(㈩*㈩)<復習がてら、一覧表をどうぞ。
《ブラウン》動物・濃褐
《ヘーゼル》昆虫・淡褐
《アンバー》古代・黄
《グリーン》幻獣・緑
《グレー》乗物・灰
《ブルー》武器・青
《ヴァイオレット》人工・青紫
《レッド》自然・赤
《ホワイト》物質・黒
(・▽・)<今回の相手は、武器の鎌と人工物の何かという事ですか……
そしてカマタの視線はヨシダに向く。
「お前……確かヨシダだろ?」
「ヒェッ!?」
「裏切ったのかぁ?」
ビビるヨシダ。這いながら遠くへ行こうとする。
「裏切ったなら、死ぬしかないなぁ」
手に持った大鎌を投げた。
凄まじい勢いでヨシダに迫る!
「させません」
「!?」
一番近くにいたレイリが動いた。
双斧を交差させて大鎌を防ぐも……
(お、重い!?)
ヨシダ諸共ふっ飛ばされてしまう。
だが、得物が手から離れた。
その隙を見計らい、ジンナが一気に間合いを詰める。
そして双頭刃状態の【エスペ・アヴァンチュルーズ】を振るう。
「ハア!」
「おっと」
様子見も兼ねてセーブした一撃であったが、その攻撃をカマタは防いでしまう。
見えない何かを使い防いでいる。
(何を持ってる? 見極める!)
双頭刃を双剣にする。
そうしてセーブを取っ払った一撃を放つ。
それをカマタは器用に避け、そのまま間合いを離す。
それと同時、手で引くような動作をする。
すると、大鎌が手元に引き戻される。
「見えない鎖?」
「ご明察」
ジンナの解答に、正解と返しながら、大鎌を手元に戻すカマタ。
そうしてジンナ目がけて大鎌を振るう!
大鎌の間合い。双剣は届かない。
こういう場合、大多数は下がるだろう。
だが、ここにいるのは――
「ここで踏み込む」
「!」
長柄の武器は懐に弱い。
だからこそ地面が砕ける程の勢いで踏み込んだ。
「さあ、中身を出せ」
自身の間合いで双剣を振るう。
それにカマタは先程と同じように見えない鎖で防いだ……のだが。
「その程度で止まるかぁー!」
「あらぁ」
先程とは比べ物にならない程の一撃を防げるはずがなく、吹っ飛んだカマタ。
そのまま壁に叩きつけられる。
「……」
最初にダメージを与えられたのはジンナなのに、その顔は明るくない。
(手応えが軽かった。自分で吹っ飛んだな)
どうやらかなりの猛者のよう。
するとカマタがこちらの方を向き、語り掛ける。
「やるねぇ、女」
「まだまださ」
「謙遜する事はないのにぃ」
「周りが強すぎるから……」
その言葉に答えるように……
「何があったの!? 凄い音したけど」
「……あら強そう」
カナタとアズミが飛び込んで来た。
それにカマタはかなり不味いと判断。
(五対一になっちまった)
ヨシダの事は戦力換算していない(笑)。
(斧使いと双剣使いは倒せるが……)
視線を新手二人に向ける。
(この二人は倒せるかわからないし……)
紅一点ならぬ黒一点? 白一点をチラリと見る。
(こいつに至っては得体が知れない)
これからどうするかを思考するカマタ。
(引き時か? 幸いな事に下っ端一人ならそこまで情報は持ってない)
放っても大丈夫と判断。
なので。
「じゃあオイラは引かせて貰うわ」
「逃げるの?」
ジンナの問いにカマタは笑う。
「ああ。このままだとヤバイからなぁ」
そう言って彼はスキルを発動させようとする。
《歪曲門扉》
カマタがとあるモンスターから手に入れたスキル。
空間が歪曲した特殊なトンネルを亜空間に作り出し、一度行った場所ならば、どこでも空間転移が可能になるスキル。
副産物として空間を使った攻撃と防御が可能となる強力なスキル。
そうして歪曲トンネルの入口を作り出そうとしたが
「あん?」
開けない。固く閉ざされている。
(〈転移封鎖〉か? だがこんな短時間でこんな強力なの張れるか?)
心中疑問符を浮かべるカマタ。
そこへオウカが語りかける。
「さて……どうする?」
「どうする……だと」
「ああ」
一拍おいて続ける。
「俺らと戦うか、投降するか」
個人的には後者がオススメとオウカは言う。
そんな彼にカマタは思い至る。
「オマエか?」
「……」
カマタの問いかけに、オウカは何も言わず、口元に笑みを浮かべるだけだった。
△▲△
レイリがヨシダを守ろうと動き、ジンナがカマタと戦っている間、オウカはただ見ているだけでなく、遊んでいた訳でもない。
[マユ、ネラ。頼む]
[わかった]
[承知]
相棒二人に頼み、〈転移〉で逃げられないよう空間を封鎖し、偵察を頼んでいた。
更に
[マユ。アレわかる?]
[うん。【ドローミ】だね]
相手の分析をしていた。
[やっぱし冥刀か……]
[鎖の冥刀。補助的な能力を持っている]
[補助?]
[合体した武器の強化とか、使い手の│潜在能力《ポテンシャル》引き出しとか]
[縁の下の力持ちか……]
[まさしく。補正も高いし、変形の一環でかなり伸びる]
その解説に色々納得したオウカ。
一番気になっている事を訊ねる。
[あの透明化は?]
[そんなチカラは持ってないから、多分自前]
その言葉に思考を重ね深めるオウカ。
(と言う事はクロス由来か? 人工物の……光学迷彩とか?)
彼の考えは正しかった。
《ヴァイオレットクロス〔光学迷彩〕》
光を透過・回折させる事で透過している。
(でもただの透明人間なら幾らでも対処法はある)
思考を重ねていくオウカ。
ただの光学迷彩なら、欺瞞可能なのは視覚だけ。
質量、熱、音、臭気は消せないので、対処されてしまう場合も多い。
(それにずっと使いっぱなしは無理なはず)
クロスとは元々、弱者の補強のために作られた、言うなれば増幅器。
だからこそ体力や気力の消費でチカラを使えるが、無限ではなく、強力なチカラであればあるほど消耗が激しい。
(何かしらギアスを設けている?)
ギアス。別名、ゲッシュや
プレイヤーが能力・術技・武器に使用条件や不利な行動を取る事などの誓約や制限――縛りを掛ける事で効果や威力を増強させる事が可能。
特に那由他叢雅の作品の冥刀はそういう系等が多い。
(普通ステルスは自身に使う場合が多いよな……)
一部のプレイやーやモンスターは自身を透明化(+α)させる事で、姿を隠す事はよくある。
(ぶっちゃけヨシダを殺したかったなら、自分自身を透明化させての暗殺の方が手っ取り早いよな?)
だが、カマタは冥刀に鎖にしか使っていない。
(出来ないのか? 多分そうだな。自分以外には出来ない?)
更に思考を並列・加速・深化させる。
(いや、ヨシダを消して攪乱させる事、伏兵を用意する事だって可能なはず。でもしてない)
そうして結論を出す。
(透明化できる範囲は生命体以外。そして、自分に触れている物か?)
オウカの結論は正解していた。
★☆★☆★
クロスのナノマシンの二度目の投与はリスクが高い。
それでもチカラを欲するカマタはそれに賭け成功した。
ところが手に入れたチカラはそこまで強いモノではなかった。
『どうせなら生物系が良かったな』
とは本人談である。
生物系――
だからこそまあまあ以上と言われている。特に古代や幻獣の場合そこに+αされる、
彼の場合、最初のクロスは大鎌だったので白兵戦での戦力が増強される方が良かった。
『でもまあ使い方次第で活かせるか』
そういう訳で試行錯誤をした結果、カマタの今がある。
◇◆◇◆
(状況は不味いねぇ)
カマタは考える。
(引くにも引けない。戦うにもこちらが不利)
転移は使えず、退却は難しい。
ならば戦うしか出来ないが、一対五は敗北必死。
思考を巡らせる彼にオウカは再び問う。
「正直に色々吐くなら、丁重に扱うけど?」
「それは無理な相談だぁ」
裏切り者は死ぬしかない。
それに自身の心情的にそれは嫌だ。
だからこそ……
「だからこの場をどうにか切り抜けさせて貰おう」
彼が懐から出したのはチェスの駒のような物。
合計五つ。それを宙に投げると、巨大化し怪物となった。
それはずんぐりむっくりした四体の人型。
機械と生体が混ざったようなゴーレム。
それぞれ色と武装が違う。
駆動音を上げてオウカ達へと襲い掛かる。
「わ!?」
「ッ!」
「そう来るのね!?」
「常套手段だなっと」
「セイ!」
それらをどうにか対処しようとする五人。
その隙にカマタは背を向ける。
「じゃあ、オイラは引かせて貰う」
そう言って壁際に走り、壁を切り裂き一目散に退却し始める。
まだ転移は使えないので、足を使って逃げる。
それにオウカ達全員の考えが一致する。
このままでは不味い。
だが、誰を追って差し向けるか?
オウカは一瞬で判断する。
「アズミさん! 追っかけて!」
「あーし!?」
「多分適任だから」
その言葉にアズミは頷くと、足にオーラを集中させ、跳び上がる。
一気に天井を突き破り、そのまま一気にカマタを負う。
そのスピードは速く、この場の誰もが追跡不可能だった。
そうして残された四人は……
「じゃあ四対四と行きますか」
「数で公平になったね」
「腕が鳴ります!」
「早く終わらせて追うわよ」
ゴーレムを片付ける事になった。
この時点で彼らはまだ知らなかった。
カマタが残した置き土産がとんでもない代物である事に。
■□■□
「逃げろ逃げろ~」
カマタは疾走しながら、スキルを発動させようとする。
「おいおいまだ駄目かよぉ~」
まだ離れなくてはならないと、カマタは更に距離を離そうとするが……
「死になさい!」
「おっと」
そこへアズミの高速飛び蹴りが襲い掛かる。
本気で放てば並みの戦車すらぺしゃんこにする一撃を、カマタは横っ飛びに回避。
蹴りは地面に突き刺さる。
「危ないねぇ」
「危なくしているのよ」
カマタは大鎌を構え、アズミは地面に刺さった足を引き抜く。
「殺してもいいのかい? オイラは貴重な情報源なんだろう?」
「そうだけど、殺す気でやらないと戦闘不能には出来ないでしょう?」
その言葉にカマタは相手に容赦はないと判断。
(まだ転移は使用不可能。なら倒すしかないね)
そうして強者二人の激闘が始まった。
●○
「行くのか? カマタ」
「ああ。≪燼≫からSOSが出ているからな。行ってやらねえと」
「そうか。じゃあついでに消しといてくれ」
「……」
「……どうした? 聞こえなかったか? それとも言い方がわかりにくかったか?」
「……」
「皆殺しにしておいてくれ。これでいいか?」
「いや、そうじゃなくてよぉ。……救援じゃなくて鏖なのか?」
「ああ。尻尾を早めに切らないと本体に辿り着かれる」
「……いささか慎重過ぎる気もするけどね」
「慎重に越した事はない。石橋を叩いて渡る……だ」
「石橋叩いて壊してねえか?」
「壊れるくらいなら渡らない方が良い」
「それもそうかもしれないか……。わあった」
「納得してくれたか。それは何より。――頼んだぞ?」
「へいへいっと。じゃあちょっくら行ってくr」
「待て」
「何だよ……。このスキルで制御ミスると大変な事になるんだよ」
「持っていけ」
「うん? これって……」
「ああ。完成品の【機甲人形】だ」
「こんなコンパクトになるのか……。スゲエな」
「ああ。持ち運びに便利だ。戦闘力も高い。生半可なプレイヤーでは歯が立たん」
「……デメリットは?」
「一体作るのに時間が掛かる。そして――高い」
「……お幾ら? 零が七、八個付く?」
「それでは足らないとだけ言って置こう」
「うわぁ……」
「本来はもっと持たせたいのだが、この四つが限界だ」
「あらら」
「しかもそれを使ったら後一つだ」
「……良いのかよ。そんな希少な物……」
「我々は少数だからな。一人失うだけでも痛い。特にお前のチカラは希少だからな」
「そりゃどうも。……。なあ」
「何だ? 行かないのか?」
「いい機会だから聞いておきたくてよぉ」
「……」
「メンバー増やさねえの?」
「候補は下部組織にチラホラいる。取り立てるかどうかはわからん」
「もっと増やそうぜ。流石に戦闘要員が俺とアイツだけじゃちょっとキツイ」
「
「それでも戦えなくはないだろう?」
「それでもだ。どうしても大規模になってしまう」
「……まあな」
「彼女は動けないし、アレは護衛で動けん」
「わかるけどよ……」
「だから必然的にお前ら二人には迷惑をかける。――そうだな。増やすか」
「お、マジか!」
「候補を取り立てよう。後でそちらに向かわせる」
「頼んだぜ! じゃあオイラは行って来る」
「もしもの時は……わかるな? 出し惜しみはするな」
「わかってるさぁ~」
【TIPS:ギアス】
(#ー#)<一応スキルになるのか?
(・▽・)<某漫画の制約と誓約、もしくは縛りですよね?
(㈩*㈩)<作者が好きなあのシリーズで言うなら……戒律?
(#ー#)<……まあな。劇中使っている人は多い。
(#ー#)<クドウの奴なら、術の性能を高めるためによく使う。
(#ー#)<
(㈩*㈩)<那由他の作品はロウリスクを目指していたからね。