【コソコソ話】
(#ー#)<ムシャコウジ一族は何かしらの蟲のチカラを借りてる。
(#ー#)<まあこの蟲ってのは範囲が広い。
(・▽・)<哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類以外含む感じですか?
(#ー#)<ああ。分派した一家は甲殻類を含んでいるし。
(#ー#)<もう片方は蜈蚣とかの多足類も含んでいる。
(#ー#)<そして、今まで登場した蟲灼晃而一族の名前持ち五人。
(#ー#)<エンバ、ショウ、ネムの三人は昆虫。ゼンゾウとギイは違う。
(#ー#)<……この二人の場合、昆虫じゃない。
(㈩*㈩)<じゃあ何?
(#ー#)<それは追々明らかになる。因みにネムって奴は蚊だ。正確にはネムリユスリカ。
(・▽・)<……弱そうですね。
(#ー#)<テ〇フォーマーズのアイツ、滅茶苦茶強いだろう?
(㈩*㈩)<アレ多分、本人の強さ。
そんな心無い(笑)言葉に少し落ち込むゼンゾウ。
それにオウカはフォローを入れる。
「まあそういうプレイヤーって多少いるそうですからね」
「……知ってるんです?」
「まあな」
そう言ってオウカは説明を始める。
「ノーブルでも歴史の長い家ってあるだろう?」
「ブルーブラッドですよね」
実の所、モンスターやダンジョンは昔から存在していた。
だからこそ、プレイヤーも言い方を変えて存在していた。
呼び名は色々であり、魔術師、陰陽師、忍者、退魔士、祓い屋などなど。
そういう大転換前から歴史のある名家・旧家の事をノーブルと呼び、その中でも千年近くの歴史を持つ家をブルーブラッドを呼ぶ。
「ああ。その中でも一部に家には、難百年も生きている人がいるそうだ」
それどころか、千年近く存命な怪物もいるらしい。
「どうやってです?」
普通の人間には寿命がある。
老化、外傷、疾病、毒物などで死に至る。
「特殊な術とか、特殊な道具で」
勿論それらをどうにかする能力・術技はあるにはある。
ただし……
「ですが……」
ショウが口を挟む。
「大抵違法じゃありませんか?」
「……ええまあ。特に転生系は特に」
転生術と言うのが存在する。
ただし、どれも等価交換からは逃れられず、命を犠牲にする必要がある。
「それでなくても、人間をやめる物とか、リスクがあったりする場合が多いですね」
「はい。でもそれらを無理矢理解決してるとかなんとか」
「どこ情報なんです?」
ズバリな質問をぶつけたミユ。
それにオウカは少し口ごもっていたが、意を決して口を開く。
「俺の師匠」
「はい?」
ミユは一応オウカの過去を知っている。
だからこそ、驚いた。
他の面々も驚いている。
エンバがこう言う。
「ウチのジジイみたく生きてるのか?」
「そこまで長くないです。十九世紀ごろから生きているそうです」
「それでも長えよ」
ごもっとも。
「それで? どうやってだ?」
ギイが聞いた。
その雰囲気から手段によっては容赦しないと、目が言っている。
それにオウカは答える。
「何でも尸解仙の応用だとか」
色々な知識を持っていた彼女ならではの術法。
恐らく真似は誰にも出来ない。
「「……」」
一同沈黙。
それを横目にオウカは思考。
(まあそれ以外にも色々あるらしいけど)
実は師匠の友人も似たような事をやっていた。
とはこっちは、泰山夫君祭と反魂の合わせ技とかなんとか言っていた。
「どっちも失敗の可能性はあったからな……」
実のところ、上手くいく可能性の方が低かったそうだ。
「……ところで」
ミユが口を開いた。
「そろそろ本題について教えてくれませんか?」
こういう話も悪くないが、本題が気になる彼女。
それにはっとするゼンゾウ。
「……そうじゃったな」
「脱線し過ぎた」
そういう訳でオウカとミユも席に付く。
そのタイミングで料理が運ばれてくる。
和風の色々な料理が所狭しと並べられた。
「では食べながら飲みながら話そうかのう」
そうして刺身を取って食べ始める。
それに他の面々も習う。
オウカとミユも食べる事にする。
ただし二人共未成年なのでアルコールはなし。
ジュースである。……とは言え良い品質らしいので、かなり美味しいが。
(美味し)
ミユの顔が綻んでいた。
その横でジュースを飲みながらオウカは思う。
(ジュースは美味しいけど、飲みたいな……)
酒……日本酒を嗜む面々をチラリと見る。
彼の異世界での親友のモンセラートが酒好きなので、付き合って晩酌する事が良くあった。
モンセラートの友人達は酒に弱かったり、職業柄あまり飲めないなどで、あまり付き合ってくれないからこそ。
しかも、彼女の場合、アルコール度数の高い酒ばかり飲んでいた。
オウカの場合、元々酒には強かったうえ、酒の味は嫌いではなかった。
だからこそ、付き合っているうちに結構好きになった。
だが、法や倫理が死んでいるあの世界と違い、この世界には法律があり、アルコールは一定の年齢に達してからという決まりがある。
……当たり前である。
オウカはまだ既定の年齢に達していない。
そんな二人にゼンゾウが口を開く。
「さて、お主らを呼んだ理由は……」
一拍置いて続ける。
「あの細胞の件じゃ」
「……」
「……」
「「……」」
顔を見合わせるオウカとミユ。
暫し見つめ合った後、口を開く。
「確かに最初に関わったのは俺らですけど」
「一応言って置きますけど、それ以外全く関わってませんよ?」
「わかっておる。敵は間違えん」
お猪口から酒を飲んでゼンゾウは続ける。
「その時の事を改めて聞きたくての」
「……わかりました」
伝聞より直接の方が何か分かる事があるのかもしれない。
なので、ミユは思い出しながら話始める。
敵のボスが最初はロボットに搭乗して戦って来た事。
それを壊すと、本人が
恐ろしく強かったが、最後の手段を使い倒した事。
相手がどういった風に戦って来たのかを事細かく話したミユ。
流石に自身の奥の手がどんな物かは言わなかったが。
向こうもそれには納得していた。
「ふう」
話を終え、残りのジュースを飲むミユ。
だが、残り少なかったせいであっという間に飲み終えてしまう。
「空……」
ちょっと悲しそうなので、オウカは自分の残っているのを渡す。
「ん」
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
そんなやり取りの後、黙ってミユの話を聞いていたゼンゾウが口を開く。
「一つ。改めての確認をええかの?」
「……なんでしょう?」
「
三奇拳の使い手は
イデア百獣拳であれば、契約した獣。
ドラグ真龍拳であれば、討伐した龍。
バグズ界蟲拳であれば、受領した蟲。
実際、アズミは孔雀、エンバはオニヤンマが顕れていた。
その問いに、ミユは頷く。
「はい。確か……リオックだったかと」
「「……」」
それに蟲灼晃而側は一同、飲食の手を止め沈黙。
何かを考えている。
「「……」」
オウカとミユも黙り込む。
……オウカは食事の手は止めない(笑)。
そして、暫くしてゼンゾウは口を開く。
「なるほどのう。どうやら劣化しているようじゃ」
「だな」
「やっぱりインチキすりゃあそれ相応になるな」
エンバとギイも納得している。
「「??」」
とは言えオウカとミユには何のことかわからない。
すると、ショウが二人に説明する。
「
「……そうなのですか?」
「ええ」
そう言うとショウの体から
そうして形を取る。
それは直翅目特有の形。
ただ脚が他の種類と比べると短めで、頭部と胸部は卵型。
尾部には触覚と同じ長さの尾毛が二本。
「螻蛄……」
バッタ目(直翅目)・キリギリス亜目・コオロギ上科・ケラ科の昆虫。
地中生活に特化している。
「おや、ご存じで」
「まあこのくらいなら」
そう言ってオウカはこのショウという人物について考える。
「おけらの七つ芸」、もしくは「けら芸」という言葉がある。
螻蛄は地中に潜るだけでなく、遊泳、疾走、跳躍、飛翔、鳴く事も可能。
とは言えそれは、一流の能力でないとみなして器用貧乏な様を指し、あまり良い意味に使われない。
だが、この場にいるのは蟲灼晃而一族の中でも五本指に入る拳士。
ただの器用貧乏なはずがない。
(おそらくエンバさんと同格。なら強いはず)
そんな事を思ったオウカ。
ショウは説明を続ける。
「その
「今使っている奴らは出来ていない?」
オウカの言葉にコクリと頷くショウ。
そして続ける。
「恐らく……使いやすく、適合しやすくした代わりに、出力などが下がったのでしょうね」
「つまり……私が戦ったアイツよりも弱い?」
「ええ」
「……それならマシかな」
それは唯一の救い。
だが、問題はあちらこちら出回り始めている事。
そしてもう一つ。
「ですが他にも問題が……」
「何です?」
「成長性です」
「「!」」
そして、B細胞にもそれは適応する可能性がある。
「調べた結果だと、アレには使いやすい様アシスト機能とかがあるそうだ」
ギイも口を挟む。
それにオウカは呟く。
「つまり今は強化と拡張しか出来ないけど……」
虚空を見て続ける。
「浸透、圧縮、維持、解放、変質、変換が可能になる?」
「……詳しいですね」
「師匠が良かったもので」
ショウがそう言う。
それに構わずオウカは更に続ける。
「最終的には〈心牙〉も可能になる?」
そう言ったオウカに対し
「「出来て堪るか」」
蟲灼晃而の面々が揃って否定する。
そして、ショウが疑わしい者を見る目で見て来る
「……良く知ってますね。一応秘伝扱いですよ」
「師匠が博識なので」
「そうですか……」
顎に手をやるショウ。
「そもそも〈心牙〉は最終奥義だ」
エンバが言った。
「その通り。どれだけ鍛錬を積み、修羅場を潜り抜けねばならないと思っている」
ギイも続けた。
「今一族で使えるのは儂とあ奴と……」
ゼンゾウも続けた。その目線が捉えたのは――ショウ。
「こ奴じゃな」
その言葉にショウは顎から手を離し、首を横に振る。
「いえいえ、使えるだけです。使いこなせてません」
「謙遜するな。辿り付けた奴はそうはおらん」
「……やっぱり少ないですね」
又聞きだが、イデア百獣拳の方も現在使えるのは一人くらいらしい。
「お主は知っておるのか? 使い手を」
「まあ一応」
というか、どちらでもないのに、習得出来たベニバナが異常。
「「ほう」」
オウカの言葉に蟲灼晃而一族が反応。
なので。
「でもちょっと裏技使った感じなので」
そう言ってオウカはその話題をどうにか打ち切った。
そして、考えを聞いてみる。
「つまり可能性は低いと?」
それに
「……ええ。浸透はともかく、変質・変換まで行けるかどうかだと思いますよ」
「じゃのう」
「圧縮、維持、解放だって行ける可能性は低い」
「つーかすぐ使えるようになったら、立場はねえよ俺ら」
自分の考えを述べた。
それにミユが呟く。
「なら大丈夫ですかね」
一方、オウカはの表情は優れない。
「……だといいけど」
「何か気になる事でもあるんです?」
それにオウカはこう言う。
「偶にいるんだよ。天才って奴がさ」
今まで色々な相手と戦って来たオウカ。
その中に天才と呼ばれる部類がいた。
「普通はな、鍛錬しても一歩一歩しか進まないんだ」
「それが普通だな」
ギイがそう言った。
オウカは続ける。
「でも、偶に一足飛びで進化する奴がいるんだ」
ただの鍛錬でもドンドン強くなる。
それどころか、実戦を積めば、更に強くなり、逆境やピンチに陥ると、それが起爆剤になってしまう。
彼の脳裏に過ったのはユウナ。
アレは本当の天才。
「そうじゃの……。ウチにも居たのう」
ゼンゾウも懐かしそうにそう言った。
それにショウが目線を移して言う。
「ええ。そしてここにも」
その目線の先にいるのは……エンバ。
彼も天才の部類である。
「フン」
鼻を鳴らすエンバ。
そして、オウカは続ける。
「だからもし……そういう奴がB細胞を使ったら……」
「一気に覚醒してとんでもない事になる訳ですか」
ミユは納得した。
そうして暫しの沈黙後、ゼンゾウが口を開く。
「よし。では今まで以上に厳しくやるとするかのう?」
「馬鹿は死ななきゃわからないようですからね」
ショウも同意。
エンバとギイは何も言わないが、その表情は好戦的。
それにミユが恐る恐る訊ねる。
「えっと、どうするおつもりで?」
「徹底的に叩き潰すのですよ」
組織傘下の半グレや愚連隊を今までは多少痛めつけるだけで済ませて来た。
だが、もう容赦はしない。
「見せしめです。丁度良い相手も居ますし」
「「相手?」」
「ええ」
ショウ曰く。
B細胞を使っている極道がいるとの事。。
しかも麻薬までばら撒いている。
仁義外れの外道衆である。
「この四人で行くんじゃよ」
ゼンゾウが立ち上がる。
他三人も続く。
因みに卓の料理と酒は綺麗になくなった。
そうして出口に向かおうとする。
それにオウカは……
「見学してもいいですか?」
「先輩!?」
恐れ知らずにもこう言った。
それに……
「構わんぞ」
「いいの!?」
ツッコミを入れたミユだった。
【コソコソ話】
(㈩*㈩)<やっぱりそういうのいるんだ。
(・▽・)<というか、貴方はそういう存在でしょう?
(㈩*㈩)<わたしは自分をそういう存在にしただけ。
(㈩*㈩)<自分の肉体を鍛造した。
(#ー#)<……ぶっちゃけブルーブラッドにはお前みたいなのもいる。
(㈩*㈩)<あ、そうなんだ……。
(#ー#)<まだそこまで生きてねえけど、前に出て来た絡繰女も不老だ。
(#ー#)<他にも特殊な術や能力で長く生きる者とか、
(#ー#)<モンスター化したり、記憶だけ受け継がせたりとかもあるな。
(㈩*㈩)<……外法な事やってる人っていないの?
(#ー#)<いるにはいる。生贄捧げたりとかな。でも大抵バレて……
(・▽・)<私みたいなのに、殺されている訳ですね。