冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【前書】
(・▽・)<今回は場面が変わります。

(#ー#)<わざわざここで言う事なのか?

(・▽・)<時系列も飛ぶので、念のために。それと……

(㈩*㈩)<ここからはわたしが言う。

(・▽・)<あら。まあいいですよ。

(㈩*㈩)<ここからこの章、更に混ざる。

(#ー#)<あん? どういう事。

(㈩*㈩)<これからやる予定だった話もこっちに持って来て混ぜちゃう。

(#ー#)<なぜ?

(㈩*㈩)<今は言えない。それにこれは執筆時の状況だから、

(㈩*㈩)<公開時には変わっている可能性もあるから。

(#ー#)<ふうん?

(・▽・)<因みにこの話執筆時は2024年の年末でした。


ⅭⅬⅩⅧ

 ■□■□

 

 

 とある場所。

 それは室内なのだが、奇妙な所があった。

 扉どころか、窓や通気口すらない。

 どう見ても出入りを考えられて作られていないどころか、完全密閉されている。

 

 そこにはパイプオルガンを彷彿とさせる機械がある。

 稼働音を立てて動いており、両脇にあるロボットアームで何かをしている。

 そして、中央には薄い緑色の液体が満たされた大きな容器があった。

 その液体の中にはあるモノが浮いていた。

 ソレは……人の脳みそだった。

 いや、人の脳にしては幾分巨大だった。

 

 そして、パイプオルガンの前には鎧があった。

 西洋の全身甲冑と東洋の鎧兜を和洋折衷、もしくは合体させたかのようなデザインをしている豪奢な全身鎧

 右手に双頭刃の槍を持ち、左腰には両刃の剣を佩刀している。

 ここまでならまだ良い。問題はサイズ。

 大きさが五メートル程あり、どう見ても普通の人が着用できるよう作られていない。巨人でないと着用不可能だろう。

 そのため、置物のように見えるし、思える。

 だったが。 

 

『マヤ』

「いかがしましたか?」

 

 機械――というか脳みその持ち主が発した電子音声に、巨大鎧が返事をした。

 どうやら巨大鎧の中には人間が入っているらしい。

 全身隈なく覆っているため、顔も当然の如く見えないからこそ、声がくぐもって聞こえ、性別がどちらかわからない。

 ……名前から女性の可能性が高いが。

 

『イヌガミから連絡があってな』

「はい」

『新入りを加入させたいらしい』

「そうですか」

『お前はどう思う?』

「貴方様に否がないなら構いません」

『そうか。なら加入させるとしよう』

 

 簡素な会話を終えて、二人は沈黙。

 そうして機械の稼働音だけが響く中。

 

「……」

 

 巨大鎧がピクリと動き、片手で持っていた槍を両手で構える。

 それと同時、虚空に穴が空き、そこから人が落ちて来た。

 

「あ、危なかった……」

 

 それはカマタだった。

 立っているのもやっとだったのか座り込む。

 

 そんな彼に脳みそが聞いて来る。

 

『何があった?』

「実は~」

 

 カマタが答えた。

 

 

 イヌガミの指示で半グレ殲滅に向かったのだが、そこが襲撃を受けていた事。

 襲撃者は全員手練れで、ヤバイのと得体が知れないのが居た事。

 イヌガミの人形を使う事でどうにか人数差を埋めた事。

 自分は霊獣拳士と戦い、死に掛けた事。

 仲間の援護でどうにか撤退出来た事。

 

 

 話し終えると床に寝そべってしまった。

 

 話を聞き終えた脳は質問する。

 

『そんなに強かったのか?』

「ああ。おかげでイヌガミに貰ったモン全部お釈迦だよ……」

 

 どうすんだ、と続けると。

 

「別に構わん。……しょうがない状況だったのだろう」

「げ!?」

 

 声が聞こえた。

 噂をすれば影だった。

 

「……もう来たのか」

「ああ」

 

 カマタが後ろを向くと、そこには杖を付いた白衣の男がいた。

 彼こそがイヌガミ=コウメイ。【人形】シリーズの製作者。

 どうやら転移を使いここに来たらしい。

 

「それにアレらの犠牲は無駄にならない。次に生きる」

『……なるほど』

「……」

「?」

 

 その言葉に脳は納得し、マヤは沈黙し、カマタは首を捻る。

 カマタが理由を聞こうとした時だった。

 更に人が来た。

 その人物にカマタが礼を言う。

 

「さっきは通信助かった。……死に掛けたけどな」

「あの程度でお前が死ぬわけないっちゃ」

 

 独特の口調で答えたのは一人の男。

 革ジャンを着て、リーゼントの髪型をした伊達男。

 腰のベルトには拳銃が二丁ホルスターに入っている。

 彼の名前はゴドー=ヨシノ。

 カマタと同じ戦闘員である。

 

 これでこの組織の構成員は全員集合なのだが……

 

「ゴドー」

「何っちゃ。イヌガミ」

「お前の後ろにいる二人が新入りか?」

 

 ゴドーの後ろには見慣れぬ男女がいた。

 どうやら彼は転移する際にここに連れて来たようだ。

 

「そうっちゃよ。だからここに呼んだっちゃ」

「だからヒッキーがいるんだな」

 

 カマタが納得したように呟いた。

 そこへイヌガミが異議を唱える。

 

「誰が引きこもりだ」

『それ、わたしにも刺さるな』

 

 脳も電子音声で呟いた。

 それにマヤが口を開く。

 

「しょうがありません。カダ様は動けないのですから」

『フォローありがとう。マヤ』

「いえ。当然の事をしただけですので」

 

 この脳はカダと言うらしい。

 

「それは吾も当てはまるが?」

「杖を付けば移動出来るでしょう?」

「……それを言われるとな、弱い」

 

 そんな感じで五人が会話していると、新入りの内の片方――男の方が口を開く。

 

「なあ、いつまで俺様達を待たせるんや?」

 

 もう片方――女の方も口を開く。

 

「そうよ。妾達も暇じゃないのだから」

 

 そんな二人の言葉に五人は会話を中断する。

 そして、カダが音声を発する。

 

『そうだったな。〔Time is money(時は金なり)〕だからな』

「確かに」

 

 イヌガミも同意した。

 

 そうして新入りが自己紹介をする。

 

「俺様はセナヤマ=カズマサや。宜しゅうな」

 

 男――セナヤマがひらひらと右手を振る。

 動きやすそうな服を着ており、髪をドレッドヘアにしている。

 どことなく奇妙な靴を履いている。 

 

「妾はレミア=クラタ。宜しく」

 

 女――レミアが優雅に礼をする。

 マーメイドドレスを着て、髪は縛らず流している。

 そして、右手に鉄扇を持っている。

 

 そんな二人を見て四人――選考しここに連れて来たゴドーを除く――は。

 

((濃いのが来たな))

 

 そう思った。

 全員に特大ブーメランである。

 

 

 ……

 …………

 ………………

 

 

 そうして自己紹介は終わった所で、カマタが新入り二人に訊ねる。

 

「ところでさ聞きたいんだが……」

「俺様ァ?」

「妾?」

「あの爆撃ってどっち?」

 

 その問いに手を挙げたのは……

 

「妾のクロスですわ」

 

 レミアだった。

 鉄扇を器用に片手で開くと同時、右眼が白黒反転し、灰色に光る。

 そして、背後に揺らめくように何かが現れた。

 それは列車砲。

 その一部分を陽炎にように出したのだ。

 

 それに納得する一同。

 

「なるほど。《グレークロス》か」

「武器が付随している物もあるからな」

 

 十種類確認されているクロスの中で、乗り物を出すのが《グレークロス》。

 ……|武器()()()()()()人工物(ヴァイオレット)と境目が微妙な物もある。

 

 乗り物でも本当に千差万別。

 スケボー、ローラボード、リヤカーのような動力がない物、車、バイク、電動自転車のように動力がある物、装甲車、戦闘機、戦艦のように武器が付いている物、UFO、空中要塞、移動都市と言ったイロモノまである。

 ……因みに牛車や馬が引く戦車など、昔の乗り物が出る事例も確認されている。その場合、生物は付随しない――当たり前――ため、自分で用意するか、成長・進化しさせて自走可能にするしかない。

 

 レミアの場合、《グレークロス〔列車砲〕》。

 大きさが一軒家を超えるため使いどころを選ぶのだが、彼女はそれを進化・成長させて、一部だけ展開させて使ったりする事など拡張させまくっている。

 今やったのはそれの応用。

 

 その練度に全員は気づいている。

 

「先程は()か所に火力を分散させましたが、一点集中すればもっと火力出せますわ」

「そしたらオイラが巻き込まれてるよ……」

 

 げんなりとカマタが呟いた。

 

 そこへイヌガミが口を開く。

 

「だが、よく列車砲を一人で運用できるな」

 

 イヌガミが感心する。

 

 クロスは同じ物が存在する。

 とは言え多少差異はあり、レミアの列車砲は800mmの口径を持つ最大規模の物。当たり前の如く、一軒家よりも大きい

 そもそも列車砲は一人で使う物ではない。

 このサイズの場合、単純な操作だけでも千人以上いるうえ、整備や防衛も含めればその三倍以上は必要。

 なのにこれをレミアは一人で運用している。

 

 それにレミアは口元を鉄扇で隠しウフフと笑う。

 

「妾の場合、こういう事が出来ますわ」

 

 その言葉と同時、背後の空間が再び揺らめく。

 そこから半透明で軍服を着た亡霊が十人程現れる。

 全員武装している。

 

 それに一同驚く。

 口(?)を開いたのはカダ。

 

『なるほど。クロスの進化・変化か』

「その通りですわ」

 

 クロスは使い続け、鍛え上げる事で、その人物に適応・最適化していき、能力が拡張していく。形や性質が変わる事もある。

 レミアの場合、列車砲を運用するための人員とその武装まで使える。

 そのおかげで、広範囲の殲滅――得意中の得意ではある――だけでなく、千人規模の亡霊兵を操作する事での防衛や制圧、武装を一部展開しての狭所での戦闘まで可能。

 

「手に入れた能力を鍛え上げるのは当然ですわ」

「確かになぁ」

 

 同意するカマタ。

 彼もクロスを鍛え上げて、拡張させている。

 

「ところで……、貴方方は見せてくれませんの?」

 

 自分は見せたのだから、そっちも見せろ。

 暗にそう言っているレミア。

 

 それに答えたのはセナヤマ。

 

「俺様はコレとコレや」

 

 眼の白黒が反転。そして褐色に光る。よく見ると、褐色の濃さが違う。つまり……

 

動物(ブラウン)昆虫(ヘーゼル)か)

 

 マヤが内心呟いた。

 

 彼()Dクルセイダーだった。

 そして体に変化が起こる。

 ドレッドヘア―が鬣のようになり、犬歯が伸びる。

 触覚が頭部から伸び、体に褐色の線が入り、足が変形し昆虫の後脚のようになる。

 

「なんやかわかるか~?」

 

 一同に訊ねたセナヤマ。

 間髪入れず答えるのはイヌガミ。

 

「ライオンとカマドウマか?」

「……」

「違ったか?」

「正解やけど、もちっとためてな。つまらんよ~」

「知らん」

 

 そんな会話を聞きながら、カマタは分析する。

 

(動物と昆虫の二つで身体能力を高めているんだな)

 

 生物系のクロスは身体能力が高まる。

 それが二重でかかっている、という事だった。

 

(それ以外も手札あるだろうな……)

 

 カマタの目線はセナヤマの靴に向いていた。

 どことなく奇妙な気配を放つ靴。

 アレは恐らく……否、十中八九冥刀。

 

(後は何かしらのスキルもある……よな)

 

 そんな事を思っていると……

 

「カマタ……でいいんよな?」

 

 セナヤマがこちらに聞いて来た。

 

「ん? そうだけど」

 

 因みに本名はカマタ=ジンヤと言う。

 

(こっちが考えている事バレたか?)

 

 そんな事を思っていると

 

「アンタは何のクロス持っているん?」

(あ、違った)

 

 疑問を投げかけられた。

 なので答える。

 

大鎌(コレ)光学迷彩(コレ)だな」

 

 大鎌を右手に出し、左手によく使う手裏剣を出して透明化して見せる。

 

「お~。大鎌は浪漫あるな~。恰好ええな~」

「ヴァイオレットは応用効きそうですわね」

 

 新入り二人のコメント。

 馬鹿にする物どころか、結構好意的な意見が多い。

 それに少し嬉しくなったカマタ。

 

 そこへゴドーが笑いながら言う。

 

「お前よく馬鹿にされて来たっちゃからね」

「……」

 

 クロスを馬鹿にされた事が結構あるカマタ。

 何も言えなくなる。

 少しして拗ねるように言った。

 

「お前は大当たりだもんな」

「~♪」

 

 口笛を吹いてゴドーはクロスを発動。

 眼の白黒が反転し光った。

 色は黄色(アンバー)(レッド)

 

「ええと、黄色は古代生物やったな……。赤ってなんやったっけ?」

「自然ですわよ」

 

 新入り二人の会話に答えるようにゴドーはチカラを見せる。

 背中に翼竜の羽が生え、腕に熔岩を纏う。

 

『《アンバークロス〔ケツァルコアトルス〕》と《レッドクロス〔マグマ〕》。本当に大当たりだな』

 

 カダが電子音声でそう言った。

 

 クロスはどんな能力が宿るか、完全ランダム。

 ゴドーの場合、結構レアな古代と自然が当たったのだ。

 ソシャゲのガチャで言うならSSR二枚抜きみたいな物である。

 

「だが、クロスはあくまで使いようだ。能力にかまけたクルセイダーの寿命は短い」

 

 イヌガミの言葉が全てを表していた。

 

「まあ吾は持っていないがな」

「そうなん?」

 

 頷くイヌガミ。

 彼はクルセイダーではない。

 というか本人に戦闘力は皆無だった。

 

「じゃあ後は、そこの鎧さんやな」

「……」

 

 鎧……マヤはカダの方を向く。

 

「宜しいでしょうか?」

『構わん』

「マヤめはブルーです」

 

 そう言って出したのはナイフだった。

 一見すると地味に思えるが、彼女はどう見ても能力にかまけた馬鹿ではない。

 

((何かしらある……))

 

 新入り二人はそう思っていた。




【コソコソ話】
(・▽・)<さて、この時点での組織の人員まとめです。

(・▽・)<ネタバレを含みます。

(#ー#)<いいの!?

(㈩*㈩)<あっさりだから。


 カダ:巨大な脳みそ。

 マヤ:カダの護衛。巨鎧は冥刀。【ブルークロス〔ナイフ〕】と??を持っている。特殊スキル持ち。

 イヌガミ=コウメイ:【~人形】の作り手。

 カマタ=ジンヤ:【ブルークロス〔大鎌〕】と【ヴァイオレットクロス〔光学迷彩〕】、亜空トンネルのスキル《歪曲門扉》、鎖の冥刀【ドローミ】を持つ。

 ゴドー=ヨシノ:皮ジャンリーゼントの伊達男。【レッドクロス〔熔岩〕】と【アンバークロス〔ケツァルコアトルス〕】を持つ。腰の二丁拳銃は冥刀。特殊スキル持ち。

 レミア=クラタ:新入り。マーメイドドレス。【グレークロス〔列車砲〕】と??のを持つ。鉄扇は冥刀。特殊スキル持ち。

 セナヤマ=カズマサ:新入り。ドレッドヘアのチャラ男。【ヘーゼルクロス〔カマドウマ〕】と【ブラウンクロス〔ライオン〕】を持つ。靴は冥刀。特殊スキル持ち。


(㈩*㈩)<ほぼ全員が欲張り三点セット……。

(#ー#)<言い方!?

(・▽・)<そして……これは言うか迷いましたが言いますね。

(㈩*㈩)<??

(#ー#)<あ、馬鹿!?

(・▽・)<実は……ブラフがいます。
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