(・▽・)<説明回が入ります。この世界の銃器事情についてやります。
【TIPS】
【匣】
(#ー#)<簡単に言えば、アイテムボックスやインベントリだな。
(#ー#)<とは言え、安物でも車買う並の買い物だから持っている人はそこそこ。
(#ー#)<因みに作り方は、空間系<モンスター>の素材や、空間系の<スキル>
(#ー#)<特殊な<オブジェクト>を使い作る。
(㈩*㈩)<ちょっと捕捉。前述の通り、オウカは持っている。
(㈩*㈩)<ただ、色々あって、パワーアップして、現在はカタチが無くなった。
(・▽・)<何が……って、ああ、そういう事。彼の<冥刀>がアレだからですね。
******
リアとランコが住んでいるのは高校から歩いて十分程の所にある三階建ての一軒家。もっと広い所にも住めるようだが、二人暮らしなのでそこまでの広さは必要ないとの事。因みに見た目は普通の建物だが、色々ギミックがある。大火力の攻撃を喰らってもビクともしない。
家(バス)爆破炎上の後、後始末をそういう事が専門の人達に任せ、リアとランコの家にやってきたオウカ。
「家が……」
[大丈夫?]
落ち込んでリビングのソファに座るオウカに、マユが気を使う。そんな彼にリアがお茶を淹れようとする。
「お茶を淹れます。……お菓子は何がありましたっけ?」
「私がやります! リア様も座っていてください」
そういう訳でリアもソファに座る。……なぜかオウカの隣に座る。
「……」
「……」
「「……」」
お互い無言。実のところ、二人とも多弁な方ではない。暫く沈黙が続く中、
「オウカさん」
「ん?」
リアが口を開く。
「すいません。わたくしのせいd」
「それは違う。あの屑が悪い」
彼女の謝罪を打ち消すオウカ。悪い点など一切ないのだから当然。
「ですが、わたくしの護衛を引き受けたせいで」
「リアを恨むのはお角違い。そもそも狙う奴が悪い」
そう言ったオウカだったが、とある違和感に気づく。
[……アレ? なあマユ]
[何?]
早速
[さっきの襲撃、一朝一夕には出来ない。事前準備がいるよな?]
[ええ]
二人の意見が一致。そもそも、
[その準備って……いつしたんだ?]
[あ]
そもそもオウカの護衛が決まったのはさっき。一体いつ準備をする?
そうして二人の脳裏に過ったのは最悪の可能性。
[これ……裏切者がいる?]
恐らく、リアの側に情報を流している奴がいる。
[千パーセント確実。しかも近い立場で偉い奴]
[最っ悪だ]
顔を内心で顰め、髪の毛を掻くオウカ。
[どうする?]
[いつも通りでいく]
つまり、
[成り行き任せ大作戦!]
作戦とは言わない。
[……臨機応変に行くのね]
[ああ]
[ん。じゃあわたしは暫くこのまま]
[おう]
そうして、話し合いをオウカとマユは終える。この間、一秒未満。なので。
「ここは待ち伏せ喰らう心配はないんだよな?」
「はい。ここを落とすには城攻め規模の火力が必要なうえ、侵入者には死んだ方がマシな罠が襲い掛かります」
違和感なくリアとの会話に戻れた。
そこへランコが戻って来た。手に持ったトレーの上にはお茶のポットとカップ、お菓子のカステラがあった。
「これがありまs……って貴様! なぜ隣同士で座っている!」
「あっちから座って来たよ」
「嘘を付k」
「ランコ!」
「はい……」
そんな訳で、なぜか三人隣合って座る。リアの両脇にランコとオウカがいる。
「どうぞ。遠慮なく」
「おう」
そういう訳でカステラとお茶を頂く。
「……美味しい」
「それは良かったです」
微笑むリア。一方ランコはボソリと呟く
「……毒もなさそうだな」
「ランコ!」
怒るリアだったが、オウカがフォローする。
「大丈夫だから平気。というか俺を毒見に使わない方が良いよ」
「……なぜ?」
「昔、師匠との訓練で、毒を飲んでいたから。毒効かないんだよ」
「「!」」
毒に慣れる訓練として数多の毒を飲まされた。勿論、致死量ではなく、微量であったが。それでも、
「最初の方は、痛みに苦しんだなぁ」
何度も気絶したし、高熱を出し、腹痛に苦しんだ。
ケラケラ笑うオウカだが、全く笑えない。
リアが少し悲しそうな顔で訊ねる。
「やらないという選択肢はなかったのですか?」
「あるにはあったよ。でもやった」
「なぜ?」
「チカラが欲しかったからね」
あの頃は下地を作るため、出来る事は何でもやった。そして、それは役立っている。
そんな彼に今度はランコが口を開く。
「話を聞く限り、スパルタだったようだな」
「まあね。実戦形式が多かったし。でもそれ以外は優しかったよ」
一拍置いて続ける。
「熟睡できる環境整えてくれたし、腹一杯食べさせてくれた」
その言葉に、ある事が気になったランコ。なので訊ねる。
「……実の両親は?」
「ランコ!」
その言葉に穏やかだったオウカの表情が一変。無表情になる。そして漏れた言葉は……
「何だそれは?」
「「……」」
二人の予想を遥かに上回る言葉だった。
(どうしましょう……)
(これは予想外……)
流石に不味いと思ったのか。
「すまん。忘れてくれ」
素直に謝るランコだった。
微妙な空気を変えるため、リアがある事を話題に出す。それは、先程の襲撃について。
「……そ、そういえば先程の襲撃犯。……アレは一体?」
「こ、殺し屋でしょうか?」
ランコも話題に乗った。それにオウカは答える。
「あの身のこなしと戦闘力。そして証拠の隠滅。確実にプロだね」
色々な経験をしてきたからこそオウカは断言する。そして続ける。
「それにもう一つ気になる事があるんだ」
そう言ってオウカが出したのは複数の弾丸。それをソファの前の卓に置く。
その弾丸はリアを襲い、ランコに骨を折られ、般若忍者に殺された哀れな三人組が使っていた、マシンガンとライフルの弾丸。実は戦闘の際に、撃たれた物を幾つか掴み取って置いた。そして、
「何発か【匣】に仕舞っておいたのが無事だったんだ」
他の物はない。全部あの爆発で消えた。
後処理の人が来るまで、三人で何か残っていないかと見て回ったのだが、焼け焦げた炭や塵ぐらいしか残っていなかった。襲撃者の遺体どころか、使っていた武器――手裏剣やライフル、マシンガン、撃たれた弾丸の欠片すら残っていなかった。そして、オウカの自宅も吹き飛んだ。……実際それはおかしい。何かしらが残っていてもおかしくないのに。
オウカの推論に、リアが思い至る。
「……あの襲撃者は〈金属操作〉を持っていたみたいだね」
「金属を爆破して証拠隠滅したのですか……」
「そういう事。まあ爆破には何かしらの条件があるだろうけど」
万能な<スキル>はない。何かしら制限があったりする。
マユがオウカに自身の考えを念話で伝える。これでも刀工なので、金属の扱いには結構詳しい。
[魔力を通すなり、触れるなりしなきゃ、あそこまでは出来ない]
[確かか?]
[うん]
ランコが弾丸を手に取る。しげしげと眺めていた顔が納得した顔になる。
「リア様の〈障壁〉を貫通したからおかしいと思っていたが、そういう事か」
「ああ。特殊な弾丸を使ったみたいだね。ご苦労な事だよ」
溜息を吐くオウカにマユが訊ねる。
[どういう事?]
[ああ。そうかお前は知らなかったな]
異世界出身のマユにオウカは説明する。
[銃器を使う人ってあまりいないんだよ。この世界]
★☆★☆★
銃と砲。
射撃武器の一つであり、筒の中で炸裂させた殺傷能力を持つ弾丸を発射する武器。正に近代武器の申し子。そして、もっとも流通していた武器……であった。
あったというのは過去形である。現在――<スキル>を使える人が増え、対<モンスター>や対<プレイヤー>が主体になってからは使う人は減った。
どうしてこうなったのか。それは銃と砲の問題である。
一つ目。普通の銃と砲では<モンスター>や<プレイヤー>に通用しないという事。
<モンスター>には、硬い外骨格を持つモノや不定形なモノがいる。<プレイヤー>なら当たれば効が避けられたり、防御<スキル>で防がれるので、普通の銃と砲が有効打にならない。……というか、魔力を持った相手には、魔力を使った(纏うなり込めるなりした)攻撃でないと軽減・無力化されてしまうのも拍車を掛けた。
まだ剣や槍などの近接武器や、弓矢やスリングショット(パチンコ)の方が有効打が与えられた。これらなら自身のステータスを上げれば威力が上がり、<アーティがファクト>でない普通の武器でも、本人の魔力を使えばダメージを与えられる。
二つ目。コストの問題。
通常の銃と砲が通用しないなら、<オブジェクト>を利用して作った物を利用すれば良いと思うかもしれない。確かにそういう物は存在する。進んだ技術を使う事で、普通の銃と砲より威力の高い弾丸が撃てる物、魔法を撃てる物、弾丸の装填数が四桁五桁に及ぶ物まで存在する。
だが、それは剣や槍などの単純構造の武器を作るより難しく、専門の職人や専用設備が必要になるうえ、かなり高価。
そして、銃と砲は、弾丸が無ければただの鈍器、銃剣だったら槍。特殊な弾丸もあったりするが、別途で作らなければならない。<プレイヤー>は職業でもあるのだから、戦う度に赤字ではやっていけない。
三つ目。修理とメンテナンス。
銃と砲は構造上、粉塵や泥に総じて弱く、それらが内部に入り込むと作動不良を起こす。これは場所にもよるが、<ダンジョン>という過酷な環境で使う武器としては大きな弱点になる。しかも、現地での有り合わせの修理やメンテナンスは殆ど望めず、故障すると途端に無力化する。
更に、銃と砲は構造状<スキル>を付与しづらい。単純構造の武器でよく付与される<オートメンテナンス>や<自動修復>を付与するのも難しい。
因みに、<アーティファクト>の銃と砲は、普通の銃と砲以上にメンテナンスが複雑になる。
だからこそ、銃と砲をメインウェポンで使う人は少なくなってしまった。
その一方で、剣や槍のような近接武器を使う人は増加し、そういった道場が増えたのはなんという皮肉であろうか。
******
とは言え、少なくはなったが、銃と砲を使う人はいるにはいる。
そもそも銃と砲は、資質や技量を必要とせず、短い訓練期間さえあれば女子供でも扱え、個人差による戦闘力の変動が小ない。更に、射程が長いので安全位置から防御の難しい点での攻撃が可能というメリットがある。
だからこそ、前述の問題をクリアする事で使用している人がいる。
例えば、コストや人材の問題をクリアできる、国や組織がバックにいる場合。
警察や軍には<アーティファクト>の銃と砲が配備されており、<プレイヤー>や<モンスター>の有効打になる。特殊部隊になると最新装備が配備される。大企業や巨大裏組織なども似たような物。戦闘員が弾丸をばら撒くのはプレッシャーになる。
そして、銃と砲関連の<スキル>、もしくは流用可能なモノを持つ場合。
確認されているモノでは、辺りの物質や魔力から本体や弾丸を作り出すモノ、周囲の大気や水分から弾丸を作り出すモノ、触れた武器を完全再現複製するモノなど。<スキル>は数多に存在するのだから使えるモノは存在する。
続いて、銃と砲関連の《クロス》を所持している場合。
扱う技術、<スロット>、頑健さを付随させて、武器を具現化する《ブルークロス》。どういう武器に当たるかは千差万別であり、勿論、銃と砲。火器も存在する。
ピストル、ハンドガン、ショットガン、ライフル、マシンガン、バズーカなどがあり、それらは一部の人(銃嫌い)以外にとっては当たり扱いされる。
なぜなら、能力で具現化されたモノなので<プレイヤー>や<モンスター>に有効なうえ、装填する弾丸も具現化可能なので、気力の続く限り継戦も可能。だからこそコストの問題を踏み倒せる。
因みに、乗物や建物を具現化する《ヴァイオレットクロス》には銃と砲が付随するモノもありそれらも同様である。
☆★☆★☆
最後に、銃と砲の関連の《冥刀》を持つ場合。
これらも《クロス》と同じように踏み倒せる。ただし、そういう形状のモノはかなり少なく、持ち主にもうるさい。だからこそ、使う人はかなり少ない。
これは余談だが、オウカがかつて使っていた【フライクーゲル】もソレにあたる。
コレはその中でも特に曰く付きであり、オウカ以前より使い手になろうとした人物は全員が頭を自分で撃ち抜いて死んでいる。
だが、それは彼女に言わせれば、
「覚悟がないから死んだだけ」
との事である。
ただ、オウカの事は気に入っており、最後まで仕え続けて彼に殉じた。そして、そのチカラはまだ残ってる。
【コソコソ話】
(・▽・)<サクの実家、実は結構良い所。なのですが、とある理由で
(・▽・)<彼の扱いが悪いどころか、育ての親と友人の助けがなければ
(・▽・)<衰弱死していました。家出しなければこの話終わってました。
(・▽・)<なので、本人的にはただ種と子宮の元だそうです。
(#ー#)(㈩*㈩)<……。
【TIPS】
【フライクーゲル】
(㈩*㈩)<弾指叢雅の作品。サクが使っていたモノ。
(㈩*㈩)<元々、彼の師匠が師匠だからチャカの腕は中々。
(㈩*㈩)<だから、結構気に入っていた。
(㈩*㈩)<そして、彼女自身もサクを気に入っていた。
(㈩*㈩)<正に両想い。
(#ー#)<何か違う。
(・▽・)<アレ? 形状と能力の説明は?
(㈩*㈩)<まだ言えない。ただこれだけ。かなり変わっている。