(#ー#)<この警察も世話になっている研究所の主任。つまり一番偉い。
(#ー#)<優秀なんだが、裸族という欠点がある。
(・▽・)<人間誰しも欠点はありますよ。
(㈩*㈩)<欠点まみれの人がそれ言っちゃうの?
(・▽・)<……ぶち殺しますよ?
(㈩*㈩)<やってみろ。
(#ー#)<喧嘩なら他所でやれ。因みに本人、研究者だけど戦える。
(#ー#)<自力を冥刀で底上げしている。
そして、モモタが口を開く。
「ところでキリキリさん。結果は?」
「ああ、アレね……」
そう言って彼女は卓の上――色々な物が置かれてゴチャゴチャしている場所を漁り始める。
「確か……この辺に……」
そして、数分後……
「あった」
そう言って出したのは掌サイズの匣。
そこから例の動力炉を取り出す。
「コレがそうなの?」
「ああ」
初見のヒナタの問いかけにオウカは頷く。
「……確かに生きてる」
「わかるのかい?」
「氣を感じ取れるので」
ユウナは色々器用なので、
「見た所は普通ですね……」
「同意。機体、冥刀、動力、不変」
マリアがポツリと漏らし、ネラが捕捉。
だが、マユがある事に気づく。
「……これ魂がある」
「「ハア!?」」
ほぼ全員絶句した。
唯一、面白そうな表情を浮かべたのはキリコ。
「……へえ。わかるんだ」
「わたしは魂が見えるから」
「そう言えば動画で言っていたね。冥刀を作れる条件の一つに魂の感知が出来る事って」
「……よく見てくれてるようで何より」
「フフフフフフ」
そんな二人に対し、オウカが問う。
「じゃあ生物なのは確定?」
「そうだよ。これは機械じゃない。――れっきとした生物だ」
「……まさか」
ある最悪の想像が過ったオウカに対し、キリコが気を使うように告げる。
「安心していいよ。人を犠牲にした訳じゃないみたい」
「……そうですか」
少しほっとしたオウカ。
そんな彼に変わって聞いたのはマユ。
「じゃあ何の魂が使われているの?」
「……」
それに少し沈黙するキリコ。
ややあって口を開く。
「ホムンクルスかクローン」
「その根拠は?」
モモタの問いにキリコは指を一本出す。
「一つ目。魂魄が真っ新。つまり生まれたて」
二本目を出す。
「二つ目。自我が希薄……というか無いに近い」
三本目を出す。
「三つ目。行方不明者リストに該当者がいない」
四本目を出す。
「四つ目。生身の部分は加工した形跡がない」
その答えに全員が納得する。
そんな中、オウカがふと気になった事を問う。
「……と言う事は、これは最初からこの形で生み出された、という事ですか?」
「おそらく」
そう言ってから、キリコは顔を顰めながら言う。
「こんな事のために生み出されるのはかわいそうだよ」
「「……」」
誰も何も言えなかった。
一同何も言えなくなってしまった。
そんな時、ノックが響く。
「宜しいでしょうか」
声も聞こえた。
キリコが答える。
「どうぞ」
「失礼します」
そう言って入室したのは、そこの研究員らしい男性。
これと言った特徴はない普通の男性。
ちゃんと白衣(以外も)着ている。
「お茶とお菓子をお持ちしました」
そう言って盆を卓の上に置く。
人数分の饅頭が乗った皿と抹茶の湯飲みが人数分ある。
そして、彼は退出しようとする。
「では失礼しm」
「待て」
オウカがそれを呼び止めた。
「サク?」
「どうしたの?」
「如何?」
その場の全員が疑問に思う中、オウカは湯呑を取り、その研究員に差し出す。
「飲め」
「え……それはお客様n」
「いいから飲めよ」
有無を言わさないオウカ。
「お、お客様のですから」
「俺が許可してやる。飲め」
「いや、あの、それは……」
しどろもどろ。
どうにも様子のおかしい研究員。
それにこの場の全員がどういう事が気づき始める。
全員の視線が研究員を捉える。
特に異世界出身者であるマリアとユウナの視線が険しい。
そんな視線に耐え切れなくなったのか……
「し、失礼しました!」
退出しようとした。
だが……
「待てよ」
「ヘギュ!?」
それをオウカは許さない。
襟首をつかんで止めた。
「俺の茶が飲めないって言うのか?」
「君のだけじゃないけどね……」
ボソリとツッコミを入れるモモタ。
警察だが、その行為を止める立場でありながら止めようとはしない。
彼もどういう事かわかっていた。
「……もしや」
目の前でおこなわれた惨状に唖然呆然としていたキリコだったが、彼女もついに気づく。
そして、オウカは湯呑を一つ手に取り……
「お茶ハラだ~! 一気に行けー!」
「ガボガボ!?」
中の液体を相手の口に流し込む。
そのまま研究員は条件反射で飲んでしまう。
「あ……不味い」
顔が真っ青になっていく。
この場から退出しようとするが、オウカが掴んでいるので逃げられない。
「どこへ行くの?」
「いえ、あの、その」
「ゆっくりしていけよ。時間があるだろう?」
そして、少しして……
「ウ……」
苦しみ始める研究員。
そして、泡を吹き、藻掻いてから動かなくなった。
「やっぱりな……」
オウカはそう言ってから、脈を取ったり、呼吸を確かめ……
「死んでるな」
端的に言った。
普通、人が死ねば動じるものだろう。
だが、生憎とここにいるのはプレイヤー。
「「……」」
特に動じなかった。
しかも、その中の二名――マリアとユウナは異世界……人が死ぬのが当たり前のような世界で生きて来た。殺しの経験もかなりある。
「あら……」
「毒物で死ぬなんてね」
だからこそ、平然としていた。
常識人(より)のモモタとキリコも……
「こうなったか……」
「あらま」
あんまり動じていない。
そして、キリコはとりあえず内線を使い、他の局員を呼び出す。
「――お願いね」
内線を切ったタイミングでオウカは訊ねる。
「あのキリシマs」
「キリキリで」
「……キリキリさん」
「なんだい?」
「ここの警備とかセキュリティってどうなってます?」
「万全だよ? 当然じゃない」
人と機戒、様々な認証をしてやっと入室できる。
モモタも捕捉する。
「僕らの場合、事前にどういう人が行くって連絡したから」
だからこそ、入れたという訳だったが。
……まあ、怪しい人過ぎて若干スムーズには行かなかったが。
「じゃあ……コイツに見覚えは?」
白衣を着た死体の顔を見せる。
それにキリコは顔を顰め、何かを言い淀んでいる。
「あーうん……その」
「「?」」
一同の顔に疑問符が浮かぶ中、モモタが口を開く。
「キリキリさんは人の顔とか覚えないから」
「「はい?」」
「それはそういう病気かなんかで?」
人の顔が認識できない人がいる、とオウカは聞いた事があった。
それに対しキリコは首を振る。
「いいや、違うよ」
横に。
「ただ単純に興味がないだけ」
「「……」」
「はあ……」
幾人かが冷たい視線を向け、モモタが溜息を吐いた。
そして、マリアが問いかける。
「サク様」
「……ん?」
「どうされますか?」
「そうだな……」
そう言いながら、オウカは卓に近づき、饅頭を手に取り……
「パクリ」
「「あ!?」」
食べた。
毒物が入っている可能性があるにも関わらず。
「サク!? 何してるの!?」
「ぺってしなさい! ぺって!」
ヒナタとマリアがオウカに詰め寄る中、マユがポツリと一言。
「大丈夫。サクの毒耐性は凄まじいから」
「そうなの?」
ユウナの問いにこくんと頷くマユ。
「小さい頃から、食事や水に毒物混ぜて慣れさせてたんだって」
「へえ……」
その言葉が示すように、オウカに特に異常は見られなかった。
それどころか……
「うん……。中々強い毒。殺すの狙ってるな」
どんな毒かも判断してしまった。
その言葉にネラも饅頭とお茶に近づき、調べていく。
こういうのが得意分野である。
暫くして、結果を述べる。
「即効、性毒。殺害、狙物」
「両方に入っているのですか?」
「其通」
「そうですか……」
マリアも饅頭を一つ手に取って眺める。
「……そのようですね」
マリアは身体能力だけでなく、感覚も鋭敏。
だからこそ、毒物を見破るのも結構得意。
「よくわかったね」
ヒナタの言葉にオウカは頷く。
「まあなんとなく。詳しくはわからんけど」
そんな彼らに対し、モモタとキリコの表情は暗くなっている。
「つまり、ここの職員全員敵?」
「可能性あるね……。わえ、そんな恨み買ったかしら?」
「モラハラとか、アルハラとか、セクハラとかしたんじゃない?」
ユウナの言葉に首を振るのはモモタ。
「キリキリさんそういう事しないから。逆に人と最低限しか関わらないから……」
「こうなったのか……」
ユウナが溜息を吐いた。
とは言えこのままじっとしている訳にはいかない。
「サク、どうするの?」
「とりあえずここを出よう。下手をすると……」
「「すると?」」
「いや、何でもない」
「「言えよ!?」」
全員からツッコミを貰った。
だが……
「……」
それでも言わないオウカ。
(流石に攻撃が振って来るとは言えない……)
今までの敵との対決では、最後に列車砲からの攻撃でお開きになっている。
注意喚起は必要だろうが、この面々なら対応可能。
ただ言っては不安を煽るだけだと思ったのだ。
(どうしようか……)
そんな事を思っていると、人が多数近づく気配。
そして、間もなく扉が乱雑に開けられ……
「「死ねー!!」」
白衣を着た研究員らしき者二人が襲撃して来た。
その手には機関銃。
一気に火を噴くが……
「させないよ」
モモタが障壁を張り、その場の全員を守る。
幾重にも重ねられた障壁は弾丸を通さない。
そして、マリアとユウナがもう動いていた。
「いつの間n」
「速」
「この程度で僕らを殺そうなんて夢物語だよ」
「遅いですよ」
ユウナのレイピアが相手に風穴を開け、マリアは相手の頸椎を圧し折った。
「お見事」
「「いえいえ」」
褒めるオウカに照れる二人だが……
「殺しを褒めちゃ駄目だよ……」
呆れるモモタ。
それに曖昧に頷き、オウカは告げる。
「とりあえず移動しましょう。マリア、ユウナ」
「何でしょう」
「何?」
「殿宜しく」
「わかりました」
「任せて」
そうして部屋を出る面々。
勿論、ほぼ全員戦闘態勢を取っている。
オウカは、黒いロングナイフを作り出し
ヒナタは、【ムジョルニア】を装備し
ユウナは、【メルヴェイユーズ】を抜いて持ち
マリアは、【カズィクルベイ】を籠手にして装着
モモタは、長ドスを抜いたまま
そんな状況下でただ一人……
「皆頑張ってね」
キリコだけはそのまんま。
「……キリキリさん」
「何?」
モモタが眉間を抑えながら言う。
「戦えとは言わないからさ……」
冥刀持ちではあるキリコ。
だが、戦闘が本職ではない。
「せめて服装はちゃんとして!?」
キリコの恰好はそのまんま。
裸白衣である。
「面倒くさい」
モモタの叫びを一言で斬り捨てる。
「別に見られて困る物じゃない」
キリコはスタイルが良いため、そう言える。
それに続けざまツッコミを入れるモモタ。
「少しは困って!? 恥ずかしがって!?」
そんな会話を聞きながら、似たような服装のヒナタは自分が着ている物――黒いトレンチコート。冥刀――を見て。
(ウチもあそこまで割り切れるかな?)
そう思った。
この恰好を始めた頃は、怒りと悲しみが渦巻いて恥ずかしいという思いが無かった。
だが、復讐が終わると、少し恥ずかしさが出て来る。
幸い、【パダルン・レドコウト】の布地のおかげで体のラインなどは出ないが。
(後悔はないけど、おしゃれしたいな)
そう思った時だった。
「ヒナタさん」
声を掛けられる。
その声に振り向く。
「マリアさん。どうしました?」
「ちょっとお願いがありまして」
「……お願い?」
「はい。s」
何かを言おうとしたが、言えなかった。
「敵」
「「!」」
現れた敵に対応しなければならなくなった。
そこにいたのは、特殊部隊のような服装の人間十名。
手には機関銃。それ以外にも武器がありそう。
「……もう、研究員である事の偽装はしないのか」
呟くオウカ。
それに対する答えは機関銃の乱射。
咄嗟にモモタが障壁を張る。
だが、人数の差もあり、あっという間に軋み始める。
矢継ぎ早に障壁が生み出されるが、それでも限界はある。
しかもどうやら特殊な弾丸を使っている。
「……不味い。あまり持たない」
「なら。こっちから行く」
「僕も出る」
オウカとユウナが飛び出す。
そのまま連射される弾丸の雨を避けていく。
「な、なんだ!?」
「当たらねえ!?」
弾丸避けは一流プレイヤーにとっては朝飯前である。
【コソコソ話】
(#ー#)<お前らの世界程じゃねえけど、俺らの世界もまあまあ物騒な所はある。
(#ー#)<だから、中堅以上のプレイヤーになると、死体を見たって動じない。
(・▽・)<……死体がゴロゴロしている訳じゃないんですね。
(#ー#)<そこまでじゃあない。……一部地域を除いていな。
(・▽・)<あら
(#ー#)<町や国によって治安はまちまちだから。
(㈩*㈩)<月初だから明日も更新するよ。