(#ー#)<あの組長の奥の手。
(#ー#)<特殊な動力炉を核に、機械の残骸を集めてロボットを作る。
(#ー#)<性能は周囲のロボットの性能を合わせた物になる。
(#ー#)<更に残った残骸を使って武器を作ったり、機体の修復も可能。
(・▽・)<操作方式はどうなっているんですか?
(#ー#)<モーションコントロールだな。だからあの組長でも操れる。
(・▽・)<だから善戦出来ていたんですね。
(㈩*㈩)<……。
(・▽・)<どうしました? マユさん。
(㈩*㈩)<何か既視感があるんだけど。これもしかして……。
(#ー#)<そりゃお前は気づくか。読者も分かる奴がいるかもな。
(・▽・)<……。……………。………………あ!?
それは甲冑――和の鎧兜を纏った人間。
勿論武器は持っており、その手には刀――サイズ的にギリギリ長ドス――を二本持っている二刀流。……ただし半ばでどちらも圧し折れている。
全身――頭・胴・手・足――頭の先から爪先まで和の鎧兜を纏っている。
ただ、その形はおかしくないのだが、色があちこちバラバラで共通点がなく、キメラのようになっている。
……言うなればパッチワークアーマーとでも言うべきか。
「……」
その甲冑は無言のまま手に持った圧し折れた刀をくっつけ、周囲のパッチワークロボットの残骸にくっつける。
それがグニャリと変形し、残骸を吸収し身の丈以上の片刃の大剣となる。今までの刀系と違い、分厚く、大きく、重い。
そして、それを構えた甲冑。
「「……」」
それに蟲灼晃而の面々も臨戦態勢。
怪我をしたエンバは特殊な呼吸で筋肉と血管を締め血止めをおこない、
「……まずいのう」
小声でぼやくゼンゾウ。
彼には……否、エンバとショウの二人はわかっていた。
まず、あの甲冑は先程まで戦っていたキシタニである事。
兜の構造上、顔は出ているが、面頬――フェイスガードが付いており、素顔がわからないが、その背丈、立ち方、呼吸などで本人とわかる。
そして、その強さ。
先程と比べれば小さくなったが、搭載している武装も減っている……というか見る限り大剣しかない。
だが、確実に今までで一番強い。
(どれだけ性能が上がったか……)
ショウがそんな事を思って、じっと甲冑を見る。
誰も動けず、動かない。
そんな状況で動いたのは……
「シィ!」
甲冑……キシタニだった。
今まで一番速い。
そのままエンバ目がけ大剣を振るう。
怪我が完全に回復していない事から狙ったのだろうか?
その刃をエンバは
「甘え!」
「!」
避けずに白羽取り。
そのまま刀身を圧し折ろうとする。
だが、想像もしない事が起こる。
「そっちがな」
「!?」
動けないはずのキシタニが動く。
得物を押さえつけられ、手放さなければ動けないのだが、なんと、握った部分――柄が動く。
大剣の刃部分を鞘として、その中から大太刀が出て来る。
大剣をマトリョーシカ式にしたのだ。
「まずは……一人」
その隙に袈裟斬りを叩きつけるキシタニ。
避けられない攻撃だったはずだったが……
「やられるかよ……」
「!?」
エンバは立っていた。
そのまま拳を頭部と胴体を狙い突き出す。
それをキシタニは大きくバックする。
地面に着地すると、そこが凹んで動けなくなる。
「な!?」
「隙ありです」
それはショウ。
彼は地面に潜行した際に罠を作っていたのだ。
更に本人も手刀を繰り出す。
「三対一じゃが悪く思うな」
ゼンゾウはそれに合わせる。
打ち合わせもなしに連携をおこなうくらい、朝飯前。
拳を繰り出す。
拳と拳、殴撃と手刀の挟み撃ち。
避ける事は不可能と判断。
(ならば)
大太刀が二本に分かれ、再び二刀流となる。
それを使い拳を防ぐ。
そのまま拮抗するが……
「……ッ」
「……く」
「……」
ゼンゾウとショウが押され始める。
二対一なうえ、ゼンゾウはパワーファイター、ショウも結構パワーはあるのに。
(やはりスペックが上がっている……)
ショウが内心呟いた。
このままでは潰されると判断した二人は。
「シッ!」
「ハッ」
「おっと」
刀を受け流す。
そのまま壮絶な打ち合いへと発展。
二対一なので手数は、ゼンゾウとショウの蟲灼晃而川が有利。
……そのはずなのだが。
「オオオオオオ!」
キシタニは咆え、攻勢に出る。
今までの苦戦だったのを振り払うかのように。
二刀が縦横無尽に舞う。
「……!」
「……不味いのう」
それをどうにか防ぎ切るゼンゾウとショウ。
二人掛かりなのだが防戦一方となっている。
大きな傷はないが、それでも押されている。
だが、ただ押されているだけではない。
相手を分析していく。
(あのロボットの時よりパワーとスピードが上がっている)
(技術も向上しておる……。何かしらの
(防御力はどうでしょうか……)
(見た限りは前より装甲は薄い……がのう)
((試してみるか……))
アイコンタクトを取り、そのままキシタニの連続攻撃を捌いていく。
そして、そのペースを掴み……
「シィイイ!」
「ハッ!!」
ショウは上を狙い拳、ゼンゾウは下を狙い蹴りを叩き込む!
どちらも内部破壊を狙った浸透勁。
直撃する!
「……」
それにキシタニは動かなくなった。
「……やったか……のう?」
「それはフラg」
最後まで言えなかった。
「……それで終わりか?」
「「!」」
「次はこっちだ!」
刃がゼンゾウとショウへ襲い掛かる。
それを後ろに下がる事で避ける二人。
そのまま相手を見る。
二人が攻撃した箇所に凹みはなく、内部の人間の動きにも澱みがない。
見る限りダメージがない。
(うん?)
ショウがある事に気づいた。
それはキシタニの足元の地面が少し凹んでいる。
(……なるほど。ダメージを流したのですね)
つまりは内部破壊は効かないという事になる。
(浸透勁は効かない……。ならば)
突破法は……あるにはある。
「翁」
「わかっておる」
以心伝心。
言わなくても伝わる。
ゼンゾウにもちゃんと伝わっている。
そんな二人に対しキシタニは刀を上に掲げる。
すると、機甲軍団の残骸が固まりながらキシタニの近くにやって来る。
それがグニャリグニャリと変形していく。
そして、十二本の大太刀となり、周囲に展開される。
それがキシタニの周囲を回る。
(これは……)
(なるほど。近づかせないためか……のう?)
ショウとゼンゾウは分析。
そのまま様子を伺おうとする中……
「まどろっこしい」
第三者の声が響く。
それはエンバ。
どうやら回復に集中していたらしく、傷は完全に治っている。
「一気に決めりゃあ良いだけだ!」
そのまま高速移動で間合いを詰めようとする。
だが、そこへ周囲の大太刀の四本が反応。
エンバへ襲い掛かる。
「チィ!」
それをどうにか捌いていく。
だが、(通常の)人間の手足は二本ずつしかない。
捌けなくなっていき、動きが止まってしまう。
体に傷が増えていく。
そこへ……
「エンバ!」
「世話が焼ける」
ショウとゼンゾウが飛び込む。
大太刀を破壊しにかかるが……
「む……」
「硬い……のう」
先程圧し折った刀よりも硬い。
(前よりも密度と強度が高いのかのう……)
ゼンゾウがそう思っていると……
「刀はまだあるぞ」
キシタニは周囲に浮いている八本の刀を向かわせる。
そうして蟲灼晃而の面々は四本の動く大太刀を迎え撃つ。
(糞が!)
(うっとおしい……)
(不味いのう……)
三人は襲い掛かる刃を捌きながら思考する。
(……これ
(
(というか訓練しなければこんな事出来ん)
余程、脳みそが発達していなければならない。
恐らく先程の機甲軍団のAIを使っているのだろう。
そして問題がまだある。
相手は自律起動する刀だけではない事だった。
「ではこちらも行くぞ」
キシタニが手に持った刀の柄をくっつける。
それが変形して弓となる。
そのまま弦を引くと、矢が生み出される。
「これでも……刀以外も多少は出来る!」
手を離すと矢が射られた!
狙われたのは……エンバ。
「チィ!」
後ろから襲って来た矢を掴み取るエンバ。
蟲灼晃而一族……だけでなく三奇拳は飛び道具対策を習う。
だからこそ、死角から襲い掛かる矢を掴み取るくらいは容易い。
だが今は……
「ッ!」
その隙を刀は見逃さない。
エンバへ一気に襲い掛かり、斬られてしまう。
幸い傷は浅い。
それにキシタニは矢を次から次へと射る。
蟲灼晃而の面々は何とか対応していくが、傷が増えていく。
(このままなら押し込める……!)
そう思ったキシタニ。
組員達の仇を取れる。
そうも思った。
だが、ふと気づく。
「……?」
少しずつだが、蟲灼晃而の面々が移動している。
自分の所へ近づきつつある。
(なるほど。オレを直接狙う気か。だが……)
矢を番え、上空に向けて放つ。
その矢はある程度空に上がった段階で、落ちる。
それが大量に分裂、豪雨のように降り注ぐ。
「「!?」」
生半可な相手なら対応出来ないだろうが、蟲灼晃而の面々は対応。
刀を捌きながら、矢も捌く。
だが、ドンドン傷が増えていく。
そんな攻防が繰り返される中……
「「今だ! 行け!」」
ゼンゾウとショウが叫んだ。
その言葉に飛び出したのは……エンバ。
「おう!」
一気にキシタニの近くに迫る。
「な!?」
それに驚くキシタニ。
刀が釘付けにしていたはずなのに、どうして?
相手を見て、とある事に気づく。
それは……
(コイツら……いつの間に合流してやがった!?)
なんとこちらに近づいていただけではなく、三人が集合していた。
だからこそ、十二の刃を三人で四本ずつ分担していたのを、六本ずつ対応する事で一人をどうにかこちらにやる事に成功したのだ。
「今までよくもやってくれたな……」
右手を振りかぶるエンバ。
「お返しだ」
「う……おおお」
突き出された拳をキシタニは弓で受け止めるも、弓が圧し折れてしまった。
エンバの攻撃は終わらない。
「もう一発」
至近距離での寸勁。
キシタニに直撃した。
その攻撃の威力は無効化されるはずだった。
……本来なら。
「ゴフ!?」
だが威力をモロに喰らってしまったキシタニ。
なぜ? と思う前にすぐに理由はわかった。
(衝撃を……流せない!?)
足が地面から離れていた。
先程の一撃の本命は、ダメージを与える事ではなかったのだ。
浮き上がらせる事が主目的だったのだ。
「さあ……ここからが本番だ!」
エンバの連続攻撃。
打撃系の技を浸透勁にし、途切れさせずに連続攻撃を叩き込んでいく。
一発一発の威力は低いが……
(う、動けない……)
キシタニは何も出来ない。
打撃をなすすべなく喰らって行く。
しかも、ダメージが積み重なっていく。
このままでは……
(オレは死ぬ)
間違えなく。
こちらは攻撃を仕掛ける隙がない。
ならばどうするか?
方法は……ある。
「チィ!」
「……おや」
「ほう……」
ゼンゾウとショウに当てていた自律起動する刀をこちらに移す。
そして、十二本全部をエンバに当てる。
「おっと……」
さすがの彼でも十二の攻撃を捌くのは不可能。
一旦下がる。
「……チィ。もう少しだったんだがな」
エンバは笑う。
先程の不機嫌さが嘘のよう。
そこへ……
「さて……決めるぞ」
「はい。もう飽きましたし」
「……オレ一人でいいけどな」
ゼンゾウとショウも合流。
エンバはボソリと呟いたが、共闘自体は否定していない。
蟲灼晃而三人が並び立つ。
そしてキシタニは体の調子を確かめる。
(ギリギリ体は動く。
逃げるのも手だろう。
だが……
「オレのために散って行った奴のために引くわけには……行かないなぁ!」
咆哮をあげたキシタニ。
そして、周囲に浮く刀と共に特攻。
「……大和魂持っていたのかのう」
「破れかぶれですかね」
それに迎撃するのはゼンゾウとショウ。
刃の雨を二人で裁いていき……
「ほれ」
ゼンゾウが刀の一本を蹴り上げる。
するとそれが上手い事連鎖反応を起こして全部の刀に接触。
そこへショウが拳を叩き込む。
「礼を言います!」
浸透勁。
ガラスが砕けるように全ての刀が砕け散った。
そこへエンバが飛び込む。
「さっきみたいにはいかねえぞ!」
キシタニは迎撃しようとしたが……
「アホかテメェ」
さっきと同じな訳がない。
エンバはキシタニを抱える。
そのまま……
「これで……終わり!」
「グギャ!?」
地面に叩きつけた!
【後書】
(・▽・)<前も言ったと思いますけど、改めて。
(#ー#)<? なんだ?
(・▽・)<元々、設定が完全に固まっていない段階で書き始めたうえ、
(・▽・)<こっちの方がいいかもしれないって、文体を変える場合もある。
(・▽・)<そして、文章も序盤の方と今ではかなり違う。
(㈩*㈩)<それはよく言われるね。
(・▽・)<そんな作品ですけど、読んでくれると嬉しいです。