冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS:機構人形】
(㈩*㈩)<この組織の中心人物、イヌガミが作ったアイテム。

(㈩*㈩)<実のところ、特殊な能力はない。単純にステータスが高くて

(㈩*㈩)<戦闘技術が高いだけ。そして学習能力も高いけど、それだけ。

(・▽・)<それ初見殺しやピーキーよりも厄介なのではないですか?


ⅭⅬⅩⅦ

 ■□■□

 

 

 オウカ達が機甲人形と戦っている頃、アズミとカマタも戦闘をしていた。

 

 まず最初に

 

「ハア!」

「オオオ!」

 

 大鎌と蹴りの一撃が激突!

 どちらもプレイヤーだろうが、モンスターだろうが即死するであろう威力を込めた。

 結果は互角。

 

 そのままアズミは間合いを潰しにかかり、カマタは間合いの維持をしようとする。

 今の状況だと、長物使いであるカマタが有利。

 なのだが、彼を緩めない。

 というかそんな暇がない。

 

(早い。しかも読みづらい)

 

 アズミは特殊な歩法を使い、滑るようにカマタに近づこうとする。

 気を抜けば、一瞬で間合いを潰され、蛸殴り(蛸蹴り?)にされるからだ。

 カマタはバックステップしながら大鎌を上手く使い攻めたてる。

 

(鋭く、速く、重いわね)

 

 それをアズミは時に躱し、時に手で防ぎ、足で弾く。

 そのままアズミが攻めたて、カマタが逃げ回る状況が続く。

 だが、このままでは埒が明かない。

 

((どうするか……))

 

 実の所、お互いまだ手札が遺っている。

 アズミはオーラ、カマタはクロス。

 どこで使うかを二人は迷っている。

 そんな中、先に手札を切ったのは。

 

「ほらプレゼント」

 

 カマタだった。

 何かを放り投げる真似をする。

 

「?」

 

 それに一瞬疑問に思うアズミだったが……

 

(何か不味い!?)

 

 直感で大きく飛び退く。

 相手との距離が離れてしまうが、その選択はすぐに正しいとわかった。

 

 直後、大爆発が起こる。

 あのままだったら、爆発に巻き込まれていた。

 

「何が起こった?」

 

 思わず口に出してしまったアズミ。

 そこへカマタが声を掛ける。

 

「喰らえばわかるかもしれないよ」

 

 今度は何かを投擲する動作。

 咄嗟にアズミは両腕を盾にする。

 だが、その何かを喰らい、アズミの頬や服が斬れる。

 それと同時、その正体がわかる。

 

「四方手裏剣……」

 

 どうやら透明にしていたらしい。

 恐らく先程の炸裂弾もそうしたのだろう。

 

「なるほど。道具にもステルスを掛けられるのね」

「ああ、そうさ」

 

 肯定するカマタ。

 

「最初はこんな能力どうやって使うんだって思ったけど結構便利なんだ」

 

 まあ色々ギアスは掛けているけど、と付け足した。

 それにアズミは思考。

 

(触れた道具も透明に出来るとなると厄介ね)

 

 先程の鎖と違って、手元から離れてしまうと、短時間しか維持できないようだが、それでも厄介。

 

(罠とか仕掛けられたら、不味いわね)

 

 色々応用が効きそう。

 ならば。

 

「こっちも使いましょう」

 

 アズミの体からオーラが迸り、それが孔雀の形を取る。

 その孔雀が嘶く。

 ここから更に凄まじい激闘となる。

 

 

 ******

 

 

 カナタと紅人形の戦いの天秤は……カナタの方へ傾きつつあった。

 紅人形の装甲にはあちらこちらに傷が付き、持っている斧槍(ハルバード)に至っては刃がなく、只の棒になっていた。

 

「……どうしたの? 他の手札はないの?」

 

 微笑むカナタであったが、こちらも傷は結構ある。

 とは言え、どこから見てもカナタが追い詰めていた。

 その理由は今彼女が使っている刀にあった。

 

 【物滅】

 そのチカラは物質結合の切り離す。

 つまりは単純に防御力の高い敵に対しては有利に働く。

 

 今回の【機甲人形】は、特殊な合金とコーティングのおかげで魔法に対する備えはあったが、こういう備えはなかった。

 否、あるにはあるが、それは斧槍の技術で凌ぎ切れると考えていただろう。

 だが、カナタは様々な手札――機械の探知すら擦り抜ける隠密、属性攻撃の弾幕などを目くらまし代わりにして、着実にダメージを与えていった。

 

 そして、遂に、紅人形の足が破損。

 バランスを崩しそうになるも、手にした棒を杖にしてどうにか姿勢を安定させる。

 だが、その隙をカナタは見逃さない。

 

「!」

 

 残りの体力・気力・魔力を一気に解放。

 そのまま相手を斬り捨てた。

 その一撃は紅人形を真っ二つにした。

 

 

 ******

 

 

 一方、レイリと白人形の戦いは互角の状況が続いていた。

 レイリは途中から斧を一本に絞り、回転を意識した攻撃を仕掛け、それを白人形は斧二本で凌いでいた。

 だが、このままでは先に潰れるのはレイリなのは明白だった。

 だからこそ、必要なのは予想外の一撃。

 

「来て!」

 

 その言葉と同時、何かが白人形目がけ襲い掛かる。

 それはレイリの巨斧。

 リターン機能を活かし、手元に戻しながらの攻撃。

 それをもう片方で防御しようとする。

 レイリはこの時を待っていた。

 

「片手で防げる訳ないでしょうが!」

 

 そのまま白人形を剛力で吹き飛ばす。

 戻って来た巨斧を巻き込み吹っ飛ぶ白人形。

 そこに

 

「起爆!」

 

 レイリの声に反応して、巨斧が大爆発。

 

 これがイヌコの仕込みだった。

 レイリの音声で、中に仕込んだ爆弾が爆発するようにしていたのだ。

 元の性能に戻せないならば、新たな武器にしてしまおうという発想である。

 

 至近距離で大爆発を喰らった白人形は動いているのがやっとな状況となる。

 そこへレイリは飛び上がり、唐竹割をぶち込みに行く。

 

「イヤアアア!」

 

 その一撃は白人形は完全粉砕した。

 

 

 ******

 

 

 ジンナと蒼人形の戦いは蒼人形が優勢だった。

 的確にカウンターを入れる事でジンナへダメージを与えている。

 だが、蒼人形は全く気が抜けない状況だった。

 なぜならジンナのステータスは未だ上昇を続けており、下手をしなくても一撃喰らえば形勢が傾いてしまう。

 

 とは言え、蒼人形はわかっていた。

 恐らくこのままではジンナの方が先に力尽きると。

 そして遂にジンナの猛攻が緩む。彼女の意識が無くなる。

 

 その隙を見逃す蒼人形ではなく、そのまま曲刀の貯め攻撃を容赦なくぶち込む。

 それは決着の一撃……となるはずだった。

 だが、その攻撃はジンナにより受け止められていた。

 その雰囲気がいつもと違う。

 

 そのまま流れるようにジンナは蒼人形へ攻撃を仕掛けた。

 それを咄嗟にスラスターを蒸かしてどうにか避ける白人形。

 だが、ジンナは滑るように間合いを詰めて来る。

 そうして壁際まで追いつめられる白人形。

 

 そして、ジンナの舞うような連撃が白人形に突き刺さる。

 それは今までで一番鋭く重く速い攻撃。

 そうして、白人形はスクラップになった。

 

 その直後ジンナが我に返る。

 

「アレ? ボク意識無くしてた?」

 

 白人形の残骸を見て首を捻る。

 

「いつの間に倒したんだろう?」

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 そして、オウカと黒人形の戦いは全くの互角となっていた。

 大型武器同士がぶつかり合い、轟音が鳴り響く。

 

 両者共に武器の種類は違えど二刀流ではなく一刀流であり、手数よりも一撃の重さに特化しているため、この結果となっていた。

 

 とは言えこのままでは埒が明かない。

 

(さてどうするか……)

 

 オウカは思考していると、黒人形が攻め方を変える。

 巨腕にエネルギーをスパークさせ一撃を見舞う。

 

「!」

 

 どうにか受け流すも、地面着弾の衝撃でオウカは吹っ飛ぶ。

 そこへ巨腕からレーザーは放たれる。

 

「チッ」

 

 事前に読んでいたため、大剣を盾にどうにか防げたが、武器が無くなる。

 そこへ巨腕がロケットパンチのように放たれる。しかもワイヤー付きなので戻って来る方式。

 

「ここで踏み込む」

 

 オウカは今まででトップスピードで間合いに入る。

 黒人形は腕を戻そうとするが……

 

「こっちの方が早い」

 

 再び装着されたメリケンサックにより連撃が叩き込まれる。

 それは黒人形が壊れるまで続く。

 

 ……この時、オウカは気づかなかったが、先程の拳のぶつかり合いでグシャグシャになった右腕が直っていた。

 少なくとも形は戻り、血は止まっている。

 まるで誰かが外科手術をしたかのようだった。

 

 

 ■□■□

 

 

 アズミとカマタの戦いは構図が逆となっていた。

 カマタが攻めたて、アズミが守る。

 

 カマタはクロスの透明化を活かす事で、爆弾や手裏剣を透明化させ攻撃し、時に大鎌を鎖でリーチを伸ばし攻めたてる。

 それをアズミは手足で弾き、時に避け、どうしようもない時はオーラを使い防いでいた。

 

 一見すればアズミがボロボロのように見えるが……

 

(ダメージは芯に届いてないねぇ)

 

 カマタはちゃんとわかっていた。

 アズミが着ている道着は結構ボロボロなのだが、肌に傷はほとんどない。

 傷が出来たとしてもすぐに癒えてしまう。

 

(流石、霊獣拳士と言った所だね)

 

 オーラの時点でカマタにはちゃんとわかっていた。

 

(とは言え、有効な攻撃を撃つには……)

 

 チラリと手に戻した大鎌を見る。

 これにスキルを合わせるしかないが、そんな隙はない。

 だが……

 

「シビアだがやるしかないね」

「!」

 

 カマタが手持ちの爆弾と手裏剣の大半を一気に放る。

 点と線の攻撃より避け辛い面の攻撃。しかも透明化付。

 それをアズミはオーラで防ぐ。

 

 氣による気配を読むのは、あくまで生物に有効な物。

 そのため、無生物は読みづらい。……読めない訳ではない。

 

 これが冥刀や一部のロボなら別――というか生物の領域に片足突っ込んでいるモノは別にして、対プレイヤー・モンスター用に特殊な素材を利用しただけの爆弾や手裏剣はほぼ読めない。

 そういう攻撃は相手の目線、手の動き、殺気、武器などを見て防ぎ、避ける。

 だが、今回は、相手はプロプレイヤーであるため、目線と手の動きは当てにならず、武器が見えない、という大半が封じられた状態。

 だからこそ、オーラで防ぐ。

 爆発と刃をどうにか防ぎ切るが、その場から動けなくなるアズミ。

 

 その隙にカマタは自身の大鎌に空間斬を乗せる。

 これでほとんどの防御を突破可能となる。

 そして、そのまま亜空間トンネルに消える。

 ……隙が大きいうえ、疲労もかかるため、あまり多様出来ない戦法だった。

 

 それにアズミは何をしようとしているのか悟る。

 

「なら……フウ」

 

 合掌し目を閉じる。

 

 長いような短いような時間が過ぎる。

 そして、アズミに穴が空き、そこからカマタが出てきて大鎌を振るう!

 

 血飛沫が舞う中……

 

「この距離なら届く」

「ッ!」

 

 アズミは腕一本を犠牲に間合いを潰した。

 そして、鉄山靠をカマタへ叩き込んだ!

 

「グハ!?」

 

 吹き飛ぶカマタ。

 そのまま地面を滑って行く。

 

 アズミは残心。

 そして、筋肉を締め血止めしてから、地面に落ちた腕を拾う。

 

「これならくっつきそうね」

 

 格闘使いが隻腕は流石に不味い。……一部例外あり。

 なので、綺麗に斬られているのを見て少し安心した。

 そうして、斬られた腕を匣に仕舞い、カマタに近づく。

 

「……殺す気で打ったのに生きているなんて驚いたわ」

「そ、そりゃどうも……」

 

 カマタが大鎌を杖代わりに立ち上がろうとしていた。

 とは言え、霊獣拳士の本気の一撃を喰らった状態なので、ズタボロだった。

 誰がどう見ても不味い状況。

 だが、カマタの態度は変わらない。

 

「オイラから聞き出すんじゃないのかい?」

「うん? 殺す気でやっても死なないでしょう?」

「ハハハ」

 

 もう笑うしかないカマタ。

 そうしながら思考する。

 

(こうなったら、使うしかないな……)

 

 そうしてある物を使おうとした時だった。

 

[カマタ]

「!」

[トンネルに入るっちゃ]

 

 イヤリング型の通信機から声が聞こえた。

 それは同僚の声。

 

「わかった!」

「待て!」

 

 カマタは最後の力を使い、亜空トンネルに入る。

 それを追いかけようとしたアズミ。

 だが、上空から絨毯爆撃が襲い掛かる。

 

「新手!?」

 

 回避は無理と判断し、オーラを一気に放出し、防ぎ切った。

 そうして暫く爆撃が続く。

 すると、そこは焼け野原になっていた。

 アズミはどうにか防ぎ切ったが、道着はボロ屑同然になっていた。

 

「逃げられた……」

 

 そう呟いたアズミだった。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 同時刻。

 機甲人形との戦いを終えたオウカ達の元へも絨毯爆撃が降り注いでいた。

 

「!?」

 

 気づいたのはオウカ。

 こういう事が異世界ではよくあったからこそ。

 

「不味い!? 集まれ!」

 

 その声にカナタ達が間髪入れずこちらに近づいて来た。

 オウカの剣幕に不味いと気づいたのだ。

 因みに動けないヨシダは……

 

「痛い痛い痛い」

「静かにして」

 

 カナタが呪符を使って引きずって行った。

 

 そうして五人が固まったタイミングでオウカは大盾を出し、上空に翳す。

 それと同時、絨毯爆撃が降り注ぐ。

 廃倉庫の屋根を突き破り、爆撃が襲い掛かる。

 

 そして暫くして、そこは完全焼け野原となった。

 無事なのはオウカ達五人。

 だが、持っていた大盾はボロボロに崩れ去った。

 もう自己修復不可能だった。

 

「……あ、危なかった……」

 

 冷や汗を流したオウカだった。




【コソコソ話】
(㈩*㈩)<この話であった、「ジンナの豹変」と「オウカの腕」

(㈩*㈩)<一応伏線だから、覚えていてくれると嬉しい。

(・▽・)<だから順番変えたんですね。

(㈩*㈩)<そういう事。だから戦闘順の

(㈩*㈩)<カナタ→ジンナ→レイリ→オウカが、

(㈩*㈩)<ジンナとレイリが逆になった。


(・▽・)<活動報告に書くのもアレなのでここに書きます。

(・▽・)<週二、三回更新はいつやるかランダムになります。

(#ー#)<追いつきそうだからな。調節中だ。

(㈩*㈩)<でもなんで急にそんな事始めたの?

(・▽・)<……まあちょっと。
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