(#ー#)<蟲灼晃而一族の身体操作は凄まじい。
(・▽・)<このおじいさんの眼球回転みたくにですか?
(#ー#)<まあそれも一つだな。他にも、筋肉コントロールで外見や性別の変更、
(#ー#)<間接外してのリーチ伸ばし、縄抜け、狭所への侵入、
(#ー#)<肉体硬化・軟化、伸縮体毛による攻撃・防御、
(#ー#)<無呼吸での長時間活動、不眠不休、飲食なしでのパフォーマンス維持
(#ー#)<声を使ったエコーロケーションやサウンドビーム
(#ー#)<血流を速めて身体強化、致命傷の出血の血止めとか色々こなす。
(#ー#)<……まあ蟲の種類によって得意不得意があって、できねえのがある奴もチラホラいる。
(・▽・)<まあそうでしょうね。声系は鳴く蟲しかこなせないとか?
(#ー#)<そうだ。ドンピシャリだよ。
そしてキシタニは咆える。
「テメェら!!
「「はい!!」」
それと同時、≪岸谷組≫の面々は奥歯に仕込んでいた【ダークウィング】を噛み砕き飲み込む。
実は、この準備段階で全員この仕込みをしてある。一々出して服用する場合、その隙を狙われたらお終いだからである。
それと同時、彼らの体から莫大な量のオーラが立ち昇る。
「「!!」」
それに驚く蟲灼晃而一族の面々。
それはそうだろう。自分らみたいな事をしない限り、あそこまでの出力を出すのは不可能なのだ。
そして極道達は得物片手に、彼らに襲い掛かる。
「オラァ!」
「死に晒せ!!」
その攻撃をエンバとゼンゾウは硬化と
その成否はすぐに明らかになった。
「あん?」
ダンピラの一刀を右腕一本で防いだエンバだったが、その腕から血が流れ、押され始める。
「これは……」
ゼンゾウも似たような状況になりかける。
ただこちらは年の功で、嫌な予感がしたのか、途中で受け流す方式にしたおかげで手傷は負っていない。
そのまま連続攻撃を受け流し、避けながらゼンゾウは全員に指示する。
「お前ら! まともに防ごうとするな! こやつらパワーアップしておる!」
「うるせえ! 指図すんな!」
エンバは咆え返した。
因みに今彼は複数の相手の攻撃を受け取め押されている。
一方、回避を選択した二人は澄まし顔。
「そうなりましたか……。ギイ」
「おう」
相手の攻撃を受け止め防戦一方になるエンバを後目に反撃に出る。
ショウは指先を伸ばし、手刀を作る。更に指を重ね円錐のような形にする。
ギイは小指から順番に折り畳む。そして、親指を曲げ拳を作る。
「ハッ!」
「シィッ!」
そして、自分達に襲い掛かって来た相手へと、カウンターの拳を繰り出す。
この二人の拳の形は奇しくも真逆。しかし、喰らった相手が死亡、もしくは重傷になるのは変わらない。
そんな拳が炸裂したのだが。
「「!?」」
「効かねえな……」
ショウの拳は人体など容易く貫通する。それが完全に防がれている。
「お前らの攻撃は無駄なんだよ!」
ギイの拳は相手を容易く粉砕する。それが防がれている。
だがその結果にギイは笑った。
「それはどうかな」
ギイが足を上げ地面に踏み込む。いわゆる震脚。
そして、左手の拳を握りしめ繰り出す。
それが相手に直撃!
「だから効かn」
最後まで言えなかった。
まるで爆弾が体内から爆発したかのように、弾け飛んだからだ。
「あ、ああ」
何が起こったかわからない顔で相手は絶命した。
その結果にギイは他の面々に声を掛ける。
「浸透勁なら有効だ!」
それに全員が返事を返す。
「……内部破壊ですか」
「なるほどのう」
「うるせえ! こうなったら徹底的にやってやる」
そのままギイはもう片方の手で近くに居た相手に攻撃。
だが、今度は耐えられてしまう。
(踏み込みが足らなかったか。それと……)
ギイは相手を見る。
服の上からでも分かる筋肉を持った男。体にアーマーを付けている。
そして、目が白黒反転して、青く光っている。
その手に握っているのはスレッジハンマー。
「……中々のタフネスだ。やるねえあんちゃん」
素直に称賛する。
相手は自らの耐久、アーマー、クロスの補正で耐えきったのだ。
「グブ……。これくらいがなんだぁ!」
そのまま手に持ったスレッジハンマーを振るってくる。
それがギイに直撃! しかも頭部に!
だが、それを額で受け、血を流しながらも、彼は平然と立っている。
(な、なんで?)
そして、気づく。
ギイの足元が陥没している。
衝撃を地面に流したのだ。
彼は――笑う。
「お返しだ」
その体から
そして、形を作る。
それは――
((……。??))
敵全員の目が点になった。内心首を捻った。……実際に捻っている奴もいる。
それも当然。
てっきり、彼らとしては何かしらのよく知られている虫が、闘氣顕体として出てくると思っていたからだ。
だが、エネルギーが形取ったのは奇妙な生物。
細く長く柔らかそうな体に数多くの短い脚を持っている。
蜈蚣ではない。芋虫でもない。
((なんだアレ?))
そんな疑問に答えるかのうように、ギイは口を開く。
「これが気になるのか? コイツはカギムシだ」
「「??」」
言っても全員わからなかった。
そのまま拳を固め、
それに相手もハンマーを振り上げる。
そして、
「チェスト!」
「オラァ!」
拳と槌が激突。
結果は……
「は……?」
スレッジハンマーは砕け散った。
そして、拳はそのまま相手の頭部に突き刺さり、顔面を砕いた。
「もしくは全力の一撃。それでも貫ける」
ギイは残心した。
★☆★☆★
カギムシ。これは日本語での総称であり、正確には有爪動物と言う。
学名はギリシャ語で爪をもつ者――――「όνυξ」=爪・「φέρω」=有る、持つ――を意味する「Onychophora」、英語では学名に因んだ「onychophoran」と、ビロード状の表皮に由来する「
長く柔らかい体に、数多くの短い脚をもつ動物であり、分類学上は有爪動物門とされる。
現在存在している物は、熱帯多雨林の地表、朽ち木の中などに生息している。
あんななりだが、肉食性で、小型の昆虫等を捕食する。餌をとるときは口のそばにある粘液腺から白い糸のように見える粘液を噴出し、これを獲物に引っかけて動けなくする。
この粘液、場合によっては三十センチほども飛ぶ。この粘液は防御のためにも使われる。成長は脱皮を通じて行われる。
因みに、現生種はすべて陸生である。これによって、有爪動物は現存する動物門のうち、現生種が水生および海産種を含まない唯一の動物門となっている。
これのどこが蟲? と思うかもしれないが、節足動物――昆虫、甲殻類、蜘蛛、蜈蚣などの外骨格と関節を持つ動物の分類群――と緩歩動物――今はあえて延べない。追々――に類縁とされ、汎節足動物に分類される。
同規格的な体節制、柔軟な表皮、付属肢などの、現生汎節足動物の共通祖先に至る絶滅群とされる、葉足動物――アイシェアイアやハルキゲニアなどの脚付きの
******
蟲灼晃而一族は何かしらの蟲……要するに節足動物とその近縁種のチカラを持っている。
本家の場合、昆虫――鱗翅目(チョウやガなど)、双翅目(ハエ、カ、アブなど)、半翅目(セミ、カメムシなど)、直翅目(バッタ、コオロギなど)、蜻蛉目(トンボなど)――の何かになる事が多いが、偶にそれ以外になる人もいる。
ギイもその中の一人である。
最初は色々苦労した。
そんな時にある人物に声を掛けられた。
『ほう、お主は儂と同じじゃな』
それが、ムシャコウジ=ゼンゾウ。
実は彼? 彼女? も昆虫ではない。
この人物から言葉を貰い、その強さを見て、彼は変わった。
そこから努力を重ね、今では一族でもトップクラスの実力者となったのだ。
■□■□
ギイが拳を握る。そして弓を引くように引き絞り……
「オラよ!」
襲って来た相手目がけ突き出す。
それを見た相手は……
(早い!? でも防具でどうにk)
最後まで心の中で言えなかった。
拳が着弾した途端、防具ごと砕けて絶命する。
それを見たキシタニは指示を飛ばす。
「攻撃は避けろ! 防具を過信するな!!」
「はい!」
「でもそうは言っても……」
麻薬のおかげで五感が鋭くなっているのだが、それでも彼らの攻撃は避け辛い。
そのうえ……
(あ奴の打撃は凄まじいからのう……)
ゼンゾウが戦いながら、ギイの戦い方を見て思った。
(全身の骨を自在に屈曲させて、柔軟力を発揮できるからこそ打撃攻撃は無効)
元々、蟲灼晃而一族にとって、身体操作はお手の物。
似たような事を他の面々もこなせるが、ギイ程ぐにゃぐにゃになれる者は今の一族にはいない。
「怯むな!」
「相手だっていつまでも出来ないはずだ」
組員には勿論クルセイダーがいる。
だからこそハンマーやメイスを持つ者がおり、それらがギイに攻撃を仕掛けるのだが、それを平然と彼は受け止め、衝撃を地面に流している。
(そして、恐ろしいのがそれが攻撃に回った時……)
「こうなったら……アレを出せ」
すると出て来たのは十メートルくらいの人型ロボット。
「……ほう」
『死ね!』
それの攻撃がギイを吹っ飛ばす。
なすすべもなく叩きつけられ、倒れたギイ。
そのまま起き上がらない。
『よし。トドメ刺してやる』
そのままロボットが近づいて行く。
だが、それは悪手。
ロボットがある程度近づいたタイミングで、ギイが凄まじいスピードで跳ね起きながら……
「その程度のガラクタ、飴細工以下だ」
凄まじいスピードで拳を繰り出す。
それを喰らい……ロボットは木っ端微塵に砕け散る。
「「は……?」」
≪岸谷組≫一同絶句する。
一方、蟲灼晃而一族はその結果がわかっていた。
(やはりのう)
(全身を弛緩させて、同時発生的な加速度を加えることにより、本人曰く光の速さで拳を繰り出す)
ゼンゾウはその結果にさも当然と頷き、ショウはそのトリックを思い起こしていた。
とは言え……
((流石に光の速度はオーバー
こう思っていた。
そして、二人は
(とは言えギイ一人に任せるのもアレです)
(本気で行くか……のう)
ショウの
それを見た≪岸谷組≫の幹部は組員に指示を飛ばす。
「怯むな! 数はこっちが有利だ」
それに組員達は得物を片手に襲い掛かる。
それを見てショウは呟く。
「一気に行きますか」
そして、息を吸い込み……
「■■ーー!!」
鳴き声、否、咆哮を上げた。
それを喰らった面々が怯んで動けなくなる。
〈鳴怯〉
蟲灼一族の技の一つ。
鳴く蟲のチカラを使う者が使える奥義。その一つ。
相手が根源的恐怖を抱く音を聞かせ、相手を怯ませる技。
耐えるためには耳を塞ぐか、精神力で耐えきるしかない。
(耐えたのは……三人!)
ショウは体が倒れるかのように前かがみになる。
そして、体が四十五°以上傾いたタイミングで一気に地面を蹴り飛ばす。
倒れる際の衝撃を合わせた移動技。
そのままショウは手で手刀を作って、一気に駆け抜ける。
動けない相手の横を通過するたびに、相手の首が飛んでいく。
「馬鹿な!?
答えが返ってくる共思えなかったが、幹部の一人が叫んだ。
それにショウはこちらをくるりと振り向き口を開く。
「ご存じですか? 江戸時代の処刑人が斬首の時にどこを狙ったかを?」
「は……?」
いきなり質問が飛んできた。
とは言え、時間稼ぎにもなるので答える事にする。
「首だろう?」
「ええ。その通り。正確には」
ショウは自身の頸椎をトントンと手刀で軽く叩きながら続ける。
「頚椎の隙間を走る0.5mmのラインです。そこだけは強度が変わってません」
「!?」
驚く相手。
……どうやら知らなかったらしい。
それにショウは苦笑して続ける。
「自分が使う物はちゃんと理解した方が良いですよ」
「う、うるせー!」
「ああ、それともう一つ」
「あん?」
「やつがれが防御を貫けた理由です」
どうやら理由がまだあるようだ。
ショウは手刀の手を掲げ続きを喋る。
「一族でも鳴く蟲のチカラを使う者が使える技に〈叫啼刃〉という物があります」
原理は単純です、と彼は続ける。
「振動を纏わせる。振動剣やハーモニック・スカルペルという奴です」
「……!」
そして、彼はニッコリ笑う。
「疑問が解消出来た所で、死ぬ支度は出来ましたね。では死んでください」
彼は手刀を振るって相手の命脈を断ち斬っていった。
【TIPS:ムシャコウジ=ギイ】
(#ー#)<蟲灼晃而一族の四天王と呼ぶべき実力者の一人。
(#ー#)<サングラス、皮ジャン、リーゼントの伊達男。
(#ー#)<結構ダンディでセクシーでエロい。
(㈩*㈩)<エロい!?
(#ー#)<そして、カギムシのチカラを持っている。
(#ー#)<身体操作の技術はトップレベルで、生半可な攻撃は通らない。
(#ー#)<更に柔軟力を攻撃にも活かせる。
(・▽・)<……漫画キ〇タピラーのあの人が元ネタですか?
(#ー#)<……まあな。