(・▽・)<後、数十話でどうにか片付けます!
(㈩*㈩)<……大丈夫?
(・▽・)<……頑張ります。
特にこの二人は凄まじい。
オウカは、メイド師匠(実家が極道)の教えで、対銃火器についてはしっかり習った。
ユウナは、剣術道場(結構実戦的)で対銃火器戦を習い、実戦でそれを磨き上げた。
この二人に弾丸を当てたいなら、針の穴に糸を通すような射撃か、跳弾や曲射すら使いこなす腕前か、特殊な銃火器が必要。
そうして、あっという間に自分の間合いにした二人は自身の得物を振るう。
オウカはロングナイフ、ユウナはレイピア。
切断と貫通。
その攻撃は相手を切り裂き、貫き通すはずだったが……
「「!」」
出来なかった。
刃が相手に到達する前に止まった。
敵がオーラを展開しており、それで止めたのだ。
「そんな攻撃、聞くわけねえだろうが!」
相手はそのまま機関銃――銃剣が付いている物を使い接近戦を仕掛けて来る。
それに二人も接近戦で対応。
(そこそこ強い……)
ユウナが内心顰め面をする。
雑魚かと思いきや、程々に強い。
二人は襲い掛かる刃や弾丸を避け、弾き、防ぐ
とは言え、人数が不利。
(手数がいる……)
オウカは右手のロングナイフの刃を持ち、引き延ばしてから三つに圧し折る。
二つをロングナイフに変え、残りの一つをマインゴーシュに変える。
「使え!」
「ありがと」
ユウナに投げ、それを彼女は受け取る。
そうして二人は二刀流で対抗。
そのまま二対複数の戦いとなる。
二人共多対一には慣れているが、やはり相手の防御が硬いのが厄介。
オーラを使って、攻撃力と防御力を引き上げており、生半可な攻撃が通らないうえ、相手の攻撃力は一撃が致命となりかねない。
(速度強化が出来ないのは唯一の救いだな)
思うオウカ。
オーラを使い、攻撃や防御を引き上げるのは簡単だが、速度の場合、調整しないと壁のシミになりかねないので、練習が必要なのだ。
流石にそれだけの暇はなかったようだ。
そうして多対一で戦い。
一見すれば、防戦一方のオウカとユウナが不利そうだったが……
「慣れた」
「うん」
遂に反撃に出る二人。
「さあ死のう」
「ギャ!」
「ヒギィ!?」
オウカのナイフが相手を切り裂く。
「穴を開けてあげるね」
「ギャア!?」
「ホゲエ」
ユウナのレイピアが相手を貫き通す。
この二人にとって、防御が硬く力がある相手なんてどうにでもなる。
そうして、相手の動きと硬さに慣れた二人はあっという間に全滅させた。
そうして二人は、モモタが張った障壁の所へ戻る。
「戻った」
「手こずっちゃった。……あ、返す」
「おう」
ユウナが返したマインゴーシュを受け取り、三つの武器を束ね一本の鉈に変えるオウカ。
黒腕で作った武器は短時間しか他者に貸せない。
戦闘の後なのに、特に疲れている様子もない。
そんな二人に声をかける残りの面々。
「加勢出来なくてすいません」
「しようとは思ったけど……」
「する暇がなかった」
マリア、ヒナタ、モモタの三人の戦闘スタイルは近接戦。
中距離も可能なうえ、遠距離手段もなくもないが、やはりバチバチインファイトで殴り合うスタイル。
更に、味方の援護なんて物は苦手どころか、下手をしなくても味方を巻き込みかねない。
「いや、別にいいよ。あの場ですぐ動けたのは俺とユウナだけだし」
そう答えるオウカ。
ユウナが戦闘を思い出しながら話しかける。
「それにしてもさ」
「ん?」
「そこそこ強かったね」
「ああ。確かに」
元々雑魚で無かった面々が、
それにモモタが呟く。
「……もしかしてアレってさ、アレだよね?」
「……恐らく」
アレアレしか言っていないが、オウカは察しが良いので何が言いたいのかわかった。
「……ああアレか」
「「?」」
キリコも察したが、他の面々はわからず、疑問符を浮かべる。
それにキリコが解説する。
「ほら、蟲灼晃而一族が参戦した理由。B細胞だろうね」
B細胞。
とある企業が開発した、
ミユが戦った組織のボスが使って来た物だった。
「今まで使って来た所なかったのに……」
「問題が色々あったんだろうね」
キリコが指折り数えていく。
「思い付くだけでも……適合率、拒絶反応、燃費、消耗具合、使用後の状態とか色々問題あったかもしれないのに……」
「解決したって事かな?」
「だろうね」
キリコが障壁から出て、命だった者達へ近づいてく。
「あ、危ないよ」
「大丈夫」
そうして、死体を調べていく。
ひっくり返したり、服を捲ったりする中……
「あった」
何かを見つけた。
それに全員がその場へ行く。
「ほら……」
キリコが指さしたのは、一人の死体。
その肩。そこの一部の色が違う。
「注射で注入可能にしたのか……」
「手軽さがアップした訳か」
「……全く嬉しくない」
どうやらこれからの敵――雑魚すら厄介になりそうだった。
(それともう一つの問題がある……)
ある事がオウカの脳裏に過っていた。
(今回戦った奴らは、
つまりは才能があり、それ以上使ってくる奴が出て来る可能性がある。
「いや高い、というか確実だな」
「「何が?」」
ボソリと呟いたオウカへ、問いかける声数名。
なので、彼は自身の考えを話す。
「もっと
「……この短期間じゃ難しいと思うけど」
「同感」
戦闘経験があり、
更にモモタは続ける。
「そもそも
「……ならいいんですけどね」
杞憂だったか、と思ったオウカ。
マリアとユウナもうんうんと頷く。
ただ……
「……」
それにキリコだけは何かを考えるような仕草をしていた。
……
…………
………………
そうしてどうにか研究所から脱出出来た一同。
モモタの車近くまでやって来てキリコが一言。
「やっと着いた……」
「「ですね」」
一同同意する。
あれから襲撃が何度かあったからこその言葉。
「それにしても……」
モモタがキリコを呆れた目を向ける。
「所員全員入れ替わっているの気づかなかったの?」
「「……」」
キリコ以外の面々も、モモタに習う。
あれから、研究所内部も見て回ったのだが、いるのは襲撃者のみ。
どうやら完全に入れ替わっていたらしい。
そんな全員の目線にキリコは動じた風もなく答える。
「だって興味ないもの。働いてくれるなら宇宙人でも何でも良い」
「威張るな!?」
ツッコミを入れるモモタ。
それに一同溜息。
そんな状況下に、ユウナはゴホンと咳払い。
「ま、まあ過ぎ去った事を言ってもしょうがないですよ」
「……。それもそうだね」
「そうそう。人は前を向いて生きなくちゃ」
「「お前は同意するな!?」」
「……」
キリコの茶々を黙殺してユウナは続ける。
「とりあえず……ここから離れましょう」
「……うんそうだね」
溜息を付いてからモモタは車のロックを解除。
そして、乗り込もうとしたが……
「待った」
オウカがそれを止める。
「……どうしたの?」
「杞憂なら良いんですけどね」
嫌な予感を感じたオウカだった。
そう言う訳で、一旦全員に離れて貰ってからオウカは作業を始める。
懐から出した糸――イムロンに作って貰った特別製。モンスター化したオオミノガの糸に、幻想金属合金のワイヤーを巻き付けた物――を使い、遠隔からでも車を操作できるようにする。
(ディアンの糸を失ったのが痛いな……)
【クリドゥノ・アイディン】
オウカの友達であった、闇医者ディアンが使っていた、糸型の冥刀。
彼女はこれを自らの肉体に憑依させて、様々な事に使っていた。
拘束、切断、罠設置、縫合、移動、器具造形など、戦闘や手術に使用していた。
更に本質である情報収集を利用して、色々な冥刀の再現すら可能であり、その手数は、オウカの現在過去含めての友達、仲間、敵、知り合いの中でもぶっちぎりでトップだった。
そのチカラは彼女の死後、オウカに受け継がれて、彼も愛用していたのだが、この前の事件で色々奪われた際に、糸も大半が奪われてしまった。
だからこそ、代用品としてこの糸を作って貰った。
因みに、冥刀化はしていない。
お釈迦になった時のダメージが大きすぎるのだ。金銭的にも精神的にも。
「ま、失った物を数えてもしょうがないか」
小声……さっきよりも小さな声で呟いたオウカ。
今度は誰にも聞かれずに済んだ。
「さ、準備完了」
あやとりをするようにオウカは指を構え、もう一度全員に声をかける。
「皆~、心構えしておいてね」
「「は~い」」
「えっと、まさか?」
ほぼ全員の返事が良い(笑)。
ただモモタだけは不安そう。
そしてオウカは指を引っ張る。
その瞬間……
轟音と爆音を上げて車が大爆発を起こした。
「……わあ」
「あら」
「やっぱり……」
「こうなった」
「確かあの車高かったような?」
一同そんなコメントを漏らす中、モモタは……
「……」
白目をむいて絶句していた。
少しして再起動すると、オウカに詰め寄る。
「サクヅキ=オウカ!」
「……はい」
呼び捨て。ちょっとキレてる。
「巻き込まれなくて助かったのは礼を言うけどさ」
((そこはお礼言うんだ))
他の面々が心の中でコメント。
「もっと他の手はなかったの?」
「なかったです」
即答するオウカ。
「多分あの爆発から察するにもう分解しても爆弾除去・解除しきれなかったでしょうし」
その言葉にモモタは何か反論をしようとしたが、見つからなかったのか……
「……わかった」
不承不承に納得した。
帰るための足を無くしてしまった一同。
どうするか、という話になったが……
「こういう時に貰っておいたんだ」
オウカが懐から出したのはカード。
そこから現れたのは巨大なワイバーンのようなモンスター。
「「……! それ何?」」
全員が聞いて来た。
特にキリコからの視線と圧が凄い。
「一体どうやったの? それは何?」
「(そういえばこの場の面々に見せるのは初めてだった)。ああ、説明する」
オウカは説明していく。
友達にモンスターを作り、カード化しておける人がいて、数枚貰っている事を話す。
それに一同納得する。
そこへヒナタが問いかけて来る。
「一体誰なの?」
「……」
それに沈黙で答えたオウカ。
この使い手なのは後輩であるクイン。
とは言え、これは彼女が最近手に入れ、秘している手札。
なので幾らオウカとヒナタが友人同士でも言う訳にはいかない。
プライバシーは守る主義である。
それになんとなく言えない事情を察したヒナタは……
「わかった。聞かない」
「助かる」
気になるが、疑問は仕舞っておくことにした。
他の面々もなんとなく聞いてはいけないと察したのだが……
「それどうなっているの? 他にもあるの?」
キリコは興味を持ったのか、ぐいぐいと詰めて来る。
それにモモタがやんわりと止めようとする。
「キリキリさん。その辺で」
「え~、でも……」
「でももへちまもない。伏せておきたい手札は誰でもあるよ」
一拍置いて続ける。
「勿論僕にも、彼にも。そして、キリキリさんにも」
「……まあそうだね」
その言葉に少し不承不承ながら引いてくれたキリコ。
そんな訳でその場から離れるために、ワイバーンに乗り込む一同。
なのだが、大きさ的に全員を背中に乗せる事は不可能なので……
「悪いな……マリア」
「いえ。腕力があるのですから」
オウカとマリアはワイバーンの後ろ脚に掴まっていた。
とは言えそれだけでは不安なので、オウカが糸を使い多少体を固定していた。
「……」
「……」
お互い多弁な方ではないので無言。
そんな状況下で、マリアが口を開く。
「サク様」
「何?」
「聞かないのですか?」
「何を?」
「ワタクシがヒナタさんに何を頼もうとしていたのか」
「うん。俺がそういう奴ってのは知っているだろう?」
オウカは相手の事情を、自身がそれのせいで何かに巻き込まれない限りは聞かない。
それにマリアはふっと微笑み……
「ええ。……でもサク様には知って欲しいので言います」
「し、信頼が重い」
そう言ったオウカにマリアはフフっと笑った。
【TIPS:クリドゥノ・アイディン】
(㈩*㈩)<前もやったけど復習。【クリドゥノ・アイディン】について。
(・▽・)<闇医者ディアン、私の友人の冥刀ですね。
(㈩*㈩)<形状は赤い糸。長さと細さは自在。
(㈩*㈩)<更に肉体に憑依しているから奪われる心配がない。
(㈩*㈩)<指などから糸を伸ばして、糸使い特有の戦いをする。
(・▽・)<でもディアンの恐ろしさはそこじゃないんですよね。
(㈩*㈩)<うん。その本質は情報の収集。本職の手術の治療で役立つけど、
(㈩*㈩)<これを使って他の冥刀を再現する。しかも戦闘経験までコピー可能。
(㈩*㈩)<まあその代わり、情報収集にある程度時間がかかる欠点はあるけど。
(㈩*㈩)<本人医者だったから、患者から代金がわりに情報収集をさせて貰ったり、
(㈩*㈩)<糸をこっそり相手に繋げて収集したりして色々な人から情報収集していた。
(㈩*㈩)<そのため手札はぶっちぎりにトップレベル。
(㈩*㈩)<そして……、長くなったからCMの後。
(#ー#)<おい!?