(・▽・)<さあ。場面が変わります。そして……
(㈩*㈩)<決着させるの?
(・▽・)<どうしましょうね……。一応その方向で動きますけど、
(#ー#)<けど?
(・▽・)<また伸びたり、残党がどうたらとかやるかもです。
(・▽・)<それに……そろそろ減らさないと♪
(㈩*㈩)<……何か不安。
(#ー#)<大丈夫か? これ?
■□■□
出入口の無い空間。
そこに鎮座する巨大な装置があり、その傍には巨大な鎧と白衣姿の人がいる。
その周囲には映像がいくつも浮かび上がっている。
その中の一つに、先程の蟲灼晃而対≪岸谷組≫の抗争もあった。
戦いが終わったタイミングで、白衣――イヌガミが口を開く。
「まあまあ善戦出来ていたな」
それに巨大な装置――カダが答える。
『確かに』
更に巨大鎧――マヤも口を開く。
「左様でございます」
実は、あの機甲軍団は全部イヌガミの作品だった。
その全部が砕かれたとは言え、彼の顔はそこまで暗くない。
それどころか……
(次はどうするか……)
そんな事を考えていた。
そんな彼にカダが口を開く。
『イヌガミ』
「何かね」
『聞いてもいいかね?』
「ああ」
仲間なので特に隠す事はない。
なのでこう答えた。
それにカダは訊ねる。
『あの最後の合体機能。アレは一体なんだね?』
あんな機能――結構複雑なはず――はそう簡単に使えないはず。
それにイヌガミは答える。
「ああ、実はな……」
少しもったいぶってから口を開く。
「冥刀を使っているんだよ」
『ほう……』
少し驚いたカダ。
マヤも気になったのか口を開く。
「冥刀を……ですか?」
暗にそのまま使った方が良かったのではないか、と聞いた彼女。
それにイヌガミは答える。
「そのままだと使えなかったからな。あくまで断片だ」
『それを動力炉の素材にした訳か……』
「ああ」
実のところ、この手法は
とは言え、素材を活かすか殺すかはその職人次第だが。
……イヌガミは勿論前者。
「つまり……あの融合はその冥刀が持っていた能力と?」
「ああ。機体型なのも相性が良かったな」
「……つまりそれを失った訳ですか」
かなり惜しいと思われるシロモノ。
だが、イヌガミはどこふく風。
「構わない。元々上手く使えるかは五分五分だった。相手の手札を見る事が出来たからな。収穫はあった」
『それならまあいいか』
「……カダ様がそうおっしゃられるなら、マヤめに否はありません」
そんな会話を終えたタイミングだった。
空間に穴が出来て、そこから男が二人出て来る。
鎌を持った男――カマタと、
「帰った~」
「おう、何かあったか?」
その二人を見て、カダが声を掛ける。
『丁度良かった。お使いを頼んでもいいか?』
「「?」」
◇◆◇◆
拳士と極道の抗争から数日経ったある日。
昼食の時間。天ノ角高校の屋上では……
「……うう~ん」
この日は登校していたオウカ。
普段のオウカは親しい面々と、ここで昼食を取る。
……実は立入禁止なのだが、とある人物が鍵を持っており、その複製をオウカに渡したので、彼はよく出入りしていた。
……一部の教師は知っているが、見て見ぬ振り、黙認していた。
閑話休題。
弁当の中の唐揚げを、噛み砕き飲み込んでから口を開く。
「……今更だけどさ」
「何?」
それにカナタが訊ねて来た。
彼女こそが、屋上の鍵を持つ人物にして、オウカが食べる弁当を作って来た張本人。
彼女の疑問にオウカはこう言う。
「ここまでの人数揃ったの……初めてな気がする」
「そうかしら?」
首を捻って周りを見てみる。
そこに居るのは……
「やっぱりランコちゃんの料理は美味しいね」
「はい。私にとっても自慢です」
「いえいえそんな」
ジンナ、リア、ランコ。
三人仲良く弁当を食べて、偶に分け合っている。
「ワイらここに居てええんやろか?」
「いいんじゃないの?」
タナカとタナコ。
一緒にどうかと呼ばれたので来た訳である。
因みに、こちらは弁当ではなく、購買の総菜パンとおにぎりを食べている。
「クインちゃん、お弁当なんだね」
「ん」
「そういえば自炊していたわね、あなた」
レイリ、クイン、イヌコ。
彼女らも来た訳である。
……イヌコはこの面々に含められるのが若干嫌だったが、最近開き直って来た。
因みに、こちらはクインは弁当、レイリは行きがけに買った弁当、イヌコはコンビニで買ったサンドイッチ。
そんな光景を目にしたカナタは呟く。
「……確かにそうかもね」
オウカの知り合いは屋上で食べる事が多いのだが、用事があったり、他の知り合いと一緒に食べるので、ここまでの知り合いが揃う事は滅多にない。
というか……
「ここまで揃うのって初めてな気がする」
「確言」
この日は、最近別行動が多い、マユとネラも一緒。
カナタの弁当をオウカと一緒に食べている。
「最近は二人も居なかったものね」
「こっちには色々ある」
「其通」
そして二人は言う。
「というか、そもそもわたし達はここの生徒じゃないから居るのがおかしい」
「一応、
どっちの理屈が正しいのだろう。
(どっちも合っているな……)
どっちも正しい、どっちも間違っている。
そういう事はままある。
そう思って、弁当を食べていると、ジンナが話しかけて来る。
「そういえばサク君」
「うん?」
「あの件はどうなった?」
ぼかして言ったのは、関わっていない人達もいるから。
それにオウカはこう答える。
「まあ……粛々とね」
「それじゃわからない」
こう言われたので、オウカはもうちょっと詳しく説明する事にする。
「蟲灼晃而のトップクラスが出て来たんだけど……」
「「え!?」」
何人かが反応する。
「あの蟲灼晃而!?」
「一体誰が……」
そういう声があったので、説明しておく。
「ゼンゾウさん、ギイさん、ショウさん」
「エンバって言う人は前から参加していた」
マユもフォロー。
すると、カナタが驚いたような表情を作る。
「随分と本気なのね……」
「やっぱり有名なんですか?」
「ええ」
久遠家は歴史の長いノーブル出身。
……流石に四桁歴史のブルーブラッドではないが、まあまあ歴史はある。
だからこそ、蟲灼晃而一族の事もある程度は知っていた。
「数百年生きる“大怪物”」
ムシャコウジ=ゼンゾウ。
「凄まじい万能性と適応性を誇る“七つの死”」
ムシャコウジ=ショウ
「一国規模の犯罪者集団を一人で血祭に上げた“殺人拳”」
ムシャコウジ=ギイ。
「調子に乗った相手はプレイヤーだろうが、モンスターだろうが滅ぼす“魔人”」
ムシャコウジ=エンバ。
この四人はよく知られているとの事。
「まあそれ以外にも有名な人はいるけど。後、海外にも」
「海外?」
疑問符を浮かべた面々が居るので、オウカは説明する。
「分派しているから、ヨーロッパと中国にもあるんだよ」
「あ! 知ってます。私」
レイリが声を上げた。
それ以外の面々も頷く。
「確か……“星砕”ですよね」
それはとある人物の異名。
自身の戦闘を動画配信をしているため、結構有名な人。
蟲のチカラが攻撃と防御の強化なので、まるでプロレスやターン制のゲームのように、相手の攻撃を受け止めて反撃する人。
その中で隕石を落としてくるモンスターを相手に凄まじい戦いを繰り広げ、最終的にそのモンスターを隕石ごとカチ割った蟲拳士。
その名は……
「ああ。俺も最近見て知ったけど」
「「ドロローサ=ムシャコウジ!!」」
幾人かが同時に言った。
「でも本家じゃあんまり評判よくないらしいよ」
「そうなんですか?」
「……そりゃあそうでしょうよ」
イヌコがツッコミを入れた。
そもそもバグズ界蟲拳は暗殺拳。……一応。
だからこそ、目立つのは駄目だろうという訳である。
ゼンゾウ的にはあの動画配信を苦々しく思っているらしい。
他の面々? どうでもいいと思っている者、別に良いと思っている者、流石にどうかと思っている者など様々。
「まあそれとなく注意入れたり、血の気の多い面々が乗り込んだらしいけど……」
「どうなったのかは自明の理やな……」
「そうね」
タナカとタナコがこう言った。
今もドロローサは動画配信を続けている。
つまりはそういう事だ。
一応死んではいないし、再起不能の怪我も負わなかったが。
そんな会話でクインが呟く。
「ん~」
「? どうしたの?」
「やっぱり積み重ねがあるから強いのかな?」
その言葉にオウカは頷く。
「まあそれもあるかもな」
視線をカナタに向けて続ける。
「ああ言う
「私もそうだったわ」
カナタはプレイヤーとしての修練を三、四歳頃から始めたらしい。
「そんなに早くからやるものなんですね」
レイリがこう言った。
なので、オウカは聞いてみる。
「レイリはいつから始めた?」
「私は小学校通い始めたくらいですね」
レイリがこう言った。
同級生で道場とかに通っている人が居たので、自分も通う事にしたらしい。
因みに、レイリが通ったのは剣術道場。後に、そこの師範からパワーを活かした武器にしたら良いんじゃないかと言われ、斧を使い始めたらしい。
「クインちゃんは?」
「……んん」
振られたクインは少し顰め面をする。
思わずオウカと目配せ。
クインは、自身の秘咒により、条件を満たした相手のチカラを奪える。
だからこそ、そういうのはやっていない。
とは言え、あの強さで小さい頃からやっていないと言うと、何かあると思われる。
なので……
「物心ついた頃から」
それだけ言った。
嘘ではない。
重力操作を手に入れたのは赤ん坊の頃なので、一応意識がある頃なので。
そのまま水筒からお茶を飲む。
暗にこれ以上の詮索はするな、とクインは言っていた。
それに他の面々は。
「「……」」
何か事情があると、察した。
なので、とりあえず聞いていない面々が言ったり、聞いたりする事になった。
そうして聞いていないのは残り二人となる。
オウカとジンナである。
なので、まずオウカが口を開く。
「俺もクインと似た感じだな」
小さい頃は幽閉・軟禁状態だったが、親代わりの絡繰人形が色々教えてくれた。
曰く。
『学んデおイて損はナイと思いマす』
との事。
その後、家出(?)をして、メイド師匠に拾われてからは、更に実戦的な事を習った。
(実戦形式で本当に良かった。アレがなかったら多分野垂れ死んでたな)
アレがなかったら異世界で多分死んでいた。
そんな事を思っていると、ジンナが口を開く。
「ボクは……小さな頃からかな?」
疑問形なうえ、何か含みがある。
気になった面々もいるが……
(まあ人間色々あるよな)
そう思ったので、深くは聞かなった。
……
…………
………………
そうして放課後。
オウカは帰ろうと荷物を纏めていると……
「サク君」
ジンナに話しかけられた。
「ん? どうした?」
「時間貰える?」
「……」
思考。
麻薬の件は、他の武闘派面々が動いている。
『学生の本文は勉強だろう? だから行ける時には行った方が良い』
モモタがこう言って、他の面眼も頷いてくれた。
それでも、動こうとしたオウカだったが……
『サク様、暫くはワタクシ達が動くのでご安心を』
『僕らは結構強いんだから』
マリアとユウナからもこう言われ、オウカは折れた訳だった。
だからこそ、今はオウカにやる事はない。
だから、頷いた。
それにジンナはこう言う。
「ちょっと話しておきたい事があってね」
「……おう」
………………
…………
……
そうしてオウカがジンナに連れて来られたのは……
「ここ」
普通の二階建ての住宅。
「もしかして……ここに住んでいるの?」
「うん。姉さんと二人暮らし」
彼女の自宅だった。
とりあえず上がらせてもらい、勧められたソファに座る。
「お茶とお菓子持ってくるからちょっと待っていてね」
「ああ。……そういえばザンカさんは?」
「まだ帰って来ないよ」
そう言ってから、いたずらっぽく笑って続ける。
「何かスるなら今の内にね」
「……シて欲しいの?」
オウカの反撃にジンナは真っ赤になって奥に引っ込む。
待っている間、オウカは周りを見渡す。
これと言って特に変わりはないが……
(どことなく色々厳重だな)
ふと思い起こしたのはリア。
彼女は普通の一軒家に住んでいるが、立場が立場……≪聖霊教≫の聖女なので、凄まじい防犯設備があった。
ジンナも自宅はそれと同規模の防犯設備があった。
【コソコソ話】
(㈩*㈩)<今回出て来たロボット(兼パワードスーツ)に使われたのは……
(㈩*㈩)<【オーガ】。皆覚えてる?
(・▽・)<……?
(#ー#)<だいぶ前で忘れてる!? 弐章で出て来た章ボスが乗っていたヤドカリロボだよな?
(・▽・)<…………ああ!
(㈩*㈩)<そう。因みに爆心地から離れた所に、その鋏が落ちていて、それを利用した。
(#ー#)<だからあんなになったのか……。