して」
寺であれば食肉禁止などがあるだろうが、百獣寺にはそういうのはない。
特に食べ物の制限はない。……修行と鍛錬は体が資本なので当然と言えば当然。
とは言え、寺であるので食材には感謝するようにしているが。
その答えにジンナが前から気になった事を聞いてみる。
「そういえば百獣寺って、特殊なモンスターを食べているって聞いた事あるんですけど……、そこのところどうなんですか?」
機密の可能性もあるので、答えてくれない可能性も込みで聞いてみた所……
「ええ。食べているわよ」
答えが返って来た。
「ある烏賊……まあクラーケンって言った方がいいかもしれないけど」
イカ墨で煮込んだその身を食べているとの事。
「体を増強するために養殖もしているのよ」
「「へえ……」」
「それ以外、特殊な食事ってあるんですか?」
レイリの疑問にアズミは隠す事もなく答える。
「特殊な実を付ける果実とか、寺でしか自生しない草とか、下手するとこちらが食べられかねない魚とか」
「「……」」
沈黙してしまう三人。
すらすら答えてくれたアズミ。
それにそれにカナタが訊ねる。
「あの……」
「?」
「言って良かったんですか?」
それにアズミは苦笑して答える。
「隠している訳じゃないし、知っている人は知っているもの。あの件みたく」
「あの件? どういう事ですか?」
((聞いちゃった!? 止める間もなく!))
レイリが気になったのか訊ねる。
それは百獣寺にとって│禁忌《タブー》な話題であり、ある程度プレイヤーとして活動すれば、耳に入る事。
カナタは名門出身で色々活動している。
ジンナは姉がプロなので自然とそういう話題が耳に入る。
だからこそこの二人は知っていた。
だが、レイリは知らなかった。
あまりプレイヤーとして活動していなかったのが災いした。
だがそれにアズミは気にした様子もなく答える。
「腐れ外道がやらかしたのよ」
「外道……ですか」
「ええ」
一拍おいてアズミは続ける。
「話してもいいけど、ここで話すのはアレだから、どこか御飯が食べられる場所で話しましょう」
………………
…………
……
そういう訳で四人がやって来たのは、ハンバーガー屋のチェーン店。
手頃な値段でハンバーガー、ポテト(などのサイドメニュー)、ドリンクのセットが食べられる。
そういうわけで注文したメニューを持ち、卓に着く。
ちなみに注文したメニューは――
カナタは――フィッシュのライスバーガー、ナゲット、オレンジジュース
ジンナは――照り焼きバーガー、ポテト、コーラ
レイリは――野菜バーガー、ナゲット、メロンソーダ
アズミは――ハンバーガー(大)、ポテト、リンゴジュース
であり、奇をてらった人はいない(笑)。
そうして少し食べ進めた段階でアズミが語り始める。
「レイリ……でいい?」
「はい」
「あなたは百獣寺についてどれだけ知っている?」
「ええと三奇拳の一つであるイデア百獣拳を教える寺で……」
「ええ」
「厳しい修行を乗り越えた者が、霊獣と契約出来て凄まじいチカラを手に入れられるんでしたっけ?」
「ええそうよ」
アズミはポテトを一つとり……
「本来は一人霊獣一体と契約する。まあ受け継いだりして二体と契約した人もいるにはいたわね」
口に運んでから、眉を曲げて続ける。
「一人トチ狂って、他の契約者の霊獣を殺して奪った奴がいるのよ……」
「え!」
「「……」」
驚くレイリ。
予想通りではあるがあまり良い話ではないので、顔を顰めるカナタとジンナ。
「名前はゴジョウ=メグル。
様々な表情が混ざり合った顔をしたアズミ。
驚いていたレイリだったが、言葉を絞り出す。
「な、何でその人はそんな事を?」
「さあ?」
肩を竦めるアズミ。
「あーしは知りたくもない」
でも、と彼女は続ける。
「衝動を抑えきれなくなったんじゃないかって、老師は言ってたわ」
「衝動……」
「ええ、ソイツ弾けるまでは品行方正だったのよ?」
それが同門を殺害し、霊獣を奪った挙句、殺人と女犯に手を出している。
「どうして見抜けなかったって、老師は自分を責めていたわ」
だからこそ、皆伝――霊獣との契約は慎重に行われるようになった。
その結果、皆伝を受領出来る人が減ってしまった。
「しかも、ソイツを討伐するのに腕利きを幾人も出して、返り討ちにされたのも悪かった」
この二つが重なり正式な霊獣拳士はかなり減った。
今や百獣寺の勢力は小規模になってしまった。
「これ以上減らす訳には行かないって事で秘密裏に追っていたのを公開したのよ」
反対者も出たが、外道を仕留めるためと、老師はどうにか納得させた。
そうして表裏問わず様々なプレイヤーにゴジョウの討伐を依頼した。
「コレで解決すれば良かったんだけど……」
「もしかして……しなかった?」
「……」
アズミは何も言わなかったが、全員が察した。
これは沈黙の肯定であると。
外部の腕利きは様々な種類がいた。
歴戦の傭兵、裏社会で恐れられた殺し屋、危険なモンスターを数多に狩った狩人などなど。
人数も一人で挑んだ者は少なく、多人数で挑んだ者の方が多い。。
中には一個中隊規模で討伐しようとした所まであった。
だが――全部返り討ちとなってしまったのだ。
ややあってアズミは口を開く。
「そうして依頼を受けてくれる人はほぼいなくなって、アイツも野放しになったんだけど……」
「ここ数年音沙汰ないですよね」
「確かに」
カナタとジンナの言葉が物語っていた。
ある時を境にパッタリと消息が途絶えたのだ。
「殺しに飽きて引きこもっている?」
「人じゃなくてモンスターに殺された……とか?」
「心を入れ替えt」
「絶対にありえない」
カナタ、ジンナ、レイリが意見を言った。
レイリの意見を遮ってまで否定したアズミ。
「あの下衆が殺しに飽きるなんてあり得ないし、生半可なモンスターが殺せるわけない」
そして、凄まじい圧を出して続ける。
「心を入れ替えるなんてそんな事はないわ。絶対に」
アズミはいら立ちを抑えるかのように、残りのポテトを口に放り込み咀嚼する。
そうしていると、圧が薄くなっていく。
そんな彼女を見て三人は顔を見合わせコソコソと相談を始める。
「ど、どうしましょう?」
「時間を置くしかないんじゃない?」
「それしかないわ」
そんな三人にアズミが口を開く。
「ねえ、あーしからも聞いて良い?」
「「はい、なんでしょう!」」
「肩肘張らなくても良いから」
アズミは訊ねる。
「途中で帰ったあの子って何者?」
「何者って……」
「友達です」
レイリがそう言う。
それにアズミが続けて訊ねる。
「どんな風に戦うかは知ってる?」
「えっと重力を操作して戦いますね」
「……オーラは?」
「見た事ないですけど……」
「そう……ならいいけど」
ズミにカナタが訊ねる。
「どうしてそんな事を?」
「何か同門っぽい気配がしたのよ。気のせいかしらね」
その後、四人は無言のまま食事を終えた。
◇◆◇◆
そうしてオウカ達は外で出る。
「……」
「……」
「「……」」
一同黙々と歩いて、オウカについていく。
(どこへ行く気なんだろう?)
(そもそも何する気なのかしら?)
(そもそもユウナさん達に何を指示したんだろう?)
そんな事を内心で思っているジンナ、カナタ、レイリ。
とは言え、この三人はオウカが考えなしに動くとは思っていないからこそ黙っていた。
だが……
「ねえ」
一人オウカとの交流がまだ浅い者がいる。
「聞いて良いかしら」
イサカ=アズミである。
「ん?」
「あなたはどこへ向かっているの?」
(あ、聞いてくれた)
「それで何をする気なの?」
(こっちも聞いた)
「そして……あの二人には何を指示したの?」
「思っていたこと聞いてくれてありがとうございます!」
「「口に出した!?」」
そんな女子四人にオウカは答える。
「ん~、まあ隠す訳でもないから答える」
そしてオウカは指を一本立てる。
「どこへ向かっているかは簡単。この近くにある繁華街」
「そこって確か……≪羽王組≫の
極道は守代を貰うかわり、そこを命を懸けて守る。
だからこそ、シマ荒らしには容赦しないのだが。
「うん。でも今回は許可を貰っているから」
集まっての話し合いの際、そこで色々やると許可を貰って置いた。
「ヤクの蔓延が止まらないから、苦渋の決断なんだろうね」
「「……」」
そうしてオウカは二つ目の指を立てる。
「二つ目は――簡単に言えばわらしべ長者」
「「??」」
疑問符を浮かべる四人にオウカは続ける。
「買った奴、売った奴、関係者を締めあげて、上の奴を辿って行く」
「でもそういうのってもうやっている人がいるんじゃない?」
「まあ常套手段だろうからね。でも成果が挙げられていないから」
実際やったらしいが、そもそも見つからないうえ、見つかったのだが、売人が持っていた【ダークウィング】のせいで、舎弟達が病院送りになった。
「この面々なら見つけるのも、無力化も出来るから」
「確かにそうですね!」
レイリが納得する。
そして、オウカは三つ目の指を上げる。
「そんであの二人には自由に動いて貰えるように頼んだ」
「……それで良いの?」
アズミの言葉にオウカは頷く。
「特にユウナは色々やっていたからな。俺より適任だ。もう何か見つけているかもしれないぜ」
オウカは口元に笑みを浮かべ続けた。
【コソコソ話】
(・▽・)<今まで見つけられなかったのに、サクがあっさり見つけられたのは……
(・▽・)<ヤクの匂いを覚えていた事と、勘の鋭さの二つです。
(㈩*㈩)<第六感鋭いからね。これは相手も予想外でしょう。
(#ー#)<予想出来るか、こんなもん。