冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【コソコソ話】
(・▽・)<この組織は実は少数精鋭。

(・▽・)<現状五人。カマタ、もう一人の戦闘員、今回のもう一人。

(・▽・)<動けない女性、そして、その護衛。

(#ー#)<少なすぎるだろう……。

(・▽・)<下部組織は幾つかありますけど、麻薬売買しかさせていないので。


ⅭⅬⅩⅥ

 ★☆★☆★

 

 

 ゴーレムとロボット。

 はっきり言ってこの二つに違いはない。

 強いて言うなら科学的に動くか、魔法的に動くか。その違いだけ。

 だからこそ、その両者が混ざったハイブリッドをどう呼ぶかは、製作者や使用者次第。

 今回の【機甲人形】と呼ばれる物の場合、魔法的要素――動力やコンパクト化など――が大きいので、一応ゴーレムと言う事になっていた。

 

 製作者――イヌガミは強くない。

 パワー、スピード、ディフェンスは低く、体力、気力、魔力が多いわけでもない。

 だが本人は全く気にしていなかった。いや、正確には気にしてはいた。

 だが、ある”教授“――後に”大教授“と呼ばれる人物の講義を聞き、

 

『話を聞かせて貰えませんか?』

『? 時間はあるから構わないが……』

 

 彼から直接話を聞いて、気にしなくなった。

 とある結論に達したからだ。

 それは……

 

『戦えないなら、代わりに戦ってくれるモノがいれば良い』

 

 これだった。

 

 そうしてロボットとゴーレムに関する事を学び、その二つを融合させた物を作り出そうとした。

 設計と構想は出来た。だが実行に移せなかった。

 その理由は単純。

 

『金が無い』

 

 パトロンになってくれる人を探したり、クラウドファンディングをやっても駄目だった。

 そんな時だった。

 

『その技術をワタシ達の所で使いませんか?』

 

 とある人物から誘いを受けた。

 しかも大金付き。その他条件も文句無し。施設も提供するとの事。

 だからこそイヌガミは協力する事にした。

 罠かもしれないと思ったが、自身の研究を実行したかった。

 

 そうして彼は自分の構想を実現していった。

 それが何に使われるのかは彼にとってはどうでも良い事だった。

 

 

 ******

 

 

 そんな彼の作品の一つである【機甲人形】。

 とある殺し屋組織のボスに提供した戦闘特化の機械ゴーレム――【巌樹機砲人形】と同等の戦闘力を目指した。

 とは言え同じではつまらない(?)ので方向性は違う。

 

 

 防御力は様々な金属を合わせて作られた合金。防御力は上となった。その代わり再生力は下だが。

 大きさが違うので攻撃力は劣るが、機動力は遥かに上。

 操縦はせず、自律戦闘可能。高性能な戦闘AIを詰め込んでおり、学習して強くなっていく。更に■■と■■まで可能。

 武装は色々積もうかと考えたが、あえて一つに絞る事で戦闘時の選択肢を減らした。

 コンパクト化すればチェスの駒並の大きさと重さになる。

 

 

 正に傑作と言っても良い。

 ……まあ値段と素材の問題から五つしか出来なかったが。

 その戦闘力が猛威を振るう。

 

 

 ■□■□

 

 

 ずんぐりむっくりとした四メートル程の人型の【機甲人形】。

 違いは色と手に持つ武器。それ以外はほとんど同じ。

 

 

│斧槍《ハルバード》を持つ紅の機体。

曲刀二刀流の蒼い機体。

片刃斧二刀流の白い機体。

右腕に巨大な籠手を装着した黒い機体。

 

 

 オウカ達は目に付いた機体を相手にする事になった。

 ……意外とすんなり争わずに決まった。

 

 

 ******

 

 

 紅の機体――【機甲人形[紅]】の相手をする事になったのはカナタ。

 ……というか蒼と白が決まっていたような物なので、とりあえず紅にして置いた。

 

「まずは先制」

 

 まずは火属性を選択。

 カナタは周囲に呪符を展開。そこから放たれたのは――火炎弾。一発ではなく連続して放たれる。

 

 それを紅人形は斧槍を高速回転させ全て防ぎ切る。

 

 だがその程度、カナタは想定済み。

 火炎弾を目眩ましにして、隠密状態で一気に接近。紅人形の周囲に呪符がばら撒かれる。

 

「勅」

 

 その場から離脱しながら、発せられたその言葉と同時、呪符から放電攻撃が放たれる。

 360°全方位攻撃。先程のようには防げない攻撃だったのだが……

 

「……」

 

 結果にカナタは沈黙。

 紅人形は耐えきった。

 見る限りダメージもなさそう。

 

(電気で動いているなら、機能停止するかと思ったけど……)

 

 どうやら動力は電気ではない。

 

「何が効くかしら?」

 

 そう呟きながら手で印を組む。

 すると紅人形の周りに風が起こり、竜巻が発生。

 対象を逃がさないよう閉じ込め、鎌鼬で斬り刻みながら、暴風によって粉砕する。

 

 暫くして、鎌鼬と暴風の檻が消えたが、紅人形は健在。

 それにカナタは眉を顰める。

 

(魔法攻撃は減衰? もしくは純粋に防御力が高い? どちらにせよ厄介ね)

 

 前者でも後者でも自身の手札が大半使えなくなる。

 そんなふうに思っていると、紅人形が動き出す。

 腰部にあるスラスターを蒸し、一気にカナタ目掛け突撃。斧槍が振るわれる。

 

「ッ!?」

 

 どうにか避け切る。

 だが、斧槍が着弾した場所が砕け、破片が散弾のように襲いかかってきたのは避けきれなかった。

 

「……痛いわね」

 

 想定以上のスピードとパワーに驚いたカナタ。

 だがやる事には変わりない。

 

(もう少し試しましょう)

 

「じゃあ接近戦と行きましょう」

 

 爪から喚び出したのは定寸の太刀。

 更に自分自身にバフを掛け……

 

「シッ」

 

 カナタは直接切り込みに行った。

 

 

 ******

 

 

 【機甲人形〔蒼〕】と戦う事になったのはジンナだった。

 ……同じ得物同士と言う事で真っ先に選んだ。

 

「一気に決める!」

 

 幸いステータス上昇はまだ切れていない。

 だからこそ、突撃を仕掛ける。

 ……脳筋である。

 

「ハア!」

 

 バフが乗った一撃を蒼人形は下がる事で躱した。

 

「え……」

 

 想定外な上、大振りの一撃が空ぶってしまったので隙が出来てしまう。

 それを見逃す蒼人形ではない。

 すぐさま手に持つ曲刀で斬りかかる。

 

「ッ!?」

 

 襲い掛かる刃をジンナはギリギリで回避。

 そのままゴロゴロ転がりながら間合いを離す。

 

「……危ない危ない」

 

 立ち上がって双剣を構え直す。

 そのまま相手について分析する。

 

(人は乗っていなそうだから、自律だと思ったんだけど……)

 

 どうやら高性能なAIを積んでいるらしい。

 

「まあ、やる事には変わりない!」

 

 再度突撃し、一撃を見舞に行く。

 だが、大振りではなく、避けにくい様にコンパクトな一撃を放つ。

 流石に避けられず蒼人形は手に持つ曲刀で受け流す。

 

「……(パワー)(テクニック)も中々」

 

 今のジンナのステータスは凄まじい。

 かなり高ステータスである四体の人形すら上回っている。

 生半可な防御は叩き潰せるし、中途半端な技すら意味がない。

 だが、蒼人形は力と技で受け流してみせた。

 

(まあ、やる事には変わりないけど)

 

 ジンナは連続攻撃に移行する。

 舞を舞っているかのように、剣撃を叩き込む。

 冥刀とスキルの相乗効果により、一撃一撃は速く、重く、鋭い。

 

 だが、今回の技を受ける対象が、人ではなかった。

 人間であれば、焦りや恐怖と言った感情が先行し、ミスを起こす。

 そうすればそこからは彼女の独壇場となる。

 だが、今回の相手は機械の│人工知能《AI》。

 モノによっては、人と同等の感情を持っているモノが存在するらしいが、この人形達は高度ではあるが戦闘AI。

 焦りや恐怖を感じる事はなく、動力が尽きない限り疲労を感じる事も無い。

 だからこそパフォーマンスが落ちる事は無い。

 

 冷静に対処されていくジンナの攻撃。

 そのうえ、時折カウンターまで飛んで来る。

 それをどうにか凌ぎながら思考する。

 

(攻撃の威力と速度は上がっているけど、防がれちゃう)

 

 機械だからこそ出来る事だろう。

 

(このままだと不味いかも……)

 

 そう思ったジンナだったが、今はこれしか出来ない。

 そうして戦いは続いていく。

 

 

 ******

 

 

 白の二刀斧使い――【機甲人形〔白〕】

 同じ斧使いとしてレイリが相手取る事になった。

 ……まあレイリの場合、斧二本も使えるが、一本での戦いがメインなので、ちょっと違うかもしれないが。

 

 同じ武器の二人……というか二体は間合いを取りながら向かい合う。

 そしてレイリは口を開く。

 

「宜しくお願いします!」

 

 礼をするレイリ。

 どんな相手でも敬意を払うのがレイリ。

 それに白人形は隙と見て突撃。

 ……機械なので心がわからない。

 

 右腕の片刃斧を振り下ろす。

 

「いきなりですね!」

 

 レイリは即座に対応。

 間合いを狭める事で避け

 

「お返しです!」

 

 双斧状態の両刃斧(【ラビリス】)を振るう。

 人間であれば避けられないだろう。だが、相手は機械。

 

「わ」

 

 白人形は腰部のスラスターを蒸かし、後ろに下がる。

 そうして自分の斧の間合いに持ち込むと、斧を振り下ろす。

 

「ハア!」

 

 レイリはその斧を片手の斧を使い弾く。

 そこから始まったのは斧と斧の剣戟。

 攻勢は白人形、守勢はレイリ。

 

 白人形は左右の斧を振り下ろす。時に交互、時に同時。

 ペースを掴ませないような連撃。

 レイリはそれを左右の斧で防ぎ、弾き、時に避ける。

 オーラを目と腕に集中させ防御に徹する。

 

 まるで嵐のような刃の乱舞。

 

(色々な人と模擬戦やっておいて良かった……)

 

 内心そう思ったレイリ。

 

 だが、レイリは色々ブーストしているのに対して、白人形は特にそういうのがない。

 つまりこのまま続けた場合、潰れるのはレイリが先。

 

「どうしよう……」

 

 そう言った瞬間、白人形の斧をレイリは受け損なう。

 

「あ」

 

 そこをチャンスと見て白人形は大振りの一撃を振るう。

 だが、それをレイリは織り込み済み。

 

「そう来ると思ってました!」

 

 先程の受け損ないは撒き餌。

 レイリは相手の一撃を回避し、二つの斧を合体させ、巨大な両刃斧を作り出す。

 

「二刀流も良いけど、やっぱりこっちの方がしっくり来ます」

 

 オーラを腕に集中させての本気のフルスイング。

 それを白人形は斧で防ぐも、吹っ飛び、壁に叩きつけられる。

 

「フウ」

 

 振り終え残心したレイリ。

 彼女はわかっている。

 まだ終わっていない、それどころか……

 

(多分大したダメージないよね)

 

 胴体に攻撃が当たったなら別だっただろうが、ガードされていた。

 そのうえ、スラスターを蒸かす事で自分から吹っ飛んでいた。

 

「どうしようかな……」

 

 ゆっくりと迫る白人形を見てレイリは呟いた。

 

 

 ★☆★☆★

 

 

 黒の機体――【機甲人形〔黒〕】と戦う事になったのはオウカ。

 蒼と白が同じ武器の二人が当たる事になり、紅はカナタが持って行ったので、余り物という訳である(笑)。

 この機体は他の三体が武器を装備しているのに対して、こちらは右腕が巨大な腕となっている。

 これは単純に殴打の威力を上げるだけではなく、色々なギミックが存在する。

 

 イヌガミ曰く。

 

『この黒は他の四体と少し違う。新武器の試しを兼ねているのだよ』

 

 との事。

 

 そういう訳で、一今回の四体の【機甲人形】の中で、一番手数が多いのが黒人形だった。

 それがオウカへと牙を剥く。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 オウカと数メートル離れて向かい合う黒人形。

 

(さあ何をしてくるか……)

 

 対するオウカは無手。

 最近は色々使うので、最初は無手で行って、状況に合わせて武器を変えたりする。

 構えは両手をだらりと垂らした自然体。

 相手が何をして来ても対応可能。

 

 そして、黒人形が自身の武器である巨大な右腕をオウカへ向ける。

 そこから弾丸が吐き出される!

 

「想定内だよ!」

 

 だが、この程度オウカは予測済み。

 銃口の向きと勘で全て避け切り、相手に近づく。

 特殊な歩法で一気に間合いを詰める。

 その両手にはメリケンサックが装着されている。

 

「殴り壊してスクラップにしてやる」

 

 それに黒人形は冷静に対処する。

 近づかれたら終わりなら、近づけさせなければ良いだけ。

 右腕で地面を殴りつけ散弾のようにする。

 

「ん……」

 

 オウカのスピードが遅くなる。

 そこへ黒人形が拳を引き構える。

 

「なるほど。なら」

 

 オウカはそれに相対するかのように拳を引く。

 そして。

 

「オラァ!」

 

 拳と拳が激突!

 暫しの拮抗後、打ち勝ったのは……

 

「っ!」

 

 黒人形だった。

 オウカが吹っ飛び、壁に叩きつけられる。

 頭から血を流しているが、そこまで傷は深くない。

 問題は……

 

「あらら」

 

 右腕だった。

 グシャグシャになっており、どう見ても骨が折れている。

 

(こりゃ暫く使えないなっと)

 

 前――チカラが奪われる以前だったら、糸を使って補強して無理矢理使う事も出来たが、今はそれが出来ない。

 

「ま、いいさ」

 

 不利な状況での戦いなんて、異世界では日常茶飯事だった。

 

「さあ他には何がある? 出してみろ」

 

 メリケンサックを仕舞い、代わりに左腕で漆黒の大剣を作り出す。

 

「全て叩き潰してやる」

 

 それを見た黒人形はオウカ目がけ襲い掛かった。




【コソコソ話】
(・▽・)<そういう訳でこの作品では

(・▽・)<科学的なのはロボット、魔法的なのはゴーレムです。

(・▽・)<ハイブリットの場合、……多分ゴーレムの比率が多いかもしれません。

(#ー#)<多分ってなんだよ。
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