(#ー#)<読者が覚えているかは知らんが
(#ー#)<……前回出た三人組は、実習の時にいた三人だ。
(㈩*㈩)<クロスが大当たりなのに、嫌っている人達だよね。
(#ー#)<……まあな。ところでさ、予定では次の話から決戦じゃなかったのか?
(・▽・)<……。予想外に伸びました。
(・▽・)<すいません。本当に。
(・▽・)<なので、予定変更してこのまま続けます。閑話もいれるかもしれません。
(#ー#)(㈩*㈩)<閑話?
(・▽・)<本来なら、決戦の時に回想という形で触れたり、
(・▽・)<限定公開でやる予定でしたけど。
(#ー#)<執筆時点でゼロだもんな。
(・▽・)<言わないでください……。
(㈩*㈩)<これからもこの作品とかを宜しく。
(㈩*㈩)<支援もお願いします。
「それでどうにかあの路地裏に付いてしゃがみこんでいる所へ……」
「俺らが来た……という訳ね」
「はい……」
間一髪だったようだ。
「じゃあこっちも事情を話す」
「はい。聞きます」
そうしてオウカは今までの事を話して言った。
それをヴィーは真面目に聞く。
どうにか胃袋が落ち着いたのか、食べる手も止まった。
「ふぃ~」
多少ダイジェストにしたり、少し飛ばしたりしたが、一気に話したので疲れてしまった。
飲み物を一気に煽る。
説明を受けたヴィーは沈黙。
そんな彼女にオウカは頭を下げる。
「すまんな。お前が作ってくれた物、全部お釈迦にしてしまった」
「え、あ。気にしないでください。どう考えてもサクさんは悪くないです!」
「そう言って貰えると嬉しいよ」
少し笑ってから、オウカは真面目な顔をして続ける。
「……ヴィー。いや、“神匠”ヴィシュヴァカルマン」
神匠。彼女に付けられた通り名。
ヴィー。本名ヴュシュヴァカルマン。
「お前に頼みたい事がある」
「――任せてください!!」
内容を聞く前に即答した。
それにオウカは少し呆れて続ける。
「内容、聞いてから言おうか」
「え、だってサクさんやセラさんはあたしに出来る範囲の事しか頼みませんし」
だからこの二人が頼んで来た事はすぐにやる、とヴィーは決めている。
「だから任せてください!」
沢山食べましたし、これで暫く働けます! と彼女は続けた。
そんなヴィーにオウカは笑う。
「わかった。じゃあ色々頼む」
「はい! あ、でも場所がないと……」
「それなら問題ない。ウチにある」
オウカの家には
「それなら良かった」
そう言って立ち上がるヴィー。
「じゃあ早速行きましょう!」
善は急げとヴィーは店から出て行こうとする。
それにオウカは苦笑してから、まだ機能停止しているカナタとマユを揺すって再起動させる。
「おい。起きろ二人共」
「「はっ!?」」
「……、余程、驚愕」
ネラがそんな二人にツッコミを入れた。
……
…………
………………
そうして自宅に戻ったオウカ達。
カナタも一緒である。
「どんな鍛冶するのか見てみたいわ」
との事。
そういう訳で鍛冶場に直行する。
「ここにある物は何でも使って良い」
「ありがとうございます。じゃあ早速――始めます」
ヴィーがゴーグルを目に付ける。
そうして鍛冶が始まった。
●○
「ヴィーの凄さに……ついてですか?」
「そうですね~。まずは……素材の特性を見抜く力ですね」
「素材……ある世界の言い方を借りるならオブジェクト」
「加工はおろか、傷一つ付けるのも難しいですよね」
「一定温度で焼きを入れなければならない」
「マイナス二百度以下で冷やさなければならない」
「一定の力、一定の回数、叩かなければならない」
「何かしら特殊な工程が必要。エトセトラエトセトラ」
「普通の職人では扱えない。ですがヴィーは扱えます」
「軽々と。……ちょっと表現変化もしれませんね」
「前に、本人が言っていたんですけど、金属の声が聞こえる……」
「らしいです。だからそういうオブジェクトを扱える」
「更に、普通の金属すら業物に加工可能なんです」
「……でも客より金属を優先するので、注文を受けて」
「その武器になりたい金属を探すので、鍛造する前にも時間がかかるんですよね」
「ま、しょうがないんですけどね。私は納得出来てますけど……」
「
「おっと、話がズレてきました。戻します」
「そして、彼女はオブジェクト……特に金属に愛されている」
「金属が彼女の元に集まって来るんですよ。言い方は悪いですけど……」
「ちょっと不気味です。そして、怖いです」
「勿論、それらの天性の才能だけではないです」
「腕前。技術。それが単純に高い。凄く高いんです」
「長年鍛冶をやって来た職人と比べても遜色ないんです」
「普通に渡り合えるどころか、圧倒する」
「親から鍛冶を習ったそうなんですけど、」
「その才能であっという間に追い抜いちゃったらしいです」
「それに親は――喜んだそうです」
「嫉妬に狂って、実の娘を殺そうとしないのは偉いですね」
「ここにはそんなのばっかりですので」
「だから、交流ある鍛冶師の仕事を見せて行ったそうです」
「そうして彼女は技術を高めていきました」
「更に、独学でも色々学んだそうです」
「その結果、ああなった。もう滅茶苦茶ですね」
「自己修復が効かなくなった程、ズタボロになった冥刀の修理」
「冥刀の破片を使っての断剣・欠刀作り」
「腕の良い職人でも、生前(?)のチカラを多少引き出すのが精々なんですが」
「ヴィーの場合、生前と遜色ないチカラを出せるようになる時もあるんですよ」
「……まあ素材の具合や冥刀の残ってる量にもよりますけどね」
「だからこそ、私は金額を弾んでいます。埋もれさせたら勿体ないでしょう?」
……
…………
………………
暫くして出来たのはロングナイフ。
「……ふう」
息を吐いたヴィー。
そして、オウカの方へ駆け寄って来る。
「どうですか?」
「……」
オウカはロングナイフを手に取り沈黙。
「「……」」
カナタ、マユ、ネラも作品を見て沈黙。
そんな三人の態度にヴィーは縮こまる。
(だ、駄目だったかな?)
そんな事を思っていると、オウカがやっとの事で口を開く。
「相変わらず……良い腕。というか実力上がってないか?」
その言葉に続けて三人も口を開く。
「凄いわね……。あんなありあわせの素材で」
「……恒河沙や無量大数より上かもしれない」
「凄腕。流石、神匠」
三人の誉め言葉にヴィーは照れて
「いえいえそんな……まだまだです」
謙遜する。
ここがヴィーの真骨頂。
どれだけ褒められても、彼女は奢らない。
それどころか、まだ高みを目指そうとする。
だからこそ【アルハーゼン】も彼女を選び、改造されてなお、所有者と認め続けている。
「じゃあ早速作業をします。あたしは何をすれば?」
「ああそれは……」
オウカが説明し始めた。
それをヴィーは静かに聞く。
そして、話が終わったタイミングで口を開く。
「――を頼みたい」
「その剣を見せてくれませんか?」
「あ、ああ」
オウカは包みごと差し出す。
それをヴィーは受け取り。包みを剥がす。
出て来たのは異形の禍々しい剣……の形をしたナニカ。
今までソレを見た人――頼んだ鍛冶師達は絶句したり、怯えたり、怯んだりしてきた。
だが、ヴィーは全く動揺しない。
「……」
無言のまま、ソレを見ていく。
因みにかなり重いのだが、それをヴィーは持ち前のパワーで片手で持ちあげ、平然としている。
もう片方の手で触れたり、軽くハンマーで叩き何かを確かめている。
暫くして検分を終え、口を開く。
「凄いですね。様々な素材が上手いように絡みあってます。それに……」
「「それに?」」
「術も色々使われてますし。禁忌系もチラホラ」
その言葉にカナタがマユに訊ねる。
「そっちにも魔法とかあるの?」
「あるにはあった」
「その言い方からすると……」
「少なかったけど多少いたのが全滅した」
そもそもこの世界と異世界は途中まで成り立ちが同じ。
モンスターとダンジョン襲来に、対応できたか出来ないかが分岐点になっている。
「できそうか?」
「……確約は出来ませんけど、何とかやってみます」
「その言葉で十分だよ」
そう言って彼女は無理難題をこなして来たのだから。
……
…………
………………
暫くして。
オウカの姿は家の外にあり、一人だった。
「どうすっかね……」
呟いて左腕がある方を見る。
そこには何もなく空だった。
つまりコジュウロウが遺した黒腕が無くなっていた。
いつも首に掛けているネックレス――【グウェンゾライ・アプ・カディオ】もない。
理由は簡単。
ヴィーに預けるように言われたのだ。
△▲△
ヴィーの作業を見学兼手伝う事になったカナタとマユ。
ネラはその補助。
オウカは特にやれる事もないので、外に出る事にした。
そんな彼にヴィーが武器を預けるように言ったのだ。
『メンテしておきたいですし、ちょっとやりたい事があるので』
との事。
とは言え、それでは丸腰になってしまう。
それに対し、ヴィーはニッコリ笑ってある物を渡して来た。
『これってまさか……』
『はい。最高欠作です』
最高欠作。
ヴィーが採算度外視で作った、その人しか扱えない作品の事を指す。
モンセラートのチェーンソーやリリアーヌのハルバードが良い例である。
オウカもかつて蛇腹剣を作って貰った。
とは言え、アレの出来はヴィーには色々不満だったらしい。
だからこそ、記憶を取り戻す前にオウカの作品を作りながら試行錯誤していたそうだ。
そして、完全に記憶を取り戻してから、作り上げた。
『はい! これです!』
そう言って彼女は渡して来た。
しかも二つ。
鞘に収められた
『『何これ?』』
思わず
なぜなら、そこには栓がされた大きなメスフラスコがあった。
中には何か靄のような物が詰まっている。
武器どころか、金属ですらない。
『使方?』
ネラの疑問にヴィーは説明する。
長ドスはギリギリ普通の範疇だったが、瓶が問題……否、大問題だった。
これには全員絶句してしまった。
それにヴィーはこう続ける。
『この二つは壊れない武器を目指して作りました♪』
モンセラートのように語尾に「~♪」を付けたヴィーだった。
それから大問題作の方を準備してからオウカは外に出た訳だった。
◇◆◇◆
「武器は問題なくなったけど……」
目線を左袖から腰に移す。
そこには鞘に収まった剣があった。
実はこれ以外にも、問題作とヴィーが試しに作ったナイフを所持しているオウカだった。
(冥刀がないと、ちょっと落ち着かない)
そう思った。
(とは言えやる事もないし……)
本当なら敵の所に一人でも乗り込んでやりたいが、それは禁止されてしまった。
(出来る事と言ったら……)
そういう訳で向かう事にしたのはとある場所。
バスや電車を使い移動し、やって来たのは人通りの少ない場所。
そこに階段を降り、その扉の前に立ち、ノックする。
「婆さん。いるかい?」
「イーヒッヒッヒ。アンタ一人とは珍しいね」
扉を開けて出迎えたのはローブを被った老婆。
ここは特殊な物品――アーティファクト、オブジェクト、冥刀、邪眼(クロス含む)などの売買をおこなえる。
かつてヒナタに紹介して貰ってから、行く時は専らヒナタと一緒に行く事が多かった。
「……言われてみればそうかも」
「イーヒッヒッヒ。それで? 今日はどうしたんだい?」
「何か良い物ないかなって……」
「へえ。これは珍しい。アンタは売るばかりだったからね」
「そうか? ……そうかも」
専らカチコミした後、売ってばっかりなオウカである。
「それで? 何が欲しいんだい?」
「何か……チカラが欲しい」
「えらく曖昧だね~。だったら邪眼なんてどうだい?」
「眼か……」
思わず触れたのは右眼。
かつてクロスがあった所。
そして……
「ヒナタの奴もかつて同じこと言っていたよ」
「そうなんですか……。そうだろうな」
かつてのヒナタは復讐にやっきになっていた。
だからそう言う事は手に取る様にわかる。
「イーヒッヒッヒ。かつては早死にするかと思ったけど、死なずに済んで良かったよ」
老婆の声は少し安心したような声音。
「復讐を果たし、憑き物も落ちた。アレなら大丈夫さ」
「婆さんのお墨付きがあるなら安心だよ」
「イーヒッヒッヒ」
笑った老婆。
そして、真顔になると、背を向けあちらこちらを漁り出す。
「ま、そんな訳だ。……確かこの辺にっと」
「……? 何かあるんですか?」
「この間面白い物が手に入ったんだよ」
そう言って老婆が出したのは小さな密閉容器。
その中には眼球があった。
「……これは?」
「《邪眼〔観即〕》だよ」
「どんな能力です?」
「それはね……」
その説明にオウカは唖然。
そして、こう言う。
「いくらですか?」
「即決だね~」
「ええ。色々丁度良い」
「イーヒッヒッヒ。それは良かった」
そして、老婆をこう言った。
「アンタには色々借りがある。タダで良いよ」
「マジで!?」
恐らく買うとなったらかなりの金額がするだろう。
下手すると機体の冥刀並。
そう言う訳で邪眼を貰い。
「毎度あり~。イーヒッヒッヒ」
オウカは店を後にした。
【TIPS:最高欠作Ⅰ】
(・▽・)<傑でなく欠は使われているのは欠点や欠陥があるからです。
(・▽・)<そして銘を付けません。【~號】と呼んでます。
(㈩*㈩)<チェーンソーとか、蛇腹剣以外にもあるの?
(・▽・)<ええ。良い機会なんで廃棄、未登場、ネタバレなどなど
(・▽・)<全部紹介しちゃいましょう♪
零號:本人の影
『匣化。物品を収納可能。実は生物も望めば仕舞える』「重量自体は自身で引き受ける必要があるので、下手をしなくても圧死する」
壱號:モンセラートのチェーンソー(喪失)
『【ルンペル】による最大の強化効率を誇る』「常人では引きずるのがやっとな程重く、流石のモンセラートでも色々な補助を使ってやっとな上、隙が大きい」
弐號:オウカの蛇腹剣(喪失)
『かつてのクロスの再現』「五つの引鉄で伸縮を操作するので扱いが難しい。そのうえ、メンテナンスがヴィーしか出来ず、強度に問題あり」
参號:リリアーヌのハルバード(喪失)
『斧と槍に大鎌、鎖鉄球、鎚矛、狼牙棒などが融合しており、遠近・斬打突薙払色々可能』「持てる場所が短いうえ、重いので扱いかなり難しい」
肆號:ディアンの??(喪失)
『冥刀が使えない時の予備』「性能が冥刀には届かず、強度や射程などに難があるためあくまで緊急用」
(・▽・)<続きは次回♪
(㈩*㈩)<一度にやっちゃえばいいのに……。
(#ー#)<予想以上に伸びたからキリの良い所まで、だそうだ。