冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【前書】
(・▽・)<さあ。場面が変わります。そして……

(㈩*㈩)<決着させるの?

(・▽・)<どうしましょうね……。一応その方向で動きますけど、

(#ー#)<けど?

(・▽・)<また伸びたり、残党がどうたらとかやるかもです。

(・▽・)<それに……そろそろ減らさないと♪

(㈩*㈩)<……何か不安。

(#ー#)<大丈夫か? これ?


ⅭⅩⅭⅥ

 ■□■□

 

 

 出入口の無い空間。

 そこに鎮座する巨大な装置があり、その傍には巨大な鎧と白衣姿の人がいる。

 その周囲には映像がいくつも浮かび上がっている。

 その中の一つに、先程の蟲灼晃而対≪岸谷組≫の抗争もあった。

 

 戦いが終わったタイミングで、白衣――イヌガミが口を開く。

 

「まあまあ善戦出来ていたな」

 

 それに巨大な装置――カダが答える。

 

『確かに』

 

 更に巨大鎧――マヤも口を開く。

 

「左様でございます」

 

 実は、あの機甲軍団は全部イヌガミの作品だった。

 その全部が砕かれたとは言え、彼の顔はそこまで暗くない。

 それどころか……

 

(次はどうするか……)

 

 そんな事を考えていた。

 そんな彼にカダが口を開く。

 

『イヌガミ』

「何かね」

『聞いてもいいかね?』

「ああ」

 

 仲間なので特に隠す事はない。

 なのでこう答えた。

 それにカダは訊ねる。

 

『あの最後の合体機能。アレは一体なんだね?』

 

 あんな機能――結構複雑なはず――はそう簡単に使えないはず。

 それにイヌガミは答える。

 

「ああ、実はな……」

 

 少しもったいぶってから口を開く。

 

「冥刀を使っているんだよ」

『ほう……』

 

 少し驚いたカダ。

 マヤも気になったのか口を開く。

 

「冥刀を……ですか?」

 

 暗にそのまま使った方が良かったのではないか、と聞いた彼女。

 それにイヌガミは答える。

 

「そのままだと使えなかったからな。あくまで断片だ」

『それを動力炉の素材にした訳か……』

「ああ」

 

 実のところ、この手法はこの世界(こちら)でも、異世界(あちら)でも使われている。

 とは言え、素材を活かすか殺すかはその職人次第だが。

 ……イヌガミは勿論前者。

 

「つまり……あの融合はその冥刀が持っていた能力と?」

「ああ。機体型なのも相性が良かったな」

「……つまりそれを失った訳ですか」

 

 かなり惜しいと思われるシロモノ。

 だが、イヌガミはどこふく風。

 

「構わない。元々上手く使えるかは五分五分だった。相手の手札を見る事が出来たからな。収穫はあった」

『それならまあいいか』

「……カダ様がそうおっしゃられるなら、マヤめに否はありません」

 

 そんな会話を終えたタイミングだった。

 空間に穴が出来て、そこから男が二人出て来る。

 鎌を持った男――カマタと、足場竹馬(ペグスティルツ)を履いた男――セナヤマが現れる。

 

「帰った~」

「おう、何かあったか?」

 

 その二人を見て、カダが声を掛ける。

 

『丁度良かった。お使いを頼んでもいいか?』

「「?」」

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 拳士と極道の抗争から数日経ったある日。

 昼食の時間。天ノ角高校の屋上では……

 

「……うう~ん」

 

 この日は登校していたオウカ。

 

 普段のオウカは親しい面々と、ここで昼食を取る。

 ……実は立入禁止なのだが、とある人物が鍵を持っており、その複製をオウカに渡したので、彼はよく出入りしていた。

 ……一部の教師は知っているが、見て見ぬ振り、黙認していた。

 

 閑話休題。

 弁当の中の唐揚げを、噛み砕き飲み込んでから口を開く。

 

「……今更だけどさ」

「何?」

 

 それにカナタが訊ねて来た。

 彼女こそが、屋上の鍵を持つ人物にして、オウカが食べる弁当を作って来た張本人。

 

 彼女の疑問にオウカはこう言う。

 

「ここまでの人数揃ったの……初めてな気がする」

「そうかしら?」

 

 首を捻って周りを見てみる。

 

 そこに居るのは……

 

「やっぱりランコちゃんの料理は美味しいね」

「はい。私にとっても自慢です」

「いえいえそんな」

 

 ジンナ、リア、ランコ。

 三人仲良く弁当を食べて、偶に分け合っている。

 

「ワイらここに居てええんやろか?」

「いいんじゃないの?」

 

 タナカとタナコ。

 一緒にどうかと呼ばれたので来た訳である。

 因みに、こちらは弁当ではなく、購買の総菜パンとおにぎりを食べている。

 

「クインちゃん、お弁当なんだね」

「ん」

「そういえば自炊していたわね、あなた」

 

 レイリ、クイン、イヌコ。

 彼女らも来た訳である。

 ……イヌコはこの面々に含められるのが若干嫌だったが、最近開き直って来た。

 因みに、こちらはクインは弁当、レイリは行きがけに買った弁当、イヌコはコンビニで買ったサンドイッチ。

 

 そんな光景を目にしたカナタは呟く。

 

「……確かにそうかもね」

 

 オウカの知り合いは屋上で食べる事が多いのだが、用事があったり、他の知り合いと一緒に食べるので、ここまでの知り合いが揃う事は滅多にない。

 というか……

 

「ここまで揃うのって初めてな気がする」

「確言」

 

 この日は、最近別行動が多い、マユとネラも一緒。

 カナタの弁当をオウカと一緒に食べている。

 

「最近は二人も居なかったものね」

「こっちには色々ある」

「其通」

 

 そして二人は言う。

 

「というか、そもそもわたし達はここの生徒じゃないから居るのがおかしい」

「一応、当機(わたし)先輩(マユ)主人(オウカ)、冥刀。可笑、無筈」

 

 どっちの理屈が正しいのだろう。

 

(どっちも合っているな……)

 

 どっちも正しい、どっちも間違っている。

 そういう事はままある。

 そう思って、弁当を食べていると、ジンナが話しかけて来る。

 

「そういえばサク君」

「うん?」

「あの件はどうなった?」

 

 ぼかして言ったのは、関わっていない人達もいるから。

 それにオウカはこう答える。

 

「まあ……粛々とね」

「それじゃわからない」

 

 こう言われたので、オウカはもうちょっと詳しく説明する事にする。

 

「蟲灼晃而のトップクラスが出て来たんだけど……」

「「え!?」」

 

 何人かが反応する。

 

「あの蟲灼晃而!?」

「一体誰が……」

 

 そういう声があったので、説明しておく。

 

「ゼンゾウさん、ギイさん、ショウさん」

「エンバって言う人は前から参加していた」

 

 マユもフォロー。

 すると、カナタが驚いたような表情を作る。

 

「随分と本気なのね……」

「やっぱり有名なんですか?」

「ええ」

 

 久遠家は歴史の長いノーブル出身。

 ……流石に四桁歴史のブルーブラッドではないが、まあまあ歴史はある。

 だからこそ、蟲灼晃而一族の事もある程度は知っていた。

 

「数百年生きる“大怪物”」

 

 ムシャコウジ=ゼンゾウ。

 

「凄まじい万能性と適応性を誇る“七つの死”」

 

 ムシャコウジ=ショウ

 

「一国規模の犯罪者集団を一人で血祭に上げた“殺人拳”」

 

 ムシャコウジ=ギイ。

 

「調子に乗った相手はプレイヤーだろうが、モンスターだろうが滅ぼす“魔人”」

 

 ムシャコウジ=エンバ。

 

 この四人はよく知られているとの事。

 

「まあそれ以外にも有名な人はいるけど。後、海外にも」

「海外?」

 

 疑問符を浮かべた面々が居るので、オウカは説明する。

 

「分派しているから、ヨーロッパと中国にもあるんだよ」

「あ! 知ってます。私」

 

 レイリが声を上げた。

 それ以外の面々も頷く。

 

「確か……“星砕”ですよね」

 

 それはとある人物の異名。

 

 自身の戦闘を動画配信をしているため、結構有名な人。

 蟲のチカラが攻撃と防御の強化なので、まるでプロレスやターン制のゲームのように、相手の攻撃を受け止めて反撃する人。

 その中で隕石を落としてくるモンスターを相手に凄まじい戦いを繰り広げ、最終的にそのモンスターを隕石ごとカチ割った蟲拳士。

 その名は……

 

「ああ。俺も最近見て知ったけど」

「「ドロローサ=ムシャコウジ!!」」

 

 幾人かが同時に言った。

 

「でも本家じゃあんまり評判よくないらしいよ」

「そうなんですか?」

「……そりゃあそうでしょうよ」

 

 イヌコがツッコミを入れた。

 

 そもそもバグズ界蟲拳は暗殺拳。……一応。

 だからこそ、目立つのは駄目だろうという訳である。

 ゼンゾウ的にはあの動画配信を苦々しく思っているらしい。

 他の面々? どうでもいいと思っている者、別に良いと思っている者、流石にどうかと思っている者など様々。

 

「まあそれとなく注意入れたり、血の気の多い面々が乗り込んだらしいけど……」

「どうなったのかは自明の理やな……」

「そうね」

 

 タナカとタナコがこう言った。

 

 今もドロローサは動画配信を続けている。

 つまりはそういう事だ。

 一応死んではいないし、再起不能の怪我も負わなかったが。

 

 そんな会話でクインが呟く。

 

「ん~」

「? どうしたの?」

「やっぱり積み重ねがあるから強いのかな?」

 

 その言葉にオウカは頷く。

 

「まあそれもあるかもな」

 

 視線をカナタに向けて続ける。

 

「ああ言う名門旧家(ノーブル)は物心つく頃から稽古を始めるらしいし」

「私もそうだったわ」

 

 カナタはプレイヤーとしての修練を三、四歳頃から始めたらしい。

 

「そんなに早くからやるものなんですね」

 

 レイリがこう言った。

 なので、オウカは聞いてみる。

 

「レイリはいつから始めた?」

「私は小学校通い始めたくらいですね」

 

 レイリがこう言った。

 同級生で道場とかに通っている人が居たので、自分も通う事にしたらしい。

 因みに、レイリが通ったのは剣術道場。後に、そこの師範からパワーを活かした武器にしたら良いんじゃないかと言われ、斧を使い始めたらしい。

 

「クインちゃんは?」

「……んん」

 

 振られたクインは少し顰め面をする。

 思わずオウカと目配せ。

 

 クインは、自身の秘咒により、条件を満たした相手のチカラを奪える。

 だからこそ、そういうのはやっていない。

 とは言え、あの強さで小さい頃からやっていないと言うと、何かあると思われる。

 なので……

 

「物心ついた頃から」

 

 それだけ言った。

 嘘ではない。

 重力操作を手に入れたのは赤ん坊の頃なので、一応意識がある頃なので。

 

 そのまま水筒からお茶を飲む。

 暗にこれ以上の詮索はするな、とクインは言っていた。

 

 それに他の面々は。

 

「「……」」

 

 何か事情があると、察した。

 なので、とりあえず聞いていない面々が言ったり、聞いたりする事になった。

 

 そうして聞いていないのは残り二人となる。

 オウカとジンナである。

 なので、まずオウカが口を開く。

 

「俺もクインと似た感じだな」

 

 小さい頃は幽閉・軟禁状態だったが、親代わりの絡繰人形が色々教えてくれた。

 曰く。

 

『学んデおイて損はナイと思いマす』

 

 との事。

 その後、家出(?)をして、メイド師匠に拾われてからは、更に実戦的な事を習った。

 

(実戦形式で本当に良かった。アレがなかったら多分野垂れ死んでたな)

 

 アレがなかったら異世界で多分死んでいた。

 そんな事を思っていると、ジンナが口を開く。

 

「ボクは……小さな頃からかな?」

 

 疑問形なうえ、何か含みがある。

 気になった面々もいるが……

 

(まあ人間色々あるよな)

 

 そう思ったので、深くは聞かなった。

 

 

 ……

 …………

 ………………

 

 

 そうして放課後。

 オウカは帰ろうと荷物を纏めていると……

 

「サク君」

 

 ジンナに話しかけられた。

 

「ん? どうした?」

「時間貰える?」

「……」

 

 思考。

 麻薬の件は、他の武闘派面々が動いている。

 

『学生の本文は勉強だろう? だから行ける時には行った方が良い』

 

 モモタがこう言って、他の面眼も頷いてくれた。

 それでも、動こうとしたオウカだったが……

 

『サク様、暫くはワタクシ達が動くのでご安心を』

『僕らは結構強いんだから』

 

 マリアとユウナからもこう言われ、オウカは折れた訳だった。

 

 だからこそ、今はオウカにやる事はない。

 だから、頷いた。

 

 それにジンナはこう言う。

 

「ちょっと話しておきたい事があってね」

「……おう」

 

 

 ………………

 …………

 ……

 

 

 そうしてオウカがジンナに連れて来られたのは……

 

「ここ」

 

 普通の二階建ての住宅。

 

「もしかして……ここに住んでいるの?」

「うん。姉さんと二人暮らし」

 

 彼女の自宅だった。

 とりあえず上がらせてもらい、勧められたソファに座る。

 

「お茶とお菓子持ってくるからちょっと待っていてね」

「ああ。……そういえばザンカさんは?」

「まだ帰って来ないよ」

 

 そう言ってから、いたずらっぽく笑って続ける。

 

「何かスるなら今の内にね」

「……シて欲しいの?」

 

 オウカの反撃にジンナは真っ赤になって奥に引っ込む。

 

 待っている間、オウカは周りを見渡す。

 これと言って特に変わりはないが……

 

(どことなく色々厳重だな)

 

 ふと思い起こしたのはリア。

 彼女は普通の一軒家に住んでいるが、立場が立場……≪聖霊教≫の聖女なので、凄まじい防犯設備があった。

 ジンナも自宅はそれと同規模の防犯設備があった。




【コソコソ話】
(㈩*㈩)<今回出て来たロボット(兼パワードスーツ)に使われたのは……

(㈩*㈩)<【オーガ】。皆覚えてる?

(・▽・)<……?

(#ー#)<だいぶ前で忘れてる!? 弐章で出て来た章ボスが乗っていたヤドカリロボだよな?

(・▽・)<…………ああ!

(㈩*㈩)<そう。因みに爆心地から離れた所に、その鋏が落ちていて、それを利用した。

(#ー#)<だからあんなになったのか……。
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